説明

施設情報提供装置

【課題】施設を表示する条件をユーザが設定することにより、ユーザが所望する施設のみを表示できる施設情報提供装置を提供することを目的とする。
【解決手段】施設を表す施設情報を取得する施設情報取得手段11と、表示制御の対象とする施設およびその表示期間を設定する施設表示期間設定手段12と、年月日、時刻および曜日を計時する計時手段14と、施設情報取得手段で取得された施設情報が、施設表示期間設定手段で設定された施設に対応し、且つ計時手段から取得した年月日、時刻および曜日が施設表示期間設定手段で設定された施設の表示期間内である場合に、該施設情報に基づく施設を表示するための表示情報を生成するシステム制御手段15と、システム制御手段で生成された表示情報に基づき施設を表示する施設情報表示手段16とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザに施設を表す施設情報を提供する施設情報提供装置に関し、特に、ユーザが所望する施設情報を選択的に提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばカーナビゲーション装置、パーソナルコンピュータまたは携帯電話などに搭載されて、予め用意された地図データに基づいて地図を表示する地図表示装置が知られている。このような地図表示装置は、一般に、地図データと一緒に格納されている施設データに基づいて、地図上に施設を表すマーク(例えばアイコン)を重ねて表示する施設情報提供機能を有する。
【0003】
このような施設情報提供機能を有する施設情報提供装置として、例えば特許文献1は、地図上に表示されている施設のうち、営業時間外の施設を営業中の施設と区別して表示することにより、ユーザにその施設が営業時間外であることを知らせる走行位置表示装置を開示している。この走行位置表示装置は、液晶ディスプレイに表示される地図データ上で、施設に対し営業時間内であるか否かをCPUにより判定し、営業時間内と判定された施設は、通常通りに表示し、営業時間外であると判定された施設を、トーンダウンして表示する。
【0004】
【特許文献1】特開平09−133543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された施設情報提供装置は、営業時間外の施設を営業中の施設と区別して表示することによりユーザにその施設が営業時間外であることを知らせることはできるが、ユーザが所望しない施設まで表示されるので、1つの画面中に多数の施設が表示される場合がある。このような場合は、表示内容が煩雑になり見にくいという問題がある。
【0006】
そこで、ユーザが年月日、時間帯、曜日、季節などによって施設を表示または非表示とすることができる施設情報提供装置の開発が望まれている。また、気象状態によっては利用できない施設、例えば積雪が少なくて滑ることが不可能なスキー場といった施設も一律に表示されるので、ユーザは、その施設が使用できるかどうかはその施設に到着するまで判断することができず、改善が望まれている。
【0007】
この発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、施設を表示する条件をユーザが設定することにより、ユーザが所望する施設のみを表示できる施設情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、この発明に係る施設情報提供装置は、施設を表す施設情報を取得する施設情報取得手段と、表示制御の対象とする施設およびその表示期間を設定する施設表示期間設定手段と、年月日、時刻および曜日を計時する計時手段と、施設情報取得手段で取得された施設情報が、施設表示期間設定手段で設定された施設に対応し、且つ計時手段から取得した年月日、時刻および曜日が施設表示期間設定手段で設定された施設の表示期間内である場合に、該施設情報に基づく施設を表示するための表示情報を生成するシステム制御手段と、システム制御手段で生成された表示情報に基づき施設を表示する施設情報表示手段とを備えている。
【0009】
また、この発明は、施設を表す施設情報を取得する施設情報取得手段と、表示制御の対象とする施設およびそれが表示されるための気象条件を設定する施設気象条件設定手段と、気象情報を取得する気象情報取得手段と、施設情報取得手段で取得された施設情報が、施設気象条件設定手段で設定された施設に対応し、且つ気象情報取得手段から取得した気象情報が施設気象条件設定手段で設定された気象条件に合致する場合に、該施設情報に基づく施設を表示するための表示情報を生成するシステム制御手段と、システム制御手段で生成された表示情報に基づき施設を表示する施設情報表示手段とを備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る施設情報提供装置によれば、ユーザは、表示条件を設定することによって表示させる施設を変更できるので、ユーザが所望する施設のみを選択的に表示できる。その結果、すべての施設が表示されることによって表示内容が煩雑になるという問題を解消できる。
【0011】
この発明に係る施設情報提供装置によれば、ユーザは、気象条件を設定することによって表示させる施設を変更できるので、ユーザが所望する施設のみを選択的に表示できる。その結果、すべての施設が表示されることによって表示内容が煩雑になるという問題を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る施設情報提供装置の機能的な構成を示すブロック図である。この施設情報提供装置は、施設情報取得手段11、施設表示期間設定手段12、切替手段13、計時手段14、システム制御手段15および施設情報表示手段16から構成されている。
【0013】
施設情報取得手段11は、例えばハードディスク(Hard disk)やDVD(Digital Versatile Disk)といった記憶媒体のドライブ装置や通信回線を介して接続されたセンタ装置(いずれも図示は省略する)から地図データに含まれる施設データ、つまり施設を表す施設情報を取得する。この施設情報取得手段11で取得された施設データは、システム制御手段15に送られる。
【0014】
施設表示期間設定手段12は、ユーザが、表示制御の対象とする施設およびその施設を表示させる期間(以下、「表示期間」という)を設定するために使用される。施設表示期間設定手段12は、施設毎または施設の種別毎に、表示制御の対象とする施設を設定することができる。また、表示期間は、年、月、日、時間帯および曜日によって指定する。この場合、年、月、日、時間帯および曜日のすべてを設定する必要はなく、これらの中の1つ、または2つ以上を組み合わせて設定できる。なお、表示期間として、さらに、例えば春夏秋冬といった季節を設定するように構成することもできる。この施設表示期間設定手段12によって設定された施設および表示期間を表すデータは、切替手段13を介して、システム制御手段15に送られる。
【0015】
切替手段13は、ユーザの操作に応じて開閉し、施設表示期間設定手段12から送られてくる施設および表示期間を表すデータをシステム制御手段15に送るかどうかを切り替える。計時手段14は計時を行って年、月、日、時刻および曜日を表すデータを生成する。この計時手段14で生成された年、月、日、時刻および曜日を表すデータは、システム制御手段15に送られる。
【0016】
システム制御手段15は、切替手段13が閉成されている場合は、施設情報取得手段11から施設データを入力し、施設表示期間設定手段12から切替手段13を介して施設および表示期間を表すデータを入力する。そして、施設情報取得手段11から入力された施設データが施設表示期間設定手段12に設定されている施設に対応する場合は、計時手段14から取得した年、月、日、時刻および曜日が施設表示期間設定手段12によって設定された施設の表示期間内であれば、施設情報取得手段11から入力された施設データに対応する施設を例えばアイコンによって表示するための表示情報を生成する。このシステム制御手段15で生成された表示情報は、施設情報表示手段16に送られる。
【0017】
なお、切替手段13が開放されている場合は、システム制御手段15は、施設表示期間設定手段12から施設および表示期間を表すデータが得られないので、計時手段14から取得した年、月、日、時刻および曜日を表すデータの有無に拘わらず、施設情報取得手段11から入力し施設データに基づいて、施設をアイコンによって表示するための表示情報を生成する。したがって、切替手段13が開放されている場合は、施設は表示制御の対象とならず、従来の施設情報提供装置と同様の動作が行われる。この構成によれば、ユーザが切替手段13を操作して切り替えることにより、施設を表示条件にしたがって制限して表示する場合と、従来のように全ての施設を無条件で表示することをワンタッチで切り替えることができる。このシステム制御手段15で生成された表示情報は、施設情報表示手段16に送られる。
【0018】
施設情報表示手段16は、システム制御手段15から送られてくる表示情報に応じて、地図上に施設を表すアイコンを重ねて表示する。
【0019】
次に、図1に示した施設情報提供装置を実現するためのハードウェア構成を、図2に示すブロック図を参照しながら説明する。この施設情報提供装置は、記憶装置100、入力装置101、時計機構102、演算装置103、メインメモリ104および出力装置105から構成されている。
【0020】
記憶装置100は、例えばハードディスクやDVDといった記憶媒体のドライブ装置から構成されており、地図データおよび施設データを記憶する。この記憶装置100に記憶されている施設データは、演算装置103によって読み出される。図1に示す施設情報取得手段11は、記憶手段100と演算装置103において実行される処理とによって構成されている。
【0021】
入力装置101は、例えばユーザ操作の入力を受付けるためのボタン、タッチパネルまたはリモートコントローラなどから構成されている。この入力装置101から入力されたデータは、演算装置103に送られる。図1に示す施設表示期間設定手段12および切替手段13は、入力装置101と演算装置103において実行される処理とによって構成されている。
【0022】
時計機構102は、図1に示す計時手段14に対応し、常に計時を行って年、月、日、時刻および曜日を表すデータを生成する。この時計機構102において生成された年、月、日、時刻および曜日を表すデータは、演算装置103に送られる。
【0023】
演算装置103は、メインメモリ104をワーキングエリアとして種々の処理を実行する。例えば、演算装置103は、記憶装置100から施設データを入力し、入力装置101から施設および表示期間を表すデータを入力する。そして、記憶装置100から入力された施設データが入力装置101から設定された施設に対応する場合は、時計機構102から取得した年、月、日、時刻および曜日を表すデータが、入力装置101から設定された施設の表示期間内であるかどうかを調べ、表示期間内であれば、入力された施設データに対応する施設を例えばアイコンで表示するための表示情報を生成する。図1に示すシステム制御手段15は、演算装置103およびメインメモリ104から構成されている。この演算装置103で生成された表示情報は、出力装置105に送られる。
【0024】
出力装置105は、例えばディスプレイ装置から構成されており、演算装置103から送られてくる表示情報にしたがって、地図上に施設を表すアイコンを重ねて表示する。図1に示す施設情報表示手段16は、出力装置105と演算装置103において実行される処理とにより構成されている。
【0025】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る施設情報提供装置において実行される施設情報提供処理を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、ユーザが表示条件として「時間帯」を設定して施設の表示または非表示を制御する場合を例に挙げて説明する。また、切替手段13は閉成されており、施設表示期間設定手段12とシステム制御手段15との間は接続されているものとする。
【0026】
施設情報提供処理では、まず、表示条件の設定が行われる(ステップST11)。すなわち、施設表示期間設定手段12は、ユーザの操作に応じて、表示制御の対象とする施設と、その施設の表示期間を表すデータを生成し、切替手段13を経由してシステム制御手段15に送る。これにより、システム制御手段15の内部に、施設およびその施設の表示期間が設定される。このステップST11では、例えば、ユーザは、表示制御の対象とする施設として「施設A」、この施設Aの表示期間として「10:00〜12:00」を設定し、また、表示制御の対象とする他の施設として「施設B」、この施設Bの表示期間として「11:00〜13:00」を設定する。
【0027】
次いで、年月日時刻曜日検出が行われる(ステップST12)。すなわち、システム制御手段15は、計時手段14から、その時点の年、月、日、時刻および曜日を表すデータを取得する。次いで、施設データが取得される(ステップST13)。すなわち、システム制御手段15は、施設情報表示手段16に表示しようとする範囲の地図に含まれる施設を表す施設データを施設情報取得手段11から取得し、その内部、具体的にはメインメモリ104に格納する。
【0028】
なお、システム制御手段15が取得する施設データは、施設情報表示手段16に表示しようとする範囲の施設データに限らず、さらに広い範囲の施設データとするように構成することもできる。この構成によれば、施設情報表示手段16に表示する地図の範囲が変更された場合に、施設データを再び取得する必要がないので、処理の迅速化を図ることができる。
【0029】
次いで、ステップST13で取得された施設データによって表される施設が表示されるべき施設であるかどうかが調べられる(ステップST14)。具体的には、システム制御手段15は、メインメモリ104に格納されている施設データを取り出し、この取り出した施設データが、ステップST11において設定された施設に該当するかどうかを調べる。そして、該当することを判断した場合は、計時手段14から年、月、日、時刻および曜日を表すデータを取得し、この取得したデータによって示される年、月、日、時刻および曜日が、ステップST11で設定された表示期間内であるかどうかを調べる。
【0030】
上記ステップST14において、表示すべき施設であることが判断されると、施設表示情報フラグがONに設定される(ステップST15)。すなわち、システム制御手段15は、表示すべき施設であると判断した施設データに対応付けてメインメモリ104に設けられている施設表示情報フラグをONにする。一方、上記ステップST14において、表示すべき施設でないことが判断されると、施設表示情報フラグがOFFに設定される(ステップST16)。すなわち、システム制御手段15は、表示すべき施設でないと判断した施設データに対応付けてメインメモリ104に設けられている施設表示情報フラグをOFFにする。上述したステップST14〜ST16の処理は、ステップST13で取得された全ての施設データに対して行われる。
【0031】
次いで、施設情報が出力される(ステップST17)。すなわち、システム制御手段15は、メインメモリ104から施設表示情報フラグがONにされている施設データを取り出して表示情報に変換し、施設情報表示手段16に送る。これにより、施設情報表示手段16の画面に、ステップST11で設定された表示条件を満足する施設のアイコンのみが地図上に重ねて表示される。
【0032】
例えば、表示条件として、上述したように、「施設A」の表示期間が「10:00〜12:00」、「施設B」の表示期間が「11:00〜13:00」に設定されているとすると、計時手段14から取得された時刻が11:30であれば、図4(a)に示すように、施設Aおよび施設Bの全てが表示され、時刻が10:30であれば、図4(b)に示すように、施設Aのみが表示され、時刻が12:30であれば、図4(c)に示すように、施設Bのみが表示されるというように、時間帯に応じて異なる施設が表示される。
【0033】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る施設情報提供装置によれば、ユーザは、表示条件を設定することによって表示させる施設を変更できるので、ユーザが所望する施設のみを選択的に表示させることができる。その結果、すべての施設が表示されることによって表示内容が煩雑になるという問題を解消できる。
【0034】
また、実施の形態1に係る施設情報提供装置によれば、例えば万国博覧会などといった期間限定で施設が開放される場合は、その限定された期間を施設表示期間設定手段12によって設定することにより、施設が開放されているときのみ、その施設を表示させることができる。
【0035】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る施設情報提供装置は、実施の形態1に係る施設情報提供装置において、ユーザが設定した表示条件を満足する施設のうち、さらに営業時間中の施設のみを表示するようにしたものである。
【0036】
図5は、この発明の実施の形態2に係る施設情報提供装置の機能的な構成を示すブロック図である。この施設情報提供装置は、実施の形態1に係る施設情報提供装置に、施設営業時間取得手段17が追加されて構成されている。施設営業時間取得手段17は、施設データの中から営業時間データを取得する。この施設営業時間取得手段17で取得された営業時間データは、システム制御手段15に送られる。
【0037】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態2に係る施設情報提供装置において実行される施設情報提供処理を、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、ユーザが表示条件として「時間帯」を設定して施設の表示または非表示を制御する場合を例に挙げて説明する。また、実施の形態1に係る施設情報提供装置で実行される施設情報提供処理(図3のフローチャートを参照)と同じ処理ステップには、同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0038】
施設情報提供処理では、まず、表示条件の設定が行われる(ステップST11)。例えば、ユーザは、実施の形態1の場合と同様に、表示制御の対象とする施設として「施設A」、この施設Aの表示期間として「10:00〜12:00」を設定し、表示制御の対象とする他の施設として「施設B」、この施設Bの表示期間として「11:00〜13:00」を設定する。
【0039】
次いで、年月日時刻曜日検出が行われる(ステップST12)。次いで、施設データが取得される(ステップST13)。このステップST13で取得された施設データは、システム制御手段15の内部、具体的にはメインメモリ104に格納される。次いで、営業時間データが取得される(ステップST21)。すなわち、施設営業時間取得手段17は、ステップST13において取得された施設データの中から、営業時間データを取得する。この施設営業時間取得手段17において取得された営業時間データはシステム制御手段15に送られ、その内部、具体的には、メインメモリ104に格納される。
【0040】
次いで、ステップST13で取得された施設データによって表される施設が表示されるべき施設であるかどうかが調べられる(ステップST14)。このステップST14において、表示すべき施設であることが判断されると、次いで、その施設が営業時間中であるかどうかが調べられる(ステップST22)。すなわち、システム制御手段15は、計時手段14から年、月、日、時刻および曜日を表すデータを取得し、この取得したデータによって示される年、月、日、時刻および曜日が、施設営業時間取得手段17から取得した営業時間データによって示される営業時間中であるかどうかを調べる。
【0041】
上記ステップST22において、営業時間中であることが判断されると、施設表示情報フラグがONに設定される(ステップST15)。一方、上記ステップST14において、表示すべき施設でないことが判断された場合、および、ステップST22において営業時間中でないことが判断された場合は、施設表示情報フラグがOFFに設定される(ステップST16)。その後、施設情報が出力される(ステップST17)。これにより、施設情報表示手段16の画面に、ステップST11で設定された表示条件を満足し、且つ営業時間中の施設のアイコンのみが地図上に重ねて表示される。
【0042】
例えば、表示条件として、上述したように、「施設A」の表示期間が「10:00〜12:00」、「施設B」の表示期間が「11:00〜13:00」に設定されており、施設Aの中の店舗31および店舗32(図7参照)の営業時間が「11:00〜12:00」であるとすると、計時手段14から取得された時刻が11:30であれば、図7(a)に示すように、施設Aおよび施設Bの全てが表示され、時刻が10:30であれば、図7(b)に示すように、施設Aのうちの店舗31および店舗32(営業時間外の」店舗)を除く店舗が表示され、時刻が12:30であれば、図4(c)に示すように、施設Bのみが表示されるというように、時間帯および施設の営業時間に応じて異なる施設が表示される。
【0043】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る施設情報提供装置によれば、ユーザが設定した表示条件を満足する施設のうち、さらに営業時間中の施設のみを表示させるようにしたので、図7(b)に示すように、ユーザがその時点で実際に利用可能な施設のみが表示される。したがって、上述した実施の形態1に係る施設情報提供装置よりも使い勝手が向上する。
【0044】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る施設情報提供装置は、気象状態に応じて表示する施設を変更するようにしたものである。
【0045】
図8は、この発明の実施の形態3に係る施設情報提供装置の機能的な構成を示すブロック図である。この施設情報提供装置は、実施の形態1に係る施設情報提供装置における施設表示期間設定手段12が施設気象条件設定手段18に置き換えられ、計時手段14が気象情報取得手段19に置き換えられて構成されている。以下、実施の形態1に係る施設情報提供装置と異なる部分を中心に説明する。
【0046】
施設気象条件設定手段18は、ユーザが、表示制御の対象とする施設およびその施設を表示させる気象条件を設定するために使用される。ここで設定する気象条件としては、例えば「晴れ」、「雨」、「雪」、「積雪量」などを用いることができる。この施設気象条件設定手段18によって設定された施設および気象条件を表すデータは、切替手段13を介して、システム制御手段15に送られる。
【0047】
象情報取得手段19は、例えば、放送されている現在の気象情報を取得する。この象情報取得手段19で取得された全国または地方の気象情報は、システム制御手段15に送られる。
【0048】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態3に係る施設情報提供装置において実行される施設情報提供処理を、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、切替手段13は、閉成されており、施設気象条件設定手段18とシステム制御手段15との間は接続されているものとする。また、実施の形態1に係る施設情報提供装置で実行される施設情報提供処理(図3のフローチャートを参照)と同じ処理ステップには、同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0049】
施設情報提供処理では、まず、気象条件の設定が行われる(ステップST31)。すなわち、施設気象条件設定手段18は、ユーザの操作に応じて、表示制御の対象とする施設と、その施設を表示する条件となる気象状態を表すデータを生成し、切替手段13を経由してシステム制御手段15に送る。これにより、システム制御手段15の内部に、施設および気象条件が設定される。このステップST31では、ユーザは、例えば施設としてスキー場、その気象条件として積雪量50cm以上と設定する。
【0050】
次いで、気象情報の取得が行われる(ステップST32)。すなわち、システム制御手段15は、気象情報取得手段19から、その時点の気象状態を表すデータを取得する。次いで、施設データが取得される(ステップST13)。次いで、ステップST13で取得された施設データによって表される施設が表示されるべき施設であるかどうかが調べられる(ステップST33)。具体的には、システム制御手段15は、メインメモリ104に格納されている施設データを取り出し、この取り出した施設データが、ステップST31において設定された施設に該当するかどうかを調べる。そして、該当することを判断した場合は、気象情報取得手段19から取得した気象情報が、ステップST31で設定された気象条件に合致するかどうか、例えば、気象情報によって示される積雪量が50cm以上であるかどうかを調べる。
【0051】
上記ステップST33において、表示すべき施設である、つまり積雪量が50cm以上であることが判断されると、施設表示情報フラグがONに設定される(ステップST15)。一方、上記ステップST14において、表示すべき施設でない、積雪量が50cm未満であることが判断されると、施設表示情報フラグがOFFに設定される(ステップST16)。次いで、施設情報が出力される(ステップST17)。これにより、施設情報表示手段16の画面に、ステップST31で設定された気象条件を満足する施設のアイコンのみが地図上に重ねて表示される。
【0052】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係る施設情報提供装置によれば、ユーザは、気象条件を設定することによって表示させる施設を変更できるので、ユーザが所望する施設のみを選択的に表示させることができる。その結果、すべての施設が表示されることによって表示内容が煩雑になるという問題を解消できる。
【0053】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る施設情報提供装置は、実施の形態1〜3に係る施設情報提供装置の各々が有する機能を纏めて1台の施設情報提供装置を構成したものである。
【0054】
図10は、この発明の実施の形態4に係る施設情報提供装置の機能的な構成を示すブロック図である。この施設情報提供装置は、施設情報取得手段11、施設表示期間設定手段12、切替手段13、計時手段14、システム制御手段15、施設情報表示手段16、施設営業時間取得手段17、施設気象条件設定手段18および気象情報取得手段19から構成されている。各構成要素の機能および動作は、上述した実施の形態1〜3に係る施設情報提供装置のそれらと同じである。
【0055】
上記のように構成される施設情報提供装置の動作は、上述した実施の形態1〜3に係る施設情報提供装置の動作と同じである。すなわち、施設表示期間設定手段12および施設気象条件設定手段18で設定した条件と、計時手段14で取得された年、月、日、時刻および曜日を表すデータ、施設営業時間取得手段17で取得された営業時間データおよび気象情報取得手段19で取得された気象情報とを比較し、条件が合致する施設のみ表示する。これにより、ユーザが所望する施設のみ表示することができる。
【0056】
なお、この実施の形態4に係る施設情報提供装置は、実施の形態1〜3に係る施設情報提供装置の各機能を纏めて構成したが、実施の形態1に係る施設情報提供装置と実施の形態3に係る施設情報提供装置との各機能を纏めて施設情報提供装置を構成することもでき、また、実施の形態2に係る施設情報提供装置と実施の形態3に係る施設情報提供装置との各機能を纏めて施設情報提供装置を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の実施の形態1に係る施設情報提供装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した施設情報提供装置を実現するためのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る施設情報提供装置において実行される施設情報提供処理を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1に係る施設情報提供装置の動作を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る施設情報提供装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る施設情報提供装置において実行される施設情報提供処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2に係る施設情報提供装置の動作を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る施設情報提供装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係る施設情報提供装置において実行される施設情報提供処理を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態4に係る施設情報提供装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0058】
11 施設情報取得手段、12 施設表示期間設定手段、13 切替手段、14 計時手段、15 システム制御手段、16 施設情報表示手段、17 施設営業時間取得手段、18 施設気象条件設定手段、19 気象情報取得手段、100 記憶装置、101 入力装置、102 時計機構、103 演算装置、104 メインメモリ、105 出力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を表す施設情報を取得する施設情報取得手段と、
表示制御の対象とする施設およびその表示期間を設定する施設表示期間設定手段と、
年月日、時刻および曜日を計時する計時手段と、
前記施設情報取得手段で取得された施設情報が、前記施設表示期間設定手段で設定された施設に対応し、且つ前記計時手段から取得した年月日、時刻および曜日が前記施設表示期間設定手段で設定された施設の表示期間内である場合に、該施設情報に基づく施設を表示するための表示情報を生成するシステム制御手段と、
前記システム制御手段で生成された表示情報に基づき施設を表示する施設情報表示手段とを備えた施設情報提供装置。
【請求項2】
施設情報取得手段で取得される施設情報に含まれる営業時間を取得する施設営業時間取得手段を備え、
システム制御手段は、施設情報取得手段で取得された施設情報が、施設表示期間設定手段で設定された施設に対応し、且つ計時手段から取得した年、月、日、時刻および曜日が施設表示期間設定手段で設定された表示期間内であり、且つ前記施設営業時間取得手段で取得された営業時間内であることを示している場合に、該施設情報に対応する施設を表示するための表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の施設情報提供装置。
【請求項3】
施設表示期間設定手段で設定された施設およびその表示期間を利用するか否かを切り替える切替手段
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の施設情報提供装置。
【請求項4】
施設表示期間設定手段で設定される表示期間として、年、月、日、時間帯、曜日および季節の少なくとも1つが用いられる
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の施設情報提供装置。
【請求項5】
施設表示期間設定手段は、施設毎または施設の種別毎に表示期間を設定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の施設情報提供装置。
【請求項6】
施設を表す施設情報を取得する施設情報取得手段と、
表示制御の対象とする施設およびそれが表示されるための気象条件を設定する施設気象条件設定手段と、
気象情報を取得する気象情報取得手段と、
前記施設情報取得手段で取得された施設情報が、前記施設気象条件設定手段で設定された施設に対応し、且つ前記気象情報取得手段から取得した気象情報が前記施設気象条件設定手段で設定された気象条件に合致する場合に、該施設情報に基づく施設を表示するための表示情報を生成するシステム制御手段と、
前記システム制御手段で生成された表示情報に基づき施設を表示する施設情報表示手段とを備えた施設情報提供装置。
【請求項7】
表示制御の対象とする施設およびそれが表示されるための気象条件を設定する施設気象条件設定手段と、
気象情報を取得する気象情報取得手段とを備え、
システム制御手段は、
施設情報取得手段で取得された施設情報が、施設表示期間設定手段で設定された施設に対応し、且つ計時手段から取得した年月日、時刻および曜日が前記施設表示期間設定手段で設定された施設の表示期間内である場合、および、前記施設情報取得手段で取得された施設情報が、前記施設気象条件設定手段で設定された施設に対応し、且つ前記気象情報取得手段から取得した気象情報が前記施設気象条件設定手段で設定された気象条件に合致する場合に、該施設情報に基づく施設を表示するための表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の施設情報提供装置。
【請求項8】
表示制御の対象とする施設およびそれが表示されるための気象条件を設定する施設気象条件設定手段と、
気象情報を取得する気象情報取得手段とを備え、
システム制御手段は、
施設情報取得手段で取得された施設情報が、施設表示期間設定手段で設定された施設に対応し、且つ計時手段から取得した年、月、日、時刻および曜日が施設表示期間設定手段で設定された表示期間内であり、且つ施設営業時間取得手段で取得された営業時間内であることを示している場合、および、前記施設情報取得手段で取得された施設情報が、前記施設気象条件設定手段で設定された施設に対応し、且つ前記気象情報取得手段から取得した気象情報が前記施設気象条件設定手段で設定された気象条件に合致する場合に、該施設情報に基づく施設を表示するための表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項2記載の施設情報提供装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−128344(P2007−128344A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321240(P2005−321240)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】