説明

映像の保管管理システム

【課題】ビデオカメラで撮影した映像データをTVのHDDにアーカイブすることにより、撮影した映像を手軽に楽しむことができるようにする。
【解決手段】ビデオカメラと、ビデオカメラを搭載し、ビデオカメラの映像データが転送されるクレードル装置と、クレードル装置から映像データとその映像データに関連する情報を転送されるHDD付きテレビジョン受信装置とを備えるシステム構成とする。そして、クレードル装置では、ビデオカメラから送られてくる映像データとその映像データに関連する情報を、テレビジョン受信装置に送信する。テレビジョン受信装置では、転送されてきた映像データと映像データに関連する情報に基づき、ダイジェスト映像を生成して、HDDにアーカイブして、ユーザがそのダイジェスト映像を閲覧できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像の保管管理システムに係り、ビデオカメラで撮影した映像を、テレビジョン装置上で、ダイジェスト映像を作成するのに好適な映像の保管管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、ビデオカメラの市場では、映像を記録する手段として、BD(Blu-ray Disc)やHDD(Hard Disc Drive)をはじめ、SDカードやメモリスティックなど半導体メモリを媒体とした製品が発売されており、さらにそれぞれを組み合わせたようなハイブリッドタイプなども登場してきている。しかしながら、撮影をしたあとの映像の管理という意味では、HDDに溜め込んだり(アーカイブしたり)、ディスクに残すこと以外の方法は、特に提供されていないのが現状である。
【0003】
さらに、ビデオカメラで撮影した映像は、たいていの場合、一度見るとなかなか観る機会が少なくなる傾向にある。記録容量が大きくなればなるほど、この傾向は強くなってくる。例えば、子どもの運動会や学芸会など、一度は見るが、そのままでは、よほどの機会が無い限り、再度観ることはないのが現状であろう。そのような事態を回避するためには、撮影した映像を編集して見やすいコンテンツに作り直せばよい。例えば、子どもの成長記として映像を再編集することが考えられる。編集に関しては、ビデオカメラ本体で編集機能を搭載しているものがあるが、単体で、あまり高機能なものや昔撮影したデータも含めて編集するというようなことはできない。また、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と記す)に映像データを取り込んで編集をおこなうことも可能だが、必要なHDDの容量不足の問題や、あまり凝った編集などはできないことが多く、特に問題なのは、これらの方法は、あまりAV家電に慣れていない人には敷居が高い方法であるといえる。そのため、編集作業をおこないたくてもなかなか実現できず、結果的に、PC上のHDDやディスクにアーカイブするだけで、後は観ないというのがほとんどである。特許文献1には、このようなアーカイブの手間を軽減するために、ドッキングユニットを介して別のストレージにデータを転送するシステムが開示されている。さらに、画像の再生に関しては、特許文献2に、子どもの成長記などを作成するときに、顔を検出して古い順番に再生するようにして、画像の再生のユーザインタフェースを工夫した装置が開示されている。
【0004】
一方で、HDDを搭載したテレビジョン装置(以下、「TV」と記す)が発売されており、レコーダを接続しなくてもTV単体で映像を楽しむ事が可能となる。TVの特徴として、日常の生活の中でTVをつけている時間は比較的多いと考える。また、好きなTV番組、例えば毎日ドラマなどを録画予約している場合には、記録した番組のナビゲーション画面(一般的にはサムネール表示や番組内容がわかるようなテキスト表示など)を立ち上げる機会が多くなる。毎日は極端としても、週一回程度は、ナビゲーションを立ち上げる人が多いはずである。すなわち、TVは、現在の生活において、日常的に目に入りやすいものであるといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−32690号公報
【特許文献2】特開2008−77445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記説明したように、せっかく撮影した映像データも、そのままでは1度きりしか楽しむことができない場合が多い。今後、記憶容量は、ますます大容量化していくと思われるが、そうなると、映像の検索性も悪くなり、さらにこの傾向は強くなると思われる。なんども映像を楽しませるには、いかに撮影した映像に興味を持たせるかがポイントである。簡単に観ることができ、かつ、もう一度観たいと思うような映像を作成できれば何度も映像を楽しみたいと思うはずである。現状でもPC上で映像を編集することが可能であるが、データの取り込みやソフトウェアを使いこなすことなどの手間がかかり、PCに慣れていない人には、敷居が高いという問題点があった。
【0007】
TVは、上記のように我々の身近な映像装置であり、ビデオカメラで撮影した映像をアーカイブする手段として利用することが考えられる。しかしながら、従来の技術では、TV上で簡単に利用価値の高いアーカイブを作成する手段について考慮されてこなかった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ビデオカメラで撮影した映像データをTVのHDDにアーカイブすることにより、撮影した映像を手軽に楽しむことができ、さらに、自動で成長記などの映像を作成・編集することにより、いつまでも映像を楽しむことができるような使い勝手の良い映像の保管管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の保管管理システムは、映像を撮影するビデオカメラと、ビデオカメラを搭載し、ビデオカメラの映像データが転送されて、外部の機器に出力するクレードル装置と、記憶装置を有し、クレードル装置から映像データとその映像データに関連する情報を転送されるテレビジョン受信装置とを備えるシステムで構成する。
【0010】
クレードル装置では、ビデオカメラを搭載したときに、ビデオカメラから送られてくる映像データとその関連情報から映像情報関連テーブルを作成する。そして、テレビジョン受信装置に送信する。例えば、ビデオカメラで顔認識技術により「ゆりこ」の登場する映像を抽出して、映像情報関連テーブルで関連する映像のシーンを含む映像データをポイントさせておき、その映像データと映像情報関連テーブルをテレビジョン受信装置に転送する。
【0011】
テレビジョン受信装置では、転送されてきた映像データと映像情報関連テーブルに基づき、ダイジェスト映像を生成して、記憶装置にアーカイブして、ユーザがそのダイジェスト映像を閲覧できるようにする。
【0012】
このように、ビデオカメラで撮影したデータをテレビジョン受信装置のHDDなどの記憶装置にアーカイブすることにより、テレビジョン受信装置内部の編集手段により、映像と同時に転送された様々な情報に基づいて、映像データを意味のある順番に並び替えたり、時間軸に並べ替えたり、データのサイズを小さくするような編集が可能となり、例えば、子供の成長記などの編集を自動で、または、マニュアルで指定しておこなうことが可能となる。そのため、ユーザは、ビデオカメラで撮影した映像をテレビジョン受信装置で気軽に楽しむことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ビデオカメラで撮影した映像データをTVのHDDにアーカイブすることにより、撮影した映像を手軽に楽しむことができ、さらに、自動で成長記などの映像を作成・編集することにより、いつまでも映像を楽しむことができるような使い勝手の良い映像の保管管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】クレードル装置の構成を示すブロック図である。
【図2】HDD付きTVの構成を示すブロック図である。
【図3】HDD付きTV内にあるデータ編集部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る映像の保管管理システムのシステム構成図である。
【図5】HDD付きTVが出力する録画した番組のナビゲーション画面を表示している様子を示す図である。
【図6】HDD付きTVが出力するダイジェスト映像を閲覧するときのナビゲーション画面を表示している様子を示す図である。
【図7】HDD付きTVが出力するダイジェスト映像を閲覧するときのナビゲーション画面を表示しているときに、記憶容量に関する警告ダイアローグを表示する様子を示す図である。
【図8】映像情報関連テーブルの一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る映像の保管管理システムの処理を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1ないし図9を用いて説明する。
【0016】
先ず、図4を用いて本発明の一実施形態に係る映像の保管管理システムの構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る映像の保管管理システムのシステム構成図である。
【0017】
本実施形態の映像の保管管理システムは、図4に示されるように、BDのディスクやHDD、さらには、SDカードのうち、少なくともひとつに高精細な映像を記録できるビデオカメラとそれ専用のクレードル、および、HDD付きTVが基本構成である。ビデオカメラ400は、映像を撮影し、内部の記憶装置に格納する装置である。クレードル装置401は、ビデオカメラ400を載せて専用の端子からビデオカメラ400に記憶された映像データを取り込み、他の外部装置に転送するための装置である。本実施形態では、クレードル装置401は、HDD付きTV410に無線により接続されてデータを転送している。映像データをビデオカメラ400からクレードル装置401に取り込むときには、前面の転送ボタン402を押せばよい。また、映像データをクレードル装置401からHDD付きTV410に転送するためには、前面の転送ボタン403を押せばよい。HDD付きTV410は、映像データをHDDに録画して、格納できるテレビジョン受信装置である。映像データを格納するHDDは、内蔵されたHDD411でもよく、脱着式のHDD412、例えば、iVDR(Information Versatile Disk for Removable usage)の規格によるものであってもよい。また、BD/DVDドライブ413が、USBインタフェースにより接続されており、光ディスクの映像データを読み込んだり、光ディスクに映像データを書き込むことができる。
【0018】
次に、図1ないし図3を用いて本発明の一実施形態に係る映像の保管管理システムの各部の構成について、詳細に説明する。
図1は、クレードル装置の構成を示すブロック図である。
図2は、HDD付きTVの構成を示すブロック図である。
図3は、HDD付きTV内にあるデータ編集部の構成を示すブロック図である。
【0019】
クレードル装置401は、図1に示されるように、操作入力部100、CPU101、カメラIF部102、映像データ管理部103、映像情報管理部104、メモリ105、転送管理部106、転送用IF部107が、バスによって結合された形態である。
【0020】
操作入力部100は、ユーザが指示をおこなうためのキー、ボタンにより指示した内容を取り込むための部分である。CPU101は、装置全体の制御を管理し、タイミングを計り、各部に制御の指示を与える中央演算処理装置である。カメラIF部102は、ビデオカメラとのデータのやり取りをおこなうインタフェースを掌る部分である。映像データ管理部103は、カメラIF部102を介して取り込んだビデオカメラの映像データを管理する部分である。映像情報管理部104は、映像に関する情報を管理部分である。なお、映像に関する情報については後に具体例を挙げて詳細に説明する。メモリ105は、データなどを格納するための記憶装置であり、半導体のメモリチップなどで構成される。転送管理部106は、映像データおよび映像に関する情報のデータを、HDD付きTV410に転送するためにタイミングなどを管理する部分である。転送用IF部107は、HDD付きTVに転送するインタフェースを掌る部分である。転送用IF部107は、ハイビジョンクラスの映像データがストレスなく転送できる能力があればよく、無線伝送が可能であれば、特に規格上の制約はない。また、転送用IF部107は、有線のインタフェースによるものであってもよい。
【0021】
HDD付きTV410は、図2に示されるように、操作入力部200、CPU201、転送用IF部202、AVコーデック部203、データ編集部204、メモリ205、映像音声出力部206、チューナー部207、OSD表示部208、USBIF部209、BD/DVDドライブ210、HDD220、iVDRカートリッジ221が、バスにより接続された形態である。
【0022】
操作入力部200は、選局や音量調整などをおこなうためのボタンなどのユーザが操作をした内容を取り込む部分である。CPU201は、装置全体の制御を管理し、各部に制御の指示を与える中央演算処理装置である。転送用IF部202は、クレードル装置から転送されたデータを取り込むためのインタフェースを掌る部分である。転送用IF部202は、クレードル装置の転送用IF107と対のIFとする。AVコーデック部203は、H.264やMPEG2規格による動画の圧縮伸張や、AACやDolbyDigital規格などによる圧縮伸張、さらに規格に準拠した多重、分離化などをおこなう部分である。データ編集部204は、映像内の情報の管理やダイジェスト映像を生成するための部分である。なお、データ編集部204の詳細な構成は、後に説明する。メモリ205は、転送された映像データなどを保持しておくための記憶装置であり、半導体のメモリチップなどで構成される。映像音声出力部206は、TVのモニタに映像や音声を出力するための部分である。チューナー部207は、TV信号を受信し選局をおこなう部分である。OSD表示部208は、映像上にサムネール付きのナビ画面を生成するためのデータ生成や表示をおこなう部分である。USBIF部209は、外部ストレージと、USBインタフェースによる接続をおこなう部分である。BD/DVDドライブ210は、外付けの光ディスクドライブである。HDD220は、内蔵のハードディスクドライブであり、大容量のデータを記憶することができる。iVDRカートリッジ221は、iVDR規格によるカートリッジタイプのハードディスクである。
【0023】
ここでは、このHD付きTV410により、通常のTV番組を録画する処理の流れを簡単に説明する。
【0024】
ユーザにより録画の指示がおこなわれると、操作入力部200は、チャンネル操作や各種メニューなどにより入力を取り込む。そして、それを受けて、CPU201が各ブロックに、録画の準備を指示する。チューナー部207で受信した映像データは、復調されて、その他必要に応じた変換がおこななわれ、AVストリームとして、メモリに保持される。AVストリームは、AVCODEC部203で伸張され、映像音声出力部206、すなわち、モニタやスピーカから出力される。一方で、AVストリームは、CPU201が指示して、図示していないATA(Advanced Technology Attachment)などのIFを経由して、HDD220やiVDRカートリッジ221に記録をおこなう。そして、それらの情報に基づいて、 記録された映像からサムネールが生成されて、OSD表示部206により、サムネール付きのナビゲション画面(後述、図5)が表示される。上記動作は、ボタン操作でなく、予約録画がおこなわれた場合でも同様である。
【0025】
HDD付きTV内にあるデータ編集部204は、図3に示されるように、データ判別部300、映像情報解析部301、認識処理部302、メモリ303、ダイジェスト映像生成部310、残量管理部320が、バスにより結合された形態である。
【0026】
データ判別部300は、データ編集部内で取り扱うデータの種別を判別する部分である。映像情報解析部301は、映像に関する情報に基づき、映像データを解析する部分である。認識処理部302は、映像に何が撮影されていたかを認識する部分である。メモリ303は、映像や必要なデータをいったん保持しておくための記憶装置である。ダイジェスト映像生成部310は、取り込んだ映像からダイジェスト映像を生成する部分である。残量管理部320は、TV内の内蔵HDD220やiVDRのカートリッジHDDなどの残量を管理する部分である。
【0027】
次に、図8を用いて本発明の一実施形態に係るデータ構造について説明する。
図8は、映像情報関連テーブルの一例を示す図である。
【0028】
映像情報関連テーブルは、映像データから抽出した映像に関する情報を保持し、映像データのストリームとの関係を記憶するテーブルである。
【0029】
図8に示される映像情報関連テーブルは、映像データからダイジェスト映像を作成するために使われるものである。
【0030】
本実施形態の例では、家庭内において、「ゆりこ」の成長期のためのダイジェストを作成する場合が示されている。キーワード欄801には、キーワードとして「ゆりこ」という文字列が格納される。プロフィール情報欄802には、ダイジェスト作成のために必要な情報が格納されている。例えば、生年月日、入学校、趣味などである。年齢欄803には、撮影時における「ゆりこ」の年齢が格納される。撮影場所804には、撮影した場所が格納される。撮影日時805は、当該映像を撮影した日時が格納されている。また、映像データストリームポインタ806は、該当する映像データストリームへのポインタが格納される。
【0031】
次に、図5ないし図7を用いて本発明の一実施形態に係る映像の保管管理システムのHDD付きTVを視聴するときのユーザインタフェースについて説明する。
図5は、HDD付きTVが出力する録画した番組のナビゲーション画面を表示している様子を示す図である。
図6は、HDD付きTVが出力するダイジェスト映像を閲覧するときのナビゲーション画面を表示している様子を示す図である。
図7は、HDD付きTVが出力するダイジェスト映像を閲覧するときのナビゲーション画面を表示しているときに、記憶容量に関する警告ダイアローグを表示する様子を示す図である。
【0032】
ナビゲーション画面500は、ユーザにTVの録画データやダイジェスト映像などの表示対象に対するナビゲーションをおこなう画面であり、媒体ごとに何が録画されているかがわかるようにつけたタブを、リモコンのボタンなどにより選択することによって、媒体ごとの映像情報にアクセスできるようになっている。HDD220に格納された映像情報を表示するときには、HDDタブ501を選択し、iVDRカートリッジ221のHDDに格納された映像情報を表示するときには、iVDRタブ502を選択する。
【0033】
バー510は、「スポーツ」、「ニュース」、「ドラマ」などのジャンル分けやページを確認するための表示要素である。番組表示520には、番組選択のために、番組の画像の一部や内容やその説明などで表示したものであり、番組見出し521には、番組のジャンルや番組のタイトルが表示される。
【0034】
図5に示されたナビゲーション画面の左側のダイジェスト用タブ631,632を選択すると、図6に示されたダイジェスト映像を閲覧するナビゲシーョン表示に遷移する。ここで、タブ630は、「ゆりこさん」を中心に編集されたダイジェスト映像用のタブであり、タブ640は、「ひろゆきさん」を中心に編集されたダイジェスト映像用のタブであり、図6では、「ゆりこさん」のダイジェスト映像を閲覧しようとする状況が表示されている。バー610には、ダイジェスト映像の内容がわかるように、「ゆりこ成長期」などのタイトルやページ数などが表示されている。ダイジェスト映像620には、作成されたダイジェスト映像の一画面が表示される。ダイジェスト映像見出し621〜623には、映像に関する付加情報が表示される。この例では、映像の対象となっている「ゆりこ」の年齢と撮影場所が示されている。
【0035】
また、HDD付きTV410が、ダイジェスト映像を作成しているとき、表示しようとしているときなどに、HDD220の記憶容量が足りなくなったときには、ダイジェスト化していない映像をダイジェストしたり、バックアップしたりすることを促す警告ダイアローグ700が表示される。
【0036】
次に、図9を用いて本発明の一実施形態に係る映像の保管管理システムの処理について説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係る映像の保管管理システムの処理を示すタイミングチャートである。
【0037】
本実施形態では、ユーザが自分の娘である「ゆりこ」、または、自分の息子の「ひろゆき」に関する映像を撮影し、「ゆりこ」や「ひろゆき」の成長記として、ダイジェスト映像を作成する場合を例にとって説明する。
【0038】
先ず、ユーザがビデオカメラ400により、「ゆりこ」や「ひろゆき」に関する映像を、成長の過程ごとに、折にふれて撮影する。
【0039】
ビデオカメラ400で、撮影した際に、顔認識や音声認識などの技術により映像データを解析した情報やビデオカメラ内に保持している手に入りうる情報により、あとで映像を管理するための映像に関する情報を作成し、カメラ内のメモリに記憶しておく(S01,S02)。例えば、映像に関する情報としては、顔や音声の認識により検出された自分の娘てある「ゆりこ」の情報、事前に登録しておいた家族が登場している映像の時間軸上の位置情報(フレーム位置など)や「ゆりこ」や「ひろゆき」の年齢、画面上の人数などがある。また、その他の映像に関する情報としては、ビデオカメラ400にGPSが付いていときに、撮影場所がわかるような位置情報、撮影時間、天気の情報などがある。また、ユーザがビデオカメラ400から入力ボタンを操作して映像に関する情報を明示的に入力してもよい。
【0040】
次に、ビデオカメラ400をクレードル装置401に載せる(S10)と、ビデオカメラ400は、撮影した映像データと映像内の情報の転送準備をおこなう。そして、ユーザがクレードル装置401上の取り込み専用ボタン402を押下する(S11)と、図1の操作入力部100でボタン押下が検出され、その検出信号をCPU101で内容を解析し、カメラIF部102を通して、ビデオカメラ400に転送開始を依頼する。ビデオカメラ側から転送開始の許可がおこなわれたら実際に転送を開始する(S03)。ビデオカメラ側の転送の許可がおりる前に、クレードル装置401側では、映像データと映像に関する情報をカメラIF部102からデータを取り込む準備をおこなう。すなわち、クレードル装置401のメモリ105を初期化して、データを保持する準備をおこなう。そして、準備が終了し、転送が開始される(S12)と、映像データ管理部103が、カメラIF102から取り込まれた映像データを、メモリ105にコピーしていく。
【0041】
その後、映像情報管理部103が、カメラIF102から取り込まれた映像データと、映像に関する情報により、図8に示した映像情報関連テーブル800を作成し(S13)、メモリ105に保持する。また、映像データと映像に関する情報は、図8に示されるように、映像情報関連テーブル800により、1レコードを1シーン毎に対応づけられるように管理する。このようなデータ構造を保持することににより、映像情報関連テーブル800から必要とされる各シーンに関係する映像データのストリームのみを転送するようにしてもよい。
【0042】
次に、メモリ105に保持された映像データと映像情報関連テーブル800は、ユーザにより、転送ボタン403が押下される(S13)と、転送管理部106を介して、HDD付きTV410に転送される(S14)。転送管理部106は、映像情報関連テーブル800と、映像データを送る際には、映像情報関連テーブル800によりポイントされる1シーンに関係する映像データのストリームのみを転送するようにしてもよい。
【0043】
クレードル装置401は、転送用IF部107からデータを転送する前に、 HDD付きTV410に対して、転送の開始を意味した信号を送信しておく、これを受けて、HDD付きTV410側のCPU201が転送データの取り込みの準備を開始する。準備が完了したら、転送用IF部202から転送用IF107に準備完了の送信をおこない、送信許可を確認後、転送が開始される。転送データは、転送IF部202を経由して、HDD付きTV410側メモリ205に取り込まれて(S20)、最終的に、HDD220またはiVDRカートリッジ221に保持される。このように、ビデオカメラで撮影された映像データと映像に関連する情報が、HDD付きTV410内のHDD220またはiVDRカートリッジ221に、映像データと映像情報関連テーブル800という形式で保持される。ただし、使用する領域は、転送中に予約録画を停止させないため、TV番組の録画に使用する領域とは排他的な領域としておくことが望ましい。
【0044】
そして、HDD付きTV410のデータ編集部204は、メモリ205に保持されている映像データと映像情報関連テーブル800に基づいて、以下のようにダイジェスト映像の生成をおこなう。
【0045】
先ず、図3に示したデータ判別部300が、メモリ205に保持されている映像と映像情報関連テーブル800を判別しながら、必要な分だけ、データ判別部300内のメモリ303に保持する。映像情報解析部301は、メモリ303に保持された映像情報関連テーブル800の情報を解析し(S21)、シーン内の子どもや登録されている家族の登場しているフレームの情報を取り出し、メモリ303に保持されている映像データのストリームからそのフレームの前後数秒分、もしくは子どもや登録した家族が最初に登場したフレームから数十秒のデータを切り出す。そして、ダイジェスト映像生成部310が、それらの子どもたちが登場しているシーンを1つのシーンとして再生成する。このようにして生成されるのが、ダイジェスト映像である。例えば、「ゆりこ」と「ひろゆき」という姉弟の二人をTV側に事前に登録しておければ、それぞれのデータの管理やダイジェスト映像を作成することが可能である。また、さらに、認識処理部302において、映像情報関連テーブル800から得られる以外の新たな情報を取得してもよい。例えば、子どもが登場しているシーンから人物以外に動物がいることを検出できれば動物園にいることが予測され、かつ、GPSの位置情報から場所を特定し、どこの動物園にいるのかを判断することが可能となる。すなわち、ダイジェスト映像を作成する場合に、どこで何をしているかという情報を、HDD付きTV内で付加することが可能となる。さらに、その場所の情報をダイジェスト映像の字幕の情報として生成していもよい。字幕のデータをBDやDVDの規格に準拠するように生成しておけば、ダイジェスト映像をBDやDVDにバックアップしても、他の汎用のプレーヤで字幕を楽しむことも可能となる。本実施形態では、図6に示したダイジェスト映像見出し621〜623に使用することができる。この認識処理の具体的な指示は、事前に登録したものを認識させてもよいし、TVのメニューからユーザが指定できるようにしてもよい。ただし、その場合には、ダイジェストは、自動生成されるのではなく、ユーザがマニュアルで指示する必要がある。ここで認識を、HDD付きTV410側でおこなうメリットは、特に、ビデオカメラにてリアルタイム処理をおこなうのが厳しい(処理負荷が大きい)認識処理をTV側でおこなうことにより、ビデオカメラ撮影時の映像内の情報を生成する負荷を軽減できることである。
【0046】
上記説明した再生成された映像データは、メモリ303に、いったん保持する。同様な方法で、シーン毎に再生成されたダイジェスト映像を次々と作成していき(S22)、一定の大きさの映像が作成されると、HDD220またはiVDRカートリッジ221に保存される(S23)。生成されたダイジェストシーン群は、年齢ごとにサムネールが表示できるように1つのシーンにまとめておいてからCPU201がHDD220に書き込んでもよい。このタイミングで、ナビーゲション画面用のサムネールデータを生成してもよい。ここでは、年齢別のダイジェスト映像を想定して、その年齢の最初に撮影された先頭フレームをサムネールとする。年齢に関してはビデオカメラ撮影時に、顔認識技術から推定しておいたり、登録しておいたりしておけばよい。
【0047】
もちろん、書き込みの際には、残量管理部320において、HDD220の残量を確認しておく。また、事前に書き込み先をiVDRやBD/DVDドライブに指定しておけば残量に応じて内蔵HDD以外の媒体への書き込みをおこなうことも可能である。
【0048】
さらに、そのダイジェスト映像のバックアップも、BD/DVDドライブ413やiVDRカートリッジのような脱着式のHDD412におこなうようにしておけば便利である。
【0049】
次に、ダイジェスト映像を閲覧する方法について説明する。
【0050】
ユーザがダイジェスト映像を閲覧するときには、録画した番組のナビゲーション画面を表示している場合には、ダイジェスト映像のタブを選択する。例えば、「ゆりこ」のダイジェスト映像を閲覧するときには、タブ630を選択し、「ひろゆき」のダイジェスト映像を閲覧するときには、タブ640を選択する。このように、ユーザはタブを選択することで観たい子どものダイジェスト映像を、容易に観ることができる。図6の例は、「ゆりこさん」のダイジェスト映像を閲覧しようとする状況であり、バー610に「ゆりこ成長記」という表題がついている。また、ダイジェスト映像見出しの表示によって、3歳の時の運動会や、6歳の卒園式、さらに13歳の時のダンス会でのダイジェストが存在することがわかる。表題やダイジェストの表示の情報は、映像情報関連テーブルからテキストデータに変換してナビゲーション画面を生成する時に追加すればよい。
【0051】
また、ダイジェストを再生している途中に、オリジナルの映像が観たい場合もあると思われる。その場合に備えて、別途オリジナルデータはBDやDVDにアーカイブしておく。この状態でUSBのIF部209を経由して別途オリジナルのデータを記録したBD/DVDをBD/DVDドライブ210にセットしておいて、ダイジェストの再生に関係するオリジナル映像の再生が可能になるようにしてもよい。具体的には、図6のナビゲシーョン画面を利用したダイジェスト映像の再生が終了したら、そのシーンのオリジナルのシーンをアーカイブされたBD/DVDから選択して再生できるようにすればよい。特にリンクの手法にはこだわらないが、ダイジェスト映像とオリジナルのシーンとの間にリンクするような管理データを生成しておければ実現が可能である。
【0052】
次に、HDD220の容量が一杯になった場合についてのサポート機能について説明する。
【0053】
TV番組がHDD220の容量を圧迫してきて、ダイジェスト用の容量がなくなってきた場合には、さらなるダイジェスト化を促したり、TV番組自体のダイジェストを生成するように促したり、iVDRカートリッジ221やBD/DVDドライブ413にセットされた光ディスクにデータをコピーするように促す注意を表示させたりしても便利である。ここでいうダイジェストは、特にこだわらないが、例えば、単純に映像を間引いたり、再圧縮したりすることを想定している。
【0054】
このときには、図7に示すように、ユーザに注意を促し、ユーザに対して、データをダイジェスト化したり、iVDRカートリッジ221やBD/DVDドライブ413にセットされたBD/DVDにバックアップさせるようにすることができる。
【0055】
上記説明したように、ビデオカメラで撮影した映像データをHDD付きTV410のHDDにアーカイブし、クレドール装置400とHDD付きTV410で自動で成長記などのダイジェスト映像を作成・編集することにより、撮影した映像を手軽に楽しむことができる。
【0056】
これをより具体的に、ユーザの立場から説明すると、以下のようになる。
【0057】
HDD付きTV410のHDD220内にビデオカメラの映像が存在すれば、ユーザは、比較的容易に昔撮った映像にアクセスすることが可能となる。さらに、TVで録画した番組と同じように、TVのボタン1つでビデオカメラの映像が選択できればせっかく撮影した映像を観る機会が増え、撮影した映像がむだにならず、いつでも楽しむことができる。また、ユーザはTVのHDDにアーカイブしておくことにより、いつまでも昔の映像を楽しむことが可能となる。実際には、媒体の容量の問題もあるので、自動で、ダイジェスト映像(顔、音声、物体認識を応用したり、時間で区切ったりして作成する)を作ったり、必要に応じてTV側からダイジェスト映像の作成を促してもよい。本実施形態のように、子どもの映像などは、毎年毎年溜まったものから成長記録などを作っても楽しい。また、結婚式の映像なども一度しか観ないことが多いと思うが、その後の家族旅行や、子どもの映像などを利用することにより、その家の成長記のようなものを常に作成しつづけ、観る方を飽きさせないことも可能である。上記の方法であれば、撮影のたびに毎回映像が追加されていくので、いつまでも飽きずに観る楽しみも増えるはずである。
【符号の説明】
【0058】
100…操作入力部
101…CPU
102…カメラIF
103…映像データ管理部
104…映像情報管理部
105…メモリ
106…転送管理部
107…転送用IF部
200…操作入力部
201…CPU
202…転送用IF
203…AVCODEC部
204…データ編集部
205…メモリ
206…映像音声出力部
207…チューナー部
208…OSD表示部
209…USBIF
210…BD/DVDドライブ
220…HDD
221…iVDRカートリッジ
300…データ判別部
301…映像情報解析部
302…認識処理部
303…メモリ
310…ダイジェスト映像生成部
320…残量管理部
400…ビデオカメラ
401…クレードル装置
402…データ取り込みボタン
403…転送ボタン
410…HDD付きTV
411…内容HDD
412…iVDR
413…BD/DVDドライブ
500、600…ナビ画面
501、601…HDDタブ
502、602…iVDRタブ
510、610…表示バー
520、620…選択状態
521…番組見出し、
621〜623…ダイジェスト映像見出し
700…警告ダイアローグ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を撮影するビデオカメラと、
前記ビデオカメラを搭載し、前記ビデオカメラの映像データが転送されて、外部の機器に出力するクレードル装置と、
記憶装置を有し、前記クレードル装置から映像データとその映像データに関連する情報を転送されるテレビジョン受信装置とを備える映像の保管管理システムにおいて、
前記テレビジョン受信装置は、前記映像データと前記映像データに関連する情報とに基づき、ダイジェスト映像を生成し、前記ダイジェスト映像を前記記憶装置に記憶して、表示することを特徴とする映像の保管管理システム。
【請求項2】
前記映像に関する情報は、項目ごとに前記映像データのストリーム位置をポイントするアドレスを含む映像情報関連テーブルであって、
前記クレードル装置は、前記映像情報関連テーブルと、項目ごとにポイントされた映像データの必要な部分を前記テレビジョン受信装置に転送することを特徴とする請求項1記載の映像の保管管理システム。
【請求項3】
前記映像情報関連テーブルの項目は、特定の人の顔の存在、特定の人の声の存在、映像の内容を表す情報、映像内の人の年齢、映像内の人の人数、撮影した場所、撮影された日時、撮影時の天気であることを特徴とした請求項2記載の映像の保管管理システム。
【請求項4】
前記テレビジョン受信装置は、前記データ編集部を有し、
前記データ編集装置により、前記クレードルから転送された前記映像データと前記映像情報関連テーブルとを解析して、前記ダイジェスト映像を編集することを特徴とする請求項1記載の映像の保管管理システム。
【請求項5】
前記テレビジョン受信装置は、さらに、前記記憶装置に保持された前記映像データの内容を認識する認識処理部を有し、
前記認識処理部が前記映像データに関する認識処理をすることにより、新たに映像に関する情報を抽出し、
前記データ編集部は、前記映像データと前記新たに映像に関する情報とに基づき、前記ダイジェスト映像を編集することを特徴とする請求項4記載の映像の保管管理システム。
【請求項6】
前記テレビジョン受信装置は、さらに、前記記憶装置の記憶容量を検知する残量管理部を有し、
前記残量管理部が、前記記憶装置の記憶容量の空き容量の不足を検知したときに、ユーザに対して、前記記憶装置に格納された映像のダイジェスト映像の作成を促す表示や前記記憶装置に格納された他の記録媒体への移動を促す表示をおこなうことを特徴とする請求項1記載の映像の保管管理システム。
【請求項7】
前記テレビジョン受信装置のナビゲーション画面は、テレビジョン放送に関する操作をおこなう画面と、前記ダイジェスト映像に関する操作をおこなう画面とを有し、各々の画面に付加されたタブの選択により画面の表示の遷移をおこない、
前記ダイジェスト映像に関する操作のタブは、映像の内容に従ってカテゴリ分けされていることを特徴とする請求項1記載の映像の保管管理システム。
【請求項8】
前記テレビジョン受信装置は、さらに、光ディスク装置が接続され、
前記ダイジェスト映像を指定することにより、そのダイジェスト映像の元になるオリジナルの映像を、前記光ディスク装置に搭載された光ディスクに記憶された映像データから再生することを特徴とする請求項1記載の映像の保管管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−206624(P2010−206624A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50843(P2009−50843)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】