新規な有機エレクトロルミネセント化合物及びこれを使用する有機エレクトロルミネセント素子
【課題】従来の青色材料の欠点を克服し、向上された発光効率及び素子寿命を有する有機エレクトロルミネセント化合物並びにこれを含有する有機エレクトロルミネセント素子及び太陽電池を提供する。
【解決手段】新規な有機エレクトロルミネセント化合物は、化学式(1)によって表されることで特徴付けられる。
(式中、Ar1及び2は、置換基を有していてもよいC6〜60のアリーレン基、C5〜60のヘテロアリ−レン基であり、Ar3及び6は、C6〜60のアルキル基、C6〜60のアリール基等である。該有機エレクトロルミネセント化合物は材料の良好な発光効率及び寿命特性を有するので、非常に良好な動作寿命を有するOLEDを製造することができる。)
【解決手段】新規な有機エレクトロルミネセント化合物は、化学式(1)によって表されることで特徴付けられる。
(式中、Ar1及び2は、置換基を有していてもよいC6〜60のアリーレン基、C5〜60のヘテロアリ−レン基であり、Ar3及び6は、C6〜60のアルキル基、C6〜60のアリール基等である。該有機エレクトロルミネセント化合物は材料の良好な発光効率及び寿命特性を有するので、非常に良好な動作寿命を有するOLEDを製造することができる。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機エレクトロルミネセント化合物及びエレクトロルミネセント材料としてこれを用いる有機エレクトロルミネセント素子に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ素子の中で、エレクトロルミネセント素子(EL素子)は、広い視角、優れたコントラスト及び迅速な応答速度の利点を示す自己発光ディスプレイ素子である。イーストマン・コダック社(Eastman Kodak)は、1987年に、EL層を形成するための材料として、低分子量芳香族ジアミン及びアルミニウム錯体を使用する有機EL素子をはじめて開発した(Appl.Phys.Lett.51,913,1987)。
【0003】
有機EL素子において発光効率、寿命などを決定するための最も重要な要因は、エレクトロルミネセント材料である。このようなエレクトロルミネセント材料のために必要な幾つかの特性には、その材料が固相で高い蛍光量子収率を有していなくてはならず、電子及び正孔の高い移動度が、真空中での蒸着の過程において容易に崩壊されず、均一で安定な薄膜を形成することが含まれる。
【0004】
有機エレクトロルミネセント材料は、一般的に、高分子材料と低分子材料とに分類することができる。低分子材料には、金属錯体、及び分子構造の面から金属を含有しない純粋に有機のエレクトロルミネセント材料が含まれる。このようなエレクトロルミネセント材料には、キレート錯体、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビス(スチリルアリーレン)誘導体、オキサジアゾール誘導体が含まれる。これらの材料から、青色から赤色までの可視領域の発光を得ることができ、それ故にフルカラーディスプレイ素子の実現が期待されることが報告されている。
【0005】
一方、青色材料に関しては、出光興産によるDPVBi(化学式a)の開発以来、多数の材料が開発され、商業化されてきた。出光興産からの青色材料系に加えて、ジナフチルアントラセン(化学式b)、テトラ(t−ブチル)ペリレン(化学式c)系などが知られている。しかしながら、これらの材料に関して、広範囲な研究及び開発が実施されなくてはならない。現在まで最高の効率を有することが知られている出光興産のジスチリル化合物系は、6(lm/W)の電力効率及び30,000時間よりも長い有利なデバイス寿命を有する。しかしながら、これがフルカラーディスプレイに適用されるとき、動作時間に亘る色純度の低下のせいで、その寿命はたかだか数千時間であるにすぎない。青色エレクトロルミネセンスの場合に、エレクトロルミネセント波長が、より長い波長の方に少しシフトすれば、これは、発光効率の面から有利になる。しかしながら、青色における満足できない色純度のために、この材料を高品質のディスプレイに適用することは容易ではない。更に、色純度、効率及び熱安定性における問題点のために、このような材料の研究及び開発は急を要する。
【0006】
【化1】
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Applied Physics Letters」、第51巻、第913頁、1987年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明者らは、前記の問題点を克服し、優れた発光効率及び顕著に向上された素子寿命を有する有機エレクトロルミネセント素子を実現することができる新規なエレクトロルミネセント化合物を開発するために、集中的に努力した。
【0009】
本発明の目的は、前記のような青色材料の欠点を克服し、向上された発光効率及び素子寿命を有する有機エレクトロルミネセント化合物を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、エレクトロルミネセント材料として前記の有機エレクトロルミネセント化合物を含む、高い効率及び長い寿命を有する有機エレクトロルミネセント素子を提供することである。本発明の他の目的は、前記のような1種以上の有機エレクトロルミネセント化合物に加えて、エレクトロルミネセントホスト(host)として、アントラセン誘導体及びベンズ[a]アントラセン誘導体から選択された1種以上の化合物を使用する、エレクトロルミネセント領域を含む有機エレクトロルミネセント素子を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、前記の新規な有機エレクトロルミネセント化合物を含む有機太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
特に、本発明は、化学式(1)によって表される新規な有機エレクトロルミネセント化合物及びエレクトロルミネセント層中にこれを使用する有機エレクトロルミネセント素子に関する。
【0013】
【化2】
【0014】
[式中、Ar1及びAr2は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C5〜C60)ヘテロアリーレンを表し、Ar1及びAr2のアリーレン又はヘテロアリーレンは、重水素、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル及び(C6〜C60)アリールから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Ar3〜Ar6は、独立に、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C6〜C60)アリール若しくは(C3〜C60)ヘテロアリールを表し又はAr3及びAr5若しくはAr6びAr7は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
Ar3〜Ar6のアリール又はヘテロアリールは、重水素;線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリール置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C30)アルキルシリル;ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル及びトリ(C6〜C30)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい]。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、有機発光ダイオード(OLED)の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで図面に言及すると、図1は、ガラス1、透明電極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、エレクトロルミネセント層5、電子輸送層6、電子注入層7及びAlカソード8を含む、本発明のOLEDの断面図を示す。
【0017】
本明細書中に記載される用語「アルキル」、[アルコキシ]、及び「アルキル」部分を含む任意の置換基は、線状種及び枝分かれ種の両方を含む。
【0018】
本明細書中に記載される用語「アリール」は、1個の水素原子の除去によって、芳香族炭化水素から誘導される有機基を意味する。それぞれの環は、4〜7個、好ましくは5〜6個の環式原子を含有する単環式又は縮合環系を含む。具体的な例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル及びフルオランテニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書中に記載される用語「ヘテロアリール」は、芳香族環式主鎖原子としてのN、O及びSから選択された1〜4個のヘテロ原子並びに残りの芳香族環式主鎖原子のための炭素原子を含有するアリール基を意味する。ヘテロアリールは、5員又は6員の、単環式ヘテロアリール又は1つ以上のベンゼン環と縮合された多環式ヘテロアリールであってよく、部分的に飽和されていてよい。ヘテロアリール基は、そのヘテロ原子が、酸化されるか又は四級化されて、N−オキシド及び第四級塩を形成することができる二価のアリール基を含有していてよい。具体的な例には、単環式ヘテロアリール基、例えば、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル;多環式ヘテロアリール基、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル及びベンゾジオキソリル;並びにこれらの対応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)及び第四級塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書中に記載される「(C1〜C60)アルキル」部分を含む置換基は、1〜60個の炭素原子、1〜20個の炭素原子又は1〜10個の炭素原子を含有し得る。「(C6〜C60)アリール」部分を含む置換基は、6〜60個の炭素原子、6〜20個の炭素原子又は6〜12個の炭素原子を含有し得る。「(C3〜C60)ヘテロアリール」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、4〜20個の炭素原子又は4〜12個の炭素原子を含有し得る。「(C3〜C60)シクロアルキル」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、3〜20個の炭素原子又は3〜7個の炭素原子を含有し得る。「(C2〜C60)アルケニル又はアルキニル」部分を含む置換基は、2〜60個の炭素原子、2〜20個の炭素原子又は2〜10個の炭素原子を含有し得る。
【0021】
化学式(1)において、Ar1及びAr2は、独立に、下記の構造から選択されるが、これらは下記のものに限定されるわけではない。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
[式中、R11〜R19は、独立に、水素、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、このアリールは、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキルによって更に置換されていてよい]。
【0025】
化学式(1)において、Ar3〜Ar6は、独立に、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニル、フルオランテニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ又はチオモルホリノを表し、並びにこれらのフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニル、フルオランテニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ又はチオモルホリノは、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、フルオロ、シアノ、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、9,9−ジメチルフルオレニル、9,9−ジフェニルフルオレニル、ナフチル、フェナントリル及びアントリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。
【0026】
化学式(1)のナフチルは、1−ナフチル又は2−ナフチルであってよく、アントリルは、1−アントリル、2−アントリル又は9−アントリルであってよく、フルオレニルは、1−フルオレニル、2−フルオレニル、3−フルオレニル、4−フルオレニル又は9−フルオレニルであってよい。
【0027】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、下記の化合物によって具体的に例示することができるが、これらの化合物に限定されるわけではないない。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
[式中、Ar3〜Ar6は、独立に、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニル、フルオランテニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ又はチオモルホリノを表し、
Ar3〜Ar6のフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニル、フルオランテニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ又はチオモルホリノは、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、フルオロ、シアノ、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、9,9−ジメチルフルオレニル、9,9−ジフェニルフルオレニル、ナフチル、フェナントリル及びアントリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R11〜R16は、独立に、水素、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル又はペリレニルを表し、並びに
R11〜R16のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル又はペリレニルは、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル及びヘキサデシルから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい]。
【0043】
更に特に、本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、下記の化合物によって例示することができるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】
【0047】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、下記反応図式(1)によって示される手順に従って調製することができる。
【0048】
【化22】
【0049】
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5及びAr6は、化学式(1)におけるように定義される。)
【0050】
更に、本発明は、化学式(1)によって表される1種以上の有機エレクトロルミネセント化合物を含む有機太陽電池を提供する。
【0051】
また、本発明は、第一電極;第二電極;及び第一電極と第二電極との間に介在させられた少なくとも1つの有機層;を含む有機エレクトロルミネセント素子であって、この有機層が、化学式(1)によって表される1種以上のエレクトロルミネセント化合物を含む有機エレクトロルミネセント素子を提供する。
【0052】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント素子は、有機層がエレクトロルミネセント領域を含有し、この領域が、エレクトロルミネセントドーパントとしての化学式(1)によって表される1種以上の化合物と、1種以上のホストとを含有することで特徴付けられる。
【0053】
本発明に従ったエレクトロルミネセント素子に適用されるホストは、特に限定されないが、好ましくは、化学式(2)又は(3)によって表される化合物から選択される。
【0054】
【化23】
【0055】
[式中、Ar11及びAr12は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル及び(C6〜C60)から選択され、Ar11及びAr12のシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは;重水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール又は(C4〜C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル;並びにトリ(C6〜C60)アリールシリル;からなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Aは、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
a及びbは、独立に、0〜4の整数を表し、並びに
Anは、置換基を有する又は有しないアントラセン主鎖を含む。]
【0056】
化学式(2)又は(3)によって表されるホストは、化学式(4)〜(7)の一つによって表されるアントラセン誘導体及びベンゾ[a]アントラセン誘導体によって例示することができる。
【0057】
【化24】
【0058】
化学式(4)〜(6)において、
R41及びR42は、独立に、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、又は(C3〜C60)シクロアルキルを表し、R41及びR42のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、ハロ(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R43〜R46は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、R43〜R46のヘテロアリール、シクロアルキル又はアリールは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
G1及びG2は、独立に、化学結合か、又は(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択された1種以上の置換基を有する若しくは有しない(C6〜C60)アリーレンを表し、
Ar21及びAr22は、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造から選択されたアリールを表し、
【0059】
【化25】
【0060】
Ar21及びAr22のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール及び(C4〜C60)ヘテロアリールから選択された1種以上の置換基によって置換されていてよく、
L11は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造式によって表される化合物を表し、
【0061】
【化26】
【0062】
L11のアリーレン又はヘテロアリーレンは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択された1種以上の置換基によって置換されていてよく、
R51〜R54は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し又はこれらのそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R61〜R64は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール若しくはハロゲンを表し又はこれらのそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよい。
【0063】
【化27】
【0064】
化学式7において、
L21は、(C6〜C60)アリーレン、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造から選択された二価の基を表し、
【0065】
【化28】
【0066】
L22及びL23は、独立に、化学結合か、または(C1〜C60)アルキレンオキシ、(C1〜C60)アルキレンチオ、(C6〜C60)アリーレンオキシ、(C6〜C60)アリーレンチオ、(C6〜C60)アリーレン、又はN、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
Ar31は、NR93R94、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル又は下記の構造から選択された置換基を表し、
【0067】
【化29】
【0068】
R71〜R81は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR71〜R81のそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R82〜R92は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR82〜R92のそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R93及びR94は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR93及びR94は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R95〜R106は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR95〜R106のそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
E及びFは、独立に、化学結合か、−(CR107R108)g−、−N(R109)−、−S−、−O−、−Si(R110)(R111)−、−P(R112)−、−C(=O)−、−B(R113)−、−In(R114)−、−Se−、−Ge(R115)(R116)−、−Sn(R117)(R118)−、−Ga(R119)−又は−(R120)C=C(R121)−を表し、
R107〜R121は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR107及びR108、R110及びR111、R115及びR116、R117及びR118、若しくはR120及びR121は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
L21〜L23のアリーレン若しくはヘテロアリーレン、Ar31のアリール若しくはヘテロアリール又はR71〜R121のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、トリアリールシリル、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノは、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、ハロ(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール(但し、(C6〜C60)アリールは、置換基を有するか又は有しない)、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、
【0069】
【化30】
【0070】
から選択された1種以上の置換基によって独立に更に置換されていてよく、
gは、1〜4の整数であり、並びに
fは、1〜4の整数である。
【0071】
エレクトロルミネセント層は、エレクトロルミネセンスが生じる層を意味し、これは、単一層又は積層化された2枚以上の層からなる複数層であってもよい。ホスト−ドーパントの混合物が、本発明の構成に従って使用された場合、本発明に従ったエレクトロルミネセント化合物を単純に使用する素子に対して比較し、本発明のエレクトロルミネセントホストに起因する発光効率における顕著な向上を確認することができた。これは、0.5〜10重量%のドーピング濃度によって達成できる。本発明に従ったホストは、他の従来のホスト材料に対して比較したとき、材料のより高い正孔及び電子伝導度並びに優れた安定性を示し、向上された素子寿命並びに発光効率をもたらす。
【0072】
従って、エレクトロルミネセントホストとしての化学式(4)〜(7)の一つによって表される化合物の使用は、本発明に従った化学式(1)の有機エレクトロルミネセント化合物の電子的欠点を著しく補うと説明することができる。
【0073】
化学式(4)〜(7)の一つによって表されるホスト化合物は、下記の化合物によって例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0074】
【化31】
【0075】
【化32】
【0076】
【化33】
【0077】
【化34】
【0078】
【化35】
【0079】
【化36】
【0080】
【化37】
【0081】
【化38】
【0082】
【化39】
【0083】
【化40】
【0084】
【化41】
【0085】
【化42】
【0086】
【化43】
【0087】
【化44】
【0088】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント素子は、化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物の他に、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から選択された1種以上の化合物を更に含むことができる。アリールアミン又はスチリルアリールアミン化合物の例には、化学式(8)によって表される化合物が含まれるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0089】
【化45】
【0090】
[式中、Ar41及びAr42は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、若しくは(C3〜C60)シクロアルキルを表し又はAr41及びAr42は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
hが1であるとき、Ar43は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造式の一つによって表される置換基を表し、
【0091】
【化46】
【0092】
hが2であるとき、Ar43は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造から選択される置換基を表し、
【0093】
【化47】
【0094】
[式中、Ar44及びAr45は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
R131〜R133は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、
iは、1〜4の整数であり、jは、0又は1の整数である。]
並びに、
Ar41及びAr42のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル又はAr43のアリール、ヘテロアリール、アリーレン若しくはヘテロアリーレン又はAr44及びAr45のアリーレン若しくはヘテロアリーレン又はR131〜R133のアルキル若しくはアリールは、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。]。
【0095】
アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物は、下記の化合物によって更に特に例示できるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0096】
【化48】
【0097】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント素子において、有機層は、化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物の他に、元素の周期表からの第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択された1種以上の金属を更に含み得る。この有機層は、同時に、エレクトロルミネセント層及び電荷発生層を含有していてもよい。
【0098】
本発明は、独立発光方式のピクセル構造を有するエレクトロルミネセント素子であって、サブピクセルとして化学式(1)の化合物、並びに同時に平行にパターン形成された、Ir、Pt、Pd、Rh、Re、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、Au及びAgからなる群から選択された1種以上の金属化合物を含有する1つ以上のサブピクセルを含有する有機エレクトロルミネセント素子を含有するエレクトロルミネセント素子を実現することができる。
【0099】
更に、この有機エレクトロルミネセント素子は、有機層が、化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物に加えて、同時に、500〜560nmの波長のエレクトロルミネセントピークを有する化合物又は560nm以上の波長のエレクトロルミネセントピークを有するものから選択された1種以上の化合物を含む、有機ディスプレイである。500〜560nmの波長のエレクトロルミネセントピークを有する化合物又は560nm以上の波長のエレクトロルミネセントピークを有するものは、化学式(9)〜(15)の一つによって表される化合物によって例示することができるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0100】
【化49】
【0101】
化学式(9)において、M1は、元素の周期表中の第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第13族、第14族、第15族及び第16族金属から選択され、配位子、L101、L102及びL103は、独立に、下記の構造から選択される。
【0102】
【化50】
【0103】
[式中、R201〜R203は、独立に、水素;重水素;ハロゲン置換基を有する若しくは有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する若しくは有しない(C6〜C60)アリール;又はハロゲンを表し、
R204〜R219は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C30)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C2〜C30)アルケニル、(C6〜C60)アリール、モノ若しくはジ(C1〜C30)アルキルアミノ、モノ若しくはジ(C6〜C30)アリールアミノ、SF5、トリ(C1〜C30)アルキルシリル、ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル、トリ(C6〜C30)アリールシリル、シアノ又はハロゲンを表し、R204〜R219のアルキル、シクロアルキル、アルケニル又はアリールは、重水素、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール及びハロゲンから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R220〜R223は、独立に、水素;重水素;ハロゲン置換基を有する若しくは有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する若しくは有しない(C6〜C60)アリールを表し、
R224及びR225は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール若しくはハロゲンを表し、又はR224及びR225は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、R224及びR225のアルキル若しくはアリール又は縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによりそれらから形成された脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環は、重水素、ハロゲン置換基を有する若しくは有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C30)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1〜C30)アルキルシリル、トリ(C6〜C30)アリールシリル及び(C6〜C60)アリールから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R226は、(C1〜C60)アルキル;(C6〜C60)アリール;又はN、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C5〜C60)ヘテロアリール;又はハロゲンを表し、
R227〜R229は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール又はハロゲンを表し、R226〜R229のアルキル又はアリールは、ハロゲン又は(C1〜C60)アルキルによって更に置換されていてよく、
Qは、
【0104】
【化51】
【0105】
を表し、R231〜R242は、独立に、水素;重水素;ハロゲン置換基を有する若しくは有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;ハロゲン;(C6〜C60)アリール;シアノ;若しくは(C5〜C60)シクロアルキルを表し、又はR231〜R242のそれぞれは、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、又はこれらのそれぞれは、アルキレン若しくはアルケニレンによってR207若しくはR208に連結されて、(C5〜C7)縮合環を形成してもよい。]
【0106】
【化52】
【0107】
化学式(10)において、R301〜R304は、独立に、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し又はこれらのそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、R301〜R304のアルキル若しくはアリール又は縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる連結によってそれらから形成された脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル及び(C6〜C60)アリールから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。
【0108】
【化53】
【0109】
化学式(13)において、配位子、L201及びL202は、独立に、下記の構造から選択され、
【0110】
【化54】
【0111】
M2は、2価又は3価金属であり、
kは、M2が2価金属であるとき0であり、M2が3価金属であるとき1であり、
Tは、(C6〜C60)アリールオキシ又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、Tのアリールオキシ及びトリアリールシリルは、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールによって更に置換されていてよく、
Gは、O、S又はSeを表し、
環Cは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン又はキノリンを表し、
環Dは、ピリジン又はキノリンを表し、環Dは、(C1〜C60)アルキル、又は(C1〜C60)アルキル置換基を有する若しくは有しないフェニル若しくはナフチルによって更に置換されていてよく、
R401〜R404は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、又はこれらのそれぞれは、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、縮合環を形成してもよく、ピリジン又はキノリンは、R401と共に化学結合を形成して、縮合環を形成することができ、
環C又はR401〜R404のアリールは、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C60)アルキル、フェニル、ナフチル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル又はアミノ基によって更に置換されていてよい。
【0112】
【化55】
【0113】
化学式(15)において、Ar51は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルからなる群から選択された1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリーレンを表し、このアリーレン上のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ及びアリールアミノ置換基は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R501〜R504は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、若しくは(C3〜C60)シクロアルキルを表し、又はR501〜R504は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
R501〜R504のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。
【0114】
500〜560nmの波長のエレクトロルミネセントピークを有する化合物又は560nm以上の波長のエレクトロルミネセントピークを有するものは、下記の化合物によって例示することができるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0115】
【化56】
【0116】
【化57】
【0117】
【化58】
【0118】
【化59】
【0119】
【化60】
【0120】
【化61】
【0121】
【化62】
【0122】
【化63】
【0123】
【化64】
【0124】
【化65】
【0125】
【化66】
【0126】
【化67】
【0127】
【化68】
【0128】
【化69】
【0129】
【化70】
【0130】
【化71】
【0131】
【化72】
【0132】
【化73】
【0133】
【化74】
【0134】
【化75】
【0135】
本発明に従ったエレクトロルミネセント素子において、カルコゲニド層、金属ハロゲン化物層及び金属酸化物層から選択された1個以上の層(以下、「表面層」として言及する)を、電極の対の少なくとも一方側の内表面上に置くことが好ましい。特に、EL媒体層(EL medium layer)のアノード表面上にケイ素及びアルミニウム金属(酸化物を含む)のカルコゲニド層を配置し、EL媒体層のカソード表面上に金属ハロゲン化物層又は金属酸化物層を配置することが好ましい。その結果、動作における安定性を得ることができる。
【0136】
カルコゲニドの例には、好ましくは、SiOx(1≦x≦2)、AlOx(1≦x≦1.5)、SiON、SiAlONなどが含まれる。金属ハロゲン化物の例には、好ましくは、LiF、MgF2、CaF2、希土類金属のフッ化物などが含まれる。金属酸化物の例には、好ましくは、Cs2O、Li2O、MgO、SrO、BaO、CaOなどが含まれる。
【0137】
本発明に従ったエレクトロルミネセント素子において、このようにして製造された電極の対の少なくとも1つの表面上に、電子輸送化合物及び還元的ドーパントの混合領域又は酸化的ドーパントを有する正孔輸送化合物の混合領域を配置することも好ましい。その結果、電子輸送化合物はアニオンにまで還元されるので、この混合領域からEL媒体への電子の注入及び輸送が容易になる。更に、正孔輸送化合物が酸化されてカチオンを生成するので、この混合領域からEL媒体への正孔の注入及び輸送が容易になる。好ましい酸化的ドーパントには、種々のルイス酸及び受容体化合物が含まれる。好ましい還元的ドーパントには、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が含まれる。
【0138】
材料の高い青色発光効率及び優れた寿命特性を有する本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、それらを、優れた動作寿命を有する有機発光ダイオード(OLED)を製造するために使用できる点で有利である。
【0139】
本発明を、更に、本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物、その調製及びそれから製造された素子の発光特性に関して、代表的な化合物に言及することによって説明するが、これらの実施例は、本発明のより良い理解及び実施形態の例示のみのために提供されるのであって、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0140】
調製実施例
[調製実施例1]化合物(1)の製造
【0141】
【化76】
【0142】
化合物(A)の調製
テトラヒドロフラン(350mL)中に、2,6−ジブロモフルオレン(53.0g、0.15モル)を溶解させ、これに、n−BuLi(n−ヘキサン中1.6M)(63.2mL、158ミリモル)を−78℃で滴下によりゆっくり添加した。30分間撹拌した後、この混合物に、N,N−ジメチルホルムアミド(16.3mL、211ミリモル)を添加した。温度をゆっくり上昇させ、この反応混合物を2時間攪拌した。NH4Cl水溶液(20mL)及び蒸留水(20mL)を添加して反応をクエンチした後、有機層を単離し、減圧下で蒸発させた。残渣を、メタノール:n−ヘキサン(1/1、v/v)(100mL)から再結晶して、化合物(A)(20.9g、69.4ミリモル)を得た。
【0143】
化合物(B)の調製
このようにして得られたアルデヒド化合物(A)(20.9g、69.4ミリモル)、ジフェニルアミン(12.5g、104.1ミリモル)、炭酸セシウム(24.1g、104.1ミリモル)及び酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)(332mg、2.1ミリモル)を、トルエン(800mL)中に懸濁させた。これに、トリ−t−ブチルホスフィン(P(t−Bu)3)(0.60g、4.2ミリモル)を添加した後、得られた混合物を120℃で4時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液(30mL)を添加し、この混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出し、濾過した。メタノール:n−ヘキサン(1/1、v/v)(50mL)からの再結晶によって、化合物(B)(15.2g、39.0ミリモル)を得た。
【0144】
化合物(C)の調製
トリフェニルホスフィン(50g、190.6ミリモル)をジクロロメタン(260mL)中に溶解し、これにテトラブロモメタン(CBr4)(31.6g、95.3ミリモル)溶液を、10分間かけてゆっくり添加した。この混合物を、溶液が暗褐色になるまで室温で撹拌し、これに水(40mL)をゆっくり添加して、反応をクエンチした。この混合物を抽出し、抽出物を減圧下で乾燥して、固体を得た。この固体をメタノールに添加し、還流下で撹拌した。不溶性固体を濾別し、濾液を減圧下で蒸発させた。酢酸エチル/メタノールからの再結晶によって、ホスフィン錯体(45g、75%)を得た。
【0145】
このようにして得られたホスフィン錯体(19.8g、38.5ミリモル)及びカリウムt−ブトキシド(KOC(CH3)3)(4.3g、38.5ミリモル)を、テトラヒドロフラン(250mL)中に溶解し、これに、化合物(B)(5g、12.8ミリモル)を添加した。室温で10分間撹拌した後、これに、カリウムt−ブトキシド(KOC(CH3)3)(11.5g、102.7ミリモル)を添加し、この混合物を室温で2時間攪拌した。反応が完結したとき、この反応混合物を、水及びエーテルを使用することによって抽出し、減圧下で乾燥した。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、化合物(C)(1.9g、38%)を得た。
【0146】
化合物(1)の調製
化合物(C)(10g、25.9ミリモル)、7−ブロモ−9,9−ジメチル−N,N−ジフェニル−9H−フルオレン−2−アミン(12.7g、28.8ミリモル)、Pd(dba)2(0.2g、0.4ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.8g、2.9ミリモル)及びヨウ化銅(I)(CuI)(0.5g、2.6ミリモル)を、トリエチルアミン(260mL)中に溶解し、この溶液を還流下で24時間撹拌した。反応が完結したとき、この反応混合物を室温にまで冷却し、ジクロロメタン及び水を使用することによって抽出し、抽出物を減圧下で乾燥した。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、化合物(1)(16g、72%)を得た。
【0147】
[調製実施例2]化合物(1081)の調製
【0148】
【化77】
【0149】
化合物(A)の調製
テトラヒドロフラン(350mL)中に、2,6−ジブロモフルオレン(53.0g、0.15ミリモル)を溶解させ、これに、n−BuLi(n−ヘキサン中1.6M)(63.2mL、158ミリモル)を−78℃で滴下によりゆっくり添加した。30分間撹拌した後、これに、N,N−ジメチルホルムアミド(16.3mL、211ミリモル)を添加した。温度をゆっくり上昇させ、撹拌を2時間続けた。次いで、これに、NH4Cl水溶液(20mL)及び蒸留水(20mL)を添加して、反応をクエンチした。単離した有機層を、減圧下で蒸発させた。メタノール:n−ヘキサン(1/1、v/v)(100mL)からの再結晶によって、化合物(A)(20.9g、69.4ミリモル)を得た。
【0150】
化合物(B)の調製
このようにして得られたアルデヒド化合物(A)(20.9g、69.4ミリモル)、ジフェニルアミン(12.5g、104.1ミリモル)、炭酸セシウム(24.1g、104.1ミリモル)及び酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)(332mg、2.1ミリモル)を、トルエン(800mL)中に懸濁させた。これに、トリ−t−ブチルホスフィン(P(t−Bu)3)(0.60g、4.2ミリモル)を添加し、得られた混合物を120℃で4時間攪拌した。これに塩化アンモニウム飽和水溶液(30mL)を添加し、この混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出し、濾過した。メタノール:n−ヘキサン(1/1、v/v)(50mL)からの再結晶によって、化合物(B)(15.2g、39.0ミリモル)を得た。
【0151】
化合物(C)の調製
トリフェニルホスフィン(50g、190.6ミリモル)をジクロロメタン(260mL)中に溶解し、これにテトラブロモメタン(CBr4)(31.6g、95.3ミリモル)溶液を、10分間かけてゆっくり添加した。この混合物を、溶液が暗褐色になるまで室温で撹拌し、これに水(40mL)をゆっくり添加して、反応をクエンチした。この混合物を抽出し、抽出物を減圧下で乾燥して、固体を得た。この固体をメタノールに添加し、還流下で撹拌した。不溶性固体を濾別し、濾液を減圧下で蒸発させた。酢酸エチル/メタノールからの再結晶によって、ホスフィン錯体(45g、75%)を得た。
【0152】
このようにして得られたホスフィン錯体(19.8g、38.5ミリモル)及びカリウムt−ブトキシド(KOC(CH3)3)(4.3g、38.5ミリモル)を、テトラヒドロフラン(250mL)中に溶解し、これに、化合物(B)(5g、12.8ミリモル)を添加した。室温で10分間撹拌した後、これに、カリウムt−ブトキシド(KOC(CH3)3)(11.5g、102.7ミリモル)を添加し、この混合物を室温で2時間攪拌した。反応が完結したとき、この反応混合物を、水及びエーテルを使用することによって抽出し、減圧下で乾燥した。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、化合物(C)(1.9g、38%)を得た。
【0153】
化合物(1081)の調製
テトラヒドロフラン(30mL)中に、N−(4−ブロモフェニル)−N−フェニルベンゼンアミン(0.9g、2.9ミリモル)、Pd2dba3(12mg、0.013ミリモル)、トリ−t−ブチルホスフィン(6.4μL)(0.013ミリモル、トルエン中50重量%)及びトリエチルアミン(0.5mL、3.9ミリモル)を溶解した。この溶液を5分間撹拌した後、これに、化合物(C)(1g、2.6ミリモル)を添加し、得られた混合物を還流下で12時間撹拌した。反応が完結したとき、この反応混合物を室温にまで冷却し、ジクロロメタン及び水を使用することによって抽出した。抽出物を減圧下で乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(1081)(0.96g、59%)を得た。
【0154】
調製実施例1及び2と同じ手順に従って、表1中に記載した有機エレクトロルミネセント化合物(化合物1〜2771)を調製した。それらの1H NMR及びMS/FABデータを、表2中に記載する。
【0155】
【表1】
【0156】
【表2】
【0157】
【表3】
【0158】
【表4】
【0159】
【表5】
【0160】
【表6】
【0161】
【表7】
【0162】
【表8】
【0163】
【表9】
【0164】
【表10】
【0165】
【表11】
【0166】
【表12】
【0167】
【表13】
【0168】
【表14】
【0169】
【表15】
【0170】
【表16】
【0171】
【表17】
【0172】
【表18】
【0173】
【表19】
【0174】
【表20】
【0175】
【表21】
【0176】
【表22】
【0177】
【表23】
【0178】
【表24】
【0179】
【表25】
【0180】
【表26】
【0181】
【表27】
【0182】
【表28】
【0183】
【表29】
【0184】
【表30】
【0185】
【表31】
【0186】
【表32】
【0187】
【表33】
【0188】
【表34】
【0189】
【表35】
【0190】
【表36】
【0191】
【表37】
【0192】
【表38】
【0193】
【表39】
【0194】
【表40】
【0195】
【表41】
【0196】
【表42】
【0197】
【表43】
【0198】
【表44】
【0199】
【表45】
【0200】
【表46】
【0201】
【表47】
【0202】
【表48】
【0203】
【表49】
【0204】
【表50】
【0205】
【表51】
【0206】
【表52】
【0207】
【表53】
【0208】
【表54】
【0209】
【表55】
【0210】
【表56】
【0211】
【表57】
【0212】
【表58】
【0213】
【表59】
【0214】
【表60】
【0215】
【表61】
【0216】
【表62】
【0217】
【表63】
【0218】
【表64】
【0219】
【表65】
【0220】
【表66】
【0221】
【表67】
【0222】
【表68】
【0223】
【表69】
【0224】
【表70】
【0225】
【表71】
【0226】
【表72】
【0227】
【表73】
【0228】
【表74】
【0229】
【表75】
【0230】
【表76】
【0231】
【表77】
【0232】
【表78】
【0233】
【表79】
【0234】
【表80】
【0235】
【表81】
【0236】
【表82】
【0237】
【表83】
【0238】
【表84】
【0239】
【表85】
【0240】
【表86】
【0241】
【表87】
【0242】
【表88】
【0243】
【表89】
【0244】
【表90】
【0245】
【表91】
【0246】
【表92】
【0247】
【表93】
【0248】
【表94】
【0249】
【表95】
【0250】
【表96】
【0251】
【表97】
【0252】
【表98】
【0253】
【表99】
【0254】
【表100】
【0255】
【表101】
【0256】
【表102】
【0257】
【表103】
【0258】
【表104】
【0259】
【表105】
【0260】
【表106】
【0261】
【表107】
【0262】
【表108】
【0263】
【表109】
【0264】
【表110】
【0265】
【表111】
【0266】
【表112】
【0267】
【表113】
【0268】
【表114】
【0269】
【表115】
【0270】
【表116】
【0271】
【表117】
【0272】
【表118】
【0273】
【表119】
【0274】
【表120】
【0275】
【表121】
【0276】
【表122】
【0277】
【表123】
【0278】
【表124】
【0279】
【表125】
【0280】
【表126】
【0281】
【表127】
【0282】
【表128】
【0283】
【表129】
【0284】
【表130】
【0285】
【表131】
【0286】
【表132】
【0287】
【表133】
【0288】
【表134】
【0289】
【表135】
【0290】
【表136】
【0291】
【表137】
【0292】
【表138】
【0293】
【表139】
【0294】
【表140】
【0295】
【表141】
【0296】
【表142】
【0297】
【表143】
【0298】
【表144】
【0299】
【表145】
【0300】
【表146】
【0301】
【表147】
【0302】
【表148】
【0303】
【表149】
【0304】
【表150】
【0305】
【表151】
【0306】
【表152】
【0307】
【表153】
【0308】
【表154】
【0309】
【表155】
【0310】
【表156】
【0311】
【表157】
【0312】
【表158】
【0313】
【表159】
【0314】
【表160】
【0315】
【表161】
【0316】
【表162】
【0317】
【表163】
【0318】
【表164】
【0319】
【表165】
【0320】
【表166】
【0321】
【表167】
【0322】
【表168】
【0323】
【表169】
【0324】
【表170】
【0325】
【表171】
【0326】
【表172】
【0327】
【表173】
【0328】
【表174】
【0329】
【表175】
【0330】
【表176】
【0331】
【表177】
【0332】
【表178】
【0333】
【表179】
【0334】
【表180】
【0335】
【表181】
【0336】
【表182】
【0337】
【表183】
【0338】
【表184】
【0339】
【表185】
【0340】
【表186】
【0341】
【表187】
【0342】
【表188】
【0343】
【表189】
【0344】
【表190】
【0345】
実施例1
本発明の化合物を使用することによるOLEDの製造
【0346】
本発明に従ったエレクトロルミネセント化合物を使用することによって、OLED素子を製造した。
【0347】
最初に、OLED用のガラスから製造された透明電極ITO薄膜(15Ω/□)に対し、トリクロロエチレン、アセトン、エタノール、および蒸留水を順次用いた超音波洗浄を行い、使用するまでイソプロパノール中で保管した。
【0348】
次いで、ITO基体を、真空蒸着装置の基体ホルダー内に装着し、4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)(その構造を下記に示す)を、真空蒸着装置のセル内に置き、次いで、この装置を、10−6トールのチャンバー内の真空まで排気した。電流をセルに適用して、2−TNATAを蒸発させ、それによって、ITO基体の上に、60nmの厚さを有する正孔注入層の蒸着物を設けた。
【0349】
【化78】
【0350】
次いで、真空蒸着装置の他のセルに、N,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)(その構造を下記に示す)を装入し、電流をこのセルに適用して、NPBを蒸発させ、それによって、正孔注入層の上に、20nmの厚さの正孔輸送層の蒸着物を設けた。
【0351】
【化79】
【0352】
正孔注入層及び正孔輸送層を形成した後、エレクトロルミネセント層を、下記のようにして蒸着した。前記真空蒸着装置の1つのセルに、エレクトロルミネセント材料としてジナフチルアントラセン(DNA)(その構造を下記に示す)を装入し、本発明に従った化合物(例えば、化合物(2545))を、他のセルに装入した。エレクトロルミネセント層を、100:1の蒸着割合で、正孔輸送層の上に30nmの厚さで蒸着した。
【0353】
【化80】
【0354】
次いで、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)(その構造を下記に示す)を、20nmの厚さで電子輸送層として蒸着し、リチウムキノラート(Liq)(その構造を下記に示す)を、1〜2nmの厚さで電子注入層として蒸着した。その後、Alカソードを、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0355】
【化81】
【0356】
OLEDを製造するために使用したそれぞれの材料は、10−6トール下での真空昇華により精製した後、エレクトロルミネセント材料として使用した。
【0357】
比較例1
従来のエレクトロルミネセント材料を使用することによるOLEDの製造
実施例1に記載したのと同じ手順に従って、正孔注入層及び正孔輸送層を形成した後、ジナフチルアントラセン(DNA)を前記真空蒸着装置の一方のセルに、青色エレクトロルミネセント材料として装入し、化合物(A)(その構造を下記に示す)を、他の青色エレクトロルミネセント材料として他方のセルに装入した。次いで、30nmの厚さを有するエレクトロルミネセント層を、100:1の蒸着割合で正孔輸送層の上に蒸着した。
【0358】
【化82】
【0359】
次いで、電子輸送層及び電子注入層を、実施例1の同じ手順に従って蒸着し、その上に、Alカソードを、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0360】
実施例2
製造されたOLEDのエレクトロルミネセント特性
本発明に従った有機EL化合物を含むOLED(実施例1)又は従来のEL化合物を含有するOLED(比較例1)の発光効率を、1,000cd/m2で測定した。それらの結果を表3に示す。
【0361】
【表191】
【0362】
【表192】
【0363】
表3からわかるように、本発明に従った有機EL化合物を使用するOLEDは、従来のEL材料としてDNA:化合物(A)を含むOLED(比較例1)に対して比較したとき、より高い「発光効率/Y」値(これは、量子効率に対して同様の傾向を示す)を示したことが見出される。
【0364】
従って、主鎖としてのアセチレン又は本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、より高い量子効率の材料に寄与し、この化合物は、従来のEL化合物よりも高い効率及び良い色純度の実現を可能にすることが見出される。特に、化合物(2545)は、従来のEL化合物に対して比較したとき、少なくとも60%向上された「発光効率/Y」値を示した。
【0365】
単純な芳香族的共役を含む構造ではなくて、三重結合を含む分子構造は、分子構造における個々の芳香族環のオービタルの間のオーバーラップを向上する効果をもたらし、結果として向上した性能をもたらすことが期待される。
【0366】
前記のように、本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、高い効率の青色エレクトロルミネセント材料として使用することができ、従来のフルカラーOLEDに対して比較したとき、OLED中に使用されるとき、輝度、電力消費及び素子寿命の項目における優位性をもたらす。
【符号の説明】
【0367】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 エレクトロルミネセント層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 Alカソード
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機エレクトロルミネセント化合物及びエレクトロルミネセント材料としてこれを用いる有機エレクトロルミネセント素子に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ素子の中で、エレクトロルミネセント素子(EL素子)は、広い視角、優れたコントラスト及び迅速な応答速度の利点を示す自己発光ディスプレイ素子である。イーストマン・コダック社(Eastman Kodak)は、1987年に、EL層を形成するための材料として、低分子量芳香族ジアミン及びアルミニウム錯体を使用する有機EL素子をはじめて開発した(Appl.Phys.Lett.51,913,1987)。
【0003】
有機EL素子において発光効率、寿命などを決定するための最も重要な要因は、エレクトロルミネセント材料である。このようなエレクトロルミネセント材料のために必要な幾つかの特性には、その材料が固相で高い蛍光量子収率を有していなくてはならず、電子及び正孔の高い移動度が、真空中での蒸着の過程において容易に崩壊されず、均一で安定な薄膜を形成することが含まれる。
【0004】
有機エレクトロルミネセント材料は、一般的に、高分子材料と低分子材料とに分類することができる。低分子材料には、金属錯体、及び分子構造の面から金属を含有しない純粋に有機のエレクトロルミネセント材料が含まれる。このようなエレクトロルミネセント材料には、キレート錯体、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビス(スチリルアリーレン)誘導体、オキサジアゾール誘導体が含まれる。これらの材料から、青色から赤色までの可視領域の発光を得ることができ、それ故にフルカラーディスプレイ素子の実現が期待されることが報告されている。
【0005】
一方、青色材料に関しては、出光興産によるDPVBi(化学式a)の開発以来、多数の材料が開発され、商業化されてきた。出光興産からの青色材料系に加えて、ジナフチルアントラセン(化学式b)、テトラ(t−ブチル)ペリレン(化学式c)系などが知られている。しかしながら、これらの材料に関して、広範囲な研究及び開発が実施されなくてはならない。現在まで最高の効率を有することが知られている出光興産のジスチリル化合物系は、6(lm/W)の電力効率及び30,000時間よりも長い有利なデバイス寿命を有する。しかしながら、これがフルカラーディスプレイに適用されるとき、動作時間に亘る色純度の低下のせいで、その寿命はたかだか数千時間であるにすぎない。青色エレクトロルミネセンスの場合に、エレクトロルミネセント波長が、より長い波長の方に少しシフトすれば、これは、発光効率の面から有利になる。しかしながら、青色における満足できない色純度のために、この材料を高品質のディスプレイに適用することは容易ではない。更に、色純度、効率及び熱安定性における問題点のために、このような材料の研究及び開発は急を要する。
【0006】
【化1】
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Applied Physics Letters」、第51巻、第913頁、1987年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明者らは、前記の問題点を克服し、優れた発光効率及び顕著に向上された素子寿命を有する有機エレクトロルミネセント素子を実現することができる新規なエレクトロルミネセント化合物を開発するために、集中的に努力した。
【0009】
本発明の目的は、前記のような青色材料の欠点を克服し、向上された発光効率及び素子寿命を有する有機エレクトロルミネセント化合物を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、エレクトロルミネセント材料として前記の有機エレクトロルミネセント化合物を含む、高い効率及び長い寿命を有する有機エレクトロルミネセント素子を提供することである。本発明の他の目的は、前記のような1種以上の有機エレクトロルミネセント化合物に加えて、エレクトロルミネセントホスト(host)として、アントラセン誘導体及びベンズ[a]アントラセン誘導体から選択された1種以上の化合物を使用する、エレクトロルミネセント領域を含む有機エレクトロルミネセント素子を提供することである。
【0011】
本発明の更に他の目的は、前記の新規な有機エレクトロルミネセント化合物を含む有機太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
特に、本発明は、化学式(1)によって表される新規な有機エレクトロルミネセント化合物及びエレクトロルミネセント層中にこれを使用する有機エレクトロルミネセント素子に関する。
【0013】
【化2】
【0014】
[式中、Ar1及びAr2は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C5〜C60)ヘテロアリーレンを表し、Ar1及びAr2のアリーレン又はヘテロアリーレンは、重水素、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル及び(C6〜C60)アリールから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Ar3〜Ar6は、独立に、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C6〜C60)アリール若しくは(C3〜C60)ヘテロアリールを表し又はAr3及びAr5若しくはAr6びAr7は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
Ar3〜Ar6のアリール又はヘテロアリールは、重水素;線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリール置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C30)アルキルシリル;ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル及びトリ(C6〜C30)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい]。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、有機発光ダイオード(OLED)の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで図面に言及すると、図1は、ガラス1、透明電極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、エレクトロルミネセント層5、電子輸送層6、電子注入層7及びAlカソード8を含む、本発明のOLEDの断面図を示す。
【0017】
本明細書中に記載される用語「アルキル」、[アルコキシ]、及び「アルキル」部分を含む任意の置換基は、線状種及び枝分かれ種の両方を含む。
【0018】
本明細書中に記載される用語「アリール」は、1個の水素原子の除去によって、芳香族炭化水素から誘導される有機基を意味する。それぞれの環は、4〜7個、好ましくは5〜6個の環式原子を含有する単環式又は縮合環系を含む。具体的な例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル及びフルオランテニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書中に記載される用語「ヘテロアリール」は、芳香族環式主鎖原子としてのN、O及びSから選択された1〜4個のヘテロ原子並びに残りの芳香族環式主鎖原子のための炭素原子を含有するアリール基を意味する。ヘテロアリールは、5員又は6員の、単環式ヘテロアリール又は1つ以上のベンゼン環と縮合された多環式ヘテロアリールであってよく、部分的に飽和されていてよい。ヘテロアリール基は、そのヘテロ原子が、酸化されるか又は四級化されて、N−オキシド及び第四級塩を形成することができる二価のアリール基を含有していてよい。具体的な例には、単環式ヘテロアリール基、例えば、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル;多環式ヘテロアリール基、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル及びベンゾジオキソリル;並びにこれらの対応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)及び第四級塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書中に記載される「(C1〜C60)アルキル」部分を含む置換基は、1〜60個の炭素原子、1〜20個の炭素原子又は1〜10個の炭素原子を含有し得る。「(C6〜C60)アリール」部分を含む置換基は、6〜60個の炭素原子、6〜20個の炭素原子又は6〜12個の炭素原子を含有し得る。「(C3〜C60)ヘテロアリール」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、4〜20個の炭素原子又は4〜12個の炭素原子を含有し得る。「(C3〜C60)シクロアルキル」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、3〜20個の炭素原子又は3〜7個の炭素原子を含有し得る。「(C2〜C60)アルケニル又はアルキニル」部分を含む置換基は、2〜60個の炭素原子、2〜20個の炭素原子又は2〜10個の炭素原子を含有し得る。
【0021】
化学式(1)において、Ar1及びAr2は、独立に、下記の構造から選択されるが、これらは下記のものに限定されるわけではない。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
[式中、R11〜R19は、独立に、水素、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、このアリールは、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキルによって更に置換されていてよい]。
【0025】
化学式(1)において、Ar3〜Ar6は、独立に、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニル、フルオランテニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ又はチオモルホリノを表し、並びにこれらのフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニル、フルオランテニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ又はチオモルホリノは、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、フルオロ、シアノ、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、9,9−ジメチルフルオレニル、9,9−ジフェニルフルオレニル、ナフチル、フェナントリル及びアントリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。
【0026】
化学式(1)のナフチルは、1−ナフチル又は2−ナフチルであってよく、アントリルは、1−アントリル、2−アントリル又は9−アントリルであってよく、フルオレニルは、1−フルオレニル、2−フルオレニル、3−フルオレニル、4−フルオレニル又は9−フルオレニルであってよい。
【0027】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、下記の化合物によって具体的に例示することができるが、これらの化合物に限定されるわけではないない。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
[式中、Ar3〜Ar6は、独立に、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニル、フルオランテニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ又はチオモルホリノを表し、
Ar3〜Ar6のフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニル、フルオランテニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、モルホリノ又はチオモルホリノは、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、フルオロ、シアノ、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリル、フェニル、ビフェニル、9,9−ジメチルフルオレニル、9,9−ジフェニルフルオレニル、ナフチル、フェナントリル及びアントリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R11〜R16は、独立に、水素、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル又はペリレニルを表し、並びに
R11〜R16のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル又はペリレニルは、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル及びヘキサデシルから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい]。
【0043】
更に特に、本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、下記の化合物によって例示することができるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】
【0047】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、下記反応図式(1)によって示される手順に従って調製することができる。
【0048】
【化22】
【0049】
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5及びAr6は、化学式(1)におけるように定義される。)
【0050】
更に、本発明は、化学式(1)によって表される1種以上の有機エレクトロルミネセント化合物を含む有機太陽電池を提供する。
【0051】
また、本発明は、第一電極;第二電極;及び第一電極と第二電極との間に介在させられた少なくとも1つの有機層;を含む有機エレクトロルミネセント素子であって、この有機層が、化学式(1)によって表される1種以上のエレクトロルミネセント化合物を含む有機エレクトロルミネセント素子を提供する。
【0052】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント素子は、有機層がエレクトロルミネセント領域を含有し、この領域が、エレクトロルミネセントドーパントとしての化学式(1)によって表される1種以上の化合物と、1種以上のホストとを含有することで特徴付けられる。
【0053】
本発明に従ったエレクトロルミネセント素子に適用されるホストは、特に限定されないが、好ましくは、化学式(2)又は(3)によって表される化合物から選択される。
【0054】
【化23】
【0055】
[式中、Ar11及びAr12は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル及び(C6〜C60)から選択され、Ar11及びAr12のシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは;重水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール又は(C4〜C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル;並びにトリ(C6〜C60)アリールシリル;からなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Aは、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
a及びbは、独立に、0〜4の整数を表し、並びに
Anは、置換基を有する又は有しないアントラセン主鎖を含む。]
【0056】
化学式(2)又は(3)によって表されるホストは、化学式(4)〜(7)の一つによって表されるアントラセン誘導体及びベンゾ[a]アントラセン誘導体によって例示することができる。
【0057】
【化24】
【0058】
化学式(4)〜(6)において、
R41及びR42は、独立に、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、又は(C3〜C60)シクロアルキルを表し、R41及びR42のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、ハロ(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R43〜R46は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、R43〜R46のヘテロアリール、シクロアルキル又はアリールは、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
G1及びG2は、独立に、化学結合か、又は(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択された1種以上の置換基を有する若しくは有しない(C6〜C60)アリーレンを表し、
Ar21及びAr22は、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造から選択されたアリールを表し、
【0059】
【化25】
【0060】
Ar21及びAr22のアリール又はヘテロアリールは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール及び(C4〜C60)ヘテロアリールから選択された1種以上の置換基によって置換されていてよく、
L11は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造式によって表される化合物を表し、
【0061】
【化26】
【0062】
L11のアリーレン又はヘテロアリーレンは、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール及びハロゲンから選択された1種以上の置換基によって置換されていてよく、
R51〜R54は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し又はこれらのそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R61〜R64は、独立に、水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール若しくはハロゲンを表し又はこれらのそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよい。
【0063】
【化27】
【0064】
化学式7において、
L21は、(C6〜C60)アリーレン、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造から選択された二価の基を表し、
【0065】
【化28】
【0066】
L22及びL23は、独立に、化学結合か、または(C1〜C60)アルキレンオキシ、(C1〜C60)アルキレンチオ、(C6〜C60)アリーレンオキシ、(C6〜C60)アリーレンチオ、(C6〜C60)アリーレン、又はN、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
Ar31は、NR93R94、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル又は下記の構造から選択された置換基を表し、
【0067】
【化29】
【0068】
R71〜R81は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR71〜R81のそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R82〜R92は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR82〜R92のそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R93及びR94は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR93及びR94は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
R95〜R106は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR95〜R106のそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
E及びFは、独立に、化学結合か、−(CR107R108)g−、−N(R109)−、−S−、−O−、−Si(R110)(R111)−、−P(R112)−、−C(=O)−、−B(R113)−、−In(R114)−、−Se−、−Ge(R115)(R116)−、−Sn(R117)(R118)−、−Ga(R119)−又は−(R120)C=C(R121)−を表し、
R107〜R121は、独立に、水素、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ若しくはヒドロキシルを表し又はR107及びR108、R110及びR111、R115及びR116、R117及びR118、若しくはR120及びR121は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
L21〜L23のアリーレン若しくはヘテロアリーレン、Ar31のアリール若しくはヘテロアリール又はR71〜R121のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、トリアリールシリル、アルケニル、アルキニル、アルキルアミノ若しくはアリールアミノは、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、ハロ(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C3〜C60)ヘテロアリール(但し、(C6〜C60)アリールは、置換基を有するか又は有しない)、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、
【0069】
【化30】
【0070】
から選択された1種以上の置換基によって独立に更に置換されていてよく、
gは、1〜4の整数であり、並びに
fは、1〜4の整数である。
【0071】
エレクトロルミネセント層は、エレクトロルミネセンスが生じる層を意味し、これは、単一層又は積層化された2枚以上の層からなる複数層であってもよい。ホスト−ドーパントの混合物が、本発明の構成に従って使用された場合、本発明に従ったエレクトロルミネセント化合物を単純に使用する素子に対して比較し、本発明のエレクトロルミネセントホストに起因する発光効率における顕著な向上を確認することができた。これは、0.5〜10重量%のドーピング濃度によって達成できる。本発明に従ったホストは、他の従来のホスト材料に対して比較したとき、材料のより高い正孔及び電子伝導度並びに優れた安定性を示し、向上された素子寿命並びに発光効率をもたらす。
【0072】
従って、エレクトロルミネセントホストとしての化学式(4)〜(7)の一つによって表される化合物の使用は、本発明に従った化学式(1)の有機エレクトロルミネセント化合物の電子的欠点を著しく補うと説明することができる。
【0073】
化学式(4)〜(7)の一つによって表されるホスト化合物は、下記の化合物によって例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0074】
【化31】
【0075】
【化32】
【0076】
【化33】
【0077】
【化34】
【0078】
【化35】
【0079】
【化36】
【0080】
【化37】
【0081】
【化38】
【0082】
【化39】
【0083】
【化40】
【0084】
【化41】
【0085】
【化42】
【0086】
【化43】
【0087】
【化44】
【0088】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント素子は、化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物の他に、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物から選択された1種以上の化合物を更に含むことができる。アリールアミン又はスチリルアリールアミン化合物の例には、化学式(8)によって表される化合物が含まれるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0089】
【化45】
【0090】
[式中、Ar41及びAr42は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、若しくは(C3〜C60)シクロアルキルを表し又はAr41及びAr42は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、
hが1であるとき、Ar43は、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール又は下記の構造式の一つによって表される置換基を表し、
【0091】
【化46】
【0092】
hが2であるとき、Ar43は、(C6〜C60)アリーレン、(C4〜C60)ヘテロアリーレン又は下記の構造から選択される置換基を表し、
【0093】
【化47】
【0094】
[式中、Ar44及びAr45は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
R131〜R133は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、
iは、1〜4の整数であり、jは、0又は1の整数である。]
並びに、
Ar41及びAr42のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキル又はAr43のアリール、ヘテロアリール、アリーレン若しくはヘテロアリーレン又はAr44及びAr45のアリーレン若しくはヘテロアリーレン又はR131〜R133のアルキル若しくはアリールは、重水素、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C1〜C60)アルキルオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルキルチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、(C1〜C60)アルキルカルボニル、(C6〜C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルからなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。]。
【0095】
アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物は、下記の化合物によって更に特に例示できるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0096】
【化48】
【0097】
本発明に従った有機エレクトロルミネセント素子において、有機層は、化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物の他に、元素の周期表からの第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択された1種以上の金属を更に含み得る。この有機層は、同時に、エレクトロルミネセント層及び電荷発生層を含有していてもよい。
【0098】
本発明は、独立発光方式のピクセル構造を有するエレクトロルミネセント素子であって、サブピクセルとして化学式(1)の化合物、並びに同時に平行にパターン形成された、Ir、Pt、Pd、Rh、Re、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、Au及びAgからなる群から選択された1種以上の金属化合物を含有する1つ以上のサブピクセルを含有する有機エレクトロルミネセント素子を含有するエレクトロルミネセント素子を実現することができる。
【0099】
更に、この有機エレクトロルミネセント素子は、有機層が、化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物に加えて、同時に、500〜560nmの波長のエレクトロルミネセントピークを有する化合物又は560nm以上の波長のエレクトロルミネセントピークを有するものから選択された1種以上の化合物を含む、有機ディスプレイである。500〜560nmの波長のエレクトロルミネセントピークを有する化合物又は560nm以上の波長のエレクトロルミネセントピークを有するものは、化学式(9)〜(15)の一つによって表される化合物によって例示することができるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0100】
【化49】
【0101】
化学式(9)において、M1は、元素の周期表中の第7族、第8族、第9族、第10族、第11族、第13族、第14族、第15族及び第16族金属から選択され、配位子、L101、L102及びL103は、独立に、下記の構造から選択される。
【0102】
【化50】
【0103】
[式中、R201〜R203は、独立に、水素;重水素;ハロゲン置換基を有する若しくは有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する若しくは有しない(C6〜C60)アリール;又はハロゲンを表し、
R204〜R219は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C30)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、(C2〜C30)アルケニル、(C6〜C60)アリール、モノ若しくはジ(C1〜C30)アルキルアミノ、モノ若しくはジ(C6〜C30)アリールアミノ、SF5、トリ(C1〜C30)アルキルシリル、ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル、トリ(C6〜C30)アリールシリル、シアノ又はハロゲンを表し、R204〜R219のアルキル、シクロアルキル、アルケニル又はアリールは、重水素、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール及びハロゲンから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R220〜R223は、独立に、水素;重水素;ハロゲン置換基を有する若しくは有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルキル置換基を有する若しくは有しない(C6〜C60)アリールを表し、
R224及びR225は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール若しくはハロゲンを表し、又はR224及びR225は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、R224及びR225のアルキル若しくはアリール又は縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C12)アルキレン若しくは(C3〜C12)アルケニレンによりそれらから形成された脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環は、重水素、ハロゲン置換基を有する若しくは有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C30)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1〜C30)アルキルシリル、トリ(C6〜C30)アリールシリル及び(C6〜C60)アリールから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R226は、(C1〜C60)アルキル;(C6〜C60)アリール;又はN、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する(C5〜C60)ヘテロアリール;又はハロゲンを表し、
R227〜R229は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール又はハロゲンを表し、R226〜R229のアルキル又はアリールは、ハロゲン又は(C1〜C60)アルキルによって更に置換されていてよく、
Qは、
【0104】
【化51】
【0105】
を表し、R231〜R242は、独立に、水素;重水素;ハロゲン置換基を有する若しくは有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;ハロゲン;(C6〜C60)アリール;シアノ;若しくは(C5〜C60)シクロアルキルを表し、又はR231〜R242のそれぞれは、アルキレン若しくはアルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、(C5〜C7)スピロ環若しくは(C5〜C9)縮合環を形成してもよく、又はこれらのそれぞれは、アルキレン若しくはアルケニレンによってR207若しくはR208に連結されて、(C5〜C7)縮合環を形成してもよい。]
【0106】
【化52】
【0107】
化学式(10)において、R301〜R304は、独立に、(C1〜C60)アルキル若しくは(C6〜C60)アリールを表し又はこれらのそれぞれは、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、R301〜R304のアルキル若しくはアリール又は縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによる連結によってそれらから形成された脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環は、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル及び(C6〜C60)アリールから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。
【0108】
【化53】
【0109】
化学式(13)において、配位子、L201及びL202は、独立に、下記の構造から選択され、
【0110】
【化54】
【0111】
M2は、2価又は3価金属であり、
kは、M2が2価金属であるとき0であり、M2が3価金属であるとき1であり、
Tは、(C6〜C60)アリールオキシ又はトリ(C6〜C60)アリールシリルを表し、Tのアリールオキシ及びトリアリールシリルは、(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールによって更に置換されていてよく、
Gは、O、S又はSeを表し、
環Cは、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン又はキノリンを表し、
環Dは、ピリジン又はキノリンを表し、環Dは、(C1〜C60)アルキル、又は(C1〜C60)アルキル置換基を有する若しくは有しないフェニル若しくはナフチルによって更に置換されていてよく、
R401〜R404は、独立に、水素、重水素、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル若しくは(C6〜C60)アリールを表し、又はこれらのそれぞれは、(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって隣接する置換基に連結されて、縮合環を形成してもよく、ピリジン又はキノリンは、R401と共に化学結合を形成して、縮合環を形成することができ、
環C又はR401〜R404のアリールは、(C1〜C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換基を有する(C1〜C60)アルキル、フェニル、ナフチル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル又はアミノ基によって更に置換されていてよい。
【0112】
【化55】
【0113】
化学式(15)において、Ar51は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルからなる群から選択された1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリーレンを表し、このアリーレン上のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ及びアリールアミノ置換基は、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員又は6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
R501〜R504は、独立に、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C6〜C60)アリールアミノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、若しくは(C3〜C60)シクロアルキルを表し、又はR501〜R504は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって、隣接する置換基に連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
R501〜R504のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリール、(C4〜C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル、トリ(C6〜C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7〜C60)ビシクロアルキル、(C2〜C60)アルケニル、(C2〜C60)アルキニル、(C1〜C60)アルコキシ、シアノ、(C1〜C60)アルキルアミノ、(C6〜C60)アリールアミノ、(C6〜C60)アリール(C1〜C60)アルキル、(C6〜C60)アリールオキシ、(C6〜C60)アリールチオ、(C1〜C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロ及びヒドロキシルから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。
【0114】
500〜560nmの波長のエレクトロルミネセントピークを有する化合物又は560nm以上の波長のエレクトロルミネセントピークを有するものは、下記の化合物によって例示することができるが、これらの化合物に限定されるわけではない。
【0115】
【化56】
【0116】
【化57】
【0117】
【化58】
【0118】
【化59】
【0119】
【化60】
【0120】
【化61】
【0121】
【化62】
【0122】
【化63】
【0123】
【化64】
【0124】
【化65】
【0125】
【化66】
【0126】
【化67】
【0127】
【化68】
【0128】
【化69】
【0129】
【化70】
【0130】
【化71】
【0131】
【化72】
【0132】
【化73】
【0133】
【化74】
【0134】
【化75】
【0135】
本発明に従ったエレクトロルミネセント素子において、カルコゲニド層、金属ハロゲン化物層及び金属酸化物層から選択された1個以上の層(以下、「表面層」として言及する)を、電極の対の少なくとも一方側の内表面上に置くことが好ましい。特に、EL媒体層(EL medium layer)のアノード表面上にケイ素及びアルミニウム金属(酸化物を含む)のカルコゲニド層を配置し、EL媒体層のカソード表面上に金属ハロゲン化物層又は金属酸化物層を配置することが好ましい。その結果、動作における安定性を得ることができる。
【0136】
カルコゲニドの例には、好ましくは、SiOx(1≦x≦2)、AlOx(1≦x≦1.5)、SiON、SiAlONなどが含まれる。金属ハロゲン化物の例には、好ましくは、LiF、MgF2、CaF2、希土類金属のフッ化物などが含まれる。金属酸化物の例には、好ましくは、Cs2O、Li2O、MgO、SrO、BaO、CaOなどが含まれる。
【0137】
本発明に従ったエレクトロルミネセント素子において、このようにして製造された電極の対の少なくとも1つの表面上に、電子輸送化合物及び還元的ドーパントの混合領域又は酸化的ドーパントを有する正孔輸送化合物の混合領域を配置することも好ましい。その結果、電子輸送化合物はアニオンにまで還元されるので、この混合領域からEL媒体への電子の注入及び輸送が容易になる。更に、正孔輸送化合物が酸化されてカチオンを生成するので、この混合領域からEL媒体への正孔の注入及び輸送が容易になる。好ましい酸化的ドーパントには、種々のルイス酸及び受容体化合物が含まれる。好ましい還元的ドーパントには、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が含まれる。
【0138】
材料の高い青色発光効率及び優れた寿命特性を有する本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、それらを、優れた動作寿命を有する有機発光ダイオード(OLED)を製造するために使用できる点で有利である。
【0139】
本発明を、更に、本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物、その調製及びそれから製造された素子の発光特性に関して、代表的な化合物に言及することによって説明するが、これらの実施例は、本発明のより良い理解及び実施形態の例示のみのために提供されるのであって、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0140】
調製実施例
[調製実施例1]化合物(1)の製造
【0141】
【化76】
【0142】
化合物(A)の調製
テトラヒドロフラン(350mL)中に、2,6−ジブロモフルオレン(53.0g、0.15モル)を溶解させ、これに、n−BuLi(n−ヘキサン中1.6M)(63.2mL、158ミリモル)を−78℃で滴下によりゆっくり添加した。30分間撹拌した後、この混合物に、N,N−ジメチルホルムアミド(16.3mL、211ミリモル)を添加した。温度をゆっくり上昇させ、この反応混合物を2時間攪拌した。NH4Cl水溶液(20mL)及び蒸留水(20mL)を添加して反応をクエンチした後、有機層を単離し、減圧下で蒸発させた。残渣を、メタノール:n−ヘキサン(1/1、v/v)(100mL)から再結晶して、化合物(A)(20.9g、69.4ミリモル)を得た。
【0143】
化合物(B)の調製
このようにして得られたアルデヒド化合物(A)(20.9g、69.4ミリモル)、ジフェニルアミン(12.5g、104.1ミリモル)、炭酸セシウム(24.1g、104.1ミリモル)及び酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)(332mg、2.1ミリモル)を、トルエン(800mL)中に懸濁させた。これに、トリ−t−ブチルホスフィン(P(t−Bu)3)(0.60g、4.2ミリモル)を添加した後、得られた混合物を120℃で4時間攪拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液(30mL)を添加し、この混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出し、濾過した。メタノール:n−ヘキサン(1/1、v/v)(50mL)からの再結晶によって、化合物(B)(15.2g、39.0ミリモル)を得た。
【0144】
化合物(C)の調製
トリフェニルホスフィン(50g、190.6ミリモル)をジクロロメタン(260mL)中に溶解し、これにテトラブロモメタン(CBr4)(31.6g、95.3ミリモル)溶液を、10分間かけてゆっくり添加した。この混合物を、溶液が暗褐色になるまで室温で撹拌し、これに水(40mL)をゆっくり添加して、反応をクエンチした。この混合物を抽出し、抽出物を減圧下で乾燥して、固体を得た。この固体をメタノールに添加し、還流下で撹拌した。不溶性固体を濾別し、濾液を減圧下で蒸発させた。酢酸エチル/メタノールからの再結晶によって、ホスフィン錯体(45g、75%)を得た。
【0145】
このようにして得られたホスフィン錯体(19.8g、38.5ミリモル)及びカリウムt−ブトキシド(KOC(CH3)3)(4.3g、38.5ミリモル)を、テトラヒドロフラン(250mL)中に溶解し、これに、化合物(B)(5g、12.8ミリモル)を添加した。室温で10分間撹拌した後、これに、カリウムt−ブトキシド(KOC(CH3)3)(11.5g、102.7ミリモル)を添加し、この混合物を室温で2時間攪拌した。反応が完結したとき、この反応混合物を、水及びエーテルを使用することによって抽出し、減圧下で乾燥した。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、化合物(C)(1.9g、38%)を得た。
【0146】
化合物(1)の調製
化合物(C)(10g、25.9ミリモル)、7−ブロモ−9,9−ジメチル−N,N−ジフェニル−9H−フルオレン−2−アミン(12.7g、28.8ミリモル)、Pd(dba)2(0.2g、0.4ミリモル)、トリフェニルホスフィン(0.8g、2.9ミリモル)及びヨウ化銅(I)(CuI)(0.5g、2.6ミリモル)を、トリエチルアミン(260mL)中に溶解し、この溶液を還流下で24時間撹拌した。反応が完結したとき、この反応混合物を室温にまで冷却し、ジクロロメタン及び水を使用することによって抽出し、抽出物を減圧下で乾燥した。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、化合物(1)(16g、72%)を得た。
【0147】
[調製実施例2]化合物(1081)の調製
【0148】
【化77】
【0149】
化合物(A)の調製
テトラヒドロフラン(350mL)中に、2,6−ジブロモフルオレン(53.0g、0.15ミリモル)を溶解させ、これに、n−BuLi(n−ヘキサン中1.6M)(63.2mL、158ミリモル)を−78℃で滴下によりゆっくり添加した。30分間撹拌した後、これに、N,N−ジメチルホルムアミド(16.3mL、211ミリモル)を添加した。温度をゆっくり上昇させ、撹拌を2時間続けた。次いで、これに、NH4Cl水溶液(20mL)及び蒸留水(20mL)を添加して、反応をクエンチした。単離した有機層を、減圧下で蒸発させた。メタノール:n−ヘキサン(1/1、v/v)(100mL)からの再結晶によって、化合物(A)(20.9g、69.4ミリモル)を得た。
【0150】
化合物(B)の調製
このようにして得られたアルデヒド化合物(A)(20.9g、69.4ミリモル)、ジフェニルアミン(12.5g、104.1ミリモル)、炭酸セシウム(24.1g、104.1ミリモル)及び酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)(332mg、2.1ミリモル)を、トルエン(800mL)中に懸濁させた。これに、トリ−t−ブチルホスフィン(P(t−Bu)3)(0.60g、4.2ミリモル)を添加し、得られた混合物を120℃で4時間攪拌した。これに塩化アンモニウム飽和水溶液(30mL)を添加し、この混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出し、濾過した。メタノール:n−ヘキサン(1/1、v/v)(50mL)からの再結晶によって、化合物(B)(15.2g、39.0ミリモル)を得た。
【0151】
化合物(C)の調製
トリフェニルホスフィン(50g、190.6ミリモル)をジクロロメタン(260mL)中に溶解し、これにテトラブロモメタン(CBr4)(31.6g、95.3ミリモル)溶液を、10分間かけてゆっくり添加した。この混合物を、溶液が暗褐色になるまで室温で撹拌し、これに水(40mL)をゆっくり添加して、反応をクエンチした。この混合物を抽出し、抽出物を減圧下で乾燥して、固体を得た。この固体をメタノールに添加し、還流下で撹拌した。不溶性固体を濾別し、濾液を減圧下で蒸発させた。酢酸エチル/メタノールからの再結晶によって、ホスフィン錯体(45g、75%)を得た。
【0152】
このようにして得られたホスフィン錯体(19.8g、38.5ミリモル)及びカリウムt−ブトキシド(KOC(CH3)3)(4.3g、38.5ミリモル)を、テトラヒドロフラン(250mL)中に溶解し、これに、化合物(B)(5g、12.8ミリモル)を添加した。室温で10分間撹拌した後、これに、カリウムt−ブトキシド(KOC(CH3)3)(11.5g、102.7ミリモル)を添加し、この混合物を室温で2時間攪拌した。反応が完結したとき、この反応混合物を、水及びエーテルを使用することによって抽出し、減圧下で乾燥した。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、化合物(C)(1.9g、38%)を得た。
【0153】
化合物(1081)の調製
テトラヒドロフラン(30mL)中に、N−(4−ブロモフェニル)−N−フェニルベンゼンアミン(0.9g、2.9ミリモル)、Pd2dba3(12mg、0.013ミリモル)、トリ−t−ブチルホスフィン(6.4μL)(0.013ミリモル、トルエン中50重量%)及びトリエチルアミン(0.5mL、3.9ミリモル)を溶解した。この溶液を5分間撹拌した後、これに、化合物(C)(1g、2.6ミリモル)を添加し、得られた混合物を還流下で12時間撹拌した。反応が完結したとき、この反応混合物を室温にまで冷却し、ジクロロメタン及び水を使用することによって抽出した。抽出物を減圧下で乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物(1081)(0.96g、59%)を得た。
【0154】
調製実施例1及び2と同じ手順に従って、表1中に記載した有機エレクトロルミネセント化合物(化合物1〜2771)を調製した。それらの1H NMR及びMS/FABデータを、表2中に記載する。
【0155】
【表1】
【0156】
【表2】
【0157】
【表3】
【0158】
【表4】
【0159】
【表5】
【0160】
【表6】
【0161】
【表7】
【0162】
【表8】
【0163】
【表9】
【0164】
【表10】
【0165】
【表11】
【0166】
【表12】
【0167】
【表13】
【0168】
【表14】
【0169】
【表15】
【0170】
【表16】
【0171】
【表17】
【0172】
【表18】
【0173】
【表19】
【0174】
【表20】
【0175】
【表21】
【0176】
【表22】
【0177】
【表23】
【0178】
【表24】
【0179】
【表25】
【0180】
【表26】
【0181】
【表27】
【0182】
【表28】
【0183】
【表29】
【0184】
【表30】
【0185】
【表31】
【0186】
【表32】
【0187】
【表33】
【0188】
【表34】
【0189】
【表35】
【0190】
【表36】
【0191】
【表37】
【0192】
【表38】
【0193】
【表39】
【0194】
【表40】
【0195】
【表41】
【0196】
【表42】
【0197】
【表43】
【0198】
【表44】
【0199】
【表45】
【0200】
【表46】
【0201】
【表47】
【0202】
【表48】
【0203】
【表49】
【0204】
【表50】
【0205】
【表51】
【0206】
【表52】
【0207】
【表53】
【0208】
【表54】
【0209】
【表55】
【0210】
【表56】
【0211】
【表57】
【0212】
【表58】
【0213】
【表59】
【0214】
【表60】
【0215】
【表61】
【0216】
【表62】
【0217】
【表63】
【0218】
【表64】
【0219】
【表65】
【0220】
【表66】
【0221】
【表67】
【0222】
【表68】
【0223】
【表69】
【0224】
【表70】
【0225】
【表71】
【0226】
【表72】
【0227】
【表73】
【0228】
【表74】
【0229】
【表75】
【0230】
【表76】
【0231】
【表77】
【0232】
【表78】
【0233】
【表79】
【0234】
【表80】
【0235】
【表81】
【0236】
【表82】
【0237】
【表83】
【0238】
【表84】
【0239】
【表85】
【0240】
【表86】
【0241】
【表87】
【0242】
【表88】
【0243】
【表89】
【0244】
【表90】
【0245】
【表91】
【0246】
【表92】
【0247】
【表93】
【0248】
【表94】
【0249】
【表95】
【0250】
【表96】
【0251】
【表97】
【0252】
【表98】
【0253】
【表99】
【0254】
【表100】
【0255】
【表101】
【0256】
【表102】
【0257】
【表103】
【0258】
【表104】
【0259】
【表105】
【0260】
【表106】
【0261】
【表107】
【0262】
【表108】
【0263】
【表109】
【0264】
【表110】
【0265】
【表111】
【0266】
【表112】
【0267】
【表113】
【0268】
【表114】
【0269】
【表115】
【0270】
【表116】
【0271】
【表117】
【0272】
【表118】
【0273】
【表119】
【0274】
【表120】
【0275】
【表121】
【0276】
【表122】
【0277】
【表123】
【0278】
【表124】
【0279】
【表125】
【0280】
【表126】
【0281】
【表127】
【0282】
【表128】
【0283】
【表129】
【0284】
【表130】
【0285】
【表131】
【0286】
【表132】
【0287】
【表133】
【0288】
【表134】
【0289】
【表135】
【0290】
【表136】
【0291】
【表137】
【0292】
【表138】
【0293】
【表139】
【0294】
【表140】
【0295】
【表141】
【0296】
【表142】
【0297】
【表143】
【0298】
【表144】
【0299】
【表145】
【0300】
【表146】
【0301】
【表147】
【0302】
【表148】
【0303】
【表149】
【0304】
【表150】
【0305】
【表151】
【0306】
【表152】
【0307】
【表153】
【0308】
【表154】
【0309】
【表155】
【0310】
【表156】
【0311】
【表157】
【0312】
【表158】
【0313】
【表159】
【0314】
【表160】
【0315】
【表161】
【0316】
【表162】
【0317】
【表163】
【0318】
【表164】
【0319】
【表165】
【0320】
【表166】
【0321】
【表167】
【0322】
【表168】
【0323】
【表169】
【0324】
【表170】
【0325】
【表171】
【0326】
【表172】
【0327】
【表173】
【0328】
【表174】
【0329】
【表175】
【0330】
【表176】
【0331】
【表177】
【0332】
【表178】
【0333】
【表179】
【0334】
【表180】
【0335】
【表181】
【0336】
【表182】
【0337】
【表183】
【0338】
【表184】
【0339】
【表185】
【0340】
【表186】
【0341】
【表187】
【0342】
【表188】
【0343】
【表189】
【0344】
【表190】
【0345】
実施例1
本発明の化合物を使用することによるOLEDの製造
【0346】
本発明に従ったエレクトロルミネセント化合物を使用することによって、OLED素子を製造した。
【0347】
最初に、OLED用のガラスから製造された透明電極ITO薄膜(15Ω/□)に対し、トリクロロエチレン、アセトン、エタノール、および蒸留水を順次用いた超音波洗浄を行い、使用するまでイソプロパノール中で保管した。
【0348】
次いで、ITO基体を、真空蒸着装置の基体ホルダー内に装着し、4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)(その構造を下記に示す)を、真空蒸着装置のセル内に置き、次いで、この装置を、10−6トールのチャンバー内の真空まで排気した。電流をセルに適用して、2−TNATAを蒸発させ、それによって、ITO基体の上に、60nmの厚さを有する正孔注入層の蒸着物を設けた。
【0349】
【化78】
【0350】
次いで、真空蒸着装置の他のセルに、N,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)(その構造を下記に示す)を装入し、電流をこのセルに適用して、NPBを蒸発させ、それによって、正孔注入層の上に、20nmの厚さの正孔輸送層の蒸着物を設けた。
【0351】
【化79】
【0352】
正孔注入層及び正孔輸送層を形成した後、エレクトロルミネセント層を、下記のようにして蒸着した。前記真空蒸着装置の1つのセルに、エレクトロルミネセント材料としてジナフチルアントラセン(DNA)(その構造を下記に示す)を装入し、本発明に従った化合物(例えば、化合物(2545))を、他のセルに装入した。エレクトロルミネセント層を、100:1の蒸着割合で、正孔輸送層の上に30nmの厚さで蒸着した。
【0353】
【化80】
【0354】
次いで、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)(その構造を下記に示す)を、20nmの厚さで電子輸送層として蒸着し、リチウムキノラート(Liq)(その構造を下記に示す)を、1〜2nmの厚さで電子注入層として蒸着した。その後、Alカソードを、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0355】
【化81】
【0356】
OLEDを製造するために使用したそれぞれの材料は、10−6トール下での真空昇華により精製した後、エレクトロルミネセント材料として使用した。
【0357】
比較例1
従来のエレクトロルミネセント材料を使用することによるOLEDの製造
実施例1に記載したのと同じ手順に従って、正孔注入層及び正孔輸送層を形成した後、ジナフチルアントラセン(DNA)を前記真空蒸着装置の一方のセルに、青色エレクトロルミネセント材料として装入し、化合物(A)(その構造を下記に示す)を、他の青色エレクトロルミネセント材料として他方のセルに装入した。次いで、30nmの厚さを有するエレクトロルミネセント層を、100:1の蒸着割合で正孔輸送層の上に蒸着した。
【0358】
【化82】
【0359】
次いで、電子輸送層及び電子注入層を、実施例1の同じ手順に従って蒸着し、その上に、Alカソードを、他の真空蒸着装置を使用することによって、150nmの厚さで蒸着して、OLEDを製造した。
【0360】
実施例2
製造されたOLEDのエレクトロルミネセント特性
本発明に従った有機EL化合物を含むOLED(実施例1)又は従来のEL化合物を含有するOLED(比較例1)の発光効率を、1,000cd/m2で測定した。それらの結果を表3に示す。
【0361】
【表191】
【0362】
【表192】
【0363】
表3からわかるように、本発明に従った有機EL化合物を使用するOLEDは、従来のEL材料としてDNA:化合物(A)を含むOLED(比較例1)に対して比較したとき、より高い「発光効率/Y」値(これは、量子効率に対して同様の傾向を示す)を示したことが見出される。
【0364】
従って、主鎖としてのアセチレン又は本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、より高い量子効率の材料に寄与し、この化合物は、従来のEL化合物よりも高い効率及び良い色純度の実現を可能にすることが見出される。特に、化合物(2545)は、従来のEL化合物に対して比較したとき、少なくとも60%向上された「発光効率/Y」値を示した。
【0365】
単純な芳香族的共役を含む構造ではなくて、三重結合を含む分子構造は、分子構造における個々の芳香族環のオービタルの間のオーバーラップを向上する効果をもたらし、結果として向上した性能をもたらすことが期待される。
【0366】
前記のように、本発明に従った有機エレクトロルミネセント化合物は、高い効率の青色エレクトロルミネセント材料として使用することができ、従来のフルカラーOLEDに対して比較したとき、OLED中に使用されるとき、輝度、電力消費及び素子寿命の項目における優位性をもたらす。
【符号の説明】
【0367】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 エレクトロルミネセント層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 Alカソード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物:
【化1】
[式中、Ar1及びAr2は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C5〜C60)ヘテロアリーレンを表し、Ar1及びAr2のアリーレン又はヘテロアリーレンは、重水素、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル及び(C6〜C60)アリールから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Ar3〜Ar6は、独立に、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C6〜C60)アリール若しくは(C3〜C60)ヘテロアリールを表し、又はAr3及びAr5若しくはAr6びAr7は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
Ar3〜Ar6のアリール又はヘテロアリールは、重水素;線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリール置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C30)アルキルシリル;ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル;及びトリ(C6〜C30)アリールシリル;からなる群から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。]。
【請求項2】
Ar1及びAr2が、独立に、下記の構造から選択される、請求項1記載の有機エレクトロルミネセント化合物:
【化2】
【化3】
[式中、R11〜R19は、独立に、水素、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、このアリールは、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキルによって更に置換されていてよい。]。
【請求項3】
第一電極;第二電極;及び第一電極と第二電極との間に介在させられた少なくとも1個の有機層;を含む有機エレクトロルミネセント素子であって、
前記有機層が、
(i)化学式(1)によって表される1種以上の有機エレクトロルミネセント化合物、
【化4】
[式中、Ar1及びAr2は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C5〜C60)ヘテロアリーレンを表し、Ar1及びAr2のアリーレン又はヘテロアリーレンは、重水素、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル及び(C6〜C60)アリールから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Ar3〜Ar6は、独立に、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C6〜C60)アリール若しくは(C3〜C60)ヘテロアリールを表し、又はAr3及びAr5若しくはAr6びAr7は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
Ar3〜Ar6のアリール又はヘテロアリールは、重水素;線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリール置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C30)アルキルシリル;ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル;及びトリ(C6〜C30)アリールシリル;からなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。];
並びに、
(ii)化学式(2)又は(3)によって表される化合物から選択される1種以上のホスト、
【化5】
[式中、Ar11及びAr12は、独立に;水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル及び(C6〜C60)から選択され、Ar11及びAr12のシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、重水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール又は(C4〜C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル;並びにトリ(C6〜C60)アリールシリル;からなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Aは、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
a及びbは、独立に、0〜4の整数を表し、並びに
Anは、置換基を有する又は有しないアントラセン主鎖を含む。];
を含有する有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項4】
前記有機層が、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択された1種以上の化合物を含有する、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項5】
前記有機層が、元素の周期表からの、第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択される1種以上の金属を含む、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項6】
500〜560nmの波長でエレクトロルミネセントピークを有する化合物を含む有機ディスプレイである、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項7】
前記有機層が、エレクトロルミネセント層及び電荷発生層を含む、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項8】
還元的ドーパント及び有機物質の混合領域、又は酸化的ドーパント及び有機物質の混合領域が、電極の対のうちの一方又は両方の電極の内側表面上に配置されている、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項9】
化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物を含むる有機太陽電池:
【化6】
[式中、Ar1及びAr2は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C5〜C60)ヘテロアリーレンを表し、Ar1及びAr2のアリーレン又はヘテロアリーレンは、重水素、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル及び(C6〜C60)アリールから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Ar3〜Ar6は、独立に、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C6〜C60)アリール若しくは(C3〜C60)ヘテロアリールを表し、又はAr3及びAr5、若しくはAr6びAr7は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
Ar3〜Ar6のアリール又はヘテロアリールは、重水素;線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリール置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C30)アルキルシリル;ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル;及びトリ(C6〜C30)アリールシリル;からなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。]。
【請求項1】
化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物:
【化1】
[式中、Ar1及びAr2は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C5〜C60)ヘテロアリーレンを表し、Ar1及びAr2のアリーレン又はヘテロアリーレンは、重水素、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル及び(C6〜C60)アリールから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Ar3〜Ar6は、独立に、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C6〜C60)アリール若しくは(C3〜C60)ヘテロアリールを表し、又はAr3及びAr5若しくはAr6びAr7は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
Ar3〜Ar6のアリール又はヘテロアリールは、重水素;線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリール置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C30)アルキルシリル;ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル;及びトリ(C6〜C30)アリールシリル;からなる群から選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。]。
【請求項2】
Ar1及びAr2が、独立に、下記の構造から選択される、請求項1記載の有機エレクトロルミネセント化合物:
【化2】
【化3】
[式中、R11〜R19は、独立に、水素、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリールを表し、このアリールは、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキルによって更に置換されていてよい。]。
【請求項3】
第一電極;第二電極;及び第一電極と第二電極との間に介在させられた少なくとも1個の有機層;を含む有機エレクトロルミネセント素子であって、
前記有機層が、
(i)化学式(1)によって表される1種以上の有機エレクトロルミネセント化合物、
【化4】
[式中、Ar1及びAr2は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C5〜C60)ヘテロアリーレンを表し、Ar1及びAr2のアリーレン又はヘテロアリーレンは、重水素、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル及び(C6〜C60)アリールから選択される1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Ar3〜Ar6は、独立に、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C6〜C60)アリール若しくは(C3〜C60)ヘテロアリールを表し、又はAr3及びAr5若しくはAr6びAr7は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
Ar3〜Ar6のアリール又はヘテロアリールは、重水素;線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリール置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C30)アルキルシリル;ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル;及びトリ(C6〜C30)アリールシリル;からなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。];
並びに、
(ii)化学式(2)又は(3)によって表される化合物から選択される1種以上のホスト、
【化5】
[式中、Ar11及びAr12は、独立に;水素、(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4〜C60)ヘテロアリール、(C5〜C60)シクロアルキル及び(C6〜C60)から選択され、Ar11及びAr12のシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、重水素、ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル、(C1〜C60)アルコキシ、(C3〜C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1〜C60)アルキルシリル、ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル及びトリ(C6〜C60)アリールシリルからなる群から選択された1種以上の置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール又は(C4〜C60)ヘテロアリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない(C1〜C60)アルキル;(C1〜C60)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C60)アルキルシリル;ジ(C1〜C60)アルキル(C6〜C60)アリールシリル;並びにトリ(C6〜C60)アリールシリル;からなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Aは、(C6〜C60)アリーレン又は(C4〜C60)ヘテロアリーレンを表し、
a及びbは、独立に、0〜4の整数を表し、並びに
Anは、置換基を有する又は有しないアントラセン主鎖を含む。];
を含有する有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項4】
前記有機層が、アリールアミン化合物及びスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択された1種以上の化合物を含有する、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項5】
前記有機層が、元素の周期表からの、第1族、第2族、第4周期及び第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択される1種以上の金属を含む、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項6】
500〜560nmの波長でエレクトロルミネセントピークを有する化合物を含む有機ディスプレイである、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項7】
前記有機層が、エレクトロルミネセント層及び電荷発生層を含む、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項8】
還元的ドーパント及び有機物質の混合領域、又は酸化的ドーパント及び有機物質の混合領域が、電極の対のうちの一方又は両方の電極の内側表面上に配置されている、請求項3記載の有機エレクトロルミネセント素子。
【請求項9】
化学式(1)によって表される有機エレクトロルミネセント化合物を含むる有機太陽電池:
【化6】
[式中、Ar1及びAr2は、独立に、(C6〜C60)アリーレン又は(C5〜C60)ヘテロアリーレンを表し、Ar1及びAr2のアリーレン又はヘテロアリーレンは、重水素、線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル及び(C6〜C60)アリールから選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよく、
Ar3〜Ar6は、独立に、線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル、(C3〜C60)シクロアルキル、N、O及びSから選択された1個以上のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員のヘテロシクロアルキル、(C6〜C60)アリール若しくは(C3〜C60)ヘテロアリールを表し、又はAr3及びAr5、若しくはAr6びAr7は、縮合環を有する若しくは有しない(C3〜C60)アルキレン若しくは(C3〜C60)アルケニレンによって連結されて、脂環式環又は単環式若しくは多環式芳香族環を形成してもよく、並びに
Ar3〜Ar6のアリール又はヘテロアリールは、重水素;線状若しくは枝分かれした(C1〜C60)アルキル又は(C6〜C60)アリール置換基を有する又は有しない(C6〜C60)アリール;ハロゲン置換基を有する又は有しない線状又は枝分かれした(C1〜C60)アルキル;(C1〜C30)アルコキシ;(C3〜C60)シクロアルキル;ハロゲン;シアノ;トリ(C1〜C30)アルキルシリル;ジ(C1〜C30)アルキル(C6〜C30)アリールシリル;及びトリ(C6〜C30)アリールシリル;からなる群から選択された1種以上の置換基によって更に置換されていてよい。]。
【図1】
【公開番号】特開2009−215281(P2009−215281A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−336315(P2008−336315)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(508223435)グラセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (53)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−336315(P2008−336315)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(508223435)グラセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (53)
【Fターム(参考)】
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