説明

映像表示装置及び投写型映像表示装置

【課題】複数の固体光源の全体的光量の低下を抑制しつつ、合成光における色バランスの崩れを抑制可能とする映像表示装置及び投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが中間階調TMIDにおいて増大するように、劣化光変調素子30Dに対応する劣化映像信号Sを補正する。素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが非劣化成分光の検出光量LMNに近づくように、劣化映像信号Sの補正量Cを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の固体光源を備えた映像表示装置及び投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、赤成分光を変調する赤光変調素子と、緑成分光を変調する緑光変調素子と、青成分光を変調する青光変調素子とを備えた映像表示装置が広く知られている。光変調素子としては、液晶パネルなどが用いられる。また、赤成分光、緑成分光及び青成分光(以下、「RGB光」という。)を発生させる光源として、LED(Light Emitting diode)やLD(Laser Diode)などの固体光源を用いることが試みられている。
【0003】
このような固体光源は、環境温度の変化によって劣化する場合がある。また、固体光源の経時劣化が生じることもある。このように固体光源の劣化が生じると、固体光源の光量は低下してしまう。
【0004】
ここで、RGB光それぞれを発生させる複数の固体光源(以下、「RGB固体光源」という。)のうち一の固体光源の光量が低下した場合、他の固体光源の光量を一の固体光源の光量に合わせる手法が提案されている(特許文献1参照)。この手法によれば、RGB光の合成光における色バランスが崩れることを抑制できる。
【特許文献1】特開平2004−279943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、全ての固体光源の光量を劣化した固体光源の光量に合わせると、複数の固体光源の輝度が全体として低下するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、複数の固体光源の全体的光量の低下を抑制しつつ、合成光における色バランスの崩れを抑制可能とする映像表示装置及び投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴に係る映像表示装置は、複数の固体光源と、複数の固体光源に対応する複数の光変調素子とを備えた映像表示装置であって、複数の固体光源のそれぞれから出射される光量を検出する検出部と、複数の映像信号に基づいて、複数の光変調素子を制御する素子制御部とを備える。複数の映像信号のそれぞれは、複数の光変調素子のそれぞれに対応する。複数の映像信号のそれぞれには、最小階調及び最大階調が定められている。素子制御部は、検出部によって検出された光量に応じて、最小階調と最大階調との間の中間階調を有する映像信号を補正する信号補正処理を行う。
【0008】
このように、素子制御部は、最大階調を補正しないため、複数の固体光源の光量が全体的に低下してしまうことを抑制できる。
【0009】
本発明の第1の特徴に係る映像表示装置は、検出部によって検出される光量に基づいて、複数の固体光源の中から、光量の劣化が生じた固体光源である劣化固体光源を特定する特定部をさらに備えており、素子制御部は、信号補正処理において、劣化固体光源に対応する映像信号について、劣化固体光源に対応する光変調素子から出射される光量が中間階調において増大するように、中間階調を有する映像信号を補正してもよい。
【0010】
本発明の第1の特徴に係る映像表示装置は、検出部によって検出される光量に基づいて、複数の固体光源の中から、光量の劣化が生じた固体光源である劣化固体光源を特定する特定部をさらに備えており、素子制御部は、信号補正処理において、劣化固体光源以外に対応する映像信号について、劣化固体光源以外に対応する光変調素子から出射される光量が中間階調において減少するように、中間階調を有する映像信号を補正してもよい。
【0011】
本発明の第1の特徴に係る映像表示装置は、複数の映像信号に基づいて、複数の固体光源のそれぞれから出射される光量を最大光量よりも減少させるバックライト制御処理を行う光源制御部と、検出部によって検出される光量及びバックライト制御処理における必要光量に基づいて、信号補正処理を適用するか、バックライト制御処理を適用するか判定する判定部とをさらに備えており、判定部は、検出部によって検出される光量がバックライト制御処理における必要光量よりも大きい場合に、バックライト制御処理を適用すると判定し、判定部は、検出部によって検出される光量がバックライト制御処理における必要光量よりも小さい場合に、信号補正処理を適用すると判定してもよい。
【0012】
本発明の第1の特徴に係る映像表示装置は、検出部によって検出される光量に基づいて、複数の固体光源の中から、光量の劣化が生じた固体光源である劣化固体光源を特定する特定部をさらに備え、複数の光変調素子のそれぞれは、複数の画素によって構成されており、素子制御部は、複数の映像信号に基づいて、複数の光変調素子において互いに対応する一の画素の色相又は彩度を検出し、素子制御部は、一の画素の色相が劣化固体光源の色相に近いほど、又は、一の画素の彩度が低いほど、一の画素から出射される劣化固体光源以外の光量が減少するように、劣化固体光源以外に対応する映像信号を補正してもよい。
【0013】
本発明の第2の特徴に係る投写型映像表示装置は、複数の固体光源と、複数の固体光源に対応する複数の光変調素子と、複数の光変調素子から出射される光を投写する投写光学系とを備えた投写型映像表示装置であって、複数の固体光源のそれぞれから出射される光量を検出する検出部と、複数の映像信号に基づいて、複数の光変調素子を制御する素子制御部とを備える。複数の映像信号のそれぞれは、複数の光変調素子のそれぞれに対応する。複数の映像信号のそれぞれには、最小階調及び最大階調が定められている。素子制御部は、検出部によって検出された光量に応じて、最小階調と最大階調との間の中間階調を有する映像信号を補正する信号補正処理を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の固体光源の全体的光量の低下を抑制しつつ、合成光における色バランスの崩れを抑制可能とする映像表示装置及び投写型映像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0016】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0017】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す概略図である。
【0018】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、複数の固体光源11(固体光源11R、固体光源11G及び固定光源11B)がアレイ状に配置された複数のアレイ光源10(アレイ光源10R、アレイ光源10G及びアレイ光源10B)と、複数の光変調素子30(赤光変調素子30R、緑光変調素子30G及び青光変調素子30B)と、複数の検出部40(検出部40R、検出部40G及び検出部40B)と、クロスダイクロイックプリズム50と、投写レンズユニット90とを有する。
【0019】
なお、図1では、説明を明確にするために、アレイ光源10から出射される光を均一化する光学素子(例えば、テーパロッドやフライアイレンズ)などが省略されていることに留意すべきである。
【0020】
アレイ光源10Rでは、赤成分光を出射する複数の固体光源11Rがアレイ状に配置されている。固体光源11Rは、LEDやLDなどの固体光源である。同様に、アレイ光源10Gでは、緑成分光を出射する複数の固体光源11Gがアレイ状に配置されている。固体光源11Gは、LEDやLDなどの固体光源である。また、アレイ光源10Bでは、青成分光を出射する複数の固定光源11Bがアレイ状に配置されている。固定光源11Bは、LEDやLDなどの固体光源である。
【0021】
なお、アレイ光源10における固体光源11の配置形状は、四角形状に限定されるものではない。例えば、アレイ光源10における固体光源11の配置形状は、円形状などの他の形状であってもよい。
【0022】
赤光変調素子30Rは、アレイ光源10Rが出射する赤成分光を変調する光学素子(例えば、透過型液晶パネル)である。同様に、緑光変調素子30Gは、アレイ光源10Gが出射する緑成分光を変調する光学素子(例えば、透過型液晶パネル)である。また、青光変調素子30Bは、アレイ光源10Bが出射する青成分光を変調する光学素子(例えば、透過型液晶パネル)である。
【0023】
なお、光変調素子30は、透過型液晶パネルに限定されるものではない。例えば、光変調素子30は、反射型液晶パネルであってもよく、DMD(Digital Micromirror Device)であってもよい。
【0024】
検出部40Rは、アレイ光源10Rが出射する赤成分光の光量を検出する。具体的には、検出部40Rは、赤光変調素子30Rから出射される赤成分光の輝度Vを検出する。検出部40Rの配置位置は、赤光変調素子30Rから出射される赤成分光を検出可能な位置であればよい。同様に、検出部40Gは、緑光変調素子30Gから出射される緑成分光の輝度Vを検出する。検出部40Gの配置位置は、緑光変調素子30Gが出射する緑成分光を検出可能な位置であればよい。また、検出部40Bは、青光変調素子30Bが出射する青成分光の輝度Vを検出する。検出部40Bの配置位置は、青光変調素子30Bから出射される青成分光を検出可能な位置であればよい。
【0025】
クロスダイクロイックプリズム50は、複数の光変調素子30から出射された各成分光を合成する合成部である。具体的には、クロスダイクロイックプリズム50は、赤光変調素子30Rから出射された赤成分光を反射して、緑光変調素子30Gから出射された緑成分光を透過するダイクロイック膜51と、青光変調素子30Bから出射された青成分光を反射して、緑光変調素子30Gから出射された緑成分光を透過するダイクロイック膜52とを有する。クロスダイクロイックプリズム50で合成された合成光は、投写レンズユニット90に導かれる。
【0026】
投写レンズユニット90は、クロスダイクロイックプリズム50で合成された合成光をスクリーン(不図示)上に投写する投写光学系である。これによって、スクリーン上に映像が表示される。
【0027】
(投写型映像表示装置の機能)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御部200)の機能を示すブロック図である。
【0028】
図2に示すように、制御部200は、映像信号受付け部210と、記憶部220と、特定部230と、素子制御部240とを有する。
【0029】
映像信号受付け部210は、赤映像信号S、緑映像信号S及び青映像信号Sを外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ、DVD再生装置、TVチューナなど)などから取得する。映像信号受付け部210は、赤映像信号S、緑映像信号S及び青映像信号Sを素子制御部240に入力する。
【0030】
なお、赤映像信号S、緑映像信号S及び青映像信号Sのそれぞれは、赤光変調素子30R、緑光変調素子30G及び青光変調素子30Bのそれぞれに対応する。また、赤映像信号S、緑映像信号S及び青映像信号Sのそれぞれには、最小階調TMINと、最大階調TMAXと、最小階調TMINと最大階調TMAXとの間の中間階調TMIDとが定められている。
【0031】
記憶部220は、赤光変調素子30Rから出射される赤成分光に対応する赤基準光量LSRと、緑光変調素子30Gから出射される緑成分光に対応する緑基準光量LSGと、青光変調素子30Bから出射される青成分光に対応する青基準光量LSBとを記憶する。ここで、赤基準光量LSRは、固体光源11Rに劣化が生じていない初期段階において、赤映像信号Sに応じて赤光変調素子30Rから出射される赤成分光の光量である。同様に、緑基準光量LSGは、固体光源11Gに劣化が生じていない初期段階において、緑映像信号Sに応じて緑光変調素子30Gから出射される緑成分光の光量である。青基準光量LSBは、固体光源11Bに劣化が生じていない初期段階において、青映像信号Sに応じて青光変調素子30Bから出射される青成分光の光量である。
【0032】
特定部230は、各検出部40によって検出される検出光量Lに基づいて、各アレイ光源10の中から光量に劣化が生じた劣化アレイ光源10Dを特定する。具体的には、特定部230は、図3(a)に示すように、赤検出光量LMRの値が赤基準光量LSRの値よりも低い場合、特定部230は、アレイ光源10Rを劣化アレイ光源10Dとして特定する。
【0033】
一方で、特定部230は、図3(b)に示すように、緑検出光量LMGの値がと緑基準光量LSGの値と同等である場合、特定部230は、アレイ光源10Gを劣化アレイ光源10Dとして特定しない。同様に、図3(c)に示すように、青検出光量LMBの値が青基準光量LSBと同等である場合、特定部230は、アレイ光源10Bを劣化アレイ光源10Dとして特定しない。
【0034】
素子制御部240は、複数の映像信号Sのそれぞれに応じて、複数の光変調素子30のそれぞれを制御する。また、素子制御部240は、複数の検出部40のそれぞれによって検出される光量に応じて複数の映像信号Sのそれぞれを補正する信号補正処理を行う。
【0035】
具体的には、素子制御部240は、劣化アレイ光源10Dに対応する劣化光変調素子30Dから出射される劣化成分光の検出光量LMDが中間階調TMIDにおいて増大するように、劣化光変調素子30Dに対応する劣化映像信号Sを補正する。素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが劣化成分光以外の非劣化成分光の検出光量LMNに近づくように、劣化映像信号Sの補正量Cを設定する。一方で、素子制御部240は、非劣化光変調素子30Nに対応する非劣化映像信号Sを補正しない。すなわち、素子制御部240は、劣化アレイ光源10D以外に対応する非劣化光変調素子30Nから出射される非劣化成分光の検出光量LMNを変更しない。
【0036】
例えば、アレイ光源10Rが劣化アレイ光源10Dとして特定されるケースでは、素子制御部240は、図4(a)に示すように、赤映像信号Sの中間階調TMIDにおける信号強度(階調)を向上させることによって、赤映像信号S´を生成する。一方で、素子制御部240は、図4(b)及び(c)に示すように、緑映像信号S及び青映像信号Sを補正しない。
【0037】
次に、素子制御部240は、赤映像信号S´に応じて赤光変調素子30Rを制御する。これによって、赤光変調素子30Rから出射される赤検出光量LMRは、図5(a)に示すように、中間階調TMIDにおいて、緑検出光量LMG及び青検出光量LMBに近づくように増大される。なお、図5(a)では、赤映像信号S´に応じて赤光変調素子30Rから出射される赤成分光の光量は、赤検出光量LMR´で示されている。一方で、素子制御部240は、図5(b)及び(c)に示すように、緑映像信号S及び青映像信号Sに応じて緑光変調素子30G及び青光変調素子30Bを制御する。
【0038】
(作用及び効果)
第1実施形態では、素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが中間階調TMIDにおいて増大するように、劣化光変調素子30Dに対応する劣化映像信号Sを補正する。素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが非劣化成分光の検出光量LMNに近づくように、劣化映像信号Sの補正量Cを設定する。
【0039】
このように、劣化成分光の検出光量LMDは、中間階調TMIDにおいて、劣化成分光以外の検出光量LMNに近づけることができる。その結果、劣化光変調素子30Dから出射される劣化成分光と、劣化光変調素子30D以外から出射される非劣化成分光との合成光における色バランスが崩れることを抑制できる。
【0040】
また、素子制御部240は、非劣化光変調素子30Nに対応する非劣化映像信号Sの最大階調TMAXを補正しないため、各成分光の光量が全体的に低下してしまうことを抑制できる。
【0041】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0042】
上述した第1実施形態では、素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが中間階調TMIDにおいて増大するように、劣化映像信号Sを補正する。これに対して、第2実施形態では、素子制御部240は、非劣化成分光の検出光量LMNが中間階調TMIDにおいて減少するように、非劣化映像信号Sを補正する。素子制御部240は、非劣化成分光の検出光量LMNが劣化成分光の検出光量LMDに近づくように、劣化映像信号Sの補正量Cを設定する。
【0043】
例えば、アレイ光源10Rが劣化アレイ光源10Dとして特定されるケースでは、素子制御部240は、図6(a)に示すように、赤映像信号Sを補正しない。一方で、素子制御部240は、図6(b)及び(c)に示すように、非劣化映像信号Sである緑映像信号S及び青映像信号Sの中間階調TMIDにおける信号強度(階調)を低下させることによって、緑映像信号S´及び青映像信号S´を生成する。
【0044】
次に、素子制御部240は、図7(a)に示すように、赤映像信号Sに応じて赤光変調素子30Rを制御する。一方で、素子制御部240は、緑映像信号S´及び青映像信号S´のそれぞれに応じて、非劣化光変調素子30Nである緑光変調素子30G及び青光変調素子30Bのそれぞれを制御する。これによって、緑光変調素子30Gから出射される緑検出光量LMGは、図7(b)に示すように、中間階調TMIDにおいて、赤検出光量LMRに近づくように減少される。同様に、青光変調素子30Bから出射される青検出光量LMBは、図7(c)に示すように、中間階調TMIDにおいて、赤検出光量LMRに近づくように減少される。
【0045】
(作用及び効果)
第2実施形態では、非劣化成分光の検出光量LMNが中間階調TMIDにおいて減少するように、非劣化光変調素子30Nに対応する非劣化映像信号Sを補正する。素子制御部240は、非劣化成分光の検出光量LMNが劣化成分光の検出光量LMDに近づくように、非劣化映像信号Sの補正量Cを設定する。
【0046】
このように、非劣化成分光の検出光量LMNは、中間階調TMIDにおいて、劣化成分光の検出光量LMDに近づけることができる。その結果、非劣化光変調素子30Nから出射される非劣化成分光と、劣化光変調素子30Dから出射される劣化成分光との合成光における色バランスが崩れることを抑制できる。
【0047】
また、素子制御部240は、非劣化光変調素子30Nに対応する非劣化映像信号Sの最大階調TMAXを補正しないため、高彩度のピーク輝度を保ち、鮮やかな映像を提供できる。
【0048】
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0049】
上述した第1実施形態では、1つのアレイ光源10の光量が低下するケースについて説明した。これに対して、第3実施形態では、2以上のアレイ光源10の光量が劣化するケースについて説明する。
【0050】
(投写型映像表示装置の機能)
以下においては、図8(a)乃至(c)に示すように、複数のアレイ光源10の光量が劣化したケースについて説明する。
【0051】
第3実施形態では、特定部230は、劣化の最も小さいアレイ光源10には劣化が発生していないとみなすとともに、劣化の最も小さいアレイ光源10以外を劣化アレイ光源10Dとして特定する。従って、図8に示す例では、特定部230は、アレイ光源10Bよりも劣化の大きいアレイ光源10R及びアレイ光源10Gを劣化アレイ光源10Dとして特定する。本実施形態では、特定部230は、アレイ光源10Bを、劣化が発生していない非劣化アレイ光源10Nとみなす。
【0052】
素子制御部240は、劣化アレイ光源10Dに対応する劣化光変調素子30Dから出射される劣化成分光の検出光量LMDが中間階調TMIDにおいて増大するように、劣化光変調素子30Dに対応する劣化映像信号Sを補正する。素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが非劣化成分光の検出光量LMNに近づくように、劣化映像信号Sの補正量Cを設定する。一方で、素子制御部240は、非劣化光変調素子30Nに対応する非劣化映像信号Sを補正しない。
【0053】
例えば、アレイ光源10R及びアレイ光源10Gが劣化アレイ光源10Dとして特定されるケースでは、素子制御部240は、図9(a)及び(b)に示すように、劣化映像信号Sである赤映像信号S及び緑映像信号Sそれぞれの中間階調TMIDにおける信号強度(階調)を向上させることによって、赤映像信号S´及び緑映像信号S´を生成する。一方で、素子制御部240は、図9(c)に示すように、青映像信号Sを補正しない。
【0054】
次に、素子制御部240は、赤映像信号S´及び緑映像信号S´に応じて、劣化光変調素子30Dである赤光変調素子30R及び緑光変調素子30Gを制御する。これによって、赤光変調素子30R及び緑光変調素子30Gそれぞれから出射される赤検出光量LMR及び緑検出光量LMGそれぞれは、図10(a)及び(b)に示すように、中間階調TMIDにおいて、青検出光量LMBに近づくように増大される。一方で、素子制御部240は、図10(c)に示すように、青映像信号Sに応じて青光変調素子30Bを制御する。
【0055】
(作用及び効果)
第3実施形態では、特定部230は、複数のアレイ光源10の光量が劣化した場合、劣化の最も小さいアレイ光源10を非劣化アレイ光源10Nであるとみなす。素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが中間階調TMIDにおいて増大するように、劣化光変調素子30Dに対応する劣化映像信号Sを補正する。素子制御部240は、劣化成分光の検出光量LMDが非劣化成分光の検出光量LMNに近づくように、劣化映像信号Sの補正量Cを設定する。
【0056】
このように、素子制御部240は、複数の劣化成分光それぞれの検出光量LMDを、中間階調TMIDにおいて、劣化の最も小さいアレイ光源10に対応する非劣化成分光の検出光量LMNに近づけることができる。従って、非劣化成分光の検出光量LMNによって、劣化成分光それぞれの検出光量LMDを規格化することができる。その結果、複数のアレイ光源10の光量が劣化した場合においても、劣化成分光と非劣化成分光との合成光における色バランスが崩れることを抑制できる。
【0057】
[第4実施形態]
以下において、第4実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0058】
上述した第1実施形態では、制御部200は、映像信号Sの信号補正処理を行う。これに対して、第4実施形態では、制御部200は、アレイ光源10の光量を最大光量よりも減少させるバックライト制御処理と信号補正処理とを選択的に実行する。
【0059】
(投写型映像表示装置の機能)
以下において、第4実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図11は、第4実施形態に係る投写型映像表示装置100(制御部200)の機能を示すブロック図である。
【0060】
図11に示すように、制御部200は、映像信号受付け部210と、記憶部220と、特定部230と、素子制御部240とに加えて、光源制御部250と、判定部260とをさらに有する。
【0061】
特定部230は、各アレイ光源10のそれぞれについて、検出光量Lの基準光量Lに対する割合(以下、「維持率」という。)を算出する。例えば、図3(a)乃至(c)のケースでは、アレイ光源10Rの維持率は70%であり、アレイ光源10G及びアレイ光源10Bそれぞれの維持率は100%である。特定部230は、算出した維持率を判定部260に入力する。
【0062】
光源制御部250は、各映像信号Sに基づいて、各アレイ光源10の光量を最大光量よりも減少させるバックライト制御処理を行う。具体的には、光源制御部250は、図12(a)乃至(c)に示すように、各映像信号Sに基づいて、1フレーム内に含まれる各成分光について輝度単位でヒストグラムを取得する。
【0063】
次に、光源制御部250は、各成分光のそれぞれについて、必要光量Lの最大光量Lに対する割合(以下、「必要光量率」という。)を算出する。例えば、図12(a)の例では、赤成分光の必要光量率は、50%である。図12(b)の例では、緑成分光の必要光量率は、81%である。図12(c)の例では、青成分光の必要光量率は、90%である。光源制御部250は、算出した必要光量率を判定部260に入力する。
【0064】
ここで、光源制御部250は、後述するように、判定部260によってバックライト制御処理を適用すると判定された場合のみ、バックライト制御処理を行う。バックライト制御処理において、光源制御部250は、算出された必要光量率に従って、各アレイ光源10に供給する電流量を制御する。これによって、各アレイ光源10の光量は、最大光量から必要光量まで減少される。
【0065】
判定部260は、各検出部40によって検出される検出光量L(赤検出光量LMR、緑検出光量LMG、青検出光量LMBを含む)と、必要光量L(赤必要光量LNR、緑必要光量LNG、青必要光量LNBを含む)とに基づいて、素子制御部240による信号補正処理を適用するか、光源制御部250によるバックライト制御処理を適用するかを判定する。
【0066】
具体的には、判定部260は、赤検出光量LMRが赤必要光量LNRより大きい場合、固体光源11Rについてのバックライト制御処理を適用すると判定する。また、判定部260は、緑検出光量LMGが緑必要光量LNGより大きい場合、固体光源11Gについてのバックライト制御処理を適用すると判定する。また、判定部260は、青検出光量LMBが青必要光量LNBより大きい場合、固体光源11Bについてのバックライト制御処理を適用すると判定する。
【0067】
なお、判定部260は、(1)赤検出光量LMRが赤必要光量LNRより大きい(2)緑検出光量LMGが緑必要光量LNGより大きい、(3)青検出光量LMBが青必要光量LNBよりも大きい、という3つの条件が満たされる場合、バックライト制御処理を適用すると判定し、3つの条件のうち1つでも満たされない場合、信号補正処理を適用すると判定してもよい。
【0068】
ここで、本実施形態において、判定部260は、維持率と必要光量率とを比較することによって、上述の判定を行うことができる。すなわち、判定部260は、維持率と必要光量率とを比較することによって、検出光量Lと必要光量Lとの比較を行うことができる。維持率は検出光量Lに対応し、必要光量率は必要光量Lに対応する。
【0069】
(作用及び効果)
第4実施形態では、判定部260は、検出光量Lと必要光量Lとに基づいて、素子制御部240による信号補正処理を適用するか、光源制御部250によるバックライト制御処理を適用するかを判定する。
【0070】
従って、全てのアレイ光源10において、検出光量Lが必要光量Lよりも大きい場合には、バックライト制御処理を行うことによって投写型映像表示装置100における省エネルギー化を優先的に図ることができる。
【0071】
一方で、いずれかのアレイ光源10において、検出光量Lが必要光量Lよりも小さい場合には、信号補正処理を行うことによって、非劣化成分光と、劣化光変調素子30Dから出射される劣化成分光との合成光における色バランスが崩れることを優先的に抑制できる。
【0072】
[第5実施形態]
以下において、第5実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、上述した第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0073】
上述した第1実施形態では、素子制御部240は、信号補正処理において、非劣化光変調素子30Nに対応する非劣化映像信号Sを補正しない。これに対して、第5実施形態では、素子制御部240は、劣化成分光と非劣化成分光との合成光の色相又は彩度に応じて、非劣化映像信号Sを画素ごとに補正する。
【0074】
具体的には、素子制御部240は、複数の映像信号Sに基づいて、複数の光変調素子30で互いに対応する各画素における色相H又は彩度SAを検出する。なお、複数の光変調素子30のそれぞれは、複数の画素によって構成されており、複数の映像信号に応じて各画素ごとに制御される。
【0075】
次に、素子制御部240は、各画素の色相Hが劣化アレイ光源10Dの色相Hに近いほど、又は、各画素の彩度SAが低いほど、各画素から出射される劣化成分光の光量Lが減少するように、非劣化映像信号Sを補正する。以下、色相Hに基づくケースと、彩度SAに基づくケースとに分けて、アレイ光源10Rのみが劣化アレイ光源10Dとして特定された場合を例示しながら説明する。
【0076】
(1)色相Hに基づいて非劣化映像信号Sを補正するケース
まず、素子制御部240は、信号補正処理後における各画素に係る赤映像信号S´[n]に基づいて、各画素における赤成分光の階調Tを検出する。
【0077】
続いて、素子制御部240は、信号補正処理後の赤検出光量LMR´と赤基準光量LSRとの差分sub[n]を各画素ごとに算出する。差分sub[n]は、赤成分光の光量不足の程度を示すパラメータである。例えば、図13に示すように、注目画素Ptにおける赤成分光の階調TがTPtである場合、差分sub[n]は、次の式(1)によって算出される。
【0078】
[数1]
sub[TPt]=LSR[TPt]−LMR´[TPt] ・・・(1)
【0079】
次に、素子制御部240は、赤映像信号S´、緑映像信号S及び青映像信号Sに基づいて、各画素における色相Hを検出する。
【0080】
続いて、素子制御部240は、各画素の色相Hに基づいて、色相補正係数CorrH[n]を算出する。色相補正係数CorrH[n]は、色相Hが劣化アレイ光源10Dの色相Hに近いほど大きく、色相Hにおいて最大値(=1)となる。一方で、色相補正係数CorrH[n]は、色相Hが非劣化アレイ光源10Nの色相Hに近いほど小さく、色相Hにおいて最小値(=0)となる。例えば、図14に示すように、注目画素Ptにおける色相HPtが黄色と緑色の間である場合、色相補正係数CorrH[HPt]は、0より大きく、かつ、1より小さい値となる。
【0081】
次に、素子制御部240は、差分sub[n]と色相補正係数CorrH[n]とに基づいて、非劣化映像信号Sの信号強度(階調)を低下させる。
【0082】
例えば、素子制御部240は、各画素について、緑映像信号SG[n]の信号強度を次の式(2)によって減少させた緑映像信号SG´[n]を生成する。
【0083】
[数2]
G´[n]=SG[n]−sub[T]×CorrH[n] ・・・(2)
【0084】
同様に、素子制御部240は、各画素について、青映像信号SB[n]の信号強度を次の式(3)によって減少させた青映像信号SB´[n]を生成する。
【0085】
[数3]
B´[n]=SB[n]−sub[T]×CorrH[n] ・・・(3)
【0086】
素子制御部240は、各画素について、赤映像信号S´[n]、 緑映像信号SG´[n]及び青映像信号SB´[n]に基づいて、各光変調素子30を制御する。
【0087】
(2)彩度SAに基づいて非劣化映像信号Sを補正するケース
まず、素子制御部240は、上記式(1)に従って、差分sub[n]を算出する。
【0088】
次に、素子制御部240は、赤映像信号S´、緑映像信号S及び青映像信号Sに基づいて、各画素における彩度SAを検出する。
【0089】
続いて、素子制御部240は、各画素の彩度SAに基づいて、彩度補正係数CorrSA[n]を算出する。彩度補正係数CorrSA[n]は、彩度SAが低いほど大きく、白において最大値(=1)となる。一方で、彩度補正係数CorrSA[n]は、彩度SAが高いほど小さく、原色において最小値(=0)となる。例えば、図15に示すように、注目画素Ptにおける彩度SAPtが白と原色の間である場合、彩度補正係数CorrSA[HPt]は、0より大きく、かつ、1より小さい値となる。
【0090】
次に、素子制御部240は、差分sub[n]と彩度補正係数CorrSA[n]とに基づいて、非劣化映像信号Sの信号強度(階調)を低下させる。
【0091】
例えば、素子制御部240は、各画素について、緑映像信号SG[n]の信号強度を次の式(4)によって減少させた緑映像信号SG´[n]を生成する。
【0092】
[数4]
G´[n]=SG[n]−sub[T]×CorrSA[n] ・・・(4)
【0093】
同様に、素子制御部240は、各画素について、青映像信号SB[n]の信号強度を次の式(5)によって減少させた青映像信号SB´[n]を生成する。
【0094】
[数5]
B´[n]=SB[n]−sub[T]×CorrSA[n] ・・・(5)
【0095】
素子制御部240は、各画素について、赤映像信号S´[n]、 緑映像信号SG´[n]及び青映像信号SB´[n]に基づいて、各光変調素子30を制御する。
【0096】
以上のように、(1)色相Hに基づくケースと、(2)彩度SAに基づくケースとを説明したが、素子制御部240は、色相補正係数CorrH[n]又は彩度補正係数CorrSA[n]のうち大きい方を用いて非劣化映像信号Sを補正すればよい。
【0097】
(作用及び効果)
第5実施形態では、素子制御部240は、各画素の色相Hが劣化アレイ光源10Dの色相Hに近いほど各画素から出射される劣化成分光の光量Lが減少するように、非劣化映像信号Sを補正する。
【0098】
従って、劣化アレイ光源10Dでの光量不足の影響によって、各画素における色相Hが、非劣化アレイ光源10N側に偏ることを抑制できる。その結果、劣化成分光と非劣化成分光との合成光における色バランスが崩れることをより抑制できる。
【0099】
また、素子制御部240は、各画素の彩度SAが低いほど各画素から出射される劣化成分光の光量Lが減少するように、非劣化映像信号Sを補正する。
【0100】
従って、劣化アレイ光源10Dでの光量不足の影響によって、各画素における彩度が、非劣化アレイ光源10N側に偏ることを抑制できる。その結果、劣化成分光と非劣化成分光との合成光における色バランスが崩れることをより抑制できる。
【0101】
また、素子制御部240は、信号補正処理後の赤検出光量LMR´と赤基準光量LSRとの差分sub[n]が大きいほど、各画素から出射される劣化成分光の光量Lが減少するように、非劣化映像信号Sを補正する。
【0102】
従って、赤成分光の光量不足の程度に合わせて、劣化成分光の光量Lの減少量を調整することができる。その結果、劣化成分光と非劣化成分光との合成光における色バランスが崩れることをより抑制できる。
【0103】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0104】
例えば、上述した実施形態では、各検出部40は、赤色成分光、緑色成分光及び青色成分光の光量を検出するが、これに限定されるものではない。具体的には、各検出部40は、赤色成分光、緑色成分光及び青色成分光の輝度を個別に検出するように構成されていてもよい。
【0105】
上述した実施形態では、各検出部40は、各光変調素子30の出射側に設けられているが、これに限定されるものではない。具体的には、各検出部40は、各光変調素子30の入射側に設けられていてもよい。
【0106】
上述した実施形態では、各アレイ光源10では、各成分光を出射する複数の固体光源11がアレイ状に配置されることとしたが、各アレイ光源10は、一の固体光源11によって構成されていてもよい。
【0107】
上述した実施形態では特に触れていないが、バックライト制御処理では、維持率(検出光量Lの基準光量Lに対する割合)に基づいて、電流量を補正してもよい。通常のバックライト制御処理では、例えば、必要光量率が90%である場合、電流量は最大電流量の90%に減少される。これによって、光量は、最大光量の90%に減少される。しかしながら、維持率が80%である場合、電流量を最大電流量の90%に減少させると、光量は最大光量の72%まで減少されてしまう。従って、光源制御部250は、維持率が100%より低い場合には、必要光量率を満たすように電流量を補正することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す概略図である。
【図2】第1実施形態に係る制御部200の機能を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る各検出部40によって検出される検出光量Lを示す図である。
【図4】第1実施形態に係る補正後の映像信号S´を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る各検出部40によって検出される検出光量Lを示す図である。
【図6】第2実施形態に係る補正後の映像信号S´を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る各検出部40によって検出される検出光量Lを示す図である。
【図8】第3実施形態に係る各検出部40によって検出される検出光量Lを示す図である。
【図9】第3実施形態に係る補正後の映像信号S´を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る各検出部40によって検出される検出光量Lを示す図である。
【図11】第4実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す概略図である。
【図12】第4実施形態に係る輝度単位でのヒストグラムである。
【図13】第5実施形態に係る各検出部40によって検出される検出光量Lを示す図である。
【図14】第5実施形態に係る色相Hと色相補正係数CorrH[n]との関係を示す図である。
【図15】第5実施形態に係る彩度SAと彩度補正係数CorrSA[n]との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
10…アレイ光源
10D…劣化アレイ光源
10N…非劣化アレイ光源
11…固体光源
30…光変調素子
30D…劣化光変調素子
30N…非劣化光変調素子
40…検出部
50…クロスダイクロイックプリズム
51…ダイクロイック膜
52…ダイクロイック膜
90…投写レンズユニット
100…投写型映像表示装置
200…制御部
210…映像信号受付け部
220…記憶部
230…特定部
240…素子制御部
250…光源制御部
260…判定部
S…映像信号
SD…劣化映像信号
SN…非劣化映像信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固体光源と、前記複数の固体光源に対応する複数の光変調素子とを備えた映像表示装置であって、
前記複数の固体光源のそれぞれから出射される光量を検出する検出部と、
複数の映像信号に基づいて、前記複数の光変調素子を制御する素子制御部とを備え、
前記複数の映像信号のそれぞれは、前記複数の光変調素子のそれぞれに対応しており、
前記複数の映像信号のそれぞれには、最小階調及び最大階調が定められており、
前記素子制御部は、前記検出部によって検出された光量に応じて、前記最小階調と前記最大階調との間の中間階調を有する映像信号を補正する信号補正処理を行うことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記検出部によって検出される光量に基づいて、前記複数の固体光源の中から、光量の劣化が生じた固体光源である劣化固体光源を特定する特定部をさらに備え、
前記素子制御部は、前記信号補正処理において、前記劣化固体光源に対応する映像信号について、前記劣化固体光源に対応する光変調素子から出射される光量が前記中間階調において増大するように、前記中間階調を有する映像信号を補正することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記検出部によって検出される光量に基づいて、前記複数の固体光源の中から、光量の劣化が生じた固体光源である劣化固体光源を特定する特定部をさらに備え、
前記素子制御部は、前記信号補正処理において、前記劣化固体光源以外に対応する映像信号について、前記劣化固体光源以外に対応する光変調素子から出射される光量が前記中間階調において減少するように、前記中間階調を有する映像信号を補正することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記複数の映像信号に基づいて、前記複数の固体光源のそれぞれから出射される光量を最大光量よりも減少させるバックライト制御処理を行う光源制御部と、
前記検出部によって検出される光量及び前記バックライト制御処理における必要光量に基づいて、前記信号補正処理を適用するか、前記バックライト制御処理を適用するか判定する判定部とをさらに備え、
前記判定部は、前記検出部によって検出される光量が前記バックライト制御処理における必要光量よりも大きい場合に、前記バックライト制御処理を適用すると判定し、
前記判定部は、前記検出部によって検出される光量が前記バックライト制御処理における必要光量よりも小さい場合に、前記信号補正処理を適用すると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記検出部によって検出される光量に基づいて、前記複数の固体光源の中から、光量の劣化が生じた固体光源である劣化固体光源を特定する特定部をさらに備え、
前記複数の光変調素子のそれぞれは、複数の画素によって構成されており、
前記素子制御部は、前記複数の映像信号に基づいて、前記複数の光変調素子において互いに対応する一の画素の色相又は彩度を検出し、
前記素子制御部は、前記一の画素の色相が前記劣化固体光源の色相に近いほど、又は、前記一の画素の彩度が低いほど、前記一の画素から出射される前記劣化固体光源以外の光量が減少するように、前記劣化固体光源以外に対応する映像信号を補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項6】
複数の固体光源と、前記複数の固体光源に対応する複数の光変調素子と、前記複数の光変調素子から出射される光を投写する投写光学系とを備えた投写型映像表示装置であって、
前記複数の固体光源のそれぞれから出射される光量を検出する検出部と、
複数の映像信号に基づいて、前記複数の光変調素子を制御する素子制御部とを備え、
前記複数の映像信号のそれぞれは、前記複数の光変調素子のそれぞれに対応しており、
前記複数の映像信号のそれぞれには、最小階調及び最大階調が定められており、
前記素子制御部は、前記検出部によって検出された光量に応じて、前記最小階調と前記最大階調との間の中間階調を有する映像信号を補正する信号補正処理を行うことを特徴とする投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−152272(P2010−152272A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332996(P2008−332996)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】