説明

新規なピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン誘導体および治療でのその使用

式(I)
【化1】


(式中、R1、R12、L、XおよびYは本明細書で定義された通りである)の新規化合物およびその薬学的に許容しうる塩がそれらの製造法、それらを含有する組成物および治療でのそれらの使用と共に開示されている。本化合物は酵素MPOの阻害剤であり、そのため特に神経炎症性疾患、心臓血管疾患および呼吸器疾患の治療または予防において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン誘導体、それらの製造法、それらを含有する組成物および治療でのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ミエロペルオキシダーゼ酵素(MPO)は主に多形核白血球(PMN)に存在するヘム含有酵素である。MPOは好酸球ペルオキシダーゼ、甲状腺ペルオキシ ダーゼ、唾液ペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、プロスタグランジン H シンターゼなどを含む哺乳動物の様々なペルオキシダーゼのタンパク質ファミリーの一員である。成熟酵素は同一の半分子の二量体である。各半分子はMPOの特徴的な緑色の原因である特異なスペクトル特性を示す共有結合したヘムを含有する。MPOのその二つの半分子を結合するジスルフィド架橋の開裂は完全な酵素と区別できないスペクトルおよび触媒特性を示す半酵素を与える。この酵素は過酸化水素を使用して塩化物を次亜塩素酸に酸化する。他のハロゲン化物および擬ハロゲン化物(例えばチオシアネート)もまたMPOに対する生理学的基質である。
【0003】
PMNは感染症を治療するのに特に重要である。これらの細胞はその殺菌作用が十分に裏付けされたMPOを含有する。PMNは微生物を飲み込み、それらをファゴソームと呼ばれる小胞に取り込む食作用により非特異的に作用し、そのファゴソームはミエロペルオキシダーゼを含有する顆粒と融合してファゴリソソームを形成する。ファゴリソソームにおいて、ミエロペルオキシダーゼの酵素活性は強力な殺菌性化合物である次亜塩素酸の生成を導く。次亜塩素酸はそれ自体が酸化性であり、チオールおよびチオエーテルと最も強く反応するが、さらにアミンをクロラミンに変換し、また芳香族アミノ酸を塩素化する。マクロファージはPMNと同様に微生物を貪食することができる大食細胞である。マクロファージは過酸化水素を生じさせることができ、また活性化によりミエロペルオキシダーゼを生成することができる。MPOおよび過酸化水素はまた、細胞の外側に放出され、そこで塩化物と反応して隣接する組織に損傷を与えることがある。
【0004】
ミエロペルオキシダーゼ活性と疾患との関連は多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病および脳卒中を含む神経炎症性反応を伴なう神経系疾患、並びに喘息、慢性の閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、腎糸球体傷害および関節リウマチのような他の炎症性疾患または症状において示されている。肺ガンもまた高いMPO値に関与していることが示唆されている。
【0005】
多発性硬化症(MS)
MPO陽性細胞は炎症を起こしている循環および組織に多く存在する。さらに詳しくは、マクロファージおよびミクログリアを含有するMPOは罹病中のCNSで実証されている:多発性硬化症(Nagra RMらのJournal of Neuroimmunology, 78(1〜2), 97〜107(1997年))、パーキンソン病(Choi D−K.らのJ. Neurosci., 25(28), 6594〜600(2005年))およびアルツハイマー病(Green PS.らのJournal of Neurochemistry., 90(3), 724〜33(2004年))。慢性の持続的な炎症の幾つかはMPO反応による物質が重要な役割を果たす重篤な破壊をもたらすと思われる。
【0006】
酵素は好中球で細胞外に、またファゴリソソーム中に放出される(Hampton MB, Kettle AJ, Winterbourn CC.のBlood, 92(9), 3007〜17(1998年))。MPO活性の前提条件はNADPHオキシダーゼにより発生する過酸化水素の存在およびその後の超酸化物不均化である。酸化型酵素は多種多様の基質を使用することができ、そのうち塩化物が最も知られている。この反応から、強力な非ラジカル酸化剤−次亜塩素酸(HOCl)が生成する。HOClはシステインおよびメチオニンのような硫黄を含有するアミノ酸を非常に効果的に酸化する(Peskin AV, Winterbourn CC.のFree Radical Biology and Medicine, 30(5), 572〜9(2001年))。それはまた、タンパク質や他の生体分子でアミノ基を含むクロラミンを生成する(Peskin AV.らのFree Radical Biology and Medicine, 37(10), 1622〜30(2004年))。それはフェノール(例えばチロシン)(Hazen SL.らのMass Free Radical Biology and Medicine, 23(6), 909〜16(1997年))および脂質の不飽和結合(Albert CJ.らのJ. Biol. Chem., 276(26), 23733〜41(2001年))を塩素化し、中心の鉄を酸化し(Rosen H, Klebanoff SJ.のJournal of Biological Chemistry, 257(22), 13731〜354(1982年))、そしてタンパク質を架橋する(Fu X, Mueller DM, Heinecke JW.らのBiochemistry, 41(4), 1293〜301(2002年))。
【0007】
タンパク質分解カスケードはBBBによる細胞浸潤やBBB、ミエリンおよび神経細胞の破壊に関与する(Cuzner ML, Opdenakker G.のJournal of Neuroimmunology, 94(1〜2), 1〜14(1999年);Yong VW.らのNature Reviews Neuroscience, 2(7), 502〜11(2001年))。マトリックスメタロプロテナーゼ(MMP)の活性化はカスケードの上流にあるプロテアーゼの作用およびジスルフィド架橋の酸化により行なうことができる(Fu X.らのJ. Biol. Chem.,
276(44), 41279〜87(2001年);Gu Z.らのScience, 297(5584), 1186〜90(2002年))。この酸化はニトロシル化またはHOCl介在性酸化である。これらの反応は共にMPO活性の結果である。幾つかのレポートは一般的なMMP、特にMMP−9の役割をMSおよびEAEの両方で細胞浸潤および組織損傷(BBBの破壊および脱髄)に影響を与えるものと示唆している(詳しくはYong VW.らの上記文献を参照)。MSでのこれらの特定の機構の重要性は活性の増加およびプロテアーゼの存在がMS脳組織およびCSFで確認された研究から来ている。裏付けになるデータはまた、MSの病理に関与すると思われるプロテアーゼの一部が不足しているマウスでEAE研究を行なうことにより、または薬理学的なアプローチを使用することにより得られた。
【0008】
脱髄は細胞毒性のT−細胞および活性化した食細胞により生成した毒性産物に依存すると考えられている(Lassmann H.のJ Neurol Neurosurg Psychiatry, 74(6), 695〜7(2003年))。したがって、軸索消失はプロテアーゼや反応性の酸素および窒素中間体により影響を受ける。MPOが存在する場合、それは明らかにプロテアーゼを(直接に、またプロテアーゼ阻害剤に影響を与えて脱抑制することにより)活性化し、反応種を生成する能力を持つであろう。
【0009】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は完全に可逆的ではない気流制限を特徴とする疾患状態である。気流制限は通常、進行性であり、有害な粒子またはガスに対する肺の異常な炎症性反応を伴なう。COPDは重要な公衆衛生問題である。それは米国における慢性疾患の発病率および死亡率の主要原因の第4位であり、2020年には疾病の世界的負担の第5位にランクインすることが予想される。英国では、COPDの罹患率は男性が1.7%であり、女性が1.4%である。COPDの重症度は軽度から極めて重度まで及び、その治療費用は重症度が増すほど急激に上がる。
【0010】
喀痰およびBALのMPO濃度は正常で非喫煙の対照よりもCOPD患者の方がずっと大きい(Keatings V.M.およびBarnes P.J.のAm J Respir Crit Care Med,155, 449〜453(1997年);Pesci, A.らのEur Respir J, 12, 380〜386(1998年))。MPO濃度はさらに疾患の悪化時に上昇する(Fiorini G.らのBiomedicine & Pharmacotherapy, 54, 274〜278(2000年);Crooks S.W.らのEuropean Respiratory Journal., 15(2), 274〜80(2000年))。MPOの役割はCOPDの悪化においてより重要になりそうである(Sharon S.D.らのAm J Respir Crit Care Med., 163, 349〜355(2001年))。
【0011】
MPOの破壊能力の他に、血管疾患と強い臨床的な関係がある(Baldus S.らのCirculation,108,1440〜5(2003年))。機能不全のMPO多型は冠動脈疾患による死亡リスクの低下と関係があり(Nikpoor B.らのAm Heart J, 142, 336(2001年))、MPOの血中濃度が高い患者は急性冠症候群を起こすリスクが高い。肺血管系は喫煙者の肺が関与する最初の部位の1つであるという強い証拠があるため、血管疾患におけるMPOの効果はCOPDにまで及ぶことがある。肺動脈内膜の著しい変化は喫煙と用量相関性を示すことが開示されている(Hale K.A.、Niewoehner D.E.およびCosio M.G.のAm Rev Resp Dis, 122, 273〜8(1980年))。
【0012】
MPOの生理的機能は先天的な宿主防御と関係がある。しかしながら、殆んどのMPO欠乏患者は比較的良性の症状を示すため、この役割は重要ではない(Parry M.F.らのAnn Int Med., 95, 293〜301(1981年);Yang, K.D.およびHill, H.R.のPediatr Infect Dis J., 20, 889〜900(2001年))。要約すれば、COPDの上昇したMPO濃度は幾つかの機構を通して疾患の一因となる無視できない証拠がある。したがって、MPOの選択的阻害剤はCOPDの急性および慢性の炎症を軽減すると思われ、肺気腫の発現を減少させることができる。
【0013】
アテローム性動脈硬化症
MPO阻害剤はアテローム退縮および/または既存のアテローム硬化性病変の脆弱性を減少させ、それにより急性心筋梗塞、不安定狭心症または卒中のリスクを下げる。幾つかのデータはアテローム性動脈硬化症におけるMPOの役割を支持するものである。MPOはヒトのアテローム硬化性病変の肩部位および壊死コアで発現し、活性酵素はヒト病変の解剖検体から単離されている ADDIN ENRfu (Daugherty, A.らのJ Clin Invest, 94(1), 437〜44(1994年))。浸食され、破裂したヒト病変において、脂肪線条と比較してMPOを発現するマクロファージの数が増加することが明らかにされており、これは急性冠症候群におけるMPOの特定の役割を示唆している ADDIN ENRfu (Sugiyama, S.らのAm J Pathol, 158(3), 879〜91(2001年))。確立した冠動脈疾患の患者は健康な対照よりも高い血漿および白血球のMPO濃度を有する ADDIN ENRfu (Zhang, R.らのJama, 286(17), 2136〜42(2001年))。さらに、2つの大きな前向き研究において、血漿中のMPO濃度は将来的な冠動脈イベントまたは血行再建を予測した ADDIN ENRfu (Baldus, S.らの Circulation, 108(12), 1440〜5 (2003年);Brennan, M.らのN Engl J Med, 349(17), 1595〜604(2003年))。ヒトの全MPO欠乏症は2000〜4000人あたり1人の罹患率である。これらの人達は大抵健康であるが、少数例の重症のカンジダ感染症が報告されている。興味深いことに、MPOが欠乏している人は正常なMPO濃度の対照よりも心臓血管疾患にかかるのが少ない ADDIN ENRfu (Kutter, D.らのActa Haematol, 104(1)(2000年))。MPOプロモーターの多型は発現に影響を与えて高いおよび低いMPOを発現する個体をもたらす。3つの異なる研究において、高い発現の遺伝子型は心臓血管疾患のリスクの増加と関係があった ADDIN ENRfu (Nikpoor, B.らのAm Heart J, 142(2), 336〜9(2001年);Makela, R.およびP. J. KarhunenらのLab Invest, 83(7), 919〜25(2003年);Asselbergs, F. W.らのAm J Med, 116(6), 429〜30(2004年))。過去10年間に蓄積されたデータはMPOの動脈硬化促進作用がリポタンパク質の酸化、消費する酸化窒素による内皮機能不全の誘発およびプロテアーゼの活性化によるアテローム硬化性病変の不安定化を含むことを示している(Nicholls, S. J.およびS. L. HazenのArterioscler Thromb Vasc Biol, 25(6), 1102〜11(2005年))。最近、幾つかの研究がLDLおよびHDLリポタンパク質のニトロおよびクロロチロシン修飾に集中している。生体内でのクロロチロシン修飾はMPOにより生成する次亜塩素酸によってのみ行なわれるため、これらの修飾はMPO活性の特異的マーカーとしてみなされる ADDIN ENRfu (Hazen, S. L. and J. W. HeineckeのJ Clin Invest, 99(9), 2075〜81(1997年))。試験管内でMPOにさらされたLDL粒子は凝集してマクロファージスカベンジャー受容体による容易な吸収および泡沫細胞生成をもたらす ADDIN ENRfu (Hazell, L. J.およびR. StockerのBiochem J 90(Pt 1), 165〜72(1993年))。HDLコレステロールの主要なアポリポタンパク質であるアポA1のクロロチロシン修飾はコレステロール受容体の機能障害をもたらす ADDIN ENRfu (Bergt, C., S.らのProc Natl Acad Sci米国(2004年);Zheng, L.らのJ Clin Invest, 114(4), 529〜41(2004年))。これらの機構の系統的な研究はMPOが血漿中のアポA1と結合し、それと共に移動することを示している。さらに、MPOは特にマクロファージからのコレステロール流出中にマクロファージABCA1カセットトランスポーターと物理的に相互作用するアポA1のチロシン残基を標的にする ADDIN ENRfu (Bergt, C.らのJ Biol Chem, 279(9), 7856〜66(2004年);Shao, B.らのJ Biol Chem, 280(7), 5983〜93(2005年);ZhengらのJ Biol Chem, 280(1), 38〜47(2005年))。したがって、MPOはアテローム硬化性病変を悪化させる作用が2つあると思われる。すなわちLDL粒子の凝集により脂質の集積を増加させること及びHDLタンパク質アポA1に対する攻撃によりコレステロール逆転送を減少させることである。
【0014】
1−β−D−リボフラノシル−2−オキソピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(3H,5H)−チオンおよび1−(2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−1−β−D−リボフラノシル)−2−オキソピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(3H,5H)−チオン
【化1】

はJ. Heterocyclic Chemistry, 29, 343〜354(1992年)に開示されている。これらの化合物に帰する薬理活性はない。
【0015】
5,7−ジメルカプト−1,4,6−トリアザインデン
【化2】

はChem. Pharm. Bull., 12, 1030〜1042(1964年)および日本特許JP 02160235 A2に開示されている。この化合物に帰する薬理活性はない。
【0016】
本発明は意外にも酵素MPOの阻害剤として有用な特性を示す新規なピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン誘導体を開示する。これらの化合物は関連する酵素、例えばラクトペルオキシダーゼ(LPO)および甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)に対しても選択性を示すことができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は式(I)
【化3】

[式中、XおよびYの少なくとも一方はSであり、他方はOまたはSであり;
Lは直接結合またはC1〜7アルキレンであり、前記アルキレンは場合によりO、S(O)nおよびNR6から選択されるヘテロ原子を含有し、前記アルキレンは場合により1または2個の炭素−炭素二重結合を含有し、そして前記アルキレンは場合により独立してOH、ハロゲン、CN、NR4R5、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合により酸素に隣接するカルボニルを含有し;
nは整数0、1または2であり;
R1は水素であるか、あるいは
i) 場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であり、場合により独立してハロゲン、SO2R9、SO2NR9R10、OH、C1〜7アルキル、C1〜7アルコキシ、CN、CONR2R3、NR2COR3およびCOR3から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換され、前記アルコキシは場合により酸素に隣接するカルボニルを含有し、前記アルキルは場合によりさらにヒドロキシまたはC1〜6アルコキシにより置換され、そして前記アルキルまたはアルコキシは場合により酸素に隣接する、またはアルキルの何れかの位置に存在するカルボニルを含有し;あるいは
ii) フェニル、ビフェニル、ナフチルから選択される芳香族環系、または独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する単環式または二環式ヘテロ芳香族環構造であり、前記芳香族環系は場合により独立してハロゲン、SO2R9、SO2NR9R10、OH、C1〜7アルキル、C1〜7アルコキシ、CN、CONR2R3、NR2COR3およびCOR3から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換され、前記アルコキシは場合により酸素に隣接するカルボニルを含有し、前記アルキルは場合によりさらにヒドロキシまたはC1〜6アルコキシにより置換され、そして前記アルキルまたはアルコキシは場合により酸素に隣接する、またはアルキルの何れかの位置に存在するカルボニルを含有し;
R12は水素、ハロゲン、または場合により1〜3個のハロゲン原子で置換される炭素であり;
R2、R3、R4、R5、R6、R9およびR10はそれぞれ独立して水素、C1〜6アルキルまたはC1〜6アルコキシであり、前記アルコキシは場合により酸素に隣接するカルボニルを含有し、前記アルキルは場合によりさらにハロゲン、C1〜6アルコキシ、CHO、C2〜6アルカノイル、OH、CONR7R8およびNR7COR8により置換され;あるいは
NR2R3、NR4R5およびNR9R10基はそれぞれ独立して場合によりO、SおよびNR11から選択されるヘテロ原子をさらに1個含有する5〜7員の飽和アザ環式環であり、前記環は場合によりさらにハロゲン、C1〜6アルコキシ、CHO、C2〜6アルカノイル、OH、CONR7R8およびNR7COR8により置換され;
R7、R8およびR11はそれぞれ独立して水素またはC1〜6アルキルであり、あるいはNR7R8
基は場合によりO、SおよびNR11から選択されるヘテロ原子をさらに1個含有する5〜7員の飽和アザ環式環である]の化合物およびその薬学的に許容しうる塩を提供するが、但し化合物1−β−D−リボフラノシル−2−オキソピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(3H,5H)−チオン、1−(2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−1−β−D−リボフラノシル)−2−オキソピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(3H,5H)−チオンおよび5,7−ジメルカプト−1,4,6−トリアザインデンは特許請求しない。
【0018】
式(I)の化合物はエナンチオマー形態で存在することができる。すべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、互変異性体およびこれらの混合物は本発明の範囲内に包含されることは理解されよう。
【0019】
式(I)の化合物は互変異性体として存在することができる。すべてのこのような互変異性体および互変異性体の混合物は本発明の範囲内に包含される。
【0020】
特に断りがなければ、本明細書において「C1〜6アルキル」なる用語は1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状アルキル基を意味する。このような基の例はメチル、エチル、1−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルであるが、これらに限定されない。「C1〜7アルキル」なる用語は同様に解釈される。
【0021】
特に断りがなければ、本明細書において「C1〜7アルキレン」なる用語は1〜7個の炭素原子を有し、2個の自由原子価を持つ直鎖状または分枝鎖状アルキル基を意味する。このような基の例はメチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレンおよびエチルエチレンであるが、これらに限定されない。「C1〜3アルキレン」なる用語は同様に解釈される。
【0022】
特に断りがなければ、本明細書において「C1〜6アルコキシ」なる用語は1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基を意味する。このような基の例はメトキシエトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ(イソプロポキシ)、t−ブトキシおよびペントキシであるが、これらに限定されない。「C1〜7アルコキシ」なる用語は同様に解釈される。
【0023】
特に断りがなければ、本明細書において「C2〜6アルカノイル」なる用語は1〜5個の炭素原子を有し、アルキル基の任意の位置にカルボニル基がある直鎖状または分枝鎖状アルキル基を意味する。このような基の例はアセチル、プロピオニルおよびピバロイルであるが、これらに限定されない。
【0024】
特に断りがなければ、本明細書において「ハロゲン」なる用語はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0025】
場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環の例はシクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジノンおよびピペリジノンであるが、これらに限定されない。
【0026】
独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する単環式または二環式ヘテロ芳香族環構造の例はフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、インドール、イソインドールおよびベンズイミダゾールであるが、これらに限定されない。
【0027】
場合によりO、SおよびNR11から選択されるヘテロ原子をさらに1個含有する5〜7員の飽和アザ環式環の例はピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンおよびチオモルホリンであるが、これらに限定されない。
【0028】
Lの定義において、「C1〜7アルキレン;前記アルキレンは場合によりO、S(O)nおよびNR6から選択されるヘテロ原子を含有し、前記アルキレンは場合により1または2個の炭素−炭素二重結合を含有する」は1〜7個の炭素原子からなり、2個の自由原子価を持ち、また何れかの2個の単結合した炭素原子は場合によりO、SまたはNR6で隔てられる飽和または不飽和の直鎖状または分枝鎖状配置を包含する。このような定義には例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、エチルエチレン、−CH2=CH2−、−CH2CH=CH−CH2−、−CH(CH3)=CH2−、−CH2=CH2−CH2O−、−CH2O−、−CH2CH2O−CH2−、−CH2CH2O−CH2−CH2−、−CH2CH2S−および−CH2CH2NR6−が含まれる。
【0029】
一態様において、R1は水素である。
他の態様において、XはSであり、そしてYはOである。
さらに他の態様において、YはSであり、そしてXはOである。
【0030】
さらに他の態様において、Lは直接結合またはC1〜7アルキレンであり、前記アルキレンは場合によりO、S(O)nおよびNR6から選択されるヘテロ原子を含有し、前記アルキレンは場合により1または2個の炭素−炭素二重結合を含有し、そして前記アルキレンは場合により独立してOH、C1〜6アルコキシ、ハロゲン、CNおよびNR4R5から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換される。
【0031】
さらに他の態様において、Lは直接結合またはC1〜7アルキレンであり;前記アルキレンは場合により独立してOH、C1〜6アルコキシ、ハロゲン、CNおよびNR4R5から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換される。
【0032】
さらに他の態様において、Lは直接結合またはC1〜7アルキレンであり;前記アルキレンは場合により1個またはそれ以上のC1〜6アルコキシにより置換される。
【0033】
さらに他の態様において、Lは直接結合またはC1〜3アルキレンであり;前記アルキレンは場合により独立してOH、C1〜6アルコキシ、ハロゲン、CNおよびNR4R5から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換される。
【0034】
さらに他の態様において、LはC1〜3アルキレンであり;前記アルキレンは場合により1個またはそれ以上のC1〜6アルコキシにより置換される。
【0035】
さらに他の態様において、Lは直接結合または場合により置換されるメチレン(−CH2−)である。
【0036】
さらに他の態様において、Lは直接結合または場合により置換されるエチレン(−CH2CH2−)である。
【0037】
さらに他の態様において、R1は場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であり、前記環は場合により独立してハロゲン、SO2R9、SO2NR9R10、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CN、CONR2R3、NR2COR3およびCOR3から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換され、そして前記アルキルは場合によりさらにヒドロキシまた
はC1〜6アルコキシにより置換される。
【0038】
さらに他の態様において、R1は場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であり、前記環は場合により独立してハロゲン、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換される。
【0039】
さらに他の態様において、R1はフェニル、ビフェニル、ナフチルから選択される芳香族環系、または独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する単環式または二環式ヘテロ芳香族環構造であり、前記芳香族環は場合により独立してハロゲン、SO2R9、SO2NR9R10、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CN、CONR2R3、NR2COR3およびCOR3から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換され、そして前記アルキルは場合によりさらにヒドロキシまたはC1〜6アルコキシにより置換される。
【0040】
さらに他の態様において、R1はフェニル、ビフェニル、ナフチルから選択される芳香族環系、または独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5−または6−員のヘテロ芳香族環であり、前記芳香族環は場合により独立してハロゲン、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換される。
【0041】
さらに他の態様において、R1は場合により置換されるフェニルである。
さらに他の態様において、R1は場合により置換されるピリジルである。
さらに他の態様において、LはC1〜7アルキレンであり、そしてR1はHである。
【0042】
さらに他の態様において、Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であり、前記環は場合により独立してハロゲン、SO2R9、SO2NR9R10、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CN、CONR2R3、NR2COR3およびCOR3から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換され、そして前記アルキルは場合によりさらにヒドロキシまたはC1〜6アルコキシにより置換される。
【0043】
さらに他の態様において、Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であり、前記環は場合により独立してハロゲン、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換される。
【0044】
さらに他の態様において、Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1はフェニル、ビフェニル、ナフチルから選択される芳香族環系、または独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5−または6−員のヘテロ芳香族環であり、前記芳香族環は場合により独立してハロゲン、SO2R9、SO2NR9R10、OH、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、CN、CONR2R3、NR2COR3およびCOR3から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換され、そして前記アルキルは場合によりさらにヒドロキシまたはC1〜6アルコキシにより置換される。
【0045】
さらに他の態様において、Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1はフェニル、ビフェニル、ナフチルから選択される芳香族環系、または独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5−または6−員のヘテロ芳香族環であり、前記芳香族環は場合により独立してハロゲン、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、前記アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換される。
【0046】
さらに他の態様において、XはSであり、YはOであり、Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は場合により置換されるフェニルである。
【0047】
さらに他の態様において、XはSであり、YはOであり、Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は場合により置換されるピリジルである。
【0048】
さらに他の態様において、XはSであり、YはOであり、LはC1〜6アルコキシで置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は水素である。
【0049】
特定の本発明の化合物は:
1−ブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−フルオロ−ベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ピペリジン−3−イルメチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ブチル−4−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−オン;
1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(3−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−{[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−6−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(4,5−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
7−ブロモ−1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;および
1−(3−クロロフェニル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
およびその薬学的に許容しうる塩である。
【0050】
本発明の他の態様は医薬としての式(I)の新規化合物の使用である。
【0051】
本発明の他の態様は酵素MPOの阻害が有効である疾患または症状を治療または予防するための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用である。
【0052】
本発明の他の態様は神経炎症性疾患、心臓血管や脳血管のアテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患および呼吸器疾患、例えば慢性閉塞性肺疾患を治療または予防するための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0053】
さらに、本発明の他の態様は多発性硬化症を治療または予防するための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。治療は疾患の進行を遅らせることを含む。
【0054】
さらに、本発明の他の態様は新しいアテローム硬化性病変またはプラークの形成を予防および/または軽減することにより、そして/または存在する病変およびプラークを予防するかまたはその進行を遅らせることによりアテローム性動脈硬化症を治療または予防するための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0055】
さらに、本発明の他の態様はプラーク組成を変えてプラーク崩壊およびアテローム血栓性イベントのリスクを減らすことによりアテローム性動脈硬化症を治療または予防するための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
【0056】
さらに、本発明の他の態様は呼吸器疾患、例えば慢性閉塞性肺疾患を治療または予防するための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。治療は疾患の進行を遅らせることを含む。
【0057】
本発明によれば、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を酵素MPOの阻害が有効である疾患または症状に罹っているかまたはそのリスクがある人に投与することからなる、前記疾患または症状を治療するかまたはそのリスクを減らす方法もまた提供される。
【0058】
さらに、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を神経炎症性疾患、心臓血管や脳血管のアテローム性動脈硬化症または末梢動脈疾患、または呼吸器疾患、例えば慢性閉塞性肺疾患に罹っているかまたはそのリスクがある人に投与することからなる、前記疾患または症状を治療するかまたはそのリスクを減らす方法もまた提供される。
【0059】
さらに、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を多発性硬化症に罹っているかまたはそのリスクがある人に投与することからなる、前記疾患または症状を治療するかまたはそのリスクを減らす方法もまた提供される。
【0060】
治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩をアテローム性動脈硬化症に罹っているかまたはそのリスクがある人に投与することからなる、新しいアテローム硬化性病変またはプラークの形成を予防および/または軽減することにより、そして/または存在する病変およびプラークを予防するかまたはその進行を遅らせることにより前記疾患または症状を治療するかまたはそのリスクを減らす方法もまた提供される。
【0061】
さらに、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩をアテローム性動脈硬化症に罹っているかまたはそのリスクがある人に投与することからなる、プラーク組成を変えてプラーク崩壊およびアテローム血栓性イベントのリスクを減らすことにより前記疾患または症状を治療するかまたはそのリスクを減らす方法もまた提供される。
【0062】
他の見地において、本発明は酵素MPOの阻害が有効である疾患または症状の治療または予防において使用される、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と一緒に含有する医薬製剤を提供する。
【0063】
他の見地において、本発明は神経炎症性疾患の治療または予防において使用される、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と一緒に含有する医薬製剤を提供する。
【0064】
他の見地において、本発明は多発性硬化症、心臓血管や脳血管のアテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患および呼吸器疾患、例えば慢性閉塞性肺疾患の治療または予防において使用される、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と一緒に含有する医薬製剤を提供する。
【0065】
他の見地において、本発明は新しいアテローム硬化性病変および/またはプラークの形成を予防および軽減すること、さらに/または存在する病変およびプラークを予防するかまたはその進行を遅らせることによるアテローム性動脈硬化症の治療または予防において使用される、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と一緒に含有する医薬製剤を提供する。
【0066】
他の見地において、本発明はプラーク組成を変えてプラーク崩壊およびアテローム血栓性イベントのリスクを減らすことによるアテローム性動脈硬化症の治療または予防において使用される、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と一緒に含有する医薬製剤を提供する。
【0067】
本発明によれば、さらに式(II)
【化4】

[式中、R1、R12およびLは式(I)で定義された通りであり、そしてRは上記で定義されたようなアルコキシの酸素が式(II)のカルボニルに直接結合しているC1〜6アルコキシまたはNH2である]の化合物をC1〜6アルコキシカルボニルイソチオシアネートまたはフェニルカルボニルイソチオシアネート(ここでフェニル基は場合により独立してC1〜6アルキル、ハロゲン、C1〜6アルコキシ、NO2、OH、CN、C1〜6アルキルアミノまたはNH2から選択される1個またはそれ以上の基により置換される)と反応させ;必要ならば得られた式(I)の化合物またはその塩をその薬学的に許容しうる塩に変換するか;または得られた式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に変換し;所望ならば得られた式(I)の化合物をその光学異性体に変換することからなる式(I)の新規化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、互変異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ化合物の製造法が提供される。
【0068】
本法では、式(II)の化合物およびアルコキシカルボニルイソチオシアネートまたはフェニルカルボニルイソチオシアネートをジクロロメタンのような適当な乾燥有機溶媒中で溶解または懸濁し、あるいは0〜30℃、例えば周囲温度で反応が終了するまで、典型的には5〜60分間、必要に応じて一晩撹拌する。好ましくは、アルコキシカルボニルイソチオシアネートはエトキシカルボニルイソチオシアネートであり、フェニルカルボニルイソチオシアネートは好ましくはベンゾイルイソチオシアネートである。標準的な後処理後、中間体生成物を場合により精製してから塩基、例えばエタノール中のナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア溶液、またはメタノール中のアンモニアで処理して所望の式(I)の化合物を得る。環化は油浴中、またはマイクロ波反応器において高温で行なわれる。例えば、NormanらのJ. Med. Chem., 43, 4288〜4312(2000年)を参照。メタノ
ール中のアンモニアが使用される場合、好ましくは圧力容器が使用される。
【0069】
式(II)の化合物は式(III)
【化5】

(式中、R12は式Iで定義された通りであり、そしてRは式IIで定義された通りである)の化合物を反応させることにより製造することができ(例えばFurneauxらのJ. Org. Chem., 64, 8411〜8412(1999年)を参照)、また下記工程により行なうことができる:
【0070】
a)還元的アミノ化。本工程では、式(III)の化合物をシアノホウ水素化ナトリウムまたはトリアセトキシホウ水素化ナトリウムのような還元剤の存在下で式(IV)
【化6】

(式中、R1は式Iで定義された通りである)のアルデヒドと混合することができる。酸、好ましくは酢酸を加えて反応を触媒することができる。反応はメタノールのような溶媒中、周囲温度〜50℃、好ましくは周囲温度で行なうことができる。標準的な後処理後、生成物を場合によりフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製する。例えば、SuzukiらのChem. Pharm. Bull., 50, 1163〜1168(2002年)またはFurneaux, R.H.、Tyler, P.C.のJ. Org. Chem., 64, 8411〜8412(1999年)を参照。
【0071】
b)アルキル化。本工程では、式(V)
【化7】

(式中、R1は式Iで定義された通りである)のメシレートを式(III)の化合物、沃化カリウムおよび塩基、好ましくは炭酸カリウムの撹拌溶液に加えることができる。 反応はN,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、高い反応温度、好ましくは85℃で行なうことができる。 反応混合物を抽出により後処理し、次にフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して式(II)の化合物を得ることができる。
【0072】
c)式(III)の化合物を化合物(VI)
【化8】

(式中、R1は式Iで定義された通りであり、そしてHaloはハロゲン、好ましくはブロモである)の適当なアリールと交差カップリングさせて式(II)の化合物を得る。反応はPd2(dba)3またはPd(OAc)2のような適当なパラジウム触媒をBINAPのような適当なリガンドと一緒に使用して行なうことができる。炭酸セシウムのような適当な塩基をテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはトルエンのような適当な溶媒中の反応で使用することができ、それは80℃〜100℃の温度範囲で行なわれる。例えば、J.P. Wolfe、S.L. BuchwaldのJ. Org. Chem., 65, 1144〜1157(2000年)を参照。
【0073】
式(II)の化合物は文献で知られているか、または当業者に容易に理解される既知方法を使用して製造することができる。例えば、SuzukiらのChem. Pharm. Bull., 50, 1163〜1168(2002年)またはFurneaux, R.H.、Tyler, P.C.のJ. Org. Chem., 64, 8411〜8412(1999年)を参照。
【0074】
式(IV)、(V)および(VI)の化合物は商業的に入手できるか、または文献でよく知られている方法を使用して製造することができる。
【0075】
本発明は塩形態の式(I)の化合物を包含する。適当な塩には有機または無機酸、あるいは有機または無機塩基を使用して生成した塩がある。このような塩は一般に薬学的に許容されるが、薬学的に許容されない酸または塩基の塩は当該化合物の製造および精製において有用である。したがって、好ましい酸付加塩には塩酸、臭化水素酸、 硫酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸から生成した塩がある。好ましい塩基付加塩にはカチオンがナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、コリン、エタノールアミンまたはジエチルアミンである塩がある。
【0076】
式(I)の化合物の塩は化合物、またはその塩、エナンチオマーまたはラセミ化合物を1当量以上の適当な酸または塩基と反応させることにより生成することができる。反応は塩が不溶性の溶媒または媒質、または塩が可溶性の溶媒、例えば水、ジオキサン、 エタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、または溶媒の混合物中で行なうことができ、これらの溶媒は真空下で、または凍結乾燥により除去することができる。反応は複分解工程であってもよく、またはイオン交換樹脂上で行なうことができる。
【0077】
本発明の化合物およびそれらの中間体はそれらの反応混合物から単離することができ、必要に応じて標準法を使用してさらに精製することができる。
【0078】
式(I)の化合物はエナンチオマー形態で存在することができる。したがって、すべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、互変異性体およびこれらの混合物は本発明の範囲内に包含される。種々の光学異性体は慣用の方法、例えば分別結晶またはHPLCを使用して本化合物のラセミ混合物を分割することにより単離することができる。別法として、種々の光学異性体は光学的に活性な出発物質を使用して直接製造することができる。
【0079】
中間体化合物はエナンチオマー形態でも存在することができ、精製したエナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物または混合物として使用することができる。
【0080】
式(I)の化合物は互変異性体として存在することができる。このような互変異性体および互変異性体の混合物はすべて本発明の範囲内である。
【0081】
中間体化合物は互変異性体としても存在することができ、精製した互変異性体または混合物として使用することができる。
【0082】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容しうる塩は酵素MPOの阻害剤として薬理学的活性を有するため有用である。
【0083】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容しうる塩はミエロペルオキシダーゼ酵素(MPO)の活性の調節が望ましい疾患または症状の治療または予防において使用するのに適している。特に、MPO活性と疾患との関連は神経炎症性疾患において示されている。したがって、本発明の化合物はヒトを含む哺乳動物の神経炎症性の症状または障害の治療において使用するのに適している。本化合物はまた、心臓血管および脳血管のアテローム性動脈硬化症または末梢動脈疾患の治療において使用するのに適している。本化合物はまた、呼吸器疾患、例えば気道障害:気道の閉塞性疾患、例えば気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、運動誘発性喘息、薬物喘息(アスピリンおよびNSAIDにより誘発される喘息を含む)およびダスト起因の喘息を含む間欠性および持続性のあらゆる重症度の喘息、並びに他の原因の気道過敏症;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;肉芽腫;農夫肺および関連疾患;過敏性肺臓炎;肺線維症、例えば特発性間質性肺炎、特発性間質性肺炎、抗腫瘍療法および結核、アスペルギルス症や他の真菌感染症を含む慢性感染症で併発する線維症;肺移植の合併症;肺血管系の脈管炎および血栓疾患、並びに肺高血圧症;気道の炎症および分泌状態と関係がある慢性咳や医原性咳の治療を含む鎮咳作用;薬物性鼻炎および血管運動神経性鼻炎を含む急性および慢性の鼻炎;神経性鼻炎(花粉症)を含む通年性および季節性のアレルギー性鼻炎;鼻茸;風邪を含む急性ウイルス感染症、並びに呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染症の治療において有用であることが示唆されている。このような症状または障害は当業者に容易に理解されよう。
【0084】
特に言及される症状または障害には多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症および卒中、並びに他の炎症性の疾患または症状、例えば喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、副鼻腔炎、鼻炎、乾癬、皮膚炎、ブドウ膜炎、歯肉炎、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、卒中、冠動脈心疾患、虚血性心疾患、再狭窄、炎症性腸疾患、腎糸球体傷害、肝線維症、敗血症、直腸炎、関節リウマチ、並びに再灌流傷害、脊髄損傷および組織の損傷/瘢痕/癒着/拒絶反応に伴なう炎症がある。肺ガンもまた高いMPO値に関与していることが示唆されている。本化合物はまた、疼痛の治療において有用であると予想される。
【0085】
予防は特に当該疾患または症状に先立つ症状の発現がみられるか、またはそうでなければこれらのリスクが増大していると考えられる人の治療に関するものとされる。一般に、特定の疾患または症状を発現するリスクのある人は当該疾患または症状の家族歴を持つ人、あるいは特に当該疾患または症状を発現しやすいことが遺伝子検査またはスクリーニングにより確認されている人を含む。
【0086】
上記の治療指標に関して、その投与量はもちろん使用する化合物、投与方法および所望の治療に応じて変動する。しかしながら、一般に、固体形態で1日あたり1mg〜2000mgの用量で本化合物を投与すると良好な結果が得られる。
【0087】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容しうる誘導体はそのままで、あるいは本化合物または誘導体を薬学的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と混合した適当な医薬組成物の形態で使用することができる。したがって、本発明の他の態様は式(I)の新規化合物またはその薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と混合して含有する医薬組成物に関する。投与は経腸(経口、舌下または直腸を含む)、鼻腔内、吸入、静脈内、局所または他の非経口経路により行なわれるが、これらに限定されない。適当な医薬製剤を選択および製造するための慣用の方法は例えばM. E. Aultonの“Pharmaceuticals−The Science of Dosage Form Designs”, Churchill Livingstone(1988年)に記載されている。医薬組成物は好ましくは80%未満、より好ましくは50%未満の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を含有する。
【0088】
各成分を混合することからなるこのような医薬組成物の製造法もまた提供される。
【0089】
医薬組成物の例
哺乳動物で予防的または治療的に使用される式Iの化合物、あるいはその塩、溶媒和物または溶媒和塩(以後化合物Xと称する)を含有する代表的な薬用投与形態を下記に例示する:
(a):錠剤 mg/錠剤
化合物X 100
ラクトース 182.75
クロスカルメロースナトリウム 12.0
トウモロコシ澱粉ペースト(5%w/vペースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0
(b):カプセル剤 mg/カプセル
化合物X 10
ラクトース 488.5
ステアリン酸マグネシウム 1.5
(c):注射剤 (50mg/ml)
化合物X 5.0%w/v
1M水酸化ナトリウム溶液 15.0%v/v
0.1M塩酸 (pHを7.6に調整する)
ポリエチレングリコール400 4.5%w/v
注射用水 100%まで
【0090】
上記組成物は製薬分野でよく知られている慣用の方法により得られる。
【0091】
本発明はさらに式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩、あるいは式(I)の化合物を含有する医薬組成物または製剤が心臓血管や脳血管のアテローム性動脈硬化症および末梢動脈疾患の何れかを治療するための療法および/または薬剤と同時に、または連続して投与される併用療法に関する。
【0092】
特に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩は次の群から選択される1種またはそれ以上の化合物と組合せて投与することができる:
1)抗炎症剤、例えば
a) NSAID(例えばアセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン);
b) ロイコトリエン合成阻害剤(5−LO阻害剤、例えばAZD4407、ジロートン、リコフェロン、CJ13610、CJ13454;FLAP阻害剤、例えばBAY−Y−1015、DG−031、MK591、MK886、A81834;LTA4ヒドロラーゼ阻害剤、例えばSC56938、SC57461A);
c) ロイコトリエン受容体拮抗薬(例えばCP195543、アメルバント、LY293111、アコレート、MK571);
2) 降圧剤、例えば
a) β−遮断剤(例えばメトプロロール、アテノロール、ソタロール);
b) アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えばカプトプリル、ラミプリル、キナプリル、エナラプリル);
c) カルシウムチャンネル遮断剤(例えばベラパミル、ジルチアゼム、フェロジピン、アムロジピン);
d) アンギオテンシンII受容体拮抗薬(例えばイルベサルタン、カンデサルタン、テレミサルタン、ロサルタン);
3) 抗凝固剤、例えば
a) トロンビン阻害剤(例えばキシメラガトラン)、ヘパリン、Xa因子阻害剤;
b) 血小板凝集阻害剤(例えばクロピドグレル、チクロピジン、プラスゲル、AZ4160);4) 脂質代謝の調節剤、例えば
a) PPARアゴニストのようなインシュリン増感剤(例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、ガリダ、ムラグリタザル、ゲフェムロジル、フェノフィブレート);
b) HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、スタチン(例えばシンバスタチン、プラバスタチン、アトロバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン);
c) コレステロール吸収阻害剤(例えばエゼチミブ);
d) IBAT阻害剤(例えばAZD−7806);
e) LXRアゴニスト(例えばGW−683965A、T−0901317);
f) FXR受容体調節剤;
g) ホスホリパーゼ阻害剤;
5) 抗狭心症薬、例えば硝酸塩および亜硝酸塩;
6) 酸化的ストレスの調節剤、例えば、抗酸化剤(プロブコール)。
【0093】
一般法
使用した溶媒はすべて分析用であり、商業的に入手できる無水溶媒を日常的に反応で使用した。反応は典型的には窒素またはアルゴンの不活性雰囲気下で行なった。
【0094】
1Hおよび13C NMRスペクトルはZ−グラジエント付き5mmBBOプローブヘッドを備えたVarian Unity+400NMR分光計;またはZ−グラジエント付き60μlデュアル逆流プローブヘッドを備えたBruker Avance 400 NMR分光計;またはZ−グラジエント付き4−核プローブヘッドを備えたBruker DPX400 NMR分光計においてプロトンでは400MHz、カーボン−13では100MHzで記録した。実施例で特に断りがなければ、スペクトルはプロトンでは400MHz、カーボン−13では100MHzで記録した。次の基準シグナルを使用した:DMSO−d6の中心線δ2.50(1H)、δ39.51(13C);CD3ODの中心線δ3.31(1H)またはδ49.15(13C);アセトン−d6 2.04(1H)、206.5(13C);およびCDCl3δ7.26(1H)、CDCl3の中心線δ77.16(13C)(特に断りがなければ)。
【0095】
質量スペクトルはAlliance 2795(LC)、Waters PDA 2996、ELS検出器(Sedex 75)およびZMDシングル四重極質量分析計からなるWaters LCMSにおいて記録した。質量分析計は正または負イオンモードで操作するエレクトロスプレーイオン源(ESI)を備えた。キャピラリー電圧は3kVであり、コーン電圧は30Vである。質量分析計は0.7秒のスキャン時間でm/z 100〜600をスキャンした。カラム温度は40℃に設定した。ダイオードアレイ検出器は200〜400nmでスキャンした。ELS検出器の温度は40℃に調整し、圧力は1.9バールに設定した。LC分離において、100%A(A:10mMのNH4OAc、5%MeCN中)から開始し、4分後に100%B(B:MeCN)で終了する直線勾配をかけた。使用したカラムはX−Terra MS C8、3.0×50;3.5μm(Waters)であり、1.0mL/分で行なった。
【0096】
別法として、質量スペクトルはAgilent Technologies社製のGC−MS(GC 6890, 5973NMSD)において測定した。使用したカラムはVF−5 MS、ID 0.25mm×30m、0.25μm(Varian社)である。25℃/分で40℃(1分間保持)から開始し、300℃(1分間保持)で終了する直線温度勾配をかけた。MSはCIイオン源を備えており、反応ガスはメタンである。MSはm/z 50〜500でスキャンし、そのスキャン速度は3.25スキャン/秒に設定した。MSはEIイオン源を備えた。MSはm/z 50〜500でスキャンし、そのスキャン速度は3.25スキャン/秒に設定した。エレクトロン電圧は70eVに設定した。
【0097】
HPLC分析はG1379Aミクロ真空脱ガス装置、G1312Aバイナリーポンプ、G1367Aウェルプレートオートサンプラー、G1316Aサーモスタット付きカラムコンパートメントおよびG1315Bダイオードアレイ検出器からなるAgilent HP1000システムにおいて行なった。カラム:X−Terra MS、Waters、3.0×100mm、3.5μm。カラム温度は40℃に、流量は1.0ml/分に設定した。ダイオードアレイ検出器は210〜300nmをスキャンし、ステップおよびピーク幅はそれぞれ2nmおよび0.05分に設定した。100%A(A:10mMのNH4OAc、5%MeCN中)から開始し、6分後に100%B(B:MeCN)で終了する直線勾配をかけた。
【0098】
マイクロ波加熱は2450MHzで連続照射するイニシエーターまたはSmith Synthesizerシングルモードマイクロ波キャビティにおいて行なった。
【0099】
反応後の典型的な後処理工程は生成物を酢酸エチルのような溶媒で抽出し、水で洗浄し、有機相をMgSO4またはNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、そして溶液を真空下で濃縮することからなる。
【0100】
薄層クロマトグラフィー(TLC)はMerck TLC−プレート(シリカゲル60 F254)において行ない、スポットをUVにより可視化した。フラッシュカラムクロマトグラフィーはRediSepTMの順相フラッシュカラムを使用してCombi Flash(R)CompanionTMにおいて行なった。フラッシュカラムクロマトグラフィーで使用した典型的な溶媒はクロロホルム/メタノール、ジクロロメタン/メタノールおよびヘプタン/酢酸エチルの混合物である。
【0101】
分取用クロマトグラフィーはダイオードアレイ検出器を備えたWaters自動精製HPLCにおいて行なった。カラム:XTerra MS C8、19×300mm、10μm。MeCN/(95:5の0.1M NH4OAc:MeCN)による狭い勾配を20ml/分の流量で使用した。別法として、他のカラムを使用した;Atlantis C18、19×100mm、5μmカラム。アセトニトリル/MilliQ水中の5%アセトニトリル中における0.1M酢酸アンモニウムによるグラジエント溶媒を0%から35〜50%までのアセトニトリルで15分間使用した。流量:15ml/分。別法として、精製はWaters Symmetry(R)カラム(C18、5μm、100mm×19mm)を有するShimadzu SPD−10A UV−VIS検出器を備えた半分取用Shimadzu LC−8A HPLCにおいて行なった。MeCN/MilliQ水中の0.1%トリフルオロ酢酸による狭いグラジエント溶媒を10ml/分の流量で使用した。
【0102】
再結晶は典型的にエーテル、酢酸エチル/ヘプタンおよびメタノール/水のような溶媒または溶媒混合物中で行なった。
【0103】
次の略語を使用した:
aq. 水性;
BINAP 2,2′ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′ビナフチル
equiv. 当量;
DMF N,N−ジメチルホルムアミド;
DMSO ジメチルスルホキシド;
DIBAL 水素化ジイソブチルアルミニウム;
Et3N トリエチルアミン;
HOAc 酢酸;
NaBH4 ホウ水素化ナトリウム;
NaCNBH3 シアノホウ水素化ナトリウム;
Pd2(dba)3 トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム;
Pd(OAc)2 二酢酸パラジウム;
r.t. 室温;
TBDMSCl 塩化t−ブチルジメチルシリル;
TEMPO 2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ;
THF テトラヒドロフラン。
【0104】
使用した出発物質は商業的供給源から入手したか、または文献記載の方法に従って製造し、報告されたものと一致する実験データを示した。製造した出発物質の例は次の通りである:
3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エステル:Furneaux, R.H., Tyler, P.C.のJ. Org. Chem., 64, 8411〜8412(1999年)。
【0105】
一般法A
【化9】

メタノール中におけるアミノピロールエステルA1(1.0当量)、アルデヒドA2(1.0〜2.0当量)およびNaCNBH3(1.0当量)の反応混合物を室温で24時間撹拌した。幾つかの実施例では、酢酸(1〜2当量)を加えて反応を触媒した。(TLCまたはLC−MSにより監視して)24時間後に反応が完了しない場合、さらにアルデヒドA2を加え、反応が完了するまで混合物を室温で撹拌した。次に、混合物をシリカゲル上で蒸発させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0106】
一般法B
【化10】

エトキシカルボニルイソチオシアネートB2(1.0〜1.2当量)をCH2Cl2中のアミノピロールエステルB1(1.0当量)に加え、混合物を室温で5〜60分間または一晩撹拌した。水を加え、水相をCH2Cl2で抽出した。有機相を合一し、乾燥(MgSO4)し、濃縮した。開環した粗製中間体をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。中間体生成物をEtOH(1.1〜1.5当量)中の1M NaOEtに溶解し、マイクロ波反応器で10分間、120℃で加熱した。pHを2M HClで中性のpHに調整した;固体をろ過により集め、水で洗浄した。分取用HPLCを使用して、あるいはフラッシュカラムクロマトグラフィーまたは再結晶により粗生成物を精製した。
【実施例】
【0107】
次の実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。特に断りがなければ、実施例1a〜4a、5cおよび7bの化合物は一般法Aの手順を使用して製造し、そして実施例1b〜4b、5dおよび7cの化合物は一般法Bの手順を製造した。
【0108】
〔実施例1〕
1−ブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン(a) 3−(ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.81g、5.26ミリモル)およびブチルアルデヒド(0.47+0.55mL、11.4ミリモル)から出発して収率60%で油状物として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.71 (1H, br s), 6.74 (1H, t, J=3.1Hz), 5.62 (1H, t, J=2.6Hz) 5.19 (1H, s), 4.17 (2H, q, J=7.0Hz), 3.04 (2H, q, J=6.6Hz), 1.50 (2H, m), 1.34 (2H, m), 1.25 (3H, t, J=7.0Hz), 0.90 (3H, t, J=7.3Hz);
MS (ESI) m/z 211 (M+1)。
(b) 1−ブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を3−(ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.10g、0.48ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.06mL、0.58ミリモル)から出発して収率44%で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.38 (1H, s), 12.10 (1H, s), 7.37 (1H, d, J=2.9), 6.31 (1H, d, J=2.6Hz), 4.36 (2H, m), 1.69 (2H, m), 1.38 (2H, m), 0.92 (3H, t, J=7.5Hz);
MS (ESI) m/z 224 (M+1)。
【0109】
〔実施例2〕
1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−(イソブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.40g、2.59ミリモル)およびイソブチルアルデヒド(0.26+0.07mL、3.61ミリモル)から出発して収率71%で油状物として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.68 (1H, s), 6.74 (1H, t, J=3.0Hz), 5.62 (1H. t, J=2.4Hz), 5.30 (1H, br s), 4.18 (2H, q, J=7.2Hz), 2.88 (2H, t, J=6.4Hz), 1.79 (1H, m), 1.26 (3H, t, J=7.1Hz), 0.90 (3H, s), 0.89 (3H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 160.9, 124.2, 95.0, 58.2, 52.4, 27.9, 20.0, 14.7;
MS (ESI) m/z 211 (M+1)。
(b) 1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を3−(イソブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.38g、1.79ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.24mL、2.15ミリモル)から出発して収率24%で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.36 (1H, br s), 12.13 (1H, br s), 7.35 (1H, d, J=2.8Hz), 6.34 (1H, d, J=2.8Hz), 4.21 (2H, d, =7.33Hz), 2.44 (1H, m), 0.91 (3H, s), 0.90 (3H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 172.8, 152.4, 137.3, 127.7, 113.6, 97.1, 56.2, 26.4, 19.7;
MS (ESI) m/z 224 (M+1)。
【0110】
〔実施例3〕
1−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.40g、2.59
ミリモル)および2−ピリジンカルボキシアルデヒド(0.27+0.07mL、3.55ミリモル)から出発して収率54%で油状物として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.77 (1H, br s), 8.52 (1H, d, J=4.0Hz), 7.80−7.67 (1H,
m), 7.35 (1H, d, J=7.8Hz), 7.25 (1H, dd, J=7.3, 5.0Hz), 6.71 (1H, t, J=3.0Hz), 6.10 (1H, br s), 5.57 (1H, t, J=2.4Hz), 4.37 (2H, d, J=5.8Hz), 4.21 (2H, q, J=7.2Hz), 1.29 (3H, t, J=7.1Hz);
MS (ESI) m/z 246 (M+1)。
(b) 1−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を3−[(ピリジン−2−イルメチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.34g、1.39ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.19mL、1.66ミリモル)から出発して収率14%で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.34 (2H, br s), 8.49 (1H, d, J=4.5Hz), 7.73 (1H, m), 7.29 (1H, d, J=2.8Hz), 7.27 (1H, m), 7.21 (1H, d, J=7.8Hz), 6.09 (1H, d, J=2.8Hz), 5.75 (2H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.4, 155.2, 152.6, 149.1, 137.1, 136.8, 127.9, 122.4, 121.2, 113.6, 96.9, 54.2;
MS (ESI) m/z 259 (M+1)。
【0111】
〔実施例4〕
1−(2−フルオロ−ベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−(2−フルオロ−ベンジルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
一般法Aを下記のように変更して、表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.50g、3.2ミリモル)および2−フルオロベンズアルデヒド(0.34mL、3.2ミリモル)から出発して定量的収率で油状物として得た。5時間後、追加のNaCNBH3(100mg、1.6ミリモル)を加え、次に追加の2−フルオロベンズアルデヒド(120mg、1ミリモル)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.76 (1H, br s), 7.47 (1H, m), 7.38 (1H, m), 7.28 (2H, m), 6.70 (1H, m), 5.74 (1H, br s), 5.61 (1H, m), 4.34 (2H, m), 4.18 (2H, q, J=7.1Hz), 1.25 (3H, t, J=7.1Hz);
MS (ES) m/z 263 (M+1)。
(b) 1−(2−フルオロ−ベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を3−(2−フルオロ−ベンジルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.85g、3.2ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.44mL、3.9ミリモル)から出発して収率45%で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.41 (2H, br s.), 7.33 (2H, m), 7.24 (1H, m), 7.10 (1H, m, J=7.5, 7.5Hz), 7.01 (1H, m, J=7.1Hz, 7.1Hz), 6.12 (1H, d, J=2.8Hz), 5.72 (2H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δ173.9, 161.4, 159.0, 152.9, 137.1, 129.6, 129.5, 128.5, 128.1, 128.1, 125.0, 124.9, 123.2, 123.0, 115.8, 115.6, 114.1, 96.9, 47.1, 47.1;
MS (ESI) m/z 276 (M+1)。
【0112】
〔実施例5〕
1−[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−ヒドロキシ−2−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒド
2−クロロエチルメチルエーテル(4.63mL、50.7ミリモル)をDMF(80mL)中における2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド(7.0g、50.7ミリモル)、沃化カリウム(8.41g、50.69ミリモル)および炭酸カリウム(7.71g、55.8ミリモル)の混合物に滴加した。得られた混合物を室温において窒素雰囲気下で2日間、70℃で2日間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液およびCH2Cl2に分配した。水相をCH2Cl2で再抽出し、合一した有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、シリカ上で蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜30%酢酸エチル)により精製して粗製油状物を得、それをさらにフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜40%酢酸エチル)により精製して表題化合物(3.13g、31%)を油状物として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.34 (1H, br s), 9.88 (1H, br s), 7.16 (2H, m), 7.05 (1H, m), 4.25 (2H, m), 3.60 (2H, m), 3.26 (3H, m);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 190.5, 150.7, 149.6, 129.9, 124.1, 122.6, 116.9, 72.1, 70.9, 57.9;
MS (ESI) m/z 197 (M+1)。
(b) 2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンズアルデヒド
1−ヨードプロパン(3.09mL、31.60ミリモル)をDMF(80mL)中における3−ヒドロキシ−2−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒド(3.1g、15.8ミリモル)および炭酸カリウム(4.37g、31.60ミリモル)の溶液に加え、混合物を窒素雰囲気下、100℃で一晩撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液およびCH2Cl2に分配した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して表題化合物を定量的収率(3.8g)で油状物として得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.37 (1H, s), 7.36 (1H, m, J=8.0Hz), 7.26 (1H, m), 7.17 (1H. t, J=7.8Hz), 4.28 (2H, m), 4.02 (2H, t, J=6.3Hz), 3.62 (2H, m), 3.26 (3H, s), 1.80 (2H, m), 1.02 (3H, t, J=7.3Hz);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 190.3, 152.1, 150.9, 129.6, 124.4, 119.4, 117.8, 72.5, 70.9, 70.0, 57.9, 22.1, 10.4;
MS (ESI) m/z 239 (M+1)。
(c) 3−{[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.35g、2.27ミリモル)および2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンズアルデヒド(0.47+0.08g、3.06ミリモル)から出発して定量的収率で油状物として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.69 (1H, br s), 7.13 (1H, s), 7.6.99 (2H, m), 6.70 (1H,
m), 5.63 (1H, m), 4.92 (1H, t, J=5.7Hz), 4.52 (2H, d, J=5.8Hz), 4.19 (2H, m),
4.05 (2H, m), 3.92 (2H, t, J=6.4Hz), 3.59 (2H, m), 3.32 (3H, s), 1.76 (2H, m),
1.26 (3H, t, J=7.1Hz), 1.00 (3 H, m);
MS (ESI) m/z 377 (M+1)。
(d) 1−[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を3−{[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.87g、2.31ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.26mL、2.31ミリモル)から出発して収率13%で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.43 (1H, br s), 12.31 (1H, br s), 7.29 (1H, d, J=3.0Hz), 6.96−6.85 (2H, m), 6.41 (1H, dd, J=7.3, 1.5Hz), 6.02 (1H, d, J=2.8Hz), 5.71 (2H, s), 4.23 (2H, m), 3.95 (2H, t, J=6.3Hz), 3.65 (2H, m), 3.33 (3H, s), 1.82−1.72 (2H, m), 1.02 (3H, t, J=7.4Hz);
MS (ESI) m/z 390 (M+1)。
【0113】
〔実施例6〕
1−(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 6−エトキシ−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル
沃化エチル(2.3mL、28.8ミリモル)をCHCl3(70mL)中における6−ヒドロキシ−ピリジン−2−カルボン酸(1.0g、7.2ミリモル)および炭酸銀(I)(4.0g、14.4ミリモル)の懸濁液に加えた。懸濁液を周囲温度で3日間撹拌した。不溶物質をろ過により除去し、固体をCHCl3で洗浄した。ろ液を濃縮して表題生成物を定量的収率(1.5g)で油状物として得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR (CDCl3)δppm 7.65 (2H, m), 6.88 (1H, m), 4.45 (2H, q, J=7.0Hz), 4.41 (2H, q, J=7.3Hz), 1.40 (6H, m);
MS (ESI) m/z 196 (M+1)。
(b) (6−エトキシ−ピリジン−2−イル)−メタノール
NaBH4(5.7g、151ミリモル)をEtOH(75mL)中の6−エトキシ−ピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.5g、7.5ミリモル)に少しずつ35分間で加えた。得られた混合物を周囲温度で2日間撹拌した。水を加え、混合物をCH2Cl2で抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮して表題生成物(0.85g)を収率74%で油状物として得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR (CDCl3)δppm 7.55 (1H, m), 6.77 (1H, d, J=7.4 Hz), 6.61 (1H, d, J=8.1 Hz), 4.66 (2H, d, J=5.3 Hz), 4.38 (2H, q, J=7.1 Hz), 3.46 (1H, t, J=5.2 Hz), 1.41 (3H, t, J=7.1 Hz)。
(c) 6−エトキシ−ピリジン−2−カルボアルデヒド
CH2Cl2(10mL)中のDMSO(0.50mL、6.4ミリモル)を−60℃でCH2Cl2(20mL)中における塩化オキサリルの溶液(2M、CH2Cl2中、3.1mL、6.1ミリモル)に滴加した。得られた混合物を−60℃で10分間撹拌した。CH2Cl2(5mL)およびDMSO(4mL)中の(6−エトキシ−ピリジン−2−イル)−メタノール(0.85g、5.6ミリモル)を滴加した。混合物を−60℃で3時間撹拌し、次に−20℃まで加温し、Et3N(6mL)を加えた。得られた溶液を周囲温度で40分間撹拌した。水を加え、混合物をCH2Cl2で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。ジエチルエーテルを残留物に加え、不溶物質をろ過により除去した。ろ液を濃縮して表題化合物(0.60g)を収率70%で固体として得た。この粗生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR (CDCl3)δppm 9.93 (1H, s), 7.71 (1H, m), 7.53 (1H, d, J=7.1 Hz), 6.94 (1H, d, J=8.3 Hz), 4.46 (2H, d, J=7.1 Hz), 1.42 (3H, t, J=7.1Hz)。
(d) 3−[(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
酢酸(0.3mL)をエタノール(10mL)中の6−エトキシ−ピリジン−2−カルボアルデヒド(0.59g、3.9ミリモル)および3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.30g、1.9ミリモル)に加えた。1.5時間後、NaCNBH3(0.24g、3.9ミリモル)を加え、得られた混合物を周囲温度で19時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、酢酸エチルを残留物に加え、不溶物質をろ過により除去した。ろ液を濃縮し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜35%酢酸エチル)により精製して0.25g(45%)の表題生成物を固体として得た。
1H NMR (CDCl3)δppm 8.16 (1H, br s), 7.50 (1H, m), 6.89 (1H, d, J=7.3 Hz), 6.70 (1H, br s), 6.57 (1H, d, J=8.1 Hz), 4.45 (2H, q, J=7.0 Hz), 5.71 (1H, m), 4.38 (5H, m), 1.37 (6H, m);
MS (ESI) m/z 290 (M+1)。
(e) 1−(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
エトキシカルボニルイソチオシアネート(0.12g、0.90ミリモル)をCH2Cl2(5mL)中の3−[(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.24g、0.82ミリモル)に加え、溶液を周囲温度で35分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、エタノール中の0.4M NaOEt(3mL、1.2ミリモル)を残留物に加え、混合物を1時間還流した。さらにNaOEt(0.4M、エタノール中、1.5mL、0.6ミリモル)を加え、溶液をさらに1.5時間還流した。溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解し、pHを1M HClで中性のpHに調整した。得られた固体を集め、洗浄し、乾燥して粗生成物を得た。この物質を分取用HPLCにより精製して表題化合物(38mg、15%)を固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.32 (2H, br s), 7.62 (1H, m), 7.29 (1H, d, J=3.0 Hz), 6.78 (1H, d, J=7.3 Hz), 6.64 (1H, d, J=8.3 Hz), 6.13 (1H, d, J=2.8 Hz), 5.65 (2H, s), 4.17 (2H, q, J=7.1 Hz), 1.19 (3H, 7, J=7.0 Hz);
13C NMR (DMSO−d6)δ173.5, 162.7, 152.8, 152.5, 139.6, 137.2, 127.8, 113.9, 113.6, 109.0, 97.0, 61.0, 53.8, 14.3;
MS (ESI) m/z 303 (M+1)。
【0114】
〔実施例7〕
1−ピペリジン−3−イルメチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−ホルミル−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
CH2Cl2(5mL)中のDMSO(0.18mL、2.6ミリモル)を−78℃でCH2Cl2(4mL)中における塩化オキサリル(2M、CH2Cl2中、0.65mL、1.3ミリモル)の溶液に滴加した。得られた混合物を−68℃で15分間撹拌した。CH2Cl2(4mL)中の3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(Dean A. WackerらのBioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 12, 1785〜1789(2002年))(0.22g、1.0ミリモル)を滴加し、−78℃で15分間撹拌した後にEt3N(6mL)を加えた。得られた溶液を周囲温度で16時間撹拌した。水を加え、混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機層を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して生成物を黄色の油状物(0.20g、収率92%)として得た。この粗生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。MS (ESI) m/z 214 (M+1)。
(b) 3−[(2−エトキシカルボニル−1H−ピロール−3−イルアミノ)−メチル]−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.14g、0.92ミリモル)および3−ホルミル−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(0.20g、0.92ミリモル)から出発して収率30%で油状物として得た。
1H NMR (CDCl3)δppm 8.29 (1H, br s), 6.70 (1H, s), 5.67 (1H, m), 4.27 (2H, m), 3.93 (1H, br s), 3.85 (1H, d, J=13.2 Hz), 3.10−2.94 (2H, m), 2.83 (1H, m), 2.65 (1H, br s), 1.85 (1H, m), 1.76 (1H, m), 1.64 (1H, m), 1.42 (9H, s), 1.31 (3H, t, J=6.8 Hz), 1.22 (1H, m);
MS (ESI) m/z 352 (M+1)。
(c) 1−ピペリジン−3−イルメチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
一般法Bを下記のように変更し、3−[(2−エトキシカルボニル−1H−ピロール−3−イルアミノ)−メチル]−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(97mg、0.27ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(36mg、0.27ミリモル)を使用して表題化合物を収率20%で固体として得た。塩基媒介による環化反応の後、6M HCl(0.3mL)を反応混合物に加え、次にマイクロ波反応器で4分間、100℃で加熱した。溶媒を真空下で除去し、残留固体をAtlantis C18、19×100mm、5μmカラムを使用する分取用HPLCにより精製した。アセトニトリル/MilliQ水中の5%アセトニトリル中における0.1M酢酸アンモニウムによるグラジエント溶媒を0%〜50%のアセトニトリルで15分間使用した。流量:15ml/分。
1H NMR (メタノール−d4)δppm 7.23 (1H, d, J=3.2 Hz), 6.21 (1H, d, J=3.2 Hz), 4.46 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.22 (2H, m), 2.86 (2H, m), 2.58 (1H, m), 1.83 (2H, m), 1.62 (1H, m), 1.42 (1H, m);
13C NMR (メタノール−d4)δ178.8, 154.7, 139.3, 129.5, 115.3, 97.8, 53.7, 48.0, 45.2, 34.5, 27.6, 23.2;
MS (ESI) m/z 265 (M+1)。
【0115】
〔実施例8〕
1−ブチル−4−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−オン
エトキシカルボニルイソチオシアネート(0.13ml、1.1ミリモル)をトルエン(5mL)中の3−(ブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.23g、1.1ミリモル)に加え、混合物を90℃で1時間加熱した。沈殿物をろ過し、ヘキサンで洗浄した。中間体生成物を水(9mL)中の水酸化カリウム(0.55g、9.9ミリモル)で処理し、15時間加熱還流した。周囲温度まで冷却した後、pHを12M HClでpH5に調整した。得られた沈殿物をろ過により集め、水で洗浄した。粗生成物を分取用HPLCにより精製して表題化合物(16mg、6%)を固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.04 (1 H, br s), 11.95 (1 H, br s), 7.40 (1 H, s), 6.23 (1 H, d, J=2.7 Hz), 3.84 (2 H, t, J=7.2 Hz), 1.66−1.56 (2 H, m), 1.32 (2 H, m), 0.89 (3 H, t, J=7.3 Hz);
MS (ESI) m/z 224 (M+1)。
【0116】
〔実施例9〕
1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−[(2−イソプロポキシエチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
トリクロロシアヌル酸(1.84g、7.93ミリモル)をCH2Cl2(3mL)中における2−イソプロポキシエタノール(0.75g、7.21ミリモル)の溶液に加えた。反応混合物を0℃まで冷却し、TEMPO(0.022g、0.14ミリモル)を注意しながら少しずつ加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、セライトを通してろ過し、CH2Cl2で洗浄した。ろ過の間、ろ液を冷却(0℃)した。アルデヒド溶液をメタノール(5mL)中、0℃で3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エステル(0.83g、5.41ミリモル)およびHOAc(0.62mL、10.8ミリモル)の撹拌溶液に加えた。混合物を20分間撹拌し、NaCNBH3(0.34g、5.41ミリモル)を加えた。室温で2時間撹拌した後、溶液をシリカ上で蒸発させ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜100%酢酸エチル)により精製して表題化合物(0.75g、58%)を油状物として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.72 (1H, br s), 6.76−6.74 (1H, m), 5.66−5.65 (1H, m), 5.34(1H, br s), 4.17 (2H, q, J=7.0 Hz), 3.59−3.49 (3H, m), 3.15 (2H, q, J=5.6 Hz), 1.26 (3H, t, J=7.0 Hz), 1.10 (3H, s), 1.08 (3H, s);
MS (ESI) m/z 241 (M+1)。
(b) 1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
一般法Bに従って、3−[(2−イソプロポキシエチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.7g、2.91ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.40mL、3.50ミリモル)を使用して表題化合物(0.17g、23%)を製造した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.74 (2H, br s), 7.35 (1H, d, J=2.8 Hz), 6.29 (1H, d, J=3.0 Hz), 4.49 (2H, t, J=6.3 Hz), 3.72 (2H, t, J=6.3 Hz), 3.60−3.58 (1H, m), 1.02 (3H, s), 1.01 (3H, s);
MS (ESI) m/z 254 (M+1)。
【0117】
〔実施例10〕
1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−[(2−メトキシ−2−メチルプロピル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エステル
一般法Aを下記のように変更して、表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.250g、1.62ミリモル)および2−メトキシ−2−メチルプロパナール(US 3,652,579)(0.331g、3.24ミリモル)から出発して収率75%で油状物として得た。6時間後、さらに2−メトキシ−2−メチルプロパナール(0.165g、1,62ミリモル)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.69 (1H, br s), 6.74 (1H, t, J=3.0 Hz), 5.64 (1H, t, J=2.6 Hz), 5.33 (1H, br s), 4.17 (2H, q, J=7.1 Hz), 3.11 (3H, s), 3.03 (2H, d, J=5.8 Hz), 1.26 (3H, t, J=7.1 Hz,), 1.13 (6H, s);
MS (ESI) m/z 241 (M+1)。
(b) 1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
一般法Bを下記のように変更して、表題化合物を3−[(2−エトキシ−2−メチルプロピル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.283g、1.18ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.13mL、1.18ミリモル)から出発して収率3%で固体として得た。反応をマイクロ波反応器で合計35分間行なった。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.29 (1H, br s), 12.17 (1H, br s), 7.30 (1H, d, J=2.76), 6.29 (1H, d, J=2.76), 4.58 (2H, br s), 3.12 (3H, s), 1.21 (6H, s);
MS (ESI) m/z 254 (M+1)。
【0118】
〔実施例11〕
1−(2−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 2−ブロモ−1,1−ジエトキシ−2−メチルプロパン
US 3,652,579に記載の変法に従って生成物を合成した。臭素水(2.95mL、57.6ミリモル)をエタノール(22mL)中のイソブチルアルデヒド(4.82g、66.8ミリモル)に滴加し、得られた混合物を室温で40分間撹拌した。さらに臭素水(0.3mL、5.86ミリモル)を加えた。炭酸カルシウム(3.5g、25.3ミリモル)を加えて反応混合物を中和した。残った炭酸カルシウムをろ過し、ろ液を氷−水混合物に注いだ。水相をCH2Cl2で抽出し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮した。真空蒸留した後、表題生成物(10.10g、67%)を得た。
1H NMR ((DMSO−d6)δppm 4.43 (1H, s), 3.80−3.73 (2H, m), 1.64 (6H, s), 1.15 (6H, t, J=7.1 Hz)。
(b) 2−エトキシ−2−メチルプロパナール
US 3,652,579に記載の手順に従って生成物を合成した。2−エトキシ−2−メチルプロパナール(5.63g、25ミリモル)を還流する脱イオン水(22.5mL)中の重酒石酸カリウム(2.35g、12.5ミリモル)に50分間滴加した。得られた混合物を70分間還流した。溶媒および生成物を留去した。硫酸アンモニウム(合計8.5g)を生成物−溶媒混合物に加えた。混合物を撹拌し、2つの相を分離し、上部の相を塩化カルシウムから蒸留して表題生成物(1.60g、55%)を得た。MS (CI) m/z 117 (M+1)。
(c) 3−[(2−エトキシ−2−メチルプロピル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
一般法Aを下記のように変更して、表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.200g、1.30ミリモル)および2−エトキシ−2−メチルプロピオンアルデヒド(0.292g、2.86ミリモル)から出発して収率63%で油状物として得た。反応混合物を室温で48時間撹拌した。
1H NMR (CDCl3)δppm 6.74 (1H, br s), 5.70 (1H, br s), 4.32 (2H, q, J=7.4 Hz), 3.54−3.47 (2H, m), 3.44 (2H, q, J=7.6 Hz), 3.12 (2H, d, J=4 Hz), 1.25 (6H, s), 1.20 (3H, t, J=7.4 Hz), 1.19 (3H, t, J=7.6 Hz);
MS (ESI) m/z 255 (M+1)。
(d) 1−(2−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
3−(2−メトキシ−2−メチル)−プロピルアミノ−1H−ピロール−2カルボン酸エチルエステル(0.200g、0.79ミリモル)を窒素雰囲気下、室温でCH2Cl2(2mL)に溶解した。エトキシカルボニルイソチオシアネート(0.12mL、1.02ミリモル)を滴加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、ナトリウムエトキシド(1M、エタノール中、0.94mL、0.94ミリモル)を加え、反応混合物を40℃に48時間加熱した。水(2mL)を加え、pHを2M HClで中性のpHに調整した。沈殿物をろ過により集め、分取用HPLCにより精製して表題化合物を収率6%(0.12g)で得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.22 (1H, br s), 7.30 (1H, d, J=2.8 Hz), 6.35 (1H, d, J=3 Hz), 4.60 (2H, br s), 3.40−3.34 (3H, m), 1.22 (6H, s), 1.04 (3H, t, J=7.0 Hz);
MS (ESI) m/z 267 (M+1)。
【0119】
〔実施例12〕
1−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 4−[(2−(エトキシカルボニル)−1H−ピロール−3−イルアミノ)−メチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
一般法Aに従って、表題化合物(0.156g、10%)を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.68g、4.4ミリモル)および4−ホルミルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(P. C. TingらのBioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 11, 491〜494(2001年))(0.98g、4.6ミリモル)から出発して製造した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.70 (1H, br s), 6.74 (1H, br s), 5.65 (1H, br s), 4.19 (2H, q, J=7.2 Hz), 3.95 (2H, d, J=12.0 Hz), 2.97 (2H, t, J=6.0 Hz), 2.65 (2H, br s), 1.66 (2H, d, J=12.0 Hz), 1.39 (9H, s), 1.26 (3H, t, J=7.2 Hz), 1.07−0.95 (2H, m);
MS (ESI) m/z 352 (M+1)。
(b) 1−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
エトキシカルボニルイソチオシアネート(0.058g、0.44ミリモル)をCH2Cl2(2mL)中における4−[(2−(エトキシカルボニル)−1H−ピロール−3−イルアミノ)−メチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(0.156g、0.44ミリモル)の撹拌溶液に加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物をナトリウム(0.015g、0.66ミリモル)を含有するエタノール(1mL)に取った。得られた混合物をマイクロ波反応器で120℃に10分間加熱した。6M HCl(0.5mL)を加え、反応混合物をマイクロオーブンで再び100℃に3分間加熱した。pHを2M HClで中性のpHに調整し、溶液を真空下で濃縮した。粗生成物を分取用HPLCにより精製して表題化合物(0.038g、14%)を白色の固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 7.36 (1H, d, J=2.8 Hz), 6.33 (1H, d, J=2.8 Hz), 4.27 (2H, br s), 2.95 (2H, d, J=12.0 Hz), 2.40 (2H, t, J=10.4 Hz), 2.25−2.15 (1H, m), 1.50 (2H, d, J=10.8 Hz), 1.37−1.20 (2H, m);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.2, 152.9, 137.6, 128.1, 114.0, 97.5, 55.2, 45.5, 34.7, 30.0;
MS (ESI) m/z 265 (M+1)。
【0120】
〔実施例13〕
1−[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
1−ピペリジン−3−イルメチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン(実施例7)(0.092g、0.35ミリモル)をメタノール(2mL)に溶解し、ギ酸(37%水溶液、0.059mL、0.7ミリモル)を加えた。室温で5分間撹拌した後、沈殿物が生成した。NaCNBH3(0.026g、0.42ミリモル)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留固体を分取用HPLCにより精製して表題化合物(0.022g、22%)を白色の固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.22 (1H, br s), 7.36 (1H, d, J=2.8 Hz), 6.33 (1H, s), 4.27 (2H, br s), 2.61−2.5 (1H, m), 2.36−2.30 (1H, m), 2.09 (3H, s), 1.93−1.82 (3H, m), 1.65−1.52 (2H, m), 1.44−1.32 (1H, m), 1.16−1.07 (1H, m);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.2, 152.9, 137.6, 128.1, 114.0, 97.3, 59.2, 56.0, 53.3, 46.7, 34.9, 27.7, 24.7;
MS (ESI) m/z 279 (M+1)。
【0121】
〔実施例14〕
1−[2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) メチル{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}(4−メトキシフェニル)アセテート
TBDMSCl(1.5g、9.94ミリモル)およびイミダゾール(1.0g、14.6ミリモル)をDMF(8mL)中におけるメチルヒドロキシ−(4−メトキシフェニル)アセテート(Teodozyj KolasaらのJ. Org. Chem., 22, 4978−4984(1987年))(1.3g、6.62ミリモル)の溶液に加え、混合物を室温で2時間撹拌した。水を加え、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、ろ過し、濃縮して表題化合物(2.0g、97%)を得た。
1H NMR (CDCl3)δppm 7.39 (2H, d, J=8.8 Hz), 6.88 (2H, d, J=8.8 Hz), 5.19 (1H, s), 3.81 (3H, s), 3.69 (3H, s), 0.92 (9H, s), 0.11 (3H, s), 0.03 (3H, s)。
(b) {[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}(4−メトキシフェニル)アセトアルデヒド
メチル{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}(4−メトキシフェニル)アセテート(0.5g、1.61ミリモル)をトルエン(10mL)に溶解し、窒素雰囲気下で−78℃まで冷却した。DIBAL(1.0M、トルエン中、1.9mL、1.93ミリモル)をゆっくりと加え、混合物を−78℃で1時間撹拌した。反応混合物を氷(20g)およびCHCl3(20mL)の混合物に注いだ。混合物を室温で30分間撹拌した。層を分離し、水相をCHCl3で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、ろ過し、濃縮して99%(0.45g)の表題化合物を得た。生成物をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
1H NMR (CDCl3)δppm 7.40−7.38 (2H, m), 6.89−6.87 (2H, m), 5.19 (1H, s), 3.81 (3H, s), 0.92 (9H, s), 0.11 (3H, s), 0.03 (3H, s)。
(c) 3−{[2−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(4−メトキシフェニル)エチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
一般法Aに従って、3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.16g、1.07ミリモル)および{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}(4−メトキシフェニル)アセトアルデヒド(0.3g、1.07ミリモル)を使用して表題化合物(0.13g、19%)を製造した。
MS (ESI) m/z 417 (M−1)。
(d) 1−[2−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
一般法Bに従って、3−{[2−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(4−メトキシフェニル)エチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.13g、0.31ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.042mL、0.37ミリモル)を使用して表題化合物(0.07g、90%)を製造した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.28−12.23 (2H, m), 7.42 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.34−7.33 (1H, m), 6.96 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.33 (1H, br s), 5.53−5.50 (1H, m), 4.57 (1H, br s), 4.15 (1H, br s), 3.76 (3H, s), 0.61 (9H, s), 0.31 (3H, s), 0.39 (3H, s);
MS (ESI) m/z 432 (M+1)。
(e) 1−[2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(1M、THF中、1.27mL、1.27ミリモル)をTHF(8mL)中の1−[2−{[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン(0.065g、0.152ミリモル)に加えた。混合物を50℃で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え、有機相を水およびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)し、ろ過し、濃縮した。この粗製物質を分取用HPLCにより精製して表題化合物(0.018g、37%)を固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.20 (2H, br s), 7.40 (2H, d, J=8.5 Hz), 7.29 (1H, d, J=2.8 Hz), 6.91 (2H, d, J=8.8 Hz), 6.27 (1H, d, J=2.8 Hz), 5.42−5.41 (1H, m), 5.28−5.24 (1H, m), 4.62−4.58 (1H, m), 4.19−4.16 (1H, m), 3.74 (3H, s);
MS (ESI) m/z 316 (M−1)。
【0122】
〔実施例15〕
1−(2−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−[(2−メトキシベンジル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
一般法Aを下記のように変更して、表題化合物を3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.350g、2.27ミリモル)およびオルト−アニスアルデヒド(0.37g、2.71ミリモル)から出発して定量的収率で白色の固体として得た。一晩撹拌した後、反応混合物を蒸発させた。粗製固体をCHCl3に取り、ろ過し、溶媒を真空下で蒸発させ、この粗生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
MS (ESI) m/z 275 (M+1)。
(b) 1−(2−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
一般法Bを下記のように変更して、表題化合物を3−[(2−メトキシベンジル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.622g、2.27ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.26mL、2.27ミリモル)から出発して収率16%で固体として得た。中間体の粗生成物を1M NaOEt(2.27mL、2.27ミリモル)に溶解し、80℃で3時間撹拌した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.36 (2H, br s), 7.27 (1H, d, J=2.8 Hz), 7.27−7.21 (1H, m), 7.06 (1H, d, J=8.1 Hz), 6.82 (1H, t, J=7.3 Hz), 6.79−6.75 (1H, m), 5.96 (1H, d, J=2.8 Hz), 5.61 (2H, s), 3.89 (3H, s);
MS (ESI) m/z 288 (M+1)。
【0123】
〔実施例16〕
1−(3−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
表題化合物を一般法Aに従って3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.50g、3.24ミリモル)およびm−アニスアルデヒド(0.47mL、3.89ミリモル)を使用して製造し、収率57%(0.508g)で油状物として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.73 (1H,
br s), 7.24−7.20 (1H, m), 6.90−6.86 (1H, m), 6.80−6.77 (1H, m), 6.71−6.69 (1H, m), 5.75 (1H, br s), 5.59−5.58 (1H, m), 4.46 (1H, d, J=5.8 Hz), 4.25 (2H, d, J=6.3 Hz), 4.19 (2H, q, J=7.1 Hz), 3.72 (3H, s), 1.26 (3H, t, J=7.1 Hz);
MS (ESI) m/z 275 (M+1)。
(b) 1−(3−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を一般法Bに従って3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.494g、1.80ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.20mL、1.18ミリモル)を使用して製造し、収率3%(0.014g)で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.41−12.34 (2H, m), 7.29 (1H, d, J=2.7 Hz), 7.23
(1H, t, J=8.0 Hz), 6.93−6.91 (1H, m), 6.86 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.83 (1H, dd, J=8.2, 2.4 Hz), 6.14 (1H, d, J=2.8 Hz), 5.67 (2H, s), 3.71 (3H, s);
MS (ESI) m/z 288 (M+1)。
【0124】
〔実施例17〕
1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
表題化合物を一般法Aに従って3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.50g、3.24ミリモル)および2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(0.647g、3.89ミリモル)を使用して製造し、収率85%(0.838g)で油状物として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.69 (1H, br s), 7.14 (1H, d, J=8.3 Hz), 6.71 (1H, t, J=3.0 Hz), 6.54 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.44 (1H, dd, J=8.3 Hz), 5.66 (1H, t, J=2.5 Hz), 5.59 (1H, br s), 4.20−4.13 (4H, m), 3.80 (3H, s), 3.73 (3H, s), 1.25 (3H, t, J=7.1 Hz);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 160.9, 159.6, 158.0, 129.2, 124.0, 120.0, 104.2, 98.3, 95.5, 58.3, 55.4, 55.1, 43.6, 14.7;
MS (ESI) m/z 303 (M−1)。
(b) 1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を一般法Bに従って3−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.828g、2.72ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.31mL、2.72ミリモル)を使用して製造し、収率14%(0.118g)で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.41 (1H, br s), 12.27 (1H, s), 7.27 (1H, t, J=2.9 Hz),
6.77 (1H, d, J=8.3 Hz), 6.61 (1H, d, J=2.3 Hz), 6.41 (1H, dd, J=8.5, 2.4 Hz), 5.95 (1H, t, J=2.3 Hz), 5.54 (2H, s), 3.88 (3H, s), 3.72 (3H, s);
MS (ESI) m/z 318 (M+1)。
【0125】
〔実施例18〕
1−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−{[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
表題化合物を一般法Aに従って3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.231g、1.50ミリモル)および3−クロロピリジン−2−カルボアルデヒド(Nadeem IqbalらのJ. Med. Chem., 41, 1827−1837(1998年))(0.212g、1.50ミリモル)を使用して製造し、収率91%(0.225g)で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.81 (1H, br s), 8.53−8.51 (1H, m), 7.94−7.92 (1H, m),
7.40−7.36 (1H, m), 6.77−6.76 (1H, m), 5.74−5.73 (1H, m), 4.43 (1H, d, J=5.5 Hz), 4.20−4.15 (2H, m), 1.30−1.27 (3H, m);
MS (ESI) m/z 280 (M+1)。
(b) 1−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を一般法Bに従って3−{[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.215g、0.77ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.09mL、0.77ミリモル)を使用して製造し、収率5%(0.011g)で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.26 (1H, br s), 8.32−8.30 (1H, m), 7.96−7.93 (1H, m), 7.34−7.30 (1H, m), 7.28 (1H, d, J=3.0 Hz), 6.16 (1H, d, J=2.8 Hz), 5.80 (2H, s);
MS (ESI) m/z 293 (M+1)。
【0126】
〔実施例19〕
1−{[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルピリジン
炭酸カリウム(2.20g、15.9ミリモル)をDMF(7mL)中における3−ヒドロキシ−2−メチルピリジン(1.45g、13.3ミリモル)および2−クロロエチルエチルエーテル(1.75mL、15.9ミリモル)の撹拌溶液に加え、混合物を70℃で一晩撹拌した。反応が完了しなかったので、追加の2−クロロエチルエチルエーテル(1当量)および炭酸カリウム(1当量)を加え、混合物を85℃で8時間撹拌した。水および酢酸エチルを加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜50%酢酸エチル)により精製して1.80g(75%)の表題化合物を得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 8.03−7.99 (1H, m), 7.33−7.31 (1H, m), 7.18−7.14 (1H, m), 4.13−4.11 (2H, m), 3.73−3.71 (2H, m), 3.52 (2H, q, J=7.0 Hz), 2.35 (3H, s), 1.12 (3H, t, J=6.9 Hz);
MS (ESI) m/z 182 (M+1)。
(b) 3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−カルボアルデヒド
1,4−ジオキサン(10mL)中における3−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルピリジン(0.506g、2.79ミリモル)および二酸化セレン(0.31g、2.79ミリモル)の混合物を75℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、混合物をろ過し、固体を酢酸エチルで洗浄した。溶媒を真空下で除去した。反応が完了しなかったので、固体を1,4ジオキサン(15mL)に溶解し、二酸化セレン(0.31g、2.79ミリモル)を加えた。混合物を110℃で一晩加熱した。酢酸エチル(10mL)を加え、混合物をろ過した。黒色の固体を酢酸エチルで洗浄し、ろ液を真空下で蒸発させ、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜100%酢酸エチル)により精製して0.21g(39%)の表題化合物を得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.23 (1H, s), 8.35 (1H, d, J=4.3 Hz), 7.77 (1H, d, J=8.6 Hz), 7.66−7.62 (1H, m), 4.29 (2H, m), 3.75 (2H, m), 3.55−3.49 (2H, m), 1.14−1.09 (3H, m)。
(c) 3−({[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}アミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
一般法Aに従って、3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−カルボアルデヒド(0.21g、1.08ミリモル)および3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.11g、0.717ミリモル)を使用して表題化合物(0.17g、73%)を製造した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.76 (1H, s), 8.13−8.12 (1H, m), 7.46−7.44 (1H, m), 7.30−7.28 (1H, m), 6.76−6.75 (1H, m), 6.29 (1H, br s), 5.71−5.70 (1H, m), 4.32−4.31 (2H, m), 4.22−4.17 (4H, m), 3.77−3.74 (2H, m), 3.57−3.51 (2H, m), 1.30 (3H, t, J=7.0 Hz), 1.15−1.12 (3H, m);
MS (ESI) m/z 334 (M+1)。
(d) 1−{[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
一般法Bに従って、3−({[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}アミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.17g、0.52ミリモル)およびエトキシカルボニルイソチオシアネート(0.07mL、0.62ミリモル)を使用して表題化合物(0.051g、28%)を製造した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.32−12.19 (2H, m), 7.92 (1H, d, J=4.0 Hz), 7.47 (1H, d, J=7.8 Hz), 7.32−7.14 (2H, m), 5.98 (1H, d, J=2.8 Hz), 5.73 (2H, s), 4.26−4.23 (2H, m), 3.78−3.76 (2H, m), 3.55 (2H, q, J=7.1 Hz), 1.14 (3H, t, J=6.9 Hz);
13C NMR (DMSO−d6)δ173.5, 152.7, 152.4, 143.7, 140.3, 137.8, 127.7, 123.0, 119.0, 113.5, 96.8, 68.2, 65.8, 49.8, 15.1;
MS (ESI) m/z 347 (M+1)。
【0127】
〔実施例20〕
1−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−{[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボアルデヒド(WO 2002/006272)(0.31g、2.5ミリモル)をEtOH(10mL)に溶解した。3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.19g、1.3ミリモル)、次にHOAc(0.14mL、2.5ミリモル)を加えた。混合物を室温で75分間撹拌し、NaCNBH3(0.16g、2.5ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/メタノールのグラジエント溶媒;0〜10%メタノール)により精製して0.288g(85%)の表題生成物を油状物として得、それは放置すると結晶化した。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 11.57 (1H, br s), 10.77 (1H, br s), 7.34−7.30 (1H, m), 6.71−6.70 (1H, m), 6.16−6.13 (2H, m), 5.98 (1H, br s), 5.75 (1H, s), 5.64−5.63 (1H, m), 4.20 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.09−4.08 (2H, m), 1.27 (3H, t, J=7.1 Hz);MS (ESI) m/z 262 (M+1)。
(b) 1−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
CH2Cl2(3mL)に溶解したベンゾイルイソチオシアネート(0.27g、1.6ミリモル)をCH2Cl2(7mL)中の3−{[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.25g、0.96ミリモル)に加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物をメタノール(15mL)に溶解し、炭酸カリウム(0.50g、3.6ミリモル)を加えた。反応混合物を50℃で6.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、中性のpHが得られるまで1M HClを滴加した。得られた沈殿物を集め、メタノールで洗浄し、分取用HPLCにより精製して表題化合物(0.097g、37%)を固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.46−12.38 (2H, m), 11.69 (1H, br s), 7.34−7.29 (2H, m), 6.23 (2H, s), 5.75 (1H, br s), 5.49 (2H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δ173.6, 162.7, 152.5, 140.6, 136.7, 128.0, 113.6, 96.6;
MS (ESI) m/z 275 (M+1)。
【0128】
〔実施例21〕
1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) エチル3−[(1H−インドール−3−イルメチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボキシレート
メタノール(3mL)中における3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.075g、0.49ミリモル)、インドール−3−カルボキシアルデヒド(0.085g、0.58ミリモル)、NaCNBH3(0.031g、0.49ミリモル)およびHOAc(0.056mL、0.97ミリモル)の反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、粗生成物−混合物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
MS (ESI) m/z 284 (M+1)。
(b) 1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
エチル3−[(1H−インドール−3−イルメチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボキシレート(最大0.49ミリモル)の粗製混合物をCH2Cl2(5mL)に加えた。溶解度を高めるために数滴のメタノールを加えた。ベンゾイルイソチオシアネート(0.072g、0.53ミリモル)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。アンモニア(7N、メタノール中、3mL)を加え、混合物を80℃で2時間加熱した。混合物を濃縮し、分取用HPLCにより精製して表題化合物(0.030g、21%)を固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δ ppm 12.13 (2H, br s), 11.08 (1H, s), 7.87 (1H, d, J=8.1Hz), 7.54−747 (1H, m), 7.38−7.30 (1H, m), 7.29−7.25 (1H, m), 7.10−7.03 (1H, m), 7.01−6.93 (1H, m), 6.33 (1H, d, J=2.8Hz), 5.88 (2H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.14, 152.86, 136.71, 136.42, 128.02, 126.45, 125.83, 121.61, 119.67, 119.16, 114.36, 111.95, 109.51, 97.74, 46.31;
MS (ESI) m/z 295 (M−1)。
【0129】
〔実施例22〕
1−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) エチル3−[(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボキシレート
メタノール(15mL)中における3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.77g、4.99ミリモル)、1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボキシアルデヒド(0.88g、5.99ミリモル)、NaCNBH3(0.31g、4.99ミリモル)およびHOAc(0.57mL、9.99ミリモル)の反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に、混合物を50℃で5時間加熱した。室温まで冷却し、真空下で蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。水相を酢酸エチル(2回)で抽出した。合一した有機層を乾燥(MgSO4)し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル(1:0〜0:1))により精製して1.15g(81%)の表題化合物を得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.27 (1H, s), 10.85 (1H, s), 7.63−7.37 (2H, m), 7.17−7.08 (2H, m), 6.71 (1H, t, J=3.0 Hz), 5.99 (1H, br s), 5.60 (1H, t, J=2.7 Hz), 4.48 (2H, d, J=5.8 Hz), 4.22 (2H, q, J=7.1 Hz), 1.29 (3H, t, J=7.1 Hz);
MS (ESI) m/z 285 (M+1)。
(b) 1−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
エチル3−[(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボキシレート(0.33g、1.16ミリモル)をCH2Cl2(3mL)に加え、透明な溶液が得られるまでメタノールを加えた。溶液を室温で1時間撹拌した。ベンゾイルイソチオシアネート(0.73mL、0.46ミリモル)を加え、室温で30分間撹拌した後、混合物を濃縮した。残留物をアンモニア(7N、メタノール中、7mL)に溶解し、混合物を密封したスチール製容器中で80℃に2時間加熱した。室温まで冷却した後、沈殿した生成物をろ過し、メタノール、ジエチルエーテルおよび酢酸エチルで洗浄して0.23g(66%)の表題化合物を白色の固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.27 (3H, br s), 7.61−7.37 (2H, m), 7.43−7.27 (1H, m), 7.18−7.07 (2H, m), 6.19 (1H, d, J=2.8Hz), 5.89 (2H, s);
MS (ESI) m/z 298 (M+1)。
【0130】
〔実施例23〕
1−[(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
5−クロロ−1H−インドール−2−カルボアルデヒド(0.15g、0.76ミリモル)、NaCNBH3(0.040g、0.63ミリモル)およびEt3N(0.088mL、0.63ミリモル)をメタノール(3mL)中における3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(0.12g、0.63ミリモル)の撹拌溶液に加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を50℃まで加熱した。さらにNaCNBH3 (0.5当量)を加え、混合物を50℃で3時間撹拌した。数滴のHOAcを加え、1時間後に反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残留物をCH2Cl2(2mL)およびメタノール(2mL)に溶解した。ベンゾイルイソチオシアネート(0.093mL、0.69ミリモル)を加え、室温で1時間撹拌した後、混合物を真空下で濃縮した。残留物をアンモニア(7N、メタノール中、3mL)に溶解し、80℃で2時間加熱した。沈殿した生成物をろ過し、メタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、次に分取用HPLCにより精製して0.063g(30%)の表題化合物を固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.41 (2H, br s), 11.51−11.04 (1H, m), 7.51−7.46 (1H, m), 7.40−7.33 (1H, m), 7.33−7.30 (1H, m), 7.07−6.99 (1H, m), 6.34−6.27 (2H, m), 5.87−5.80 (2H, m);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.65, 153.05, 136.84, 135.98, 134.74, 129.28, 128.27, 123.97, 121.26, 119.19, 114.24, 113.25, 100.33, 97.17, 47.31;
MS (ESI) m/z 331 (M+1)。
【0131】
〔実施例24〕
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を実施例23の一般法に従って3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(0.12g、0.63ミリモル)、5−フルオロ−1H−インドール−2−カルボアルデヒド(0.12g、0.76ミリモル)、NaCNBH3(0.040g、0.63ミリモル、+0.5当量)、Et3N(0.088mL、0.63ミリモル)およびベンゾイルイソチオシアネート(0.093mL、0.69ミリモル)を使用して製造し、収率19%(0.038g)で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.38 (2H, br s), 11.10 (1H, s), 7.41−7.26 (2H, m), 7.25−7.11 (1H, m), 6.96−6.79 (1H, m), 6.37−6.24 (2H, m), 5.83 (2H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.61, 173.81, 158.46, 156.17, 152.94, 136.85, 136.10, 132.94, 128.39, 128.30, 114.19, 112.71, 112.61, 109.54, 109.28, 104.75, 104.51, 100.82, 100.78, 97.23, 47.35;
MS (ESI) m/z 315 (M+1)。
【0132】
〔実施例25〕
1−(1H−インドール−6−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を実施例23の一般法に従って3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(0.12g、0.63ミリモル)、6−ホルミルインドール(0.11g、0.76ミリモル)、NaCNBH3(0.040g、0.63ミリモル、+0.5当量)、Et3N(0.088mL、0.63ミリモル)およびベンゾイルイソチオシアネート(0.093mL、0.69ミリモル)を使用して製造し、収率19%(0.035g)で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.37 (2H, br s), 11.01 (1H, s), 7.53−7.43 (1H, m), 7.33 (1H, s), 7.32−7.25 (2H, m), 7.09−7.03 (1H, m), 6.41−6.34 (1H, m), 6.17 (1H, d, J=2.8Hz), 5.79 (2H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.76, 152.91, 137.06, 136.21, 128.88, 128.27, 127.31, 125.99, 120.35, 118.91, 114.16, 110.24, 101.28, 97.63, 53.32;
MS (ESI) m/z 297 (M+1)。
【0133】
〔実施例26〕
1−(1H−インドール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
表題化合物を実施例23の一般法に従って3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(0.12g、0.63ミリモル)、5−ホルミルインドール(0.11g、0.76ミリモル)、NaCNBH3(0.040g、0.63ミリモル、+0.5当量)、Et3N(0.088mL、0.63ミリモル)およびベンゾイルイソチオシアネート(0.093mL、0.69ミリモル)を使用して製造し、収率39%(0.073g)で固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.33 (2H, br s), 11.07 (1H, s), 7.52 (1H, s), 7.36−7.29 (2H, m), 7.29−7.25 (1H, m), 7.21−7.12 (1H, m), 6.39−6.34 (1H, m), 6.21−6.16 (1H, m), 5.77 (2H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.32, 152.51, 136.63, 135.20, 127.83, 127.50, 126.15, 125.81, 120.54, 118.81, 113.82, 111.40, 101.00, 97.28, 52.99;
MS (ESI) m/z 297 (M+1)。
【0134】
〔実施例27〕
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(0.10g、0.52ミリモル)をメタノール(4mL)に溶解し、5−フルオロ−1H−インドール−3−カルボキシアルデヒド(0.10g、0.63ミリモル)、NaCNBH3(0.033g、0.52ミリモル)およびEt3N(0.073g、0.52ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。さらにNaCNBH3(0.01g)を加え、混合物を50℃で5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮した。粗製中間体をCH2Cl2(3mL)およびメタノール(1mL)に溶解した。ベンゾイルイソチオシアネート(0.078mL、0.58ミリモル)を加え、室温で1時間撹拌した後、混合物を真空下で濃縮した。残留物をアンモニア(7N、メタノール中、3mL)に溶解し、80℃で2時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、分取用HPLCにより精製した後、表題化合物(0.035g、21%)を固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.29 (2H, s), 11.38−11.08 (1H, m), 7.76−7.68 (1H, m), 7.65−7.59 (1H, m), 7.37−7.30 (1H, m), 7.30−7.27 (1H, m), 6.96−6.86 (1H, m), 6.37 (1H, d, J=2.8Hz), 5.84 (2H, s);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.09, 158.27, 155.97, 152.81, 136.59, 133.11, 128.14, 128.09, 126.70, 126.59, 114.37, 113.01, 112.91, 109.95, 109.91, 109.86, 109.68, 104.70, 104.46, 97.74, 46.10;
MS (ESI) m/z 315 (M+1)。
【0135】
〔実施例28〕
1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩(0.10g、0.52ミリモル)をメタノール(4mL)に溶解し、4−ホルミルイミダゾール(0.060g、0.63ミリモル)、NaCNBH3(0.033g、0.52ミリモル)およびEt3N(0.073g、0.52ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物をCH2Cl2(3mL)およびメタノール(1mL)に溶解した。ベンゾイルイソチオシアネート(0.078mL、0.58ミリモル)を加え、室温で30分間撹拌した後、混合物を真空下で濃縮した。残留物をアンモニア(7N、メタノール中、3mL)に溶解し、80℃で1時間加熱した。沈殿した生成物をろ過し、メタノール、次にジエチルエーテルで洗浄した。粗生成物を分取用HPLCにより精製して0.017g(13%)の表題化合物を固体として得た。
OC 710/07;
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.49−11.78 (3H, m), 7.53 (1H, s), 7.30 (1H, d, J=2.8Hz), 7.05 (1H, s), 6.36 (1H, d, J=3.0Hz), 5.54 (2H, s);
MS (ESI) m/z 335 (M+1)。
【0136】
〔実施例29〕
1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) エチル3−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボキシレート
メタノール(5mL)中における3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.2g、1.30ミリモル)、2−イミダゾールカルボキシアルデヒド(0.15g、1.53ミリモル)、NaCNBH3(0.082g、1.30ミリモル)およびOHAc(0.15mL、2.60ミリモル)の反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残留物を酢酸エチルに溶解した。水で洗浄し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合一した有機層を乾燥(MgSO4)し、ろ過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/メタノールのグラジエント溶媒;0〜20%メタノール)により精製して0.30g(99%)の表題化合物を得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 10.84 (1H, br s), 7.03 (2H, s), 6.79−6.64 (1H, m), 5.76 (1H, br s), 5.68−5.57 (1H, m), 4.29 (2H, d, J=5.8Hz), 4.19 (2H, q, J=7.1Hz), 3.16 (1H, s), 1.26 (3H, t, J=7.1Hz);
MS (ESI) m/z 235 (M+1)。
(b) 1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
ベンゾイルイソチオシアネート(0.19mL、1.41ミリモル)をCH2Cl2(4mL)およびメタノール(2mL)中におけるエチル3−[(1H−イミダゾール−2−イルメチル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボキシレート(0.3g、1.28ミリモル)の撹拌溶液に加え、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残留物をアンモニア(7N、メタノール中、7mL)に溶解し、80℃で1時間加熱した。粗生成物をろ過し、分取用HPLCにより精製して0.110g(35%)の表題化合物を白色の固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.46−12.14 (2H, m), 11.81 (1H, br s), 7.28 (1H, d, J=2.5Hz), 6.99 (1H, s), 6.79 (1H, s), 6.13 (1H, d, J=2.8Hz), 5.67 (2H, s);
MS (ESI) m/z 248 (M+1)。
【0137】
〔実施例30〕
1−[(5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) エチル3−{[(5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボキシレート
メタノール(4mL)中における3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.077g、0.5ミリモル)、NaCNBH3(0.057g、0.9ミリモル)およびHOAc(0.030g、0.5ミリモル)の反応混合物を室温で5分間撹拌し、5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボアルデヒド(0.144g、0.8ミリモル)、次にCH2Cl2(1mL)およびDMF(0.4mL)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。さらに5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボアルデヒド(0.030g)およびNaCNBH3(0.015g)を加え、反応混合物を4時間撹拌した。反応混合物を2M NaOHで中和し、酢酸エチルで希釈した。水で抽出し、有機層を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜100%酢酸エチル)により精製して0.074g(46%)の表題生成物を得た。
1H NMR (CDCl3)δppm 8.28 (1H, br s), 7.52 (1H, s), 7.44 (1H, d, J=2.0 Hz), 7.22 (1H, d, J=2.0 Hz), 6.66 (1H, s), 5.61 (1H, t, J=2.4 Hz), 4.67 (2H, s), 4.27 (2H, m), 1.33 (3H, t, J=6.8 Hz);
MS (ESI) m/z 319 (M+1)。
(b) 1−[(5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
CH2Cl2中におけるエチル3−{[(5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボキシレート(0.074g,0.23ミリモル)の溶液を5分間撹拌した。溶解度を高めるためにDMF(0.2mL)を加えた。ベンゾイルイソチオシアネート(0.045g、0.28ミリモル)を加え、混合物を1時間撹拌し、真空下で濃縮した。粗製中間体をアンモニア(7N、メタノール中、2mL)に取り、密封した容器中、70℃で1.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、沈殿した生成物を真空ろ過により集め、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥し、0.033g(43%)の表題生成物を白色の固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.33 (3H, br s), 7.48 (2H, m), 7.32 (1H, s), 7.17 (1H, d, J=8.0Hz), 6.21 (1H, s), 5.88 (2H, s);
MS (ESI) m/z 332 (M+1)。
【0138】
〔実施例31〕
1−[(4,5−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 4,5−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボアルデヒド
4N HCl(10mL)中の3,4−ジメチルベンゼン−1,2−ジアミン(0.409g、3.0ミリモル)およびジクロロ酢酸(0.768g、6.0ミリモル)を100℃で2日間加熱した。室温まで冷却した後、混合物をろ過し、母液をクロロホルム(4回)で抽出した。2M NaOHを使用してpHを12にし、得られた白色の沈殿物をろ過により集めた。粗生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
MS (ESI) m/z 175 (M+1)。
(b) エチル3−{[(4,5−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボキシレート
3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.077g、0.5ミリモル)、4,5−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボアルデヒド(0.130g、0.75ミリモル)およびHOAc(0.045g、0.75ミリモル)をメタノール(4mL)中で撹拌し、次にNaCNBH3を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を2MNaOHで中和し、溶媒を真空下で除去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、水で抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜100%酢酸エチル)により精製して白色の固体である0.043g(27%)の表題化合物を互変異性体混合物(1:1)として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.15 (1H, s), 12.04 (1H, s), 10.81 (2H, s), 7.26 (1H, d, J=8.4 Hz), 7.12 (1H, d=8.0 Hz), 6.94 (2H, d, J=8.4 Hz), 6.72 (2H, s), 5.93 (2H, s), 5.70 (1H, s), 5.61 (1H, s), 4.44 (4H, dd, J=9.2, 6.0 Hz), 4.22 (4H, m), 2.44 (3H, s), 2.37 (3H, s), 2.29 (6H, s), 1.30 (6H, m);
MS (ESI) m/z 313 (M+1)。
(c) 1−[(4,5−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
エチル3−{[(4,5−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}−1H−ピロール−2−カルボキシレート(0.043g、0.14ミリモル)をCH2Cl2(1.5mL)に溶解し、ベンゾイルイソチオシアネート(0.026g、0.16ミリモル)を加えた。室温で1時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去した。残留物をアンモニア(7N、メタノール中)に溶解し、密封した容器中、70℃で2時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、残留物を分取用HPLCにより精製して白色の固体である0.008g(18%)の表題化合物を互変異性体混合物(1:1)として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.18 (2H, s), 11.98 (2H, s), 7.28 (2H, t, J=2.4 Hz), 7.19 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.08 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.92 (2H, t, J=8.0 Hz), 6.14 (2H, dd, J=8.0, 2.8 Hz), 5.89 (2H, s), 5.86 (2H, s), 2.41 (3H, s), 2.37 (3H, s), 2.29 (3H, s), 2.28 (3H, s);
MS (ESI) m/z 326 (M+1)。
【0139】
〔実施例32〕
7−ブロモ−1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) 3−アミノ−4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.92g、0.6ミリモル)をHOAc(1mL)に溶解し、臭素水(0.96g、0.6ミリモル)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、得られた白色の沈殿物をろ過により集め、ジエチルエーテルで洗浄した。表題化合物(0.136g、97%)を白色の固体として得、さらに精製することなく次の工程に使用した。1H NMR (DMSO−d6)δppm 11.67 (1H, s), 7.05 (1H, s), 6.02 (2H, br s), 4.25 (2H, q, J=7.2 Hz), 1.28 (3H, t, J=7.2 Hz);MS (ESI) m/z 233 (M+1)。
(b) 4−ブロモ−3−(イソブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル
3−アミノ−4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.136g、0.58ミリモル)およびイソブチルアルデヒド(0.067g、0.93ミリモル)をCH2Cl2/MeOH(1:1、3mL)中、室温で2時間撹拌した。NaCNBH3(0.065g、1.04ミリモル)およびHOAc(0.035g、0.58ミリモル)を加え、混合物を室温で2時間撹拌し、次に50℃で16時間撹拌した。さらにイソブチルアルデヒド(1当量)およびNaCNBH3(0.5当量)を加え、混合物を50℃で一晩撹拌し続けた。反応混合物を2M NaOH溶液で中和し、溶媒を真空下で除去した。残留物を酢酸エチルに取り、水で抽出した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜30%酢酸エチル)により精製して表題化合物(0.040g、24%)を白色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3)δppm 6.75 (1H, s), 4.32 (2H, q, J=7.2 Hz), 3.28 (2H, d, J=6.8 Hz), 1.85 (1H, m), 1.35 (3H, t, J=7.2 Hz), 0.97 (3H, d, J=6.8 Hz);
MS (ESI) m/z 289 (M+1)。
(c) 7−ブロモ−1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
ベンゾイルイソチオシアネート(0.034g、0.2ミリモル)をCH2Cl2中における4−ブロモ−3−(イソブチルアミノ)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.050g、0.17ミリモル)の溶液に加え、得られた混合物を室温で1時間撹拌した後、真空下で濃縮した。残留物をアンモニア(7M、メタノール中、1.5mL)に溶解し、70℃で4時間撹拌した。さらにアンモニア(7M、メタノール中、1mL)を加え、混合物を80℃で5時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、沈殿した生成物をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄した。メタノールから再結晶した後、表題化合物(0.028g、55%)を白色の固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12 57 (2H, br s), 7.58 (1H, s), 4.92 (1H, br s), 4.42 (1H, br s), 2.39 (1H, m), 0.94 (6H, d, J=6.4 Hz);
MS (ESI) m/z 303 (M+1)。
【0140】
〔実施例33〕
1−(3−クロロフェニル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
(a) エチル3−[(3−クロロフェニル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボキシレート
3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル(0.20g、1.3ミリモル)、3−ブロモクロロベンゼン(0.30g、1.6ミリモル)、Pd2(dba)3(0.048g、0.052ミリモル)、rac−BINAP(0.048g、0.078ミリモル)および炭酸セシウム(0.59g、1.8ミリモル)の混合物を密封したマイクロ波バイアル中、窒素雰囲気下で一晩100℃に加熱した。さらにPd2(dba)3(0.10g、0.11ミリモル)およびR,S−BINAP(0.11g、0.18ミリモル)を加え、反応混合物を100℃で一晩撹拌し続けた。さらに3−ブロモクロロベンゼン(0.15g)、Pd2(dba)3(0.098g)およびR,S−BINAP(0.098g)を加え、反応混合物を100℃でさらに3日間撹拌を続けた。反応混合物をエタノールに注ぎ、得られた溶液をろ過した。ろ液を真空下で蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒;0〜30%酢酸エチル)により精製して0.052g(15%)の表題化合物を得た。
1H NMR (CDCl3)δppm 8.42 (1H, br s), 7.17 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.14 (1H, t, J=2.0 Hz), 6.96−6.94 (1H, m), 6.87−6.84 (1H, m), 6.82 (1H, t, J=3.0 Hz), 6.32 (1H, t, J=3.0 Hz), 4.35 (2H, q, J=7.2 Hz), 1.38 (3H, t, J=7.1 Hz);
MS (ESI) m/z 263 (M−1)。
(b) 1−(3−クロロフェニル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
CH2Cl2(0.5mL)中のベンゾイルイソチオシアネート(0.035g、0.22ミリモル)をCH2Cl2(0.5mL)中のエチル3−[(3−クロロフェニル)アミノ]−1H−ピロール−2−カルボキシレート(0.052g、0.20ミリモル)に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。さらにベンゾイルイソチオシアネート(0.035g+0.035g+0.035g)を6時間にわたって加え、反応混合物を50℃で3日間撹拌し続けた。溶媒を真空下で除去し、残留物をアンモニア(7N、メタノール中、4mL)に溶解した。反応混合物を50℃で2時間加熱した。粗生成物を分取用クロマトグラフィーにより精製して0.009g(15%)の表題化合物を固体として得た。
1H NMR (DMSO−d6)δppm 12.41 (2H, br s), 7.60−7.57 (3H, m), 7.41−7.37 (1H, m), 7.25 (1H, d, J=2.8 Hz), 5.36 (1H, d, J=2.8 Hz);
13C NMR (DMSO−d6)δppm 173.8, 152.8, 141.5, 137.9, 133.5, 131.,3 129.0, 128.6, 127.7, 127.3, 113.3, 96.7;
MS (ESI) m/z 278 (M+1)。
【0141】
スクリーニング
MPO阻害活性を定量するための方法は特許出願WO 02/090575に開示されている。本発明の化合物の薬理活性は化合物を単独で、またはチロシンを加えて試験する次のスクリーニングで試験した:
アッセイ緩衝液:10mMのタウリンおよび100mMのNaClを含有する20mMのリン酸ナトリウム/カリウム緩衝液(pH6.5)。
展開試薬:2mMの3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン(TMB)、200μMのKI、20%DMFを含む200mMの酢酸塩緩衝液(pH5.4)。
【0142】
アッセイ緩衝液で希釈した10μlの化合物に、場合により20μMのチロシン(存在する場合の最終濃度8μM)を含む40μlのヒトMPO(最終濃度2.5nM)を加え、混合物を周囲温度で10分間インキュベートした。次に、50μlのH2O2(最終濃度100μM)、または対照としてアッセイ緩衝液だけを加えた。周囲温度で10分間インキュベートした後、10μlの0.2mg/mlのカタラーゼ(最終濃度18μg/ml)を加えて反応を停止した。反応混合物をさらに5分間放置してから100μlのTMB展開試薬を加えた。約5分後、約650nMでの吸光度分析法により酸化した3,3',5,5'−テトラメチルベンジジンの量を測定した。次に、標準法を使用してIC50値を求めた。
【0143】
上記スクリーニングの少なくとも一形態で試験した結果、実施例1〜32の化合物は60μM未満のIC50値を与えた。このことはこれらが有用な治療活性を示すと予想されることを示唆している。代表的な結果を次の表に示す。
〔表1〕
化合物 MPOの阻害 (チロシンの存在下) IC50(μM)
実施例2 0.26
実施例5 0.22
実施例11 1.1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、XおよびYの少なくとも一方はSであり、他方はOまたはSであり;
Lは直接結合またはC1〜7アルキレンであり、該アルキレンは場合によりO、S(O)nおよびNR6から選択されるヘテロ原子を含有し、該アルキレンは場合により1または2個の炭素−炭素二重結合を含有し、そして該アルキレンは場合により独立してOH、ハロゲン、CN、NR4R5、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、該アルコキシは場合により酸素に隣接するカルボニルを含有し;
nは整数0、1または2であり;
R1は水素であるか、あるいは
i) 場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であり、場合により独立してハロゲン、SO2R9、SO2NR9R10、OH、C1〜7アルキル、C1〜7アルコキシ、CN、CONR2R3、NR2COR3およびCOR3から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、該アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換され、該アルコキシは場合により酸素に隣接するカルボニルを含有し、該アルキルは場合によりさらにヒドロキシまたはC1〜6アルコキシにより置換され、そして該アルキルまたはアルコキシは場合により酸素に隣接する、またはアルキルの何れかの位置に存在するカルボニルを含有し;あるいは
ii) フェニル、ビフェニル、ナフチルから選択される芳香族環系、または独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する単環式または二環式ヘテロ芳香族環構造であり、該芳香族環系は場合により独立してハロゲン、SO2R9、SO2NR9R10、OH、C1〜7アルキル、C1〜7アルコキシ、CN、CONR2R3、NR2COR3およびCOR3から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、該アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換され、該アルコキシは場合により酸素に隣接するカルボニルを含有し、該アルキルは場合によりさらにヒドロキシまたはC1〜6アルコキシにより置換され、そして該アルキルまたはアルコキシは場合により酸素に隣接する、またはアルキルの何れかの位置に存在するカルボニルを含有し;
R12は水素、ハロゲン、または場合により1〜3個のハロゲン原子で置換される炭素であり;
R2、R3、R4、R5、R6、R9およびR10はそれぞれ独立して水素、C1〜6アルキルまたはC1〜6アルコキシであり、該アルコキシは場合により酸素に隣接するカルボニルを含有し、該アルキルは場合によりさらにハロゲン、C1〜6アルコキシ、CHO、C2〜6アルカノイル、OH、CONR7R8およびNR7COR8により置換され;あるいは
NR2R3、NR4R5およびNR9R10基はそれぞれ独立して場合によりO、SおよびNR11から選択されるヘテロ原子をさらに1個含有する5〜7員の飽和アザ環式環であり、該環は場合によりさらにハロゲン、C1〜6アルコキシ、CHO、C2〜6アルカノイル、OH、CONR7R8およびNR7COR8により置換され;
R7、R8およびR11はそれぞれ独立して水素またはC1〜6アルキルであり、あるいはNR7R8基は場合によりO、SおよびNR11から選択されるヘテロ原子をさらに1個含有する5〜7員の飽和アザ環式環である]
の化合物およびその薬学的に許容しうる塩[但し化合物1−β−D−リボフラノシル−2−オキソピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(3H,5H)−チオン、1−(2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−1−β−D−リボフラノシル)−2−オキソピロロ[3,2−d]ピリミジン−4(3H,5H)−チオンおよび5,7−ジメルカプト−1,4,6−トリアザインデンを除く]。
【請求項2】
R1は水素である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
XはSであり、そしてYはOである請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
YはSであり、そしてXはOである請求項1または2記載の化合物。
【請求項5】
Lは直接結合またはC1〜7アルキレンであり;該アルキレンは場合により1個またはそれ以上のC1〜6アルコキシにより置換される請求項1〜4の何れかの項記載の化合物。
【請求項6】
LはC1〜3アルキレンであり;該アルキレンは場合により1個またはそれ以上のC1〜6アルコキシにより置換される請求項1〜4の何れかの項記載の化合物。
【請求項7】
R1は場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であり;該環は場合により独立してハロゲン、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、該アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換される請求項1〜6の何れかの項記載の化合物。
【請求項8】
R1はフェニル、ビフェニル、ナフチルから選択される芳香族環系、または独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5−または6−員のヘテロ芳香族環であり、該芳香族環は場合により独立してハロゲン、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、該アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換される請求項1〜6の何れかの項記載の化合物。
【請求項9】
Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は場合により独立してO、NおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有し、また場合によりカルボニル基を含有する飽和または部分的に不飽和の3〜7員環であり、該環は場合により独立してハロゲン、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、該アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換される請求項1記載の化合物。
【請求項10】
Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1はフェニル、ビフェニル、ナフチルから選択される芳香族環系、または独立してO、NおよびSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5−または6−員のヘテロ芳香族環であり、該芳香族環は場合により独立してハロゲン、C1〜6アルキルおよびC1〜6アルコキシから選択される1個またはそれ以上の置換基により置換され、該アルコキシは場合によりさらにC1〜6アルコキシにより置換される請求項1記載の化合物。
【請求項11】
XはSであり、YはOであり、Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は場合により置換されるフェニルである請求項1記載の化合物。
【請求項12】
XはSであり、YはOであり、Lは場合により置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は場合により置換されるピリジルである請求項1記載の化合物。
【請求項13】
XはSであり、YはOであり、LはC1〜6アルコキシで置換されるC1〜3アルキレンであり、そしてR1は水素である請求項1記載の化合物。
【請求項14】
1−ブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−フルオロ−ベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−(2−メトキシエトキシ)−3−プロポキシベンジル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(6−エトキシ−ピリジン−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ピペリジン−3−イルメチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−ブチル−4−チオキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−オン;
1−(2−イソプロポキシエチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)エチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(3−メトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−{[3−(2−エトキシエトキシ)ピリジン−2−イル]メチル}−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−3−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−6−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−インドール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テト
ラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−5−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
1−[(4,5−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;
7−ブロモ−1−イソブチル−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン;および
1−(3−クロロフェニル)−2−チオキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−オン
である化合物、並びにそれらの薬学的に許容しうる塩。
【請求項15】
医薬として使用される請求項1〜14の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩。
【請求項16】
請求項1〜14の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を場合により薬学的に許容しうる補助剤、希釈剤または担体と混合して含有する医薬組成物。
【請求項17】
治療的に有効な量の請求項1〜14の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を酵素MPOの阻害が有効である疾患または症状に罹っているかまたはそのリスクがある人に投与することからなる、該疾患または症状を治療するかまたはそのリスクを減らす方法。
【請求項18】
治療的に有効な量の請求項1〜14の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を神経炎症性疾患に罹っているかまたはそのリスクがある人に投与することからなる、該疾患または症状を治療するかまたはそのリスクを減らす方法。
【請求項19】
神経炎症性疾患は多発性硬化症である請求項18記載の方法。
【請求項20】
疾患または症状はアテローム性動脈硬化症である請求項17記載の方法。
【請求項21】
疾患または症状はCOPDである請求項17記載の方法。
【請求項22】
酵素MPOの阻害が有効である疾患または症状を治療または予防するための薬剤の製造における請求項1〜14の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項23】
神経炎症性疾患を治療または予防するための薬剤の製造における請求項1〜14の何れかの項記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容しうる塩の使用。
【請求項24】
神経炎症性疾患は多発性硬化症である請求項23記載の使用。
【請求項25】
疾患または症状はアテローム性動脈硬化症である請求項22記載の使用。
【請求項26】
疾患または症状はCOPDである請求項22記載の使用。
【請求項27】
式(II)
【化2】

(式中、R1およびLは請求項1で定義された通りであり、そしてRはC1〜6アルコキシまたはNH2である)の化合物をC1〜6アルコキシカルボニルイソチオシアネートまたはフェニルカルボニルイソチオシアネートと反応させ;必要ならば得られた式(I)の化合物またはその塩をその薬学的に許容しうる塩に変換するか;または得られた式(I)の化合物を式(I)のさらなる化合物に変換し;そして所望ならば得られた式(I)の化合物をその光学異性体に変換することからなる、請求項1〜14の何れかの項記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容しうる塩、エナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ化合物の製造法。

【公表番号】特表2008−522968(P2008−522968A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544307(P2007−544307)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【国際出願番号】PCT/SE2005/001835
【国際公開番号】WO2006/062465
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】