説明

新規な化粧品及び/又は薬剤組成物及びそれらの用途

【課題】化粧品や人間の治療に適しかつ高度の活性と安定性を示す新規な組成物を提供する。
【解決手段】 活性成分として、アリウム種の抽出物とシトリス種の抽出物と、−パウリニア種の抽出物及びテオブロマ種の抽出物のいずれか、−又はネコヤナギ種の抽出物及び硫酸亜鉛、を含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な組成物、及び化粧品及び/又は医薬としての前記組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
新鮮なタマネギ、ヨウ素塩類、クエン酸やレモンジュースを含んでいる化粧品や医薬品組成物は、公知である。これらの組成物は、髪の再生や、血管形成を促進しあるいはコラーゲンの合成を刺激し肥満細胞の増殖と活性化を刺激し、ときには癌治療のような治癒上の適応症を刺激するために化粧品中で使用される。例えば、これらの引用文献には、フランス特許出願番号第2,875,403号、2,877,219号、2,877,224号及び2,877,576及び2,877,408号又はスイス特許出願番号第682,217 A号がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人は、公知の組成物の不都合を有さず、化粧品や人間の治療に適しかつ高度の活性と安定性を示す新規な組成物を研究した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って本発明の目的は、
アリウム(Allium)種の抽出物、シトラス(Citrus)種の抽出物、及び
パウリニア(Paullinia)種の抽出物及びテオブロマ(Theobroma)種の抽出物のいずれか、
又はサリックス(Salix)種の抽出物及び硫酸亜鉛
を含む、新規な組成物を提供することである。
【0005】
これらの組成物のうち特に興味深いのは、前記組成物で、
アリウム種の水性アルコール抽出物、シトラス種の水性アルコール抽出物、及び
パウリニア種の水性アルコール抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)及びテオブロマ種の水性アルコール抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)のいずれか、
又はサリックス種の水性抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)及び硫酸亜鉛
を含む、組成物ある。
【0006】
本発明のこれらの組成物のうち特に興味深いのは、前記組成物で、
アリウム種の水性アルコール抽出物65%から93%、シトリス種の水性アルコール抽出物5%から33%、パウリニア種の水性抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)、及びテオブロマ種の水性抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)を含む組成物で、特にタマネギ(Allium cepa)の水性アルコール抽出物65%から93%、シトリスレモン(Citrus lemon)の水性アルコール抽出物5%から33%、パウリニア種の水性アルコール抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)、及びテオブロマ種の水性アルコール抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)を含む組成物である。
【0007】
アリウム種の抽出物、又はアリウム種の水性アルコール抽出物という用語は、特にネギ族植物(genus Allium)の全ての種(ユリ科、family Liliaceae)、特にタマネギから得られる水性アルコール抽出物及び天然の抽出物を意味する。
【0008】
シトリス種の抽出物、又はシトリス種の水性アルコール抽出物という用語は、特にカンキツ族植物(genus Citrus)の全ての種(ミカン科、family Rutaceae)、特にシトリスレモンから得られる水性アルコール抽出物及び天然の抽出物を意味する。
【0009】
パウリニア種の抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)、又はパウリニア種の水性アルコール抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)という用語は、特にパウリニア族植物(genus Paullinia )の全ての種(ムクロジ科、family Sapindaceae)、特にガラナ(Paullinia cupana)から得られる水性アルコール抽出物及び天然の抽出物を意味する。
【0010】
テオブロマ種の抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)、又はテオブロマ種の水性アルコール抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)という用語は、特にテオブロマ族植物(genus Theobroma )の全ての種(アオイ科、family Malvaceae)、特にテオブロマカカオ(Theobroma cacao)から得られる水性アルコール抽出物及び天然の抽出物を意味する。
【0011】
本発明のこれらの組成物のうち特に興味深いのは、前記組成物で、
アリウム種の水性アルコール抽出物65%から93%、シトリス種の水性アルコール抽出物5%から33%、サリックス種の水性抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)、及び硫酸亜鉛0.1%から1%を含む組成物で、特にタマネギの水性アルコール抽出物65%から93%、シトリスレモンの水性アルコール抽出物5%から33%、サリックス種の水性アルコール抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)、及び硫酸亜鉛六水和物0.1%から1%を含む組成物である。
【0012】
サリックス種の抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)、又はサリックス種の水性抽出物という用語は、特にサリックス族植物(genus Salix)の全ての種(ヤナギ科、family Salicaceae)、特にホワイトウィロー(Salix alba)から得られる水性抽出物を意味する。
【0013】
本発明の組成物で使用される硫酸亜鉛は、無水塩の形態でも、多水和塩、特に六水和物のいずれでも良い。
【0014】
本発明の最も好ましい組成物は、
約87%のタマネギの水性アルコール抽出物、約12%のシトリスレモンの水性アルコール抽出物、約0.5%のガラナ(Paullinia cupana、粉砕されていてもいなくても良い)水性アルコール抽出物、及び約0.5%のテオブロマカカオ(Theobroma cacao)の水性アルコール抽出物を含むものと、
約87%のタマネギの水性アルコール抽出物、約12%のシトリスレモンの水性アルコール抽出物、約0.5%のホワイトウィロー(Salix alba)の水性抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)と0.2%の硫酸亜鉛6水和物を含むものである。
【0015】
前記したような組成物の調製方法である本発明の他の目的は、アリウム種とシトリス種の抽出物を含むマスタ溶液を調製し、次いでこの溶液を、パウリニア種の抽出物及びテオブロマ種の抽出物のいずれか、又はネコヤナギ種の抽出物及び硫酸亜鉛と混合して、必要な組成物を得ることである。
【0016】
本発明方法を実行する好ましい条件によると、本発明では、アルコール中で、数時間アリウム種及びシトリス種を、ピッキングし、洗浄し、粉砕しかつ柔軟化し、次いで混合物を濾過し、アルコール性抽出物を調整し、かつ混合物を他の成分と混合して、マスタ溶液を調製する。
【0017】
前記本発明方法の推薦できる方法は、アリウム種及びシトリス種を、ピッキングし、洗浄し及び粉砕し、96度のアルコールと混合してマスタ溶液を調製し、これを48時間冷却して柔軟化し、0.22ミクロンの濾紙で濾過して粒子含有量の少ない水性アルコール抽出物を製造し、次いで抽出物のアルコール度を30°に調整する。更にこのマスタ溶液を、パウリニア種(粉砕されていてもいなくても良い)及びテオブロマ種(粉砕されていてもいなくても良い)のいずれか、又はサリックス種の抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)及び硫酸亜鉛と単純に混合して処理する。
【0018】
前記組成物は、化粧品として使用するのに適した興味深い性質を有する。
【0019】
化粧品としての用途では、これらの組成物は、皮膚、頭皮、又は他の人体の外側部分に影響を与える、特に髪の損失を遅くし、髪の成長を促進し、その密度を増加させ、フケを除去し、頭皮の老化の信号を処置し、及び爪の不具合を処置する、条件を制御し及び/又は安定化するために使用できる。
【0020】
局所的な用途の場合、前記組成物は、溶液又は5から30%、好ましくは約20%の濃度の濃縮ローションとして、1日に1回から3回の割合で、皮膚や頭皮に直接塗布すれば良い。
【0021】
化粧品の用途の場合、前記組成物は、要求される最終用途に応じて、粒子、可撓性カプセル又は飲料の形態の食品補助剤として投与できる。水性アルコール溶液の形態の製品を使用する替わりに、例えば粉砕、冷凍乾燥、濃縮又は超臨界CO2による水性アルコール溶液の二次抽出による、溶液から得られる乾燥形態の製品であっても良い。
【0022】
前記組成物は、非常に興味深い薬理学的性質も有する。
【0023】
従って前記組成物は、特に治療用又は予防用の薬剤として、人間や動物に投与できる。
【0024】
前記組成物は、皮膚病、特に種々の皮膚細菌及びウイルス性感染、皮膚の老化、皮膚の漂白及び美白化、白斑、肢端皮膚病、皮膚の光誘導性(光線)老化、及び太陽光(光線皮膚症)、任意の原因の座瘡(尋常性、炎症性又は膿疱性丘疹)、酒さ性座瘡(acne rosacea)、紅斑性狼瘡、敏感肌、昆虫刺傷アレルギー、油状又は乾燥肌、脂漏性疾患、任意の原因の脱毛症、脱毛、頭部粃糠疹、ペラダ(pelada)、敏感頭皮、脂ぎった髪、頭皮の乾癬及び類乾癬、発汗異常、いぼやうおのめ、疥癬、口角炎及び浮腫、及び爪に影響を与える任意の疾患に関連する条件に起因する皮膚病の処置のために使用できる。
【0025】
治療では、これらの組成物は、毛細血管再生の効果、及び傷の瘢痕形成、任意原因の疾患、火傷、シミ(blotchiness)、ベーチェット病、皮膚ポルフィリン症、肉腫性及び悪性ガンに対する効果も有する。
【0026】
前記組成物は、角質化疾患に加えて、角化性病変 、過角化、角皮症、異常角化症、ダリエ病、錯角化、魚鱗癬、湿疹、神経皮膚炎、紅皮症、苔蘚化、うろこ状皮膚病、痒疹, ケロイド及び膿疱症の処置用として治療で使用される。
【0027】
最後に、前記組成物は、循環系及び血管内の疾患、特に直腸圧、血栓症、及び静脈リンパ不全、足のだるさ及び知覚障害に伴う兆候の際の機能的なサインを処置する治療に使用できる。
【0028】
前記組成物は、そのまま、又は活性成分として効果的な量の薬学的組成物の形態の1又は2以上の他の化合物との混合物を、標準的で薬学的に不活性な賦形剤及び/又は添加剤とともに投与できる。
【0029】
これらの薬学的組成物は、皮膚や粘膜への局所的な投による経口、腸内又は非経口的な経路により、又は皮下注射などの注射により投与できる。
【0030】
薬剤は、例えば錠剤、被覆された錠剤、フィルム被覆形態、顆粒、カプセル、ソフトカプセル、溶液、シロップ、乳化物、懸濁液又はエアロゾルの混合物の形態でも与えることができる。上述の通り、必要な形態に応じて、水性アルコール溶液又は乾燥形態の製品を使用することが最良である。
【0031】
投与は、例えば座薬の形態の直腸経路、又は例えば注射液又は点滴、マイクロカプセル又はインプラントの形態の非経口経路、例えば軟膏、溶液、色素又は着色剤の形態の経皮的な経路、パッチによる経皮的な経路、又はエアロゾルや鼻噴霧を含む他の経路によることも可能である。
【0032】
これらの薬学的組成物は、薬学的に不活性な有機又は無機の賦形剤を本発明で得られる組成物に加える従来法により調製する。
【0033】
従ってこれらの組成物は、標準的な方法で調製できる、例えば錠剤又は糖衣錠、丸薬、トロ−チ、カプセル、ドロップ、顆粒、注射調合液、軟膏、クリーム又はジェルである、ヒト用の薬剤として共通使用できる薬学的形態で存在する固体や液体を含む。
【0034】
錠剤又は糖衣錠、被覆錠剤及び硬いゼラチンカプセルの生産には、例えばラクトースやコーンスターチ又はそれらの誘導体、滑石及びステアリン酸又はその塩を使用できる。
【0035】
軟質のゼラチンカプセル又は座薬用に好適なキャリアは、例えば脂肪、ワックス、半固体又は液体のポリオール、天然又は改質した油脂などがある。例えば注射できる溶液、乳化物又はシロップなどの溶液の調製用の好適なビヒクルは、水、アルコール、グリセロール、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース、植物油等がある。マイクロカプセルやインプラント用の好適なキャリアは、例えばグリオキサル酸及び乳酸のコポリマーがある。
【0036】
前記活性成分は、例えば滑石、アラビアゴム、ラクトース、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、ココアバター、水性又は非水性ビヒクル、動物又は野菜由来の脂肪性物質、パラフィン誘導体、グリコール、種々の湿潤剤、分散剤又は乳化剤及び保存剤のような、薬学的組成物で通常使用される賦形剤と混合しても良い。
【0037】
前記活性成分及び賦形剤に加えて、前記薬学的組成物は、例えば希釈剤、分解剤、結合剤、潤滑剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、保存剤、甘味料、着色剤、香料又は芳香剤、増粘剤及び緩衝剤などの添加剤、及び更に溶剤又は可溶化剤、遅延剤、浸透圧修正用塩、被覆物質又は酸化防止剤を含んでも良い。
【0038】
本発明は、前述の薬剤の少なくとも1つを活性成分として含む薬学的組成物を含有する。
【0039】
本発明で得られる組成物を使用する場合、投与量は比較的広い範囲で調節でき、処置される人間と関連条件に応じて設定しなければならない。薬学的組成物は、一般に0.2から500mg、好ましくは1から200mgの前述の乾燥抽出物の形態の活性成分を含む。経口投与の場合、一日の投与量は、一般に0.05から10mg/kg、好ましくは0.1から8mg/kg、特に好ましくは0.1から6mg/kgである。例えば大人に関して適切な1日の投与量は、5から500mgである。
【0040】
静脈投与の場合は、1日の投与量は、約0.05から6mg/kgであり、0.1から5mg/kgであることが好ましい。
【0041】
特に大量の活性成分を投与する場合は、1日の投与量を分けて投与しても良い。
【0042】
これらに限定されるものではないが、次に本発明の実施例を例示する。製品の性質の観点から、液体や固体で使用される際には、香料や香水を添加しても良いことは明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[実施例]
[実施例1]
次の組成の組成物を調製した。
−タマネギの水性アルコール抽出物:87.04%
−シトリスレモンの水性アルコール抽出物:11.96%
−ガラナの粉砕した水性アルコール抽出物:0.50%
−テオブロマカカオの粉砕した水性アルコール抽出物:0.50%
【0044】
アリウム種を、ピッキングし、洗浄し及び粉砕し、96度のアルコール中で48時間冷却して柔軟化し、0.22ミクロンの濾紙で濾過し、アルコール性の濾過物を集め、アルコール度を30°に調整することにより、タマネギの水性アルコール抽出物を調製した。
【0045】
シトリス種を、ピッキングし、洗浄し及び粉砕し、96度のアルコール中で48時間冷却して柔軟化し、0.22ミクロンの濾紙で濾過し、アルコール性の濾過物を集め、アルコール度を30°に調整することにより、シトリスレモンの水性アルコール抽出物を調製した。
【0046】
アリウム種とシトリス種を単純に混合して両者の水性アルコール抽出物を含むマスタ溶液を調製し、次いで粉砕したガラナ及びテオブロマカカオの水性アルコール抽出物を前記マスタ溶液に加え、必要な混合抽出物とした。
【0047】
[実施例2]
次の組成の組成物を調製した。
−タマネギの水性アルコール抽出物:87.30%
−シトリスレモンの水性アルコール抽出物:12.00%
−ホワイトウィローの粉砕した水性抽出物:0.50%
−硫酸亜鉛6水和物:0.20%
【0048】
アリウム種を、ピッキングし、洗浄し及び粉砕し、96度のアルコール中で48時間冷却して柔軟化し、0.22ミクロンの濾紙で濾過し、アルコール性の濾過物を集め、アルコール度を30°に調整することにより、タマネギの水性アルコール抽出物を調製した。
【0049】
シトリス種を、ピッキングし、洗浄し及び粉砕し、96度のアルコール中で48時間冷却して柔軟化し、0.22ミクロンの濾紙で濾過し、アルコール性の濾過物を集め、アルコール度を30°に調整することにより、シトリスレモンの水性アルコール抽出物を調製した。
【0050】
アリウム種とシトリス種を単純に混合して両者の水性アルコール抽出物を含むマスタ溶液を調製し、次いでホワイトウィローの水性抽出物及び硫酸亜鉛6水和物を前記マスタ溶液に加え、必要な混合抽出物とした。
【0051】
[実施例3]
次の組成の食品サプルメントを調製した。
−タマネギの乾燥抽出物:87.04%
−シトリスレモンの乾燥抽出物:11.96%
−ガラナの乾燥抽出物:0.50%
−テオブロマカカオの乾燥抽出物:0.50%
【0052】
実施例1で得た組成物に、アロマを添加し、次いで混合物を冷凍乾燥して食品サプルメントとして直接使用できる粉末を得た。
【0053】
[実施例4]
次の成分から頭皮処理用の化粧用ローションを調製した。
−実施例1で得た組成物:21ml
−賦形剤qsp(香水/アローマを含む):100ml
【0054】
実施例1で得た組成物と賦形剤を単純に混合して、前記ローションを調製した。
【0055】
[実施例5]
次の成分から頭皮処理用の医薬用ローションを調製した。
−実施例2で得た組成物:40ml
−賦形剤qsp(香水/アローマを含む):100ml
【0056】
実施例2で得た組成物と賦形剤を単純に混合して、前記ローションを調製した。
【0057】
[実施例6]
次の成分の錠剤を調製した。
−実施例3で得た組成物:100mg
−賦形剤qsp(香水/アローマを含む):300mg
(賦形剤の詳細:ラクトース、滑石、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム)
【0058】
[実施例7]
次のように薬用軟膏を調製した。
−実施例3で得た組成物:5ml
−賦形剤qsp(香水/アローマを含む):100ml
【0059】
[1.連続12週間、通常条件下で使用する髪処理でフォトトリコグラム(Phototrichogram)法を使用する際の抗髪喪失効果の研究]
ハミルトン・スケールのIIからIVの相当する禿の程度が僅かから中程度の35歳から55歳の20人の男性ボランティアを実施例4の組成物を使用して処置を施した(ハミルトン・スケール:タイプIは僅かに生え際が交代している。タイプIIは、生え際がこめかみまで後退し、頭頂領域が薄くなっている。タイプIIIは、こめかみの後退と頭頂の禿のスポットが一致している。タイプIVは、こめかみ以外が禿ている。タイプVは、頭頂の髪が喪失している。)
【0060】
手順は次の通りとした。
第1日:頭皮から髪が現れる点の髪の断面の一時的なサイトの位置の確認、及び研究する領域の接写写真の撮影。
第1〜2日:製品の塗布なし。シャンプーなし。
第3日:第1日と同じ領域の新規な接写写真の撮影、及び処置の開始。
第3〜42日:1日に2回、頭皮への製品の塗布(各回2〜3スプレイ)。
第42日:毛細管及び皮膚耐性の評価、頭皮から髪が現れる点の髪の断面の一時的なサイトの位置の確認、及び研究する領域の接写写真の撮影。
第42〜43日:製品の塗布なし。シャンプーなし。
第44日:第1日と同じ領域の新規な接写写真の撮影。
第44〜84日:1日に2回、頭皮へ、そして頭皮から髪が現れる点の髪の断面のサイトへの製品の塗布(各回2〜3スプレイ)。
第84日:毛細管及び皮膚耐性の評価、頭皮から髪が現れる点の髪の断面の研究している領域の一時的なサイトの位置の確認、及び研究する領域の接写写真の撮影。
第84〜85日:製品の塗布なし。シャンプーなし。
第86日:第1日と同じ領域の新規な接写写真の撮影。
【0061】
研究により次のことが示された。
−処置の6週間後の、大きな抗髪喪失効果:統計的なA/T(anagenic/telogenic)比は44.91%と大きく増加した。
−処置の12週間後の、大きな抗髪喪失効果:統計的なA/T比は46.78%と大きく増加した。
−良好な臨床的な耐性:皮膚科の試験の間、髪の反応は観察されなかった。
−良好な本来備わっている臨床的な耐性:それにもかかわらず1人のボランティアが皮膚の不快を経験した。
【0062】
[2.実施例1及び2の組成物の血管新生活性の評価]
本発明の製品を、アンギオキット(Angiokit)プレート上でテストした。周知法を使用して、線維芽細胞との共培養の内皮細胞の成長をチェックし、毛細構造(細管)を観察した。異なった濃度でテストした製品は、ウェル中の各プレート上へ導入した。あるウェルはアクチベータ(VEGF)を追加受け入れし、他のウェルはインヒビタ(Suramine)を受け入れた。いくつかのウェルはコントロールとして機能した。
【0063】
栄養媒体は、第3,4,7,10及び12日に変え、テストは第15日に終了した。
【0064】
第15日に観察された結果は、製品が血管新生活性を有することを明確に示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、アリウム種(Allium species)の抽出物、シトリス種(Citrus species)の抽出物、
−パウリニア種(Paullinia species)の抽出物及びテオブロマ種(Theobroma species)の抽出物のいずれか、
−又はネコヤナギ種(Salix species)の抽出物及び硫酸亜鉛
を含むことを特徴とする組成物。
【請求項2】
活性成分として、アリウム種(Allium species)の水性アルコール抽出物、シトリス種(Citrus species)の水性アルコール抽出物、
−パウリニア種(Paullinia species)の水性アルコール抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)及びテオブロマ種(Theobroma species)の水性アルコール抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)のいずれか、
−又はネコヤナギ種(Salix species)の水性抽出物(粉砕されていてもいなくても良い)及び硫酸亜鉛
を含むことを特徴とする組成物。
【請求項3】
アリウム種の水性アルコール抽出物65%から93%、シトリス種の水性アルコール抽出物5%から33%、パウリニア種の水性アルコール抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)、及びテオブロマ種の水性アルコール抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)を含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
タマネギ(Allium cepa)の水性アルコール抽出物65%から93%、シトリスレモン(Citrus lemon)の水性アルコール抽出物5%から33%、パウリニア種の水性アルコール抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)、及びテオブロマ種の水性アルコール抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)を含む請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
アリウム種の水性アルコール抽出物65%から93%、シトリス種の水性アルコール抽出物5%から33%、ネコヤナギ種の水性抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)、及び硫酸亜鉛0.1%から1%を含む請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
タマネギの水性アルコール抽出物65%から93%、シトリスレモンの水性アルコール抽出物5%から33%、ネコヤナギ種の水性抽出物0.25%から2.5%(粉砕されていてもいなくても良い)、及び硫酸亜鉛六水和物0.1%から1%を含む請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
タマネギの水性アルコール抽出物約87%、シトリスレモンの水性アルコール抽出物約12%、ガラナ(Paullinia cupana)の粉砕された水性アルコール抽出物約0.5%及びテオブロマカカオ(Theobroma cacao)の粉砕された水性アルコール抽出物約0.5%を含む請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
タマネギの水性アルコール抽出物約87%、シトリスレモンの水性アルコール抽出物約12%、ホワイトウィロー(Salix alba)約0.5%、及び硫酸亜鉛六水和物約0.2%を含む請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
アリウム種及びシトリス種の抽出物を含むマスタ溶液に、
パウリニア種及びテオブロマ種の抽出物のいずれかを混合し、
又はネコヤナギ種の抽出物及び硫酸亜鉛を混合し、
所定の組成物を調製することを特徴とする方法。
【請求項10】
アルコール中で、数時間アリウム種及びシトリス種を、ピッキングし、洗浄し、粉砕しかつ柔軟化し、次いで混合物を濾過し、アルコール性抽出物を調整し、かつ混合物を他の成分と混合して、マスタ溶液を調製する請求項9記載の方法。
【請求項11】
髪の損失を遅くし、その成長を促進し、髪の密度を増加させ、フケを除去し、頭皮の老化の信号を処置し、及び爪の不具合を処置することを含む、皮膚、頭皮又は他の外部から見える人体の部分の全てのトラブルを制御し及び/又は安定化することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を化粧品として使用する方法。
【請求項12】
頭皮、皮膚病、瘢痕形成疾患、角質化又は角化性病変の疾患、及び循環又は血管性疾患の全ての疾患を処置するための薬剤調製用に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を使用する方法。
【請求項13】
髪と頭皮に悪影響を及ぼす病気を処置するために、髪の再生を刺激しかつ促進するために使用し、あるいは皮膚一般に悪影響を及ぼす病気、瘢痕形成疾患、角質化又は角化性病変の疾患、循環又は血管性疾患の疾患及び悪性の転移癌を処置して、腫瘍を安定化することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を含む薬剤。

【公表番号】特表2010−518180(P2010−518180A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549838(P2009−549838)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000152
【国際公開番号】WO2008/113912
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(509229038)レガシー ヘルスケア ホールディング リミテッド (1)
【Fターム(参考)】