説明

新規な9−デオキソ−9−ジヒドロ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAの3−デクラジノシル9a−N−カルバモイル及び9a−N−チオカルバモイル誘導体

本発明は、一般式(I)


(式中、
R1は、独立して、水素を表すか又はR2と共に二重結合を表し、
R2は、独立して、水素、ヒドロキシル又は式(II)


の基を表し、
Yはハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2から独立して選択された基で置換されているか又は置換されていない単環芳香族環を表し、また、
R2はR3と共にケトンを表すか又はR1と共に二重結合を表し、
R3は、独立して、水素を表すか又はR2と共にケトンを表すか又はR4と共にエーテルを表し、
R4は、独立して、ヒドロキシル、OCH3基を表すか又はR3と共にエーテルを表し、
R5は、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、
R6は、独立して、水素又はヒドロキシル保護基を表し、
Xは酸素又は硫黄を表す)で表される、9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの新規な3-デクラジノシル誘導体及びその無機酸又は有機酸との薬学的に許容され得る付加塩及びその水和物、抗菌活性を有する他のマクロライド系化合物の合成のための中間体、その製造方法、医薬組成物の調製方法、並びに、バクテリアの感染の処置のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアザライド系抗生物質のクラスからの新規な化合物に関する。特に、本発明は9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル−9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAのクラスからの新規な3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される塩、その無水物、その製造方法、その医薬組成物の調製方法及びその抗生物質としての使用又は他のマクロライド系抗生物質の合成の中間体としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マクロライドは広範囲の感染症の治療のための周知の薬剤である。エリスロマイシンA
(McGuire J.M.,Antibiot.Chemother.1952;2:281)は、40年以上、グラム陽性バクテリア及びある種のグラム陰性バクテリア、ある種のレジオネラ(Legionella)、ミコプラズマ
(Mycoplasma)、クラミジア(Clamidia)及びヘリコバクター(Helicobactor)によって惹起される呼吸器及び生殖器の感染症の治療のための安全なかつ効率的な薬剤として認められている。エリスロマイシンのC-9ケトンのオキシム化(oximation)及びその後のベックマン転位及び還元により、9-デオキソ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA、アグリコン環に導入された9a-アミノ基を有する、最初の15-員マクロライド系抗生物質が得られる
(Kobrehel G.et al.,米国特許4,328,335号 5/1982)。
【0003】
エリスロマイシンのC-6 ヒドロキシル基をO-メチル化することによりクラリスロマイシン(6-0-メチルエリスロマイシンA)が得られる(Morimoto S. et al.,J.Antibiotics
1984,37、187)。エリスロマイシンAと比較して、クラリスロマイシンはより安定であり、グラム陰性種に対してより大きな生体外活性を示す(Kirst H.A.et al.,AntimicrobAgents and Chemother.1989,1419)。
【0004】
大きな抗生物質活性を示す、9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル誘導体が記載されている(Kujund I
et al.,Eur.J.Med.Chem.1995、30、455)。
【0005】
14員マクロライドについての最近の研究により新規なクラスのマクロライド系抗生物質であるケトライド及びアンヒドロライドが発見されたことは良く知られている。弱酸性媒体中でさえも不安定なことが知られている中性糖、L-クラジノースの代わりに、ケトライドはC-3位にケト基を有している(Agouridas C.et al.,EP 596802 A1 5/1994、
Le Martret O.,FR 2697524 A1 5/94)。無水物は2.3アンヒドロ基を有することを特徴とする(Elliott R.et al.,J.Med.Chem.1998.41,1651)。ケトライドはMLS(マクロライド、リンコサミド及びストレプトグラミンB)誘発-耐性生物に対して著しく良好な活性を示す(Jamjian C.,Antimicrob. Agents Chemother.1997,41,485)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル−9-デオキソ-9-ジヒドロ-
9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸
との薬理学的に許容される付加塩、その製造方法及び中間体並びに医薬製剤の調製と適用方法を目的とする。
【0007】
本発明は
i)新規な9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル−9-デオキソ-9-ジヒドロ-
9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸
との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物、
ii)新規な9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル−9-デオキソ-9-ジヒドロ-
9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸
との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物の製造方法、
iii)新規な9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル−9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物の、抗生物質としての使用又は
iv)新規な9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル−9-デオキソ-9-ジヒドロ-
9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの3-デクラジノシル誘導体、その無機酸又は有機酸
との薬理学的に許容される付加塩及びその水和物の、他のマクロライド系抗生物質の合成のための中間体としての使用
に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般式(I)

(式中、
R1は、独立して、水素を表すか又はR2と共に二重結合を表し、
R2は、独立して、水素、ヒドロキシル又は式(II)

の基を表し、
Yはハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2から独立して選択された基で置換されているか又は置換されていない単環芳香族環を表し、また、
R2はR3と共にケトンを表すか又はR1と共に二重結合を表し、
R3は、独立して、水素を表すか又はR2と共にケトンを表すか又はR4と共にエーテルを表し、
R4は、独立して、ヒドロキシル、OCH3基を表すか又はR3と共にエーテルを表し、
R5は、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、
R6は、独立して、水素又はヒドロキシル保護基を表し、
Xは酸素又は硫黄を表す)で表される、新規な9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの新規な3-デクラジノシル誘導体及びその無機酸又は有機酸との薬学的に許容され得る付加塩及びその水和物を主題とする。
【0009】
“ヒドロキシル保護基”という用語は合成による望まない反応を封鎖するたのベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、アセチル又は置換シリル基を意味するが、これらに限定されるものではない(Green T.H.及びWuts P.G.M.,Protective Groups in Organic
Synthesis,3版,Wiley & Sons,New York,1999)。
【0010】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、X及びYが前記した意義を有する一般式(I)の化合物は、本発明の方法によって調製し得る。この調製方法(これも本発明の主題である)は工程図1及び2に例示されている:
【0011】

【0012】
本発明の主題である化合物の合成のための工程図1に記載の出発化合物は、Kobrehl G.等の米国特許4,328,334号(5/1982)及びDenis A 及びAgouridas C.の文献、Bioorg.Med.Chem.Lett.1998,8,2427に記載の方法で製造される(一般式1の化合物)。
【0013】
工程1
R4が独立してヒドロキシル又はOCH3基を表す式1の化合物を、反応に不活性な溶剤、好ましくはトルエン又はアセトニトリル中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で、30分〜50時間、式R5-N=C=X (式中、R5及びXは前記の意義を有する)のイソシアネート又はイソチオシアネートと反応させて、R4が独立してヒドロキシル又はOCH3基を表し、R5及びXが前記の意義を有する式2(工程図1)の9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル誘導体を得る。
【0014】
全ての置換基が前記の意義を有する式2の9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル誘導体を、2’-位のヒドロキシル基の選択的アシル化にかける。アシル化は炭素数4個までのカルボン酸の塩化物又は無水物、好ましくは無水酢酸を使用して、無機塩基又は有機塩基の存在下、反応に不活性な溶剤中で、0-30℃の温度で行って、R4が独立してヒドロキシル又はOCH3基を表し、R5及びXが前記の意義を有し、R6がヒドロキシル保護基、好ましくはアセチルを表す、式3(工程図1)の2’-O-アシル誘導体を得る。
【0015】
適当な塩基としては炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミンが使用される。適当な不活性溶剤としては塩化メチレン、ジクロロメタン、アセトン、ピリジン、酢酸エチル、テトラヒドロフランが使用される。
【0016】
工程2
場合により、工程1からの2’-O-アセチル誘導体を、無機又は有機塩基の存在下、反応に不活性な溶剤、好ましくは塩化メチレン中で、0〜30℃の温度で3〜100時間、
式 Z-COO-R’(式中、Zは、独立して、水素を表すか、又は、上記で定義した基Yを表し、R’はピバロイル-、p-トルエンスルホニル-、イソブトキシカルボニル-、エトキシカルボニル-又はイソプロポキシカルボニル-基のごとき、混合無水物の調製に通常使用される基を表す)のカルボン酸の混合無水物と反応させて、R4が、独立して、ヒドロキシル又は
OCH3基を表し、R6がアセチル基を表し、置換基R5、X及びYが前記の意義を有する式4(工程図2)の化合物を得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、R4、R5、X及びYが前記の意義を有する式4(工程図2)の化合物を得る。
【0017】
又は、場合により、
R4がOCH3基を表し、全ての他の置換基が工程1で定義したごとき意義を有する、工程1からの2’-O-アセチル誘導体を、修正モファット-フィッツナー(Moffat-Pfitzner)法に従って、N,N-ジメチルアミノプロピル-3-エチル-カルボジイミドを使用して、触媒としてのジメチルスルホキシド及びピリジニウム トリフルオロアセテートの存在下、不活性有機溶剤、好ましくは塩化メチレン中で、10℃〜室温までの温度でアグリコン環のC-3位のヒドロキシル基の酸化にかけて、R4がOCH3基を表し、R6がアセチル基を表し、置換基R5及びXが前記の意義を有する、式5(工程図2)の化合物を得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、全ての他の置換基が前記の意義を有する、式5
(工程図2)の化合物を得る。別法として、C-3 ヒドロキシル基をデス-マルチン(Dess Martin)過沃素酸塩試薬を使用して酸化することも可能である。
【0018】
又は、場合により、
R4がヒドロキシル基を表し、全ての他の置換基が工程1におけるごとき意義を有する工程1からの2’-O-アセチル誘導体を、式5(工程図2)の化合物を得るために記載した酸化にかけて、R6がアセチル基表し、R5及びXが前記の意義を有する、式6(工程図2)によって示される3,6-ヘミケタール構造を有する化合物が形成させる。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度の範囲の温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、R5及びXが前記の意義を有する式6(工程図2)の化合物を得る。
【0019】
又は、場合により、
R4がOCH3基を表し、全ての他の置換基が工程1におけるごとき意義を有する工程1からの2’-O-アセチル誘導体を、不活性有機溶剤、好ましくはピリジン中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で、10〜50時間、脱水に適当な薬剤、好ましくは無水メチルスルホニルと接触させて、位置3上のヒドロキシル基を良好な脱離性基に変換させる。ついで、形成された中間体を不活性有機溶剤、好ましくはテトラヒドロフラン中で、10℃〜室温までの温度で、適当な薬剤、好ましくは水素化ナトリウムを使用する除去反応にかけて、R4
OCH3基を表し、R6がアセチル基を表し、R5及びXが前記の意義を有する式7(工程図2)の
2,3アンヒドロ誘導体を得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、R4、R5及びXが前記の意義を有する式7(工程図2)の化合物を得る;
又は、場合により、
R4がOH基を表し、全ての他の置換基が工程1におけるごとき意義を有する工程1からの2’-O-アセチル誘導体を、式7(工程図2)の化合物を得るのに記載した脱水に適当な薬剤と接触させて、R6がアセチル基を表し、R5及びXが前記の意義を有する式8(工程図2)の
3,6-環状エーテルを得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、R5及びXが前記の意義を有する式8(工程図2)の化合物を得る。
【0020】
薬理学的に許容され得る付加塩(これも本発明の主題である)は、一般式(I)の新規化合物と少なくとも1種の等モル量の適当な無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、沃化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、クエン酸、ステアリン酸、ジャンタル酸(jantaric acid)、エチルジャンタル酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ラウリルスルホン酸及び他の酸とを反応に不活性な媒体中で反応させることにより調製される。付加塩はろ過(使用した溶剤に付加塩が溶解しない場合)、沈殿、溶剤の蒸発又は凍結乾燥により単離し得る。
【実施例】
【0021】
本発明の方法を実施例により例示するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0022】
実施例1
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液にイソプロピルイソシアネート(0.17g)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶剤を蒸発させて1.15gの粗生成物を得た。
【0023】
アセトン-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 0.97gを得た。
【0024】

【0025】
実施例2
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-エチルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液にエチルイソシアネート(0.175g)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶剤を蒸発させて1.24gの粗生成物を得た。
【0026】
アセトン-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 0.98gを得た。
【0027】

【0028】
実施例3
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(t-ブチル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液にt-ブチルイソシアネート(0.198g)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶剤を蒸発させて1.20gの粗生成物を得た。
【0029】
アセトン-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 0.95gを得た。
【0030】

【0031】
実施例4
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-ベンジルカルバモイル)-9a-アザ-
9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液にベンジルイソシアネート(0.25g)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物から沈殿をろ過して粗生成物(1.18g)を得た。
【0032】
アセトン-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 0.82gを得た。
【0033】

【0034】
実施例5
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(3-トリフルオロメチルフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液に3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(0.33g)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。溶剤を蒸発させて1.30gの粗生成物を得た。
【0035】
エチルエーテル-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 0.98gを得た。
【0036】

【0037】
実施例6
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2-トリフルオロメチルフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液に2-トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(0.35g)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。溶剤を蒸発させて1.29gの粗生成物を得た。
【0038】
エチル-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 0.84gを得た。
【0039】

【0040】
実施例7
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(3-トリフルオロメチルフェニル)チオカルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液に3-トリフルオロメチルフェニルイソチオシアネート
(0.35g)を添加した。反応混合物を室温で15分間撹拌した。反応混合物からの沈殿のろ過により粗生成物(1.18g)を得た。
【0041】
アセトン-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 0.92gを得た。
【0042】

【0043】
実施例8
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-ベンジルチオチオカルバモイル)-
9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液にベンジルイソチオシアネート(0.38g)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を蒸発させて1.35gの粗生成物を得た。
【0044】
エチルエーテル-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 1.06gを得た。
【0045】

【0046】
実施例9
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(3.00g)のトルエン(50ml)中の溶液に2,4-ジクロロフェニルイソシアネート(1.07g)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶剤を蒸発させて3.80gの粗生成物を得た。
【0047】
エチルエーテル-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物 4.26gを得た。
【0048】

【0049】
実施例10
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-アリルチオカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.00g)のトルエン(20ml)中の溶液にアリルイソチオシアネート(0.19g)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶剤を蒸発させて1.20gの粗生成物を得た。
【0050】
エチルエーテル-石油エーテル混合物から結晶化させて、下記の物理化学常数を有する、クロマトグラフィー的に均質な生成物0.72gを得た。
【0051】

【0052】
実施例11
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.00g)のCH2Cl2(20ml)中の溶液にNaHCO3(1.01g)と無水酢酸(173μl)を添加し、混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物にNaHCO3飽和溶液を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、
NaHCO3飽和溶液及び水で洗浄し、蒸発させて下記の物理化学常数を有する表題化合物
(1.10g)を得た。
【0053】

【0054】
実施例12
2’-O-アセチル-3-0-メシル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.00g)のピリジン(5ml)中の溶液に無水メチルスルホニル(0.30g)を添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残渣をCH2Cl2(20ml)に溶解した。NaHCO3飽和水溶液(20ml)を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、NaHCO3及び塩水で洗浄し、
K2CO3上で乾燥し、蒸発させて下記の物理化学常数を有する表題化合物 0.87gを得た。
【0055】

【0056】
実施例13
3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
実施例11からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.50g)のCH2Cl2(30ml)中の溶液にジメチルスルホキシド(2.00ml)及びN、N、N-ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド(2.30ml)を添加した。反応混合物を15℃に冷却しついで、温度を一定に保持しながら、ピリジニウム トロフルオロアセテート(2.30g)のCH2Cl2(10ml)中の溶液を30分間で滴下した。反応混合物を15℃〜室温で更に2時間攪拌した。反応混合物にNaClの飽和水溶液(40ml)を添加し、pH値を9.5に調整した。層を分離させ、水性層をCH2Cl2で2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、塩水、NaHCO3及び水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて1.36gの粗生成物を得、これをMeOH(50ml)に溶解し、室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残渣を溶剤系CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.3を使用してシリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.313g)を得た。
【0057】

【0058】
実施例14
3-デクラジノシル-3,6-環状エーテル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
実施例12からの2’-O-アセチル-3-0-メシル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(0.80g)のDMF/THF(3.5ml/1ml)中の溶液に、鉱油(163mg)中のNaHの懸濁液(60%)を添加し、反応混合物を0℃で5時間攪拌しついで室温で更に20時間攪拌した。反応混合物をNaHCO3飽和水溶液(20ml)中に注入し、EtOAc(20ml)を添加し、層を分離させた。水性層をEtOAcで更に2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、NaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.53gの生成物を得た。得られた生成物をMeOH(20ml)に溶解させついで室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物を溶剤系CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.3を使用してシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.17g)を得た。
【0059】

【0060】
実施例15
3-デクラジノシル-3-O-(ニトロフェニル)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
無水CH2Cl2(25ml)中の4-ニトロフェニル酢酸(0.85g)の溶液にTEA(0.65ml)を添加し、反応混合物を2-5℃に冷却した。塩化ピバロイル(0.57ml)を添加し、反応混合物を上記と同一の温度で30分間攪拌した。反応混合物にピリジン(1.27ml)と、実施例11からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.00g)の無水CH2Cl2(5ml)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で20時間攪拌した。NaHCO3の飽和水溶液(30ml)を添加し、層を分離させた。水性層をCH2Cl2で更に2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて1.429gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH(50ml)に溶解させついで室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物を溶剤系CH2Cl2:MeOH:
NH4OH=90:3:0.3を使用してシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.45g)を得た。
【0061】

【0062】
実施例16
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(6.60g)のCH2Cl2(250ml)中の溶液に、NaHCO3
(3.25g)及び無水酢酸(895μl)を添加し、混合物を室温で24時間攪拌した。反応混合物に
NaHCO3飽和溶液を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で更に2回抽出した。有機抽出物をNaHCO3飽和溶液及び水で洗浄し、蒸発させて下記の理化学常数を有する表題化合物
(6.30g)を得た。
【0063】

【0064】
実施例17
2’-O-アセチル-3-O-メシル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.50g)のピリジン(60ml)中の溶液に無水メチルスルホニル(1.16g)を添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残渣をCH2Cl2(50ml)に溶解させた。NaHCO3飽和水溶液(50ml)を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で更に2回抽出した。一緒にした有機抽出物をNaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて下記の理化学常数を有する粗生成物 1.62gを得た。
【0065】

【0066】
実施例18
3-デクラジノシル-3,6-ヘミケタール-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
実施例16からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(2.00g)の
CH2Cl2(30ml)の溶液に、ジメチルスルホキシド(2.66ml)及びN、N、N-ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド(2.85ml)を添加した。反応混合物を15℃に冷却しついで、温度を一定に保持しながら、ピリジニウム トリフルオロアセテート(2.15g)のCH2Cl2(10ml)中の溶液を30分間で滴下した。反応混合物を15℃〜室温で更に2時間攪拌した。反応混合物にNaClの飽和水溶液(40ml)を添加し、pH値を9.5に調整した。層を分離させ、水性層を
CH2Cl2で更に2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、塩水、NaHCO3及び水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて1.10gの粗生成物を得、これをMeOH(50ml)に溶解し、室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残渣を溶剤系CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.3を使用してシリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.516g)を得た。
【0067】

【0068】
実施例19
3-デクラジノシル-3,6-環状エーテル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
実施例12からの2’-O-アセチル-3-0-メシル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
(1.50g)のDMF/THF(57ml/19ml)中の溶液に、鉱油(270mg)中のNaHの懸濁液(60%)を添加し、反応混合物を0℃で5時間攪拌しついで室温で更に20時間攪拌した。反応混合物を
NaHCO3の飽和水溶液(30ml)中に注入し、EtOAc(30ml)を添加し、層を分離させた。水性層をEtOAcで更に2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、NaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて1.25gの生成物を得た。得られた生成物をMeOH(20ml)に溶解させついで室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物を溶剤系CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.3を使用してシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物
(0.27g)を得た。
【0069】

【0070】
実施例20
3-デクラジノシル-3-O-(4-ニトロフェニル)アシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
無水CH2Cl2(25ml)中の4-ニトロフェニル酢酸(0.74g)の溶液にTEA(0.57ml)を添加し、反応混合物を2-5℃に冷却した。塩化ピバロイル(0.50ml)を添加し、反応混合物を上記と同一の温度で30分間攪拌した。反応混合物にピリジン(1.1ml)と、実施例16からの2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.00g)の無水CH2Cl2(5ml)中の溶液を添加し、反応混合物を室温で20時間攪拌した。NaHCO3の飽和水溶液(30ml)を添加し、層を分離させた。水性層をCH2Cl2で更に2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて1.14gの油状生成物を得た。得られた生成物をMeOH
(50ml)に溶解させついで室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物を溶剤系
CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.3を使用してシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.52g)を得た。
【0071】

【0072】
実施例21
3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(0.20g)のアセトニトリル(20ml)中の溶液にイソプロピルイソシアネート(0.07ml)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶剤を蒸発させて、0.25gの粗生成物を得た。粗生成物を溶剤系(CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:5:0.5)を使用してシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.128g)を得た。
【0073】

【0074】
実施例22
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.08g)のCH2Cl2(20ml)中の溶液に、NaHCO3
(0.54g)と無水酢酸(166μl)を添加し、混合物を室温で20時間攪拌した。反応混合物に
NaHCO3飽和溶液を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で更に2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、NaHCO3飽和溶液及び水で洗浄し、蒸発させて下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.68g)を得た。
【0075】

【0076】
実施例23
2’-O-アセチル-3-O-メシル-6-O-Me-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(0.35g)のピリジン(15ml)中の溶液に無水メチルスルホニル(0.30g)を添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残渣をCH2Cl2(20ml)に溶解させた。NaHCO3飽和水溶液(20ml)を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で更に2回抽出した。一緒にした有機抽出物をNaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて下記の理化学常数を有する粗生成物0.36gを得た。
【0077】

【0078】
実施例24
3-ケト-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(0.180g)のCH2Cl2(10ml)中の溶液に、ジメチルスルホキシド(0.21ml)及びN、N、N-ジメチル-アミノプロピル-エチル-カルボジイミド(0.28ml)を添加した。反応混合物を15℃に冷却しついで、温度を一定に保持しながら、ピリジニウム トリフルオロアセテート(0.22g)のCH2Cl2(5ml)中の溶液を30分間で滴下した。反応混合物を15℃〜室温で更に2時間攪拌した。反応混合物にNaClの飽和水溶液(20ml)を添加し、pH値を9.5に調整した。層を分離し、水性層をCH2Cl2で2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、塩水、NaHCO3及び水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.15gの粗生成物を得、これをMeOH(20ml)に溶解し、室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残渣を溶剤系CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.3を使用してシリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.074g)を得た。
【0079】

【0080】
実施例25
2,3-アンヒドロ-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
2’-O-アセチル-3-0-メシル-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-
(N’-イソプロピルカルバモイル)-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(0.35g)のDMF/THF (17ml/5ml)中の溶液に、鉱油(90mg)中のNaHの懸濁液(60%)を添加し、反応混合物を0℃で5時間攪拌した。反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液(20ml)中に注入し、EtOAc(20ml)を添加し、層を分離させた。水性層をEtOAcで更に2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、
NaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.53gの生成物を得た。得られた生成物をMeOH(20ml)に溶解させついで室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物を溶剤系(CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.3)を使用してシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.031g)を得た。
【0081】

【0082】
実施例26
3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(0.20g)のアセトニトリル(20ml)中の溶液に、2,4-ジクロロフェニルイソシアネート
(0.0646)を添加した。反応混合物を室温で30分間攪拌した。溶剤を蒸発させ、0.254gの粗生成物を得た。粗生成物を溶剤系(CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:5:0.5)を使用してシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.169g)を得た。
【0083】

【0084】
実施例27
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(0.12g)のCH2Cl2(10ml)中の溶液に、NaHCO3(0.058g)と無水酢酸(15μl)を添加し、混合物を室温で24時間攪拌した。反応混合物にNaHCO3飽和溶液を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、NaHCO3飽和溶液及び水で洗浄し、蒸発させて下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.115g)を得た。
【0085】

【0086】
実施例28
2’-O-アセチル-3-O-メシル-6-O-Me-3-デクラジノシル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’- (2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.50g)のピリジン(60ml)中の溶液に無水メチルスルホニル(1.16g)を添加し、反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残渣をCH2Cl2(50ml)に溶解させた。NaHCO3飽和水溶液(50ml)を添加し、層を分離させ、水性層をCH2Cl2で2回抽出した。一緒にした有機抽出物をNaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて下記の理化学常数を有する粗生成物1.57gを得た。
【0087】

【0088】
実施例29
3-ケト-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
2’-O-アセチル-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(0.73g)のCH2Cl2
(20ml)中の溶液に、ジメチルスルホキシド(1.00ml)及びN、N、N-ジメチル-アミノプロピル-エチル-カルボジイミド(1.026)を添加した。反応混合物を15℃に冷却しついで、温度を一定に保持しながら、ピリジニウム トリフルオロアセテート(1.03g)のCH2Cl2(20ml)中の溶液を30分間で滴下した。反応混合物を15℃〜室温で更に10時間攪拌した。反応混合物にNaClの飽和水溶液(20ml)を添加し、pH値を9.5に調整した。層を分離させ、水性層を
CH2Cl2で2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、塩水、NaHCO3及び水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.63gの粗生成物を得、これをMeOH(20ml)に溶解し、室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、残渣を溶剤系(CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:5:0.5)を使用してシリカゲルカラム上での低圧クロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物
(0.253g)を得た。
【0089】

【0090】
実施例30
2.3-アンヒドロ-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA
2’-O-アセチル-3-0-メシル-3-デクラジノシル-6-O-Me-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-N-
[N’-(2,4-ジクロロフェニル)カルバモイル]-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンA(1.00g)のDMF/THF(45ml/13ml)中の溶液に、鉱油(400mg)中のNaHの懸濁液(60%)を添加し、反応混合物を0℃で攪拌した。反応混合物をNaHCO3の飽和水溶液(50ml)中に注入し、EtOAc
(50ml)を添加し、層を分離させた。水性層をEtOAcで更に2回抽出した。有機抽出物を一緒にし、NaHCO3及び塩水で洗浄し、K2CO3上で乾燥し、蒸発させて0.32gの生成物を得た。得られた生成物をMeOH(20ml)に溶解させついで室温で24時間攪拌した。溶剤を蒸発させ、粗生成物を溶剤系(CH2Cl2:MeOH:NH4OH=90:3:0.3)を使用してシリカゲルカラム上でのクロマトグラフィーにより精製した。クロマトグラフィー的に均質な留分を一緒にし、蒸発させて、下記の物理化学常数を有する表題化合物(0.024g)を得た。
【0091】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)

(式中、
R1は、独立して、水素を表すか又はR2と共に二重結合を表し、
R2は、独立して、水素、ヒドロキシル又は式(II)

の基を表し、
Yはハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2から独立して選択された基で置換されているか又は置換されていない単環芳香族環を表し、また、
R2はR3と共にケトンを表すか又はR1と共に二重結合を表し、
R3は、独立して、水素を表すか又はR2と共にケトンを表すか又はR4と共にエーテルを表し、
R4は、独立して、ヒドロキシル、OCH3基を表すか又はR3と共にエーテルを表し、
R5は、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、
R6は、独立して、水素又はヒドロキシル保護基を表し、
Xは酸素又は硫黄を表す)で表される、9a-N-カルバモイル及び9a-N-チオカルバモイル-9-デオキソ-9-ジヒドロ-9a-アザ-9a-ホモエリスロマイシンAの新規な3-デクラジノシル誘導体及びその無機酸又は有機酸との薬学的に許容され得る付加塩及びその水和物。
【請求項2】
R1とR3が水素を表し、R2がヒドロキシルを表し、R4が、独立して、ヒドロキシルを表すか又はOCH3基を表し、R5が、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xは酸素又は硫黄を表し、R6は水素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R4がヒドロキシルを表し、R5がエチル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R4がヒドロキシルを表し、R5がt-ブチル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R4がヒドロキシルを表し、R5がイソプロピル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
R4がOCH3基を表し、R5がイソプロピル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
R4がヒドロキシルを表し、R5がアリル基を表し、Xが硫黄を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
R4がヒドロキシルを表し、R5がベンジル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
R4がヒドロキシルを表し、R5がベンジル基を表し、Xが硫黄を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
R4がヒドロキシルを表し、R5が2-トリフルオロメチルフェニル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項11】
R4がヒドロキシルを表し、R5が3-トリフルオロメチルフェニル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
R4がヒドロキシルを表し、R5が3-トリフルオロメチルフェニル基を表し、Xが硫黄を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項13】
R4がOCH3基を表し、R5が2,4-ジクロロフェニル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項14】
R4がヒドロキシル基を表し、R5が2,4-ジクロロフェニル基を表し、Xが酸素を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項15】
R1とR3が水素を表し、R2が式(II)の基を表し、Yが、独立して、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2から独立して選択された基で置換されているか又は置換されていない単環芳香族環を表し、R4が、独立して、ヒドロキシル又はOCH3基を表し、R5が、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xは酸素又は硫黄を表し、R6は水素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Yが4-NO2 置換フェニルを表し、R4がヒドロキシルを表し、R5がイソプロピル基を表し、Xが酸素を表す、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
Yが4-NO2 置換フェニルを表し、R4がヒドロキシルを表し、R5が2,4-ジクロロフェニル基を表し、Xが酸素を表す、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
R1、R2及びR6が水素を表し、R3がR4と共にエーテルを表し、R5が、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xは酸素又は硫黄を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
R5がイソプロピル基を表し、Xは酸素を表す、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
R5が2,4-ジクロロフェニル基を表し、Xは酸素を表す、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
R1及びR6が水素を表し、R2がヒドロキシルを表し、R3がR4と共にエーテルを表し、R5が、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xは酸素又は硫黄を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
R5がイソプロピル基を表し、Xは酸素を表す、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
R5が2,4-ジクロロフェニル基を表し、Xは酸素を表す、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
R1及びR6が水素を表し、R2がR3と共にケトンを表し、R4がOCH3を表し、R5が、独立して、
C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xは酸素又は硫黄を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
R5がイソプロピル基を表し、Xは酸素を表す、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
R5が2,4-ジクロロフェニル基を表し、Xは酸素を表す、請求項24に記載の化合物。
【請求項27】
R1がR2と共に二重結合を表し、R3とR6が水素を表し、R4がOCH3を表し、R5が、独立して、
C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xは酸素又は硫黄を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
R5がイソプロピル基を表し、Xは酸素を表す、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
R5が2,4-ジクロロフェニル基を表し、Xは酸素を表す、請求項24に記載の化合物。
【請求項30】
a)R4が独立してヒドロキシル又はOCH3基を表す式1の出発化合物(工程図1)と式
R5-N=C=X(式中、R5及びXは前記の意義を有する)のイソシアネート又はイソチオシアネートとを、反応に不活性な溶剤、好ましくはトルエン又はアセトニトリル中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で、30分〜50時間反応させて、R1及びR3が水素を表し、R2がヒドロキシルを表し、R4が、独立して、ヒドロキシル又はOCH3基を表し、R5が独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arが、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xが酸素又は硫黄を表し、R6が水素を表す一般式(I)の化合物を得る;ついで、この化合物を
b)無機又は有機塩基の存在下、反応に不活性な溶剤中で、0〜30℃の温度で、好ましくは4個までの炭素原子を有するカルボン酸の塩化物又は無水物を使用して、好ましくは、アセチル基を使用して、アシル化により2’-位のヒドロキシル基の選択的アシル化にかけて、R6がアセチル基を表し、置換基R1、R2、R3、R4、R5及びX がa)で定義した意義を有する一般式(I)の2’-O-アシル誘導体を得る;ついで、場合により、この化合物を
c1)無機又は有機塩基の存在下、反応に不活性な溶剤、好ましくは塩化メチレン中で、0〜30℃の温度で3〜100時間、式 Z-COO-R’(式中、Zは、独立して、水素を表すか、又は、上記で定義した基Yを表し、R’はピバロイル-、p-トルエンスルホニル-、イソブトキシカルボニル、-エトキシカルボニル-又はイソプロポキシカルボニル-基のごとき、混合無水物の調製に通常使用される基を表す)のカルボン酸の混合無水物と反応させて、R1及びR3が水素を表し、R2が式(II)の基を表し、Yが、独立して、ハロゲン、OH、OMe、NO2
NH2から独立して選択された基で置換されているか又は置換されていない単環芳香族環を表し、R4が、独立して、ヒドロキシル又はOCH3基を表し、R5が、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arが、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xが酸素又は硫黄を表し、R6がアセチル基を表す一般式(I)の化合物を得る;ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、全ての他の置換基が前記の意義を有する一般式(I)の化合物を得る;
あるいは、場合により、この化合物を
c2)R4がOCH3基を表し、残りの置換基がb)で定義した意義を有するものである場合には、修正モファット-フィッツナー法に従って、N,N-ジメチルアミノプロピル-3-エチル-カルボジイミドを使用して、触媒としてのジメチルスルホキシド及びピリジニウム トリフルオロアセテートの存在下、不活性有機溶剤、好ましくは塩化メチレン中で、10℃〜室温までの温度で、アグリコン環のC-3位のヒドロキシル基の酸化にかけて、R1が水素を表し、R2がR3と共にケトンを表し、R4がOCH3基を表し、R5が、独立して、C1-C4アルキル基、
C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arが、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xが酸素又は硫黄を表し、R6がアセチル基を表す一般式(I)の化合物を得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度の範囲の温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、全ての他の置換基が前記の意義を有する一般式(I)の化合物を得る;
あるいは、場合により、この化合物を
c3)R4がヒドロキシルを表し、残りの置換基がb)で定義した意義を有するものである場合には、工程c2)から一般式(I)の化合物を得るために記載した酸化にかけて、R1が水素を表し、R2がヒドロキシルを表し、R3がR4と共にエーテルを表し、R5が、独立して、
C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arが、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xが酸素又は硫黄を表し、R6がアセチル基を表す一般式(I)によって示される3,6-ヘミケタール構造を有する化合物を得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度の範囲の温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、全ての他の置換基が前記の意義を有する一般式(I)の化合物を得る;
あるいは、場合により、この化合物を
c4)R4がOCH3基を表し、残りの置換基がb)で定義した意義を有するものである場合には、不活性有機溶剤、好ましくはピリジン中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で、10〜50時間、脱水に適当な薬剤、好ましくは無水メチルスルホニルと接触させて、位置3上のヒドロキシル基を良好な脱離性基に変換させる。ついで、形成された中間体を不活性有機溶剤、好ましくはテトラヒドロフラン中で、10℃〜室温までの温度で、適当な薬剤、好ましくは水素化ナトリウムを使用する脱離反応にかけて、R1がR2と共に二重結合を表し、R3が水素を表し、R4がOCH3基を表し、R5が、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arが、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xが酸素又は硫黄を表し、R6がアセチル基を表す一般式(I)の2,3-アンヒドロ誘導体を得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、全ての他の置換基が前記の意義を有する一般式(I)の化合物を得る;
c5)R4がヒドロキシルを表し、残りの置換基がb)で定義した意義を有するものである場合には、工程c4)で述べた適当な薬剤を使用する脱離反応にかけて、R1とR2が水素を表し、R3がR4と共にエーテルを表し、R5が、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arが、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、Xが酸素又は硫黄を表し、R6がアセチル基を表す一般式(I)の3、6-環状エーテルを得る。ついで、形成された化合物を、低級アルコールを使用して、好ましくはメタノール中で、室温〜溶剤の還流温度までの温度で脱保護にかけて、R6が水素を表し、全ての他の置換基が前記の意義を有する一般式(I)の化合物を得る;ことを特徴とする、一般式(I)

(式中、
R1は、独立して、水素を表すか又はR2と共に二重結合を表し、
R2は、独立して、水素、ヒドロキシル又は式(II)

の基を表し、
Yは、独立して、ハロゲン、OH、OMe、NO2、NH2から独立して選択された基で置換されているか又は置換されていない単環芳香族環を表し、あるいは、
R2はR3と共にケトンを表すか又はR1と共に二重結合を表し、
R3は、独立して、水素を表すか又はR2と共にケトンを表すか又はR4と共にエーテルを表し、
R4は、独立して、ヒドロキシル、OCH3基を表すか又はR3と共にエーテルを表し、
R5は、独立して、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、-(CH2)m-Arを表し、Arは、独立して、フェニルを表すか又はハロゲン又はハロゲンアルキルから独立して選択された1個又は2個の基で置換されたフェニルを表し、m は0〜3であり、
R6は、独立して、水素又はヒドロキシル保護基を表し、
Xは酸素又は硫黄を表す)で表される化合物、その無機酸又は有機酸との薬学的に許容され得る付加塩及びその水和物の製造方法。


【公表番号】特表2007−501268(P2007−501268A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530610(P2006−530610)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/HR2004/000014
【国際公開番号】WO2004/101591
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(504378294)プリバ−イストラツイヴアツキー インスティテュト デイ.オー.オー (17)
【Fターム(参考)】