説明

昇圧システム、診断方法、及び診断プログラム

【課題】CPUによる比較動作を行うことなく、かつ、電力・電流の消費を抑えて適切に昇圧手段の昇圧機能を診断することができる、昇圧システム、診断方法、及び診断プログラムを提供する。
【解決手段】イニシャライズ動作により、比較回路14のコンデンサC1に電源電圧VCCと、自己閾値電圧Vxとの差(電源電圧VCC−自己閾値電圧Vx)が充電された状態にし、かつコンデンサC2に定電圧Vrefの電圧と、自己閾値電圧Vxとの差(定電圧Vref−自己閾値電圧Vx)が充電された状態にする。比較動作では、昇圧電圧VCCUPが入力されるように昇圧部12とコンデンサC1とを接続し、GND電圧VSSが入力されるようにGNDとコンデンサC2とを接続し、出力OUT=Lレベルならば、昇圧回路20に故障が無いと診断し、出力OUT=Hレベルならば、故障が有ると診断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇圧システム、診断方法、及び診断プログラム、特に昇圧手段の自己診断を行う昇圧システム、診断方法、及び診断プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電池セル等の電源の電源電圧を昇圧した昇圧電圧を生成する昇圧回路が知られており、当該昇圧回路の故障を診断する装置や方法がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、可逆回転型モータ駆動回路のハイサイド側のスイッチング素子の駆動電源を発生させる昇圧回路に適用される故障診断方法および装置が記載されている。特許文献1では、昇圧電圧VSと電源電位VVBの2倍の電圧とをCPUにより比較することにより、昇圧回路の故障診断を行っている。
【0004】
一方、比較回路(コンパレータ)として、特許文献2に記載のコンデンサを並列に接続したチョッパ型コンパレータが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−125586号公報
【特許文献2】特開2010−97549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、昇圧電圧VSと電源電位VVBの2倍の電圧とをCPUにおいて比較するために、CPUが故障診断のために占有されてしまい、他の処理の遅延につながるという問段がある。
【0007】
また、昇圧電圧VSがAD変換されてCPUに入力される際、一定の電圧値にGNDに接続されて分割抵抗を用いて分圧する必要があるため、分圧の際にGNDに接続された電源線から電力を消費してしまうという問題が起きる。また、分割抵抗の抵抗素子に検出電流を流す必要があるが、当該抵抗素子は、昇圧回路から出力された昇圧出力電流が故障診断のために消費してしまうのを抑えるために、なるべく抵抗値を大きくする必要があるが、得られる抵抗値には、限界があり、故障診断のために消費してしまう昇圧出力電流を、抵抗値で制限される電流以下にできないという問題が起きる。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するために提案されたものであり、CPUによる比較動作を行うことなく、かつ、電力・電流の消費を抑えて適切に昇圧手段の昇圧機能を診断することができる、昇圧システム、診断方法、及び診断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の昇圧システムは、第1電圧を定電圧回路から出力される第2電圧に応じて昇圧した昇圧電圧を生成する昇圧手段と、前記昇圧電圧と前記第1電圧との差分値と、前記第2電圧と接地電位との差分値と、を比較して比較結果を出力する、または前記昇圧電圧と前記第2電圧との差分値と、前記第1電圧と接地電位との差分値と、を比較して比較結果を出力する比較回路と、を備える。
【0010】
請求項2に記載の昇圧システムは、請求項1に記載の昇圧システムにおいて、前記比較回路は、シングル反転増幅器と、前記シングル反転増幅器の入力に並列に接続された第1コンデンサ及び第2コンデンサと、前記第1電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第1スイッチング素子と、前記昇圧電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第2スイッチング素子と、前記第2電圧が入力されるように前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第3スイッチング素子と、前記接地電位が入力されるように前記第2コンデンサを接地するための第4スイッチング素子と、前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させる第5スイッチング素子と、を備えた。
【0011】
請求項8に記載の診断方法は、請求項2に記載の昇圧システムにおいて、前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する工程と、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、を備える。
【0012】
請求項12に記載の診断プログラムは、請求項2に記載の昇圧システムの前記昇圧手段を自己診断する処理をコンピュータに実行させるための診断プログラムであって、前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続するステップと、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、を備えた処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、CPUによる比較動作を行うことなく、かつ、電力・電流の消費を抑えて適切に昇圧手段の昇圧機能を診断することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に係る昇圧システムの概略構成の一例を示す概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る昇圧システムの概略構成の一例を示す回路図である。
【図3】第1の実施の形態に係る昇圧動作における昇圧システムの状態を示した回路図である。
【図4】第1の実施の形態に係る昇圧動作における昇圧システムの状態を示した回路図である。
【図5】第1の実施の形態に係る昇圧回路故障診断動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る昇圧回路故障診断動作のイニシャライズ動作における昇圧システムの状態を示した回路図である。
【図7】第1の実施の形態に係る昇圧回路故障診断動作の比較動作における昇圧システムの状態を示した回路図である。
【図8】第2の実施の形態に係る昇圧システムの概略構成の一例を示す概略構成図である。
【図9】第2の実施の形態に係る昇圧システムの概略構成の一例を示す回路図である。
【図10】第2の実施の形態に係る昇圧回路故障診断動作及びコンパレータ診断動作全体の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係る昇圧回路故障診断動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る昇圧回路故障診断動作のイニシャライズ動作における昇圧システムの状態を示した回路図である。
【図13】第2の実施の形態に係る昇圧回路故障診断動作の比較動作における昇圧システムの状態を示した回路図である。
【図14】第2の実施の形態に係るコンパレータ診断動作1の流れの一例を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態に係るコンパレータ診断動作1のイニシャライズにおける昇圧システムの状態を示した回路図である。
【図16】第2の実施の形態に係るコンパレータ診断動作1の比較動作1における昇圧システムの状態を示した回路図である。
【図17】第2の実施の形態に係るコンパレータ診断動作2の流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態に係るコンパレータ診断動作1の比較動作2における昇圧システムの状態を示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施の形態]
【0016】
まず、以下、図面を参照して本発明の基本構成となる、第1の実施の形態の昇圧システムについて詳細に説明する。
【0017】
まず、本実施の形態の昇圧システムの構成について説明する。本実施の形態の昇圧システムの概略構成の一例の概略構成図を図1に示す。図1に示した本実施の形態の昇圧システム10は、昇圧部12、比較回路14、検出回路16、及び記憶部18を備えて構成されており、昇圧部12の昇圧回路20の故障を自己診断する機能を備えている。
【0018】
昇圧部12は、昇圧回路20、電源22、及び定電圧回路24を備えて構成されている。昇圧回路20は、電源22の電源電圧VCCを定電圧回路24で生成された定電圧Vrefに応じて昇圧した昇圧電圧VCCUPを生成し、出力する機能を有するものである(詳細後述)。
【0019】
比較回路14は、入力された電圧値を比較し、比較結果である出力OUT(Hレベル、Lレベルを示す論理値)を出力する機能を有するものであり、本実施の形態では、具体的一例としてチョッパ型コンパレータ14で構成されている(詳細後述)。
【0020】
検出回路16は、比較回路14から出力される出力OUTに基づいて昇圧回路20の故障を検出(診断)するための機能を有する論理回路である。検出回路16は、外部から故障診断を実行するよう指示を受けると、比較回路14に備えられた各スイッチング素子(詳細後述)のオン、オフを制御する制御信号を出力する。
【0021】
記憶部18は、比較回路14から出力された出力OUT(Hレベル、Lレベルを示す論理値)を記憶する機能を有するものであり、具体的一例としては、レジスタ等が挙げられる。本実施の形態では、記憶部18に記憶(格納)される論理値に基づいて、昇圧回路20の故障診断を行う。
【0022】
図2に本実施の形態の昇圧システム10の概略構成の一例の回路図を示す。なお、図2では、検出回路16及び記憶部18の記載を省略している。
【0023】
図2に示すように、本実施の形態の昇圧部12は、昇圧回路20、電源電圧VCCの電源22、定電圧回路24、及びコンデンサCoutを備えて構成されている。
【0024】
本実施の形態の定電圧回路24は、電源電圧VCCを用いて、定電圧Vrefを生成する機能を有している。また、昇圧回路20は、コンデンサCC1、及びスイッチング素子SWUP1−A、SWUP2−A、SWUP1−B、SWUP2−Bを備えて構成されている。
【0025】
まず、本実施の形態の昇圧部12における昇圧回路20による昇圧動作について説明する。図3及び図4は、本実施の形態の昇圧部12(昇圧回路20)の昇圧動作における昇圧システム10の状態を示した回路図である。
【0026】
まず、図3に示すように、スイッチング素子SWUP1−A、SWUP2−Aをオンに、スイッチング素子SWUP1−B、SWUP2−Bをオフにする。これにより、コンデンサCoutには、電源22より電源電圧VCCが充電された状態になると共に、コンデンサCC1には、定電圧回路24より定電圧Vrefが充電された状態になる。
【0027】
次に、図4に示すように、スイッチング素子SWUP1−A、SWUP2−Aをオフ状態に、スイッチング素子SWUP1−B、SWUP2−Bをオン状態にする。これにより、コンデンサCoutとコンデンサCC1とが並列に接続された状態になり、電源電圧VCCに定電圧Vrefが加えられた昇圧電圧VCCUPが生成され、昇圧部12から出力される。
【0028】
本実施の形態の昇圧部12(昇圧回路20)では、これらの動作を繰り返すことにより、電源電圧VCCが定電圧Vrefにより昇圧電圧VCCUPに昇圧されて出力される。
【0029】
次に、本実施の形態の昇圧システム10における昇圧部12(昇圧回路20)の故障診断について説明する。
【0030】
本実施の形態の昇圧システム10では、比較回路14は、チョッパ型コンパレータとして構成されている。比較回路14は、スイッチング素子SWC1−A、SWC2−A、SWC1−B、SWC2−B、コンデンサC1、C2、スイッチング素子SWC3、自己閾値電圧Vxのシングル反転増幅器NAMP、及びラッチ回路(Latch)30を備えて構成されている。
【0031】
スイッチング素子SWC1−Aは、電源電圧VCCが入力されるように昇圧部12をコンデンサC1に接続し、スイッチング素子SWC2−Aは、定電圧Vrefが入力されるように昇圧部12をコンデンサC1に接続する。また、スイッチング素子SWC1−Bは、昇圧電圧VCCUPが入力されるように昇圧部12をコンデンサC2に接続し、スイッチング素子SWC2−Bは、GND(本実施の形態では、GND電位=電圧VSSとしている)をコンデンサC2に接続する。
【0032】
ラッチ回路30は、シングル反転増幅器NAMPの出力電圧から論理値(Hレベル及びLレベル)を確定して出力する機能を有するものである。
【0033】
本実施の形態の昇圧システム10における昇圧部12(昇圧回路20)の故障診断動作について説明する。本実施の形態の昇圧回路の故障診断動作は、イニシャライズ動作と、比較動作(本実施の形態では、診断動作を含む)にわけられる。本実施の形態の昇圧回路20の故障診断動作全体の流れの一例のフローチャートを図5に示す。また、図6には、イニシャライズ動作における昇圧システム10の状態を示した回路図を、図7には、比較動作における昇圧システム10の状態を示した回路図を示す。
【0034】
ステップ100では、比較回路14のスイッチング素子SWC3をオンにする。これにより、比較回路14のシングル反転増幅器NAMPの入力信号線Lxの電圧はシングル反転増幅器NAMPの自己閾値電圧Vxになる。
【0035】
次のステップ102では、比較回路14のスイッチング素子SWC1−A、SWC2−Aをオンにする(図6参照)。これにより、コンデンサC1には、電源電圧VCCと、自己閾値電圧Vxとの差(電源電圧VCC−自己閾値電圧Vx)が充電された状態になる。また、コンデンサC2には、定電圧Vrefと、自己閾値電圧Vxとの差(定電圧Vref−自己閾値電圧Vx)が充電された状態になる。このときのコンデンサC1、C2の電荷Q1、Q2は、コンデンサC1、C2の静電容量をそれぞれ、静電容量C1、C2とすると、以下の(1)式、及び(2)式で表される。
【0036】
Q1=C1×(VCC−Vx) ・・・(1)
【0037】
Q2=C2×(Vref−Vx) ・・・(2)
【0038】
なお、当該ステップ100及び102が本実施の形態のイニシャライズ動作に該当する。
【0039】
イニシャライズ動作が終了すると次のステップ104では、比較回路14のスイッチング素子SWC3をオフにする(図7参照)。これにより、シングル反転増幅器NAMPの入力Lxの電圧はHiインピーダンス状態になり、上述のイニシャライズ動作で充電されたコンデンサC1、C2の電荷Q1、Q2が保存された状態になる。
【0040】
次のステップ106では、比較回路14のスイッチング素子SWC1−A、SWC2−Aをオフにすると共に、スイッチング素子SWC1−B、SWC2−Bをオンにする(図7参照)。このときの入力信号線Lxの電圧を電圧Vx’とし、コンデンサC1、C2の電荷を電荷Q1’、Q2’とすると、電荷Q1’、Q2’は、以下の(3)式、(4)式で表される。
【0041】
Q1’=C1×(VCCUP−Vx’) ・・・(3)
【0042】
Q2’=C2×(VSS−Vx) ・・・(4)
【0043】
ここで、イニシャライズ動作時と、比較動作時で、コンデンサC1、C2の静電容量C1、C2は、変化していないため、以下の(5)式で表される関係が成り立つ。
【0044】
Q1+Q2=Q1’+Q2’ ・・・(5)
【0045】
従って、上記(1)〜(5)式より、
【0046】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((VCCUP−VCC)−C2/C1×(Vref−VSS)) ・・・(6)
【0047】
となる。
【0048】
ここで、シングル反転増幅器NAMPの出力電圧をVnampout、利得をGnampとすると、以下の(7)式となる。
【0049】
Vnampout=−Gnamp×(Vx’−Vx) ・・・(7)
【0050】
利得Gnampが充分に高い場合、シングル反転増幅器NAMPの出力論理は、電圧Vx’−自己閾値電圧Vxの正負で決定する。電圧Vx’−自己閾値電圧Vxの正負は、上記(6)式より、(VCCUP−VCC)−C2/C1×(Vref−VSS)で決定する。
【0051】
ここで、昇圧回路20が正常に機能していれば、昇圧電圧VCCUP=電源電圧VCC+定電圧Vrefであるため、VCCUP−VCC=Vref−VSSである。従って、静電容量C1>静電容量C2の関係となるように、コンデンサC1、C2の容量比を予め設定しておけば、以下の(8)式が成り立つ。
【0052】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((VCCUP−VCC)−C2/C1×(Vref−VSS))>0 ・・・(8)
【0053】
これにより、比較回路14の出力OUT=Lレベルになる。
【0054】
一方、この場合において、昇圧回路20が正常に機能していなければ、VCCUP−VCC<Vref−VSSとなり、
【0055】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((VCCUP−VCC)−C2/C1×(Vref−VSS))<0 ・・・(9)
【0056】
となるため、比較回路14の出力OUT=Hレベルになる。
【0057】
次のステップ108では、比較回路14より出力された出力OUTを検出し、次のステップ110では、出力OUTがHレベルか、Lレベルかを判断する。Lレベルの場合は、ステップ112へ進み、上述の通り、昇圧回路20の故障が無い(正常に動作している)と診断した後、本動作を終了する。一方、Hレベルの場合は、ステップ114へ進み、上述の通り、昇圧回路20の故障が有る(正常に動作していない)と診断する。故障が有る場合は、ステップ116へ進み、昇圧回路20の動作を停止させる等、所定の措置を行った後、本処理を終了する。
【0058】
本実施の形態では、出力OUTの結果が、表1のようになる。
【0059】
【表1】

以上説明したように、本実施の形態の昇圧システム10では、イニシャライズ動作により、比較回路14のコンデンサC1に電源電圧VCCと、自己閾値電圧Vxとの差(電源電圧VCC−自己閾値電圧Vx)が充電された状態にし、かつコンデンサC2に定電圧Vrefの電圧と、自己閾値電圧Vxとの差(定電圧Vref−自己閾値電圧Vx)が充電された状態にする。比較動作では、昇圧電圧VCCUPが入力されるように昇圧部12とコンデンサC1とを接続し、GND電圧VSSが入力されるようにGNDとコンデンサC2とを接続し、出力OUT=Lレベルならば、昇圧回路20に故障が無いと診断し、出力OUT=Hレベルならば、故障が有ると診断する。
【0060】
このように本実施の形態では、比較回路14により、昇圧電圧VCCUPと電源電圧VCCとの差分値と、定電圧VrefとGND電圧VSSとの差分値とを比較することにより、昇圧回路20で生成された昇圧電圧VCCUPが適切な値であるか(昇圧されているかいないか)を診断することができ、従来のようにCPUを用いずともハード(回路)的に診断を行うことができる。従って、CPUを昇圧回路20の故障診断に占有されることがなく、他の処理に用いることがきる、という効果が得られる。
【0061】
また、昇圧回路20の故障の診断のために昇圧回路20の出力より消費する電流は、イニシャライズ動作の際に比較回路14のコンデンサC1、C2への充電電流であるが、コンデンサC1、C2の比精度が比悪動作に影響を及ぼさないまで可能な限り、小さくすることが出来るため、故障診断のために昇圧回路20の出力電流を消費してしまうのを抑制することができる、という効果が得られる。
【0062】
[第2の実施の形態]
【0063】
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態の昇圧システムについて詳細に説明する。
【0064】
図8に、本実施の形態の昇圧システム40の概略構成の一例の概略構成図を示す。なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と略同様の構成、及び動作については、その旨を記載し、詳細な説明を省略する。
【0065】
本実施の形態の昇圧システム40は、第1の実施の形態と同様に、昇圧部12(昇圧回路20)の故障診断を行う機能に加えて、比較回路14の比較機能の診断を行う機能を備えている。そのため、比較回路14の比較機能の診断を行うために、本実施の形態の昇圧システム40は、コンパレータ基準電圧スイッチ42及び入力切替スイッチ44を備えて構成されている。昇圧部12、比較回路14、検出回路16、及び記憶部18については、第1の実施の形態と略同様の構成及び動作であるため、詳細な説明を省略する。
【0066】
図9に本実施の形態の昇圧システム40の概略構成の一例の回路図を示す。なお、図9では、検出回路16及び記憶部18の記載を省略している。
【0067】
図9に示すように、本実施の形態の昇圧システム40は、比較回路14の比較機能の診断に用いられるコンパレータ基準電圧スイッチ42及び入力切替スイッチ44を備えている。入力切替スイッチ44は、比較回路14のコンデンサC1への入力を切り替える機能を有するものであり、入力元を切り替えるためのスイッチング素子SW4−A、SW4−B、SW4−C、SW4−Dを備えて構成されている。
【0068】
また、コンパレータ基準電圧スイッチ42は、比較回路14の故障診断に用いられる基準電圧を、基準電圧Vref1と基準電圧Vref2(基準電圧Vref1>基準電圧Vref2)とで切り替える機能を有するものであり、昇圧部12の定電圧回路28で生成された定電圧Vrefを、抵抗分割して基準電圧Vref1、Vref2を生成するための、互いに直列に接続された抵抗素子Rref1、Rref2、Rref3、及び基準電圧を切り替えるためのスイッチング素子SW5−H、SW5−Lを備えて構成されている。抵抗素子Rref1の一端は、定電圧回路24に接続されている。また、抵抗素子Rref3の一端は、GND電位(=電圧VSS)に接地されている。また、スイッチング素子SW5−Hがオン、スイッチング素子SW5−Lがオフすることにより、生成された基準電圧Vref1がコンパレータ基準電圧スイッチ42から出力され、スイッチング素子SW5−Lがオン、スイッチング素子SW5−Hがオフすることにより、生成された基準電圧Vref2がコンパレータ基準電圧スイッチ42か出力される。
【0069】
本実施の形態の昇圧システム10における、昇圧部12(昇圧回路20)の故障診断動作及び比較回路14の比較機能の診断動作について説明する。なお、本実施の形態では、一例として、昇圧部12(昇圧回路20)の故障診断動作に続いて比較回路14の比較機能の診断動作を行う場合について説明する。本実施の形態における当該動作全体の流れの一例のフローチャートを図10に示す。なお、ここでは、全体の流れを示し、各動作の詳細については後述する。
【0070】
ステップ200では、昇圧回路20の故障診断動作におけるイニシャライズ動作を行い、次のステップ202では、昇圧回路20の故障診断動作における比較動作を行う。これにより、昇圧回路20の故障が診断される。
【0071】
次のステップ204では、比較回路14の比較機能の診断動作(コンパレータ診断1)におけるイニシャライズ動作を行い、次のステップ206では、比較回路14の比較機能の診断動作(コンパレータ診断1)における比較動作(比較動作1)を行う。引き続き次のステップ208では、比較回路14の比較機能の診断動作(コンパレータ診断2)におけるイニシャライズ動作を行い、次のステップ210では、比較回路14の比較機能の診断動作(コンパレータ診断2)における比較動作(比較動作2)を行った後、本処理を終了する。これにより、比較回路14が診断される。
【0072】
次に、上述(図10)の各動作について詳細に説明する。
【0073】
まず、本実施の形態の昇圧システム40における昇圧部12(昇圧回路20)の故障診断動作(図10のステップ200、202)について説明する。本実施の形態の昇圧回路の故障診断動作は、第1の実施の形態と略同様の動作であり、イニシャライズ動作と、比較動作(本実施の形態では、診断動作を含む)にわけられる。本実施の形態の昇圧回路の故障診断動作全体の流れの一例のフローチャートを図11に示す。また、図12には、イニシャライズ動作における昇圧システム40の状態を示した回路図を、図13には、比較動作における昇圧システム40の状態を示した回路図を示す。
【0074】
ステップ300では、入力切替スイッチ44のスイッチング素子SW4−Aをオンにする(図12参照)。これにより、比較回路14のコンデンサC1に電源電圧VCCが入力されるようになる。
【0075】
イニシャライズ動作に該当する、次のステップ302は、第1の実施の形態(図5参照)のステップ100に、ステップ304は、ステップ102に、それぞれ対応している。これらのステップにより、コンデンサC1には、電源電圧VCCと、自己閾値電圧Vxとの差(電源電圧VCC−自己閾値電圧Vx)が充電された状態になる。また、コンデンサC2には、定電圧Vrefと、自己閾値電圧Vxとの差(定電圧Vref−自己閾値電圧Vx)が充電された状態になる。
【0076】
イニシャライズ動作が終了すると次のステップ306では、入力切替スイッチ44のスイッチング素子SW4−Aをオフにすると共に、スイッチング素子SW4−Bをオンにする(図13参照)。これにより、比較回路14のコンデンサC1に昇圧電圧VCCUPが入力されるようになる。
【0077】
次のステップ308は、第1の実施の形態(図5参照)のステップ104に、ステップ310は、ステップ106に、それぞれ対応している。これらのステップにより、このときの入力信号線Lxの電圧を電圧Vx’とすると第1の実施の形態と同様に、以下の(10)式が成り立つ。
【0078】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((VCCUP−VCC)−C2/C1×(Vref−VSS)) ・・・(10)
【0079】
ここで、シングル反転増幅器NAMPの出力電圧をVnampout、利得をGnampとすると、以下の(11)式となる。
【0080】
Vnampout=−Gnamp×(Vx’−Vx) ・・・(11)
【0081】
利得Gnampが充分に高い場合、シングル反転増幅器NAMPの出力論理は、電圧Vx’−自己閾値電圧Vxの正負で決定する。電圧Vx’−自己閾値電圧Vxの正負は、上記(10)式より、(VCCUP−VCC)−C2/C1×(Vref−VSS)で決定する。
【0082】
ここで、昇圧回路20が正常に機能していれば、昇圧電圧VCCUP=電源電圧VCC+定電圧Vrefであるため、VCCUP−VCC=Vref−VSSである。従って、静電容量C1>静電容量C2の関係となるように、コンデンサC1、C2の容量比を予め設定しておけば、以下の(12)式が成り立つ。
【0083】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((VCCUP−VCC)−C2/C1×(Vref−VSS))>0 ・・・(12)
【0084】
これにより、比較回路14の出力OUT=Lレベルになる。一方、この場合において、昇圧回路20が正常に機能していなければ、比較回路14の出力OUT=Hレベルになる。
【0085】
次のステップ312は、第1の実施の形態のステップ108(図5)に、ステップ314は、ステップ110に、それぞれ対応しており、比較回路14の出力OUTが、Lレベルの場合は、ステップ316へ進み、上述の通り、昇圧回路20の故障が無い(正常に動作している)と診断した後、本動作を終了する。一方、Hレベルの場合は、ステップ318へ進み、上述の通り、昇圧回路20の故障が有ると診断し、次のステップ320で、昇圧回路20の動作を停止させる等、所定の措置を行った後、昇圧回路20の故障診断処理を終了する。
【0086】
次に、本実施の形態の昇圧システム40における比較回路14の比較機能の診断動作のうち、コンパレータ診断1(図10のステップ204、206)について説明する。本実施の形態の比較回路14の比較機能の診断動作であるコンパレータ診断1は、昇圧回路20の故障診断動作と略同様の動作であり、イニシャライズ動作と、比較動作1(本実施の形態では、診断動作を含む)にわけられる。本実施の形態の比較回路14の比較機能の診断動作であるコンパレータ診断1の動作全体の流れの一例のフローチャートを図14に示す。また、図15には、イニシャライズ動作における昇圧システム40の状態を示した回路図を、図16には、比較動作1における昇圧システム40の状態を示した回路図を示す。
【0087】
ステップ400では、入力切替スイッチ44のスイッチング素子SW4−Cをオンにする(図15参照)。これにより、比較回路14のコンデンサC1にGND電圧VSSが入力されるようになる。
【0088】
イニシャライズ動作に該当する、次のステップ402は、昇圧回路20の故障診断動作(図11参照)のステップ302に、ステップ404は、ステップ304に、それぞれ対応している。これらのステップにより、コンデンサC1には、GND電圧VSSと、自己閾値電圧Vxとの差(GND電圧VSS−自己閾値電圧Vx)が充電された状態になる。また、コンデンサC2には、定電圧Vrefと、自己閾値電圧Vxとの差(定電圧Vref−自己閾値電圧Vx)が充電された状態になる。
【0089】
イニシャライズ動作が終了すると次のステップ406では、入力切替スイッチ44のスイッチング素子SW4−Cをオフにすると共に、スイッチング素子SW4−Dをオンにする(図16参照)。これにより、比較回路14のコンデンサC1とコンパレータ基準電圧スイッチ42とが接続される。
【0090】
次のステップ408では、コンパレータ基準電圧スイッチ42のスイッチング素子SW5−Hをオンにする。なお、この際、スイッチング素子SW5−Lがオンになっている場合は、これをオフにする。これにより、コンパレータ基準電圧スイッチ42で定電圧Vrefを抵抗分割により生成した基準電圧Vref1が、比較回路14に出力される。なお、基準電圧Vref1は、抵抗素子Rref1、Rref2、Rref3の抵抗値をそれぞれ、抵抗Rref1、Rref2、Rref3とすると、以下の(13)式で表される。
【0091】
Vref1=(Rref2+Rref3)/(Rref1+Rref2+Rref3)×Vref ・・・(13)
【0092】
次のステップ410は、昇圧回路20の故障診断動作(図11参照)のステップ308に、ステップ412は、ステップ310に、それぞれ対応している。これらのステップにより、このときの入力信号線Lxの電圧を電圧Vx’とすると、第1の実施の形態と同様に、以下の(14)式が成り立つ。
【0093】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((Vref1−VSS)−C2/C1×(Vref−VSS)) ・・・(14)
【0094】
ここで、シングル反転増幅器NAMPの出力電圧をVnampout、利得をGnampとすると、以下の(15)式となる。
【0095】
Vnampout=−Gnamp×(Vx’−Vx) ・・・(15)
【0096】
利得Gnampが充分に高い場合、シングル反転増幅器NAMPの出力論理は、電圧Vx’−自己閾値電圧Vxの正負で決定する。電圧Vx’−自己閾値電圧Vxの正負は、上記(14)式より、(Vref1−VSS)−C2/C1×(Vref−VSS)で決定する。
【0097】
ここで、上述の(13)式より、
【0098】
Vref1=(Rref2+Rref3)/(Rref1+Rref2+Rref3)×Vref>C2/C1 ・・・(16)
【0099】
の関係が成り立つように、コンパレータ基準電圧スイッチ42の抵抗素子Rref1、Rref2、Rref3の抵抗比(抵抗値)を予め設定しておけば、以下の(17)式が成り立つ。
【0100】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((Vref1−VSS)−C2/C1×(Vref−VSS))>0 ・・・(17)
【0101】
これにより、比較回路14の出力OUT=Lレベルになる。一方、この場合において、比較回路14が正常に機能していない、もしくは、コンデンサC1、C2の容量比(C2/C1)が(16)式を満たしていなければ、
【0102】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((Vref1−VSS)−C2/C1×(Vref−VSS))<0 ・・・(18)
【0103】
となり、比較回路14の出力OUT=Hレベルになる。
【0104】
次のステップ414は、昇圧回路20の故障診断動作(図11参照)のステップ312に、ステップ416は、ステップ314に、それぞれ対応しており、比較回路14の出力OUTが、Lレベルの場合は、ステップ418へ進み、上述の通り、比較回路14が正常に動作しており、コンデンサC1、C2の容量比が(16)式を満たしていると診断した後、本動作を終了する。一方、Hレベルの場合は、ステップ420へ進み、上述の通り、比較回路14が正常に動作していない(異常)、もしくは、コンデンサC1、C2の容量比が(16)式を満たしていないと診断し、次のステップ422で、比較回路14の動作を停止させる等、所定の措置を行った後、比較回路14の比較機能の診断動作であるコンパレータ診断1を終了する。
【0105】
次に、本実施の形態の昇圧システム40における比較回路14の比較機能の診断動作のうち、コンパレータ診断2(図10のステップ208、210)について説明する。本実施の形態の比較回路14の比較機能の診断動作であるコンパレータ診断2は、コンパレータ診断1の動作と略同様の動作であり、イニシャライズ動作と、比較動作2(本実施の形態では、診断動作を含む)にわけられる。本実施の形態の比較回路14の比較機能の診断動作であるコンパレータ診断2の動作全体の流れの一例のフローチャートを図17に示す。また、図18には、比較動作2における昇圧システム40の状態を示した回路図を示す。なお、イニシャライズ動作における昇圧システム40の状態は、コンパレータ診断1と同様であるため記載を省略する(図15参照)。
【0106】
コンパレータ診断2におけるイニシャライズ動作は、コンパレータ診断1のイニシャライズ動作と同様であり、ステップ500〜ステップ504は、コンパレータ診断1(図14参照)のステップ400〜ステップ404にそれぞれ対応している。これらのステップにより、コンデンサC1には、GND電圧VSSと、自己閾値電圧Vxとの差(GND電圧VSS−自己閾値電圧Vx)が充電された状態になる。また、コンデンサC2には、定電圧Vrefと、自己閾値電圧Vxとの差(定電圧Vref−自己閾値電圧Vx)が充電された状態になる。
【0107】
イニシャライズ動作が終了すると次のステップ506では、入力切替スイッチ44のスイッチング素子SW4−Cをオフにすると共に、スイッチング素子SW4−Dをオンにする(図18参照)。これにより、比較回路14のコンデンサC1とコンパレータ基準電圧スイッチ42とが接続される。
【0108】
次のステップ508では、コンパレータ基準電圧スイッチ42のスイッチング素子SW5−Lをオンにする。なお、この際、スイッチング素子SW5−Hがオンになっている場合は、これをオフにする。これにより、コンパレータ基準電圧スイッチ42で定電圧Vrefを抵抗分割した基準電圧Vref2が、比較回路14に出力される。なお、基準電圧Vref2は、以下の(19)式で表される。
【0109】
Vref2=Rref3/(Rref1+Rref2+Rref3)×Vref ・・・(19)
【0110】
次のステップ510は、コンパレータ診断1(図14参照)のステップ410に、ステップ512は、ステップ412に、それぞれ対応している。これらのステップにより、このときの入力信号線Lxの電圧を電圧Vx’とするとコンパレータ診断1と同様に、以下の(20)式が成り立つ。
【0111】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((Vref2−VSS)−C2/C1×(Vref−VSS)) ・・・(20)
【0112】
上述のように、利得Gnampが充分に高い場合、シングル反転増幅器NAMPの出力論理は、電圧Vx’−自己閾値電圧Vxの正負で決定する。電圧Vx’−自己閾値電圧Vxの正負は、上記(20)式より、(Vref2−VSS)−C2/C1×(Vref−VSS)で決定する。
【0113】
ここで、上述の(19)式より、
【0114】
Vref2=Rref3/(Rref1+Rref2+Rref3)×Vref<C2/C1 ・・・(21)
【0115】
の関係が成り立つように、コンパレータ基準電圧スイッチ42の抵抗素子Rref1、Rref2、Rref3の抵抗比(抵抗値)を予め設定しておけば、以下の(22)式が成り立つ。
【0116】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((Vref2−VSS)−C2/C1×(Vref−VSS))<0 ・・・(22)
【0117】
これにより、比較回路14の出力OUT=Hレベルになる。一方、この場合において、比較回路14が正常に機能していない、もしくは、コンデンサC1、C2の容量比(C2/C1)が(21)式を満たしていなければ、
【0118】
Vx’−Vx=C1/(C1+C2)×((Vref2−VSS)−C2/C1×(Vref−VSS))>0 ・・・(23)
【0119】
となり、比較回路14の出力OUT=Lレベルになる。
【0120】
次のステップ514は、コンパレータ診断1(図14参照)のステップ412に、ステップ516は、ステップ416に、それぞれ対応している。なお、コンパレータ診断2では、比較回路14の出力OUTが、Hレベルの場合は、ステップ518へ進み、上述の通り、比較回路14が正常に動作しており、コンデンサC1、C2の容量比が(21)式を満たしていると診断した後、本動作を終了する。一方、Lレベルの場合は、ステップ520へ進み、上述の通り、比較回路14が正常に動作していない(異常)、もしくは、コンデンサC1、C2の容量比が(21)式を満たしていないと診断し、次のステップ522で、比較回路14の動作を停止させる等、所定の措置を行った後、比較回路14の比較機能の診断動作であるコンパレータ診断2を終了する。
【0121】
本実施の形態では、比較回路14の出力OUTの結果が、表2のようになる。
【0122】
【表2】

以上説明したように、本実施の形態の昇圧システム40では、昇圧回路20の故障診断を行う場合は、イニシャライズ動作により、比較回路14のコンデンサC1に電源電圧VCCと、自己閾値電圧Vxとの差(電源電圧VCC−自己閾値電圧Vx)が充電された状態にし、かつコンデンサC2に定電圧Vrefの電圧と、自己閾値電圧Vxとの差(定電圧Vref−自己閾値電圧Vx)が充電された状態にする。比較動作では、昇圧電圧VCCUPが入力されるように昇圧部12とコンデンサC1とを接続し、GND電圧VSSが入力されるようにGNDとコンデンサC2とを接続し、出力OUT=Lレベルならば、昇圧回路20に故障が無いと診断し、出力OUT=Hレベルならば、故障が有ると診断する。
【0123】
また、比較回路14の比較機能の診断を行う場合は、イニシャライズ動作により、比較回路14のコンデンサC1にGND電圧VSSと、自己閾値電圧Vxとの差(GND電圧VSS−自己閾値電圧Vx)が充電された状態にし、かつコンデンサC2に定電圧Vrefの電圧と、自己閾値電圧Vxとの差(定電圧Vref−自己閾値電圧Vx)が充電された状態にする。コンパレータ診断1では、比較動作1において、基準電圧Vref1が入力されるようにコンパレータ基準電圧スイッチ42とコンデンサC1とを接続し、GND電圧VSSが入力されるようにGNDとコンデンサC2とを接続し、出力OUT=Lレベルならば、比較回路14の比較機能が正常であると診断し、出力OUT=Hレベルならば、正常ではない、もしくは、コンデンサC1、C2が予め定められた容量比を満たしていない、と診断する。一方、コンパレータ診断2では、比較動作2において、基準電圧Vref2が入力されるようにコンパレータ基準電圧スイッチ42とコンデンサC1とを接続し、GND電圧VSSが入力されるようにGNDとコンデンサC2とを接続し、出力OUT=Hレベルならば、比較回路14の比較機能が正常であると診断し、出力OUT=Lレベルならば、正常ではない、もしくは、コンデンサC1、C2が予め定められた容量比を満たしていない、と診断する。すなわち、本実施の形態の昇圧システム40では、基準電圧Vref1、基準電圧Vref2の大小を論理値(出力OUT)として出力することにより比較回路14の比較機能の診断を行っている。
【0124】
このように本実施の形態の昇圧回路20の故障診断では、比較回路14により、昇圧電圧VCCUPと電源電圧VCCとの差分値と、定電圧VrefとGND電圧VSSとの差分値とを比較することにより、昇圧回路20で生成された昇圧電圧VCCUPが適切な値であるか(昇圧されているかいないか)を診断することができ、従来のようにCPUを用いずともハード(回路)的に診断を行うことができる。従って、CPUを昇圧回路20の故障診断に占有されることがなく、他の処理に用いることがきる、という効果が得られる。
【0125】
また、昇圧回路20の故障の診断のために昇圧回路20の出力より消費する電流は、イニシャライズ動作の際に比較回路14のコンデンサC1、C2への充電電流であるが、コンデンサC1、C2の比精度が比悪動作に影響を及ぼさないまで可能な限り、小さくすることが出来るため、故障診断のために昇圧回路20の出力電流を消費してしまうのを抑制することができる、という効果が得られる。
【0126】
さらに、比較回路14の比較機能の診断を行うことができるため、比較回路14の比較機能が正常に動作していないために昇圧回路20の故障診断が適切に行えなくなることを防止することができる、という効果が得られる。
【0127】
なお、上述の第2の実施の形態では、昇圧回路20の故障診断に引き続き、比較回路14の比較機能の診断を行っているがこれに限らず、別個に行うようにしてもよい。また、比較回路14の比較機能の診断におけるコンパレータ診断1及びコンパレータ診断2の順番も特に限定されるものではない。なお、コンパレータ診断1及びコンパレータ診断2は、いずれか一方を実施して比較回路14の比較機能の診断を行うようにしてもよいが、両方を行うことにより、より適切に比較機能の診断を行うことが出来る。
【0128】
なお、上述の第2の実施の形態では、比較動作(比較動作1、比較動作2)毎に、出力OUTの論理値(Hレベル、Lレベル)に基づいて比較回路14の比較機能の診断を行い、それぞれ異常が有る場合は、所定の措置を実行する場合について説明したがこれに限らず、例えば、出力OUTの論理値を記憶部23に格納しておき、両比較動作を終了した後に、記憶部23に格納されている出力OUTの論理値に基づいて、診断し、所定の措置を実行するようにしてもよい。
【0129】
なお、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、昇圧回路20の故障診断を行う場合の構成及び動作を電源電圧VCCと昇圧電圧VCCUPとの差分値と、定電圧Vrefの電圧とGND電圧VSSとの差分値とを比較回路14で比較する場合について詳細に説明したがこれに限らず例えば、定電圧Vrefと昇圧電圧VCCUPとの差分値と、電源電圧VCCの電圧とGND電圧VSSとの差分値とを比較回路14で比較するようにしてもよい。
【0130】
なお、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では検出回路16及び記憶部18を昇圧システム10内部に備えるように構成したが、これに限らず、外部(別のチップ上)に形成するようにしてもよい。また、検出回路16への診断実行指示を行う機能や記憶部18に格納されている論理値をモニタし故障の有無の診断を行う機能は、昇圧システム10内部に備えるように構成してもよいし、外部(別のチップ上)に形成するようにしてもよい。
【0131】
また、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、定電圧回路24は、電源22に基づいて定電圧Vrefを生成するものとして説明したがこれに限らない。なお、上述のようにすることにより、他の電圧源(電源22以外)から定電圧Vrefを生成する場合に比べて、コストが削減できる、という効果が得られる。また、定電圧回路24は、昇圧回路20の昇圧電圧VCCUPの生成に用いられるためのみに使用されるものではなく、昇圧システムの他の回路等の基準電圧を生成する定電圧回路を併用するようにするとよい。このようにすることにより、システム全体として、定電圧回路を複数備える必要がなくなるため、よりコストを削減することができる。
【符号の説明】
【0132】
10、40 昇圧システム
12 昇圧部
14 比較回路(チョッパ型コンパレータ)
20 昇圧回路
22 電源
24 定電圧回路
42 コンパレータ基準電圧スイッチ
44 入力切替スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電圧を定電圧回路から出力される第2電圧に応じて昇圧した昇圧電圧を生成する昇圧手段と、
前記昇圧電圧と前記第1電圧との差分値と、前記第2電圧と接地電位との差分値と、を比較して比較結果を出力する、または前記昇圧電圧と前記第2電圧との差分値と、前記第1電圧と接地電位との差分値と、を比較して比較結果を出力する比較回路と、
を備えた昇圧システム。
【請求項2】
前記比較回路は、シングル反転増幅器と、前記シングル反転増幅器の入力に並列に接続された第1コンデンサ及び第2コンデンサと、前記第1電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第1スイッチング素子と、前記昇圧電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第2スイッチング素子と、前記第2電圧が入力されるように前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第3スイッチング素子と、前記接地電位が入力されるように前記第2コンデンサを接地するための第4スイッチング素子と、前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させる第5スイッチング素子と、を備えた、請求項1に記載の昇圧システム。
【請求項3】
前記第2電圧に基づいて第1基準電圧及び第2基準電圧のいずれかを生成して出力する基準電圧生成回路と、
前記第1電圧が入力されるように前記第1コンデンサに接続された前記第1スイッチング素子と前記昇圧手段とを接続する第6スイッチング素子と、
前記接地電位が入力されるように前記第1スイッチング素子を接地するための第7スイッチング素子と、
前記昇圧電圧が入力されるように前記第1コンデンサに接続された前記第2スイッチング素子と前記昇圧手段とを接続する第8スイッチング素子と、
前記第1基準電圧または前記第2基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサに接続された前記第2スイッチング素子と前記基準電圧生成回路とを接続する第9スイッチング素子と、
を備えた、請求項2に記載の昇圧システム。
【請求項4】
前記比較回路は、シングル反転増幅器と、前記シングル反転増幅器の入力に並列に接続された第1コンデンサ及び第2コンデンサと、前記第2電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第1スイッチング素子と、前記昇圧電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第2スイッチング素子と、前記第1電圧が入力されるように前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続する第3スイッチング素子と、前記接地電位が入力されるように前記第2コンデンサを接地するための第4スイッチング素子と、前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させる第5スイッチング素子と、を備えた、請求項1に記載の昇圧システム。
【請求項5】
前記第2電圧に基づいて第1基準電圧及び第2基準電圧のいずれかを生成して出力する基準電圧生成回路と、
前記第2電圧が入力されるように前記第1コンデンサに接続された前記第1スイッチング素子と前記昇圧手段とを接続する第6スイッチング素子と、
前記接地電位が入力されるように前記第1スイッチング素子を接地するための第7スイッチング素子と、
前記昇圧電圧が入力されるように前記第1コンデンサに接続された前記第2スイッチング素子と前記昇圧手段とを接続する第8スイッチング素子と、
前記第1基準電圧または前記第2基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサに接続された前記第2スイッチング素子と前記基準電圧生成回路とを接続する第9スイッチング素子と、
を備えた、請求項4に記載の昇圧システム。
【請求項6】
前記定電圧回路は、前記第1電圧に応じて前記第1電圧を生成して出力する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の昇圧システム。
【請求項7】
前記比較結果に基づいて、前記昇圧手段の故障の診断を行う診断手段を備えた、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の昇圧システム。
【請求項8】
請求項2に記載の昇圧システムにおいて、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、
を備えた診断方法。
【請求項9】
請求項4に記載の昇圧システムにおいて、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、
を備えた診断方法。
【請求項10】
請求項3に記載の昇圧システムにおいて、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、
を備えた前記昇圧手段の診断工程と、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子及び前記第7スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地して、前記第1コンデンサに前記接地電位と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子及び前記第9スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサに前記第1基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続すると共に、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子及び前記第9スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサに前記第2基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続すると共に、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、
を備えた前記比較回路の診断工程と、
を備えた診断方法。
【請求項11】
請求項5に記載の昇圧システムにおいて、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続する工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、
を備えた前記昇圧手段の診断工程と、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子及び前記第7スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地して、前記第1コンデンサに前記接地電位と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させる工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子及び前記第9スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサに前記第1基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続すると共に、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子及び前記第9スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサに前記第2基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続すると共に、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地する工程と、
を備えた前記比較回路の診断工程と、
を備えた診断方法。
【請求項12】
請求項2に記載の昇圧システムの前記昇圧手段を自己診断する処理をコンピュータに実行させるための診断プログラムであって、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続するステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、
を備えた処理をコンピュータに実行させるための診断プログラム。
【請求項13】
請求項4に記載の昇圧システムの前記昇圧手段を自己診断する処理をコンピュータに実行させるための診断プログラムであって、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続するステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、
を備えた処理をコンピュータに実行させるための診断プログラム。
【請求項14】
請求項3に記載の昇圧システムの前記昇圧手段及び前記比較回路を自己診断する処理をコンピュータに実行させるための診断プログラムであって、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続するステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、
を備えた前記昇圧手段の診断ステップと、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子及び前記第7スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地して、前記第1コンデンサに前記接地電位と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子及び前記第9スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサに前記第1基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続すると共に、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子及び前記第9スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサに前記第2基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続すると共に、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、
を備えた前記比較回路の診断ステップと、
を備えた処理をコンピュータに実行させるための診断プログラム。
【請求項15】
請求項5に記載の昇圧システムの前記昇圧手段及び前記比較回路を自己診断する処理をコンピュータに実行させるための診断プログラムであって、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第1コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第1電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続するステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、
を備えた前記昇圧手段の診断ステップと、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第1スイッチング素子及び前記第7スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地して、前記第1コンデンサに前記接地電位と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオンにして前記シングル反転増幅器の入力と出力とを短絡させた状態で、前記第3スイッチング素子をオンにして前記第2コンデンサと前記昇圧手段とを接続して、前記第2コンデンサに前記第2電圧と前記シングル反転増幅器の自己閾値電圧との差を充電させるステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子及び前記第9スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサに前記第1基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続すると共に、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、
前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第2スイッチング素子及び前記第9スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサに前記第2基準電圧が入力されるように前記第1コンデンサと前記昇圧手段とを接続すると共に、前記第5スイッチング素子をオフにした状態で、前記第4スイッチング素子をオンにして前記第1コンデンサを接地するステップと、
を備えた前記比較回路の診断ステップと、
を備えた処理をコンピュータに実行させるための診断プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−151941(P2012−151941A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7187(P2011−7187)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】