説明

昆虫成長調節物質を含有する高濃度局所的殺虫剤

用いるのに安全なものであり、従来の局所的殺虫剤の多くの一般的な有害な副作用を避ける局所的殺虫剤が提供される。殺虫剤は、ノミ、ノミ幼虫、ノミ卵子を殺虫するのに効果的な殺虫剤と昆虫成長調節物質を含有する。殺虫剤は、殺虫性(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体又はクロロニコチニル殺虫剤と昆虫成長調節物質(IGR)をIGR成分の溶解力を高める第四級アンモニウム塩を含有する溶媒に溶解することによって配合され、それにより殺虫活性の高い殺虫剤が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の説明
本出願は、2003年11月11日出願の米国出願第10/700,013号の一部継続出願である。上記出願の優先権が主張され、その明細書の記載は本願明細書に含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的には、殺虫剤、より詳細には局所的殺虫剤、例えば、ネコやイヌのような住宅ペットに用いるのに適したものに関する。
動物のノミによる侵襲は、非常に望ましくないことである。従って、家畜やペットに局所的殺虫剤と内部殺虫剤双方を投与することが一般的になった。多くの殺虫剤が局所的に用いられる場合、安全であることは受け入れられるが、内部的に用いられる場合、安全であることは受入れられないという点で、局所適用が望ましいものであり得る。
種々の局所的殺虫剤は、欠点を有する。一部は、動物に適用するのに大容積を必要とする。このことは、相当な混乱を引き起こし得るし、不快な臭いを生じ得る。また、動物が住宅ペットである場合、殺虫剤がヒト接触に安全でなければならないという点で更に複雑である。また、家具、カーペット等の着色の原因となってはならない。最後に、たとえ安全でも、住宅ペット用の局所的殺虫剤は、刺激性でないものでなければならず、発疹、脱毛にもならず、他の不快な副作用を示さないものでなければならない。
従って、従来技術の欠点を克服する改良された局所的殺虫剤を提供することは望ましいことである。
【発明の開示】
【0003】
一般的に言って、本発明によれば、殺虫剤と昆虫成長調節物質を含む局所的殺虫剤が提供される。これらの成分は、有利には、第四級アンモニウム塩、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウム又は塩化オレイルジメチルアンモニウムを含有する溶液に高濃度に溶解される。本発明の殺虫製剤は、用いるのに安全なものであり、従来の局所的殺虫剤の多くの一般的な有害な副作用が避けられる。従って、従来技術の欠点を克服する改良された局所的殺虫剤、このような殺虫剤を調製する方法及び殺虫剤で侵襲を制御する方法が提供される。
本発明は、有利には、ノミ、ノミ卵子、ノミ幼虫を殺虫するのに有効である、殺虫剤と昆虫成長調節物質を含有する局所的殺虫剤を提供する。殺虫剤成分は、好ましくは、殺虫性(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体又はクロロニコチニル殺虫剤を含有する。有利には、昆虫成長調節物質(IGR)を溶媒成分中に含んでいる。有利な溶媒溶液としては、水、乳酸エチル、及び/又は第四級アンモニウム塩が含まれる。第四級アンモニウム塩は、好ましくは疎水性アンモニウム塩、例えば、塩化オレイルジメチルアンモニウム、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウム、塩化オレイルジメチルアンモニウムである。
多数の炭素原子を有する塩化アンモニウムが、好ましくは約16以上がより有利な溶媒系になることが決定された。本発明の好ましい実施態様においては、溶媒成分は、有利には、塩を含まない溶媒におけるIGRの溶解力と比較してIGRの溶解力を高めるのに充分な量の塩を含有する。溶媒系における成分の選択によって、殺虫剤と昆虫成長調節物質の溶解性の増大が可能になり、それにより高殺虫活性を有する殺虫剤が提供される。
本発明の好適実施態様による有効成分や殺虫剤は、たいてい結晶や固形物として入手できる。これらの活性物質を溶解するかさもなければ動物に対する局所的スポット製品として用いられる液体状態にすることが有利であることが決定された。局所的スポット製品は、適用される液体の量を最少限にし得る場合にはより有利である。これは、所望の殺虫効果を達成するのに適切な投薬の要求と釣り合っていなければならない。それ故、高濃度の殺虫剤の可溶化を可能にする溶媒を用いることが望ましい。
【0004】
本発明の好適実施態様においては、殺虫剤は1-{(テトラヒドロ-3-フラニル)メチル}-2-ニトロ-3-メチルグアニジン(ジノテフラン)を含有し、IGRはピリプロキシフェン及び/又はメトプレンを含んでいる。本発明の他の好適実施態様においては、殺虫剤はクロロニコチニル殺虫剤、好ましくはアセトアミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム又はクロチアニジンを含み、IGRはピリプロキシフェン及び/又はメトプレンを含んでいる。
ジノテフランは成虫のノミを殺虫する殺虫剤であり、ピリプロキシフェンやメトプレンは、ノミ幼虫を殺虫し且つノミ卵子が孵化することを防止する昆虫成長調節物質である。従って、殺虫剤、例えばアセトアミプリド又はジノテフランとIGR、例えば、ピリプロキシフェン又はメトプレンの組合わせは、動物について存在するノミの約5%だけが成虫であり、その他の95%は幼若状態(卵子や幼虫)にあるので効果的なノミ制御システムとなる。
ジノテフランとピリプロキシフェンは、それぞれ親水性と親油性である。高濃度のジノテフランを可溶化する溶媒系は、典型的には、ピリプロキシフェンを可溶化することができない。しかしながら、第四級アンモニウム塩、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウム、塩化オレイルジメチルアンモニウムを添加すると有効量のピリプロキシフェンを可溶化することができることが決定された。更に、その塩は、製剤の乳化を防止するのを援助することができる。これにより、有利には高殺虫活性を有する殺虫剤が得られる。
従って、本発明の目的は、改良された局所的殺虫剤を提供することである。
本発明の他の目的は、昆虫侵襲を制御する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、他の殺虫剤よりより急速に及び/又はより永続的に作用し及び/又はより少ない総容積の適用殺虫剤を含むことができる局所的殺虫剤を提供することである。
本発明の他の目的は、殺虫剤の改良された製造方法を提供することである。
他の目的及び特徴も、部分的に明らかになり、部分的に指摘される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明によれば、ノミ、ノミ卵子、ノミ幼虫を殺虫するのに効果的な殺虫剤と昆虫成長調節物質を含有する局所的殺虫製剤が提供される。成虫のノミに対して有効な殺虫剤とノミ卵子や幼虫に対して有効な昆虫成長調節物質とを組み合わせることにより非常に効果的な殺虫製剤が得られる。
本発明の一好適実施態様においては、殺虫剤は、殺虫性(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体と昆虫成長調節物質(IGR)を水と、乳酸エチルと、第四級アンモニウム塩とを含む溶媒成分に溶解することによって配合されている。溶媒成分は、第四級アンモニウム塩を含まない溶媒におけるIGRの溶解力と比較してIGRの溶解力を高め且つ第四級アンモニウム塩を含まない殺虫剤の有効性と比較して殺虫剤の有効性を増大させるのに充分な量の第四級アンモニウム塩を含有する。
本発明の好適実施態様においては、殺虫製剤の有効成分はニトロメチレン基、ニトロアミノ基又はシアノアミノ基を有するアミン誘導体であり、毒性が低く且つ優れた殺虫活性を有するように配合することができる。殺虫剤の有効成分及び本発明の好適実施態様によるそれらの配合方法は、米国特許第5,532,365号及び同第5,434,181号に記載され、これらの明細書の記載は本願明細書に含まれるものとする。
本発明の他の好適実施態様においては、殺虫剤は、以下の式(1)の殺虫性(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体を含んでいる。下記式(1)の(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体は、それらの分子構造においてピリジルメチル基又はチアゾリルメチル基が存在しないときでさえ優れた殺虫活性を有する。
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7は各々水素原子又は炭素原子1〜4個を有するアルキル基であり; R1は、水素原子、炭素原子1〜5個を有するアルキル基、炭素原子3個を有するアルケニル基、ベンジル基、炭素原子2〜4個(その基全体において)を有するアルコキシアルキル基、炭素原子1〜3個を有するアルキルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、炭素原子1〜6個を有するアルキルカルボニル基、炭素原子2〜3個を有するアルケニルカルボニル基、炭素原子3〜6個を有するシクロアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、炭素原子1〜4個を有するアルキル基(1つ以上)で置換されたベンゾイル基、ハロゲン原子(1つ以上)で置換されたベンゾイル基、2-フラニルカルボニル基又はN,N-ジメチルカルバモイル基であり; R2は、水素原子、アミノ基、メチル基、炭素原子1〜5個を有するアルキルアミノ基、炭素原子2〜5個(その基全体において)を有するジ置換アルキルアミノ基、1-ピロリジニル基、炭素原子3個を有するアルケニルアミノ基、炭素原子3個を有するアルキニルアミノ基、メトキシアミノ基、炭素原子2〜4個(その基全体において)を有するアルコキシアルキルアミノ基、メチルチオ基又は--N(Y1)Y2 (ここで、Y1は炭素原子1〜3個を有するアルキルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、炭素原子1〜6個を有するアルキルカルボニル基、炭素原子2〜3個を有するアルケニルカルボニル基、炭素原子3〜6個を有するシクロアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、炭素原子1〜4個を有するアルキル基(1つ以上)で置換されたベンゾイル基、ハロゲン原子(1つ以上)で置換されたベンゾイル基、2-フラニルカルボニル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、(テトラヒドロ-3-フラニル)メチル基又はベンジル基であり、Y2は、炭素原子1〜5個を有する水素原子又はアルキル基である。)であり; Zは、=N-NO2、=CH-NO2又は=N-CNである。)
式(1)の化合物を製造するための中間体は下記式(2)で表される。
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7は各々水素原子又は炭素原子1〜4個を有するアルキル基であり; R10は、炭素原子1〜5個又はベンジル基を有するアルキル基であり; R11は、炭素原子1〜5個又はベンジル基を有するアルキル基である。)
本発明による式(1)及び式(2)の(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体は、高殺虫活性と広い殺虫スペクトルを有する優れた化合物である。更に、本発明による式(1)、(2)の(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体を含有する農薬は、殺虫剤として顕著な特性を有し、それ故、有用である。
上記式(1)、(2)におけるX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7のためのアルキル基の個々の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基等が含まれ、好ましくはメチル基である。
R1のアルキル基の個々の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基等が挙げられる。
R1のアルケニル基の個々の例としては、1-プロペニル基、2-プロペニル基等が挙げられる。
R1のアルコキシアルキル基の個々の例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n-プロポキシメチル基、iso-プロポキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。
R1のアルキルオキシカルボニル基の個々の例としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、n-プロピルオキシカルボニル基、iso-プロピルオキシカルボニル基等が挙げられる。
R1のアルキルカルボニル基の個々の例としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、iso-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、iso-ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、n-ヘキソイルカルボニル基等が挙げられる。
【0010】
R1のアルケニルカルボニル基の個々の例としては、ビニルカルボニル基、1-メチルビニルカルボニル基等が挙げられる。
R1のシクロアルキルカルボニル基の個々の例としては、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキソイルカルボニル基等が挙げられる。
R1のアルキル基(1つ以上)で置換されたベンゾイル基の個々の例としては、2-メチルベンゾイル基、3-メチルベンゾイル基、4-メチルベンゾイル基、4-tert-ブチルベンゾイル基等が挙げられる。
R1のハロゲン原子(1つ以上)で置換されたベンゾイル基の個々の例としては、2-クロロベンゾイル基、3-クロロベンゾイル基、4-クロロベンゾイル基、3,4-ジクロロベンゾイル基、4-フルオロベンゾイル基等が挙げられる。
R1は上記の通りに種々の置換基をとることができるが、好ましくは水素原子、炭素原子1〜4個を有するアルキルカルボニル基又はシクロプロピルカルボニル基である。
R2のアルキルアミノ基の個々の例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、iso-プロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、iso-ブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基等が含まれ、好ましくはメチルアミノ基である。
R2のジ置換アルキルアミノ基の個々の例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、N-メチル-N-n-プロピルアミノ基、N-メチル-N-n-ブチルアミノ基等、好ましくはジメチルアミノ基が挙げられる。
R2のアルケニルアミノ基の個々の例としては、1-プロペニルアミノ基、2-プロペルニルアミノ基等が挙げられる。
R2のアルキニルアミノ基の個々の例としては、プロパルギルアミノ基等が挙げられる。
R2のアルコキシアルキルアミノ基の個々の例としては、メトキシメチルアミノ基、エトキシメチルアミノ基、n-プロポキシメチルアミノ基、iso-プロポキシメチルアミノ基、メトキシエチルアミノ基、エトキシエチルアミノ基等が挙げられる。
【0011】
R2のY1で示されるアルキルオキシカルボニル基の個々の例としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、n-プロピルオキシカルボニル基、iso-プロピルオキシカルボニル基等が含まれる。
R2のY1で示されるアルキルカルボニル基の個々の例としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、iso-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、n-ヘキシルカルボニル基等、好ましくはメチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、iso-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、iso-ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基が挙げられる。
R2のY1で示されるアルケニルカルボニル基の個々の例としては、ビニルカルボニル基、1-メチルビニルカルボニル基等が挙げられる。
R2のY1で示されるシクロアルキルカルボニル基の個々の例としては、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等、好ましくはシクロプロピルカルボニル基が挙げられる。
R2のY1で示されるアルキル基(1つ以上)で置換されたベンゾイル基個々の例としては、2-メチルベンゾイル基、3-メチルベンゾイル基、4-メチルベンゾイル基、4-tert-ブチルベンゾイル基等が挙げられる。
R2のY1で示されるハロゲン原子(1つ以上)で置換されたベンゾイル基の個々の例としては、2-クロロベンゾイル基、3-クロロベンゾイル基、4-クロロベンゾイル基、3,4-ジクロロベンゾイル基、4-フルオロベンゾイル基等が挙げられる。
R2のY2で示されるアルキル基の個々の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基等、好ましくはメチル基が挙げられる。
式(1)においては、R1とY1が同時に、炭素原子1〜4個を有するアルキルカルボニル基又はシクロプロピルカルボニル基である化合物が殺虫活性と製法双方の観点から好ましい。
【0012】
本発明の好適実施態様においては、溶媒成分に溶解した(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体はジノテフランである。ジノテフランは、成虫のノミを殺虫する殺虫剤である。ジノテフランは、好ましくは約5〜20%、より好ましくは約10〜15%、最も好ましくは約12〜15%の濃度範囲まで製剤に溶解されている。特にことわらない限り、パーセント全て質量に基づく。
本発明の他の好適実施態様においては、殺虫剤は、殺虫剤として有効な量のクロロニコチニル殺虫剤と昆虫成長調節物質(IGR)を溶媒成分に溶解することによって配合される。溶媒成分は、第四級アンモニウム塩を含まない溶媒におけるIGRの溶解力と比較してIGRの溶解力を高め且つ第四級アンモニウム塩を含まないその有効性と比較して殺虫剤の有効性を増大させるのに充分量の第四級アンモニウム塩を含有する。本発明の好適実施態様においては、溶媒成分は、エタノールと第四級アンモニウム塩を含んでいる。他の本発明の好適実施態様においては、溶媒成分は、水と、乳酸エチルと、第四級アンモニウム塩とを含んでいる。
本発明の好適実施態様においては、製剤におけるクロロニコチニル殺虫剤は、N-((6-クロロ-3-ピリジニル)メチル)-N'-シアノ-N-メチルエタンイミドアミド(アセトアミプリド)であり、昆虫成長調節物質は、ピリプロキシフェン又はメトプレンである。アセトアミプリドは、主に成虫のノミを殺虫する殺虫剤である。アセトアミプリドは、国際出願第PCT/JP90/01282号及び同第PCT/EP93/01286号に開示され、これらの明細書の記載は本願明細書に含まれるものとする。
他の本発明の好適実施態様においては、昆虫成長調節物質はピリプロキシフェンである。本発明の好適実施態様においては、ピリプロキシフェンは、約0.1〜3%、より好ましくは約0.5〜3%、最も好ましくは約0.9〜1.1%の濃度範囲まで製剤に溶解されている。本発明の他の好適実施態様においては、製剤は、動物に対して少なくとも約10mgのピリプロキシフェンの用量を含んでいる。それ故、製剤がピリプロキシフェンを1%含有する場合には、許容しうる用量は、1mlの適用において約10mg以上である。
【0013】
本発明の更に他の好適実施態様においては、昆虫成長調節物質はメトプレンである。本発明の好適実施態様においては、メトプレンは、約0.1〜5%、より好ましくは約0.5〜5%、最も好ましくは約3.0〜5.0%の濃度範囲まで製剤に溶解されている。本発明の他の好適実施態様においては、用量は、動物に対して少なくとも約30mgの投与されるメトプレンを含んでいる。
本発明の一好適実施態様においては、殺虫剤は、ジノテフランとピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、第四級アンモニウム塩、好ましくは塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって配合される。本発明の他の好適実施態様においては、殺虫剤は、ジノテフランとピリプロキシフェンをエタノール、第四級アンモニウム塩、好ましくは塩化オレイルジメチルアンモニウムを含む溶媒に溶解することによって配合される。ジノテフランは成虫のノミを殺虫する殺虫剤であり、アセトアミプリドは主に成虫のノミを殺虫する殺虫剤であり、ピリプロキシフェンはノミ幼虫やノミ卵子を殺虫する殺虫剤である。成虫と幼若の段階におけるノミを殺虫することによって、本発明の殺虫製剤は、他の殺虫製剤と比較して結果の速さを改善するとともにノミ侵襲の再発生を減少させるのに有用である。
本発明の他の好適実施態様においては、殺虫剤は、アセトアミプリドとピリプロキシフェンを好ましくは水と、乳酸エチルと、第四級アンモニウム塩、好ましくは塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって配合されている。本発明の更に他の好適実施態様においては、殺虫剤は、アセトアミプリドとピリプロキシフェンを、好ましくはエタノール、第四級アンモニウム塩、好ましくは塩化オレイルジメチルアンモニウムを含む溶媒に溶解することによって配合されている。アセトアミプリドは主に成虫のノミを殺虫する殺虫剤であり、ピリプロキシフェンはノミ幼虫やノミ卵子を殺虫する殺虫剤である。成虫と幼若の段階におけるノミを殺虫することによって、本発明の殺虫製剤は、他の殺虫製剤と比較して結果の速さを改善するとともにノミ侵襲の再発生を減少させるのに有用である。
【0014】
高濃度のジノテフランとアセトアミドは水と乳酸エチル又はエタノールの組合わせに可溶化することができる。しかしながら、ジノテフランが親水性であり、ピリプロキシフェンが親油性であることから、高濃度のジノテフランを可溶化する溶媒系はピリプロキシフェンを適切に可溶化することができない。塩化アンモニウムのような第四級アンモニウム塩、好ましくは炭素原子を1つ以上有するもの、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウム、塩化オレイルジメチルアンモニウムを溶媒成分に添加すると、ピリプロキシフェンの有効量が乳化せずに製剤に可溶化させることが可能であり、それにより単一の非常に効果的な殺虫剤の局所溶液における高濃度の親水性殺虫剤と親油性殺虫剤の送達を可能にすることが決定された。
ピリプロキシフェンが疎水性であることから、殺虫製剤に有効量のピリプロキシフェンを溶解するために疎水性である第四級アンモニウム塩を選ぶことが好ましい。アルキル鎖における炭素原子数が大きい第四級アンモニウム塩、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウム、塩化オレイルジメチルアンモニウムが溶媒成分に用いるのに選ばれることが好ましい。好ましくは、殺虫剤として有効な量のジノテフランとピリプロキシフェンが比較的少ない容積に組み込まれる。このような殺虫製剤は、有利には、高温や低温の種々の条件下で安定である。
本発明の他の好適実施態様においては、好ましい溶媒成分は、水と、乳酸エチルと、塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む混合物を含み、ここで、塩化オレイルジメチルアンモニウムの最終濃度は0.5〜20%、より好ましくは0.5〜5%塩化オレイルジメチルアンモニウムの範囲にあり、最も好ましくは最終濃度が1.0%塩化オレイルジメチルアンモニウムである。溶媒が塩化オレイルジメチルアンモニウムを含有する場合、溶媒における水と乳酸エチルとの比は、好ましくは約1:1〜約1:2である。
エタノールは、また、溶解性を改善するとともに高濃度のジノテフラン又はアセトアミプリドが低温で時間が経つにつれて結晶することを防止するために溶媒成分に添加することができる。本発明の他の好適実施態様においては、好適溶媒成分は、水と、乳酸エチルと、エタノールと、塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む混合物を含み、ここで、塩化オレイルジメチルアンモニウムの最終濃度は0.5〜20%、より好ましくは0.5〜5%塩化オレイルジメチルアンモニウムの範囲にあり、最も好ましくは最終濃度が1.0%塩化オレイルジメチルアンモニウムである。溶媒が塩化オレイルジメチルアンモニウムを含有する場合、溶媒における水と乳酸エチルとエタノールとの比は好ましくは約1:1:1〜約3:4:3、それらの間の全ての比である。特にことわらない限り、比は全て質量に基づく。
【0015】
本発明の好適実施態様においては、殺虫剤は、ジノテフランとピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、上記の塩の1つ、例えば、塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって配合される。ジノテフランは約5〜20%の濃度範囲まで製剤に溶解され、ピリプロキシフェンは約0.5〜3%の濃度範囲まで製剤に溶解され、塩化オレイルジメチルアンモニウムの濃度は約1〜20%の範囲にあり、乳酸エチルの濃度は約50〜67%の範囲にある。好ましくは、ジノテフランは約15%の濃度まで製剤に溶解され、ピリプロキシフェンは約1%の濃度まで製剤に溶解され、塩化オレイルジメチルアンモニウムの濃度は約1%である。
殺虫剤がジノテフランとピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって配合される場合、ジノテフランとピリプロキシフェンと塩化オレイルジメチルアンモニウムとの比は好ましくは約15:1:1であり、殺虫製剤におけるジノテフランの濃度は15%を超えない。他の好適実施態様においては、ジノテフランとピリプロキシフェンと塩化オレイルジメチルアンモニウムとの比は好ましくは約10:1:1、20:1:1又は30:1:1、それらの間の全ての比であり、ジノテフランの濃度は、好ましくは15%を超えない。
約0.5〜1.33mlの殺虫剤を4キログラム(9ポンド)以下の重さのコンパニオンアニマルに適用する場合、ノミに対して90%の殺虫率を達成するために約150-200mgのジノテフランと約10mgのピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって殺虫剤が配合されることが好ましい。
本発明の更に他の実施態様においては、好適溶媒成分は、水と、乳酸エチルと、塩化セチルトリメチルアンモニウムとを含む混合物を含み、ここで、塩化セチルトリメチルアンモニウムの最終濃度は約19〜20%であり、より好ましくは、塩化セチルトリメチルアンモニウムの最終濃度は約20%である。エタノールもまた、溶解性を改善するために、溶媒成分に添加することができる。
【0016】
好ましくは、ジノテフランとピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、塩化セチルトリメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって殺虫剤が配合される場合、ジノテフランは約14〜15%の濃度範囲まで製剤に溶解され、ピリプロキシフェンは約1〜3%の濃度範囲まで製剤に溶解され、塩化セチルトリメチルアンモニウムの濃度は約19〜20%の範囲にあり、乳酸エチルの濃度は約40〜75%の範囲にある。
本発明の更に他の実施態様においては、好適溶媒成分は、水と、乳酸エチルと、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムとを含む混合物を含み、ここで、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムアンモニウムの最終濃度は約19〜20%の範囲にあり、より好ましくは塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムの最終濃度は約20%である。エタノールもまた、溶解性を改善するために溶媒成分に添加することができる。
好ましくは、ジノテフランとピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって殺虫剤が配合される場合、ジノテフランは約14〜15%の濃度範囲まで製剤に溶解され、ピリプロキシフェンは約1〜3%の濃度範囲まで製剤に溶解され、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムの濃度は約19〜20%の範囲にあり、乳酸エチルの濃度は約40〜75%の範囲にある。
本発明の他の実施態様においては、アセトアミプリドとピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、第四級アンモニウム塩、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムアンモニウム、塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって殺虫剤が配合される。アセトアミプリドは約5〜50%の濃度範囲まで製剤に溶解され、ピリプロキシフェンは約0.5〜3%の濃度範囲まで製剤に溶解され、第四級アンモニウム塩の濃度は約1〜20%の範囲にあり、乳酸エチルの濃度は約50〜67%の範囲にある。
約0.4〜1.33mlの殺虫剤を4キログラム(9ポンド)以下の重さのコンパニオンアニマルに適用する場合、ノミに対して90%の殺虫率を達成するために約100mg/mlのアセトアミプリドと約10mg/mlのピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、塩化オレイルジメチルアンモニウムとを含む溶媒に溶解することによって殺虫剤が配合されることが好ましい。
【0017】
コンパニオンアニマルに用いられる本発明による製剤の調製においては、考慮されなければならないいくつかのパラメータがある。これらは以下のことである。
(a)動物に局所適用されるものの容積を最少限にするのに充分に高い濃度(例えば、小さなネコには、20mlをかけたくない)。
(b)製剤は、54℃(130oF)、43℃(110oF)、4℃(40oF)、室温、-18℃(0oF)で1ヵ月間安定でなければならない。このことは、製剤が商業的に満たすことができる条件で安定なままであることを確実にするのを援助する。
(c)動物に用いるのに安全なこと - 特に製品が皮膚に適用されるので非刺激性であること。また、動物が摂取した場合にも安全なこと; ネコが毛づくろいする場合に摂取が起こり得る。
(d)消費者が用いるのに安全なこと。
(e)使用中は有効であること - 80%を超える又は90%ものノミを28日間殺虫しなければならない。
(f)結晶化が包装において生ずる場合には、効力が弱くなる。
(g)美学的に快いことが求められる - 適用されたときに動物に対して“油滴でないこと”。
(h)動物が液体を振り落とし、それにより効力が減少する可能性を減少させる高速乾燥。
(i)微生物学的安定性。
殺虫製剤に対する他の添加剤としては、臭いを改善する芳香剤、性能を増加させるイソプロピルミリステート、ソルビタン誘導体、例えば、ポリソルベート20のような界面活性剤や展着剤が含まれ得るがこれらに限定されない。皮膚や毛に対する安全性と付着性を改善するために殺虫剤をエンローブするポリマーも用いることができる。用いることができるポリマーの例としては、カチオンセルロース、カチオングアゴム、カチオンアクリレートポリマー、寒天、ゼラチン、アルギン酸塩が挙げられる。
実際には、本明細書に記載される殺虫製剤の有効量は、発泡シャンプー、ディップ、エアゾールスプレー、ポンプスプレー、ローション、乳剤、水性又は液体流動性懸濁濃縮物として、また、動物に局所的組成物を投与するのに適した他のあらゆる方法によって、コンパニオンアニマル、好ましくはイヌ又はネコに適用することができる。
本発明の好適実施態様においては、殺虫剤は、1ヵ月にわたってノミ、ノミ幼虫、ノミ卵子を殺虫するためにだいたい月に一度局所的な滴下として、好ましくは肩甲骨と頭蓋骨の基部間の領域に適用することができる。
以下の実施例は、説明のためにのみに示され、限定するものとして解釈されるものではない。
【実施例】
【0018】
実施例1: 1-{(テトラヒドロ-3-フラニルメチル)}-2-ニトロ-3-メチルグアニジン)(ジノテフラン)の調製
10.0gの(テトラヒドロ-3-フラニル)メタノール、29.5gのトリフルオロメタンスルホン酸無水物、10.0gのピリジン、200mlのジクロロメタンを含む混合液を室温で1時間撹拌した。その反応溶液に水を注入して、有機層を分離し、1N塩酸、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮して、20gの3-テトラヒドロフラニルメチルトリフレートを得た。3.25gの60%水素化ナトリウムを12.5gの1,5-ジメチル-2-ニトロイミノヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジンと60mlのDMFに室温で添加し、引き続き1時間撹拌した。20.0gの3-テトラヒドロフラニルメチルトリフレートをそれに添加し、その混合液を50℃で2時間撹拌した。その混合液を室温まで冷却した後、50mlの2N塩酸をそれに添加し、引き続き50℃で2時間撹拌した。得られた混合液を重炭酸ナトリウムで中和し、ジクロロメタンで抽出し、抽出液を乾燥し、濃縮した。このようにして得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)によって精製して、7.8gの1-{(テトラヒドロ-3-フラニル)メチル}-2-ニトロ-3-メチルグアニジン(ジノテフラン)を得た。
【0019】
実施例2: ジノテフランと、ピリプロキシフェンと、塩化オレイルジメチルアンモニウムを含有する殺虫製剤の調製
0.5gの塩化オレイルジメチルアンモニウムを0.5gのピリプロキシフェンに加熱(50℃)して添加し、溶解した。その後、20.75gの水、次に20.75gの乳酸エチルを添加した。9モルのエチレンオキシド(OP 9)を含有する2.1gのt-オクチルフェノキシエトキシエタノールを添加した。その溶液に7.8gのジノテフランを撹拌により溶解して、透明な均一溶液を得、引き続き室温まで冷却した。pH5.5〜7に炭酸ナトリウム溶液で調整した。
【0020】
実施例3: ジノテフラン/ピリプロキシフェン製剤の安定性
いくつかの溶媒系は、ジノテフランが低温で1ヵ月間の溶液のままであることを可能にする。更に、高濃度のジノテフランを溶解することができる溶媒系は、典型的には、ピリプロキシフェンの可溶化を可能にしない。表1に示されるように、第四級アンモニウム塩が溶媒に含まれると、有効量のピリプロキシフェンが可溶化され且つ保たれることが可能になり、それにより安定な製剤が得られることが決定された。製剤の安定性は、-18℃(0oF)で1ヵ月の間、結晶形成がないという基準に基づく。
【0021】
【表1】

【0022】
ジノテフランを含有する溶液におけるピリプロキシフェンの溶解性は、第四級アンモニウム塩を含まない同様の製剤と比較して塩化アンモニウム塩のような第四級アミン、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウム、塩化オレイルジメチルアンモニウムを添加することによって高めることができることが決定された。約20%まで第四級アンモニウム塩が含まれることにより安定な製剤が得られる。
【0023】
実施例4
実施例2に記載された手順を用いて種々の割合の溶媒成分を含有する製剤を調製した。
表2は、種々の製剤の組成物を含み、第四級アンモニウム塩が含まれるとジノテフランとピリプロキシフェンを含有する安定な溶液が得られることを証明するものである。製剤の安定性は、-18℃(0oF)で1ヵ月の間、結晶形成がないという基準に基づく。
【0024】
【表2】

【0025】
【表2−1】

【0026】
【表2−2】

【0027】
【表2−3】

【0028】
【表2−4】

【0029】
【表2−5】

【0030】
上に示された目的、特に上記の説明から明らかにされたものが効率的に達成され、本発明の真意と範囲から逸脱することなく示される上記の方法を行うのに、また、製剤においてある種の変更をなすことができるので、前記説明に含まれる全ての内容は説明として解釈されるものであり限定的に解釈されるものではない。
また、以下の特許請求の範囲が、本明細書に記載される本発明の包括的特徴と個々の特徴の全て、及び言葉の問題として、その間に入ると言われる本発明の範囲の全ての記載を包含するものであることも理解されるべきである。特に、前記主張において、単数形で示された成分又は化合物が、意味が可能になるどこでもこのような成分の適合する混合物を含むものであることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)殺虫性(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体又はクロロニコチニル殺虫剤の殺虫剤として有効な量と、(ii)昆虫成長調節物質(IGR)の昆虫の成長を阻止するのに有効な量を水と、乳酸エチルと、第四級アンモニウム塩とを含む溶媒成分の有効な量において合わせることにより配合された殺虫剤であって、前記溶媒成分が、第四級アンモニウム塩を含まない溶媒成分におけるIGRの溶解力と比較して溶媒成分におけるIGRの溶解力を高め且つ第四級アンモニウム塩を含まない殺虫剤の有効性と比較して殺虫剤の有効性を増大させるのに充分な量の第四級アンモニウム塩を含む前記殺虫剤。
【請求項2】
殺虫性誘導体成分がジノテフランを含んでいる、請求項1記載の殺虫剤。
【請求項3】
IGR成分がピリプロキシフェン又はメトプレンを含んでいる、請求項2記載の殺虫剤。
【請求項4】
IGR成分がピリプロキシフェンを含んでいる、請求項3記載の殺虫剤。
【請求項5】
第四級アンモニウム塩成分が、塩化オレイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、又は塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムを含んでいる、請求項4記載の殺虫剤。
【請求項6】
クロロニコチニル殺虫剤成分がアセトアミプリドを含んでいる、請求項1記載の殺虫剤。
【請求項7】
IGR成分がピリプロキシフェン又はメトプレンを含んでいる、請求項6記載の殺虫剤。
【請求項8】
IGR成分がピリプロキシフェンを含んでいる、請求項7記載の殺虫剤。
【請求項9】
第四級アンモニウム塩成分が、塩化オレイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム又は塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムを含んでいる、請求項8記載の殺虫剤。
【請求項10】
溶媒成分が更にエタノールを含んでいる、請求項1記載の殺虫剤。
【請求項11】
前記殺虫性誘導体が、約5〜20%の濃度まで製剤に溶解されている、請求項5記載の殺虫剤。
【請求項12】
前記IGR成分が約0.5〜3%の濃度まで製剤に溶解されている、請求項11記載の殺虫剤。
【請求項13】
第四級アンモニウム塩の濃度が約1〜20%である、請求項12記載の殺虫剤。
【請求項14】
前記クロロニコチニル殺虫剤成分が約5〜50%の濃度まで製剤に溶解されている、請求項5記載の殺虫剤。
【請求項15】
前記IGR成分が約0.5〜3%の濃度まで製剤に溶解されている、請求項11記載の殺虫剤。
【請求項16】
第四級アンモニウム塩の濃度が約1〜20%である、請求項12記載の殺虫剤。
【請求項17】
製剤が、イヌ又はネコに刺激性でなく、イヌ又はネコに10ml未満を適用してノミを殺虫するのに効果的である、請求項1記載の殺虫剤。
【請求項18】
製剤が、イヌ又はネコに刺激性でなく、イヌ又はネコに10ml未満を適用してノミを殺虫するのに効果的である、請求項13記載の殺虫剤。
【請求項19】
製剤が、イヌ又はネコを刺激性でなく、イヌ又はネコに10ml未満を適用してノミを殺虫するのに効果的である、請求項16記載の殺虫剤。
【請求項20】
動物において昆虫侵襲を制御する方法であって、ジノテフランとピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、エタノールと、第四級アンモニウム塩とを含む溶媒混合物に溶解する段階、及びその溶液の殺虫剤として有効な量を動物に適用する段階を含む、前記方法。
【請求項21】
第四級アンモニウム塩が、塩化オレイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム又は塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
動物がネコ又はイヌである、請求項21記載の方法。
【請求項23】
昆虫がノミである、請求項22記載の方法。
【請求項24】
動物において昆虫侵襲を制御する方法であって、アセトアミプリドとピリプロキシフェンを水と、乳酸エチルと、エタノールと、第四級アンモニウム塩とを含む溶媒混合物に溶解する段階、及びその溶液の殺虫剤として有効な量を動物に適用する段階を含む、前記方法。
【請求項25】
第四級アンモニウム塩が、塩化オレイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム又は塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムである、請求項24記載の方法。
【請求項26】
動物がネコ又はイヌである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
昆虫がノミである、請求項26記載の方法。
【請求項28】
殺虫製剤を調製する方法であって、殺虫剤を塩化オレイルジメチルアンモニウムを含む組成物に溶解する段階であって、殺虫剤の少なくとも一部が塩化オレイルジメチルアンモニウムによって溶解されている前記段階を含む、前記方法。
【請求項29】
ジノテフランの殺虫剤として有効な量とピリプロキシフェンの昆虫の成長を調節する量とを含む殺虫剤組成物。
【請求項30】
第四級アンモニウム塩を含む溶液を更に含んでいる、請求項29記載の殺虫剤組成物。
【請求項31】
第四級アンモニウム塩成分が、塩化オレイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムを含んでいる、請求項30記載の殺虫剤組成物。
【請求項32】
その溶液が更に、乳酸エチルと、エタノールと、水とを含んでいる、請求項31記載の殺虫剤組成物。
【請求項33】
アセトアミプリドの殺虫として有効な量とピリプロキシフェンの昆虫の成長を調節する量とを含む殺虫剤組成物。
【請求項34】
第四級アンモニウム塩を含む溶液を更に含む、請求項33記載の殺虫剤組成物。
【請求項35】
第四級アンモニウム塩成分が、塩化オレイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム又は塩化タローアルキルトリメチルアンモニウムを含んでいる、請求項34記載の殺虫剤組成物。
【請求項36】
その溶液が更に、乳酸エチルと、エタノールと、水とを含んでいる、請求項35記載の殺虫剤組成物。

【公表番号】特表2007−510719(P2007−510719A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539463(P2006−539463)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/025007
【国際公開番号】WO2005/046325
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(398011147)ザ・ハーツ・マウンテン・コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】