説明

新規イミダゾロン化合物

【課題】低分子、非ペプチド性のグアニル酸シクラーゼ受容体Aの作動剤の提供。
【解決手段】次式(Ia)又は(IIa)のイミダゾロン化合物。


(R〜Rは、水素原子、C〜C6アルキル基等を表し、Xは、NH基等を表し、Zは、フェニル基等を表す)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グアニル酸シクラーゼ受容体Aの作動作用を有する新規なイミダゾロン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ナトリウム利尿ペプチドは、類似した構造をもつ3種のペプチドであるANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)及びCNP(C型ナトリウムペプチド)から構成されている。これらのリガンドに対する受容体として、膜結合型グアニル酸シクラーゼである、GC−A(グアニル酸シクラーゼA)、GC−B(グアニル酸シクラーゼB)と、グアニル酸シクラーゼドメインを持たないC受容体の3種が同定されている。今までの研究で、GC−AはANP及びBNPに対する特異的受容体であり、GC−BはCNPの特異的受容体であることが判明している。また、C受容体はこれらのリガンドの代謝クリアランスに関与するとされており、クリアランス受容体と呼ばれている。
【0003】
ANP及びBNPはGC−Aに結合し、グアニル酸シクラーゼを活性化して、細胞内のcGMPを増加させることにより、動・静脈血管拡張作用、尿量及び尿中ナトリウム排泄増加作用を発現する。また、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン(RAA)系やバゾプレッシン系、交感神経系に拮抗する作用を有する。これらの作用は、総合的に血圧の低下や、体液量の低減などの心臓の負担を軽減する方向に働くことから、ヒト型ANP及びBNPは既に急性心不全の治療薬として臨床で用いられている。
一方、最近の研究により、ANPまたはBNPが、心肥大や線維化を抑制することや、抗炎症作用を持つことなども判明し、これらのペプチドが慢性心不全や、慢性腎不全あるいは閉塞性動脈硬化症など、種々の循環器系疾患治療に有用である可能性が示唆されている(非特許文献1、2)。
【0004】
しかしながら、ANP及びBNPはペプチドであり、医薬品として用いた場合、注射剤に限定されること、また、生体内での分解が速く、作用持続時間が短いため、急性期の適応に留まっているという課題がある(非特許文献1)。
また、ANP抗体、ANP受容体アンタゴニスト(拮抗薬)及びANP合成阻害剤を用いた、糖尿病における腎及び全身の血管拡張をコントロールし、糖尿病及びその合併症の治療に用いる方法が開示され、ANP受容体アンタゴニストの医薬としての有用性については記載されている。しかしながら、ANP受容体アゴニストの医薬品としての利用及びANP受容体アゴニストそのものについては、なんら具体的に開示されていない(特許文献1)。
【0005】
一方、非ペプチド系のグアニル酸シクラーゼ受容体に作用する物質としては、オーレオバシディウム属に属する微生物の培養物中から発見された、高分子多糖類のHS−142−1が唯一見出されているに過ぎない(特許文献2)。さらにHS−142−1は、GC−A及びGC−Bに対するアンタゴニストである。このように、受容体アゴニストで低分子化合物のものは今までに見出されていなかった。そこで、グアニル酸シクラーゼ受容体Aアゴニストであり、慢性疾患への適応可能な薬剤としての、非ペプチド且つ低分子の化合物の開発が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明者等は、グアニル酸シクラーゼ受容体Aの高発現株(非特許文献2)を用いて、グアニル酸シクラーゼ受容体Aアゴニスト作用を有する化合物を、保有する化合物ライブラリーからスクリーニングした。
【0007】
その結果、これらの化合物の中に弱いアゴニスト作用を示す化合物を見出し、その化合物から想定される活性を示す骨格について、様々な合成展開をしたところ、強いグアニル酸シクラーゼ受容体Aアゴニスト作用を有する化合物を創製するに至った。
【特許文献1】WO 89/00428号公報
【特許文献2】特開平3−292302号公報
【非特許文献1】「ANP系の薬理作用と受容体アゴニスト」古谷真優美、Heart View, p463-468, Vol. 10, No. 4, 2006
【非特許文献2】「Production and characterization of monoclonal antibodies against human natriuretic peptide receptor-A or -B」 K. Kitano et al, Immunology Letters, p215-222, Vol. 47, No. 3, 1995
【非特許文献3】W. Traube and R. Ascher, Chem. Ber., 46,2077 (1913).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、グアニル酸シクラーゼ受容体Aの作動剤(アゴニスト)であり、非ペプチド性であり、且つ低分子である新規なイミダゾロン化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本発明の基本的態様は、イミダゾロン骨格と同時にグアニジン若しくはそれと類似の部分構造を有することを化学構造上の特徴とする、次式(Ia):
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、
及びRは、同一又は異なって、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は(3)水素原子を表し、
は、(1)C〜C10のアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は(3)水素原子を表し、
Xは、NH基又は酸素原子を表し、
、R、R及びRは、同一又は異なって、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は(3)水素原子を表す)
で示される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である。
【0012】
また本発明は、別の基本的態様として、次式(IIa):
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、
R、R、R及びRは、同一又は異なって、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は(3)水素原子を表し、
Xは、NH基又は酸素原子を表し、
Zは、(1)C〜C10の直鎖あるいは環状アルキル基又は(2)C〜C14の芳香族炭化水素基を表すか、或いは(3)2つのX基と共に炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含む5〜8員環の複素環基を形成する[ここで前記Zの基は、任意にハロゲン原子、ニトロ基、1〜3個のハロゲン原子で置換された、または非置換の直鎖あるいは環状C〜C10のアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換された、または非置換のC〜C10のアルケニル基、1〜3個のハロゲン原子で置換された、または非置換のC〜C10のアルキニル基、C〜C14の芳香族炭化水素基、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子又は酸素原子から選ばれる1から4個のヘテロ原始を含む5から8員環の芳香族複素環基、C〜C10のアラルキル基、C〜C10のアリールカルボニル基、カルボキシル基又はアミノ基から選ばれる1〜5個の基で置換されていてもよい]
で示される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である。
【0015】
また、本発明は、前記式(Ia)で示される化合物、更には式(IIa)で示される化合物若しくはその薬理学的に許容される塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とする医薬組成物、並びに前記式(Ia)及び(IIa)で示される化合物若しくはその薬理学的に許容される塩、又はそれらの溶媒和物を含有するGC−A受容体作動剤を提供する。
【0016】
化合物(Ia)及びに化合物(IIa)において、R及びRで示される(1)C〜Cのアルキル基としては、直鎖状又は分枝状のアルキル基として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソブチル、イソペンチル、イソヘキシル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルブチル、sec−ブチル、t−ブチル、1−メチルペンチル、t−ペンチル基などが挙げられる。
【0017】
R及びRで示される(2)C〜C14の芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、トリル、キシリル基などが挙げられる。
【0018】
また、RとRは、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は、(3)水素原子であり、RとRは同一または異なるものであるが、特に好ましくはRとRが同時に水素原子ではない化合物が挙げられる。
【0019】
化合物(Ia)において、Rで示される(1)C〜Cのアルキル基としては、直鎖状又は分枝状のアルキル基として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソブチル、イソペンチル、イソヘキシル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルブチル、sec−ブチル、t−ブチル、1−メチルペンチル、t−ペンチル基などが挙げられる。
【0020】
で示される(2)C〜C14の芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、トリル、キシリル基などが挙げられる。
【0021】
また、Rは、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は、(3)水素原子であり、特に好ましくはRがフェニル基である化合物が挙げられる。
【0022】
化合物(Ia)及びに化合物(IIa)において、Xは、NH基または酸素原子を示し、特に好ましくはXがNH基である化合物が挙げられる。
【0023】
化合物(Ia)において、R、R、R、およびRで示される(1)C〜Cのアルキル基としては、直鎖状又は分枝状のアルキル基として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソブチル、イソペンチル、イソヘキシル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルブチル、sec−ブチル、t−ブチル、1−メチルペンチル、t−ペンチル基などが挙げられる。
【0024】
、R、R、およびRで示される(2)C〜C14の芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、トリル、キシリル基などが挙げられる。
【0025】
また、R、R、R、およびRは、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は、(3)水素原子であり、R、R、R、およびRは同一または異なるものであるが、特に好ましくはC〜Cのアルキル基又は水素原子である化合物が挙げられる。
【0026】
化合物(IIa)において、R及びRで示される(1)C〜Cのアルキル基としては、直鎖状又は分枝状のアルキル基として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソブチル、イソペンチル、イソヘキシル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルブチル、sec−ブチル、t−ブチル、1−メチルペンチル、t−ペンチル基などが挙げられる。
【0027】
及びRで示される(2)C〜C14の芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、トリル、キシリル基などが挙げられる。
【0028】
また、R及びRは、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は、(3)水素原子であり、R及びRは同一または異なるものであるが、特に好ましくはR及びRが同時に水素原子ではない化合物が挙げられる。
【0029】
特に好ましい化合物としては、以下の群からなる化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である。
なお、[]内は、後記実施例における化合物No.である。
【0030】
N,N’−(1,4−フェニレン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン[化合物6];
【0031】
N,N’−(1,4−フェニレン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−ブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン[化合物10];
【0032】
N,N’−(1,4−シクロヘキサン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン[化合物12];
【0033】
N−[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル−4−グアニジノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N’−[6−(2−アミノ−5−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジノ−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−フェニレンジアミン[化合物8];
【0034】
N−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン[化合物12c];
【0035】
N−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンと、N−[6−(2−アミノー(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジルー1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンの混合物[化合物12d]
【0036】
さらに本発明は、前記式(Ia)および(IIa)で示される化合物若しくはその薬理学的に許容される塩、又はそれらの溶媒和物の合成法をも提供する。
【発明の効果】
【0037】
本発明が提供する上記化合物は、非ペプチド性の低分子化合物であり、グアニル酸シクラーゼ受容体Aアゴニスト作用を示す新規イミダゾロン化合物である。これらの化合物には利尿作用もあることも確認され、急性心不全の治療薬等の医薬品としての使用も検討される医療上極めて重要な化合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下に本発明の詳細を、具体的な製造例を説明することにより説明していく。
本発明の式(Ia)及び(IIa)の一つの基本的な製造工程を示せば、以下の化学反応式に示すことができる。
なお、ここに示す工程は、一つの製造例であって、種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【0039】
(A)本発明の式(Ia)で示される化合物は、具体的には以下の製造工程により製造することができる。
【0040】
【化3】

【0041】
(式中、各置換基の定義は前記定義と同一である。またYは、メチル、エチルなどのアルキル基、ベンジル基、p−メトシキベンジル基などのアラルキル基で表される保護基、又は水素原子を示し、Wはテトラメチルグアニジンのようなグアニジン等価体や、グアニジンとの反応によってグアニジン類似体となるアミノ酸エステルのような置換基を示す)
【0042】
(B)本発明の式(IIa)で示される化合物は、具体的には以下の製造工程により製造することができる。
【0043】
【化4】

【0044】
(式中、各置換基の定義は前記定義と同一である。またZは、エチレン、ブチレン、シクロへキサンなどのような直鎖あるいは環状アルキル基又はフェニレンなどのような芳香族炭化水素基を表すか、或いはピペラジンのような隣り合う2つのX基と共に複素環基を形成する)
【0045】
以下に、上記の製造工程A、Bにしたがって、本発明を詳細に説明する。
(1)合成出発化合物(V)の製造について:
上記に示した製造工程(A)及び(B)の両者において、製造出発化合物は、式(V)で示される化合物である。
この化合物は、以下の化学反応式に示す方法で製造することができる。
【0046】
【化5】

(式中、R、R及びYは、前記定義と同一である)
【0047】
合成出発化合物である式(V)で示される化合物は、市販品の化合物または公知の化合物から製造することができる。例えば、市販品の塩化シアヌル(III)と化合物(IV)で表される市販品またはアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シクロヘキシルアラニンなどの疎水性側鎖を有する公知のα−アミノ酸エステル誘導体とを縮合させることにより製造することができる。
【0048】
本反応は、通常塩基の存在下で反応させるのが好ましく、そのような塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン;ピリジン、ルチジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの含窒素塩基性芳香族炭化水素などを挙げることができるが、好ましくはアルキルアミンであり、最も好ましくはジイソプロピルエチルアミンを用いるのがよい。
【0049】
本反応は溶媒の存在下に行うのがよく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒、又はこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0050】
本反応においては、塩化シアヌル(III)1モルに対して化合物(IV)及び塩基を各々1〜5モル量程度、好ましくは1モル量を用いるのが好ましい。ただし、化合物(IV)としてその酸性塩を用いる場合には、その塩を中和する量の塩基を追加して用いるのが好ましい。
反応温度及び反応時間は一概に限定できないが、約−100℃〜室温程度、好ましくは−20℃〜0℃であり、5分〜24時間程度、好ましくは5〜30分程度で反応は完結する。
【0051】
上記の方法により製造した本発明の合成出発化合物(V)は、単離・精製することなくそのまま次の反応段階に用いることもできるが、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0052】
ただし、反応条件によっては1分子の塩化シアヌル(III)が2分子以上の化合物(IV)と縮合する副生成物、または塩化シアヌル(III)と塩基が縮合する副生成物を生じる場合があるので、確実に副生成物が生成しない条件、若しくは前記の副生成物を次の段階までに除去精製しておくことが好ましい。
【0053】
(2)合成中間体化合物(VII)の製造について:
【0054】
【化6】

(式中、R、R、R及びYは前記定義と同一であり、Xは窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を示す)
【0055】
合成中間体化合物(VII)は、上記の方法により製造した化合物(V)と、市販の化合物又は公知の化合物から製造することができる。
具体的には、例えば、化合物(V)と、市販品又は公知の方法で合成された、アミン、アルコール、チオールなどの反応性水素を有する置換基を分子内に有する化合物(VI)を縮合させることにより製造することができる。
【0056】
本反応は、通常塩基の存在下で反応させるのが好ましく、塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン;ピリジン、ルチジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの含窒素塩基性芳香族炭化水素;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属;リチウムジイソプロプルアミドなどのアルカリ金属アミド;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどが用いられる。
【0057】
本反応は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒またはこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0058】
本反応において、化合物(V)1モルに対して化合物(VI)および塩基を各々1〜5モル程度、好ましくは1モル量を用いるのがよい。
ただし、化合物(VI)の酸性塩を用いる場合には、その塩を中和する量の塩基を追加して用いるのが好ましい。
反応温度は、約−100℃〜室温程度、好ましくは−20℃〜0℃であり、反応時間は5分〜24時間程度、好ましくは5〜30分程度である。
【0059】
上記の方法により製造した合成中間体化合物(VII)は、単離・精製することなくそのまま次の反応段階に用いることもできるが、公知の手段、例えば、溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0060】
なお、合成中間体化合物(VII)の製造において、Xが酸素原子または硫黄原子の場合、あるいはRが嵩高い置換基であるなど、その反応性が比較的低い場合には、以下に示す別の方法で製造することもできる。
【0061】
【化7】

(式中、各置換基の定義は上記定義と同一である)
【0062】
例えば、Xが酸素原子または硫黄原子の場合、あるいはRが嵩高い置換基である化合物(VIII)の製造は、第一ステップとして、市販品の塩化シアヌル(III)と化合物(VI)で表される市販品、又は、アミン、アルコール、チオールなどの反応性水素を有する置換基を分子内に有する公知の方法で製造された化合物(VI)を縮合させることにより、式(VIII)の化合物を製造する。
【0063】
この反応は、通常塩基の存在下で反応させるのが好ましく、そのような塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン;ピリジン、ルチジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの含窒素塩基性芳香族炭化水素;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属;リチウムジイソプロプルアミドなどのアルカリ金属アミド;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどが用いられる。
【0064】
本反応は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒、又はこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0065】
本反応においては、塩化シアヌル(III)1モルに対して化合物(VI)および塩基を、各々1〜5モル程度、好ましくは1モル量を用いるのがよい。
ただし、化合物(VI)が酸性塩である場合には、その塩を中和する量の塩基を追加して用いるのが好ましい。
反応温度、反応時間は一概に限定できないが、約−100℃〜室温程度であり、5分〜24時間程度で反応は完了する。
【0066】
上記の方法により製造した化合物(VIII)は、単離・精製することなくそのまま次の反応段階に用いることもできるが、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0067】
ただし、反応条件によっては1分子の塩化シアヌル(III)が2分子以上の化合物(VI)と縮合する副生成物、または塩化シアヌル(III)と塩基が縮合する副生成物を生じる場合があるので、確実に副生成物が生成しない条件で行うか、若しくは前記の副生成物を次の段階までに除去精製しておくことが好ましい。
【0068】
次いで、第二ステップとして、上記の方法によって製造した化合物(VIII)を、化合物(IV)で表される市販品、又はアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シクロヘキシルアラニンなどの疎水性側鎖を有する公知のα−アミノ酸エステル誘導体と縮合させることにより、目的とするXが酸素原子または硫黄原子の場合、あるいはRが嵩高い置換基である式(VII)で示される合成中間体化合物を製造することができる。
【0069】
本反応は、通常塩基の存在下で反応させるのが好ましく、塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン;ピリジン、ルチジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの含窒素塩基性芳香族炭化水素などが挙げられ、好ましくはアルキルアミンを用いるのがよい。
【0070】
本反応は溶媒の存在下に行うのがよく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルt−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒またはこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0071】
本反応においては、化合物(VIII)1モルに対して化合物(IV)および塩基を、各々1〜5モル程度、好ましくは1モル量を用いるのが好ましい。
ただし、化合物(IV)としてその酸性塩を用いる場合には、その塩を中和する量の塩基を追加して用いるのが好ましい。
反応温度は、約0℃〜100℃程度、好ましくは室温で行うのがよい。また、反応時間は一概に限定できないが、5分〜24時間で反応は完結する。
【0072】
上記の方法により製造した本発明の合成中間体化合物(VII)は、単離・精製することなくそのまま次の反応段階に用いることができるが、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0073】
A:本発明の化合物(I)及び(Ia)の合成
公知のW. Traubeらの方法(非特許文献3)のαアミノ酸エステル保護体とグアニジンを反応させることでイミダゾロン誘導体を形成する方法にならえば、化合物(Ia)のうち、R、R、R及びRが水素原子である化合物(I)を、上記の各方法で製造した合成中間体化合物(VII)に、グアニジンを縮合させる下式の方法により製造することができる。
【0074】
【化8】

(式中、各置換基の定義は上記定義と同一である)
【0075】
本反応は、グアニジン単独若しくは塩基の共在下で反応させてもよく、塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属;リチウムジイソプロプルアミドなどのアルカリ金属アミド;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどを用いることができる。
【0076】
本反応は溶媒の存在下に行うのがよく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒、又はこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0077】
本反応においては、化合物(VII)1モルに対してグアニジン(IX)を2〜10モル程度、好ましくは3〜5モル程度用いるのが好ましい。
ただし、塩基を追加して用いる場合には、1〜3モル量を用いるのが好ましい。
反応温度、反応時間は一概に限定し得ないが、室温〜200℃程度、好ましくは50℃〜100℃で、5分〜1時間、好ましくは15分〜30分程度で反応は完結する。
【0078】
なお本反応において、グアニジンは市販の塩酸グアニジンを、水またはエチルアルコールなどのアルコール溶媒若しくはそれらの混合溶媒中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属などで中和した後、生じる塩を除去して製造して得た、純粋なグアニジンを用いることが好ましい。
【0079】
上記の方法により製造した本発明の化合物(I)は、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0080】
また、R若しくはRのいずれかが水素原子の場合には、最終段階においてイミダゾロンの5位の部分がラセミ化する場合があり、生成した化合物(I)が光学異性体の混合物である場合がある。そのような場合、公知の手段、例えば再結晶、クロマトグラフィーなどによって光学異性体を分離精製することもできる。
また、上記の方法により製造した本発明の化合物(I)は、その薬理学的に許容される塩、又はそれらの溶媒和物に変換することができる。
【0081】
一方、本発明の化合物である(Ia)で示される化合物は、前記の合成中間体化合物(VII)から、複数の工程を経る方法により製造することができる。
その第一の工程としては、以下の工程である。
【0082】
【化9】

(式中、R、R、R、X、Y及びWは前記定義と同一である)
【0083】
すなわち、合成中間体化合物(V)に、テトラメチルグアニジンのようなグアニジン様の化合物、若しくはグアニジンとの反応によってグアニジン類似構造の前駆体となるグリシンエステルのような分子種である化合物(VIa)を反応させ、次いで化合物(VI)を縮合し、(X)で示される化合物へ誘導する。
【0084】
本反応は、塩基の存在下行われ、そのような塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン;ピリジン、ルチジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの含窒素塩基性芳香族炭化水素;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどを挙げることができる。
【0085】
反応は溶媒の存在下に行うのがよく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒またはこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0086】
上記の方法により製造した化合物(X)は、単離精製することなくそのまま次の反応段階に用いることもできるが、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0087】
次いで、第二の工程として、得られた式(X)で示される化合物に、グアニジンを反応させ、本発明の式(Ia)で示される目的化合物へ誘導する。
【0088】
【化10】

(式中、各置換基の定義は前記定義と同一である)
【0089】
すなわち、式(X)で示される化合物に、グアニジン(IX)を反応させるか、または必要に応じてグアニジン前駆体様の構造に適当な変換を加えることにより、製造することができる。
【0090】
本反応は、塩基の共在下で反応させてもよく、そのような塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属;リチウムジイソプロプルアミドなどのアルカリ金属アミド;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどを挙げることができる。
【0091】
反応は溶媒の存在下に行うのがよく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒、またはこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0092】
本反応においては、化合物(X)1モルに対してグアニジン(IX)を1〜3モル程度、好ましくは1モル量を用いるのが好ましい。反応温度は、室温〜200℃程度、好ましくは50〜100℃程度であり、反応時間は5分〜24時間程度である。
【0093】
なお、本反応において、グアニジンは市販の塩酸グアニジンを、水またはエチルアルコールなどのアルコール溶媒若しくはそれらの混合溶媒中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属などで中和した後、生じる塩を除去して製造して得た純粋なグアニジンを用いることが好ましい。
【0094】
上記の方法により製造した本発明の式(Ia)で示される化合物は、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0095】
また、R若しくはRのいずれかが水素原子の場合には、最終段階においてイミダゾロンの5位の部分がラセミ化する場合があり、また精製した化合物(Ia)が光学異性体の混合物である場合がある。そのような場合、公知の手段、例えば再結晶、クロマトグラフィーなどによって光学異性体を分離精製することもできる。
また、上記の方法により製造した本発明の化合物(Ia)は、その薬理学的に許容される塩、又はそれらの溶媒和物に変換することができる。
【0096】
B:本発明の化合物(IIa)の合成
本発明の目的化合物である式(IIa)で示される化合物は、以下の方法により製造することができる。
【0097】
(3)合成中間体化合物(XII)の製造
すなわち、前記した方法により製造した合成出発化合物(V)と、式(XI)で示される市販品、または公知の方法で合成された、アミン、アルコール、チオールなどの反応性水素を有する置換基を1分子内に2箇所以上有するものを縮合させて、式(XII)で示される化合物へ誘導する。
【0098】
【化11】

(式中、各置換基の定義は前記定義と同一である)
【0099】
本反応は、通常塩基の存在下で反応させるのが好ましく、そのような塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン;ピリジン、ルチジン、N.N−ジメチルアミノピリジンなどの含窒素塩基性芳香族炭化水素;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属;リチウムジイソプロプルアミドなどのアルカリ金属アミド;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどが用いられる。
【0100】
反応は溶媒の存在下に行うのがよく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒、又はこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0101】
本反応においては、化合物(XI)1モルに対して化合物(V)及び塩基を、各々2〜10モル程度、好ましくは2モル量を用いるのが好ましい。
ただし、化合物(V)としてその酸性塩を用いる場合には、その塩を中和する量の塩基を追加して用いるのが好ましい。反応温度は、0℃〜100℃程度、好ましくは室温下に行うのがよい。反応時間は、30分〜48時間である。
【0102】
上記の方法により製造した本発明の化合物(XII)は、単離精製することなくそのまま次の反応段階に用いることもできるが、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0103】
次いで、上記で製造した合成中間体化合物(XII)にグアニジンを反応させる方法により、目的とする本発明の式(IIa)で示される化合物のうち、化合物(II)へ誘導される。
【0104】
【化12】

(式中、各置換基の定義は前記定義と同一である)
【0105】
本反応は、グアニジン単独若しくは塩基の共在下で反応させてもよく、そのような塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属;リチウムジイソプロプルアミドなどのアルカリ金属アミド;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどを挙げることができる。
【0106】
反応は溶媒の存在下に行うのがよく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒またはこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0107】
本反応においては、化合物(XII)1モルに対してグアニジン(IX)は4〜20モル程度、好ましくは8〜10モル量を用いるのが好ましい。
反応温度は一概に限定できないが、室温〜200℃程度、好ましくは50℃〜100℃であり、反応時間としては、5分〜1時間程度、好ましくは15分〜30分で反応は完結する。
【0108】
なお、本反応において、グアニジンは市販の塩酸グアニジンを、水またはエチルアルコールなどのアルコール溶媒若しくはそれらの混合溶媒中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属などで中和した後、生じる塩を除去して製造して得た純粋なグアニジンを用いることが好ましい。
【0109】
上記の方法により製造した本発明の式(II)で示される化合物は、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0110】
また、R若しくはRのいずれかが水素原子の場合には、最終段階においてイミダゾロンの5位の部分がラセミ化する場合があり、生成した化合物(II)は光学異性体の混合物である場合がある。そのような場合、公知の手段、例えば再結晶、クロマトグラフィーなどによって光学異性体を分離精製することもできる。
また、上記の方法により製造した本発明の化合物(II)は、その薬理学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物に変換することができる。
【0111】
一方、本発明の目的化合物である式(IIa)で示される化合物を製造する場合は、異なる部分構造をもった構造単位を別々に調製する手順が必要となる。したがって、前記の方法を参考にした、以下に示すような方法にて製造することができる。
【0112】
【化13】

(式中、各置換基の定義は前記定義と同一である)
【0113】
すなわち、第一ステップとして、前記した方法で製造した合成出発化合物(V)とアミン、アルコール、チオールなどの反応性水素を有する置換基を1分子内に2箇所有する化合物(XI)を1対1のモル比で反応させることにより、モノ置換体(XIII)を得た後、別部分の構造を構成する別途調製した化合物(Va)を縮合させることにより、式(XIIa)で示される化合物へ誘導する。
【0114】
本反応は、通常塩基の存在下で反応させるのが好ましく、そのような塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのアルキルアミン;ピリジン、ルチジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの含窒素塩基性芳香族炭化水素;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属;リチウムジイソプロプルアミドなどのアルカリ金属アミド;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどを挙げることができる。
【0115】
また本反応は溶媒の存在下に行うのがよく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒またはこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0116】
本反応において、化合物(XI)1モルに対して化合物(V)および塩基を、各々1〜1.2モル程度、好ましくは1モル量を用いるのが好ましい。
ただし、化合物(V)の酸性塩を用いる場合には、その塩を中和する量の塩基を追加して用いるのが好ましい。
【0117】
また、化合物(XIII)1モルに対して化合物(Va)および塩基は、各々1〜5モル程度、好ましくは1モル量を用いるのが好ましい。反応温度は、いずれの場合も約0℃〜100℃程度であり、好ましくは室温である。反応時間は、30分〜48時間で充分である。
【0118】
上記の方法により製造した化合物(XIIa)は、単離精製することなくそのまま次の反応段階に用いることができるが、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
【0119】
次いで、上記で製造された化合物(XIIa)は、グアニジンとの縮合により本発明の目的化合物である式(IIa)で示される化合物に誘導される。
【0120】
【化14】

(式中、各置換基の定義は上記定義と同一である)
【0121】
本反応は、グアニジン単独若しくは塩基の共在下で反応させてもよく、そのような塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属;n−ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属;リチウムジイソプロプルアミドなどのアルカリ金属アミド;カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどを挙げることができる。
【0122】
また本反応は、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類などの不活性溶媒またはこれらの混合溶媒中で行うことができる。
【0123】
本反応においては、化合物(XIIa)1モルに対してグアニジン(IX)は4〜20モル程度、好ましくは8〜10モル量程度を用いるのが好ましい。反応温度、反応温度は一概に限定できないが、室温〜〜200℃程度、好ましくは50℃〜100℃であり、反応時間は、5分〜1時間、好ましくは15分〜30分で反応は完結する。
【0124】
なお、本反応において、グアニジンは市販の塩酸グアニジンを、水またはエチルアルコールなどのアルコール溶媒若しくはそれらの混合溶媒中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属などで中和した後、生じる塩を除去して製造して得た純粋なグアニジンを用いることが好ましい。
【0125】
上記の方法により製造した本発明の式(IIa)で示される化合物は、公知の手段、例えば溶媒抽出、液性変換、転溶、塩析、再結晶、クロマトグラフィーなどによって精製することもできる。
また、R若しくはRのいずれかが水素原子の場合には、最終段階においてイミダゾロンの5位の部分がラセミ化する場合があり、生成した化合物(IIa)は光学異性体の混合物である場合がある。そのような場合、公知の手段、例えば再結晶、クロマトグラフィーなどによって光学異性体を分離精製することもできる。
また、上記の方法により製造した本発明の化合物(IIa)は、その薬理学的に許容される塩またはそれらの溶媒和物に変換することができる。
【0126】
上記の方法により得られた本発明の化合物である式(I)を含む(Ia)及び(II)を含む(IIa)の化合物、若しくはその薬理学的に許容される塩、又はそれらの溶媒和物は、優れたGC−A作動作用を有している。そして、GC-Aアゴニストの作用として期待される腎疾患、心臓疾患の予防および/または治療剤として用いることができる。
【0127】
これらの予防または治療剤の投与経路は、経口、非経口投与のいずれでもよく、目的に応じて望ましい製剤に調製される。
具体的には、活性成分として、式(I)を含む(Ia)及び(II)を含む(IIa)の化合物、で示される化合物若しくはその薬理学的に許容される塩、又はそれらの溶媒和物を含有し、さらにそれ以外の他の医薬成分を含有した製剤として調製される。
【0128】
その場合の投与量は一概に限定できないが、目的とする治療に効果を発揮する量であればよく、具体的には、薬学的に許容される担体と配合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤;またはシロップ剤、注射剤等の液状製剤として経口または非経口的に投与することができる。
【0129】
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などを一緒に配合することができる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
【0130】
これらの賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等は、製剤学的に汎用されているものを挙げることができ、より具体的には、例えば一例として、賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
【0131】
また、結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0132】
崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。
【0133】
これらの製剤形態は当業者に種々知られており、当業者は所望の投与経路に適する製剤形態を適宜選択し、必要に応じて当業界で利用可能な1または2以上の製剤用添加物を用いて、医薬用組成物の形態の製剤を製造することが可能である。
【実施例】
【0134】
以下に、参考例、実施例、試験例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および参考例における目的物を含む画分の検出は、TLC(薄層クロマトグラフィー)若しくはHPLC(高圧液体クロマトグラフィー)による観察によった。
TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク社製の60F254を用い、検出法としてUV検出器を用いた。
HPLC観察においては、分析カラムにYMC ODS AM 4.6×150mm、移動相に5%→95%アセトニトリル−水(0.1%TFA含有)、流速1.0mL/分を用い、検出法としてUV検出器(254nm)を用いた。
生成物の構造確認には、MS(質量分析スペクトログラフ)およびNMR(核磁気共鳴スペクトログラフ)を用いた。MSはESI(エレクトロンスプレーイオン化法)を用いて陽イオンの検出を行った。
【0135】
参考例1:グアニジン(化合物S1)
金属ナトリウム(1.33g, 58mmol)をエタノール60mLに溶かしたところに、塩酸グアニジン(5.50g, 58mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。不溶物を濾別し、減圧下に溶媒を留去した。残渣を再度エタノール5mLに溶かし、不溶物を濾別し、減圧下に溶媒を留去して標題化合物(3.50g)を無色油状物として得た。
【0136】
実施例1:N−(4−アニリノ−6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−L−ロイシン メチルエステル(化合物1)
塩化シアヌリル(1.84g, 10mmol)、L−ロイシンメチルエステル塩酸塩(1.82g, 10mmol)を塩化メチレン20mLに懸濁させて氷冷したところに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.5mL, 20mmol)を加えて10分間撹拌した。アニリン(0.91mL, 1.0mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(18mL, 10.0mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液を水で1回、1N塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、減圧下に溶媒を留去して標題化合物(3.42g)を無色固形物として得た。
MS: 350(M+H)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.92(m, 6H), 1.59(m, 1H), 1.73(m, 2H), 3.31(s, 3H), 4.46(m, 1H), 7.02(s, 1H), 7.30(m, 2H), 7.61(m, 2H), 8.54(s, 4H), 8.55(br, 1H), 10.13(br, 1H).
【0137】
実施例2:1−[4−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル]グアニジン ジトリフルオロアセテ−ト(化合物2)
上記化合物1(350mg, 1.0mmol)をプロピオニトリル5mLに溶かし、100℃に加温したところにグアニジン(化合物S1:300mg, 5.0mmol)を加えて30分間撹拌した。放冷後トリフルオロ酢酸2mLと水5mLを加え、冷蔵庫で一晩放置した。析出した結晶を濾取し、少量の水で洗浄し、減圧下に乾燥し、標題化合物(348mg)を無色結晶として得た。
MS: 383(M+H)
1H−NMR (DMSO-d6) δ:0.81(m, 6H), 1.85(m, 3H), 3.31(s, 3H), 4.48(m, 1H), 7.19(s, 1H), 7.41(s, 1H), 7.53(m, 1H), 8.49(s, 1H), 9.23(br, 1H), 10.39(br, 1H), 11.03(br, 1H).
【0138】
実施例3:N−(4−アニリノ−6−N,N’,N’’,N’’−テトラメチルグアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−L−ロイシン メチルエステル(化合物3)
上記化合物1(105mg, 0.3mmol)をアセトニトリル2mLに溶かし、80℃に加温したところにテトラメチルグアニジン(0.08mL, 0.6mmol)を加えて10時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、残渣を塩化メチレンに溶かして水で2回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾別後、減圧下に溶媒を留去して標題化合物(118mg)を無色固形物として得た。
MS: 429(M+H)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.95(m, 6H), 1.70(br, 6H), 2.85(s, 9H), 3.70(s, 3H), 4.71(br, 1H), 5.23(br, 1H), 6.84(br, 1H), 6.96(s, 1H), 7.29(s, 4H), 7.59 (s, 2H).
【0139】
実施例4:6−N,N’,N’’,N’’−テトラメチル−1−[4−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル]グアニジン トリフルオロアセテ−ト(化合物4)
化合物3(43mg, 0.1mmol)をプロピオニトリル2mLに溶かし、100℃に加温したところにグアニジン(化合物S1:29mg, 0.5mmol)を加えて30分間撹拌した。放冷後トリフルオロ酢酸1mLと水1mLを加え、分取用HPLC[YMC ODS AMS-5、20mmφ×250mm、10%CH3CN−水〜50%CH3CN(0.05%TFA含有)(10mL/min, 10%/分)]にて精製し、目的の留分を集めて凍結乾燥し、標題化合物(40mg)を無色固形物として得た。
MS: 439(M+H)
1H−NMR (DMSO-d6) δ:0.78(m, 6H), 1.64(br, 1H), 1.81(br, 1H), 2.07(s, 1H), 3.12(br, 12H), 4.43(m, 1H), 7.14(br, 1H), 7.38(s, 1H), 7.69(br, 1H), 9.29(br, 2H), 10.30(br, 1H), 10.84(br, 1H).
【0140】
実施例5:N,N’−ジ{4−クロロ−6−[(2S)−メトキシカルボニル−4−イソブチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}−1,4−フェニレンジアミン(化合物5)
塩化シアヌリル(184mg, 1.0mmol)とL−ロイシンメチルエステル塩酸塩(182mg, 1.0mmol)を塩化メチレン10mLに懸濁させて氷冷したところに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.5mL, 20mmol)を加えて10分間撹拌した。p−フェニレンジアミン(54mg, 0.5mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL, 1.00mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液を水で2回、1N塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、減圧下に溶媒を留去して標題化合物(290mg)を無色固形物として得た。
MS: 621(M+H)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.88(d, J=7Hz, 6H), 0.91(d, J=7Hz, 6H), 1.26(br, 2H), 1.51(br, 2H), 1.73(br, 4H), 3.33(s, 3H), 3.60(m, 2H), 3.65(s, 3H), 4.37(m, 2H), 7.56(s, 2H), 8.38(br, 1H), 8.58(br, 1H), 10.14(s, 2H).
【0141】
実施例6:N,N’−(1,4−フェニレン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン ジ(トリフルオロアセテート)(化合物6)
化合物5(62mg, 0.10mmol)をアセトニトリル2mLに溶かし、80℃に加温したところにグアニジン(化合物S1:35mg, 0.50mmol)を加えて30分間撹拌した。放冷後アセトニトリル1mLと2%トリフルオロ酢酸水溶液2mLとを加え、分取用HPLC[YMC ODS AMS-5、20mmφ×250mm、10%CH3CN−水〜50%CH3CN(0.05%TFA含有)(10mL/min, 10%/分)]にて精製し、目的の留分を集めて凍結乾燥し、標題化合物(14mg)を無色固形物として得た。
MS: 687(M+H)
1H−NMR (DMSO-d6) δ:0.78(m, 12H), 1.64(br, 4H), 1.84(br, 2H), 4.51(m, 2H), 7.59(s, 4H), 8.40(br, 2H), 8.62(s, 4H), 9.04(br, 1H), 9.26(br, 2H), 10.47(br, 1H), 11.29(br, 1H).
【0142】
実施例7:N−{4−クロロ−6−[(2S)−メトキシカルボニル−エチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}−N’−{4−クロロ−6−[(2S)−メトキシカルボニル−4−メチルブチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}−1,4−フェニレンジアミン(化合物7)
L−ロイシンメチルエステル塩酸塩(91mg, 0.5mmol)を塩化メチレン5mLに懸濁させて氷冷したところにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.09mL, 1.0mmol)を加え、塩化シアヌリル(92mg, 0.5mmol)を加えて30分間撹拌した。氷冷下さらに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.09mL, 1.0mmol)とp−フェニレンジアミン(54mg, 0.5mmol)を加え、室温にして1時間撹拌した。反応溶液を水で3回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、減圧下に溶媒を留去して無色固形物を得た。
L−アラニンメチルエステル塩酸塩(70mg, 0.5mmol)を塩化メチレン10mLに懸濁させて氷冷したところにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL, 2.0mmol)を加え、塩化シアヌリル(92mg, 0.5mmol)を加えて30分間撹拌した。さらに、前記の無色固形物を塩化メチレン1mLに溶かした溶液を加え、室温にして終夜撹拌した。反応溶液を水で3回洗浄し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、減圧下に溶媒を留去して標題化合物(291mg)を無色固形物として得た。
MS: 579(M+H)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.95(m, 6H), 1.35(br, 1H), 1.46(d, J=7Hz, 1H), 1.52(br, 3H), 1.71(br, 3H), 3.63(s, 6H), 3.78(m, 6H), 4.61(m, 1H), 4.82(m, 1H), 6.06(m, 2H), 7.27(br, 2H), 7.49(br, 2H).
【0143】
実施例8:N−[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジノ−1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−5−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジノ−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−フェニレンジアミン ジ(トリフルオロアセテート) (化合物8)
化合物7(58mg, 0.10mmol)をアセトニトリル2mLに溶かし、80℃に加温したところにグアニジン(化合物S1:45mg, 0.8mmol)を加えて30分間撹拌した。放冷後水1mLとトリフルオロ酢酸0.2mLを加えて溶解し、分取用HPLC[YMC ODS AMS-5、20mmφ×250mm、10%CH3CN−水〜50%CH3CN(0.05%TFA含有)(10mL/min, 10%/分)]にて精製し、目的の留分を集めて凍結乾燥し、標題化合物(37mg)を無色固形物として得た。
MS: 645(M+H)
1H−NMR (DMSO-d6) δ:0.81(d, J=7Hz, 3H), 0.88(d, J=7Hz, 3H), 1.48(d, J=8Hz, 3H), 1.86(br, 3H), 3.26(m, 2H), 7.60(s, 3H), 8.62(s, 3H), 9.05(br, 2H), 10.49(s, 1H), 11.30(s, 1H).
【0144】
実施例9:N,N’−ジ{4−クロロ−6−[(2S)−メトキシカルボニル−ペンチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}−1,4−フェニレンジアミン(化合物9)
L−ノルロイシンメチルエステル塩酸塩(7.26g, 40mmol)を塩化メチレン40mLに溶解して氷冷したところに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(14mL, 80mmol)を加えた。塩化シアヌリル(7.38g, 40mmol)を5分間かけて少量ずつ加え、氷冷下30分間撹拌した。水40mLを加えて分液し、有機層にp−フェニレンジアミン(2.16g, 20mmol)を塩化メチレン40mLに溶かした溶液を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液を氷冷し、析出した結晶を濾取し、少量の塩化メチレンで洗浄し、減圧下に乾燥し、標題化合物(7.03g)を無色固形物として得た。
MS: 621(M+H)
1H−NMR (CDCl3) δ:0.86(t, J=8Hz, 6H), 1.29(br, 8H), 1.75(br, 2H), 3.65(s, 6H), 4.32(br, 2H), 6.59(br, 1H), 7.25(br, 1H), 7.55(s, 1H), 7.74(br, 1H), 8.56(br, 2H), 10.13(s, 2H).
【0145】
実施例10:N,N’−(1,4−フェニレン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−ブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン ジ(トリフルオロアセテート)(化合物10)
化合物9(62mg, 0.10mmol)をアセトニトリル2mLに溶かし、80℃に加温したところにグアニジン(化合物S1:35mg, 0.50mmol)を加えて30分間撹拌した。放冷後水1mLとトリフルオロ酢酸水溶液0.4mLとを加え、分取用HPLC[YMC ODS AMS-5、20mmφ×250mm、10%CH3CN−水〜50%CH3CN(0.05%TFA含有)(10mL/min, 10%/分)]にて精製し、目的の留分を集めて凍結乾燥し、標題化合物(24mg)を無色固形物として得た。
MS: 687(M+H)
1H−NMR (DMSO-d6) δ:0.75(t, J=8Hz, 3H), 0.82(t, J=8Hz, 3H), 1.23(br. m, 8H), 1.86(m, 1H), 2.09(m, 1H), 3.12(br, 12H), 4.43(m, 2H), 7.59(br, 2H), 8.57(br, 2H), 9.02(br, 1H), 9.26(br, 2H), 10.51(br, 2H).
【0146】
実施例11:N,N’−(1,4−フェニレン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−ブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン テトラ(トリフルオロアセテート) 2水和物(化合物10a)
化合物9(1.24g, 2.0mmol)をプロピオニトリル40mLに溶かし、100℃に加温したところにグアニジン(化合物S1:1.2g, 20mmol)を加えて30分間撹拌した。放冷後水40mLとトリフルオロ酢酸15mLとを加え、冷蔵庫で一晩放置した。析出した結晶を濾取し、少量の氷冷水で洗浄し、減圧下に乾燥し、標題化合物(1.62g)を無色結晶として得た。
MS: 687(M+H)
1H−NMR(DMSO-d6) δ:0.75(t, J=8Hz, 6H), 1.16(br, 8H), 1.88(br, 2H), 3.62(s, 1H), 4.47(s, 1H), 7.59(s, 4H), 8.54(s, 4H), 9.23(s, 2H), 10.45(s, 2H).
元素分析:
測定値: C;36.5%、H;4.1%、N;23.5%、F;19.2%
計算値: C;36.7%、H;3.9%、N;23.8%、F;19.3%
【0147】
実施例12:N,N’−ジ{4−クロロ−6−[(2S)−メトキシカルボニル−4−メチルブチルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}−1,4−シクロヘキサンジアミン(化合物11)
塩化シアヌリル(3.69g, 20mmol)とL−ロイシンメチルエステル塩酸塩(3.63g, 20mmol)を塩化メチレン100mLに懸濁させて氷冷したところに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.0mL, 40mmol)と塩化メチレン10mLの混合溶液を5分間で滴下したのち10分間撹拌した。反応溶液を水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機層から減圧下に溶媒を留去した。残渣をアセトニトリル100mLに溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.5mL, 20mmol)と1,4−シクロヘキサンジアミン(1.14g, 10mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液から減圧下に溶媒を留去し、残渣を塩化メチレン100mLに溶かし、水で1回、1N塩酸で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、飽和食塩水で2回洗浄し、有機層から減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル−ヘキサン→50%)で精製し、目的の画分を集め、減圧下に溶媒を留去して標題化合物(2.66g)を無色固形物として得た。
MS: 628(M+H)
1H−NMR(CDCl3) δ:0.90(m, 12H), 1.30(br, 4H), 1.50(br, 2H), 1.66(br, 4H), 1.83(m, 4H), 3.63(s, 6H), 3.57(m, 2H), 4.30(m, 1H), 4.45(m, 1H), 7.74(m, 1H), 7.91(m, 1H), 8.05(m, 1H), 8.22(m, 1H), 8.56(br, 1H).
【0148】
実施例13:N,N7−(1,4−シクロヘキサン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン ジ(トリフルオロアセテート)(化合物12)
化合物11(63mg, 0.1mmol)をアセトニトリル2mLに溶かし、80℃に加温したところにグアニジン(化合物S1:35mg, 0.6mmol)を加えて30分間撹拌した。放冷後水2mLとトリフルオロ酢酸0.04mLとを加え、分取用HPLC[YMC ODS AMS-5、20mmφ×250mm、10%CH3CN−水〜50%CH3CN(0.05%TFA含有)(10mL/min, 10%/分)]にて精製し、目的の留分を集めて凍結乾燥し、標題化合物(35mg)を無色固形物として得た。
MS: 691(M+H)
1H−NMR(DMSO-d6) δ: 0.84(d, J=7Hz, 6H), 0.92(d, J=7Hz, 6H), 1.37(br, 3H), 1.88(br. m, 7H), 3.75(br, 2H), 4.45(m, 2H), 8.58(br, 8H), 9.15(s, 1H), 9.36(br, 1H), 9.60(br, 1H), 10.79(br, 1H), 11.17(br. s, 1H).
【0149】
実施例14:N,N’−(1,4−シクロヘキサン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン テトラ(トリフルオロアセテート)(化合物12a)
化合物11(1.25g, 2.0mmol)をプロピオニトリル20mLに溶かし、100℃に加温したところにグアニジン(化合物S1:1.18g, 20mmol)を加えて30分間撹拌した。放冷後水12mLとトリフルオロ酢酸8mLとを加え、冷蔵庫で一晩放置した。析出した結晶を濾取し、少量の氷冷水で洗浄し、減圧下に乾燥し、標題化合物(1.15g)を無色結晶として得た。
MS: 691(M+H)
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 0.84(t, J=7Hz, 6H), 0.93(t, J=7Hz, 6H), 1.37(br, 4H), 1.90(br, 4H), 2.04(br, 8H), 3.75(br, 2H), 4.52(s, 2H), 8.46(s, 2H), 8.69(s, 6H), 9.29(s, 1H), 9.60(br, 2H), 11.40(s, 2H).
【0150】
実施例15:N−[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジルー1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン テトラ(メタンスルホネート)(化合物12b)
化合物12aの120mgをギ酸3mLに溶かしてメンブランフィルター(0.45um)でろ過後、メタンスルホン酸1.0mLと水5mLを加えて室温で放置した。析出した結晶を濾取し、少量の水で洗浄し、減圧下に乾燥し、標題化合物(25mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 0.84(d, J=6.6Hz, 6H), 0.94(d, J=6.6Hz, 6H), 1.37(m, 4H), 1.91(br, 4H), 2.03(br, 8H), 2.37(s, 12H), 3.75(br, 2H), 4.54(br, 2H), 8.51(br, 10H), 9.44(br, 2H), 9.75(br, 2H), 10.70(br, 1H), 11.03(s, 2H).
元素分析:
測定値: C;35.76%、H;5.55%、N;25.80%
計算値: C;35.68%、H;5.61%、N;26.01%
X線結晶構造解析においてはメソ体とラセミ体の混合物と示唆された。
【0151】
実施例16:N−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン テトラ(メタンスルホネート)(化合物12c)
化合物12aの40mgをギ酸2mLに溶かし、分取用HPLC[Develosil ODS 10/20、50mmφ×300mm、15%CH3CN−水〜35%CH3CN(25mL/min, 0.4%/分)(0.05%TFA含有)]にて精製した。上記の操作を繰り返し、HPLC上単一画分を集めて凍結乾燥した。
凍結乾燥によって得られた粉末状物質の50mgをギ酸1.75mLに溶かしてメンブランフィルター(0.45um)でろ過後、メタンスルホン酸0.75mLと水5mLを加えて室温で終夜放置した。析出した結晶を濾取し、少量の水で洗浄し、減圧下に乾燥して標題化合物(42mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR(DMSO-d6) δ: 0.85(d, J=6.6Hz, 6H), 0.93(d, J=6.6Hz, 6H), 1.37(m, 4H), 1.90(br, 4H), 2.03(br, 8H), 2.09(s, 12H), 4.49(br, 2H), 8.47(br, 8H), 9.27(br, 1H), 9.39(br, 1H), 9.52(br, 1H), 10.95(s, 2H).
元素分析:
測定値: C;35.68%、H;5.61%、N;25.74%
計算値: C;35.68%、H;5.61%、N;26.01%
X線結晶構造解析においてメソ体と確定した。
【0152】
実施例17:N−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン テトラ(メタンスルホネート)2水和物、及び、N−[6−(2−アミノ−(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン テトラ(メタンスルホネート)2水和物のラセミ混合物(化合物12d)
【0153】
化合物12aの10mgをギ酸0.5mLに溶かし、分取用HPLC[YMC ODS AMS-5、20mmφ×250mm、10%CH3CN−水〜30%CH3CN(10mL/min, 0.5%/分)(0.05%TFA含有)]にて精製した。上記の操作を繰り返し、HPLC上単一画分を集めて凍結乾燥した。
凍結乾燥によって得られた粉末状物質の30mgをギ酸1.0mLに溶かしてメンブランフィルター(0.45um)でろ過後、メタンスルホン酸0.5mLと水2.25mLを加えて室温で終夜放置した。析出した結晶を濾取し、少量の水で洗浄し、減圧下に乾燥し、標題化合物(21mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.83(d, J=6.6Hz, 6H), 0.92(d, J=6.6Hz, 6H), 1.38(m, 4H), 1.90(br, 4H), 2.04(br, 8H), 2.35(s, 12H), 4.01(br, 2H), 4.50(br, 2H), 8.47(br, 8H), 9.28(br, 1H), 9.32(br, 1H), 9.52(br, 1H), 10.98(br, 2H).
元素分析:
測定値: C;34.82%、H;5.62%、N;25.01%
計算値: C;34.52%、H;5.79%、N;25.16%
X線結晶構造解析においてラセミ体(RR体とSS体の混合物)と確定した。
【0154】
実施例18:N−{4−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−-ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−6−[(4−{[4−(2−ブチル−3−オキソ−1−ピペラジニル−2−ピリミジニル)アミノ]シクロヘキシル}アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]グアニジン トリフルオロアセテート(化合物13)
既知の方法にて合成した4−{2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−6−クロロピリミジン−4−イル}−3−ブチルピペラジン−2−オン(72.2mg, 0.189mmol)とN−(4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−L−ロイシンメチルエステル(60.9g, 0.208mmol)をアセトニトリル3mLに懸濁させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.039mL, 0.227mmol)を加えて室温で2時間撹拌した。反応溶液にテトラヒドロフラン10mLを加えたのち酢酸エチルと水を加えて分液し、有機層を水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、減圧下に溶媒を留去し、無色固形物を得た。
上記固形物(66.2mg, 0.10mmol)をアセトニトリル2mLに溶かし、80℃に加温したところにグアニジン(化合物S1: 36.8mg, 0.62mmol)を加えて2時間撹拌した。放冷後水1mLとトリフルオロ酢酸水溶液0.4mLとを加え、分取用HPLC[YMC ODS AMS-5、20mmφ×250mm、10%CH3CN−水〜50%CH3CN(0.05%TFA含有)(10mL/min, 10%/分)]にて精製し、目的の留分を集めて凍結乾燥し、標題化合物(29mg)を無色固形物として得た。
MS: 670(M+H)
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.84(m, 9H), 1.31(m, 9H), 1.88(m, 8H), 3.22(m, 4H), 4.47(m, 1H), 4.90(br, 1H), 6.10(s, 1H), 7.19(br, 1H), 7.95(s, 1H), 8.40(m, 1H), 8.58(s, 2H), 9.22(s, 1H), 9.47(br, 1H), 11.20(s, 1H).
【0155】
実施例19:N−{4−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−6−[(4−{[4−(2−ブチル−3−オキソ−1−ピペラジニル)−2−ピリミジニル]アミノ}シクロヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル}グアニジン トリフルオロアセテート(化合物14)
化合物13(11mg, 0.014mmol)をメタノール2mLに溶かし、10%パラジウム炭素3mgを加え、水素気流下室温で4時間撹拌した。触媒を濾去して、溶媒を減圧下に留去し、残渣を水0.5mL、とトリフルオロ酢酸水溶液0.4mLに溶かし、分取用HPLC[YMC ODS AMS-5、20mmφ×250mm、10%CH3CN−水〜50%CH3CN(0.05%TFA含有)(10mL/min, 10%/分)]にて精製し、目的の留分を集めて凍結乾燥して、標題化合物(3.2mg)を無色固形物として得た。
MS: 636(M+H)
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.85(m, 9H), 1.39(m, 9H), 1.87(br, 4H), 2.00(br, 4H), 3.74(m, 1H), 4.42(m, 1H), 5.01(m, 1H), 6.55(br, 1H), 7.88(br, 1H), 8.18(br, 1H), 8.37(m, 1H), 8.53(s, 2H), 9.02(s, 1H), 9.16(s, 1H), 11.06(s, 1H).
【0156】
試験例1 ヒトGC-Aレセプターへの作動活性の測定
本発明の化合物のヒトGC-Aレセプターに対する作動活性は、Kitanoらの方法に従って単離した高発現クローン株CHO細胞[CHO/humanGCA(4A):K. Kitano et al, Immunol. Lett. 47, 215-222 (1995)]を用い、以下の方法によって測定した。
【0157】
高発現クローン株CHO細胞の培養
細胞培養用粉末培地(Minimum Essential Medium-α without ribonucleosides and deoxynucleosides:Gibco BRL社)を1000mLの蒸留水に溶かし、炭酸水素ナトリウム2.2gを加えて溶かした。5mLのペニシリン-ストレプトマイシン溶液(Gibco BRL社、cat.No.15140-122)をこの溶液に加え攪拌後、2本の500mL Filter System(CORNING社)にて滅菌濾過した。50mLの fetal bovine serum dialyzed(Gibco BRL社cat. No.26300-061)を500mLの滅菌濾過した培地に加え、攪拌し、4℃冷蔵庫に保管した。10% fetal bovine serumを含む上記MEMα(−)培地中で、CHO/humanGCA(4A)細胞株を5%炭酸ガス下37℃にて増殖させ、0.25% trypsinを用いて剥離、分散して継代培養した。
【0158】
cGMP産生能の測定
(1)CHO/humanGCA(4A)細胞を1×10 cells/wellの密度で96-ウェルプレート(COSTER社、cat.No.3595)に植え継ぎ、5%炭酸ガス下37℃にて1日間培養した。
(2)細胞培養用培地を除いた後、細胞を75μL/well のHanks-BSA-HEPES buffer(20mM HEPES,0.1% BSAを含むHanks平衡塩類緩衝液, pH 7.4)で2回洗浄した。各種濃度の被験化合物およびhANP(陽性対照)の100μL/well)を、0.5mM 1-methyl-3-isobutylxanthine(MIX)(SIGMA社)存在下で37℃、30分インキュベートした。
【0159】
(3)反応液を除去し、Hanks-BSA-HEPES buffer 75μL/wellで1回洗浄した。氷冷下、50μL/well の0.1N塩酸を加え、細胞を破壊すると同時に細胞内cGMPを抽出した。
(4) cGMP RIA kit(ヤマサ醤油社)を用い、30μL(あるいは1μLサンプル+29μLの水)の細胞内cGMP抽出液に15μLのスクシニル化試薬を加え、攪拌後、室温にて10分間放置し、サンプル中に含まれるcGMPをスクシニル化した。0.3Mイミダゾールバッファー105μLを加えて反応を停止し、氷上においた。このスクシニル化サンプル20μLに20μLの抗スクシニルcGMP抗体および20μLの 125 I-succinyl-cGMPを加えて攪拌後、4℃にて18時間放置後150μLの活性炭溶液を加え、氷上5〜30分後2000rpm,4℃にて5分間遠心分離した。この上清100μLの放射能量をγ−カウンター(WIZARD 1470-020)にて測定した。
【0160】
cGMP産生能cGMP産生能EC50値の算出
hANP(陽性対照)による放射線量をcGMP最大産生量とし、その50%のcGMP産生量を各被験化合物において産生する50%有効濃度(EC50値)を算出した。代表化合物について、そのEC50値を表1に示した
【0161】
【表1】

【0162】
試験例2 麻酔ラットにおける利尿作用
本発明の化合物の麻酔ラットにおける利尿作用を以下の方法によって検討した。
【0163】
尿量測定方法
8〜9週齢のSprague-Dawley系雄性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)を500mg/kg ウレタン、100mg/kg α-クロラロースで麻酔し、仰臥位に固定した。シリコンチューブを膀胱内に留置し、流出する尿を経時的に試験管に採取し、尿の重量を測定した。尿排泄量は尿の比重を1とみなして重量から換算した。なお、尿量を一定に保つために、大腿静脈に挿入したカテーテルよりリンゲル液を40μL/minの速度で持続注入した。リンゲル液の注入開始後、尿量が安定するまで約2 時間ラットを放置した後、反対側の大腿静脈に留置したカテーテルより薬物を投与した。hANP(10μg/kg)は5%グルコースで希釈し、化合物10a(0.1, 0.3, 1 mg/kg)、化合物12a(0.3, 1mg/kg)は0.5%ジメチルスルホキシド、10% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンで希釈し、1mL/kgの割合で投与した。尿排泄量は投与前値に対する変化率を算出し、平均値±SEMで表した。溶媒群と薬物投与群の差は、hANPについてはStudentのt検定で、化合物10a、化合物12aについてはDunnettの多重比較検定で評価した。
【0164】
結果
麻酔ラットにおけるhANPの利尿作用については溶媒群とは有意な差異を認めなかったが、投与後15分まで増加傾向が見られた(図1)。その増加傾向は、投与後0〜5分で最大であり、以降は漸減傾向を示した。
麻酔ラットにおける化合物10aの利尿作用は、1mg/kg投与群において溶媒群に対して全ての時点で有意な尿量の増加を認めた(図2)。0.3mg/kg投与群では有意な差異は見られなかったが、投与後0〜20分で増加傾向を示した。いずれの用量においても、投与後5〜10分で最大値を示し、その後は漸減した。hANPの利尿傾向は15分以内に消失したが、化合物10aの1.0mg/kg投与群では投与後45〜60分においても利尿作用が維持されていた。
化合物12aの利尿作用は、0.3及び1mg/kg投与群において有意な尿量の増加が見られた(図3)。
有意な差異が認められなかった時点においても化合物12a投与群は高値を示しており、持続的な利尿活性を有すると考えられた。
【0165】
試験例3 腎臓、肺、血漿中のcGMP濃度増加作用
腎臓、肺においてGC-A受容体が高発現している、さらには血管内皮細胞においてもGC-A受容体を発現していることから、腎臓、肺、血漿中cGMP濃度に対する化合物10a、化合物12a投与による作用を検討した。
【0166】
cGMP濃度測定方法
Sprague-Dawley系雄性ラット(体重180〜220g、日本チャールス・リバー株式会社)を500 mg/kg ウレタン、100 mg/kg α-クロラロースで麻酔し、仰臥位に固定した。頸静脈に挿入したカテーテルより薬物を30分間持続静脈内投与した。薬物は0.5% ジメチルスルホキシド、10% 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンで希釈した。薬物はhANP(0.1, 0.3, 1 μg/kg/min)、化合物10a (10, 30 μg/kg/min)、化合物12a (1, 10, 30 μg/kg/min)について評価した。投与終了後、頸動脈に挿入したカテーテルより、10%エチレンジアミン四酢酸水溶液20μLを入れた2.5mL注射筒で2mL採血し、直ちに遠心分離し、得られた血漿を凍結保存した。また、あらかじめ液体窒素で冷却したペンチで腎臓、肺を挟み瞬間的に凍結し、ドライアイス上で粉砕後、凍結保存した。
【0167】
凍結組織サンプル(約500mg)に6%過塩素酸を10mL加えホモジナイズした。遠心分離(3000rpm, 10min)後、上清を1mL採取し100μL の60%水酸化カリウム水溶液を加えてさらに遠心分離(3000rpm, 10min)した。上清を採取し、YAMASA Cyclic GMP Assay Kit(ヤマサ醤油株式会社)によりcGMP濃度を測定した。1回目の遠心分離後の沈殿に0.5N 水酸化ナトリウムを2mL加えて撹拌し一晩4℃で放置した。この組織溶解液について、BCA protein assay kit(Pierce Biotechnology, Inc.)を用いてタンパク質濃度を測定した。cGMP濃度をタンパク質当量に補正した。
血漿は5mM エチレンジアミン四酢酸(pH7.4)で5倍希釈し、YAMASA Cyclic GMP Assay Kitにより cGMP濃度を測定した。
cGMP濃度は平均値±SEMで表した。溶媒群と薬物投与群の差はDunnettの多重比較検定で評価した。
【0168】
結果
腎臓においては、hANP、化合物10a、化合物12aの用量に依存して組織中cGMP濃度が有意に上昇した(図4、7)。hANP 1μg/kg/min投与群と化合物10a、化合物12a 30μg/kg/min投与群が同程度の作用を示した。
肺においても、ANP、化合物10a、化合物12aの用量に依存して組織中cGMP濃度が有意に上昇した(図5、8)。化合物10a、化合物12a 30μg/kg/min投与群ともに、hANP 1μg/kg/min投与群よりも強いcGMP産生活性を示した。
血漿中cGMP濃度においては、化合物12a 30μg/kg/min投与群でのみ有意な上昇を示したが、hANP、化合物10a投与群においても上昇傾向が認められた(図6、9)。
以上の結果より、化合物10a、化合物12aは腎臓、肺でのcGMP産生、血漿中cGMP濃度を増加させることが示された。これらの結果は、化合物10a及び化合物12aが腎臓、肺や血管内皮細胞に発現するGC-A受容体に作用し、cGMP産生を亢進させたことを示す。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は、グアニル酸シクラーゼ受容体Aアゴニスト作用を示す新規なイミダゾロン化合物である非ペプチド性の低分子化合物を提供するものであり、アゴニストとして機能することより利尿作用があることも確認され、慢性/急性心不全あるいはうっ血性心不全等の治療薬等の医薬品として期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】麻酔ラットでの利尿作用を示した図である。
【図2】麻酔ラットでの利尿作用を示した図である。
【図3】麻酔ラットでの利尿作用を示した図である。 図1はhANP(ANP)、図2は化合物10a、図3は化合物12aによる結果を示す。 「vehicle」は、図1においては5% グルコース投与群を、図2及び図3においては0.5% ジメチルスルホキシド、10% 2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン投与群を示す。 図1においては各群とも4例、図2においては溶媒群5例、化合物10a 0.3mg/kg群5例、1mg/kg投与群4例、図3においては各群5例である。 各群における数値は平均値±SEMを示す。また、*はP<0.05、**はP<0.01であることを示す。
【0171】
【図4】ラット組織中のcGMP量、及び血漿中cGMP濃度を示した図である。
【図5】ラット組織中のcGMP量、及び血漿中cGMP濃度を示した図である。
【図6】ラット組織中のcGMP量、及び血漿中cGMP濃度を示した図である。
【図7】ラット組織中のcGMP量、及び血漿中cGMP濃度を示した図である。
【図8】ラット組織中のcGMP量、及び血漿中cGMP濃度を示した図である。
【図9】ラット組織中のcGMP量、及び血漿中cGMP濃度を示した図である。 図4、7は腎臓組織中cGMP量、図5、8は肺組織中cGMP量、図6、9は血漿中cGMP濃度を示す。 「vehicle」は0.5% ジメチルスルホキシド、10% 2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン投与群、「10a」は化合物10a投与群、「12a」は化合物12a投与群を示す。 「γ」はμg/kg/minを示す。2A〜2Cにおいて、溶媒群、hANP(ANP)1μg/kg/min群は7例、hANP(ANP)0.3μg/kg/min群、化合物10a 10μg/kg/min群は7例、化合物12a 30μg/kg/min群は5例である。 図7〜図9において、hANP(ANP)0.1μg/kg/min群は4例、他の群は各5例である。 各群における数値は平均値±SEMを示す。また、*はP<0.05、**はP<0.01であることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(Ia):
【化1】

(式中、
及びRは、同一又は異なって、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は(3)水素原子を表し、
は、(1)C〜C10のアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は(3)水素原子を表し、
Xは、NH基又は酸素原子を表し、
、R、R及びRは、同一又は異なって、(1)C〜Cのアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は(3)水素原子を表す)
で示される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
一般式(IIa):
【化2】

(式中、
R、R、R及びRは、同一又は異なって、(1)C〜C6のアルキル基、(2)C〜C14の芳香族炭化水素基、又は(3)水素原子を表し、
Xは、NH基又は酸素原子を表し、
Zは、(1)C〜C10の直鎖あるいは環状アルキル基又は(2)C〜C14の芳香族炭化水素基を表すか、或いは(4)2つのX基と共に炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含む5〜8員環の芳香族複素環基を形成する[ここで前記Zの基は、任意にハロゲン原子、ニトロ基、1〜3個のハロゲン原子で置換された、または非置換の直鎖あるいは環状C〜C10のアルキル基、1〜3個のハロゲン原子で置換された、または非置換のC〜C10のアルケニル基、1〜3個のハロゲン原子で置換された、または非置換のC〜C10のアルキニル基、C〜C10のアラアルキル基、C〜C10のアリルーカルボニル基、カルボキシル基から選ばれる1〜5個の基で置換されていてもよい]
示される化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項3】
前記式(Ia)の化合物において、RとRが同時に水素原子ではない請求項1記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項4】
前記式(Ia)の化合物において、Rがフェニル基である請求項1記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項5】
前記式(Ia)の化合物において、XがNH基である請求項1記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項6】
前記式(Ia)の化合物において、R、R、R及びRが共に水素原子又はC〜C6のアルキル基である請求項1記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項7】
前記式(IIa)の化合物において、RとRが同時に水素原子ではなく、且つ、RとRが同時に水素原子ではない請求項2記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項8】
前記式(IIa)の化合物において、XがNH基である請求項2記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項9】
前記式(IIa)の化合物において、Zがフェニル基またはシクロヘキシル基である請求項2記載の化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物。
【請求項10】
前記式(IIa)の化合物が、以下の群からなる化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である請求項2に記載の化合物。
N,N’−(1,4−フェニレン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン;
N,N’−(1,4−フェニレン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−ブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン;
N,N’−(1,4−シクロヘキサン−ジ{イミノ[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−4,2−ジイル]})ジグアニジン;
N−[6−(2−アミノ−5−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル−4−グアニジノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N’−[6−(2−アミノ−5−メチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジノ−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−フェニレンジアミン;
N−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン;
N−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5R)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンと、N−[6−(2−アミノー(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジルー1,3,5−トリアジン−2−イル]−N’−[6−(2−アミノ−(5S)−イソブチル−4−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル)−4−グアニジル−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンの混合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−137897(P2008−137897A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322504(P2006−322504)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(503062312)アスビオファーマ株式会社 (25)
【Fターム(参考)】