説明

映像表示装置、映像表示方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】ユーザビリティーを向上したPC内蔵TVの提供。
【解決手段】PC内蔵テレビ1は、TVユニット10とPCユニット20とを備える。TVユニット10は、PCユニット20からTV映像およびPC映像の表示レイアウトを指定するレイアウト情報を含む表示関連情報を取得すると共に、TV映像およびPC映像を含む表示用映像を前記表示関連情報に基づいて生成し、ディスプレイ装置2に同時に表示する。PCユニット20が、PC映像上に表示されたオブジェクトを、マウス5やキーボード6等の操作デバイスを用いてユーザが指示した位置に基づいて、前記表示関連情報を作成してTVユニット10に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユニットから構成される映像表示装置であって、各ユニットにおいて生成した映像を同時に表示させることができる映像表示装置、映像表示方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットとの映像機器の融合が進んでいる。その一例として、チューナー付きPC、PC映像のテレビへの表示、インターネットTV、またはPC内蔵のTV等がある。しかし、これらの機器では、ユーザの使い勝手の点において不満も多い。
【0003】
例えば、チューナー付きPCでは、PCの基本操作によってテレビ番組を表示させることが前提である。そのため、PCの操作に精通していないユーザにとっては操作が容易ではない。また、インターネットTVでは、リモコン等の操作によって容易にインターネットを利用できるが、一般的なPCよりも操作性が劣る。
【0004】
一方、テレビジョン受像機と録画装置とが接続された録画システムにおいて、テレビジョン受像機の表示画面に録画装置によって検出された番組情報をOSD表示させる技術がある。例えば、特許文献1には、テレビジョン受像機を利用中のユーザが録画装置によって検出された録画候補の番組を確認する技術が開示されている。この録画システムでは、録画候補情報をテレビジョン受像機の映像表示部にOSD表示等により画面表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−072222号公報(2008年3月27日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の技術では、単にTVとPCとで画面表示および制御を切換えるものであり、TVとPCとの映像合成はなされていない。そのため、TVおよびPCの画面を同時に表示することができず、2つのシステムが一体となったメリットが十分に発揮できない。
【0007】
また、PC画面においてコンテンツを表示する場合には当該コンテンツが表示されるウィンドウの位置または大きさを柔軟に変更することが可能であるが、TV画面ではリモコンによって単純な表示切換しかできず、TVまたはPC等のコンテンツ表示領域の位置または大きさを変更することができない。なお、特許文献1の技術においても、TV画面と録画候補情報との表示領域を自由に変更できるものではない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、両ユニットのそれぞれにおいて生成した映像を単一の表示装置に同時表示させると共に、ユーザビリティーを向上させることができる映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る映像表示装置は、上記の課題を解決するために、
第1の映像を生成する第1の映像生成ユニットと、第2の映像を生成する第2の映像生成ユニットとを備えた映像表示装置であって、
上記第1の映像生成ユニットは、
上記第2の映像生成ユニットに対して上記第2の映像の取得要求を送信する通信手段と、
上記通信手段から送信された取得要求を受信した上記第2の映像生成ユニットから送信される上記第2の映像を取得する映像取得手段と、
上記第2の映像生成ユニットから、上記第1の映像および上記第2の映像の表示レイアウトを指定するレイアウト情報を含む表示関連情報を取得する表示関連情報取得手段と、
上記映像取得手段において取得した上記第2の映像および自ユニットにおいて生成した上記第1の映像を含む表示用映像を、上記表示関連情報に基づいて生成する表示用映像生成手段と、
上記生成手段において生成した上記表示用映像を表示部に表示する表示制御手段と、
上記第2の映像上の任意の位置を指定するオブジェクトを表示するオブジェクト表示手段と、
上記第2の映像生成ユニットにおいて操作デバイスを用いてユーザにより上記オブジェクトによって指定される位置を変更する信号を受信したとき、上記オブジェクトの表示位置を移動させるオブジェクト移動手段と、
上記第2の映像生成ユニットに対して、上記オブジェクトによって指定される位置を位置情報として送信する位置情報送信手段とを備え、
上記第2の映像生成ユニットは、
上記位置情報送信手段から送信された上記位置情報を受信し、当該位置情報に基づいて上記表示関連情報を生成する表示関連情報生成手段と、
生成した上記表示関連情報を上記第1の映像生成ユニットへ送信する表示関連情報送信手段とを備えていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、本発明の映像表示装置では、第1の映像生成ユニットが、第2の映像生成ユニットに対して第2の映像の取得要求を送信する。そして、第2の映像生成ユニットは受信した取得要求に基づいて、第1の映像生成ユニットに対して第2の映像を送信する。第1の生成ユニットは、第2の生成ユニットから取得した第2の映像および自ユニットにおいて生成した第1の映像を含む表示用映像を、レイアウト情報を含む表示関連情報に基づいて生成する。
【0011】
このように、本発明に係る映像表示装置は、第1の映像生成ユニットから第2の映像生成ユニットに対して送信される第2の映像の取得要求により、互いに連携して動作する。また、第1の映像生成ユニットでは、取得した第2の映像と自ユニットにおいて生成した第1の映像とを含む表示用映像を生成し、生成した表示用映像を表示部に表示する。よって、それぞれの映像生成ユニットにおいて生成された映像を含む表示用映像を単一の表示部に同時表示させることができる。
【0012】
また、本発明の映像表示装置では、第1の映像生成ユニットにおいて、第2の映像上の任意の位置を指定するオブジェクトを表示し、当該オブジェクトによって指定される位置を位置情報として第2の映像生成ユニットに対して送信する。第2の映像生成ユニットは、受信した位置情報に基づいて第1の映像および第2の映像の表示レイアウトを指定するレイアウト情報を含む表示関連情報を生成し、第1の映像生成ユニットに対して送信する。
【0013】
ここで、第2の映像生成ユニットにおいて、操作デバイスを使用するユーザにより、表示部上に表示されるオブジェクトの位置の変更が入力されたとき、第1の映像生成ユニットではオブジェクトの表示位置を移動させる。この操作デバイスとしては、例えば、マウス、キーパッドなどのポインティングデバイスが挙げられる。そして、第1の映像生成ユニットは、移動させたオブジェクトの表示位置を位置情報として第2の映像生成ユニットに対して送信する。第2の映像生成ユニットは、この位置情報に基づいて表示レイアウトを指定する。すなわち、本発明の映像表示装置では、ユーザが第2の映像生成ユニットに対して情報が入力される操作デバイスを用いて表示用映像における表示レイアウトを変更することができる。
【0014】
このように、本発明の映像表示装置を使用するユーザは、操作性の高い情報入力デバイスを用いてオブジェクトによって指定される位置を変更するのみで、表示用映像における第1の映像および第2の映像のレイアウトを容易に変更することができる。したがって、ユーザビリティーを向上させることができる。
【0015】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記表示関連情報は、上記表示用映像における上記第1の映像および上記第2の映像の表示サイズを指定するサイズ指定情報を上記レイアウト情報として含み、
上記表示用映像生成手段は、自ユニットにおいて生成した上記第1の映像と、取得した上記第2の映像とを、上記通信手段において受信した上記表示関連情報に含まれるサイズ指定情報により指定される表示サイズにスケーリング処理し、スケーリング処理した上記第1の映像および上記第2の映像を合成することにより表示用映像を生成することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、第1の映像生成ユニットは、第1の映像および第2の映像をサイズ指定情報により指定される表示サイズにスケーリング(拡大縮小)処理し、スケーリング処理した第1の映像と第2の映像とを合成した表示用映像を生成する。すなわち、本発明に係る映像表示装置では、第2の映像生成ユニットは第1の映像生成ユニットに対して第2の映像を送信するのみであり、表示用映像における第1の映像および第2の映像のスケーリング処理は第1の映像生成ユニットにおいて実行される。言い換えれば、第2の映像生成ユニットは、通常であれば第2の映像のスケーリング処理を実行する分の機能を、第2の映像生成ユニットにおける他の処理にまわすことができる。
【0017】
これにより、ユーザは、表示部に第1の映像と同時に表示されている第2の映像を視聴しつつ、第2の映像生成ユニットに対する処理を快適に実行することができる効果を奏する。
【0018】
また、スケーリング処理を第1の映像生成ユニットのみで実行することにより、スケーリング処理が2段階で行なわれることによる画質の劣化を防止すると共に、画面情報の欠落を最小限に抑えることができる。
【0019】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記表示用映像生成手段は、上記第1の映像および上記第2の映像を、上記サイズ指定情報により指定される表示サイズに応じて、上記表示用映像上において互いに重ならない表示サイズにスケーリング処理することが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、第1の映像生成ユニットは、表示用映像において、第1の映像と第2の映像とが重ならないように、第1の映像の表示サイズを縮小する。
【0021】
これにより、表示部において第1の映像と第2の映像とを同時に表示する際に、それぞれの映像が重なってしまうことを避けることができる。すなわち、ユーザが第1の映像と第2の映像とを、同時に、かつ、全て視聴することができる。
【0022】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記位置情報送信手段は、上記操作デバイスを介してユーザにより上記オブジェクトによって位置が指定されたことを示す信号を受け付けたとき、上記第2の映像生成ユニットに対して上記位置情報を送信することが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、第1の映像生成ユニットは、第2の映像生成ユニットにより操作デバイスを介してユーザによりオブジェクトによって位置が指定されたことを示す信号を受け付けたとき、位置情報を送信する。
【0024】
これにより、例えば、操作入力デバイスから誤って位置の変更を示す信号が送信されるのを防ぐことができる。
【0025】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記位置情報送信手段は、上記オブジェクトが上記第2の映像上の任意の位置に一定時間位置づけられているとき、上記位置情報を送信することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、第1の映像生成ユニットは、第2の映像上にオブジェクトが一定時間位置づけられているとき、当該オブジェクトが指定する位置を位置情報として第2の映像生成ユニットに対して送信する。
【0027】
これにより、例えば、情報入力デバイスを用いて第2の映像生成ユニットのアプリケーションを実行するなど他の動作と、表示用映像におけるレイアウトを変更するときの動作とを区別し、誤ってレイアウトを変更してしまうことを防ぐことができる。
【0028】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記表示関連情報は、上記第1の映像の一部として生成されるウィンドウの表示位置および表示サイズを指定するウィンドウ配置情報をさらに含み、
上記位置情報送信手段は、上記第2の映像生成ユニットに対して、上記オブジェクトによって指定されるウィンドウ上の任意の位置を位置情報として送信し、
上記表示用映像生成手段は、表示関連情報取得手段において受信した上記表示関連情報に含まれる上記ウィンドウ配置情報より示される上記ウィンドウの表示位置および表示サイズに基づいて、上記第2の映像を上記ウィンドウ内に配置した表示用映像を生成することが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、第1の映像生成ユニットにおいてオブジェクトは第1の映像の一部として生成されるウィンドウ上の任意の位置を指定し、この位置を示す位置情報を第2の映像生成ユニットに対して送信する。第2の映像生成ユニットは、受信した位置情報に基づいて、ウィンドウの表示位置および表示サイズを示すウィンドウ配置情報を含む表示関連情報を生成する。
【0030】
これにより、第1の映像の一部として生成されたウィンドウに第2の映像を配置させる場合、ウィンドウの表示位置および表示サイズを変更することにより、第2の映像の表示位置および表示サイズを自由に変更させることができる。
【0031】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記第1の映像生成ユニットは、放送波、通信ネットワーク、外部記憶装置、内部記憶装置、および記録メディアの少なくともいずれかを通じて、上記第1の映像を取得する第1の映像取得手段をさらに備えていることが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、映像表示装置は、仮に第2の映像生成ユニットが故障して動作しなくなった場合でも、様々なコンテンツを再生できる。
【0033】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記第1の映像生成ユニットは、アンテナを通じて放送波を受信する放送波受信手段をさらに備えており、
上記第1の映像は、上記放送波受信手段において受信した放送波をデコードすることにより生成されることが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、第1の映像生成ユニットが放送番組を第1の映像として表示部に表示することができる。結果として、本発明に係る映像表示装置を、テレビジョン受像機の一種として実現することができる。
【0035】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記第2の映像生成ユニットは、アプリケーションを実行する実行手段を備えており、
上記第2の映像は、上記実行手段においてアプリケーションを実行する際に生成されることが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、第2の映像生成ユニットが汎用コンピュータとしても機能を有する。結果として、本発明に係る映像表示装置を、コンピュータ機能を有する装置として実現することができる。特に、第1の映像生成ユニットが放送番組の表示機能を有する場合、本発明に係る映像表示装置は、コンピュータ内蔵テレビジョン受像機として実現することができる。
【0037】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記第2の映像生成ユニットは、上記第1の映像生成ユニットから着脱可能であることが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、映像表示装置の拡張性および保守性をより高めることができる。
【0039】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記第2の映像生成ユニットは、上記第1の映像生成ユニットの筐体本体に内蔵されていることが好ましい。
【0040】
上記の構成によれば、第2の映像生成ユニットを外部環境から守ることができる。
【0041】
本発明に係る映像表示装置では、さらに、
上記表示部は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイまたはEL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイであることが好ましい。
【0042】
上記の構成によれば、第1の映像生成ユニットにおいて生成された合成コンテンツを多種多様なディスプレイに表示できる。
【0043】
本発明に係る映像表示方法は、上記の課題を解決するために、
第1の映像を生成する第1の映像生成ユニットと、第2の映像を生成する第2の映像生成ユニットとを備えた映像表示装置における映像表示方法であって、
上記第1の映像生成ユニットから第2の映像生成ユニットに対して第2の映像の取得要求を送信する通信ステップと、
上記通信ステップにおいて上記第1の映像生成ユニットから送信した取得要求を受信した第2の映像生成ユニットから送信される第2の映像を、上記第1の映像生成ユニットが取得する映像取得ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、上記第2の映像生成ユニットから、上記第1の映像および上記第2の映像の表示レイアウトを指定するレイアウト情報を含む表示関連情報を取得する表示関連情報取得ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、当該第1の映像生成ユニットにおいて取得した第2の映像および自ユニットにおいて生成した第1の映像を含む表示用映像を、上記表示関連情報に基づいて生成する表示用映像生成ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、生成した表示用映像を表示部に表示する表示制御ステップと、
上記第1の映像生成ユニットにおいて、上記第2の映像上の任意の位置を指定するオブジェクトを表示するオブジェクト表示ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、上記第2の映像生成ユニットにおいて操作デバイスを用いてユーザにより入力された、上記オブジェクトによって指定される位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、上記第2の映像生成ユニットに対して上記位置情報を送信する位置情報送信ステップと、
上記第2の映像生成ユニットにおいて、上記位置情報送信手段から送信された上記位置情報を受信し、当該位置情報に基づいて上記表示関連情報を生成する表示関連情報生成ステップと、
上記第2の映像生成ユニットが、生成した上記表示関連情報を上記第1の映像生成ユニットへ送信する送信ステップとを含むことを特徴としている。
【0044】
上記の構成によれば、第1の映像生成ユニットにおいて表示される第1の映像および第2の映像のレイアウトを変更するとき、第2の映像生成ユニットにおいて操作デバイスを用いてユーザにより入力されるオブジェクトの位置の変更に基づいて行なう。これにより、ユーザは情報入力デバイスを用いてオブジェクトによって指定される位置を変更するのみで、表示用映像における第1の映像および第2の映像のレイアウトを容易に変更することができる。
【0045】
なお、上記映像表示装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記映像表示装置をコンピュータにおいて実現するプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0046】
本発明に係る映像表示装置では、第1の映像生成ユニットが、第2の映像生成ユニットから第1の映像および第2の映像の表示レイアウトを指定するレイアウト情報を含む表示関連情報を取得すると共に、第1の映像および第2の映像を含む表示用映像を、上記表示関連情報に基づいて生成し、第2の映像生成ユニットが、第2の映像上に表示されるオブジェクトによって指定される位置に基づいて当該表示関連情報を作成し、かつ、第2の映像生成ユニットにおいて操作デバイスを用いてユーザによりオブジェクトによって指定される位置が入力されるので、両ユニットのそれぞれにおいて生成した映像を単一の表示装置に同時表示させると共に、ユーザビリティーを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビの要部構成を示すブロック図である。
【図2】図2の(a)は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビを表示画面側から見た場合の外観を示す図であり、図2の(b)は、PC内蔵テレビを上から見た場合の外観を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビの詳細な内部構成を示すブロック図である。
【図4】操作装置(キーボードまたはマウス)を使用して表示レイアウトを変更する際の信号伝達の流れを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビにおいて、TV映像およびPC映像が重ならないように表示するときの、両映像の表示サイズを変更する場合の例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビにおいて、TV映像およびPC映像が重ならないように表示するときの、両映像の表示サイズを変更する場合の他の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビにおいて、TV映像の一部として表示されるウィンドウにPC映像を配置させるときの、ウィンドウの表示サイズを変更する場合の例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビにおいて、TV映像にPC映像を重畳表示させるときの、PC映像の表示サイズを変更する場合の他の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビにおいて、TV映像にPC映像を重畳表示させるときの、PC映像の表示位置を移動させる場合の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビにおいて、TV映像をPC映像におけるウィンドウに重ならないように表示する場合に、PC映像のウィンドウの表示サイズを変更する場合の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビにおいて、TV映像をPC映像におけるウィンドウに重ならないように表示する場合に、PC映像のウィンドウの表示サイズを変更する場合の他の例を示す図である。
【図12】図12の(a)は、着脱可能なPCユニットがTVユニットに装着された後のPC内蔵テレビを表示画面側から見た場合の外観を示す図であり、図12の(b)は、着脱可能なPCユニットがTVユニットに装着される前のPC内蔵テレビを背面側から見た場合の外観を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビの要部構成を示すブロック図である。
【図14】着脱可能なBDユニットがTVユニットに装着された後のBD内蔵テレビの外観例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明に係る映像表示装置の一実施形態について、図1〜14を参照して以下に説明する。
【0049】
〔第1の実施形態〕
(PC内蔵テレビ1の外観)
まず、PC内蔵テレビ(映像表示装置)1の外観について図2を参照して以下に説明する。図2の(a)は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビ1を表示画面側から見た場合の外観を示す図であり、図2の(b)は、PC内蔵テレビ1を横(PCユニット20の設置側)から見た場合の外観を示す図である。
【0050】
図2の(a)および(b)に示すように、PC内蔵テレビ1は、TVユニット10(第1の映像生成ユニット)にPCユニット20(第2の映像生成ユニット)が設けられた構成の装置である。本実施形態のTVユニット10は、液晶テレビジョン装置としての構成および機能を備えたサブユニット(サブシステム)である。一方、PCユニット20はいわゆるパーソナルコンピュータとしての構成および機能を備えたサブユニット(サブシステム)である。両者が一体化されて一つのPC内蔵テレビ1を構成する。さらに両者は互いに連携して動作することによって、ユーザに対し、これまでにない充実したコンテンツ再生(視聴、閲覧)体験を提供する。
【0051】
ユーザはリモコン9を使用してPC内蔵テレビ1を操作する。リモコン9さえあれば、TVユニット10を操作して放送番組を視聴することができる。さらに、同じリモコン9を使用することによって、PCユニット20を操作して各種のソフトウェアアプリケーションを実行したり、インターネット上のウェブサイトにアクセスしてウェブページを閲覧したりすることができる。
【0052】
なお、図2の(a)および(b)では、PCユニット20がTVユニット10外壁面に取り付けられている場合を示しているが、PCユニット20がTVユニット10の筐体本体に内蔵されていてもよい。この場合、PCユニット20はTVユニット10の内部に完全に隠されている。したがって、PCユニット20を外部環境から守ることができる。なお、ユーザは、PCユニット20をTVユニット10の内部から取り出して、別のPCユニット20に交換することができる。
【0053】
(PC内蔵テレビ1の要部構成)
PC内蔵テレビ1の内部構成および機能について、図1を参照して以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビ1の要部構成を示すブロック図である。
【0054】
図1に示すように、PC内蔵テレビ1のTVユニット10は、映像出力部(表示制御手段)11、音声出力部12、オブジェクト表示部(オブジェクト表示手段、オブジェクト移動手段)13、コンテンツ合成部(表示用映像生成手段)14、コンテンツ取得部15、コンテンツ受信部(映像取得手段)16、ユーザ入力部17、制御情報通信部(通信手段、表示関連情報取得手段)18、制御部19、位置情報送信部(位置情報送信手段)29を備えている。一方、PCユニット20は、コンテンツ処理部21、コンテンツ取得部22、コンテンツ送信部23、記憶部24、制御情報通信部(表示関連情報送信手段)25、ユーザ入力部26、制御部27、アプリケーション実行部28、位置情報受信部30および表示関連情報生成部(表示関連情報生成手段)31を備えている。
【0055】
PC内蔵テレビ1は、映像の合成機能を有している。具体的には、TVユニット10は、放送波(テレビ放送)を受信してデコードすることによって、放送番組を取得する。PCユニット20は、ウェブページ、動画コンテンツなどのPCコンテンツを取得してTVユニット10に提供する。TVユニット10は、少なくとも放送番組内の映像(以下、TV映像とも称する)およびPCコンテンツ内の映像(以下、PC映像とも称する)を合成して一つの表示用映像を生成し、ディスプレイ2に出力する。ディスプレイ2には表示用映像が表示される。
【0056】
また、PC内蔵テレビ1では、表示された表示用映像におけるTV映像およびPC映像の表示サイズまたは表示位置などの表示レイアウトを、PCユニット20に操作信号を入力する操作デバイスを用いて容易に変更することができる。具体的には、ユーザが例えばマウス5などのポインティングデバイスを用いてPC映像上の任意の位置を指定することにより、TV映像またはPC映像の表示サイズまたは表示レイアウトが変更される。これにより、ユーザが自らの動作を視覚的に認識しながらTV映像およびPC映像の表示サイズまたは表示位置などを変更することができるので、観念的に分かり易く、ユーザビリティーの向上に繋がる。
【0057】
操作デバイスとしては、第2の映像上の任意の位置を指定することができるものであればよく、例えば、マウス、レーザーポインタ、ゲームパッド、ジョイスティック、ペンタブレットおよびタッチパネルなどのポインティングデバイスを挙げることができる。なお、本実施形態のPC内蔵テレビ1における表示レイアウトの変更の詳細については後述する。
【0058】
ディスプレイ2は、PC映像、TV映像およびそれらの映像を含む表示用映像を表示することができるものであれば、いかなるディスプレイであってもよい。ディスプレイ2の一例としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、および有機ELディスプレイを挙げることができる。このように、PC内蔵テレビ1では、PCユニット10において生成された合成コンテンツ(表示用映像)を多種多様なディスプレイに表示できる。
【0059】
(TVユニット10の詳細)
TVユニット10に備えられる各ブロックの機能について、それぞれ以下に説明する。
【0060】
映像出力部11は、コンテンツ合成部14から送られた映像信号をディスプレイ2に出力する。
【0061】
音声出力部12は、コンテンツ合成部14から送られた音声信号をスピーカ3に出力する。
【0062】
オブジェクト表示部13は、PC映像上の任意の位置を指定するオブジェクトを表示する。また、制御情報通信部18において、例えばマウス5などを用いてユーザによりオブジェクトの位置を変更する信号を受信すると、当該信号に基づいてオブジェクトの表示位置を移動させる。
【0063】
コンテンツ合成部14は、コンテンツ取得部15から入力された放送番組(TV映像)、および、コンテンツ受信部16がPCユニット20から受信したPCコンテンツ(PC映像)を合成して、一つの合成コンテンツ(表示用映像)を生成する。コンテンツ合成部14では、表示用映像において、TV映像が所定の表示位置に、所定の表示サイズで表示されるようにTV映像を処理する。また、表示用映像において、PC映像が所定の表示位置に、所定の表示サイズで表示されるようにPC映像を処理する。これらの処理は、制御情報通信部18がPCユニット20から受信した表示関連情報に基づいて行なえばよい。
【0064】
コンテンツ取得部15は、アンテナ4を通じて放送波を受信し、コンテンツを処理する。本実施形態では、受信された放送波をデコードして放送番組を生成し、コンテンツ合成部14に出力する。なお、放送波の受信方法はアンテナ4を通じたものに限定されない。コンテンツ取得部15は、ケーブルテレビ放送網を通じて放送波を受信することもできる。他にも、インターネット8を通じてIP放送データ(IP放送波)を受信することもできる。
【0065】
また、コンテンツ取得部15に入力される映像としては、放送などリアルタイムの映像に限定されるものではない。他にも、録画再生機器(レコーダ装置)などにより再生されるコンテンツなどのHDMIケーブルまたはビデオケーブルなどを介して入力される外部入力映像を使用することもできる。
【0066】
コンテンツ受信部16は、PCユニット20から送信されたPCコンテンツを受信し、コンテンツ合成部14に出力する。
【0067】
ユーザ入力部17は、ユーザによるPC内蔵テレビ1に対する入力操作を受け付ける。具体的には、ユーザによるTVユニット10に対する入力操作を受け付ける。例えば、ユーザによる入力操作に応じてリモコン9が発した信号を受信し、制御部19に出力する。他にも、TVユニット10本体へのユーザの直接操作によって発せられた信号を受信することもできる。
【0068】
制御情報通信部18は、PCユニット20と制御情報をやり取りする。具体的には、制御情報をPCユニット20の制御情報通信部25に送信したり、あるいは、制御情報通信部25から送信された制御情報を受信したりする。
【0069】
ここで、制御情報には、例えば、PCユニット20またはTVユニット10を操作するための操作情報が含まれる。他にも、TVユニット10からPCユニット20に対して送信される制御情報としては、表示用映像に含まれるPC映像の取得を要求する取得要求を挙げることができる。また、PCユニット20からTVユニット10に対して送信される制御情報としては、表示用映像に含まれるTV映像およびPC映像の表示サイズを指定するサイズ指定情報、および表示用映像におけるPC映像の表示位置を指定する位置指定情報などのレイアウト情報を含む表示関連情報、ならびにユーザにより入力されるオブジェクトの位置の変更情報を挙げることができる。
【0070】
制御部19は、TVユニット10を構成する各ブロックを統括制御する。
【0071】
位置情報送信部29は、PCユニット20に対してオブジェクトによって指定される位置を位置情報として送信する。
【0072】
(PCユニット20の詳細)
PCユニット20を構成する各ブロックの機能について、以下に説明する。
【0073】
コンテンツ処理部21は、コンテンツ取得部22が取得したPCコンテンツを処理する。コンテンツ取得部22は、外部からPCコンテンツを取得する。例えば、コンテンツ取得部22は、記録ディスク7からPCコンテンツを取得してもよいし、インターネット(通信ネットワーク)8を介してPC内蔵テレビ1に接続されているサーバ装置あるいはクライアント装置からPCコンテンツを取得してもよい。
【0074】
ここで、PCコンテンツとは、コンピュータによって処理され再生可能なコンテンツのことである。PCコンテンツには、例えばテキスト、静止画像、音声または動画像などのコンテンツが該当し、さらにこれらの組み合わせからなるマルチメディアコンテンツも該当する。他にも、ウェブページもPCコンテンツに含まれる。これらのPCコンテンツは各所から取得できる。取得先としては、インターネット8上のウェブサイト、PC内蔵テレビ1に接続された外部装置、および記録ディスク7を挙げることができる。
【0075】
コンテンツ送信部23は、コンテンツ処理部21が処理したコンテンツをコンテンツ受信部16へ送信する。コンテンツ送信部23は、PCユニット20において生成したPC映像を送信する映像送信手段と換言することもできる。
【0076】
記憶部24は、各種のPCコンテンツを記憶する。例えば、ハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置として実現される。記憶部24には、PCコンテンツに加えて、アプリケーション実行部28によって実行される各種のソフトウェアアプリケーションが記憶されている。
【0077】
制御情報通信部25は、制御情報通信部18と制御情報のやり取りをする。具体的には、制御情報をTVユニット10の制御情報通信部18に送信したり、あるいは、制御情報通信部18から送信された制御情報を受信したりする。PCユニット20からTVユニット10に対して送信される制御情報としては、表示用映像に含まれるTV映像およびPC映像の表示サイズを指定するサイズ指定情報、ならびに、表示用映像におけるPC映像の表示位置を指定する位置指定情報などのレイアウト情報、コンテンツ取得部22においてコンテンツを取得中であることを示すデータ取得情報、PCユニット20が起動中であることを示す状況情報などを含む表示関連情報を挙げることができる。
【0078】
制御情報通信部18は、表示関連情報をTVユニット10に対して送信する送信手段であると換言することもできる。
【0079】
ユーザ入力部26は、ユーザによるPC内蔵テレビ1に対する入力操作を受け付ける。具体的には、ユーザによるPCユニット20に対する入力操作を受け付けており、ユーザによる入力操作に応じて操作装置(本実施形態ではマウス5およびキーボード6)が発した信号を受信し、制御部27に出力する。当該操作装置の他の例として、トラックボールおよびトラックパッドなどのポインティングデバイス、ならびにジョイスティックも含まれる。
【0080】
制御部27は、PCユニット20における動作全般を制御する。
【0081】
アプリケーション実行部28は、記憶部24に記憶されているソフトウェアアプリケーションを読み出して実行する。
【0082】
位置情報受信部30は、TVユニット10から送信された位置情報を受信し、表示関連情報生成部31に出力する。
【0083】
表示関連情報生成部31は、位置情報受信部30が受信した位置情報に基づいて表示関連情報を生成し、制御情報通信部25に出力する。
【0084】
(PC内蔵テレビ1の詳細な内部構成)
次に、PC内蔵テレビ1の詳細な内部構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るPC内蔵テレビ1の詳細な内部構成を示すブロック図である。図1に示す各機能ブロックは、図3に示す各ブロックのいずれかまたはその組み合わせによって実現される。
【0085】
RF(Radio Frequency)受信部101は、外部から送られてくる信号を受信する。すなわち、RF受信部101は、例えば、地上波デジタル放送により伝送される映像信号などのデジタル放送信号を受け付ける映像信号入力部である。なお、RF部101が受信する信号は、地上波デジタル放送波として送られてくる信号に限定されるものではなく、例えば、一般のアナログ放送、衛星放送、またはケーブルテレビ放送により伝送される映像信号であってもよい。
【0086】
RF受信部101が受信する映像信号の形式としては、例えば、デジタル放送の場合はMPEG2またはMPEG4形式でデジタル化された映像信号を挙げることができる。また、RF受信部101に入力される信号は、上記の映像信号に限定されるものではなく、例えば、デジタル化されたオーディオ信号、データ放送、電子番組表情報またはネットワーク情報などのデジタル放送信号(放送波)であってもよい。
【0087】
デモジュレータ102は、RF受信部101に入力されたデジタル放送信号を復調し、デコーダ103に送る。
【0088】
デコーダ103は、例えばMPEG2TSなどの復調された信号を、ビデオ成分(信号)とオーディオ成分(信号)とに分解する。また、デコーダ103は、分解した信号のうちビデオ信号をデコードし、オーディオ信号をオーディオプロセッサ104に送る。このとき、オーディオ信号に付随するデータは、CPU109に送られ、そこで処理される。
【0089】
オーディオプロセッサ104は、デコーダ103から受け取ったオーディオ信号をデコードする。なお、オーディオ信号には多数のフォーマットがあるため、通常、オーディオ信号のデコード処理はオーディオプロセッサ104にて行なう。しかしながら、これに限定されるものではなく、デコーダ103またはCPU109において、オーディオ信号をデコードしてもよい。処理されたオーディオ信号は、スピーカ105に送られる。
【0090】
スピーカ105は、オーディオプロセッサ104においてデコードされたオーディオ信号を出力する。なお、本実施形態では、表示部112およびスピーカ105を備えたテレビの形態を示すが、これに限定されるものではなく、例えば、BD(Blu−Ray)レコーダまたはSTB(Set Top Box)などの場合、スピーカ105の代わりに、外部機器にオーディオ信号を出力してもよい。
【0091】
リモコン通信部106は、図示しないリモコンからの制御信号を受信する。制御信号を送信するリモコンとしては、例えば、1方向に信号を送信する赤外線リモコン、または双方向に信号を送信する無線リモコンが挙げられる。リモコン通信部106が受信した制御信号は、CPU109に送られる。
【0092】
外部入力部107は、PCユニット20の映像出力部208から出力された信号を受信する。外部入力部107としては、例えば、HDMIインターフェースまたはDVI−D端子などが挙げられる。また、外部入力部107が受信する信号は、デコードされたデータまたは圧縮形式のデータ(例えば、MEPG2またはMPEG4形式のデータなど)を含む。
【0093】
外部入力部107が受信したオーディオ信号は、オーディオプロセッサ104に出力される。一方、外部入力部107が受信した映像信号は、グラフィックメモリ110に出力され、展開される。また、例えば、外部入力部107が受信した映像信号が圧縮画像であった場合、受信した映像信号は、デコーダ103をいったん経由してグラフィックメモリ110に送られる。なお、デコーダ103を経由するか否かによって、グラフィックメモリ110に出力される映像信号に本質的な差異は生じない。
【0094】
メモリ108は、プログラムまたはデータを格納するメモリである。
【0095】
CPU109は、TVユニット10全体の制御を行なうCPUである。
【0096】
グラフィックメモリ110は、2つ以上の映像および表示データを保持する。表示データとしては、例えば、データ放送、OSD(オンスクリーンディスプレイ)データ、および設定メニューなどのデータが挙げられる。グラフィックメモリ110は、複数のプレーンからなり、それぞれのプレーンを重ね合わせたり、アルファブレンディングを行なったりすることが可能である。
【0097】
グラフィックコントローラ111は、グラフィックメモリ110に保持される映像および表示データを合成し、1画面を作成する。すなわち、グラフィックコントローラ111は、CPU109からの制御に応じて、例えば、複数のプレーンの拡大縮小または位置設定などを行ない、合成して最終画面を作り出す。この最終画面は、表示部112へ送られる。なお、グラフィックメモリ110およびグラフィックコントローラ111は、図1に示したコンテンツ合成部14に相当する。
【0098】
表示部112は、グラフィックコントローラ111から受け取った映像を表示する。例えば液晶パネルなどの表示デバイスに映像を表示してもよいし、外部機器に映像データを出力してもよい。
【0099】
LAN(Local Area Network)コントローラ113は、ネットワークを通じて外部機器と接続する。LANコントローラ113は、DLNA(Digital Living Network Alliance)などのホームネットワーク規格によって他の機器と接続しても、インターネットを通じて映像サービスと接続してもよい。また、外部機器との接続は、有線または無線のどちらでもよい。なお、LANコントローラ113から取得された映像信号は、特に限定されないが、RF受信部101を通じて取得された映像信号と同様に扱うことが好ましい。
【0100】
I/F部114は、LAN、USBまたはシリアルなどを制御するインターフェース部である。I/F部114では、静止画などを含む制御情報をPCユニット20とやり取りする。なお、I/F部114における制御情報の送受信方式は、特に限定されない。
【0101】
電源部115は、TVユニット10における電源回路である。また、電源部204は、PCユニット20における電源回路である。これらの電源部115,204は、共通の電源150から電力の供給を受ける。この際、1つのACプラグによって電力の供給を受けることが望ましい。
【0102】
入力部201は、外部からの入力を受け付ける。このように、PCユニット20は、独自の入力部が存在し得る。入力部201としては、例えば、Bluetoothのワイヤレスキーボードまたはワイヤレスマウスなどを利用できることが好ましい。
【0103】
IOプロセッサ202は、各種外部インターフェースを制御する。
【0104】
LANコントローラ203は、IPネットワークと接続する。なお、LANコントローラ113とLANコントローラ203とは、互いに1つのIPアドレスを共用することが好ましい。また、TVユニット10およびPCユニット20において、それぞれ個別のLANコントローラ113,203を備えている場合、PC内蔵のテレビ1の内部においてブリッジ機能を有することが好ましい。これにより、例えば、有線LANを接続する場合に、1つのLANケーブルを挿すだけで、TVユニット10およびPCユニット20を同時にネットワークに接続させることができる。
【0105】
メモリ205は、各種制御を行なうCPU206のメモリである。
【0106】
CPU206は、PCユニット20に含まれる各ブロックを統括的に制御する。例えば、圧縮されたPCコンテンツをソフトウェア的にデコードして、元のサイズのPCコンテンツに変換する。本実施形態において、PCユニット20は、TVユニット10におけるデコーダ103のようなハードウェアを備えていない。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、PCユニット20がデコーダ103のようなハードウェアを備えていてもよい。
【0107】
グラフィックコントローラ207は、映像描画時のグラフィック処理を高速化する。
【0108】
映像出力部208は、グラフィックコントローラ207によって処理された映像信号を出力する。出力される映像信号の形式としては、例えばHDMI規格のインターフェースを介して出力可能な形式などを挙げることができる。なお、オーディオ信号も映像信号と同様に、TVユニット10に出力される。
【0109】
記憶部209は、インターネット8または記録ディスク7を通じて取得されたPCコンテンツを恒久的に記憶する。記憶部209としては、例えば、ハードディスク、BD(Blu−ray Disc)、DVD(Digital Video Disc)またはUSB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。CPU206は、ネットワークを経由して取得した映像、または記憶部209に記憶されている映像を再生し、TVユニット10に送信する。
【0110】
ここで、映像とは、動画に限定されるものではなく、音楽、書籍(テキスト)、写真(静止画像)、スライドショー、ワープロドキュメント、またはゲームなどのアプリケーションが作成する画面が挙げられる。
【0111】
(合成映像の生成の詳細)
続いて、本実施形態に係るPC内蔵テレビ1においてTV映像とPC映像とを含む表示用映像(合成映像)を生成する処理の詳細について以下に説明する。
【0112】
まず、ユーザがリモコン9またはPC内蔵テレビ1に設けられた所定のボタンを押下すると、PC内蔵テレビ1は、表示モードをTVユニット10において処理されるTV映像と、PCユニット20において処理されるPC映像とをディスプレイ2に同時表示するモード(同時表示モードと称する)に変更する。
【0113】
PC内蔵テレビ1における表示モードが同時表示モードに変更されると、PCユニット10における制御部19は、制御情報通信部18に対して、PCユニット20において処理されているPC映像、ならびに当該PC映像およびTV映像の表示サイズを指定するサイズ指定情報を含む表示関連情報の取得要求をPCユニット20に出力するように指示する。指示を受けた制御情報通信部18は、PC映像および表示関連情報の取得要求をPCユニット20に対して出力する。
【0114】
PCユニット20の制御情報通信部25がTVユニット10から出力された取得要求を受け付けると、制御部27は、コンテンツ送信部23に対して、コンテンツ処理部21において処理したPC映像をTVユニット10に出力するように指示する。指示を受けたコンテンツ送信部23は、PC映像をTVユニット10に対して出力する。
【0115】
同時に、制御部27は、制御情報通信部25に対して、PC映像およびTV映像の表示サイズを指定するサイズ指定情報をTVユニット10に出力するように指示する。指示を受けた制御情報通信部25は、サイズ指定情報をTVユニット10に対して出力する。
【0116】
TVユニット10のコンテンツ受信部16がPC映像を取得し、制御情報通信部18がサイズ指定情報を受け付けると、制御部19は、取得したPC映像とコンテンツ取得部15において処理したTV映像とをサイズ指定情報に基づいてスケーリングして合成し、表示用映像を生成するようにコンテンツ合成部14に指示する。指示を受けたコンテンツ合成部14は、取得したPC映像およびTV映像の表示サイズをサイズ指定情報に基づいて縮小処理した合成用映像を生成し、生成した合成用映像をTV映像に合成する。これによって、コンテンツ合成部14においてディスプレイ2に表示する表示用映像が生成される。
【0117】
このとき、表示用映像におけるTV映像およびPC映像の表示位置は、TVユニット10において予め設定された位置にすればよい。例えば、生成した合成用映像の任意の頂点(例えば、矩形であれば左上の頂点)を配置するディスプレイ上の位置座標を設定しておけばよい。もちろん、サイズ指定情報と共に、ディスプレイ2におけるTV映像およびPC映像の表示位置を指定する位置指定情報をTVユニット10に対して出力するようにしてもよい。
【0118】
コンテンツ合成部14における表示用映像の生成をより具体的に説明すると、グラフィックコントローラ111が、グラフィックメモリ110を利用してTV映像を表すデータを書き込んだ第1のプレーンと、PC映像を表すデータを書き込んだ第2のプレーンとを合成することにより表示用映像を生成する。このとき、TV映像を表すデータは、サイズ指定情報により指定される表示サイズとなるように第1のプレーンに書き込まれ、PC映像を表すデータは、サイズ指定情報により指定される表示サイズとなるように第2のプレーンに書き込まれる。
【0119】
最後に、コンテンツ合成部14において生成された表示用映像は、映像出力部11を介してディスプレイ2に出力される。これにより、ディスプレイ2には、TV映像およびPC映像の二画面の映像が表示されることになる。
【0120】
ここで、サイズ指定情報において指定されるTV映像およびPC映像の表示サイズは、予め定められたサイズであってもよいし、マウス5など(すなわち、PC内蔵テレビ1に接続された、あるいは設けられた操作デバイス)を介してユーザにより設定されるサイズであってもよい。
【0121】
このように、PC内蔵テレビ1は、2つの異なるユニット間の親和性を高め、TVユニット10を操作することにより両者を連携して動作させ、両ユニットのそれぞれにおいて生成した映像をディスプレイ2に同時表示させることができる。
【0122】
(表示用映像におけるTV映像およびPC映像のレイアウト変更)
ディスプレイ2に表示されるTV映像およびPC映像の表示位置および表示サイズは、PCユニット20の備える操作デバイス(例えば、マウス5)を介したユーザの設定により適宜変更することができる。図4は、操作デバイス(マウス5など)を使用して表示レイアウトを変更する際の信号伝達の流れを示す図である。
【0123】
マウス5を用いてTV映像およびPC映像の表示位置および表示サイズを変更する場合、ユーザの入力に応じてマウス5が発信する信号(操作信号)は、ユーザ入力部26を経由して制御部27に入力される(ステップS1)。制御部27は、操作信号を解析することによって、PCユニット20を操作するための信号か、または表示用映像における表示レイアウトを変更するための信号なのかを判定する。前者だと判定した場合には、操作信号の内容に応じて、PCユニット20内の各ブロックを制御する。これらの処理の結果、ユーザはマウス5などを使用してPCユニット20を操作できる。
【0124】
一方、制御部27は、操作信号が表示用映像における表示レイアウトを変更するための信号だと判定した場合には、操作信号の内容に応じてレイアウト情報に変換(生成)し(ステップS2)、制御情報通信部25を通じてTVユニット10に送信する(ステップS3)。当該レイアウト情報は制御情報通信部18を経由してTVユニット10の制御部19に入力される。制御部19は、入力されたレイアウト情報に基づき、コンテンツ合成部14が変更されたレイアウトにて表示用映像を合成するように制御する(ステップS4)。映像出力部11は、コンテンツ合成部14にて合成された表示用映像をディスプレイ2に表示する(ステップS5)。これにより、TV映像およびPC映像は、表示用映像においてレイアウト情報により指定される表示位置に、指定された表示サイズで表示されることになる。
【0125】
すなわち、PCユニット20側からの操作入力によりTV映像およびPC映像の表示位置または表示サイズが変更されるたびに、コンテンツ合成部14では新たな表示用映像を生成する。これによって、PCユニット20側からの操作入力に応じて、TV映像およびPC映像の表示位置および表示サイズを適宜変更することができる。
【0126】
例えば、図5の(a)に示すように、ディスプレイ2上にTV映像40およびPC映像41が同時に表示されているとき、まず、マウス5を操作してマウスポイント(オブジェクト)42をPC映像41の左端を指定し、マウス5をドラッグさせてマウスポイント42を左方向に移動させていく(図5の(b),(c))。図5は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビ1において、TV映像40およびPC映像41が重ならないように表示するときの、両映像の表示サイズを変更する場合の例を示す図である。これにより、PC映像42の表示サイズを拡大させると共に、TV映像41の表示サイズを縮小させることができる(図5の(d))。
【0127】
このように、ディスプレイ2では、PC映像41上を指定するマウスポイント42の位置をマウス5によって移動させることにより、PC映像41の表示サイズを変更すると共に、PC映像41の表示サイズに合わせてTV映像40が重ならないように表示することができる。すなわち、ユーザはマウス5を使用してPCユニット20側から操作することにより、表示用映像におけるTV映像40およびPC映像41の表示位置および表示サイズを変更することができる。これは、コンテンツ合成部14において、PC映像41が移動開始前のマウスポイント42の位置から所定のピクセル移動させた移動後のマウスポイント42の位置に到達するまでの間、表示用映像を生成するようにすればよい。
【0128】
レイアウト情報は、表示サイズを指定するサイズ指定情報を含むことが好ましいが、表示位置を指定する情報を含んでいてもよい。
【0129】
また、TVユニット10は、位置情報を連続的にPCユニット20に出力してもよいが、操作デバイスにおいてユーザにより位置が指定されたことを示す信号を受け付けたとき、PCユニット20に対して位置情報を送信することが好ましい。すなわち、PCユニット20は、レイアウト情報を含む表示関連情報を連続的にTVユニット10に出力してもよいが、操作デバイスを介してユーザにより位置の変更を示す信号を受け付けたときに、レイアウト情報を出力することが好ましい。これにより、例えば、マウス5を使用してPCユニット20のアプリケーションを実行するときなどに、誤ってレイアウトが変更されるのを防ぐことができる。
【0130】
なお、位置情報を送信するタイミングはこれに限定されるものではなく、他にも、TVユニット10は、マウスポイント(オブジェクト)42がPC映像41上の任意の位置に一定時間位置づけられているときに、位置情報を送信するようにしてもよい。
【0131】
このように、本実施形態のPC内蔵テレビ1では、ユーザがPCユニット20に対して情報が入力される操作デバイスを用いて表示用映像における表示レイアウトを変更することができる。つまり、TVユニット10が出力する表示用映像のレイアウト変更が、リモコン9ではなく、マウス5などの操作性の高いポインティングデバイスによって可能になる点は、ユーザにとってのメリットが大きい。リモコン9の操作に比べて、マウス5などのポインティングデバイスはディスプレイ2上の任意の点を自在に指定することが可能であり、視覚的に認識し易いからである。したがって、本実施形態のPC内蔵テレビ1を使用するユーザは、ディスプレイ2に同時に表示されるTV映像およびPC映像の表示レイアウトを容易に変更することができる。
【0132】
(レイアウト変更の他の例)
上述した表示用映像におけるレイアウト変更では、TV映像40を縮小させてPC映像41を拡大させる場合を例に挙げて説明しているのに対して、TV映像41を拡大させてPC映像41を縮小させてもよい。
【0133】
例えば、図6の(a)に示すように、ディスプレイ2上にTV映像40およびPC映像41が同時に表示されているとき、マウス5を操作してマウスポイント42によってPC映像41の右端を指定する。図6は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビ1において、TV映像40およびPC映像41が重ならないように表示するときの、両映像の表示サイズを変更する場合の他の例を示す図である。この状態からマウス5を右方向にドラッグさせてマウスポイント42を移動させていく(図6の(b),(c))。その結果、図6の(d)に示すように、PC映像42の表示サイズを縮小させると共に、TV映像41の表示サイズを拡大させることができる。
【0134】
なお、上述したレイアウトの変更例では、単にTV映像およびPC映像のサイズを変更するものであるが、これに限定されるものではなく、例えば表示用映像においてTV映像およびPC映像が配置されていない領域がある場合、PC映像の表示サイズを変更させずに表示位置を変更することもできる。この場合、オブジェクトによってPC映像上のいずれの位置を指定したときに表示サイズまたは表示位置が変更されるのかは、予め設定しておいてもよいし、その都度、操作デバイスを介して設定してもよい。
【0135】
(PC映像41のウィンドウ表示)
PC内蔵テレビ1では、図7に示すように、TV映像40の一部として表示されるウィンドウ43を表示用映像として生成し、当該ウィンドウ43内にPC映像41を配置させることができる。図7は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビにおいて、TV映像の一部として表示されるウィンドウ43にPC映像41を配置させるときの、ウィンドウ43の表示サイズを変更する場合の例を示す図である。
【0136】
TV映像40上の一部領域に示されるウィンドウ43を含む表示用映像を生成する場合には、PCユニット20からTVユニット10へ出力される表示関連情報に、ウィンドウ43の表示位置および表示サイズを指定するウィンドウ配置情報を含む。
【0137】
TVユニット10のコンテンツ合成部14は、PCユニット20から受け付けたウィンドウ配置情報により指定されるTV映像40上の一部領域にウィンドウ43を配置する。そして、配置されたウィンドウ43内にPC映像41を当てはめた表示用映像を生成する。生成した表示用映像をディスプレイ2に対して出力することにより、ディスプレイ2には図7の(a)に示すような映像が表示される。
【0138】
また、TV映像40上の一部領域にウィンドウ43を配置した表示用映像において、当該ウィンドウ43の表示位置または表示サイズを変更することができる。つまり、上述した表示用映像におけるTV映像40およびPC映像41のレイアウト変更と同様に、マウス5などの操作デバイスを操作してウィンドウ43の表示位置または表示サイズを変更することができる。
【0139】
例えば、図7の(a)に示すようにTV映像40上の一部領域に、PC映像41が嵌め込まれたウィンドウ43が表示されているとき、ウィンドウ43上の左上端をマウスポイント42により指定し、左上方へマウスポイント42が移動するようにマウス5をドラッグさせる。これにより、図7の(b)に示すようにウィンドウ43の表示サイズが拡大される。一方、ウィンドウ43の表示サイズを縮小させる場合には、例えば、図8の(a)に示すように、ウィンドウ43上の右下端をマウスポイント42により指定し、右下方へマウスポイント42が移動するようにマウス5をドラッグさせる(図8の(b))。これにより、図8の(c)に示すようにウィンドウ43の表示サイズが縮小される。
【0140】
また、TV映像40上においてウィンドウ43の表示位置を変更させる場合、例えば、図9の(a)に示すように、TV映像40上に配置されたウィンドウ43の上端をマウスポイント42により指定し、上方へマウスポイント42が移動するようにマウス5をドラッグさせることによりウィンドウ43が上方へ移動し(図9の(b))、図9の(c)に示すように、ウィンドウ43の下端をマウスポイント42により指定し、下方へマウスポイント42が移動するようにマウス5をドラッグさせることにより(図9の(d))、ウィンドウ43が下方へ移動する(図9の(e))。
【0141】
一方、図10に示すように、ディスプレイ2上にTV映像40およびウィンドウ43を重ならないように二画面表示させた場合に、両者の表示サイズを変更することもできる。図10は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビ1において、TV映像40をPC映像41におけるウィンドウ43に重ならないように表示する場合に、PC映像41のウィンドウ43の表示サイズを変更する場合の例を示す図である。
【0142】
つまり、まず、図10の(a)に示すように、ディスプレイ2上にTV映像40およびPC映像41が嵌めこまれたウィンドウ43が重ならないように表示されているとき、マウス5を操作してマウスポイント42によってウィンドウ43の左端を指定する。この状態からマウス5を左方向にドラッグさせてマウスポイント42を移動させていく(図10の(b),(c))。その結果、図10の(d)に示すように、ウィンドウ43の表示サイズを拡大させて、TV映像41の表示サイズを縮小させることができる。
【0143】
同様に、ウィンドウ43の表示サイズを縮小させて、TV映像41の表示サイズを拡大させる場合は図11に示すように行なえばよい。図11は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビ1において、TV映像40をPC映像41におけるウィンドウ43に重ならないように表示する場合に、PC映像41のウィンドウ43の表示サイズを変更する場合の他の例を示す図である。まず、図11の(a)に示すように、マウス5を操作してマウスポイント42によってウィンドウ43の右端を指定する。この状態からマウス5を右方向にドラッグさせてマウスポイント42を移動させていく(図11の(b),(c))。その結果、図11の(d)に示すように、ウィンドウ43の表示サイズを縮小させて、TV映像41の表示サイズを拡大させることができる。
【0144】
なお、ウィンドウ43の表示サイズおよび表示位置のいずれが変更されるかは、予めウィンドウ43において表示サイズが変更される領域または表示位置が変更される領域を指定しておいてもよいし、その都度、いずれが変更されるかを操作デバイスを介してユーザにより入力されてもよい。
【0145】
〔第2の実施形態〕
本発明に係る第の実施形態について、図12および図13を参照して以下に説明する。なお、上述した第1の実施形態と共通する各部材には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0146】
図12の(a)は、着脱可能なPCユニット20aがTVユニット10aに装着された後のPC内蔵テレビ1aを表示画面側から見た場合の外観を示す図であり、図12の(b)は、着脱可能なPCユニット20aがTVユニット10aに装着される前のPC内蔵テレビ1aを背面側から見た場合の外観を示す図である。
【0147】
この図に示すように、本実施形態のPC内蔵テレビ1aは、TVユニット10aおよびPCユニット20aによって構成されている。この点において、第1の実施形態に係るPC内蔵テレビ1と何ら変わりはない。しかし本実施形態のPC内蔵テレビ1aでは、PCユニット20aがPC内蔵テレビ1aから着脱可能である。したがって、PC内蔵テレビ1の拡張性および保守性を高めることができる。なお、装着を解除した後、TVユニット10aもPCユニット20aもそれぞれ単独で利用できる。
【0148】
PCユニット20aには、図12(a)に示すように、複数の外部端子150〜152が設けられている。具体的にはイーサネット(登録商標)端子150、USB端子151、および映像/音声入出力端子152である。また、図12(b)に示すように、PCユニット20aには、TVユニット10aと信号をやり取りするための外部端子153〜155も設けられている。具体的には、映像信号(HDMI信号を含むSDVO:Serial Digital Video OutPut)端子153、制御信号端子154、および電源端子155である。これらの端子があることによって、PCユニット20aとTVユニット10aとの間で、映像信号、制御信号、および電源信号を互いに送受信できる。なお、これらに加えて音声信号端子を設け、音声信号を互いに送受信することも当然に可能である。
【0149】
PCユニット20aは単体で動作可能であり、製品として成り立つ。回路および配線はPCユニット20aの内部に全て収められ、外部には一切むき出しにされていない。TVユニット10aも同様である。したがって両者の接続時に配線の手間が一切不要である。結果、ユーザは簡便な手順によってPCユニット20aをTVユニット10aに装着できる。すなわち、PCユニット20aをその装着位置にただ差し込めばよい。
【0150】
PC内蔵テレビ1aから外したPCユニット20aは、周辺機器に接続させることによって、様々な用途に活用できる。たとえば、モニタと接続可能なクレードルに、取り外したPCユニット20aを装着する。こうすれば、PCユニット20aをデスクトップコンピュータとして使用できる。なお、PCユニット20aとクレードルとを接続する端子としては、他にもイーサネット(登録商標)端子、およびシリアルポート端子を利用できる。
【0151】
(PC内蔵テレビ1aの要部構成)
図13は、本発明の一実施形態に係るPC内蔵テレビ1aの要部構成を示すブロック図である。この図に示すように、TVユニット10aのコンテンツ取得部15は、アンテナ4を通じての他、記録ディスク7からも、インターネット8を通じてからも、また外部機器(外部記憶装置・外部再生装置)160からも、再生対象のコンテンツを取得できる。すなわち、本実施形態のTVユニット10aが処理するコンテンツは、放送番組に限らず、たとえばテキスト、映像、音声、動画等のコンテンツも該当し、さらにこれらの組み合わせからなるマルチメディアコンテンツも該当する。他にも、ウェブページも含まれる。
【0152】
以上のように、PCユニット20aは周辺機器を活用した拡張性を有しており、従来の汎用コンピュータに比べて活用の幅が広い。また、仮にPCユニット20aをTVユニット10aから離脱させた状態でも、あるいはPCユニット20aが故障した場合でも、TVユニット10a単独で、放送番組および各種のコンテンツを外部から取得できる。
【0153】
〔第3の実施形態〕
本発明に係る第3の実施形態について、図14を参照して以下に説明する。なお、上述した第1および第2の実施形態と共通する各部材には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0154】
本実施形態では、本発明はBD内蔵テレビ1bとして実現される。ここで「BD」とはブルーレイ(登録商標)録画再生機器のことである。BD内蔵テレビ1bは、放送番組の再生および記録ディスク7への録画、ならびにブルーレイコンテンツの再生が可能な装置である。
【0155】
(BD内蔵テレビの外観例)
図14は、着脱可能なBDユニット20b(第2のユニット)がTVユニット10aに装着された後のBD内蔵テレビ1bの外観例を示す図である。BDユニット20bはブルーレイ録画再生装置としての構成および機能を有しており、それ単体でも動作するユニットである。本実施形態では、PCユニット20aの装着が可能なTVユニット10aに、BDユニット20bを装着して1つのBD内蔵テレビ1bを構成する。すなわち、TVユニット10aの装着スロットにはPCユニット20aもBDユニット20bもそれぞれが着脱式で装着可能になっている。また、これらのユニット以外にも、たとえばDVDレコーダとしての構成および機能を有するDVDユニットも、TVユニット10aに装着可能である。
【0156】
TVユニット10aは、装着されたBD内蔵テレビ1bと連携して動作する。したがって、ユーザはリモコン9を使用してTVユニット10aもBDユニット20bも操作できる。すなわち、放送番組の視聴、放送番組の記録ディスク7への録画、記録ディスク7に録画されたコンテンツの再生は、1つのリモコン9によっていずれも可能である。
【0157】
なお、BDユニット20bは、第1の実施形態に係るTVユニット10に支持される形で装着されることもできる。この場合、たとえばUSB2.0の規格に従った端子間での接続が可能である。
【0158】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、PC内蔵テレビ1を構成するTVユニット10およびPCユニット20に含まれる各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0159】
すなわちTVユニット10およびPCユニット20は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。この構成により、本発明の目的は、所定の記録媒体によっても、達成できる。
【0160】
この記録媒体は、上述した機能を実現するソフトウェアであるTVユニット10およびPCユニット20のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録していればよい。TVユニット10およびPCユニット20に、この記録媒体を供給する。これにより、コンピュータとしてのTVユニット10およびPCユニット20(またはCPUやMPU)が、供給された記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し、実行すればよい。
【0161】
プログラムコードをTVユニット10およびPCユニット20に供給する記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0162】
また、TVユニット10およびPCユニット20を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介してTVユニット10およびPCユニット20に供給する。この通信ネットワークはTVユニット10およびPCユニット20にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0163】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0164】
なお、PC内蔵テレビ1aを構成する各ブロックにおいても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明に係る映像表示装置は、PCユニットを内蔵したテレビジョン受像機として好適に利用することができる。より具体的には、PCユニットとTVユニットとが協働することにより、双方のユニットのそれぞれにおいて生成した映像を単一の表示装置に同時表示することができるテレビジョン受像機として好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0166】
1 PC内蔵テレビ(映像表示装置)
1a PC内蔵テレビ(映像表示装置)
2 ディスプレイ(表示部)
3 スピーカ
4 アンテナ
5 マウス(操作デバイス)
6 キーボード
7 記録ディスク
8 インターネット
9 リモコン
10 TVユニット(第1の映像生成ユニット)
10a TVユニット(第1の映像生成ユニット)
11 映像出力部(表示制御手段)
12 音声出力部
13 オブジェクト表示部(オブジェクト表示手段、オブジェクト移動手段)
14 コンテンツ合成部(表示用映像生成手段)
15 コンテンツ取得部
16 コンテンツ受信部(映像取得手段)
17 ユーザ入力部
18 制御情報通信部(通信手段、表示関連情報取得手段)
19 制御部
20 PCユニット(第2の映像生成ユニット)
20a PCユニット(第2の映像生成ユニット)
21 コンテンツ処理部
22 コンテンツ取得部(コンテンツ取得手段)
23 コンテンツ送信部(映像送信手段)
24 記憶部
25 制御情報通信部(表示関連情報送信手段)
26 ユーザ入力部
27 制御部
28 アプリケーション実行部(実行手段)
29 位置情報送信部(位置情報送信手段)
30 位置情報受信部
31 表示関連情報生成部(表示関連情報生成手段)




【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の映像を生成する第1の映像生成ユニットと、第2の映像を生成する第2の映像生成ユニットとを備えた映像表示装置であって、
上記第1の映像生成ユニットは、
上記第2の映像生成ユニットに対して上記第2の映像の取得要求を送信する通信手段と、
上記通信手段から送信された取得要求を受信した上記第2の映像生成ユニットから送信される上記第2の映像を取得する映像取得手段と、
上記第2の映像生成ユニットから、上記第1の映像および上記第2の映像の表示レイアウトを指定するレイアウト情報を含む表示関連情報を取得する表示関連情報取得手段と、
上記映像取得手段において取得した上記第2の映像および自ユニットにおいて生成した上記第1の映像を含む表示用映像を、上記表示関連情報に基づいて生成する表示用映像生成手段と、
上記生成手段において生成した上記表示用映像を表示部に表示する表示制御手段と、
上記第2の映像上の任意の位置を指定するオブジェクトを表示するオブジェクト表示手段と、
上記第2の映像生成ユニットにおいて操作デバイスを用いてユーザにより上記オブジェクトによって指定される位置を変更する信号を受信したとき、上記オブジェクトの表示位置を移動させるオブジェクト移動手段と、
上記第2の映像生成ユニットに対して、上記オブジェクトによって指定される位置を位置情報として送信する位置情報送信手段とを備え、
上記第2の映像生成ユニットは、
上記位置情報送信手段から送信された上記位置情報を受信し、当該位置情報に基づいて上記表示関連情報を生成する表示関連情報生成手段と、
生成した上記表示関連情報を上記第1の映像生成ユニットへ送信する表示関連情報送信手段とを備えていることを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
上記表示関連情報は、上記表示用映像における上記第1の映像および上記第2の映像の表示サイズを指定するサイズ指定情報を上記レイアウト情報として含み、
上記表示用映像生成手段は、自ユニットにおいて生成した上記第1の映像と、取得した上記第2の映像とを、上記通信手段において受信した上記表示関連情報に含まれるサイズ指定情報により指定される表示サイズにスケーリング処理し、スケーリング処理した上記第1の映像および上記第2の映像を合成することにより上記表示用映像を生成することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
上記表示用映像生成手段は、上記第1の映像および上記第2の映像を、上記サイズ指定情報により指定される表示サイズに応じて、上記表示用映像上において互いに重ならない表示サイズにスケーリング処理することを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
上記位置情報送信手段は、上記操作デバイスを介してユーザにより上記オブジェクトによって位置が指定されたことを示す信号を受け付けたとき、上記第2の映像生成ユニットに対して上記位置情報を送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項5】
上記位置情報送信手段は、上記オブジェクトが上記第2の映像上の任意の位置に一定時間位置づけられているとき、上記位置情報を送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項6】
上記表示関連情報は、上記第1の映像の一部として生成されるウィンドウの表示位置および表示サイズを指定するウィンドウ配置情報をさらに含み、
上記位置情報送信手段は、上記第2の映像生成ユニットに対して、上記オブジェクトによって指定されるウィンドウ上の任意の位置を位置情報として送信し、
上記表示用映像生成手段は、表示関連情報取得手段において受信した上記表示関連情報に含まれる上記ウィンドウ配置情報より示される上記ウィンドウの表示位置および表示サイズに基づいて、上記第2の映像を上記ウィンドウ内に配置した表示用映像を生成することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項7】
上記第1の映像生成ユニットは、放送波、通信ネットワーク、外部記憶装置、内部記憶装置、および記録メディアの少なくともいずれかを通じて、上記第1の映像を取得する第1の映像取得手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項8】
上記第1の映像生成ユニットは、アンテナを通じて放送波を受信する放送波受信手段をさらに備えており、
上記第1の映像は、上記放送波受信手段において受信した放送波をデコードすることにより生成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項9】
上記第2の映像生成ユニットは、アプリケーションを実行する実行手段を備えており、
上記第2の映像は、上記実行手段においてアプリケーションを実行する際に生成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項10】
上記第2の映像生成ユニットは、上記第1の映像生成ユニットから着脱可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項11】
上記第2の映像生成ユニットは、上記第1の映像生成ユニットの筐体本体に内蔵されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項12】
上記表示部は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイまたはEL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項13】
第1の映像を生成する第1の映像生成ユニットと、第2の映像を生成する第2の映像生成ユニットとを備えた映像表示装置における映像表示方法であって、
上記第1の映像生成ユニットから第2の映像生成ユニットに対して第2の映像の取得要求を送信する通信ステップと、
上記通信ステップにおいて上記第1の映像生成ユニットから送信した取得要求を受信した第2の映像生成ユニットから送信される第2の映像を、上記第1の映像生成ユニットが取得する映像取得ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、上記第2の映像生成ユニットから、上記第1の映像および上記第2の映像の表示レイアウトを指定するレイアウト情報を含む表示関連情報を取得する表示関連情報取得ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、当該第1の映像生成ユニットにおいて取得した第2の映像および自ユニットにおいて生成した第1の映像を含む表示用映像を、上記表示関連情報に基づいて生成する表示用映像生成ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、生成した表示用映像を表示部に表示する表示制御ステップと、
上記第1の映像生成ユニットにおいて、上記第2の映像上の任意の位置を指定するオブジェクトを表示するオブジェクト表示ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、上記第2の映像生成ユニットにおいて操作デバイスを用いてユーザにより入力された、上記オブジェクトによって指定される位置に関する位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
上記第1の映像生成ユニットが、上記第2の映像生成ユニットに対して上記位置情報を送信する位置情報送信ステップと、
上記第2の映像生成ユニットにおいて、上記第1の映像生成ユニットから送信された上記位置情報を受信し、当該位置情報に基づいて上記表示関連情報を生成する表示関連情報生成ステップと、
上記第2の映像生成ユニットが、生成した上記表示関連情報を上記第1の映像生成ユニットへ送信する送信ステップとを含むことを特徴とする映像表示方法。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の映像表示装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−165006(P2011−165006A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28172(P2010−28172)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】