説明

新規三環式誘導体、その製造法、およびそれを含有する医薬組成物

式(I)の化合物:式中、Aは、5、6または7環員を含む(ヘテロ)芳香族または非(ヘテロ)芳香族環であり、Z、ZおよびZは、互いに独立して、CH基または窒素原子であり、これら3個の基の少なくとも一つが窒素原子であり、Xは、明細書中で定義されたアルキレン鎖であり、Rは、アリールまたはヘテロアリール基であり、Rは、明細書中で定義された式(II)の基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な三環式化合物、それを製造する方法、およびそれを含有する医薬組成物に関するものである。
【0002】
本発明の化合物は、新規であり、アポトーシスおよび癌腫学の分野で非常に貴重な薬理学的特徴を有する。
【0003】
アポトーシス、またはプログラムされた細胞死は、胚の発生、および組織ホメオスタシスの維持に決定的に重要な生理学的過程である。
【0004】
アポトーシス型の細胞死は、核の凝集のような形態学的変化、DNAの断片化、およびカスパーゼの活性化のような生化学的現象が関与して、それらが細胞の枢要な構造的要素に損傷を引き起こし、そのため、その分解および死を誘導する。アポトーシス過程の調節は、複雑であり、いくつかの細胞内シグナリング経路の活性化または抑制が関与する[Cory, S. et al., Nature Review Cancer, 2002, 2: 647-656]。
【0005】
アポトーシスの脱制御には、一定の病理学が関与する。アポトーシスの増加は、パーキンソン病、アルツハイマー病および虚血のような神経変性性疾患に関連する。逆に、アポトーシス実行の不足は、癌およびその化学耐性の発達、自己免疫疾患、炎症性疾患およびウイルス感染に有意な役割を果たす。したがって、アポトーシスの欠如は、癌の表現型における特徴の一つである[Hanahan, D. et al., Cell 2000, 100, 57-70]。
【0006】
本発明の化合物は、新規であることに加えて、アポトーシスを促進する特性を有するため、たとえば癌の処置のような、アポトーシスの欠陥が関与する病理学にそれを利用することが可能になる。
【0007】
より格別には、本発明は、式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
◆ Aは、酸素、硫黄および窒素から選択される1または2個のヘテロ原子を含んでもよい5、6または7員の、芳香環または非芳香環を表し、前記窒素は、直鎖または分枝鎖(C−C)アルキル基により置換されていることができ、このように定義された環Aは、2個の硫黄原子または2個の酸素原子を含むことができず、環員の一つがC=O基であってもよいと理解され、
◆ Z、ZおよびZは、互いに独立して、CH基または窒素原子を表し、3個の基の少なくとも一つが窒素原子であると理解され、
◆ Rは、アリールまたはヘテロアリール基を表し、
◆ Xは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン鎖を表し、その1または2個の炭素原子は、酸素原子、シクロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基またはSO基で置き換えられてもよく、
◆ Rは、式(II):
【0010】
【化2】

【0011】
で示される基を表し、式中、
− Yは、基C=OまたはCHを表し、
− Rは、水素原子を表し、この場合、Rは、水素原子または基−NRR’もしくは−CH−NRR’(ここで、RおよびR’は、各々、同じであっても、異なっていてもよく、互いに独立して、水素原子または一つ以上のアリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクロアルキルもしくはNRR’基で置換されている、直鎖もしくは分枝鎖(C−C)アルキルを表し、ここで、
* RおよびR’は、同じであっても、異なっていてもよく、水素、直鎖または分枝鎖(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖(C−C)アルコキシ、アリールおよびヘテロアリールから選択されるか、
* あるいは、RおよびR’は、酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子により場合により置換されている飽和または不飽和の、単環または二環の基を形成し、一つ以上の環員は、C=O基を表してもよいか、以下に与えられる複素環の定義に示すように置換されていてもよいことが理解される)を表すか、
あるいは、RおよびRは、それらを有する2個の炭素原子と一緒になって、SO基に対してパラの位置に窒素原子を含む、5または6個の環員を有する、芳香環または非芳香環を形成し、窒素原子に加えて更に1個の窒素原子および/またはSO基を含んでもよく、そのように定義された環が上記に定義されたとおりのR基により置換されており、
− Rは、ハロゲン原子またはNO、R、SO−R、直鎖もしくは分枝鎖(C−C)アルキルまたは直鎖もしくは分枝鎖(C−C)アルコキシ基(ここで、Rは、前記Rの定義のいかなる意味であってもよい)を表し、
− Rは、アミノ基または場合により一つ以上のハロゲン原子で置換されている直鎖もしくは分枝鎖(C−C)アルキル基を表し、
− 「アリール」は、フェニル、ナフチルまたはビフェニル基を意味し、
− 「ヘテロアリール」は、少なくとも一つの芳香族部分を有し、5〜10の環員を含み、酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有していてもよい、例えばフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、クロマン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソールおよび2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンのような基であるいかなる単環または二環の基をも意味し、
− 「ヘテロシクロアルキル」は、4〜10の環員を有し、酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有してもよい単環または二環のいかなる非芳香族基をも意味し、
− 「シクロアルキル」は、4〜10の環員を有する単環または二環のいかなる非芳香族基をも意味することが理解され、
このように定義されたアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルおよびシクロアルキル基は、ヒドロキシまたはアミノ基によって場合により置換されている直鎖または分枝鎖(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、シアノ、アミノ、直鎖または分枝鎖(C−C)ポリハロアルキル、アルキルオキシカルボニルおよびハロゲン原子から選択される1〜3個の基で置換されていることができ、
− 「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」および「シクロアルキレン」は、それぞれ、アルキレン鎖の炭素原子の位置に挿入された、上記定義されたとおりのアリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキル基を意味する]
で示される化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩に関するものである。
【0012】
薬学的に許容される酸のうちでも、塩酸、臭化水素酸、硫酸、ホスホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ショウノウ酸等々を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0013】
薬学的に許容される塩基のうちでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、tert−ブチルアミン等々を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0014】
Yは、C=O基を表すのが好都合である。
【0015】
3基は、NO2であるのが好ましい。
【0016】
好ましいX−R2基は、一つ以上のハロゲン原子で場合により置換された([1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル基である。
【0017】
4は、水素原子を表すのが好ましい。
【0018】
6基は、基1−(N,N−ジメチルアミノ)−4−(フェニルスルファニル)−ブタン−3−イルであるのが好ましい。
【0019】
R’6は、水素原子を表すのが好都合である。
【0020】
はるかに格別には、本発明は、
・ N−({2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({7−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({3−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−2,3,4,4a,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a][1,5]ナフチリジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,6a,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−5H−ピラジノ[1,2−a][1,7]ナフチリジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,6a,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−5H−ピラジノ[1,2−a][1,8]ナフチリジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド
である式(I)の化合物に関するものである。
【0021】
本発明の好適化合物の鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩は、本発明の不可欠の部分を形成する。
【0022】
本発明は、式(I)の化合物を製造する方法であって、式(III):
【0023】
【化3】

【0024】
[式中、Yは、式(I)について定義されたとおりであり、Cyは、式(IV):
【0025】
【化4】

【0026】
(式中、A、X、Z1、Z2、Z3およびR2は、式(I)について定義されたとおりである)で示される縮合三環系を表して、−Y−Cl基は、このように定義された三環系のaの位置で結合している]
で示される化合物を出発材料として用いて、式(III)の化合物を、塩基性媒体中、カップリング剤の存在または不在下で、式(V):
【0027】
【化5】

【0028】
[式中、R3は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物と縮合させて、式(VI):
【0029】
【化6】

【0030】
[式中、Cy、YおよびR3は、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、式HNR6R’6[式中、R6およびR’6は、式(I)について定義されたとおりである]で示される化合物と縮合させて、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/a):
【0031】
【化7】

【0032】
[式中、Cy、Y、R3、R6およびR’6は、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、慣用の分離手法に従って精製してもよく、所望であれば、薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩に変換し、場合により、慣用の分離手法に従ってその異性体に分離することを特徴とする方法にも関するものである。
【0033】
式(III)および(V)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または当業者によって、文献中に記載された慣用の化学反応を用いて得ることができる。
【0034】
好都合な変化形は、式(I)の化合物を製造する方法であって、式(III’):
【0035】
【化8】

【0036】
[式中、Yは、式(I)について定義されたとおりであり、Cyは、式(IV):
【0037】
【化9】

【0038】
(式中、A、X、Z1、Z2、Z3およびR2は、式(I)について定義されたとおりである)で示される縮合三環系を表して、−Y−OH基は、このように定義された三環系のaの位置で結合している]
で示される化合物を出発材料として用いて、式(III’)の化合物を、塩基性媒体中、カップリング剤の存在下で、式(VII):
【0039】
【化10】

【0040】
[式中、R3、R4およびR5は、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物と縮合させて、式(I)の化合物を得て、これを、慣用の分離手法に従って精製してもよく、所望であれば、薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩に変換し、場合により、慣用の分離手法に従ってその異性体に分離することを特徴とする方法に関するものである。
【0041】
式(III’)および(VII)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または当業者によって、文献中に記載された慣用の化学反応を用いて得ることができる。
【0042】
本発明の化合物の薬理学的研究から、それらは、アポトーシスを促進する特性を有することが示された。癌性細胞におけるアポトーシスの過程を再活性化できる能力は、癌の処置において治療上の多大な関心が持たれる。より格別には、本発明の化合物は、化学−または放射線−耐性の癌、悪性血液疾患、および小細胞肺癌の処置に役立つと思われる。
【0043】
想定される癌処置のうちでも、膀胱、脳、胸部および子宮の癌、慢性リンパ性白血病、結腸、食道および肝臓の癌、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、黒色腫、悪性血液疾患、骨髄腫、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌ならびに小細胞肺癌を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0044】
本発明は、式(I)の少なくとも一つの化合物を、それ自体のみか、または薬学的に許容される一つ以上の賦形剤と併せて含む医薬組成物にも関するものである。
【0045】
本発明の医薬組成物のうちでも、より格別には、経口、非経口、経鼻、経皮もしくは貫皮、直腸、口腔内、眼内または呼吸器投与に適するもの、特に錠剤または糖衣錠、舌下錠、サシェ、パケット、カプセル剤、グロセット剤(glossette)、トローチ剤、坐剤、クリーム剤、軟膏、経皮ゲル、および飲用または注射可能アンプルを列挙し得る。
【0046】
有用な投与量は、患者の性別、年齢および体重、投与経路、治療適応症の性質、ならびに付随するいかなる処置にも応じて変動し、1回またはそれ以上の投与として24時間あたり0.01mg〜1gの範囲にわたる。
【0047】
更に、本発明は、式(I)の化合物と、遺伝毒性薬剤、有糸分裂毒、代謝拮抗物質、プロテアソームインヒビターおよびキナーゼインヒビターから選択される抗癌剤との組み合わせに、また癌の処置に用いるための医薬の製造におけるこの種の組み合わせの使用にも関するものである。
【0048】
本発明の化合物は、癌の処置における放射線療法との組み合わせに用いてもよい。
【0049】
下記の製造例および実施例は、本発明を例示するが、いかなる方法でもそれを限定しない。
【0050】
製造例1:2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−カルボン酸三トリフルオロ酢酸塩
工程A:2−メトキシ−4−メチル−5−ニトロピリジン
ナトリウムメトキシド(メタノール中30重量%)のメタノール30ml中の溶液45mlに、2−クロロ−4−メチル−5−ニトロピリジン(25g)を45分にわたって分割して加えた。こうして得られた反応混合物を、4時間、次いで還流にて1時間撹拌してから、氷冷水1Lに注ぎ込んだ。この不均質な混合物を一晩撹拌し、次いでろ過して、乾燥した後に、標記生成物を栗色の褐色固体の形態で得た。
【0051】
工程B:3−(2−メトキシ−5−ニトロ−4−ピリジル)−2−オキソプロパン酸エチル
エタノール30mlに、カリウムt−ブトキシド(15.14g)、ジエチルエーテル(300ml)およびシュウ酸ジエチル(18.43ml)を加えた。15分間接触させた後、工程Aの化合物(22.69g)を加え、次いで、こうして得られた反応混合物を、還流にて4時間、そして周囲温度で一晩撹拌した。得られた赤色沈殿を、ろ取し、ジエチルエーテルで洗浄し、次いで水500mlで希釈した。氷酢酸を、pHが4になるまで加え、次いで、反応混合物を、周囲温度で2時間撹拌し、次いでろ過して、標記生成物をベージュ色の固体の形態で得た。
【0052】
工程C:5−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル
エタノール350ml中の工程Bの化合物(27.84g)の不均一な溶液に、パラジウム担持炭(5.9g、20重量%)を加えた。反応混合物を、24時間水素化し、ついてろ過し、濃縮した。得られた残渣をエーテル/水の混合物に溶解し、次いで、生成物を、エーテルを用いて抽出した。有機相を、飽和炭酸カリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、標記生成物を褐色固体の形態で得た。
【0053】
工程D:1−アセチル−5−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル
ジクロロメタン60ml中の工程Cの化合物10gの溶液に、トリエチルアミン(7.57ml)、4−ジメチルアミノピリジン(550mg)および無水酢酸(5.48ml、滴下)を加えた。反応混合物を、周囲温度で24時間撹拌し、次いで水で希釈した。生成物を、ジクロロメタンを用いて抽出し、次いで、有機相を、水および飽和塩化ナトリウム水溶液を用いて洗浄した。次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。こうして得られた残渣のエタノール200ml中の溶液に、塩化パラジウム(II)(798mg)を加えた。次いで、反応混合物を、24時間水素化した。ろ過および濃縮した後、残渣を、シリカゲル越しのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、標記生成物を灰白色固体の形態で得た。
【0054】
工程E:5−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル
1NHClエタノール溶液75ml中の上記工程の保護されたアザインドール(17.9g)の溶液を、8時間還流下に置いた。周囲温度に復帰させた後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、次いで、生成物を、酢酸エチルを用いて抽出した。有機相を濃縮し、残渣を次工程に直接用いた。
【0055】
行程F:8−メトキシ−2,3,10,10a−テトラヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−1,4−ジオン
テトラヒドロフラン300ml中のベンジルオキシカルボニルアミノ酢酸(17g)の溶液に、PCl5(15g)を0℃で分割して加えた。反応混合物を同じ温度で2時間撹拌し、次いで、テトラヒドロフラン100mlおよびピリジン50ml中の工程Eの化合物の溶液をこれに滴下した。周囲温度に復帰させた後、反応混合物を12時間撹拌した。反応混合物を、0℃で滴下して加水分解し、次いで酢酸エチルを用いて抽出した。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。シリカ越しにろ過した後、得られた固体をテトラヒドロフラン100mlおよびメタノール350mlに溶解した。次いで、ギ酸アンモニウム(4.8g)を分割して加え、反応混合物を10時間還流下に置いた。ろ過し、温テトラヒドロフランおよび温ジメチルホルムアミドで洗浄した後、ろ液を濃縮し、冷メタノールに溶解して、標記生成物を白色固体の形態で得た。
【0056】
工程G:2−ベンジル−8−メトキシ−2,3,10,10a−テトラヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−1,4−ジオン
ジメチルホルムアミド50ml中の水素化ナトリウム(1.82g)の不均一溶液に、ジメチルホルムアミド450ml中の工程Fの化合物(7.09g)の溶液を0℃で2時間にわたって滴下した。4時間にわたって周囲温度に復帰させた後、臭化ベンジル(4.54ml)を25分にわたって加えた。反応混合物を17時間撹拌し、次いで濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチルおよび水の混合物に溶解し、生成物を、酢酸エチルを用いて抽出した。有機相を、飽和塩化リチウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。シリカゲル越しのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)によって精製した後、標記生成物を、灰白色固体の形態で得た。
【0057】
工程H:2−ベンジル−8−メトキシ−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン
テトラヒドロフラン225mlおよびトルエン225ml中の工程Gの化合物(7.72g)の溶液に、テトラヒドロフラン(75ml)中1Mの水素化アルミニウムリチウム溶液を0℃で50分にわたって滴下した。反応混合物を還流下に6時間放置した。周囲温度に復帰させた後、それぞれ水10ml、15%水酸化ナトリウム水溶液10mlおよび水30mlを滴下して加えることによって、0℃で加水分解した。周囲温度に復帰させた後、混合物を6時間激しく撹拌し、次いでろ過した。ろ液を濃縮し、酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物に溶解した。次いで、生成物を、酢酸エチルを用いて抽出した。有機相を濃縮した後、残渣を、シリカゲル越しのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標記生成物を褐色の油の形態で得た。
【0058】
工程I:2−ベンジル−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−イルトリフルオロメタンスルホネート
酢酸中33%の臭化水素酸溶液への工程Hの化合物(2.6g)の溶液を、還流にて3時間加熱した。周囲温度に復帰させた後、炭酸水素ナトリウム水溶液を、pH8に達するまで0℃で滴下した。生成物を、ジクロロメタンを用いて抽出し、次いで、有機相を併せ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。こうして得られた残渣のピリジン70ml中の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(13ml)を0℃で50分にわたって滴下した。反応混合物を16時間にわたって周囲温度に復帰させ、次いで濃縮した。残渣を、酢酸エチルおよび水の混合物に溶解した。生成物を、酢酸エチルを用いて抽出し、次いで、有機相を、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲル越しのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、標記生成物を緑色の油の形態で得た。
【0059】
工程J:2−ベンジル−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−カルボン酸メチル
ジメチルスルホキシド/メタノール(3/2)の混合物58ml中の上記工程のトリフラート化合物(2.3g)の溶液に、トリエチルアミン(1.8ml)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(643mg)および酢酸パラジウム(II)(130.2mg)を加えた。反応混合物を、15分間アルゴンの、次いで一酸化炭素の発泡に付した。次いで、フラスコを一酸化炭素下で加圧した。反応混合物を、65℃に加熱し、次いで18時間攪拌した。濃縮後、残渣を酢酸エチル/水の混合物に溶解した。生成物を酢酸エチルで抽出し、次いで、有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。ジオキサン中で凍結乾燥した後、残渣を、シリカゲル越しのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)によって精製して、標記生成物を得た。
【0060】
工程K:1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−カルボン酸メチル二塩酸塩
1NHClメタノール溶液35ml中の上記工程の化合物(1.49g)の溶液に、水酸化パラジウム(II)担持炭(300mg、20重量%)を加えた。反応混合物を、16時間水素化し、次いでろ過し、濃縮して、標記生成物を褐色固体の形態で得た。
【0061】
工程L:2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−カルボン酸メチル
ジメチルホルムアミド15ml中の工程Kの化合物(1.016g)の溶液に、トリエチルアミン(1.84ml)、4’−クロロ−2−クロロメチルビフェニル(787mg)およびヨウ化ナトリウム(50mg)を加えた。反応混合物を、50℃で3時間攪拌し、濃縮し、次いで、酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物に溶解した。酢酸エチルを用いて抽出した後、有機相を、飽和塩化リチウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲル越しのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、標記生成物をオフホワイトの固体の形態で得た。
【0062】
工程M:2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−カルボン酸三トリフルオロ酢酸塩
ジオキサン/水(4/1)の混合物中の上記工程のエステル化合物(1.085g)の懸濁液に、水酸化リチウム(525mg)を加えた。反応混合物を、周囲温度で24時間攪拌し、次いで濃縮し、水および1N塩酸水溶液(1/1)の混合物20mlに溶解した。反応混合物を、周囲温度で2時間攪拌し、次いで濃縮した。残渣を、Oasisなるカートリッジ(水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸)上で精製し、アセトニトリルおよび水の混合物中で凍結乾燥して、標記生成物を得た。
【0063】
製造例2:8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩
手順は、製造例1の工程A〜Mのとおりであるが、工程Aでの2−クロロ−4−メチル−5−ニトロピリジンを6―クロロ−2−メチル−3−ニトロピリジンに置き換えた。
【0064】
製造例3:7−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−5、5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩
工程A:3−メチル−2−ピリジルカルバミン酸tert−ブチル
ヘキサン400ml中のジ−tert−ブチルジカルボナート(161.5g)の溶液に、酢酸エチル50ml中の3−メチル−2−アミノピリジン(50g)の溶液を2時間にわたって加えた。反応混合物を、還流にて1時間加熱し、次いでヘキサン550mlで希釈し、周囲温度で2時間攪拌した。沈殿をろ取して、標記生成物を白色固体の形態で得た。
【0065】
工程B:3−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ピリジル}−2−オキソプロパン酸エチル
テトラヒドロフラン200ml中の上記工程の化合物(10g)の溶液に、n−ブチルリチウムを5℃以下の温度で加えた。次いで、反応混合物を、0℃で1時間15分攪拌してから、−3℃以下の温度で、カニューレによって、テトラヒドロフラン50ml中のシュウ酸ジエチルの溶液(14ml)に移した。
【0066】
工程C:1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル
上記工程の反応混合物を、周囲温度で2時間15分攪拌し、次いで5N塩酸溶液30ml中に10℃を越えない温度で静かに注ぎ込んだ。得られた溶液を、還流下に2時間放置した。周囲温度に復帰させた後、5N水酸化ナトリウム溶液を用いて、pHが3になるまで中和した。生成物を、エーテルを用いて抽出し、次いで、有機相を、飽和炭酸カリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣をメタノールに溶解して、標記生成物をベージュ色の固体の形態で得た。
【0067】
工程D:1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル
製造例1の工程Dに記載した手順を、上記工程で得られたアザインドールに適用した。標記生成物は、最終的には明緑色の固体の形態となった。
【0068】
工程E:5,5a,7,8−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−6,9−ジオン
製造例1の工程Eに記載した手順を、上記工程で得られたアザインドリンに適用した。標記生成物は、最終的には白色固体の形態となった。
【0069】
工程F:7−ベンジル−5,5a,7,8−テトラヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−6,9−ジオン
製造例1の工程Fに記載した手順を、上記工程の化合物に適用した。標記生成物は、最終的には淡黄色の固体の形態となった。
【0070】
工程G:7−ベンジル−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン
製造例1の工程Gに記載した手順を、上記工程の化合物に適用した。標記生成物は、最終的には褐色の油の形態となった。
【0071】
工程H:7−ベンジル−3−ブロモ−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン
ジメチルホルムアミド50ml中の工程Gの化合物の溶液に、ジメチルホルムアミド30ml中のN−ブロモスクシンイミド(785mg)の溶液を0℃で45分にわたって滴下した。反応混合物を、同じ温度で2.5時間撹拌してから、加水分解した。次いで、生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。有機相を、飽和塩化リチウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲル越しのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、標記生成物を褐色の油の形態で得た。
【0072】
工程I:7−ベンジル−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−カルボン酸メチル
製造例1の工程Jに記載した手順を、上記工程の化合物に適用した。標記生成物は、最終的には褐色の油の形態となった。
【0073】
工程J:5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−カルボン酸メチル二塩酸塩
製造例1の工程Kに記載した手順を、上記工程の化合物に適用した。標記生成物は、最終的には褐色の油の形態となった。
【0074】
工程K:7−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−カルボン酸メチル
製造例1の工程Lに記載した手順を、上記工程の化合物に適用した。標記生成物は、最終的には白色固体の形態となった。
【0075】
工程L:7−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩
製造例1の工程Mに記載した手順を、上記工程の化合物に適用した。標記生成物は、最終的には白色固体の形態となった。
【0076】
製造例4:3−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−2,3,4,4a,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a][1,5]ナフチリジン−8−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩
製造例1の工程F〜Mに記載した操作を繰り返したが、工程Fで、工程Eの化合物を6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルに置き換えた。
【0077】
製造例5:8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,6a,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−5H−ピラジノ[1,2−a][1,7]ナフチリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩
製造例1の工程F〜Mに記載した操作を繰り返したが、工程Fで、工程Eの化合物を6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ[1,7]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルに置き換えた。
【0078】
製造例6:8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,6a,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−5H−ピラジノ[1,2−a][1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩
製造例1の工程F〜Mに記載した操作を繰り返したが、工程Fで、工程Eの化合物を6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルに置き換えた。
【0079】
実施例1:N−({2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド三塩酸塩
工程A:N−({2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド
ジクロロメタン10ml中の製造例1の化合物(346mg)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(300μl)、4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド(191mg)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミン(121mg)および4−ジメチルアミノピリジン(77mg、0.63mmol、1.4当量)を加えた。反応混合物を周囲温度で6日間攪拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて加水分解した。生成物を、酢酸エチルを用いて抽出した。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲル越しのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/アンモニアメタノール溶液)によって精製して、標記生成物を淡黄色の固体の形態で得た。
【0080】
工程B:N−({2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド三塩酸塩
工程Aの化合物を、ジクロロメタン4mlに溶解し、次いで1NHClエーテル溶液(805μl)を加えた。反応混合物を、周囲温度で2時間攪拌し、濃縮して、標記生成物を、凍結乾燥した後に、黄色の固体の形態で得た。
元素微量分析:
%C %H %N %S %Cl
計算値 50.66 5.56 9.85 6.44 12.80
実測値 50.43 5.38 10.02 6.37 12.93
【0081】
実施例2:N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロピリド[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド二塩酸塩
手順は実施例1の工程AおよびBのとおりであるが、工程Aで、製造例1の化合物を製造例2の化合物に置き換えた。
元素微量分析:
%C %H %N %S %Cl
計算値 54.40 5.27 10.57 6.91 12.23
実測値 54.73 5.21 10.45 6.45 12.49
【0082】
実施例3:N−({7−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド三塩酸塩
手順は実施例1の工程AおよびBのとおりであるが、工程Aで、製造例1の化合物を製造例3の化合物に置き換えた。
元素微量分析:
%C %H %N %S %Cl
計算値 53.50 5.21 10.40 6.80 13.91実測値 53.82 5.24 10.20 6.74 14.13
【0083】
実施例4:N−({3−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−2,3,4,4a,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a][1,5]ナフチリジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド二塩酸塩
手順は実施例1の工程AおよびBのとおりであるが、工程Aで、製造例1の化合物を製造例4の化合物に置き換えた。
【0084】
実施例5:N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,6a,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−5H−ピラジノ[1,2−a][1,7]ナフチリジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド二塩酸塩
手順は実施例1の工程AおよびBのとおりであるが、工程Aで、製造例1の化合物を製造例5の化合物に置き換えた。
【0085】
実施例6:N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,6a,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−5H−ピラジノ[1,2−a][1,8]ナフチリジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド二塩酸塩
手順は実施例1の工程AおよびBのとおりであるが、工程Aで、製造例1の化合物を製造例6の化合物に置き換えた。
【0086】
薬理学的研究
実施例A:インビトロでのカスパーゼ活性の誘導
この研究は、下記のヒト腫瘍細胞系で実施した:1小細胞肺癌、H146
【0087】
この細胞系を、インキュベーター内で、37℃、5%CO2の存在下で培養した。より具体的には、H146細胞を、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、50単位/mlのペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシン、および10mMHEPES緩衝液(pH=7.4)を含有する完全RPMI1640培地で培養した。細胞を6穴プレート上に散布し、試験化合物に6時間接触させた。次いで、細胞を採集し、溶解し、細胞溶解物中のカスパーゼ活性を測定した。この酵素測定は、蛍光発生性分解生成物(Pharmacia)の出現を測定することによって実施した。
【0088】
結果から、本発明の化合物は、強力なアポトーシス誘導物質であって、試験した腫瘍細胞系でカスパーゼ3活性を測定することによって評価されることが示された。例示するならば、実施例1〜3の化合物は、10μMで、それぞれ、15,395、9,948および17,776RFU(相対蛍光単位)の活性を示した。
【0089】
実施例B:インビトロでの細胞毒性
実施例Aに示した腫瘍系について、細胞毒性の研究を実施した。細胞を、マイクロプレート上に散布し、試験化合物に48時間接触させた。次いで、細胞生存率を、比色分析法である微量培養テトラゾリウムアッセイ(Microculture Tetrazolium Assay[Cancer Res. 1987, 47:939-942])によって定量した。
【0090】
IC50(化合物の、細胞生存率を50%阻害する濃度)で表した結果から、本発明の化合物は、細胞毒性を有することが示された。
【0091】
実施例C:インビボでのカスパーゼ活性の誘導
本発明の化合物がカスパーゼ3を活性化できる能力を、H146なる小細胞肺癌細胞の異種移植片モデルで評価した。5×106個のH146細胞を、免疫抑制されたマウス(NOD SCID系)に皮下移植した。移植の25〜30日後に、試験化合物を、Tween80/水の混合物として腹腔内経路によって注射した。処置の16時間後に、腫瘍塊を回収し、溶解し、腫瘍溶解物中のカスパーゼ3活性を測定した。
【0092】
得られた結果から、本発明の化合物は、インビボで、H146なる腫瘍細胞系にアポトーシスを誘導できることが示された。
【0093】
実施例D:薬学的組成物:錠剤
N−({2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド三塩酸塩(実施例1)5mgの用量を含有する1,000錠の処方
実施例1の化合物............................ 5g
コムギでん粉..............................20g
トウモロコシでん粉...........................20g
乳糖..................................30g
ステアリン酸マグネシウム........................ 2g
シリカ................................. 1g
ヒドロキシプロピルセルロース...................... 2g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化11】


[式中、
◆ Aは、酸素、硫黄および窒素から選択される1または2個のヘテロ原子を含んでもよい5、6または7員の、芳香環または非芳香環を表し、前記窒素は、直鎖または分枝鎖(C−C)アルキル基により置換されていることができ、このように定義された環Aは、2個の硫黄原子または2個の酸素原子を含むことができず、環員の一つがC=O基であってもよいと理解され、
◆ Z、ZおよびZは、互いに独立して、CH基または窒素原子を表し、3個の基の少なくとも一つが窒素原子であると理解され、
◆ Rは、アリールまたはヘテロアリール基を表し、
◆ Xは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレン鎖を表し、その1または2個の炭素原子は、酸素原子、シクロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基またはSO基で置き換えられてもよく、
◆ Rは、式(II):
【化12】


で示される基を表し、式中、
− Yは、基C=OまたはCHを表し、
− Rは、水素原子を表し、この場合、Rは、水素原子または基−NRR’もしくは−CH−NRR’(ここで、RおよびR’は、各々、同じであっても、異なっていてもよく、互いに独立して、水素原子または一つ以上のアリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクロアルキルもしくはNRR’基で置換されている、直鎖もしくは分枝鎖(C−C)アルキルを表し、ここで、
* RおよびR’は、同じであっても、異なっていてもよく、水素、直鎖または分枝鎖(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖(C−C)アルコキシ、アリールおよびヘテロアリールから選択されるか、
* あるいは、RおよびR’は、酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子により場合により置換されている飽和または不飽和の、単環または二環の基を形成し、一つ以上の環員は、C=O基を表してもよいか、以下に与えられる複素環の定義に示すように置換されていてもよいことが理解される)を表すか、
あるいは、RおよびRは、それらを有する2個の炭素原子と一緒になって、SO基に対してパラの位置に窒素原子を含む、5または6個の環員を有する、芳香環または非芳香環を形成し、窒素原子に加えて更に1個の窒素原子および/またはSO基を含んでもよく、そのように定義された環が上記に定義されたとおりのR基により置換されており、
− Rは、ハロゲン原子またはNO、R、SO−R、直鎖もしくは分枝鎖(C−C)アルキルまたは直鎖もしくは分枝鎖(C−C)アルコキシ基(ここで、Rは、前記Rの定義のいかなる意味であってもよい)を表し、
− Rは、アミノ基または場合により一つ以上のハロゲン原子で置換されている直鎖もしくは分枝鎖(C−C)アルキル基を表し、
− 「アリール」は、フェニル、ナフチルまたはビフェニル基を意味し、
− 「ヘテロアリール」は、少なくとも一つの芳香族部分を有し、5〜10の環員を含み、酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有していてもよい、例えばフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、クロマン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソールおよび2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシンのような基であるいかなる単環または二環の基をも意味し、
− 「ヘテロシクロアルキル」は、4〜10の環員を有し、酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を1〜3個有してもよい単環または二環のいかなる非芳香族基をも意味し、
− 「シクロアルキル」は、4〜10の環員を有する単環または二環のいかなる非芳香族基をも意味することが理解され、
このように定義されたアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルおよびシクロアルキル基は、ヒドロキシまたはアミノ基によって場合により置換されている直鎖または分枝鎖(C−C)アルキル、直鎖または分枝鎖(C−C)アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、ホルミル、ニトロ、シアノ、アミノ、直鎖または分枝鎖(C−C)ポリハロアルキル、アルキルオキシカルボニルおよびハロゲン原子から選択される1〜3個の基で置換されていることができ、
− 「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」および「シクロアルキレン」は、それぞれ、アルキレン鎖の炭素原子の位置に挿入された、上記定義されたとおりのアリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキル基を意味する]
で示される化合物、鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびにその薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩。
【請求項2】
Yが、C=O基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩。
【請求項3】
が、NO基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩。
【請求項4】
X−Rが、場合により一つ以上のハロゲン原子で置換されている([1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル基を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩。
【請求項5】
が、水素原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩。
【請求項6】
が、基1−(N,N−ジメチルアミノ)−4−(フェニルスルファニル)−ブタン−3−イルを表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩。
【請求項7】
R’が、水素原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体およびジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩。
【請求項8】
以下:
・ N−({2−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−1,2,3,4,10,10a−ヘキサヒドロピリド−[4’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,7,8,9,9a,10−ヘキサヒドロピリド−[2’,3’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−2−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({7−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−5,5a,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド−[3’,2’:4,5]ピロロ[1,2−a]ピラジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({3−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−2,3,4,4a,5,6−ヘキサヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a][1,5]ナフチリジン−8−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,6a,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−5H−ピラジノ[1,2−a][1,7]ナフチリジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
・ N−({8−[(4’−クロロ[1,1’−ビフェニル]−2−イル)メチル]−6,6a,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−5H−ピラジノ[1,2−a][1,8]ナフチリジン−3−イル}カルボニル)−4−({(1R)−3−(ジメチルアミノ)−1−[(フェニルスルファニル)メチル]プロピル}アミノ)−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、
である、式(I)の化合物、及び薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩。
【請求項9】
式(I)の化合物を製造する方法であって、式(III):
【化13】


[式中、Yは、式(I)について定義されたとおりであり、Cyは、式(IV):
【化14】


(式中、A、X、Z、Z、ZおよびRは、式(I)について定義されたとおりである)で示される縮合した三環系を表し、−Y−Cl基が、このように定義された三環系のaの位置に結合している]
で示される化合物を出発物質として用いて、式(III)の化合物を、塩基性媒体中、カップリング剤の存在下または非存在下で、式(V):
【化15】


(式中、Rは、式(I)について定義されたとおりである)
で示される化合物と縮合させ、式(VI):
【化16】


(式中、Cy、YおよびRは、上記に定義されたとおりである)
で示される化合物を得て、これを、式HNRR’(ここで、RおよびR’は、式(I)について定義されたとおりである)で示される化合物と縮合させ、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/a):
【化17】


(式中、Cy、Y、R、RおよびR’は、前記定義のとおりである)
で示される化合物を得て、これを慣用の分離手法に従って精製してもよく、所望であれば、薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩へと変換し、場合により慣用の分離手法に従ってその異性体に分離することを特徴とする方法。
【請求項10】
式(I)の化合物を製造する方法であって、式(III’):
【化18】


[式中、Yは、式(I)について定義されたとおりであり、Cyは、式(VI):
【化19】


(式中、A、X、Z、Z、ZおよびRは、式(I)について定義されたとおりである)で示される縮合した三環系を表し、−Y−OH基は、このように定義された三環系のaの位置に結合している]
で示される化合物を出発物質として用いて、式(III’)の化合物を、塩基性媒体中、カップリング剤の存在下、式(VII):
【化20】


(式中、R、RおよびRは、式(I)について定義されたとおりである)
で示される化合物と縮合させ、式(I)の化合物を得て、これを慣用の分離手法によって精製してもよく、所望であれば、薬学的に許容される酸または塩基とのその付加塩に変換し、場合により慣用の分離手法によってその異性体に分離することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項記載の式(I)の化合物または薬学的に許容される酸もしくは塩基とのその付加塩を、一つ以上の薬学的に許容される賦形剤との組み合わせで含む医薬組成物。
【請求項12】
アポトーシス促進剤としての医薬の製造に用いるための、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
癌の処置に用いる医薬の製造に用いるための、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
膀胱癌、脳癌、乳癌、子宮癌、慢性リンパ性白血病、結腸癌、食道癌、肝臓癌、リンパ芽球性白血病、濾泡性リンパ腫、黒色腫、悪性血液疾患、骨髄腫、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌および小細胞肺癌の処置に用いる医薬の製造に用いるための、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項15】
遺伝毒性剤、有糸分裂毒、代謝拮抗物質、プロテアソーム阻害剤およびキナーゼ阻害剤から選択される抗癌剤との、請求項1〜8のいずれか1項記載の式(I)の化合物の組み合わせ。
【請求項16】
癌の処置に用いるための医薬の製造における、請求項15記載の組み合わせの使用。
【請求項17】
放射線治療と組み合わせて、癌の処理に用いるための医薬の製造における、請求項1〜8のいずれか1項記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2011−528028(P2011−528028A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517964(P2011−517964)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000855
【国際公開番号】WO2010/007248
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【Fターム(参考)】