説明

新規チオフェン誘導体

本発明は、式(I)のS1P1/EDG1受容体アゴニストおよび医薬組成物の製剤における活性成分としてのこれらの使用に関する。また、本発明は、化合物の製造のための方法、式(I)の1つまたはいくつかの化合物を含む医薬組成物、並びに血管機能を改善する化合物としての、および免疫調節薬としての、単独またはその他の活性化合物もしくは療法と組み合わせたこれらの使用に関する。S1P1/EDG1アゴニズムの結果としての循環T/Bリンパ球の減少により、おそらくS1P1/EDG1活性化と関連した内皮細胞層機能の改善が観察されることと合わせて、このような化合物が、抑制されていない炎症性疾患を治療するために、および血管機能性を改善するために有用となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、式(I)のS1P1/EDG1受容体アゴニストおよび医薬組成物の製造における活性成分としてのこれらの使用に関する。また、本発明は、化合物の製造のための方法、式(I)の1つまたはいくつかの化合物を含む医薬組成物、並びに血管機能を改善する化合物としての、および免疫調節薬としての、単独またはその他の活性化合物もしくは療法と組み合わせたこれらの使用を含む関連した側面に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ヒト免疫系は、感染または疾患を生じさせる外来微生物および物質から体を守るようにデザインされている。複雑な調節機構により、免疫応答が侵入する物質または生物体を標的とし、宿主を標的としないように保証する。場合によっては、これらの制御メカニズムは、制御されておらず、自己免疫応答を発症し得る。炎症反応が制御されない結果として、重篤な器官、細胞、組織または関節の損傷が生じる。また、現在の治療では、通常、全免疫系が抑制されて、体が感染に応答する能力が非常に損なわれてしまう。この種の典型的な薬物には、アザチオプリン、クロランブシル、シクロホスファミド、シクロスポリンまたはメトトレキセートを含む。炎症を減少させて、免疫応答を抑制する副腎皮質ステロイドは、長期治療に使用されると、副作用の原因となることがある。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、疼痛および炎症を減少させることができるが、しかし、これらは、かなりの副作用を示す。代わりの治療には、サイトカインシグナリングを活性化し、または遮断する薬剤を含む。
【0003】
免疫調節特性をもち、免疫応答を損なうことなく、そして副作用が減少された、経口で有効な化合物は、制御されない炎症性疾患の現在の治療を大幅に向上させるであろう。
【0004】
臓器移植の分野では、器官拒絶反応を防止するために宿主免疫応答を抑制しなければならない。臓器移植レシピエントは、彼らが免疫抑制剤を服用するときでも、いくらか拒絶反応を受けることがある。拒絶反応は、移植後の最初の数週に最も頻繁に生じるが、拒絶反応の発症は、移植の何月もまたは何年後でさえも生じ得る。副作用を最小にすると共に、拒絶反応から最大限保護するために、3つまたは4つまでの薬物療法の組み合わせが一般に使用されている。移植臓器の拒絶反応を治療するために使用される現在の標準薬は、T型またはB型白血球の活性化における別々の細胞内経路を妨げる。このような薬物の例には、サイトカイン放出またはシグナリングを妨げるシクロスポリン、ダクリズマブ、バシリキシマブ、エベロリムスもしくはFK506;ヌクレオチド合成を阻害するアザチオプリンもしくはレフルノミド;または白血球分化の阻害剤である15-デオキシスペルグアリンがある。
【0005】
広範な免疫抑制療法による有益な効果は、これらの効果に関連するが;しかし、これらの薬物により生じる全身的免疫抑制は、感染および悪性腫瘍に対する免疫系の防御を減弱させる。さらにまた、標準的な免疫抑制剤は、高投薬量で使用されることが多く、器官損傷を引き起こし、または促進し得る。
【発明の開示】
【0006】
本発明の記述
本発明は、Gタンパク質結合受容体S1P1/EDG1のためのアゴニストであり、かつ循環および浸潤するTおよびBリンパ球の数を減少させることによりこれらの成熟、記憶または増殖に影響を及ぼさずに達成される強力かつ持続性の免疫抑制効果を有する式(I)の新規化合物を提供する。S1P1/EDG1アゴニズムの結果としての循環T/Bリンパ球の減少により、おそらくS1P1/EDG1活性化と関連した内皮細胞層機能の改善が観察されることと合わせて、このような化合物が、抑制されていない炎症性疾患を治療するために、および血管機能性を改善するために有用となる。
【0007】
本発明の化合物は、単独で、またはT細胞活性化を阻害する標準薬と組み合わせて、標準的な免疫抑制療法と比較したときに感染の性向が減少した新たな免疫抑制療法を提供するために利用することができる。さらにまた、本発明の化合物は、投薬量を減少した従来の免疫抑制性療法と組み合わせて、一方では有効な免疫抑制活性を、一方では高用量の標準的な免疫抑制剤に付随した末端器官損傷の減少を提供するために使用することができる。S1P1/EDG1活性化と関連した内皮細胞層機能の改善の観察は、血管機能を改善するための化合物のさらなる利点をもたらす。
【0008】
ヒトS1P1/EDG1受容体のためのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、当技術分野において公知であり、たとえばHla, T., and Maciag, T. J. Biol Chem. 265(1990), 9308-9313;1991年10月17日に公開された国際公開公報第91/15583号;1999年9月16日に公開された国際公開公報第99/46277号に発表されている。式(I)の化合物の能力および有効性は、EC50値を決定するためのGTPγSアッセイ法を使用して、および経口投与後のラットにおける循環リンパ球を測定することによって、それぞれ評価される(実施例を参照されたい)。
【0009】
以下のパラグラフでは、本発明に従った化合物を構成する種々の化学物質部分の定義を提供し、他に明白に記載された定義がより広い定義を提供しない限り、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって一律に適用されることが意図される。
【0010】
式(I)の化合物に対するいずれの言及も、適切かつ好都合なように、光学的に純粋な鏡像異性体、ラセミ化合物などの鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオ異性ラセミ化合物およびジアステレオ異性のラセミ化合物の混合物、並びにこのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)および溶媒和物(水和物を含む)および形態型も指すことが理解されるはずである。
【0011】
低級アルキルという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、1〜5炭素原子、好ましくは1〜3炭素原子をもつ飽和した、分枝または好ましくは直鎖状基を意味する。低級アルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルおよびn-ペンチルである。
【0012】
低級アルコキシという用語は、Rが低級アルキルであるR-O基を意味する。低級アルコキシ基の好ましい例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシおよびtert-ブトキシである。
【0013】
ヒドロキシ-低級アルコキシという用語は、少なくとも2つの炭素原子がヒドロキシ基と低級アルコキシ基の酸素との間にある、ヒドロキシ基を有する直鎖状または分枝のアルコキシ鎖を意味する。ヒドロキシ-低級アルコキシ基の例は、2-ヒドロキシ-エトキシ、3-ヒドロキシ-プロポキシ、2-ヒドロキシ-プロポキシ、4-ヒドロキシ-ブトキシ、3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ、3-ヒドロキシ-ブトキシなどである。
【0014】
低級アルキルアミノまたはジ-(低級アルキル)アミノという用語は、それぞれ、式中R'およびR''がそれぞれ独立して低級アルキル基であるR'-NH-またはR'-NR''-基を意味する。低級アルキルアミノまたはジ-(低級アルキル)アミノ基の好ましい例は、メチルアミノ、エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノおよびN-メチル-N-エチル-アミノである。
【0015】
ハロゲンという用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、好ましくはフルオロまたはクロロを意味する。
【0016】
塩は、好ましくは式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0017】
造塩基は、塩基性もしくは酸性の特性を有する基またはラジカルである。少なくとも1つの塩基性基または少なくとも1つの塩基性ラジカルを有する化合物、たとえば豊富なアミノ、ペプチド結合を形成していない二級アミノ基またはピリジルラジカルは、たとえば無機酸と酸付加塩を形成するであろう。いくつかの塩基性基が存在するときは、モノまたはポリ酸付加塩を形成してもよい。
【0018】
カルボキシ基またはフェノールのヒドロキシ基などの酸性基を有する化合物は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、たとえばナトリウム、カリウム、マグネシウムもしくはカルシウム塩またはアンモニアもしくは三級モノアミン、たとえばトリエチルアミンもしくはトリ-(2-ヒドロキシエチル)-アミンなどの適切な有機アミン、または複素環塩基、たとえばN-エチル-ピペリジンもしくはN,N'-ジメチルピペラジンとのアンモニウム塩などの金属またはアンモニウム塩を形成してもよい。塩の混合物も可能である。
【0019】
酸性および塩基性の両方の基を有する化合物は、内錯塩を形成することができる。
【0020】
また、単離または精製の目的のために、並びに中間体としてさらに使用される化合物の場合、薬学的に容認できない塩、たとえばピクリン酸塩を使用することもできる。しかし、薬学的に許容される無毒の塩のみを治療目的のために使用してもよく、したがって、これらの塩が好ましい。
【0021】
薬学的に許容される塩という表現には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、亜燐酸、亜硝酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、パモ酸、ステアリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸および生きた生物に対して非中毒性であるその他のような無機酸または有機酸のいずれとの塩、または式(I)の化合物の性質が酸性である場合、アルカリまたはアルカリ土類塩基、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムその他のような無機塩基との塩も包含する。薬学的に許容される塩のその他の例については、特に"Salt selection for basic drugs", Int. J. Pharm. (1986), 33, 201-217を参照することができる。
【0022】
i)本発明は、式(I)の新規のチオフェン誘導体、並びに光学的に純粋な鏡像異性体、ラセミ化合物などの鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオ異性ラセミ化合物およびジアステレオ異性ラセミ化合物の混合物、並びにこのような化合物の塩および溶媒和物および形態型に関する:
【化1】


式中
R1は、水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンを表し;
R2は、水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンを表し;
R3は、水素、ヒドロキシ-低級アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルキル、-CH2-(CH2)k-NR31R32、(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エチル、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エチル、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロピル、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロピル、(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル-メチル、(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エチル、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エチル、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-エチル、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エチル、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロピル、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロピル、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロピル、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロピル、-CH2-(CH2)n-CONR31R32、-CO-NHR31、1-(1-(3-カルボキシ-アゼチジニル))-2アセチル、1-(1-(2-カルボキシ-ピロリジニル))-2-アセチル、1-(1-(3-カルボキシ-ピロリジニル))-2-アセチル、1-(1-(3-カルボキシ-アゼチジニル))-3-プロピオニル、1-(1-(2-カルボキシ-ピロリジニル))-3-プロピオニル、1-(1-(3-カルボキシ-ピロリジニル))-3-プロピオニル、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR31R32、ヒドロキシ、低級アルコキシ、フルオロ-低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルコキシ、1-グリセリル、2-グリセリル、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR31R32、2-ピロリジン-1-イル-エトキシ、3-ピロリジン-1-イル-プロポキシ、2-ピペラジン-1-イル-エトキシ、2-[4-(低級アルキル)-ピペラジン-1-イル]-エトキシ、2-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-エトキシ、3-ピペラジン-1-イル-プロポキシ、3-[4-(低級アルキル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、3-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-モルフォリン-4-イル-エトキシ、3-モルフォリン-4-イル-プロポキシ、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-エトキシ、2-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-エトキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、3-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、-O-CH2-CONR31R32、1-(1-(3-カルボキシ-アゼチジニル))-1-オキソ-2-エトキシ、1-(1-(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル)-1-オキソ-2-エトキシ、1-(1-(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル)-1-オキソ-2-エトキシ、3-カルバモイル-プロポキシ、3-(低級アルキルカルバモイル)プロポキシ、3-(2-ヒドロキシエチルカルバモイル)プロポキシ、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR31R32、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-2-ヒドロキシプロポキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-2-ヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-ピロリジン-1-イル-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-ピペラジン-1-イル-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[4-(低級アルキル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-モルフォリン-4-イル-プロポキシ、-NR31R32、-NHCO-R31、-CH2-(CH2)k-NHSO2R33、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHSO2R33、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R33、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R33、-CH2-(CH2)k-NHCOR34、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR34、-OCH2-(CH2)m-NHCOR34または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR34を表し;
R31は、水素、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-エチル、2-低級アルコキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、3-低級アルコキシプロピル、2-アミノエチル、2-(低級アルキルアミノ)エチル、2-(ジ-(低級アルキル)アミノ)エチル、カルボキシメチル、低級アルキルカルボキシメチル、2-カルボキシエチルまたは2-(低級アルキルカルボキシ)エチルを表し;
R32は、水素、またはメチルを表し;
R33は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2-ヒドロキシエチル、2-メトキシエチル、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノまたはジメチルアミノを表し;
R34は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、アミノメチル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、アミノエチル、2-メチルアミノ-エチルまたは2-ジメチルアミノ-エチルを表し;
kは、整数1、2または3を表し;
mは、整数1、または2を表し;
nは、整数0、1または2を表し;
R4は、水素、低級アルキル、またはハロゲンを表し;
R5は、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたはプロピルを表し;
R6は、任意に一、または二置換されたフェニルであって、式中置換基は、独立してメチル、エチル、トリフルオロメチル、ハロゲンおよびメトキシから選択されるフェニル;または任意にメチルもしくはメトキシで置換された2-、3-、もしくは4-ピリジルを表し;並びに
R7は、水素またはメチルを表す。
【0023】
ii)本発明の好ましい態様は、R1およびR4が水素を表し、R2がメチル基を表す、態様i)に記載のチオフェン誘導体に関する。
【0024】
iii)本発明のもう一つの好ましい態様は、R1が水素を表し、R2およびR4がメチル基を表し、式中R4がR3に対してオルト位にある、態様i)に記載のチオフェン誘導体に関する。
【0025】
iv)本発明のもう一つの好ましい態様は、R1が水素を表し、R2がメチル基を表し、かつR4がR3に対してオルト位にあるエチル基を表す、態様i)に記載のチオフェン誘導体に関する。
【0026】
v)本発明のもう一つの好ましい態様は、R1が水素を表し、R2がメチル基を表し、かつR4がR3に対してオルト位にある塩素を表す、態様i)に記載のチオフェン誘導体に関する。
【0027】
vi)本発明のもう一つの好ましい態様は、R1およびR4が水素を表し、かつR2が塩素を表す、態様i)に記載のチオフェン誘導体に関する。
【0028】
vii)本発明のもう一つの好ましい態様は、R1が水素を表し、R2がメトキシ基を表し、かつR4がR3に対してオルト位にある塩素またはフッ素を表す、態様i)に記載のチオフェン誘導体に関する。
【0029】
viii)本発明のもう一つの好ましい態様は、R1がメトキシ基を表し、かつR2およびR4が水素を表す、態様i)に記載のチオフェン誘導体に関する。
【0030】
ix)本発明のさらなる好ましい態様は、態様i)〜viii)のいずれか一つに記載のチオフェン誘導体であって、R3は、水素、ヒドロキシ-低級アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル,ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルキル、(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル-メチル、(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、-CH2-(CH2)n-CONR31R32、-CO-NHR31、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR31R32、低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルコキシ、1-グリセリル、2-グリセリル、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR31R32、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-エトキシ、2-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-エトキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、3-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、-O-CH2-CONR31R32、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR31R32、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-2-ヒドロキシプロポキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-2-ヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-ピロリジン-1-イル-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-ピペラジン-1-イル-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[4-(低級アルキル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-モルフォリン-4-イル-プロポキシ、-NR31R32、-NHCO-R31、-CH2-(CH2)k-NHSO2R33、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHSO2R33、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R33、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R33、-CH2-(CH2)k-NHCOR34、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR34、-OCH2-(CH2)m-NHCOR34または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR34を表し、式中R31、R32、R33およびR34は、上記式(I)について定義したとおりである化合物に関する。
【0031】
x)本発明のもう一つのさらなる好ましい態様は、態様i)〜viii)のいずれか一つに記載のチオフェン誘導体であって、R3は、ヒドロキシ-低級アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルキル、(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、-CO-NHR31、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR31R32、低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルコキシ、1-グリセリル、2-グリセリル、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR31R32、2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、-O-CH2-CONR31R32、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR31R32、-NR31R32、-NHCO-R31、-CH2-(CH2)k-NHSO2R33、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHSO2R33、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R33、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R33、-CH2-(CH2)k-NHCOR34、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR34、-OCH2-(CH2)m-NHCOR34または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR34を表し、式中R31、R32、R33およびR34は、上記式(I)について定義したとおりである化合物に関する。
【0032】
xi)本発明のもう一つのさらなる好ましい態様は、態様i)〜viii)のいずれか一つに記載のチオフェン誘導体であって、R3は、ヒドロキシ-低級アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルキル、-CO-NHR31、低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルコキシ、1-グリセリル、2-グリセリル、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシまたは-O-CH2-CONR31R32を表し、式中R31およびR32は、上記式(I)について定義したとおりである化合物に関する。
【0033】
xii)本発明の特に好ましい態様は、R5がエチルを表す、態様i)〜xi)のいずれか一つに記載のチオフェン誘導体に関する。
【0034】
xiii)本発明のもう一つの特に好ましい態様は、R6が置換されていないフェニル環を表す、態様i)〜xii)のいずれか一つに記載のチオフェン誘導体に関する。
【0035】
xiv)なおさらなる本発明の好ましい態様は、R7が水素を表す、態様i)〜xiii)のいずれか一つに記載のチオフェン誘導体に関する。
【0036】
本発明の好ましい態様は、式(I)の化合物であって、
R1は、水素を表し;
R2は、水素、低級アルキルまたは低級アルコキシを表し;
R3は、2,3-ジヒドロキシプロピル、(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、ヒドロキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、1-グリセリル、-OCH2-(CH2)m-NR31R32または-OCH2-CH(OH)-CH2-NR31R32を表し;
R31は、水素、メチルまたは2-ヒドロキシエチルを表し;
R32は、水素、またはメチルを表し;
mは、整数1を表し;
R4は、水素、低級アルキル、またはハロゲンを表し;
R5は、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたはプロピルを表し;
R6は、任意に一または二置換されたフェニルであって、式中置換基は、独立してメチル、エチル、トリフルオロメチル、ハロゲンおよびメトキシから選択されるフェニル;または3-ピリジルを表し;および、
R7は、水素を表す、
化合物に関する。
【0037】
式(I)の好ましい化合物は、以下の実施例のものである。
【0038】
式(I)の非常に好ましい化合物は:
3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン、
3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-(2-メチル-フェニル)-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン、および、
3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オンである。
【0039】
式(I)の化合物およびこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、たとえば経腸、非経口(parental)または局所的投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。これらは、たとえば経口的に、たとえば錠剤、コーティング錠、ドラジェー、硬および軟ゼラチンカプセル、溶液、エマルジョンまたは懸濁液の形態で、直腸に、たとえば坐薬の形態で、非経口的に、たとえば注射溶液もしくは輸液の形態で、または局所的に、たとえば軟膏、クリームまたは油の形態で投与することができる。
【0040】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(たとえばMark Gibson, Editor, Pharmaceutical Preformulation and Formulation, IHS Health Group, Englewood, CO, USA, 2001; Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Philadelphia College of Pharmacy and Scienceを参照されたい)、記述された式(I)の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を、任意に、ガレノスの投与形態中に、適切な無毒の不活性な治療的に許容される固体または液体の担体材料および必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、その他の治療的に有益な物質と組み合わせることによって遂行することができる。
【0041】
式(I)の化合物を含む医薬組成物は、活性化された免疫系と関連する疾患もしくは障害の予防および/または治療のために有用である。
【0042】
このような疾患または障害は、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、角膜および皮膚などの移植臓器の拒絶反応;幹細胞移植によってもたらされる移植片対宿主病;リウマチ様関節炎、多発性硬化症、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎などの甲状腺炎、ブドウ膜網膜炎を含む自己免疫性の症候群;鼻炎、結膜炎、皮膚炎などのアトピー性疾患;喘息;I型糖尿病;リウマチ熱および感染後の糸球体腎炎を含む感染後の自己免疫疾患;固形癌および腫瘍転移からなる群より選択される。
【0043】
好ましくは、式(I)の化合物で予防され、もしくは治療される疾患または障害は、腎臓、肝臓、心臓および肺から選択される移植臓器の拒絶反応;幹細胞移植によってもたらされる移植片対宿主病;リウマチ様関節炎、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病および橋本甲状腺炎から選択される自己免疫症候群;並びにアトピー性皮膚炎からなる群より選択される。
【0044】
本発明は、式(I)の化合物の薬学的に活性な量を患者に投与することを含む、本明細書において言及した疾患もしくは障害の予防または治療のための方法にも関する。
【0045】
さらにまた、式(I)の化合物は、1つまたはいくつかの免疫調節薬と組み合わせて、本明細書において言及した疾患および障害の予防および/または治療のために有用である。本発明の好ましい態様によれば、前記薬剤は、免疫抑制薬、副腎皮質ステロイド、NSAIDのもの、細胞毒、接着分子阻害剤、サイトカイン、サイトカイン阻害剤、サイトカイン受容体アンタゴニストおよび組換えサイトカイン受容体からなる群より選択される。
【0046】
また、本発明は、任意に1つまたはいくつかの免疫調節薬と組み合わせて使用するための、本明細書において言及した疾患および障害の予防または治療のための医薬組成物の製造のための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0047】
また、本発明は、それ自体をインビボで式(I)の化合物に変換する式(I)の化合物のプロドラッグに関する。したがって、式(I)の化合物に対するいずれの言及も、適切かつ好都合な場合、式(I)の化合物の対応するプロドラッグも指すことが理解されるはずである。
【0048】
式(I)の化合物は、以下の方法によって、実施例に示された方法によって、または類似の方法によって製造することができる。最適反応条件は、使用する具体的反応物または溶媒によって変更してもよいが、このような条件は、当業者により、ルーチンの最適化手順によって決定することができる。
【0049】
本発明の式(I)の化合物は、下記に概説した反応の一般的順序に従って製造することができる。式(I)の化合物を生じる合成による可能性のうちの少数のみを記述してある。
【化2】


式(I)の化合物は、Pd/C、Pt/C、PtO2、その他などの触媒の存在下において、エタノール、メタノール、THF、その他などの溶媒中で、構造1の化合物を水素と反応させることによって製造してもよい。構造1の化合物は、構造2化合物を、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、その他などの溶媒中で、KOH、NaOH、NaOMe、NaOEt、tert.ブチルカリウムなどの塩基またはHClなどの酸の存在下において、構造3の化合物と反応させることによって調製してもよい。
【化3】

【0050】
加えて、式(I)の化合物は、好ましくは室温以下の温度にて、グリニャール条件下で、構造4の化合物を構造5の化合物と反応させることによって製造してもよい。構造5のグリニャール試薬は、標準的方法論に従って製造される。残基R1〜R4に存在する官能基は、一時的に保護を必要としてもよく、またはグリニャール反応に続くさらなる工程においてさらに導入してもよい。
【化4】

【0051】
構造4のWeinrebアミド化合物は、EDC、DCC、TBTU、その他などのカップリング試薬の存在下において、構造6の化合物を塩酸N,O-ジメチルヒドロキシルアミンで処理することによって製造される。(M. Mentzel, H. M. R. Hoffmann, N-Methoxy N-methyl amides (Weinreb amides) in modern organic synthesis, Journal fuer Praktische Chemie/Chemiker-Zeitung 339 (1997), 517-524; J. Singh, N. Satyamurthi, I. S. Aidhen, The growing synthetic utility of Weinreb's amide, Journal fuer Praktische Chemie(Weinheim, Germany) 342 (2000) 340-347; V. K. Khlestkin, D. G. Mazhukin, Recent advances in the application of N,O-dialkylhydroxylamines in organic chemistry, Current Organic Chemistry 7(2003), 967-993)。
【化5】

【0052】
構造2の化合物は、ジエチルエーテル、THF、ジオキサンなどの溶媒中で、-20〜50℃の間の温度にて、構造6の化合物をMeLiで処理することによって製造してもよい。あるいは、構造2の化合物は、構造4の化合物をメチルマグネシウムブロミドと反応することによって製造してもよい。
【0053】
構造6の化合物は、市販されているか、または公知の手順(たとえば、国際公開第03/014107号; I. C. Gonzalez, L. N. Davis, Ch. K. Smith, Bioorg. Med. Chem. Lett. 14(2004) 4037-4043; M. J. Rudolph et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 12 (2002) 491-495; N. L. Subasinghe et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 11(2001) 1379-1382 およびその中で引用された文献; T. Thiemann, M. Watanabe, Y. Tanaka, S. Mataka, J. Chem. Res. 2004, 723-727)に従って、もしくは類似して調製される。
【実施例】
【0054】
以下の実施例は、本発明を例証するが、これらの範囲を全く限定しない。
【0055】
すべての温度は、℃で述べてある。化合物は、1H-NMR(300MHz)または13C-NMR(75MHz)によって(Varian Oxford;化学シフトは、使用する溶媒と関連して、ppmで示してある;多重度:s =一重項、d =二重項、t =三重項;p =四重項、hex= 五重項、hept= 六重項、m =多重項、br =広域、結合定数は、Hzで示してある);LC-MSによって(HP 1100 Binary PumpおよびDADを備えたFinnigan Navigator、カラム:4.6×50 mm、Zorbax SB-AQ、5μm、120Å、勾配:5〜95%のアセトニトリルの水溶液、1分、0.04%のトリフルオロ酢酸を含む、流速: 4.5 mL/分)、tRは、分で示してある;TLCによって(MerckからのTLC-プレート、Silica gel 60 F254);または融点によって特徴付けてある。化合物は、調整用HPLCによって(カラム:X-terra RP18、50×19 mm、5μm、勾配:0.5%のギ酸を含む10〜95%のアセトニトリルの水溶液)またはMPLCによって(Labomatic MD-80-100ポンプ、Linear UVIS-201検出器、カラム:350×18 mm、Labogel-RP-18-5s-100、勾配:10%のメタノール水溶液〜100%のメタノール)精製される。
【0056】
略語(本明細書で使用したもの)
approx. およそ
aq. 水溶液
atm 雰囲気
BSA ウシ血清アルブミン
Bu ブチル
CC カラムクロマトグラフィー
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピル-エチルアミン、Hunig's塩基、エチル-ジイソプロピルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
EDC N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチル-カルボジイミド
Et エチル
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC-MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
Me メチル
min 分
MPLC 中圧液体クロマトグラフィー
OAc アセテート
PdCl2(dppf) ジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)
Ph フェニル
prep. 調製用
TBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,2,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩
THF テトラヒドロフラン
rt 室温
sat. 飽和
S1P スフィンゴシン1-リン酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
tR 保持時間
【0057】
メタンスルホン酸2,2-ジメチル-[1,3]ジオキサン-5-イルメチルエステル
【化6】


表題化合物は、B. Xu, A. Stephens, G. Kirschenheuter, A. F. Greslin, X. Cheng, J. Sennelo, M. Cattaneo, M. L. Zighetti, A. Chen, S.-A. Kim, H. S. Kim, N. Bischofberger, G. Cook, K. A. Jacobson, J. Med. Chem. 45 (2002) 5694-5709に示された手順に従って製造する。
【0058】
実施例1
【化7】


a)0℃にて、DMF(4.3mL)をホスホルオキシクロライド(2.8mL)で慎重に処理して、混合物を20分間室温にて撹拌後、1,1,1-トリフルオロ-3-フェニル-プロパン-2-オン(1.55mL、10mmol)をゆっくり添加する。反応混合物を45℃にて2時間および室温にて18時間撹拌して、飽和酢酸Na水溶液(20mL)および水(40mL)で希釈して、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を分離して、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させて、淡黄色の油として3-クロロ-4,4,4-トリフルオロ-2-フェニル-ブテ-2-エナール(2.20g)を得た。
【0059】
b)エチル2-メルカプトアセテート(0.88g、6.75mmol)のTHF(45mL)溶液に、NaH(271mg、6.75mmol、鉱油中に60%)を-10℃にて添加する。混合物を30分間0℃にて撹拌後、3-クロロ-4,4,4-トリフルオロ-2-フェニル-ブテ-2-エナール1.32g(4.5mmol)のTHF(5mL)溶液を添加する。反応混合物を室温にて45分間撹拌し、次いで2N NaOH(2mL)水溶液で処理する。撹拌を15分間続けて、混合物を水(100mL)および1N NaOH(15mL)水溶液で希釈する。混合物をジエチルエーテル(70mL)で抽出する。有機抽出物を、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させる。粗生成物を調製用HPLC(Waters Xterra MS18、75×30mm、10μm、0.5%ギ酸を含む10〜95%のアセトニトリル水溶液)によって精製する。褐色がかった油として4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸エチルエステル(760mg)を得る:LC-MS: tR = 1.12 min; 1H NMR (CDCl3): δ 7.75-7.72 (m, 1H), 7.42 (s, 5H), 4.39 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.40 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0060】
c)4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸エチルエステル(750mg、2.50mmol)のエタノール(12mL)および2N LiOH水溶液(6mL)溶液を65℃にて2時間撹拌する。反応混合物を、室温に冷却させ、水(60mL)で希釈して、DCM(50mL)で抽出する。水相を、2N HCl(7mL)水溶液を添加することによって酸性化し、DCM(2×50mL)で2回抽出する。これらの有機抽出物を合わせて、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させて、高真空下で乾燥し、褐色の固体として4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸(670mg)を得る:LC-MS: tR= 0.97 min, 1H NMR (D6-DMSO): δ 7.57-7.54 (m, 1H), 7.46-7.42 (m, 5H)。
【0061】
d)4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸(272mg、1.0mmol)のTHF(10mL)溶液に、MeLiの溶液(1.30mL、1.6Mのジエチルエーテル溶液)を添加する。暗赤色の反応混合物を室温にて10分間撹拌する。反応を、飽和NH4Cl(10mL)水溶液を添加することによってクエンチする。有機相を分離して、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させる。粗生成物を調製用HPLC(Waters Xterra MS18、75×30mm、10μm、0.5%のギ酸を含む10〜95%のアセトニトリル水溶液)によって精製し、淡黄色の油として1-(4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-イル)-エタノン(31mg)を得る:LC-MS: tR = 1.06 min, 1H NMR (CDCl3): δ 7.62-7.60 (m, 1H), 7.45-7.40 (m, 5H), 2.60 (s, 3H)。
【0062】
d)1-(4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-イル)-エタノン(30mg、0.135mmol)および3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(41mg、0.27mmol)のエタノール(1mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(0.5mL)の溶液を室温にて18時間撹拌する。反応混合物を、水(10mL)、飽和NaHCO3水溶液(15mL)および1N NaOHで希釈し、DCM(25mL)で抽出する。有機抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、蒸発させて、褐色の固体として3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-イル)-プロペノン(38mg)を得る。LC-MS:tR =1.17min。
【0063】
e)3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-イル)-プロペノン(30mg、0.075mmol)のエタノール(3mL)溶液をPd/C(25mg、10%のPd)で処理して、生じる懸濁液を1気圧H2下で室温にて1時間撹拌する。混合物をセライト上で濾過して、溶媒を真空中で除去して、緑の油として3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(28mg)を得る。LC-MS: tR= 1.13 min, 1H NMR (CDCl3): δ7.56-7.53 (m, 1H), 7.46-7.38 (m, 5H), 6.83 (s, 2H), 4.48 (s, 1H), 3.18 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.94 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.21 (s, 6H)。
【0064】
実施例2
【化8】


3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(8mg、20μmol)の2-プロパノール(0.7mL)および2N NaOH水溶液(0.27mL)を(S)-3-クロロ-プロパン-1,2-ジオール(9mg、80μmol)で処理し、混合物を65℃にて24時間撹拌する。混合物を室温に冷却させ、ギ酸(0.25mL)で希釈して、調製用HPLC(Waters Xterra MS18 19×50mm 5μm、0.5%のギ酸を含む10〜95%のアセトニトリル水溶液)によって分離して、無色の凍結乾燥物(lyophilisate)として3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(4-フェニル-5-トリフルオロ-メチル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(3mg)を得る;LC-MS: tR = 1.06 min, [M+1]+ = 479.21。
【0065】
実施例3
【化9】


3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(4-フェニル-5-トリフルオロメチル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(8mg、20μmol)の2-プロパノール(0.7mL)および2N水溶液NaOH(0.27mL)溶液を2-ブロモエタノール(10mg、80μmol)で処理して、混合物を65℃にて2時間撹拌する。混合物を室温に冷却させ、ギ酸(0.25mL)で希釈して、調製用HPLC(Waters Xterra MS18 19×50mm 5μm、0.5%のギ酸を含む10〜95%のアセトニトリル水溶液)によって分離して、無色の凍結乾燥物として3-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(4-フェニル-5-トリフルオロ-メチル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(4mg)を得る;LC-MS: tR= 1.12 min, [M+1]+ = 449.15。
【0066】
実施例4
【化10】


a)ホスホルオキシクロライド(17mL、186mmol)を5℃にてDMF(17ml)にゆっくり添加して、混合物を室温にて40分間撹拌後、フェニルアセトン(9.5mL、74.5mmol)を8℃にて添加する。反応混合物を8℃にて1時間、次いで72℃にて3.5時間撹拌する。混合物を室温に冷却させ、水/氷で希釈して、Na-アセテート(40g)を添加することによって緩衝化する。溶液をEA(250mL)で2回抽出する。有機抽出物を水で洗浄して、蒸発させる。粗生成物をヘプタン:EA 4:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、オレンジの液体として3-クロロ-2-フェニル-ブテ-2-エナール(8.96g)を得る;1H NMR (CDCl3): δ 10.42 (s, 1H), 7.42-7.30 (m, 5H), 2.29 (s, 3H)。
【0067】
b)エチル2-メルカプトアセテート(5.92g、49.3mmol)を新たに調製したナトリウム(1.2g、50mmol)のエタノール(50mL)溶液に添加する。この溶液に3-クロロ-2-フェニル-ブテ-2-エナール(8.90g、49.3mmol)を添加して、混合物を室温にて16時間、次いで70℃にて2時間撹拌する。2N LiOH水溶液(30mL)を添加して、撹拌を70℃にて2時間続ける。エタノールを真空中で除去して、残りの混合物を水で希釈し、DCMで抽出する。水相をHCl水溶液で酸性化し、ジエチルエーテルで抽出する。エーテル相の溶媒を蒸発させ、残渣をアセトニトリルに懸濁し、濾過して、さらなるアセトニトリルで洗浄して、乾燥させ、黄色の粉末として5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-カルボン酸(4.45g)を得る、LC-MS: tR= 0.92 min, [M+1+MeCN]+ = 260.13; 1H NMR (CDCl3): δ 7.84 (s, 1H), 7.46-7.33 (m, 5H), 2.55 (s, 3H)。
【0068】
c)5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-カルボン酸(1.50g、6.87mmol)のジエチルエーテル(100mL)溶液にMeLi(7mL、1.5Mのジエチルエーテル溶液)を5℃にて添加する。混合物を室温にて90分間撹拌後、MeLi(1mL)のさらなる部分を添加する。撹拌を1時間続ける。混合物を水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物を蒸発させて、粗生成物をヘプタン:EA 4:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、無色の油として1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-エタノン(490mg)を得る、LC-MS: tR= 1.00 min, [M+1]+ = 217.10; 1H NMR (CDCl3): δ 7.62 (s, 1H), 7.48-7.33 (m, 5H), 2.54 (s, 6H)。
【0069】
d)1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-エタノン(419mg、1.94mmol)および3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(350mg、2.33mmol)のエタノール(4mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(2mL)溶液を室温にて1時間撹拌する。濃緑色の溶液を水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物を蒸発させ、エタノール(10mL)に溶解して、Pd/C(60mg、10%のPd)で処理する。スラリーを1.4barのH2下で6時間水素付加する。混合物を濾過して、溶媒を真空中で除去して、粗生成物をヘプタン:EA 4:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、無色の樹脂として3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(360mg)を得る;LC-MS: tR = 1.09 min, [M+1]+ = 351.25; 1H NMR (CDCl3): δ 7.60 (s, 1H), 7.46-7.30 (m, 5H), 6.85 8s, 2H), 4.48 (s, 1H), 3.14 (dd, J = 7.0, 8.2 Hz, 2H), 2.92 (dd, J = 7.0, 8.2 Hz, 2H), 2.52 (s, 3H), 2.21 (s, 6H)。
【0070】
実施例5
【化11】


3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(60mg、0.172mmol)の2-プロパノール(1mL)溶液および3N NaOH水溶液(0.3mL)を(S)-3-クロロ-プロパン-1,2-ジオール(95mg、0.86mmol)で処理して、混合物を70℃にて24時間撹拌する。溶媒を蒸発させて、残渣をEAでの調製用TLCプレートで精製し、油として3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(44mg)を得る;LC-MS: tR= 1.00 min, [M+1]+ = 425.23; 1H NMR (CDCl3): δ 7.60 (s, 1H), 7.46-7.32 (m, 5H), 6.88 (s, 2H), 4.11-4.06 (m, 1H), 3.86-3.80 (m, 4H), 3.19-3.11 (m, 2H), 2.98-2.91 (m, 2H), 2.72 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.25 (s, 6H), 2.11-2.05 (m, 1H)。
【0071】
実施例6
【化12】


a)3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(300mg、0.86mmol)の2-プロパノール(7.5mL)溶液および3N NaOH水溶液(2.5mL)をエピクロロヒドリン(158mg、1.72mmol)で処理して、混合物を室温にて24時間撹拌し、次いで水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、残渣をヘプタン:EA 5:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、油として3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(92mg)を得る;LC-MS: tR = 1.13 min, [M+1]+ = 407.24。
【0072】
b)3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(30mg、74μmol)のメタノール(1mL)およびアンモニア(22μL、約7Nのメタノール溶液)の溶液を65℃にて4時間、および室温にて18時間撹拌する。溶媒を真空中で除去して、残渣を調製用HPLCによって精製し、無色の樹脂として3-[4-(3-アミノ-2-ヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(4mg)を得る;LC-MS: tR= 0.87 min, [M+1]+ = 424.24。
【0073】
実施例7
【化13】


3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(33mg、82μmol)およびメチルアミン(0.082mL、2MのTHF溶液)のメタノール(1mL)溶液を65℃にて4時間、および室温にて18時間撹拌する。溶媒を真空中で除去して、残渣を調製用HPLCによって精製し、無色の樹脂として3-[4-(2-ヒドロキシ-3-メチルアミノ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(4mg)を得る;LC-MS: tR= 0.88 min, [M+1]+ = 438.25, 1H NMR (ギ酸塩として) (CDCl3): δ 8.56 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.45-7.30 (m, 5H), 6.85 (m, 2H), 4.60 (s br, 2H), 4.37-4.30 (m, 1H), 3.81-3.70 (m, 2H), 3.18-3.10 (m, 4H), 2.96-2.88 (m, 2H), 2.70 (s, 3H), 2.51 (s, 3H), 2.20 (s, 6H)。
【0074】
実施例8
【化14】


3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(5-メチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(30mg、74μmol)およびアミノエタノール(9mg、0.148mmol)のメタノール(1mL)溶液を65℃にて4時間撹拌する。溶媒を真空中で除去して、残渣を調製用HPLCによって精製し、無色の樹脂としてを得る;LC-MS: tR= 0.88 min, [M+1]+ = 468.28。
【0075】
実施例9
【化15】


a)-78℃にて、4-フェニルチオフェン-2-カルボン酸(800mg、3.92mmol)のTHF(10mL)溶液をtert.-BuLi(8mL、1.6Mのペンタン溶液)で処理する。混合物を-70℃にて40分間撹拌後、ヨウ化メチル(1mL)を添加する。撹拌を-78℃にて5時間続け、次いで反応混合物を室温に一晩温める。反応を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、EAで抽出する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、溶媒を除去して、粗生成物を3%のメタノールを含むDCMで溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、赤い固体として5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-カルボン酸(340mg)を得る;LC-MS: tR = 0.95 min, [M+1+MeCN]+= 274.15; 1H NMR (CDCl3): δ 7.79 (s, 1H), 7.46-7.31 (m, 5H), 2.92 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0076】
b)5℃にて、5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-カルボン酸(180mg、0.775mmol)のTHF(4mL)溶液をMeLi(0.9mL、1.6Mジエチルエーテル溶液)で処理する。反応混合物を室温にて30分間撹拌後、MeLi(0.5mL)のさらなる部分を添加する。攪拌を1時間続け、反応を水(50mL)を添加することによってクエンチして、EAで抽出する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して、粗生成物をヘプタン:EA 30:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、無色の油として1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-エタノン(64mg)を得る;LC-MS: tR= 1.03 min, [M+1+MeCN]+ = 272.15; 1H NMR (CDCl3): δ 7.60 (s, 1H), 7.47-7.32 (m, 5H), 2.91 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.54 (s, 3H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0077】
c)1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-エタノン(64mg、0.278mmol)および3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(53mg、0.334mmol)のエタノール(1.2mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(0.6mL)溶液の溶液を室温にて1時間撹拌する。濃緑色の溶液を水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物を蒸発させ、メタノール(1mL)およびTHF(1mL)に溶解して、Pd/C(60mg、10%のPd)で処理する。スラリーを1.4barのH2下で1.5時間水素付加させる。混合物をセライト上で濾過して、溶媒を真空中で除去し、粗生成物をヘプタン:EA 2:1での調製用TLCプレートで精製し、黄色の油として3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(59mg)を得る;LC-MS: tR= 1.11 min; 1H NMR (CDCl3): δ 7.58 (s, 1H), 7.46-7.30 (m, 5H), 6.85 (s, 2H), 4.56 (s, 1H), 3.18-3.10 (m, 2H), 2.97-2.86 (m, 4H), 2.22 (s, 6H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0078】
実施例10
【化16】


3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(52mg、0.143mmol)の2-プロパノール(1mL)溶液および3N NaOH水溶液(0.3mL)を(S)-3-クロロ-プロパン-1,2-ジオール(79mg、0.71mmol)で処理し、混合物を70℃にて15時間撹拌する。反応混合物を、水で希釈して、DCMで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、粗生成物をヘプタン:EA 1:3での調製用TLCプレートで精製し、無色の樹脂として3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(14mg)を得る; LC-MS: tR= 1.03 min, [M+1]+ = 439.25; 1H NMR (CDCl3): δ 7.58 (s, 1H), 7.45-7.30 (m, 5H), 6.88 (s, 2H), 4.11-4.04 (m, 1H), 3.87-3.80 (m, 4H), 3.67-3.60 (m, 2H), 3.60-3.56 (m, 1H), 3.48-3.40 (m, 1H), 3.20-3.10 (m, 2H), 2.98-2.87 (m, 4H), 2.25 (s, 6H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0079】
実施例11
【化17】


a)3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(2.5g、16.6mmol)のDCM(25mL)およびピリジン(3.8mL)中の冷却溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3mL)をゆっくりと添加する。添加完了ときに、混合物を室温に温めて、2時間撹拌する。混合物をEA(150mL)で希釈し、水で洗浄(2×100mL)する。有機相の溶媒を蒸発させ、粗生成物をヘプタン:EA 3:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、無色の液体としてトリフルオロ-メタンスルホン酸4-ホルミル-2,6-ジメチル-フェニルエステル(3.13g)を得る。
【0080】
b)トリフルオロメタンスルホン酸4-ホルミル-2,6-ジメチル-フェニルエステル(3.13g、11.1mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド(682mg、0.972mmol)、トリフェニルホスフィン(1.76g、6.7mmol)、LiCl(3.98g、93.8mmol)および微量の2,6-ジ-tert.-ブチル-4-メチルフェノールのDMF(30mL)溶液に、アリルトリブチルスタナン(2mL)を添加する。混合物を120℃まで加熱して、2時間撹拌後、アリルトリブチルスタナン(2mL)のさらなる部分を添加する。撹拌を120℃にて1時間続ける。混合物を室温に冷却させ、水(100mL)で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物を1.5MのHCl(2×100 mL)水溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥させて、溶媒を蒸発させる。粗生成物をヘプタン:EA 20:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、無色の液体として4-アリル-3,5-ジメチル-ベンズアルデヒド(1.34g)を得る;1H NMR (CDCl3): δ 9.92 (s, 1H), 7.53 (s, 2H), 5.96-5.80 (m, 1H), 5.06-5.00 (m, 1H), 4.87-4.78 (m, 1H), 3.48-3.40 (m, 2H), 2.38 (s, 6H)。
【0081】
c)4-アリル-3,5-ジメチル-ベンズアルデヒド(500mg、2.87mmol)のアセトン(10mL)および水(0.4mL)の溶液に、N-メチルモルホリン-N-オキシド(465mg、3.44mmol)およびOsO4(1mL、2.5%溶液のtert.-ブタノール溶液)を添加する。反応混合物を室温にて3時間撹拌後、これをDCMで希釈して、10%のクエン酸水溶液で洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥させて、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をEAで溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、無色の油として4-(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-3,5-ジメチル-ベンズアルデヒド(190mg)を得る;LC-MS: tR = 0.69 min, [M+1+CH3CN]+= 250.28。
【0082】
d)4-(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-3,5-ジメチル-ベンズアルデヒド(64mg、0.308mmol)および1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-エタノン(50mg、0.218mmol)のエタノール(2mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(0.5mL)溶液を室温にて5日間撹拌する。溶媒を真空中で除去して、残渣を調製用HPLCによって分離する。生成物を含む画分を飽和NaHCO3水溶液および3MのNaOH(5mL)水溶液で処理する。混合物を室温にて1時間撹拌して、次いでDCMで抽出する。有機抽出物の溶媒を除去する。残渣をTHF:メタノール 1:1(5mL)に溶解して、Pd/Cで処理する。スラリーを1.5barのH2下で室温にて16時間撹拌する。混合物をセライト上で濾過して、濾液を蒸発させ、無色の油として3-[4-(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(20mg)を得る;LC-MS: tR = 1.04 min, [M+1]+= 423.28。
【0083】
実施例12
【化18】


a)3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(296mg、0.81mmol)の2-プロパノール(2.5mL)溶液および3N NaOH 水溶液(1mL)をエピクロロヒドリン(150mg、1.63mmol)で処理して、混合物を室温にて24時間撹拌し、次いで水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、残渣をヘプタン:EA 4:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、淡黄色の油として3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(160mg)を得る;LC-MS: tR = 1.16 min, [M+1]+ = 421.22, 1H NMR (CDCl3): δ 7.58 (s, 1H), 7.45-7.30 (m, 5H), 6.88 (s, 2H), 3.99 (dd, J = 2.9, 11.1 Hz, 1H), 3.72 (dd, J = 5.8, 11.1 Hz, 1H), 3.38-3.31 (m, 1H), 3.19-3.11 (m, 2H), 2.98-2.85 (m, 5H), 2.72-2.67 (m, 1H), 2.26 (s, 6H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H).。
【0084】
b)3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(30mg、72μmol)のメタノール(2mL)およびアンモニア(22μL、7Nのメタノール溶液)溶液を室温にて16時間および40℃にて16時間撹拌後、溶媒を蒸発させる。残渣を調製用HPLCによって分離し、無色の樹脂として3-[4-(3-アミノ-2-ヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(4mg)のギ酸塩を得る;LC-MS: tR = 0.89 min, [M+1]+ = 438.24, 1H NMR (CDCl3): δ 8.54 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.42-7.26 (m, 5H), 6.79 (s, 2H), 5.22 (s br, 3H), 4.26-4.18 (m, 1H), 3.75-3.66 (m, 2H), 3.24-3.06 (m, 3H), 2.94-2.80 (m, 4H), 2.28-2.20 (m, 1H), 2.14 (s, 6H), 1.28 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0085】
実施例13
【化19】


3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(30mg、72μmol)およびメチルアミン(80μL、2MのTHF溶液)のメタノール(2mL)溶液を室温にて16時間および40℃にて16時間撹拌後、溶媒を蒸発させる。残渣を調製用HPLCによって分離して、無色の樹脂として1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-3-[4-(2-ヒドロキシ-3-メチルアミノ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-プロパン-1-オン(4mg)のギ酸塩を得る;LC-MS: tR = 0.91 min, [M+1]+ = 452.25。
【0086】
実施例14
【化20】


3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(30mg、72μmol)およびアミノエタノール(9mg、150μmol)のメタノール(2mL)溶液を60℃にて4時間撹拌後、溶媒を蒸発させる。残渣を調製用HPLCによって分離し、無色の樹脂として1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-3-{4-[2-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-プロポキシ]-3,5-ジメチル-フェニル}-プロパン-1-オン(14mg)のギ酸塩を得る;LC-MS: tR= 0.89 min, [M+1]+ = 482.32, 1 H NMR (CDCl3): δ 8.54 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.45-7.30 (m, 5H), 6.85 (s, 2H), 4.34-4.26 (m, 1H), 3.88-3.84 (m, 2H), 3.80-3.75 (m, 2H), 3.65 (s br, 4H), 3.23-3.05 (m, 6H), 2.98-2.86 (m, 4H), 2.21 (s, 6H), 1.29 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0087】
実施例15
【化21】


1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-エタノン(200mg、0.869mmol)および3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシベンズアルデヒド(194mg、1.04mmol)のエタノール(2mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(1mL)を室温にて18時間撹拌する。濃緑色の溶液を水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物を蒸発させ、メタノール(5mL)およびTHF(5mL)に溶解して、Pd/C(150mg、10%のPd)で処理する。スラリーを1.8barのH2下で18時間水素付加する。混合物をセライト上で濾過し、溶媒を真空中で除去して、粗生成物をヘプタン:EA 7:3で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、無色の油として3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(208mg)を得る;LC-MS: tR = 1.10 min, [M+1]+= 401.12; 1H NMR (CDCl3): δ 7.58 (s, 1H), 7.46-7.30 (m, 5H), 6.83 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.16 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.98 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.91 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0088】
実施例16
【化22】


a)3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(150mg、0.375mmol)の2-プロパノール(3mL)および3N NaOH水溶液(1mL)の溶液をエピクロロヒドリン(104mg、1.12mmol)で処理して、混合物を70℃にて24時間撹拌し、次いで水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発して、残渣をヘプタン:EA 1:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(100mg)の無色の油を得る;LC-MS: tR= 1.14 min, [M+1]+ = 457.13。
【0089】
b)3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(50mg、110μmol)のメタノール(2mL)およびアンモニア(53μL、7Nのメタノール溶液)溶液を60℃にて16時間撹拌後、溶媒を蒸発させる。残渣を調製用HPLCによって分離し、無色の樹脂として3-[4-(3-アミノ-2-ヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(5mg)のギ酸塩を得る;LC-MS: tR = 0.90 min, [M+1]+ = 474.28。
【0090】
実施例17
【化23】


3-(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メトキシ-フェニル)-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(50mg、110μmol)およびメチルアミン(55μL、2MのTHF溶液)のメタノール(4mL)溶液を室温にて16時間および70℃にて16時間撹拌後、溶媒を蒸発させる。残渣を調製用HPLCによって分離し、無色の油として3-[3-クロロ-4-(2-ヒドロキシ-3-メチルアミノ-プロポキシ)-5-メトキシ-フェニル]-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(7mg)のギ酸塩を得る;LC-MS: tR= 0.90 min, [M+1]+ = 488.18。
【0091】
実施例18
【化24】


a)1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-エタノン(600mg、2.61mmol)およびテレフタルアルデヒド(874mg、6.51mmol)のエタノール(10mL)および5N HClのイソプロパノール(5mL)溶液を室温にて3日間撹拌する。反応混合物を水で希釈して、ジエチルエーテルで抽出する。有機抽出物を水および飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、溶媒を蒸発させる。粗生成物をヘプタン:EA 4:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、黄色の固体として4-[3-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-3-オキソ-プロペニル]-ベンズアルデヒド(280mg)を得る;LC-MS: tR = 1.14 min, [M+1]+= 347.14, 1H NMR (CDCl3): δ 10.05 (s, 1H), 7.95-7.88 (m, 2H), 7.84-7.77 (m, 3H), 7.52-7.35 (m, 5H), 2.96 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.35 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0092】
b)4-[3-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-3-オキソ-プロペニル]-ベンズアルデヒド(140mg、0.405mmol)およびアゼチジン-3-カルボン酸(51mg、0.506mmol)およびNaBH(OAc)3(257mg、1.21mmol)のTHF(6mL)溶液を室温にて6時間撹拌する。反応混合物を少量のメタノールおよびDCM(150mL)で希釈して、水で洗浄する。有機相を分離して、水相をDCMで再び抽出する。合わせた有機抽出物をMgSO4上で乾燥させて、蒸発させる。残渣をメタノールに懸濁し、濾過して、乾燥させる。得られた固体物質をDMF/メタノールにおいて懸濁して、Pd/C(20mg、10%のPd)で処理する。スラリーを室温にて1.5barの下H2で16時間撹拌する。混合物を濾過して、濾液を蒸発させ、乾燥させて、無色の固体として、1-{4-[3-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-3-オキソ-プロピル]-ベンジル}-アゼチジン-3-カルボン酸(15mg)を得る;LC-MS: tR = 0.89 min, [M+1]+= 434.17。
【0093】
実施例19
【化25】


a)5℃にて、o-トリル-アセトアルデヒド(3.50g、29mmol)をPOCl3(7.5ml、93mmol)およびDMF(8mL)の混合物に添加する。混合物を70℃にて3時間撹拌後、反応を水/氷およびNaOAc(17g)を添加することによってクエンチして、EA(2×150 mL)で抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、生成物をヘプタン:EA 9:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製する。生じる油(2.5g)をエタノール(5mL)に溶解し、次いで新たに調製したNa(318mg、13.8mmol)およびエチル-2-メルカプトアセテート(1.64g、13.6mmol)のエタノール(15mL)溶液に滴下する。反応混合物を室温にて16時間、次いで70℃にて2時間撹拌する。3M NaOH(15mL)水溶液を添加して、混合物を70℃にて2時間撹拌する。混合物を室温に冷却させ、水で希釈して、DCMで抽出する。水相をHCl水溶液で酸性化し、EAで抽出する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥させて、溶媒を蒸発させ、褐色の固体として粗製4-o-トリル-チオフェン-2-カルボン酸(790mg)を得る、LC-MS: tR = 0.91 min。
【0094】
b)-70℃にて、4-o-トリル-チオフェン-2-カルボン酸(790mg、3.62mmol)のTHF(10mL)溶液をtert.-BuLi(6.5mL、1.7Mのペンタン溶液)で処理する。混合物を-70℃にて30分間撹拌後、ヨウ化エチル(1.5mL)を添加する。混合物を室温に温め、撹拌を16時間続ける。反応を飽和NH4Cl水溶液を添加することによってクエンチし、混合物をEAで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、残りの油(680mg)を乾燥DCM(10mL)に溶解する。TBTU (1.24g、3.87mmol)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(415mg、4.25mmol)およびDIPEA (2mL)を添加して、混合物を室温にて20時間撹拌後、これをEAで希釈して、水で洗浄する。有機層を分離して、蒸発させ、残りの残渣をヘプタン:EA 9:1〜2:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、油として5-エチル-4-o-トリル-チオフェン-2-カルボン酸メトキシ-メチル-アミド(58mg)を得る。この油をTHF(4mL)に溶解して、メチルマグネシウムブロミド(0.1mL、3MのTHF溶液)で4℃にて処理する。反応混合物を室温にて16時間撹拌後、グリニャール試薬(0.2mL)のさらなる部分を添加する。撹拌を72時間続ける。混合物を水で希釈して、EA(50mL)で抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させ、黄色の油として粗製1-(5-エチル-4-o-トリル-チオフェン-2-イル)-エタノン(58mg)を得る;LC-MS: tR= 1.05 min, [M+1]+ = 245.16。
【0095】
c)1-(5-エチル-4-o-トリル-チオフェン-2-イル)-エタノン(51mg、0.209mmol)および3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(47mg、0.172mmol)のエタノール(1.5mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(0.7mL)溶液を室温にて18時間撹拌する。溶液を水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物を蒸発させ、メタノール(3mL)およびTHF(3mL)に溶解して、Pd/C(10mg、10%のPd)で処理する。スラリーを1.5barのH2下で18時間撹拌する。混合物を濾過して、濾液の溶媒を真空中で除去して、粗生成物をヘプタン:EA 3:1での調製用TLCプレートで精製し、無色の油として1-(5-エチル-4-o-トリル-チオフェン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロパン-1-オン(18mg)を得る;LC-MS: tR= 1.12 min, [M+1]+ = 379.24。
【0096】
実施例20
【化26】


1-(5-エチル-4-p-トリル-チオフェン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロパン-1-オン(18mg、48μmol)のエタノール(1.5mL)溶液および3N NaOH水溶液(0.3mL)を(S)-3-クロロ-プロパン-1,2-ジオール(30μL)で処理し、混合物を60℃にて14時間撹拌する。溶媒を真空中で除去して、残渣をヘプタン:EA 2:1での調製用TLCプレートで分離し、無色の樹脂として3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-o-トリル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(4mg)を得る;LC-MS: tR = 1.04 min, [M+1]+ = 453.28; 1H NMR (CDCl3): δ 7.45 (s, 1H), 7.29-7.08 (m, 4H), 6.87 (s, 2H), 4.11-4.04 (m, 1H), 3.87-3.80 (m, 4H), 3.16-3.10 (m, 2H), 2.97-2.90 (m, 2H), 2.64 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.17 (s, 6H), 1.20 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0097】
実施例21
【化27】


a)10℃にて、p-トリル-アセトアルデヒド(11.0g、82mmol)をPOCl3(20mL、230mmol)およびDMF(20mL)の混合物に添加する。混合物を室温にて2時間撹拌後、反応を水/氷およびNaOAcを添加することによってクエンチして、DCM(2×200 mL)で抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発して、生成物をヘプタン:EA 9:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製する。生じる油(1.95g)をエタノール(5mL)に溶解して、次いで新たに調製したNa(370mg、16.2mmol)およびエチル-2-メルカプトアセテート(1.95g、16.2mmol)のエタノール(20mL)溶液に滴下する。反応混合物を室温にて72時間撹拌し、水(100mL)で希釈して、EA(2×150 mL)で抽出する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥させて、蒸発させる。ヘプタン:EA 5:1で溶出するシリカゲルでのCCにより、4-p-トリル-チオフェン-2-カルボン酸エチルエステル(850mg)を得る。このエステルをエタノール(10mL)および3MのNaOH(5mL)水溶液に溶解し、混合物を2時間還流する。反応混合物をDCMで酸性化して、抽出する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥させて、溶媒を蒸発させ、固体として4-p-トリル-チオフェン-2-カルボン酸(580mg)を得る;LC-MS: tR = 0.91 min, [M+1+CH3CN]+ = 260.16, 1H NMR (CDCl3): δ 8.14 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.50 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.05 (s br, 1H), 2.39 (s, 3H)。
【0098】
b)-70℃にて、4-p-トリル-チオフェン-2-カルボン酸(580mg、2.66mmol)のTHF(8mL)溶液をtert.-BuLi(5mL、1.7Mのペンタン溶液)で処理する。混合物を-70℃にて30分間撹拌後、ヨウ化エチル(1.2mL)を添加する。混合物を室温に温め、撹拌を72時間続ける。飽和NH4Cl水溶液を添加することによって反応をクエンチし、混合物をDCMで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、残りの油(780mg)を乾燥DCM(10mL)に溶解する。TBTU (1.42g、4.43mmol)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(463mg、4.75mmol)およびDIPEA (2mL)を添加して、混合物を室温にて18時間撹拌後、これをEAで希釈して、水で洗浄する。有機層を分離して、蒸発させ、残りの残渣をヘプタン:EA 4:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、油として5-エチル-4-p-トリル-チオフェン-2-カルボン酸メトキシ-メチル-アミド(210mg)を得る。この油をTHFに溶解して、メチルマグネシウムブロミド(0.3mL、3MのTHF溶液)で3℃にて処理する。反応混合物を室温にて16時間撹拌後、グリニャール試薬(0.5mL)のさらなる部分を添加する。撹拌を72時間続ける。混合物を水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、粗生成物をヘプタン:EAでの調製用TLCプレートで精製し、黄色の油として1-(5-エチル-4-p-トリル-チオフェン-2-イル)-エタノン(28mg)を得る、LC-MS: tR= 1.06 min, [M+1]+ = 245.19。
【0099】
c)1-(5-エチル-4-p-トリル-チオフェン-2-イル)-エタノン(28mg、0.115mmol)および3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(26mg、0.172mmol)のエタノール(1.5mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(0.3mL)溶液を室温にて18時間撹拌する。溶液を水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物を蒸発させ、メタノール(3mL)およびTHF(3mL)に溶解して、Pd/C(30mg、10%のPd)で処理する。スラリーを1.5barのH2下で18時間撹拌する。混合物を濾過して、濾液の溶媒を真空中で除去して、粗生成物を調製用HPLCによって精製し、無色の油として1-(5-エチル-4-p-トリル-チオフェン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロパン-1-オン(46mg)を得る;LC-MS: tR = 1.13 min, [M+1]+ = 379.22。
【0100】
実施例22
【化28】


1-(5-エチル-4-p-トリル-チオフェン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロパン-1-オン(47mg、0.125mmol)のエタノール(2mL)溶液および3N NaOH水溶液(0.5mL)を(S)-3-クロロ-プロパン-1,2-ジオール(90μL)で処理し、混合物を60℃にて20時間撹拌する。(S)-3-クロロ-プロパン-1,2-ジオールのさらなる部分(60μL)を添加して、攪拌を60℃にて5日間続ける。反応混合物を水で希釈して、DCMで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、粗生成物をヘプタン:EA 2:1での調製用TLCプレートで精製し、無色の樹脂として3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-p-トリル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(6mg)を得る、LC-MS: tR= 1.05 min, [M+1]+ = 453.25; 1H NMR (CDCl3): δ 7.56 (s, 1H), 7.30-7.21 (m, 4H), 6.88 (s, 2H), 4.11-4.05 (m, 1H), 3.87-3.80 (m, 4H), 3.18-3.11 (m, 2H), 2.98-2.85 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.25 (s, 6H), 1.29 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0101】
実施例23
【化29】


a)-75℃にて、4-フェニルチオフェン-2-カルボン酸(1.20g、5.88mmol)のTHF(15mL)溶液をtert.-BuLi(10mL、1.6Mのペンタン溶液)で処理する。混合物を-70℃にて1時間撹拌後、1-ヨードプロパン(1.5mL)を添加する。反応混合物を室温に温め、一晩撹拌する。反応を飽和NH4Cl(100mL)水溶液でクエンチし、DCM(2×200 mL)で抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させて、残渣をDCM(15mL)に溶解する。TBTU(2.03g、6.33mmol)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(760mg、7.80mmol)およびDIPEA(2mL)を添加して、混合物を室温にて72時間撹拌後、これを水で洗浄する。有機層を分離して、蒸発させる。残渣をヘプタン:EA 5:1で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、無色の油として4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-カルボン酸メトキシ-メチル-アミド(900mg)を得る;LC-MS: tR = 1.05 min, [M+1]+ = 290.15。
【0102】
b)2℃にて、メチルマグネシウムブロミド(1mL、1.7MのTHF溶液)を4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-カルボン酸メトキシ-メチル-アミド(900mg、3.11mmol)の溶液に添加する。混合物を1時間撹拌後、グリニャール試薬のさらなる部分(0.2mL)を添加する。撹拌を2時間続ける。混合物を水で希釈し、EAで抽出して、有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、濃縮する。粗生成物をヘプタン:EA 5:4で溶出するシリカゲルでのCCによって精製し、黄色の油として1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-エタノン(456mg)を得る;LC-MS: tR= 1.06 min, [M+1]+ = 245.14, 1H NMR (CDCl3): δ 7.59 (s, 1H), 7.47-7.32 (m, 5H), 2.87-2.81 (m, 2H), 2.54 (s, 3H), 1.76-1.63 (m, 2H), 0.95 (t, J = /.6 Hz, 3H)。
【0103】
c)1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-エタノン(450mg、1.84mmol)および3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(331mg、2.21mmol)のエタノール(4mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(2mL)溶液を室温にて18時間撹拌する。濃い溶液を水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物を蒸発させ、メタノール(5mL)およびTHF(5mL)に溶解して、Pd/C(100mg、10%のPd)で処理する。スラリーを1.8barのH2下で16時間撹拌する。混合物を濾過して、濾液の溶媒を真空中で除去して、粗生成物をヘプタン:EA 2:1でのCC調製用TLCプレートによって精製し、無色の油として3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(550mg)を得る;LC-MS: tR = 1.13 min; [M+1]+= 379.20, 1H NMR (CDCl3): δ 7.56 (s, 1H), 7.45-7.28 (m, 5H), 6.85 (s, 2H), 4.48 (s, 1H), 3.17-3.10 (m, 2H), 2.96-2.89 (m, 2H), 2.87-2.80 (m, 2H), 2.21 (s, 6H), 1.74-1.64 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0104】
実施例24
【化30】


3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(47mg、125μmol)のイソプロパノール(2mL)溶液および3N NaOH水溶液(0.5mL)を(S)-3-クロロ-プロパン-1,2-ジオール(55mg、0.50mmol)で処理し、混合物を70℃にて14時間撹拌する。(S)-3-クロロ-プロパン-1,2-ジオールのさらなる部分(55mg、0.50mmol)を添加して、攪拌を70℃にて24時間続ける。溶媒を真空中で除去して、残渣をヘプタン:EA 2:1での調製用TLCプレートで分離し、無色の樹脂として3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(15mg)を得る、LC-MS: tR= 1.05 min, [M+1]+ = 453.18。
【0105】
実施例25
【化31】


a)3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(250mg、0.661mmol)の2-プロパノール(2mL)溶液および3N NaOH水溶液(1mL)をエピクロロヒドリン(122mg、1.32mmol)で処理して、混合物を室温にて18時間撹拌し、次いで水で希釈して、EAで抽出する。有機抽出物の溶媒を蒸発させ、黄色の油として粗製3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(257mg)を得る;LC-MS: tR = 1.18 min, [M+1]+ = 435.20。
【0106】
b)3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(80mg、191μmol)およびメチルアミン(0.4μL、2MのTHF溶液)のメタノール(4mL)溶液を75℃にて16時間撹拌後、溶媒を蒸発させる。残渣を調製用HPLCによって分離し、無色の樹脂として3-[4-(2-ヒドロキシ-3-メチルアミノ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(23mg)のギ酸塩を得る;LC-MS: tR = 0.91 min, [M+1]+ = 466.27; 1H NMR (CDCl3): δ 8.54 (s, 1H), 7.58 8s, 1H), 7.45-7.30 (m, 5H), 6.86 (s, 2H), 4.40-4.30 (m, 1H), 3.82-3.74 (m, 2H), 3.25-3.11 (m, 2H), 2.96-2.90 (m, 2H), 2.87-2.80 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 2.22 (s, 6H), 1.75-1.63 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0107】
実施例26
【化32】


3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(80mg、191μmol)およびアミノエタノール(35mg、0.571mmol)のメタノール(2mL)溶液を75℃にて16時間撹拌し、溶媒を蒸発させる。残渣を調製用HPLCによって分離し、無色の樹脂として3-{4-[2-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-プロポキシ]-3,5-ジメチル-フェニル}-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン(27mg)のギ酸塩を得る;LC-MS: tR= 0.91 min, [M+1]+ = 496.50。
【0108】
実施例27〜29
【化33】


以下の実施例は、実施例19から開始して、適切なアルキル化剤を使用して、実施例20に類似して調製される:
【0109】
【表1】

【0110】
実施例30
【化34】


a)20分にわたって、SnCl4(60.9g、234mmol)のヘキサン(20ml)溶液を2-エチルチオフェン(25g、223mmol)およびアセチルクロライド(18.4g、234mmol)のヘキサン(80mL)溶液に添加する。発生するHClガスをNaOH溶液にトラップする。SnCl4の約半分の溶液を添加されると、HClの発生が止まる。黒い粘稠性の混合物を100℃に30分間温め、その後に、これを再び室温に冷却する。混合物を氷/水(600mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×)で抽出し、合わせたエーテル抽出物をNaOH(1M)、飽和NaHCO3溶液および鹹水で洗浄して、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させる。粗製1-(5-エチル-チオフェン-2-イル)-エタノン(35g)を酢酸ナトリウム(16.0g、195mmol)の水(160mL)溶液に添加して、生じるエマルジョンを勢いよく撹拌する。このエマルジョンに、臭素(28.5g、178mmol)を25分にわたって滴状に添加する。臭素の添加の完了ときに、酢酸ナトリウム(60g、731mmol)を添加して、10MのNaOH水溶液を添加することによって混合物のpHを9に調整する。臭素(12.4g、78mmol)のさらなる部分を添加して、撹拌を15分間続ける。1MのNa2S2O3水溶液を添加することによって反応をクエンチし、混合物をジエチルエーテルで3回抽出する。有機抽出物を1N NaOH水溶液、2N HCl水溶液および鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、蒸発させ、褐色油として1-(4-ブロモ-5-エチル-チオフェン-2-イル)-エタノン(38g)を得る;LC-MS: tR= 0.97 min, [M+1+CH3CN]+ = 274.20。
【0111】
b)1-(4-ブロモ-5-エチル-チオフェン-2-イル)-エタノン(10.6g、46mmol)および3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンズアルデヒド(7.6g、51mmol)のエタノール(40mL)溶液および5N HClのイソプロパノール(20mL)溶液を50℃にて1.5時間撹拌する。混合物を氷/水(400mL)に注いで、ジエチルエーテル(100mL)で4回抽出する。有機抽出物を飽和NaHCO3水溶液、5%のクエン酸水溶液、続いて鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させる。粗生成物をクロロホルムに懸濁し、撹拌して、室温にて15分間超音波処理して、濾過して、乾燥させ、黄色の固体として1-(4-ブロモ-5-エチル-チオフェン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロペノン(2.11g)を得る;LC-MS: tR= 1.11 min, [M+1]+ = 365.01; 1H NMR (CDCl3): δ 7.74 (d, J = 15.2 Hz, 1H); 7.68 (s, 1H), 7.30 (s, 2H), 7.18 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 4.99 (s, 1H), 2.84 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.30 (s, 6H), 1.34 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0112】
c)1-(4-ブロモ-5-エチル-チオフェン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロペノン(2.10g、5.7mmol)、Pd(PPh34(66mg、57μmol)、ジフェニルシラン(2.54g、13.8mmol)およびZnCl2(627mg、4.6mmol)の混合物のCHCl3(100mL)溶液を40℃にて1.5時間撹拌する。混合物を水で希釈し、有機相を分離する。水相をCHCl3でもう一度抽出する。有機抽出物を5%のクエン酸水溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させる。粗生成物をヘプタン:EA 4:1で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製し、固体として1-(4-ブロモ-5-エチル-チオフェン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロパン-1-オン(1.03g)を得る;C-MS: tR = 1.08 min, [M+1]+ = 367.18。
【0113】
d)1-(4-ブロモ-5-エチル-チオフェン-2-イル)-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロパン-1-オン(45mg、123μmol)および2-エチルフェニルホウ素酸(22mg、148μmol)を脱ガスしたジオキサン(0.8mL)および脱ガスした2M Na2CO3水溶液に溶解する。この溶液に、PdCl2(dppf)(5mg、7mmol)をアルゴン流下で添加する。混合物を80℃にて8時間撹拌する。混合物を室温に冷却して、一定分量を調製用HPLCによって精製し、無色の樹脂として1-[5-エチル-4-(2-エチル-フェニル)-チオフェン-2-イル]-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロパン-1-オンを得る;LC-MS: tR = 1.10 min, [M+1]+= 383.25。
【0114】
実施例31〜34
【化35】


1-[5-エチル-4-(2-エチル-フェニル)-チオフェン-2-イル]-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-プロパン-1-オン(9.5mg、25μmol)を含む実施例30の粗製反応混合物に、適切なアルキル化剤(125μmol)のイソプロパノール(0.15mL)および2N NaOH水溶液(0.15mL)を添加する。反応混合物を75℃にて8時間撹拌後、これを再び室温に冷却する。反応混合物を15分間遠心分離して、上清を調製用HPLCによって分離し、無色の樹脂として対応するアルキル化された誘導体を得る。
【0115】
【表2】

【0116】
実施例35〜64
【化36】


以下の実施例は、実施例30および31〜34と類似して調製される。
【0117】
【表3】

【表4】

【表5】

【0118】
実施例65:EC50値を決定するためのGTPγS結合アッセイ法
GTPγS結合アッセイ法は、96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc, 442587)で、組換えヒトS1P1受容体を発現するCHO細胞の膜標品を用いて200μlの最終体積で行った。アッセイ条件は、20mM Hepes(Fluka, 54461)、100mM NaCl(Fluka, 71378)、5mM MgCl2(Fluka, 63064)、0.1%のBSA(Calbiochem, 126609、1μM GDP(Sigma, G-7127)、2.5%のDMSO(Fluka, 41644)、50pMの35S-GTPγS(Amersham Biosciences, SJ1320)である。pHは、7.4である。試験化合物を溶解して、100%のDMSOに希釈し、35S-GTPγSの非存在下で150μlの上記アッセイ緩衝液中で室温にて30分間プレインキュベートする。50μlの、35S-GTPγSの添加後、アッセイを室温にて1時間インキュベートする。アッセイをPackard Biosciencesからのセル‐ハーベスターを使用して反応混合物をMultiscreenプレート(Millipore, MAHFC1H60)に移すことによって終結させて、プレートを氷冷10mM Na2HPO4/NaH2PO4(70%/30%)で洗浄して、乾燥させ、底面を封着して、25μlのMicroScint20(Packard Biosciences, order no. 6013621)を添加後に、上部を封着する。膜結合型の35S-GTPγSをPackard BiosciencesからのTopCountで測定する。
【0119】
EC50は、最大の特異的35S-GTPγS結合の50%を誘導するアゴニストの濃度である。特異的結合は、非特異的結合を最大結合から減算することによって決定する。最大結合は、10μMのS1Pの存在下においてMultiscreenプレートに結合したcpmの量である。非特異的結合は、アッセイにおけるアゴニストの非存在下での結合の量である。
【0120】
表1は、本実施例のいくつかの化合物のEC50値を示す。EC50値は、上記方法に従って決定した。
【0121】
表1:
【表6】

【0122】
実施例66:インビボでの有効性の評価
式(I)の化合物の有効性は、正常圧の雄ウィスターラットに対する3〜30mg/kgの式(I)の化合物の経口投与後に、循環リンパ球を測定することによって評価する。動物は、12時間-光/暗闇サイクルで気候制御条件に収容して、通常のラット固形飼料および飲料水の自由な摂取をさせた。血液は、薬物投与前、並びに後の3、6および24時間に収集する。全血をAdvia Hematologyシステム(Bayer Diagnostics, Zurich, Switzerland)を使用する血液検査に供する。
【0123】
すべてのデータは、平均±SEMとして示してある。統計分析は、多重比較のためにStatistica(StatSoft)およびStudent-Newman-Keuls法を使用して分散分析(分散分析)によって行う。帰無仮説は、p<0.05のときに拒絶する。
【0124】
一例として、表2には、媒体だけで処理した一群の動物と比較して、正常圧の雄ウィスターラットに対する本発明の化合物の10mg/kgの経口投与の3時間後におけるリンパ球カウントに対する効果を示す。
【0125】
表2:
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のチオフェンからなる群より選択される化合物、並びに光学的に純粋な鏡像異性体、ラセミ化合物などの鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオ異性ラセミ化合物およびジアステレオ異性ラセミ化合物の混合物、並びにこのような化合物の塩および溶媒和物および形態型:
【化1】


式中
R1は、水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンを表し;
R2は、水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンを表し;
R3は、水素、ヒドロキシ-低級アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルキル、-CH2-(CH2k-NR31R32、(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エチル、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エチル、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロピル、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロピル、(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル-メチル、(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エチル、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エチル、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-エチル、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エチル、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロピル、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロピル、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロピル、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロピル、-CH2-(CH2)n-CONR31R32、-CO-NHR31、1-(1-(3-カルボキシ-アゼチジニル))-2アセチル、1-(1-(2-カルボキシ-ピロリジニル))-2-アセチル、1-(1-(3-カルボキシ-ピロリジニル))-2-アセチル、1-(1-(3-カルボキシ-アゼチジニル))-3-プロピオニル、1-(1-(2-カルボキシ-ピロリジニル))-3-プロピオニル、1-(1-(3-カルボキシ-ピロリジニル))-3-プロピオニル、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR31R32、ヒドロキシ、低級アルコキシ、フルオロ-低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルコキシ、1-グリセリル、2-グリセリル、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR31R32、2-ピロリジン-1-イル-エトキシ、3-ピロリジン-1-イル-プロポキシ、2-ピペラジン-1-イル-エトキシ、2-[4-(低級アルキル)-ピペラジン-1-イル]-エトキシ、2-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-エトキシ、3-ピペラジン-1-イル-プロポキシ、3-[4-(低級アルキル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、3-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-モルフォリン-4-イル-エトキシ、3-モルフォリン-4-イル-プロポキシ、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-エトキシ、2-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-エトキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、3-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、-O-CH2-CONR31R32、1-(1-(3-カルボキシ-アゼチジニル))-1-オキソ-2-エトキシ、1-(1-(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル)-1-オキソ-2-エトキシ、1-(1-(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル)-1-オキソ-2-エトキシ、3-カルバモイル-プロポキシ、3-(低級アルキルカルバモイル)プロポキシ、3-(2-ヒドロキシエチルカルバモイル)プロポキシ、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR31R32、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-2-ヒドロキシプロポキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-2-ヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-ピロリジン-1-イル-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-ピペラジン-1-イル-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[4-(低級アルキル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-モルフォリン-4-イル-プロポキシ、-NR31R32、-NHCO-R31、-CH2-(CH2)k-NHSO2R33、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHSO2R33、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R33、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R33、-CH2-(CH2)k-NHCOR34、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR34、-OCH2-(CH2)m-NHCOR34または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR34を表し;
R31は、水素、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-エチル、2-低級アルコキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、3-低級アルコキシプロピル、2-アミノエチル、2-(低級アルキルアミノ)エチル、2-(ジ-(低級アルキル)アミノ)エチル、カルボキシメチル、低級アルキルカルボキシメチル、2-カルボキシエチルまたは2-(低級アルキルカルボキシ)エチルを表し;
R32は、水素、またはメチルを表し;
R33は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2-ヒドロキシエチル、2-メトキシエチル、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノまたはジメチルアミノを表し;
R34は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、アミノメチル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、アミノエチル、2-メチルアミノ-エチルまたは2-ジメチルアミノ-エチルを表し;
kは、整数1、2または3を表し;
mは、整数1、または2を表し;
nは、整数0、1または2を表し;
R4は、水素、低級アルキルまたはハロゲンを表し;
R5は、トリフルオロメチル、メチル、エチルまたはプロピルを表し;
R6は、任意に一または二置換されたフェニルであって、置換基が独立してメチル、エチル、トリフルオロメチル、ハロゲンおよびメトキシから選択されるフェニル;または任意にメチルもしくはメトキシで置換された2-、3-または4-ピリジルを表し;並びに、
R7は、水素またはメチルを表す。
【請求項2】
R1およびR4が水素を表し、R2がメチル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が水素を表し、かつR2およびR4がメチル基を表し、式中R4がR3に対してオルト位にある、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R1が水素を表し、R2がメチル基を表し、かつR4がR3に対してオルト位にあるエチル基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R1が水素を表し、R2がメチル基を表し、かつR4がR3に対してオルト位にある塩素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R1およびR4が水素を表し、かつR2が塩素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R1が水素を表し、R2がメトキシ基を表し、かつR4がR3に対してオルト位にある塩素またはフッ素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R1がメトキシ基を表し、かつR2およびR4が水素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物であって、R3は、水素、ヒドロキシ-低級アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルキル、(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル-メチル、(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル-メチル、-CH2-(CH2)n-CONR31R32、-CO-NHR31、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR31R32、低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルコキシ、1-グリセリル、2-グリセリル、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR31R32、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-エトキシ、2-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-エトキシ、2-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-エトキシ、2-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-エトキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、3-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、3-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、-O-CH2-CONR31R32、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR31R32、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル]-2-ヒドロキシプロポキシ、3-[(アゼチジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-2-ヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-3-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-3-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-2-カルボン酸)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(ピロリジン-2-カルボン酸低級アルキルエステル)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(2-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[(3-ヒドロキシ-ピロリジン)-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-ピロリジン-1-イル-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-ピペラジン-1-イル-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[4-(低級アルキル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシ-エチル)-ピペラジン-1-イル]-プロポキシ、2-ヒドロキシ-3-モルフォリン-4-イル-プロポキシ、-NR31R32、-NHCO-R31、-CH2-(CH2)k-NHSO2R33、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHSO2R33、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R33、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R33、-CH2-(CH2)k-NHCOR34、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR34、-OCH2-(CH2m-NHCOR34または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR34を表し、式中R31、R32、R33およびR34は、請求項1において定義したとおりである化合物。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物であって、R3は、ヒドロキシ-低級アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルキル、(アゼチジン-3-カルボン酸)-1-イル-メチル、-CO-NHR31、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR31R32、低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルコキシ、1-グリセリル、2-グリセリル、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2m-NR31R32、2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、-O-CH2-CONR31R32、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR31R32、-NR31R32、-NHCO-R31、-CH2-(CH2)k-NHSO2R33、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHSO2R33、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R33、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R33、-CH2-(CH2)k-NHCOR34、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR34、-OCH2-(CH2)m-NHCOR34または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR34を表し、式中R31、R32、R33およびR34は、請求項1において定義したとおりである化合物。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物であって、R3は、ヒドロキシ-低級アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルキル、-CO-NHR31、低級アルコキシ、ヒドロキシ-低級アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-低級アルキル)-低級アルコキシ、1-グリセリル、2-グリセリル、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシまたは-O-CH2-CONR31R32を表し、式中R31およびR32は、請求項1において定義したとおりである化合物。
【請求項12】
R5がエチルを表す、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
R6が置換されていないフェニル環を表す、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
R7が水素を表す、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
以下からなる群より選択される請求項1に記載の化合物:
3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-フェニル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン、
3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(5-エチル-4-(2-メチル-フェニル)-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン、および、
3-[4-((S)-2,3-ジヒドロキシ-プロポキシ)-3,5-ジメチル-フェニル]-1-(4-フェニル-5-プロピル-チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オン。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項17】
医薬として使用するための、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物または請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
活性化された免疫系と関連する疾患もしくは障害の予防または治療のための医薬組成物の製造のための、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
腎臓、肝臓、心臓および肺から選択される移植臓器の拒絶反応;幹細胞移植によってもたらされる移植片対宿主病;リウマチ様関節炎、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病および橋本甲状腺炎から選択される自己免疫性症候群;並びにアトピー性皮膚炎からなる群より選択される疾患もしくは障害の予防または治療のための、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
活性化された免疫系と関連する疾患もしくは障害の予防または治療のための、免疫抑制薬、副腎皮質ステロイド、NSAID、細胞障害性の薬剤、接着分子阻害剤、サイトカイン、サイトカイン阻害剤、サイトカイン受容体アンタゴニストおよび組換えサイトカイン受容体からなる群より選択される1つまたはいくつかの薬剤と組み合わせて使用するための医薬組成物の製造のための請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−546758(P2008−546758A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517678(P2008−517678)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051990
【国際公開番号】WO2006/137019
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】