説明

昇降装置及びスタッカークレーン

【課題】ワイヤの同じ部分が屈曲する回数を抑えて、ワイヤの寿命を長くすることができる昇降装置を提供する。
【解決手段】駆動回転体23に上方に伸びるように巻き掛けられたワイヤ24における駆動回転体23から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々を、複数の上部回転案内体25の夫々にて下方に伸びるように巻き掛け、それら下方に伸びる一対のワイヤ部分の一方側に昇降体を吊下げ支持し且つ他方側にバランスウェイトを吊下げ支持するように構成し、複数の上部回転案内体25の設置高さと同じ又は略同じ高さに、補助回転案内体26を設け、ワイヤ24を、補助回転案内体26の上方側部分に巻き掛けられて下方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々が、駆動回転体23から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々となるように、駆動回転体23の下方側部分に上方に伸びるように巻き掛ける形態で設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動回転体に上方に伸びるように巻き掛けられたワイヤにおける前記駆動回転体から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々が、複数の上部回転案内体の夫々にて下方に伸びるように巻き掛けられ、それら下方に伸びる一対のワイヤ部分の一方側に昇降体を吊下げ支持し且つ他方側にバランスウェイトを吊下げ支持するように構成された昇降装置、及び、その昇降装置を備えるスタッカークレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる昇降装置は、駆動回転体を回転駆動させてワイヤを長手方向に沿って移動操作させることによって昇降体を昇降移動させるものであり、昇降体に支持された物品を昇降移動させるときに使用されるものである。そして、ワイヤにバランスウェイトを吊り下げ支持させることにより、ワイヤと駆動回転体との間の摩擦力によりワイヤを移動操作させる操作力いわゆるトラクション力を低下させるようになっている。
このような昇降装置においては、バランスウェイトにより必要とするトラクション力の低下を図るものであるが、このような場合にも必要とするトラクション力はかなり大きなものであり、従来では、駆動回転体の上方に近接する位置に補助回転案内体が設けられ、ワイヤが、補助回転案内体の上方側部分に巻き掛けられて下方に伸びる一対のワイヤ部分を、駆動回転体から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々となるように、駆動回転体の下方側部分に上方に伸びるように巻き掛ける形態で設けられており、ワイヤを駆動回転体の下方側部分に2重に巻き掛けることにより、トラクション力をさらに高めるようになっていた(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、補助回転案内体は、駆動回転体の上方に近接して位置するように走行台車に支持されている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−219514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の昇降装置では、補助回転案内体が駆動回転体の上方に隣接して位置しているから、例えば、昇降体が昇降移動範囲における下端から上端に上昇移動すると、ワイヤの同じ部分が、駆動回転体にて屈曲させられた後に、補助回転案内体、駆動回転体の順に屈曲されることになる等、昇降体を上昇移動又は下降移動させた際に、ワイヤの同じ部分が駆動回転体と補助回転案内体とで複数回屈曲させられることが生じるため、昇降台の昇降移動に伴うワイヤの同じ部分の屈曲回数が多くなることに起因して、ワイヤの寿命が短くなってしまうものであった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、ワイヤの同じ部分が屈曲する回数を抑えて、ワイヤの寿命を長くすることができる昇降装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明にかかる昇降装置は、駆動回転体に上方に伸びるように巻き掛けられたワイヤにおける前記駆動回転体から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々が、複数の上部回転案内体の夫々にて下方に伸びるように巻き掛けられ、それら下方に伸びる一対のワイヤ部分の一方側に昇降体を吊下げ支持し且つ他方側にバランスウェイトを吊下げ支持するように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記複数の上部回転案内体の設置高さと同じ又は略同じ高さに、補助回転案内体が設けられ、前記ワイヤが、前記補助回転案内体の上方側部分に巻き掛けられて下方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々を、前記駆動回転体から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々となるように、前記駆動回転体の下方側部分に上方に伸びるように巻き掛ける形態で設けられている点にある。
【0007】
すなわち、補助回転案内体が複数の上部回転案内体の設置高さと同じ又は略同じ高さに設けられて、補助回転案内体が駆動回転体の上方に離間して位置しているから、例えば、昇降体が昇降移動範囲における下端から上端に上昇移動したとしても、ワイヤにおける駆動回転体にて屈曲されたのち補助回転案内体に向けて移動するワイヤ部分が補助回転案内体までは移動しないで、駆動回転体のみにて屈曲されるだけで済む等、昇降体を上昇移動又は下降移動させた際に、ワイヤの同じ部分が駆動回転体と補助回転案内体とで複数回屈曲させられることを抑制できるものであるため、昇降台の昇降移動に伴いワイヤの同じ部分が屈曲される回数を少なくすることができるものとなり、ワイヤの寿命を長くすることができ、もって、ワイヤの同じ部分が屈曲する回数を抑えて、ワイヤの寿命を長くすることができる昇降装置を提供することができるに至った。
【0008】
本発明にかかる昇降装置の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記複数の上部回転案内体のうちの一つと前記補助回転案内体とが、単一の回転案内体における軸芯方向の一部を前記上部回転案内体とし、軸芯方向の他部を前記補助回転案内体とする状態で、単一の回転案内体にて形成されている点にある。
【0009】
すなわち、単一の回転案内体における軸芯方向の一部を上部回転案内体とし、軸芯方向の他部を補助回転案内体として、単一の回転案内体が複数の上部回転案内体のうちの一つと補助回転案内体とに兼用されているから、回転案内体の個数を減らすことができて、構成の簡素化を図ることができ、もって、構成の簡素化を図ることができる昇降装置を提供することができるに至った。
【0010】
本発明にかかるスタッカークレーンは、第1特徴構成又は第2特徴構成を備えた昇降装置を備えたものであって、その第1特徴構成は、
走行台車から立設された支柱の上部に、前後方向に沿う支持枠が設けられ、前記駆動回転体が、前記走行台車又は前記支柱の下端側部分に支持され、前記複数の上部回転案内体及び前記補助回転案内体が、前後方向に並ぶ状態で前記支持枠に支持されている点にある。
【0011】
すなわち、走行台車から立設された支柱の上部に設けられた支持枠に補助回転案内体を支持させ、駆動回転体を走行台車又は支柱の下端側部分に支持させることにより、補助回転案内体から下方に伸びる一対のワイヤ部分の長さを、昇降体の昇降移動範囲の長さと同じ又は略同じ長さにすることができる等、昇降台の昇降移動範囲の長さに応じた長さにすることができ、もって、補助回転案内体から下方に伸びるワイヤ部分の長さを昇降体の昇降移動範囲の全長に応じた長さにして、ワイヤの寿命を長くすることより、昇降体を長期間に亘って良好に昇降できるスタッカークレーンを提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかるスタッカークレーンの第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記支柱として、前後一対の支柱が前記走行台車から立設され、前記昇降体が、前記前後一対の支柱の夫々に昇降自在に案内される状態で、それら前後一対の支柱の間に配設され、前記ワイヤとして、前記昇降体の前後方向の2箇所を吊下げ支持する2本のワイヤが、前記補助回転案内体、前記駆動回転体及び前記上部回転案内体に巻き掛けられる形態で設けられている点にある。
【0013】
すなわち、2本のワイヤにて昇降体を前後方向の2箇所を2本のワイヤにて吊り下げ支持するものであるため、昇降体を安定良く支持することができ、また、2本のワイヤの夫々が前記補助回転案内体、前記駆動回転体及び前記上部回転案内体に巻き掛けられる形態で設けられているため、その2本のワイヤの夫々について、同じ部分が屈曲する回数を抑えて、ワイヤの寿命を長くすることができ、もって、昇降体を安定良く支持しながら長期間に亘って良好に昇降できるスタッカークレーンを提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る昇降装置を備えたスタッカークレーンを自動倉庫に適応した実施形態について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、自動倉庫は、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの物品収納棚1と、2つの物品収納棚1同士の間に形成された移動通路2に沿って自動走行するスタッカークレーン3とを設けて構成されている。
【0015】
2つの物品収納棚1の夫々は、前後一対の棚用支柱1aを横幅方向に間隔を隔てて複数立設し、その前後一対の棚用支柱1aに支持される物品支持部1bを上下方向に複数支持して構成されており、物品収納棚1の収納部4の夫々は、左右に隣接する一対の物品支持部1bに亘って載置支持する形態で物品を収納するように構成されており、物品収納棚1には、収納部4が上下方向及び横幅方向に複数並設されている。
そして、前記移動通路2には、その床側に走行レール5が棚横幅方向に沿って設置され、天井側にガイドレール6が移動通路の長手方向に沿って設置されている。
【0016】
図3に示すように、前記スタッカークレーン3は、走行レール5に沿って走行自在な走行台車10と、走行台車8に立設された支柱11と、支柱11に沿って昇降自在な昇降体としての昇降台12と、昇降台12を昇降移動させる昇降装置7とを備えて構成されている。昇降台12には、物品を載置支持するフォーク式の物品移載装置13が備えられている。
【0017】
走行台車10には、走行レール5上を走行自在な前後一対の走行車輪14が設けられており、前後一対の走行車輪14のうちの後方側に位置する一方が、走行用電動モータ15にて回転駆動される駆動用の走行車輪14に構成され、前後一対の走行車輪14のうちの前方側に位置する他方が、遊転自在な従動用の走行車輪14に構成されている。そして、走行台車10は、走行用電動モータ15にて駆動用の走行車輪14を回転駆動させることにより走行レール5に沿って走行するように構成されている。
【0018】
前記支柱11として、走行台車10の後端部に立設されたメイン支柱11aと走行台車10の前端部に立設されたサブ支柱11bとの前後一対の支柱11が前記走行台車10から立設されており、前記昇降台12が、前記前後一対の支柱11の夫々に昇降自在に案内される状態で、それら一対の支柱11の間に配設されている。
メイン支柱11aは、車両横幅方向に並ぶ一対の柱材18を車両前後方向に2組並べて計4本の柱材18を備えて構成されている。
そして、車両前後方向に並ぶ柱材18同士は斜材19にて互いに連結されており、車両横幅方向に並ぶ柱材18同士が水平材(図示せず)にて互いに連結されている。また、サブ支柱11bは、1本の柱材にて構成されている。
【0019】
走行台車8から立設された支柱9の上部に前後方向に沿う支持枠16が設けられており、この支持枠16にて前後一対の支柱9の上端部が互いに連結されている。ちなみに、前後一対の支柱11の中間部は中間枠22にて互いに連結されている。
そして、支持枠16は、図5に示すように、矩形状に枠組み形成されており、メイン支柱11aとサブ支柱11bとの夫々の上端に備えられた連結用ブラケット11cに載置支持される形態で連結されている。
また、図4及び図5に示すように、支持枠16は、その前端部と後端部との夫々にガイドレール6の横側面に接当するガイドローラ17を備えて、ガイドレール6にて棚横幅方向に沿って案内されるように構成されている。
【0020】
次に、昇降装置11について説明する。
図3に示すように、昇降装置11は、駆動回転体23に上方に伸びるように巻き掛けられたワイヤ24における前記駆動回転体23から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々が、複数の上部回転案内体25の夫々にて下方に伸びるように巻き掛けられ、それら下方に伸びる一対のワイヤ部分の一方側に昇降台12を吊下げ支持し且つ他方側にバランスウェイト21を吊下げ支持するように構成されている。
そして、昇降用電動モータ27にて駆動回転体23を回転駆動させて、ワイヤ24を長手方向に沿って移動させることにより、一端側に吊り下げ支持された昇降台12を昇降移動させるように構成されており、ワイヤ24の他方側にはバランスウェイト21が吊り下げ支持されている。
【0021】
前記複数の上部回転案内体25の設置高さと同じ又は略同じ高さに、補助回転案内体26が設けられ、前記ワイヤ24が、前記補助回転案内体26の上方側部分に巻き掛けられて下方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々を、前記駆動回転体23から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々となるように、前記駆動回転体23の下方側部分に上方に伸びるように巻き掛ける形態で設けられている。
このように、ワイヤ24を補助回転案内体26に巻き掛けることにより、ワイヤ24が駆動回転体23の下方側部分に2回巻き掛けられることとなり、これにより駆動回転体23とワイヤ24との間のトラクション力が高められている。
【0022】
そして、前記駆動回転体23と昇降用電動モータ27とは、メイン支柱11aから後方側に突出する状態でメイン支柱11aにおける下端部に支持された支持用プレート28に、メイン支柱11aの後方側に位置するように支持されており、このようにして前記駆動回転体23と昇降用電動モータ27とが、前記支柱11の下端側部分に支持されている。
ちなみに、バランスウェイト21は、メイン支柱11a内、具体的には、平面視で4本の柱材18で囲まれる矩形状の空間内を上下方向に沿って走行移動するように設けられており、前後方向において駆動回転体23と昇降台12との間に位置している。
【0023】
また、前記ワイヤ24として、前記昇降台12の前後方向の2箇所を吊下げ支持する2本のワイヤ24が、前記補助回転案内体26、前記駆動回転体23及び前記上部回転案内体25に巻き掛けられる形態で設けられている。
そして、昇降台12の前後方向の2箇所を吊下げ支持する2本のワイヤ24は2組設けられている。
つまり、昇降台12の前端部を吊り下げ支持する前側支持用のワイヤ24Aが2本と、昇降台12の後端部を吊り下げ支持する後側支持用のワイヤ24Bが2本との計4本のワイヤ24が設けられており、この4本のワイヤ24の夫々が、上述の如く補助回転案内体26、駆動回転体23及び上部回転案内体25に巻き掛けられている。
【0024】
前記複数の上部回転案内体25及び前記補助回転案内体26は、前後方向に並ぶ状態で前記支持枠16に支持されており、前記複数の上部回転案内体25のうちの一つと前記補助回転案内体26とが、単一の回転案内体における軸芯方向の一部を前記上部回転案内体25とし、軸芯方向の他部を前記補助回転案内体26とする状態で、単一の回転案内体にて形成されている。
そして、複数の上部回転案内体25として、上部回転案内体25が前後方向に5つ並べて設けられており、この5つの上部回転案内体25の最も後方側に位置する上部回転案内体25と補助回転案内体26とが上述の如く単一の回転案内体にて形成されている。以下、5つの上部回転案内体25を、便宜上、前方側から順に第1から第5の上部回転案内体25と称して説明する。
【0025】
2本の前側支持用のワイヤ24の夫々は、一端側が昇降台12の前端部に連結されており、その一端側から、第1の上部回転案内体25、第5の上部回転案内体25、駆動回転体23、補助回転案内体26、駆動回転案内体23、第4の上部回転案内体25、第3の上部回転案内体25の順に巻き掛けられて、他端側がバランスウェイト21に連結されている。
また、2本の後側支持用のワイヤ24の夫々は、一端側が昇降台12の後端部に連結されており、その一端側から、第2の上部回転案内体25、第5の上部回転案内体25、駆動回転体23、補助回転案内体26、駆動回転案内体23、第4の上部回転案内体25、第3の上部回転案内体25の順に巻き掛けられて、他端側がバランスウェイト21に連結されている。
【0026】
よって、2本の前側支持用のワイヤ24及び2本の後側支持用のワイヤ24の夫々は、補助回転案内体26の上方側部分に巻き掛けられて下方に伸びる一対のワイヤ部分として、補助回転案内体26の上方側部分から前方側に巻き掛けられて下方に伸びるワイヤ部分と、補助回転案内体26の上方側部分から後方側に巻き掛けられて下方に伸びるワイヤ部分とがあり、これらの下方に伸びるワイヤ部分が長くなるように、複数の上部回転案内体25のうちの一つである第5の上部回転案内体25と補助回転案内体26とが単一の回転案内体にて形成される、換言すると、第5の上部回転案内体25が補助回転案内体26に兼用されることにより、補助回転案内体26が支柱11の上端部に配設されている。
ちなみに、駆動回転体23から上方に伸びる一対のワイヤ部分としては、上述した補助回転案内体26の上方側部分に巻き掛けられて下方に伸びる部分と、第5の上部回転案内体25の上方側部分に巻き掛けられて下方に伸びる部分とがある。
【0027】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、複数の上部回転案内体25のうちの一つ(第5の上部回転案内体)と補助回転案内体26とを、単一の回転案内体にて形成したが、複数の上部回転案内体25のうちの一つ(第5の上部回転案内体)と補助回転案内体26とを、別の回転案内体にて形成してもよい。
そして、このように、複数の上部回転案内体25のうちの一つと補助回転案内体26とを別の回転案内体にて形成した場合、補助回転案内体25を複数の上部回転案内体26のうちの一つと回転軸芯方向に並べた状態に設けて、複数の上部回転案内体25のうちの一つと補助回転案内体26とを同一の回転軸にて回転自在に支持してもよく、また、補助回転案内体26を複数の上部回転案内体25のうちの一つに対して前後方向や上下方向にずらした状態に設けて、複数の上部回転案内体25のうちの一つと補助回転案内体26とを異なる回転軸にて回転自在に支持してもよい。
【0028】
(2) 上記実施の形態では、複数の上部回転案内体25として5つの上部回転案内体25を設けたが、例えば、第3の上部回転案内体25と第4の上部回転案内体25とに対して行っていたワイヤ24の巻き掛けを1つの上部回転案内体25に対して行い、上部回転案内体25の個数を減らす等、上部回転案内体25の個数は適宜変更可能である。
【0029】
(3) 上記実施の形態では、昇降体12を、前後一対の支柱11の夫々に昇降案内される状態でそれら一対の支柱11の間に配設したが、昇降体12を、単一の支柱11に昇降案内される状態で支柱11の横側方に配設してもよい。
【0030】
(4) 上記実施の形態では、上記実施の形態では、複数本のワイヤ24の全てを1つのバランスウェイト21に接続させてバランスウェイト21を1つだけ設けるように構成したが、例えば、前側支持用のワイヤ24と後側支持用のワイヤ24とを別のバランスウェイト21に接続する、又は、2本の前側支持用のワイヤ(後側支持用のワイヤ)24の一方のワイヤ24と他方のワイヤ24とを別のバランスウェイト21に接続する等、バランスウェイト21を複数備えるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、バランスウェイト21を、メイン支柱11a内に位置させて駆動回転体23と昇降体12との間に設けたが、サブ支柱11bの前方側に位置させて、昇降体12の駆動回転体23が位置する側とは反対側にバランスウェイト21を位置させるように設けてもよい。
また、バランスウェイト21を2つ以上設ける場合は、上記した2箇所夫々に設けてもよい。
【0031】
(5) 上記実施の形態では、ワイヤ24として、昇降体12の前後方向の2箇所を吊り下げ支持すべく、前側支持用のワイヤ24と後側支持用のワイヤ24とを備えたが、昇降体12の前後方向の1箇所を吊り下げ支持すべく、前側支持用のワイヤ24と後側支持用のワイヤ24とのうちのいずれかを備えるようにしてもよい。
また、昇降体12の横幅方向の2箇所を吊り下げ支持すべく、前側支持用のワイヤ24及び後側支持用のワイヤ24を2本設けたが、昇降体12の横幅方向の1箇所を吊り下げ支持すべく、前側支持用のワイヤ24及び後側支持用のワイヤ24を2本設けてもよい。
【0032】
(6) 上記実施の形態では、ワイヤ24における補助回転案内体26から下方に伸びるワイヤ部分の長さと昇降体12の昇降移動範囲の全長との関係を明記していないが、ワイヤ24における補助回転案内体26から下方に伸びるワイヤ部分の長さを、昇降体12の昇降移動範囲の全長よりも長くするように駆動回転体23と補助回転案内体26とを配設してもよく、このように配設することによって、昇降体12の上昇移動又は下降移動の距離が長い場合でも、ワイヤ24の同じ部分が駆動回転体23と補助回転案内体26との両方で屈曲させられることがなくなり、ワイヤ24の寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】自動倉庫の平面図
【図2】自動倉庫の側面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】スタッカークレーンにおける上端部の平面図
【図5】スタッカークレーンにおける上端部の側面図
【図6】スタッカークレーンの横断平面図
【符号の説明】
【0034】
3 スタッカークレーン
7 昇降装置
10 走行台車
11 支柱
12 昇降体
16 支持枠
21 バランスウェイト
23 駆動回転体
24 ワイヤ
25 上部回転案内体
26 補助回転案内体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回転体に上方に伸びるように巻き掛けられたワイヤにおける前記駆動回転体から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々が、複数の上部回転案内体の夫々にて下方に伸びるように巻き掛けられ、それら下方に伸びる一対のワイヤ部分の一方側に昇降体を吊下げ支持し且つ他方側にバランスウェイトを吊下げ支持するように構成された昇降装置であって、
前記複数の上部回転案内体の設置高さと同じ又は略同じ高さに、補助回転案内体が設けられ、
前記ワイヤが、前記補助回転案内体の上方側部分に巻き掛けられて下方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々を、前記駆動回転体から上方に伸びる一対のワイヤ部分の夫々となるように、前記駆動回転体の下方側部分に上方に伸びるように巻き掛ける形態で設けられている昇降装置。
【請求項2】
前記複数の上部回転案内体のうちの一つと前記補助回転案内体とが、単一の回転案内体における軸芯方向の一部を前記上部回転案内体とし、軸芯方向の他部を前記補助回転案内体とする状態で、単一の回転案内体にて形成されている請求項1記載の昇降装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の昇降装置を備えるスタッカークレーンであって、
走行台車から立設された支柱の上部に、前後方向に沿う支持枠が設けられ、
前記駆動回転体が、前記走行台車又は前記支柱の下端側部分に支持され、
前記複数の上部回転案内体及び前記補助回転案内体が、前後方向に並ぶ状態で前記支持枠に支持されているスタッカークレーン。
【請求項4】
前記支柱として、前後一対の支柱が前記走行台車から立設され、
前記昇降体が、前記前後一対の支柱の夫々に昇降自在に案内される状態で、それら前後一対の支柱の間に配設され、
前記ワイヤとして、前記昇降体の前後方向の2箇所を吊下げ支持する2本のワイヤが、前記補助回転案内体、前記駆動回転体及び前記上部回転案内体に巻き掛けられる形態で設けられている請求項3に記載のスタッカークレーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−7082(P2009−7082A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167751(P2007−167751)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】