説明

断続動作のカプセル充填機

製薬材料の粒子(12)、特に、マイクロタブレット(12)又はペレットを収容する蓋と本体(3、4)とを有するタイプの硬質ゼラチンカプセル(C)を製造するためのカプセル充填機(10)は、最初にカプセルの蓋(3)と本体(4)とを分離した後に組み合わせることによりカプセル(C)を開いて閉じるためにカプセル(C)を保持及び取扱うための複数のスライドユニット(5)を取付ける回転カルーセル(2)と、一服分量の粒子(12)をそれぞれのカプセルの本体(4)内に充填するために粒子(12)をカルーセル(2)に供給するための手段(11)とを備える。供給手段(11)は、粒子(12)の密集体を収容する少なくとも一つのホッパ(13)と、ホッパ(13)内の粒子(12)の密集体に部分的に浸されるローラ手段(14)とを備え、ローラ手段(14)が、ホッパ(13)から取り出す規定数の粒子(12)を収容及び保持及び且つ次に粒子(12)をカルーセル(2)に取り付けた一続きの中空の導管(16)内に解放するための複数の吸引凹部(15)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製薬材料を収容する硬質ゼラチンカプセルを製造するためのカプセル充填機に関する。
【0002】
詳細には、本発明が有利に関連する蓋と本体を有するタイプの硬質ゼラチンカプセルに充填される製薬材料は、マイクロタブレット、マイクロペレット、ペレット又は同様なもののような粒子状の形態である。
【背景技術】
【0003】
現在、カプセル充填機は、通常、断続的に回転する中央タレット又はカルーセル(回転式の搬送機)を備えており、タレット又はカルーセルは、タレットの外周に位置し間欠駆動手段を介してタレット自身によって駆動される複数の動作ユニットを備えている。
【0004】
タレット周りの各々の動作ユニットは、複数のワークステーションに搬送される一つ又は二以上のカプセルを保持する取付スライドを備えており、これらワークステーションは、公知の方法に従って処理サイクルにおいて様々なステップを実行する、すなわち、閉じたカプセルの供給と向き合せを行い、カプセル本体をカプセル蓋から分離することによってそれぞれのカプセルを開いて、一定量の製薬材料をカプセル本体に充填し、その蓋でカプセル本体を閉じて、最後に、このように作られた完全に密閉したカプセルを排出する。
【0005】
規定サイクルに続いて、内側にピストンを(通常は空気圧によって駆動される)有した中空の筒形状パンチを備える公知のタイプの投薬ユニットの各々が、筒形状のパンチをタレットに関連するタンクに収容された製薬材料内に下ろし、次に規定の一服分量の製薬材料をタンク内に既に下ろされた筒形状パンチ内に引き入れるようにピストンを持ち上げることによって製薬材料を取り出している。
【0006】
次に、筒形状パンチが、タンクから持ち上げられ、掻き取り(scraping)又はブラシがけ(brushing)によってパンチから過剰な材料を取り除いた後で、容量測定された一服分量の製薬材料を筒形状パンチチャンバから押し出され、その押し出される間にパンチチャンバと並んで位置するカプセル本体に押し込むようにピストンが下げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、このタイプの投薬ユニットが、粉体形態の製薬材料を正確に投薬するために良く有利に使用されているが、カプセルがマイクロタブレット又はマイクロペレットのような粒子材料で充填されなければならないとき、一服分量は均一に正確ではない。
【0008】
実際には、筒形状パンチ内のピストンは、マイクロタブレット、ペレット又は同様なものの場合には、いつも正確に、容量測定で小分けされた粉体形態の一定量の製薬材料を取り出すことができるが、ピストンによって付与される力は、それぞれのカプセル本体に充填されるべき規定量のマイクロタブレットを取り出す際には均一に有効でない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は、上述の欠点に打ち勝つカプセル充填機を提供することを目的としている。
【0010】
特に、本発明の目的は、高い一服分量精度を提供できる改良されたカプセル充填機を供給することである。
【0011】
本発明の他の目的は、カプセル充填機を提案することであり、充填機が、上述の一服分量の精度に加えて、これら充填機に要求される信頼性、生産性及び安全性のレベルを保証するように持続できることであり、並びに現在のカプセルの充填機に標準的な同様に高い動作速度、特に、高い生産性、連続動作のカプセル充填機を保証することが出来ることである。
【0012】
本発明は、従って、製薬材料の粒子、特に、マイクロタブレット又はペレットを収容する蓋と本体とを有するタイプの硬質ゼラチンカプセルを製造するためのカプセル充填機であって、最初にカプセルの蓋と本体とを分離した後に組み合わせることによりカプセルを開いて閉じるために、各カプセルを保持及び取扱うための複数のスライドユニットを取付ける回転カルーセルと、一服分量の粒子をそれぞれのカプセル本体内に充填するために粒子をカルーセルに供給するための手段とを備え、供給手段が、これら製薬材料粒子の密集体を収容する少なくとも一つのホッパと、ホッパで密集体の粒子に部分的に浸されるローラ手段とを備え、該ローラ手段が、ホッパから取出す規定数の粒子を収容及び保持し且つ次に粒子をカルーセルに取り付けられた一続きの中空導管内に解放するための複数の吸引凹部を有していることを特徴とするカプセル充填機を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の特徴及び利点は、添付図面において単に例証として説明され、本発明のより好ましい制限されない実施形態において以下の詳細な説明からより明白となろう。
【0014】
図1を参照すると、参照符号10によって全体が示される本発明によるカプセル充填機が、それぞれ参照符号3と参照符号4とで標識される蓋と本体とを有しており且つ規定量の製薬材料の粒子12、特に製薬マイクロタブレット、ペレット又は同様なもののを有したタイプの通例のカプセルCの充填に用いられている。
【0015】
カプセル充填機10は、矢印Lによって指示される方向に垂直軸線Z周りに断続的に回転し且つ水平方向にカプセルCの本体4を保持及び移動するための複数のスライドユニット5を取り付けるアーム(腕)2a、2b、(図2)を半径方向に搭載したカルーセル2を備えている。
【0016】
図2により十分に図解されているように、充填機10は、ホッパー13の内側に密集体状態で集積された製薬材料のマイクロタブレット12を供給するための少なくとも一つのユニット11も備えている。
【0017】
図1に破線の様式で一区画として単に示されているユニット11もまた、ホッパー13に加えて、軸線Zを横断する水平軸線Y周りに(図2における反時計周りの方向Kに)回転するピックアップローラ14を備えており、このローラ14が、ホッパー13内のマイクロタブレット12の密集体の中に部分的に浸され、且つ筒状体側面上に各グループに均等に振り分けて配置されるマイクロタブレット12を収容するための配列Gを形成する中空の凹部15を有している。
【0018】
中空の凹部15は、円弧Wに沿って、真空源(通例のタイプであり示されていない)に接続されており、ホッパー13から吸引によって取出される規定数のマイクロタブレット12を収容及び保持し、その後、並べて作られてカルーセル2に取付けられたディスク状要素17上に均等に振り分けて配置され、従って軸線Z周りのLの方向にディスク状要素17とともに一体になって断続的に回転する一続きの漏斗状の中空導管16にマイクロタブレットを放出する。
【0019】
漏斗状の導管16の各々は、ローラ14の一又は二以上の凹部15から落下する一又は二以上のマイクロタブレット12を受容するように設計されており、導管16の底側端部が、アーム2b上に取り付けられた往復動するプレート手段18によって一時的に閉鎖され、次に、マイクロタブレット12が開いた導管16からその下のそれぞれのカプセル本体4内に落下することを可能にするように(図2の円形コンベヤ2の左側部を確認されたい)カルーセル2の断続的な回転の間に開放される。
【0020】
ローラ14には、回転摺切手段19が、結合されている。回転摺切手段19は、ローラ14と同じ方向に回転し、中空の凹部15が均一に充填され且つローラ14から過剰なマイクロタブレット12を掻き落して、密集体内に戻すように設計されている。ユニット11は、また、凹部15の配列Gがディスク状要素17上の漏斗状導管16を介してスライドユニット5上のカプセル本体4に充填されるべき正確な規定数のマイクロタブレット12で満たされていることを確認するように設計されたディスプレイと検出センサ手段20とを備えている。
【0021】
好ましくは、センサ手段20が、マイクロタブレット12で正確に充填されないような各カプセルCを拒絶するためのユニットを起動するための手段に接続可能な(示されないが公知の方法である)カメラ20を備えている。
【0022】
使用の際には、円形コンベヤ2は、図1及び図2に示されたサイクルに従って空のカプセルCを収容する頂部のホッパー(示されないが公知のタイプである)からカプセルCを取り出す。カプセルCは、次に、カプセルCの各々が、蓋3を本体4から分離することによって開かれる一連の段階を通過する間、カプセルCを保持するスライドユニット5に一つずつ収容され、本体4は、上述の供給ユニット11によって規定量のマイクロタブレット12を充填され、その蓋3によって閉じられ、最後に仕上がったカプセルCが、送出領域S(図1)でカプセル充填機10から排出される。
【0023】
従って、上述のようなカプセル充填機は、カプセルに充填されるべき正確な数のマイクロタブレットを小分け分包することを可能とする単純な供給ノズル構造により、上述の目的を達成する。
【0024】
明らかに、ぞれぞれのカプセルCに充填されるマイクロタブレットの一服分量は、ローラ14の凹部15の数を単に変えることによって変更することが出来る。
【0025】
凹部15と漏斗状導管16の大きさもまた明らかに変更でき、また、供給ユニット11のピックアップローラ14の側面に列で配置された凹部15によって形成された空洞の外形も変更され得る。
【0026】
従って、添付された請求項に記載されたような問題解決手段の範囲から逸脱すること無しに、本発明が、実用化の目的ために様々な方法で変更され且つ適応できることが理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による断続動作のカプセル充填機の動作サイクルの概略図である。
【図2】部分的に断面で表され、明瞭にするために特定部分を切り取られた、図1のカプセル充填機の一部分の概略正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製薬材料の粒子(12)、特に、マイクロタブレット(12)又はペレットを収容する蓋と本体(3、4)とを有するタイプの硬質ゼラチンカプセル(C)を製造するためのカプセル充填機(10)であって、
最初に前記カプセルの前記蓋(3)と前記本体(4)とを分離した後に組み合わせることにより前記カプセル(C)を開いて閉じるために前記カプセル(C)を保持及び取扱うための複数のスライドユニット(5)を取付ける回転カルーセル(2)と、一服分量の前記粒子(12)をそれぞれの前記カプセルの本体(4)内に充填するために前記粒子(12)を前記カルーセル(2)に供給するための手段(11)とを備え、
前記供給手段(11)が前記粒子(12)の密集体を収容する少なくとも一つのホッパ(13)と、前記ホッパ(13)内の前記粒子(12)の密集体に部分的に浸されるローラ手段(14)とを備え、該ローラ手段(14)が、前記ホッパ(13)から取り出す規定数の前記粒子(12)を収容及び保持且つ次に前記粒子(12)を前記カルーセル(2)に取り付けた一続きの中空の導管(16)内に解放するための複数の吸引凹部(15)を有することを特徴とするカプセル充填機。
【請求項2】
中空の前記導管(16)が、前記カルーセル(2)自体と一体となって回転するように前記カルーセル(2)に取付けられたディスク状(17)要素に均等に振り分けて配置されている請求項1に記載のカプセル充填機。
【請求項3】
前記導管(16)が、前記ローラ手段(14)から落下する前記粒子(12)を集積し且つ前記粒子(12)を前記カプセル(C)の本体内に入れるために概略漏斗形状になっており、前記ローラ手段(14)の前記凹部(15)から落下する前記粒子を集積するために前記導管(16)の底側端部を閉じるための往復動プレート手段(18)が設けられている請求項1又は請求項2に記載のカプセル充填機。
【請求項4】
前記ローラ手段(14)の前記凹部(15)が、規定数の前記粒子(12)で適切に満たされていることを確認するための検出手段(20)をさらに備えている請求項1から請求項3の何れか一項に記載のカプセル充填機。
【請求項5】
前記カプセル充填機が回転摺切手段(19)をさらに備え、該回転摺切手段(19)が前記ローラ手段(14)と連結されており、中空の前記凹部(15)が正確に満たされ且つ過剰な前記粒子(12)を前記ホッパ(13)の前記密集体内に戻すように設計されている請求項1から請求項4の何れか一項に記載のカプセル充填機。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−502291(P2009−502291A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523484(P2008−523484)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002133
【国際公開番号】WO2007/012966
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(594073646)イ.エンメ.ア.インドゥストリア マッキーネ アウトマティケ ソチエタ ペル アツィオニ (29)
【Fターム(参考)】