説明

新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体およびそれを含む早漏症治療用医薬組成物

本発明は、式1で表される新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体またはその薬学的に許容可能な塩に関する。また、前記化合物を含む早漏症処置用または予防用の医薬組成物を開示する。前記1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体は、短い半減期を有しシナプス前ニューロンに存在するセロトニン再取り込み輸送体を介したセロトニンの再取り込みを選択的に抑制することによって、射精を抑制する。したがって、該化合物は、早漏症の処置または予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記式1で表される新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体、その薬学的に許容可能な塩およびそれを有効成分として含む早漏症治療または予防用医薬組成物に関する。
【0002】
【化1】

【背景技術】
【0003】
早漏と関連しては多くの概念がある。早漏の全世界的に知られた共通した定義はない。しかし、DSM−IV−TR(Diagnostic and statistical manual of mental disorders,Fourth edition,Text revision)によると、挿入前、挿入の間または挿入直後の最小限の性的な刺激による、本人が願う前のオルガスムと射精が持続的または反覆的に現れることと定義されている。
【0004】
早漏は、男性の性機能障害中で最もよくある疾病であり、およそ30%の発病率を示す。これは代表的な男性性機能障害中の一つとして知られた勃起不全に比べて3倍以上の数値である(Int J Impot Res 2005年,第17巻,p.39-57)。勃起不全は、主に中高年層の男性に現れるが、早漏は、すべての年齢層の男性に現れて、生活の質にこの上なく大きな影響を及ぼす疾患である。早漏は、原発性(primary)と続発性(secondary)に分類される。原発性早漏は、人が性的に機能し得るようになったとき(すなわち、思春期以後)から起こる。原発性早漏(PE)は、多様な精神作用に関与する神経伝達物質の変化と連関する。続発性PEは、射精を制御し得る人が、初期には何の問題にも直面せず、後に、ストレス、勃起不全、前立腺炎、尿道炎、薬物服用によって制御できなくなる場合と考えられている。
【0005】
早漏の発生を誘導する2つの主要な原因としては、生物学的要素と精神的要素である。生物学的要素は、性器過敏症、射精反射反応の過興奮、過度な性的欲望、内分泌障害、遺伝的原因、5−HT受容体機能異常などがある。精神的な要素は、不安、早過ぎる時期の性経験、射精調節技術、精神的な問題などが含まれる(J Sex Med 2004年,第1巻,p.58-65)。
【0006】
射精に関連がある神経伝達物質は、5−HT(5-hydroxytryptamine)とドーパミンであり、コリン作動性、アドレナリン作動性、GABA作動性、オキシトシン作動性ニューロンも連関があることが知られているが、この中で、5−HTが射精調節に最も大きな役割をすることが知られている(Urology 2003年,第61巻,p.623-628)。一般的にセロトニン(5−HTの一種)は、射精を抑制することが知られているが(Physiol Behav 2004年,第83巻,p.291-307)脳幹のnPGi(paragigantocellular nucleus)に由来したL3−L5に存在する下行性軸索末端から5−HTが分泌して射精を抑制したり(Exp Brain Res 1992年,第88巻,p.313-320)、脳下垂体のMPOA(medial preoptic area)に存在するセロトニン性神経から分泌した5−HTが射精を抑制することが知られている(Eur J Pharmacol 1992年,第210巻,p.121-129)。セロトニンは、シナプス前ニューロンから分泌されシナプス後ニューロンの受容体に作用するが、シナプス後ニューロンで射精に関連する受容体は、5−HT2C受容体であり、シナプス前受ニューロン自己受容体である5−HT1B受容体と細胞体樹状突起自己受容体である5HT1A受容体は、5−HT分泌に対して陰性フィードバックを誘導して、シナプス後5−HT受容体の過刺激を抑制することで射精を抑制する。また、シナプス前ニューロンの5−HT輸送体では、シナプスに存在する5−HTがシナプス前ニューロンに再取り込みされて、5−HTの分泌を調節することによって射精に関与することが知られている(European Urology 2006年,第50巻,p.454-466)。
【0007】
現在、早漏治療方法は、非薬物療法と薬物療法に分けられる。
非薬物治療法は、行動療法ともいわれ、Masters&Johnson(1970年)によるスクイーズ法(squeeze technique)とSemans(1956年)によるストップ・スタート法(stop-start technique)があるが、多くの時間が必要となり、パートナーの適切な参加が必要なため、施行が難しく成功率も低い(Contemp Urol 2001年,第13巻,p.51-59)。
【0008】
一方、早漏治療のためにアメリカFDAで認証を受けた薬物は、まだ無い状態であり、亀頭の感覚を低下させるための局所麻酔剤、適応症外用途(off-label)で用いる抗うつ剤などが早漏治療のために用いられている。最も一般的に用いられる局所麻酔剤は、リドカインとプリロカインを含んでいるEMLAクリームあるいはスプレーであり、性交30分前に適用すれば、早漏に一部効果的なことが知られていて、性的な満足感を増加させることが知られているが、陰茎の敏感度を減少させてパートナーの膣感覚を麻痺させる短所がある(Int J Impot Res 2003年,第15巻,p.277-281)。国内で開発されたSSクリームは、9種の生薬抽出物で製造されたもので、臨床実験で膣内射精時間(IVELT)を有意に増加させることが明らかにされたが、局所的なほてり感および痛症の副作用があって有効性が弱く、現在は市販が中止された薬物である(Yonsei Med J 1997年,第38巻,p.91-95)。
【0009】
適応症用途外使用で用いられる抗うつ剤としては、三環系抗うつ剤(tricyclic antidepressant)または選択的セロトニン再取り込み阻害剤系列の薬物がある。三環系抗うつ剤系列の薬物は、セロトニン再取り込みに対する選択性が他の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)系列の薬物に比べて低く、副作用の発生が多い方である(Contemp Urol 2001年,第13巻,p.51-59)。
【0010】
フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、シタロプラム、フルボキサミンのようなSSRI系列薬物の早漏治療効果が報告されたことがあり、特に、本発明による化合物と類似の化合物であるシタロプラムを含んだ抗うつ症治療用1−ジメチルアミノプロピル−1−フェニルフタラン系化合物が米国特許公報第4,136,193号に開示されている。SSRI系列の薬物は、様々な用量と投与日程において性交前に単回投与時の薬効よりは、2週以上毎日持続的に投与時、IVELTが3〜10分延長されて早漏に薬効を示すことが知られている(J Urol 1998年,第159巻,p.1935-1938)。
【0011】
しかし、SSRI系列の薬物は、長期服用時には、嘔吐、口腔乾燥症、眠け、性欲減退、無射精症などの副作用発生頻度を増加させる副作用問題があり(J Sex Marital Ther 1999年,第25巻,p.89-101)、有効性において早漏治療剤としての適応症を有し得ない致命的な短所があり、専門的な早漏治療剤の開発が至急な実情である。さらに、この薬物は、半減期が長くて血中最高濃度に到達する時間が長く、オンデマンドの使用よりは長期間使用しなければならず、予測しにくい治療効果や効力が現れるまで長い時間がかかる。
【0012】
また、SSRI系列の薬物をモノアミンオキシダーゼ阻害剤であるリチウム、スマトリプタン、トリプトファンなどとともに服用時、セロトニン症状が発生する可能性が高く、体温増加、譫妄(delirium)、昏睡、発汗、めまいなどの副作用が現れる短所がある(N Eng J Med 2005年,第352巻,p.1112-1120)。
【0013】
そこで、本発明者等は、前記の従来から知られた化合物に比べて射精抑制効果が優秀であるのみならず、半減期が約3倍程短くて安全性が増加してオンデマンドの使用を要する早漏治療剤として相応しい化合物を開発するために努力した結果、新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を開発することにより、前記化合物が短い薬物半減期を有することと同時に優れた射精抑制効果を示すことを確認して、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体またはその薬学的に許容可能な塩およびその製造方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明は、短い薬物半減期を有することと同時に優れた射精抑制効果を示す早漏症治療または予防用医薬組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するために、本発明は、新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体またはその薬学的に許容可能な塩ことを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、前記1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体は、セロトニンがシナプス前ニューロンに存在するセロトニン再取り込み輸送体を通じて再取り込みされることを選択的に抑制し、射精を抑制するとともに短い半減期を有している。したがって、本発明は、早漏治療または予防に有用に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に対して詳しく説明する。
一態様において、本発明は下記式1で表される新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0019】
【化2】

【0020】
本発明は、下記の誘導体を含む。
1)Rは、置換または置換されないフェニル;またはピリジニル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【0021】
2)Rは、置換または置換されないフェニル;またはピリジニル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;前記Rが置換基を含む場合、該置換基はC〜Cのアルキル、C〜Cのアルキルオキシ、C〜Cのジアルキルアミノまたはハロゲンであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【0022】
3)Rは置換または置換されないフェニル;またはピリジニル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である、式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【0023】
4)Rは、C〜Cアルキルオキシに置換されたフェニルであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩である。
【0024】
本発明の好ましい態様において、Rはメトキシフェニルであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【0025】
本発明のより好ましい態様において、Rはメトキシフェニルであり;
は、ジメチルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【0026】
5)Rは、置換されないフェニルまたはC〜Cアルキルに置換されたフェニルであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【0027】
本発明の好ましい態様において、Rは置換されないフェニルまたはトルイルであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【0028】
本発明のより好ましい態様において、Rは置換されないフェニルまたはトルイルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【0029】
6)Rは、C〜Cジアルキルアミノに置換されたフェニルであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【0030】
本発明の好ましい態様において、Rはジメチルアミノフェニルであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【0031】
本発明のより好ましい態様において、Rはジメチルアミノフェニルであり;
は、ジメチルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【0032】
7)Rはチエニルであり;
は、C〜Cジアルキルアミノ;またはピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【0033】
本発明の好ましい態様において、Rはチエニルであり;
は、ジメチルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【0034】
8)Rはハロゲンで置換されたフェニルであり;
は、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【0035】
本発明の好ましい態様において、Rはハロゲンで置換されたフェニルであり;
は、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【0036】
式1の化合物の薬学的に許容可能な塩は、無機酸または有機酸と形成される酸付加塩を含む。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨード化水素酸、硫酸、リン酸などを含む。有機酸の例としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、カルボン酸、コハク酸、クエン酸、ベンゾ酸、酢酸などを含む。このような薬学的に許容可能な塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、臭化物、ヨード化物、アセテート、プロピオネート、デカノエート、カプリレート、アクリレート、ホルメート、塩酸塩、二塩酸塩、イソブチレート、カプロエート、ヘプタノエート、プロピオレート、オキサレート、マロネート、スクシネート、スベレート、セバケート、プマレート、マレエート、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、α−ヒドロキシブチレート、グリコレート、タルタレート、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレン−2−スルホネートおよびマンデレートを含む。薬学的に許容可能な好ましい酸付加塩は、塩酸および臭化水素酸のような無機酸と形成された塩、ならびにシュウ酸およびマレイン酸のような有機酸と形成された塩である。
【0037】
本発明に係る式1の化合物の特に好ましい例は、下記のとおりである。
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
【0038】
1−(4−メトキシフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−メトキシフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−メトキシフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−メトキシフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
【0039】
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−フェニル−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−フェニル−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
【0040】
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
【0041】
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
【0042】
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
【0043】
1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
【0044】
1−(4−クロロフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−クロロフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−クロロフェニル)−1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−クロロフェニル)−1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−クロロフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−クロロフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−クロロフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、および
1−(4−クロロフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩。
【0045】
他の態様において、本発明は式1で表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法を提供する。
【0046】
本発明による製造方法を下記反応スキーム1に示した。
【化3】

【0047】
本発明の式1の化合物は、反応スキーム1に示したように、式2の5−シアノフタルイミド化合物から一連の工程によって製造することができる。前記反応スキーム1において、R、Rおよびnは、式1で定義したのと同じである。
【0048】
本方法は、
1)式2の5−シアノフタルイミド化合物をRMgBrと反応させて、式3の化合物を製造する工程(工程1)、
2)式3の化合物の還元反応によって、式4の化合物を製造する工程(工程2)、
3)式4の化合物の環化反応によって、式5の化合物を製造する工程(工程3)、
4)式5の化合物の1位にアルキル基を導入して、式6の化合物を製造する工程(工程4)、
5)式6の化合物を脱保護させて、式7の化合物を製造する工程(工程5)、
6)式7のアルコール化合物をメタンスルホニルクロライドと反応させて、式8の化合物を製造する工程(工程6)、
7)式8の化合物のR基での置換および(HClまたはシュウ酸との)塩化によって式1の化合物を製造する工程(工程7)を含む。
【0049】
本方法の各工程の反応を、下記に詳細に説明する。
工程1で出発物質に用いる式2の5−シアノフタルイミドは、公知の方法で製造することができる(Il Farmaco 2001年,第56巻,p.715)。第1工程でグリニャール反応は、RMgBrを使用する。ここで、溶媒には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンまたはジクロロメタンなどを使用することができ、ジクロロメタンを使用することが好ましい。0℃〜常温の温度条件で、10〜20時間反応させる。
【0050】
工程2で、還元反応は、還元試薬として水素化ホウ素ナトリウムを使用して行なうことができる。還元試薬は、0.5〜3当量、好ましくは2当量用いる。
【0051】
工程3で、式4の環化反応は、酸条件下で行なう。ここで、酸には塩酸、硫酸、リン酸などを使用することができ、リン酸を使用することが好ましい。
【0052】
工程4で、塩基は、リチウムジイソプロピルアミン、水素化ナトリウム、n−ブチルアミン、メトキシナトリウム、t−ブトキシカリウムなどを使用することができ、水素化ナトリウムを使用することが好ましい。適当な溶媒は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、テドラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどを使用することができ、ジメチルスルホキシドを使用することが好ましい。反応は、50〜110℃で12〜36時間行なう。
【0053】
工程5で、式6の保護基は、フルオロ化水素、フルオロ化カリウム、フルオロ化テトラブチルアンモニウム、塩酸、硫酸などを使用して除去することができ、フルオロ化テトラブチルアンモニウムを使用することが好ましい。脱保護反応は、テトラヒドロフランを溶媒に使用して常温で約1時間行なう。
【0054】
工程6で、離脱基は、メタンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルクロライド、トリクロロメタンスルホニルクロライドなどを使用して式8に導入することができ、メタンスルホニルクロライドを使用することが好ましい。反応は、溶媒としてジクロロメタンの存在下で、0℃で約1時間行なう。
【0055】
工程7で、R置換反応に用いる塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどの炭酸塩と水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウムなどの水酸化物を使用することができ、炭酸カリウムを使用することが好ましい。ここで、反応溶媒は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、テドラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどを使用することができ、ジメチルホルムイミドを使用することが好ましい。反応は、50〜110℃で12〜36時間行なって目的とする式1の1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体を得ることができる。選択的に、塩酸またはシュウ酸を10分〜60分間反応させて塩酸塩またはシュウ酸塩形態の1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩化物誘導体を得ることができる。
【0056】
さらなる態様において、本発明は式1で表される新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含み、短い薬物半減期を有するとともに優れた射精抑制効果を示す早漏症治療または予防用医薬組成物を提供する。
【0057】
本発明による1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体は、セロトニンがシナプス前ニューロンに存在するセロトニン再取り込み輸送体を通じて再取り込みされることを選択的に抑制し、射精を抑制するとともに短い半減期を有していて早漏治療または予防に有用に用いることができる。
【0058】
本発明による新規な1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体または薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む医薬組成物は、一般的な医薬品製剤の形態で用いることができる。すなわち、本発明の化合物は、実際臨床投与時に経口および非経口のさまざまな剤形で投与することができ、本発明では経口投与が好ましい。また、製剤の場合には、普通に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使って調剤できる。
【0059】
経口投与のための固形製剤では、錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体および薬学的に許容される塩に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロースまたはラクトース、ゼラチンなどを混ぜて調剤する。また、単純な賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤なども用いる。また、経口投与のための液状製剤では、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく用いられる単純希釈剤の水、流動パラフィン以外にさまざまな賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味料、芳香剤、保存剤などを含むことができる。非経口投与のための製剤では、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレイン酸のような注射可能なエステルなどを用いることができる。坐剤の基剤には、ハードファット、マクロゴ−ル、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラテンなどを用いることができる。
【0060】
併せて、本発明の1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体または薬学的に許容可能な塩化合物を有効成分として含む医薬組成物は、0.1〜1000mgの投与範囲で有効量を示し、一日に10〜50mg投与することが好ましく、投与量または服量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率および疾患の重症度によって一日一回〜数回に分けて投与することができるなど、多様な投与範囲が可能である。
【0061】
本発明のさらなる理解は、本発明を記載するが、これらに限定されるものではない以下の例によって得ることができる。
【0062】
本発明の式1の誘導体分子構造は、赤外線分光法、紫外線・可視光線分光法、核磁気共鳴スペクトル、質量分析法と代表的な化合物の元素分析の計算値と実測値の比較によって確認した。
【0063】
<実施例1>1−(4−メトキシフェニル)−1−3−(ジメチルアミノ)プロピル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル(化合物1)の製造
【0064】
(工程1)3−ヒドロキシメチル−4−(4−メトキシベンゾイル)ベンゾニトリルの製造
5−シアノフタルイミド20.0g(125.6mmol)を無水ジクロロメタン200mlに溶解させた後、温度を−78℃に下げて4−メトキシフェニルマグネシウムブロマイド188ml(1M in THF、188mmol)をゆっくり滴下した。前記反応液の温度を室温まで上げて、16時間撹拌して飽和塩化アンモニウム溶液を加えた。有機無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過して減圧蒸留して黄色の式3の化合物を得、それ以上の精製なしに次の反応に用いた。
【0065】
【化4】

【0066】
(工程2)4−{ヒドロキシ(4−メトキシフェニル)メチル}−3−(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリルの製造
前記工程1で製造した3−ヒドロキシメチル−4−(4−メトキシベンゾイル)ベンゾニトリル33.6g(125.6mmol)をジクロロメタン200mlとメタノール100mlに溶解させた後、温度を0℃に下げて水素化ホウ素ナトリウム9.5g(251.1mmol)をゆっくり加えた。
【0067】
前記反応液の温度を室温まで上げて3時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液を加えた後、エチル酢酸で抽出した。前記抽出された有機溶媒層は、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過して減圧蒸留して黄色の式4の化合物を得、それ以上の精製なしに次の反応に用いた。
【0068】
【化5】

【0069】
(工程3)1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造
前記工程2で製造した4−{ヒドロキシ(4−メトキシフェニル)メチル}−3−(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリル33.82g(125.6mmol)をエチル酢酸150mlに溶解させた後、85%リン酸水溶液150mlを常温で加えた。前記反応液の温度を80℃まで上げて3時間撹拌して常温に下げた後、水と飽和塩水で洗浄した。前記有機無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過して減圧蒸留して溶媒を除去した。残渣に2−プロパノールを処理して白固体の目的化合物18.0g(57%)を得た。
【0070】
【化6】

【0071】
(工程4)1−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシプロピル)−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造
前記工程3で製造した1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル23.0g(91.3mmol)をジメチルスルホキシド200mlに溶解させた後、水素化ナトリウム5.5g(137.0mmol)を常温でゆっくり加えた後、0.5時間撹拌した。前記反応液にブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリル)プロパン34.7g(137.0mmol)を加えて温度を80℃まで上げて12時間撹拌した後、常温に下げた。反応混合物に水を加えた後、エチル酢酸で抽出して水と飽和塩水で洗浄した。有機無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過して減圧蒸留して溶媒を除去した後、管クロマトグラフィー方法で精製して薄い黄色の目的化合物34.1g(88%)を得た。
【0072】
【化7】

【0073】
(工程5)1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造
前記工程4で製造した1−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシプロピル)−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル34.1g(80.8mmol)をテトラヒドロフラン200mlに溶解させた後、1Mテトラブチルアムモニウムフロリドテトラヒドロ溶液121.1ml(121.1mmol)を常温でゆっくり滴下後、2時間撹拌した。前記反応液をエチル酢酸で希釈した後、水と飽和塩水で洗浄した。有機無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過して減圧蒸留して溶媒を除去した後、管クロマトグラフィー方法で精製して薄い黄色の目的化合物15.0g(60%)を得た。
【0074】
【化8】

【0075】
(工程6)1−(3−メタンスルホニルオキシプロピル)−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造
前記工程5で製造した1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル15.0g(48.5mmol)をジクロロメタン200mlに溶解させた後、トリエチルアミン7.4g(72.7mmol)とメタンスルホニルクロリド6.7g(58.2mol)を0℃でゆっくり滴下した後、同じ温度で1時間撹拌した。前記反応液を水と飽和塩水で洗浄して無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過して減圧蒸留して黄色の目的化合物18.2g(79%)を得、それ以上の精製なしに次の反応に用いた。
【0076】
【化9】

【0077】
(工程7)1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル(化合物1)の製造
前記工程6で製造した1−(3−メタンスルホニルオキシプロピル)−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル18.2g(47.0mmol)をジメチルホルムイミド300mlに溶解させた後、炭酸カリウム13.0g(94.0mmol)と2Mジメチルアミンテトラヒドロフラン溶液94.0ml(188.0mmol)を常温で加えた後、温度を80℃まで上げて12時間撹拌した。前記反応液をエチル酢酸で希釈した後、水と飽和塩水で洗浄した。有機無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過して減圧蒸留して溶媒を除去した後、管クロマトグラフィー方法で精製して薄い黄色の1−(4−メトキシフェニル)−1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル8.3g(53%)を得た。
【0078】
【化10】

【0079】
<実施例2>1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩の製造
前記<実施例1>で得られた1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル8.3g(24.7mmol)をエチルアルコール85mlに溶解させた後、シュウ酸3.4g(27.2mmol)を常温でゆっくり加えた。前記反応液を常温で0.5時間撹拌して温度を0℃に下げて1時間撹拌した。沈殿物をろ過後、ヘキサンで洗浄して乾燥させ、白色の固体目的化合物7.1g(67%)を得た。
【0080】
【化11】

【0081】
<実施例3>1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩の製造
前記<実施例1>で得られた1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル8.3g(24.7mmol)をジクロロメタン50mlに溶解させた後、2M塩酸ジエチルエーテル溶液24.7ml(49.4mmol)を常温でゆっくり滴下した。前記反応液を0.5時間撹拌させて溶液を除去した後、ジエチルエーテルで洗浄した後、乾燥して薄い黄色の目的化合物8.7g(95%)を得た。
【0082】
【化12】

【0083】
前記実施例1、2および3の製造方法によって、実施例4〜実施例68の各置換基に対応するグリニャール試薬、アミンそして酸を使用して下記実施例4〜実施例68の化合物を製造した。
【0084】
【化13】

【0085】
【化14】

【0086】
【化15】

【0087】
【化16】

【0088】
【化17】

【0089】
【化18】

【0090】
【化19】

【0091】
【化20】

【0092】
【化21】

【0093】
【化22】

【0094】
【化23】

【0095】
【化24】

【0096】
前記実施例1〜68の化学構造を整理すると下記の表1および表2のようになる。
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
<実験例1>射精抑制効力評価
前記実施例において製造された化合物を、射精を遅延させる効果を有するか否かを決定するために評価した。評価は、ヨネザワ等の方法(Life Sci.2000年,第67(25)巻,p.3031-9)に準じて、ラットモデルを用いて行った。体重240〜260gの雄Wistarラットに、それぞれの化合物を1%HPMC溶液に懸濁して経口投与した。60分後、麻酔および固定を実施した。20分後、パラ−クロロアンフェタミン(PCA)5mg/kgを腹腔内に投与した。次いで、麻酔したラットにおいて、p−PCAに対する射精反応を30分間以上観察した。射精反応の有無の判断は、球海綿体筋の律動性収縮と精液が排出される場合を射精と見なした。各化合物当り6匹以上ずつの動物を使用し、射精した動物の割合をフィッシャー抽出法でビヒクル対照群との有意性検証を行ない、射精に至る時間は、平均±標準偏差で表記した。
【0100】
実施例1〜68において製造した化合物は、射精において良好な抑制効果を有することが見出された。代表的な化合物の射精抑制効果を以下の表3に示す。各供試化合物は、50mg/kgの用量で投与した。対照群の7匹のすべてにおいて射精が誘発された。これに対して、実施例1〜68において製造された化合物の投与によって、反応したラットの数は減少した。これらの結果は、本発明の化合物が射精を抑制することにおいて極めて効果的であることを示している。対照群は、現在早漏に効果があることが知られたSSRI薬物であるシタロプラムを使用した。
【0101】
【表3】

【0102】
<実験例2>ラットでの半減期測定
本発明化合物の生体内半減期を測定するために、次のような実験を行なった。270g内外の雄のSprague-Dawleyラットに薬物をそれぞれ10mg/kgの用量で経口投与した。5ml/kgの液量にして0.5%メチルセルロース溶液に懸濁して投与し、薬物投与後、0.017、0.083、0.25、0.5、1、2、3、5、7、および24時間後に採血して、1000rpmで3分間遠心分離して血漿を分離した。血漿内薬物の濃度は、10mMギ酸アンモニウム(pH3.0):アセトニトリル(5:5)移動相、atlantis dC18(2.1×100mm、3μm)カラム、0.2ml/分の流速条件で高速液体クロマトグラフィーを用いて定量した。
【0103】
実験結果、下記表4に示したように、本発明の化合物は、現在早漏に効果があると知られたSSRI薬物であるシタロプラムと比較して血中最高濃度到達時間は類似だったが、半減期が約3倍ほど短い特徴を示した。このような特徴は、比較薬物に比べて生体内に迅速に吸収された後、体外に排出されて副作用の発生可能性が顕著に減少して安全性が増加したことを意味する。
【0104】
【表4】

【0105】
<実験例3>作用機序
本発明誘導体の作用機序を検討するために、各神経伝達物質の抑制位およびセロトニン作用受容体に対するリガンド結合位置を調査した。
【0106】
まず、ドーパミン、ノルエピネフリン、およびセロトニン吸収に対する影響をヒト由来 CHO−1細胞、ヒト由来MDCK細胞、およびヒト由来HEK−293細胞を用いて評価した。それぞれの細胞株に、実施例2、35、40、45で得られた化合物を10−5μMから10μMまで処理した後、[H]ドーパミン、[H]ノルエピネフリン、および[H]セロトニンを緩衝液下で反応させた。10分後にLSC(liquid scintillation counter)を使用して細胞内吸収に対する影響を測定した。
【0107】
試験の結果、表5に示したように本発明の化合物は、ドーパミンやノルエピネフリン再取り込みには関与しないで、セロトニンにのみ選択的に作用して再取り込みを抑制することが示された。
【0108】
また、5HT1A、5−HT1B、5−HT2Cおよび5−HT輸送体に対するリガンド結合評価は、各々ヒト由来組換えCHO細胞、wistar系ラット由来大脳皮質細胞、ヒト由来組換えCHO−K1細胞、およびヒト由来組換えHEK−293細胞を用いた。各々の細胞株に、実施例2、35、40、45で得られた化合物を10−5μMから104μMまで処理した後、放射線標識因子が付着したリガンドと競争的結合作用を評価し、用いたリガンドは、各々[H]8−OH−DPAT、[125I]シアノピンドロール、[H]メスレルギンおよび[H]パロキセチンである。反応条件は、50mM トリス−HCl緩衝液下で25℃または37℃、60〜90分だった。
【0109】
放射線を用いたリガンド試験の結果、セロトニン受容体の中では、5−HT2Cと5−HT輸送体と高い関連性を有していることが示された。このような結果は、1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル誘導体は、中枢神経系で射精に関与する多くの機序の中で、セロトニンがシナプス前ニューロンに存在するセロトニン再取り込み輸送体を通じて再取り込まれることを選択的に抑制して射精反応を抑制するようになることを意味するものである。
【0110】
【表5】

【0111】
<実験例4>急性毒性試験
本発明の誘導体および対照薬物の安全性を比較評価するために、Sprague-Dawley系雄のラット(5週齢)を用いて簡易単回投与毒性試験を実施した。試験物質を静脈および経口に単回投与した後、個体別死亡の有無を観察し、その結果を下記表6に示した。
【0112】
【表6】

【0113】
試験結果は、前記表6に示したように、実施例2、35、40、および45の化合物が、シタロプラムに比べて最小致死量が高くて安全であることが示され、特に実施例2の化合物は、シタロプラム対比2倍以上優れた物質であることが判明した。
【0114】
<実験例5>心臓毒性試験
本発明の誘導体および対照薬物の安全性を比較するために、安全性薬理実験項目の中で代表的な心臓毒性の予測評価法である、hERG(human Ether-a-go-go Related Gene)分析を実施した。本実験は、関連実験の代表的な国外委託試験遂行機関であるMDS Pharma.に依頼して実施し、その結果は、下記の表7に示したとおりである。下記表7に記載された値は、IC50(μM)を意味する。
【0115】
【表7】

【0116】
試験の結果、前記表7に示されたように実施例2の化合物が、シタルロプラムに比べて IC50値が約4倍高いことが示された。これは、本発明の化合物が、カリウムチャンネル阻害活性が非常に低く、不整脈のような心臓毒性を誘発する可能性がシタロプラムに比べて非常に低く、安全性が非常に優れていることを意味する。
【0117】
<実験例6>変異原性試験
本発明による実施例2、35、40および45の化合物の安全性評価のために、変異原性に対する評価を行なった。代表的な試験法であるエイムズ試験および染色体異常に対する評価を実施した。変異原性試験の結果は、下記表8のとおりである。
【0118】
【表8】

【0119】
試験結果、前記表8に示したように実施例2、35、40および45の化合物は、変異原性を示さない一方、シタロプラムは、前記試験でともに陽性反応を示すことが報告されたことがあり、安全性が画期的に改善されたことが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩:
【化1】

式中、Rは、置換または置換されないフェニル;または、ピリジニル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択されるヘテロサイクリルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である。
【請求項2】
は、置換または置換されないフェニル;または、ピリジニル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択されるヘテロサイクリルであり;前記Rが置換基を含む場合、該置換基は、C〜Cのアルキル、C〜Cのアルキルオキシ、C〜Cのジアルキルアミノまたはハロゲンであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項1に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
は、置換または置換されないフェニル;または、ピリジニル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択されるヘテロサイクリルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項1に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
は、C〜Cのアルキルオキシで置換されたフェニルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項1に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
はメトキシフェニルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項4に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
はメトキシフェニルであり;
は、ジメチルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項5に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
は置換されないフェニルまたはC〜Cアルキルで置換されたフェニルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項1に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
は置換されないフェニルまたはトルイルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項7に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
は置換されないフェニルまたはトルイルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項8に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
は、C〜Cのジアルキルアミノに置換されたフェニルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項1に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
はジメチルアミノフェニルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項10に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
はジメチルアミノフェニルであり;
は、ジメチルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項11に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
はチエニルであり;
は、C〜Cのジアルキルアミノ;または、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項1に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
はチエニルであり;
は、ジメチルアミノ、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項13に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
はハロゲンに置換されたフェニルであり;
は、ピリジリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、インダニル、ベンズチアゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、ピロリジニル、チエニル、トリアゾリル、ピロリルおよびフリルから選択される置換または置換されないヘテロサイクリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項1に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項16】
はハロゲンに置換されたフェニルであり;
は、ピラゾリルまたはイミダゾリルであり;
nは、1〜3の整数である、請求項15に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩。
【請求項17】
塩酸またはシュウ酸で形成されてなる、請求項1に記載の式1で表される誘導体の薬学的に許容可能な塩。
【請求項18】
下記化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩:
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−メトキシフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−メトキシフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−メトキシフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−メトキシフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−フェニル−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−フェニル−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−フェニル−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1−(4−トルイル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩、
1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ジメチルアミノ)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルシュウ酸塩、
1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1−(2−チエニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−フルオロフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−クロロフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−クロロフェニル)−1−{3−(イミダゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−クロロフェニル)−1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−クロロフェニル)−1−{2−(イミダゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−クロロフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、
1−(4−クロロフェニル)−1−{3−(ピラゾル−1−イル)プロピル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩、
1−(4−クロロフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、および
1−(4−クロロフェニル)−1−{2−(ピラゾル−1−イル)エチル}−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル塩酸塩。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項20】
早漏症の処置または予防のための方法であって、かかる処置または予防を要する患者に、請求項1〜18のいずれか一項に記載の式1で表される誘導体またはそれらの薬学的に許容可能な塩を、治療学的に有効な量で、投与する工程を含む、前記方法。
【請求項21】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の式1で表される誘導体の製造方法であって、
1)式2の5−シアノフタルイミドをRMgBrと反応させて、式3の化合物を製造する工程(工程1)、
2)式3の化合物の還元反応によって、式4の化合物を製造する工程(工程2)、
3)式4の化合物の環化反応によって、式5の化合物を製造する工程(工程3)、
4)式5の化合物の1位にアルキル基を導入して、式6の化合物を製造する工程(工程4)、
5)式6の化合物を脱保護させて、式7の化合物を製造する工程(工程5)、
6)式7の化合物をメタンスルホニルクロライドと反応させて、式8の化合物を製造する工程(工程6)、
7)式8の化合物のR基での置換および塩化によって、式1の化合物を製造する工程(工程7)
を含む、前記製造方法。
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】


【公表番号】特表2011−502981(P2011−502981A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531967(P2010−531967)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006445
【国際公開番号】WO2009/057974
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(501187848)ドン・ア・ファーム・カンパニー・リミテッド (20)
【Fターム(参考)】