映像配信システム、映像配信装置、映像受信装置、映像配信方法、映像受信方法、映像配信プログラム及び映像受信プログラム
【課題】 パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能であるのに加えて、映像配信サーバ及びネットワークの負担を軽減し、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信し、高品質な映像データを再生することを可能にする映像配信システムを提供する。
【解決手段】 ネットワークを介して映像データを配信する映像配信サーバ100と、映像データを受信して再生すべき映像データを生成する映像受信端末200とを有する映像配信システムであって、映像配信サーバは、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、先行配信映像データ及び後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有し、映像受信端末は、前記先行配信映像データと後続配信映像データとを照合する機能と、照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする映像配信システム。
【解決手段】 ネットワークを介して映像データを配信する映像配信サーバ100と、映像データを受信して再生すべき映像データを生成する映像受信端末200とを有する映像配信システムであって、映像配信サーバは、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、先行配信映像データ及び後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有し、映像受信端末は、前記先行配信映像データと後続配信映像データとを照合する機能と、照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする映像配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信システム、映像配信装置、映像受信装置、映像配信方法、映像受信方法、映像配信プログラム及び映像受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して映像データを配信及び受信する映像配信システムは従来から種々提案されている。これらの多くは、映像データを1つの入力インタフェースで配信及び受信しているが、この入力インタフェースにイーサネット(登録商標)などの汎用のネットワークを用いて高精細な映像を確実かつ高速に配信及び受信するためには、ネットワークは高品質で大容量のものであることが望ましい。
【0003】
一般に、この種の映像配信システムは、ネットワークそのものや映像配信装置に大きな負荷を与えるばかりでなく、伝送中のノイズの混入などにより、映像データであるパケットにパケットロスが生じることもある。また、映像配信装置の負荷、さらにはアプリケーションやシステムを構成する機器の負荷や処理の遅延などにより、伝送遅延が生じることもある。
【0004】
このようなパケットロス、伝送遅延などの問題に対処するための技術は、従来より、数多く提案されている。例えば、映像受信装置側において、データ損失のない映像再生を可能とする技術が、特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された技術は、テストデータをあらかじめ映像受信装置側に配信することによって、映像受信装置側では、送られてきたテストデータを再生した際に、フレーム落ちやCPUの処理能力など映像受信装置に関する情報を映像配信装置側に送信する。一方、映像配信装置側では、映像受信装置側から送られてきた映像受信装置に関する情報に基づいた最適な映像の配信条件を設定する。これによって、パケットロスや伝送遅延などを回避するというものである。
【0006】
また、特許文献2に開示された技術は、インターネットなどの経路選択を可能とするように複数の伝送路を設けるというものである。すなわち、データの送受信を行う2地点間で複数の伝送路を設定し、その経路へのデータ分配比率を刻々と変化する経路状態に対応して変更することで、ネットワークの障害や輻輳によるデータ損失の防止やデータ遅延の防止を図るというものである。
【0007】
【特許文献1】特開2003−125374号公報
【特許文献2】特開2004−7361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に開示された技術又は特許文献2に開示された技術によれば、確かに、パケットロス、伝送遅延などに対する一定の効果は期待できると考えられる。
しかしながら、特許文献1に開示された技術の場合、ネットワークの負荷や映像配信装置側及び映像受信装置側の状況は、常に変動するものであるため、一度のテストデータによる測定結果で設定された配信条件が常に最適なものであるという保証はない。仮に、テストデータを定期的に配信して、その都度、最適な配信条件の設定を行うようにする方式であるとしても、映像受信装置が多数存在する場合には、個々の映像受信装置側に対してそれぞれ最適な配信条件の設定を行うなど、映像配信装置側の処理は複雑なものとなり、映像配信装置側にかかる負荷はきわめて大きなものとなる。
【0009】
また、特許文献2に開示された技術の場合、映像配信装置側では、常に、ネットワークの状況を監視していなければならないという問題がある。また、データを受信する映像受信装置の数が増えると、その品質の監視や、分配比率の決定を行うための処理が複雑になるばかりでなく、映像配信装置側の処理が複雑なものとなるといった問題もある。
【0010】
ところで、一般的なネットワークを用いたリアルタイムの映像配信方法においても、通常は、そのインタフェースは1つであるため、パケットロスなどが生じた場合は、映像受信装置側から映像配信装置側に対して、再送要求(ARQ:Automatic Repeat reQuest)を送り、映像配信装置側から改めてパケットロスしたデータを再送するなど、ネットワーク上での信号の授受が複雑になるといった問題が生じている。
【0011】
また、このARQにおいては、パケットの往復時間(RTT:Round Trip Time)が遅延となって現れる。当然、この場合は、パケットロスと遅延の両方が問題となり、映像の再生品質が低下してしまうという問題がある。
さらに、リアルタイムでのデータ転送時にパケットロスを回復する手法として、上記のARQの他に、誤り訂正符号技術を用いた前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)という手法が提案されている。
【0012】
このFECは、映像配信装置側で配信するデータに冗長符号を付加し、転送路中でパケットロスが生じた場合、その冗長符号により、パケットロスしたパケットを回復しようとするものである。これは、再送要求の手続きが不要となるため、その分、遅延も少なくできるという特徴がある。
【0013】
しかし、このFECにおいては、常に余分なデータを送る必要が生じ、ネットワークの帯域を余分に必要とする問題がある。このため、高精細な映像データを配信する場合には、ネットワークの帯域がより多く必要とされるので、ネットワークに大きな負荷をかけることになる。
【0014】
また、これとは別な問題として、FECにより回復したデータが再生時刻に間に合わない場合もある。例えば、映像データとそのFECにより回復した映像データの間隔が大きい場合、FECにより回復した映像データが届く前に、その次の映像データが再生されてしまう場合もある。これでは、パケットロスや遅延が生じた場合と同様に、映像の再生品質に問題が生じ、映像を見るユーザに違和感を与えてしまうことにもなる。
【0015】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能であるのに加えて、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減すること、映像配信装置側では高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信すること、及び映像受信装置側では高品質な映像データを再生することのうち少なくとも1つを可能にする映像配信システムを提供することを目的とする。また、この映像配信システムを構築するための映像配信装置、映像受信装置、映像配信方法、映像受信方法、映像配信プログラム及び映像受信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)本発明の映像配信システムは、ネットワークを介して映像データを配信する映像配信装置と、前記映像配信装置から配信されてくる映像データを受信して再生すべき映像データを生成する映像受信装置とを有する映像配信システムであって、前記映像配信装置は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有し、前記映像受信装置は、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを受信する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする。
【0017】
このように、本発明の映像配信システムにおいては、映像配信装置側では同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するとともに、先行配信映像データ及び後続配信映像データを所定の時間差で配信し、映像受信装置側では、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合結果に基づいて、再生すべき映像データを生成するようにしている。
このため、本発明の映像配信システムによれば、映像受信装置側からの再送要求が不要で、単に同じ映像データを所定の時間差で配信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、映像配信装置側では高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することが可能で、映像受信装置側では高品質な映像データを再生することが可能になる。
【0018】
(2)本発明の映像配信システムにおいては、前記ネットワークは、前記先行配信映像データを配信するネットワークと、前記後続配信映像データを配信するネットワークとをそれぞれ別個に有することが好ましい。
【0019】
これにより、それぞれのネットワークの帯域を有効に使うことができ、高精細な映像データを高速に配信することができる。
【0020】
(3)本発明の映像配信装置は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有することを特徴とする。
【0021】
このように、本発明の映像配信装置においては、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するとともに、先行配信映像データ及び後続配信映像データを所定の時間差で配信するようにしている。
このため、本発明の映像配信装置によれば、単に同じ映像データを所定の時間差で配信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することが可能になる。
なお、本発明の映像配信装置は、上記した本発明の映像配信システムにおける映像配信装置として好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像配信装置を用いることで、上記した本発明の映像配信システムを容易に構築することができる。
【0022】
(4)本発明の映像配信装置においては、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのそれぞれは、複数の単位映像データ及び前記複数の単位映像データのそれぞれに付加される付加情報を有することが好ましい。
【0023】
これによって、映像受信装置における照合処理を適切に行うことができる。付加情報としては、例えば、時間情報がある。時間情報としては、タイムスタンプ(時刻を示す情報)、シーケンス番号(先行配信映像データV1又は後続配信映像データV2におけるデータ位置を示す番号)、同期情報(マルチディスプレイなどで複数の映像で一画面を構成する場合などにおいて複数の映像の同期を取るための情報)などが含まれ、これらタイムスタンプ、シーケンス番号、同期情報などを用いて照合処理を行うことができる。
【0024】
(5)本発明の映像配信装置においては、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのうち少なくとも前記先行配信映像データに対して誤り訂正符号化処理を施す機能をさらに有することが好ましい。
【0025】
このように、配信すべき映像データに対して誤り訂正符号化処理を施すことによって、映像受信装置側では、伝送中のデータ損失などによって生じるデータ誤りを適切に訂正することができる。このため、映像受信装置側から映像配信装置側への再送要求を行う必要がなくなり、ネットワークの負担や映像配信装置への負担を軽減することができる。また、先行配信映像データ側に誤り訂正符号化処理を施すことによって、映像受信装置側で先行して復号化などの処理を行っておくことができるので、後続配信映像データとの照合を効率よく行うことができる。
【0026】
(6)本発明の映像配信装置においては、前記誤り訂正符号化処理は、前方誤り訂正符号化処理であることが好ましい。
【0027】
これにより、データ損失などによって生じるデータ誤りをより一層適切に訂正することができるので、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することができる。
【0028】
(7)本発明の映像配信装置においては、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのうち少なくとも前記先行配信映像データに対してインタリーブ処理を施す機能をさらに有することが好ましい。
【0029】
このように、配信すべき映像データに対してインタリーブ処理を施すことによって、伝送中におけるデータ損失を軽減することができる。
【0030】
(8)本発明の映像受信装置は、同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信映像データを受信する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする。
【0031】
このように、本発明の映像受信装置においては、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合結果に基づいて、再生すべき映像データを生成するようにしている。
このため、本発明の映像受信装置によれば、再送要求をすることなく、単に同じ映像データを所定の時間差で受信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを再生することが可能になる。
なお、本発明の映像受信装置は、上記した本発明の映像配信システムにおける映像受信装置として好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像受信装置を用いることで、上記した本発明の映像配信システムを容易に構築することができる。
【0032】
(9)本発明の映像受信装置においては、前記配信されてくる前記先行配信映像データを一時的に記憶しておく機能をさらに有することが好ましい。
【0033】
これにより、先行配信映像データを受信してから後続配信映像データを受信するまでの所定の時間、先行配信映像データを一時的に記憶しておくことで、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合を円滑に行うことができる。
【0034】
(10)本発明の映像受信装置においては、誤り訂正符号化処理を施された映像データを復号化する機能を有することが好ましい。
【0035】
これにより、伝送中にデータ損失などが生じた場合でも、映像受信装置側において正確な映像データに訂正することができる。
【0036】
(11)本発明の映像受信装置においては、インタリーブ処理を施された映像データを復元する機能を有することが好ましい。
【0037】
これにより、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合を適切に行うことができる。
【0038】
(12)本発明の映像受信装置においては、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合は、前記先行配信映像データに含まれる付加情報と前記後続配信映像データに含まれる付加情報との間で対応関係が取れているかどうかを照合するとともに、前記対応関係が取れている前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの間で、前記先行配信映像データに含まれる単位映像データと前記後続配信映像データに含まれる単位映像データとを照合することにより行うことが好ましい。
【0039】
これによって、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合を適切に行うことができる。そして、照合がとれた場合、両者の単位映像データ同士を比較して、その比較結果に基づいて再生すべき映像データを生成するようにしているので、その時点で表示すべき映像データをより正確に生成することができ、高品質な映像データを再現することができる。
【0040】
(13)本発明の映像配信方法は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するステップと、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信するステップとを含むことを特徴とする。
【0041】
このため、本発明の映像配信方法によれば、単に同じ映像データを所定の時間差で配信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することが可能になる。
なお、本発明の映像配信方法は、上記した本発明の映像配信システムや映像配信装置における映像配信方法として好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像配信方法を用いることで、上記した本発明の映像配信システムや映像配信装置を容易に運用することができる。
【0042】
(14)本発明の映像配信プログラムは、映像配信装置に、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するステップと、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信するステップとを実施させる手順を含むことを特徴とする。
【0043】
このため、本発明の映像配信プログラムを映像配信装置に用いることとすれば、単に同じ映像データを所定の時間差で配信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することが可能になる。
なお、本発明の映像配信プログラムは、上記した本発明の映像配信システムや映像配信装置における映像配信プログラムとして好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像配信プログラムを用いることで、上記した本発明の映像配信システムや映像配信装置を容易に運用することができる。
【0044】
(15)本発明の映像受信方法は、同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信データを受信するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成するステップとを含むことを特徴とする。
【0045】
このため、本発明の映像受信方法によれば、再送要求をすることなく、単に同じ映像データを所定の時間差で受信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを再生することが可能になる。
なお、本発明の映像受信方法は、上記した本発明の映像配信システムや映像受信装置における映像受信方法として好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像受信方法を用いることで、上記した本発明の映像配信システムや映像受信装置を容易に運用することができる。
【0046】
(16)本発明の映像受信プログラムは、映像受信装置に、同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信データを受信するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成するステップとを実施させる手順を含むことを特徴とする。
【0047】
このため、本発明の映像受信プログラムを映像受信装置に用いることとすれば、再送要求をすることなく、単に同じ映像データを所定の時間差で受信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを再生することが可能になる。
なお、本発明の映像受信プログラムは、上記した本発明の映像配信システムや映像受信装置における映像受信プログラムとして好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像受信プログラムを用いることで、上記した本発明の映像配信システムや映像受信装置を容易に運用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
【0049】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る映像配信システムの構成を示す図である。実施形態1に係る映像配信システムは、映像配信装置としての映像配信サーバ100と、複数の映像受信装置としての複数の映像受信端末200と、映像配信サーバ100と各映像受信端末200との間に介在される2つのネットワークNW1,NW2と、配信すべき映像データを記憶する映像データ記憶媒体300とを有している。なお、図1では、映像データ記憶媒体300は、映像配信サーバ100とは別個に設けられた構成となっているが、映像配信サーバ内に映像データ記憶媒体300が存在する構成であってもよい。
また、2つのネットワークNW1,NW2は、それぞれ同一の映像データを所定の時間差で配信可能とするものである。
【0050】
映像配信サーバ100は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、これら先行配信映像データ及び後続配信映像データを所定の時間差で、すべての映像受信端末200又は特定の映像受信端末200に配信する機能を有している。
【0051】
映像配信サーバ100は、これらの機能を実現するための構成要素として、映像ストリーム生成部101、付加情報としての時間情報を付加する時間情報付加部102、符号化部103及び送信部104を有している。
【0052】
映像ストリーム生成部101は、映像データ記憶媒体300から所定のデータ単位ごとの映像データ(単位映像データと呼ぶことにする)を必要な数だけ取得する機能を有する。この取得された幾つかの単位映像データによって、先行配信映像データV1が構成される。同様にして、映像ストリーム生成部101は、同じ内容の単位映像データを用いて後続配信映像データV2を生成する。
なお、先行配信映像データV1及び後続配信映像データV2は、単位映像データごとに付加情報としての時間情報などが付加されたデータ構造を有している。このデータ構造については後述する。
【0053】
時間情報付加部102は、映像ストリ−ム生成部101で生成された先行配信映像データV1及び後続配信映像データV2を構成するそれぞれの単位映像データに対して、時間情報としてのタイムスタンプ、シーケンス番号、同期情報などを付加する機能を有する。なお、タイムスタンプは時刻を示す情報、シーケンス番号は先行配信映像データV1又は後続配信映像データV2におけるデータ位置を示す番号、また、同期情報はマルチディスプレイなどで複数の映像で一画面を構成する場合などにおいて複数の映像の同期を取るための情報である。
【0054】
符号化部103は、先行配信映像データV1を構成する時間情報の付加された単位映像データごとに、誤り訂正符号化技術を用いた前方誤り訂正処理(以下、FEC処理という。)を施す機能と、FEC処理後にインタリーブ処理を施す機能とを有する。
【0055】
送信部104は、先行配信映像データV1をネットワークNW1を用いて映像データの配信先である映像受信端末200に配信する。また、送信部104は、先行配信映像データV1の配信後に所定の時間差で後続配信映像データV2をネットワークNW2を用いて、先行配信映像データV1と同じ映像受信端末200に配信する機能を有している。なお、先行配信映像データV1と後続配信データV2の時間差は適当な時間差を設定可能である。
【0056】
なお、実施形態1に係る映像配信サーバ100においては、先行配信映像データV1のみにFEC処理を施すこととしている。また、FEC処理を施したあと、インタリーブ処理(これについては後述する。)を施して、インタリーブ処理後のデータを、実際に配信される先行配信映像データとしてネットワークNW1に送出することとしている。なお、インタリーブ処理後の実際に配信される先行配信映像データにV1’の符号を付し、先行配信映像データV1’と呼ぶことにする。
【0057】
一方、映像受信端末200は、映像配信サーバ100から先行して配信されてくる先行配信映像データV1’及び所定の時間差で配信されてくる後続配信映像データV2を受信する機能と、先行配信映像データV1’を復号化して先行配信映像データV1とした後にバッファリングして一時的に記憶しておく機能と、一時的に記憶しておいた先行配信映像データV1と後続配信映像データV2とを照合する機能と、先行配信映像データV1と後続配信映像データV2との照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有している。
【0058】
映像受信端末200は、これらの機能を実現するための構成要素として、映像配信サーバ100から先行して配信されてくる先行配信映像データV1’及び所定の時間差で配信されてくる後続配信映像データV2を受信する受信部201と、先行配信映像データV1’を復号化して先行配信映像データV1とする復号化部202と、復号化部202から出力される先行配信映像データV1を記憶するバッファ203と、バッファ203に記憶された先行配信映像データV1と後続配信映像データV2とを照合する照合部204と、照合結果に基づいて表示すべき映像に対応するフレームを取得するフレーム取得部205と、フレーム取得部205で取得されたフレームを出力制御する出力制御部206と、出力制御部206から出力されたフレームを記憶するフレームバッファ207と、フレームバッファ207に記憶されたフレームを表示デバイスに出力する出力部208とを有している。
なお、復号化部202で行われる復号化には、誤り訂正符号化処理が施された映像データを復号化する処理の他に、インタリ−ブ処理が施された映像デ−タをインタリ−ブ処理前の映像デ−タに復元する処理を含む。
【0059】
図2は、実施形態1における映像データ配信処理手順を説明するフローチャートである。図2において、まず、配信すべき映像データが終わりか否かを判定し(ステップS1)、配信すべき映像データが終わりでなければ、映像ストリーム生成部101が映像データ記憶媒体300から先行配信映像データV1を読み込む(ステップS2)。すなわち、先行配信映像データV1を構成する複数(実施形態1及び後述する実施形態2では6個)の単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)を読み込む。
【0060】
次に、読み込まれた先行配信映像データV1に対して、時間情報付加部102が時間情報としてタイムスタンプ、シーケンス番号、同期情報を付加する(ステップS3)。すなわち、先行配信映像データV1を構成する単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)のそれぞれに対して、時間情報付加部102が時間情報としてタイムスタンプ、シーケンス番号、同期情報を付加する。
【0061】
そして、符号化部103によって先行配信映像データV1に対しFEC処理を行う(ステップS4)。さらに、この符号化部103は、FEC処理を行ったあと、先行配信映像データV1に対してインタリーブ処理を行う(ステップ5)。前述したように、このインタリーブ処理された先行配信映像データを先行配信映像データV1’で表し、この先行配信映像データV1’が実際に配信される。なお、インタリーブ処理の具体例については後述する。
【0062】
先行配信映像データV1’には、送信部104によりさらに宛先情報(例えば、映像受信端末200のIPアドレス)が付加されて、第1のネットワークNW1を用いて配信対象となる映像受信端末200に配信される(ステップS6)。
なお、図2におけるステップS11〜S15は、後続配信映像データV2に対する配信処理手順であるが、これについては後述する。
【0063】
図3は、図2におけるステップS3の時間情報付加処理とステップS4のFEC処理について説明する図である。実施形態1では、先行配信映像データV1のみにFEC処理を施すこととしているので、先行配信映像データV1に対する時間情報付加処理とFEC処理について説明する。
【0064】
図3(A)は、映像データ記憶媒体300から取得された先行配信映像データV1を構成する6個の単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)を示すものである。これら6個の単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)に対して、それぞれの単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)ごとに時間情報付加処理とFEC処理を行う。
ここでは、単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)のうちの単位映像データV1(0)に対して、時間情報付加処理とFEC処理を行う例について説明する。
【0065】
時間情報付加部102では、図3(B)に示すように、時間情報として、タイムスタンプT1(0)、シーケンス番号S1(0)、同期情報D1(0)を単位映像データV1(0)に対して付加する。そして、時間情報の付加された単位映像データV1(0)に対し、符号化部103がFEC処理を行い、生成された誤り訂正符号C1(0)が図3(C)に示すように付加される。FEC処理としては、各種の符号化を用いることができる。その一例としては、RS(リード・ソロモン)符号化などが挙げられる。
【0066】
図3(A)〜図3(C)の処理を、他の単位映像データV1(1),V1(2),・・・,V1(5)に対しても行う。それによって、この例では、図3(C)に示すようなデータ構造の映像データが合計6個生成される。この6個の映像データを映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)と呼ぶことにする。このように、先行配信映像データV1は、この6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)によって構成されることとなる。
【0067】
このようにして、先行配信映像データV1として、6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)が生成されると、符号化部103は、これら6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)をさらにインタリーブ処理する。
【0068】
図4は、インタリーブ処理を行うに際して、6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)を複数(ここでは6個)のブロックに分割する処理を示す図である。図5は、インタリーブ処理を説明する図である。
図4においては、上述した6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)のうちの映像パケットVp1(0)を6個のブロックDB00〜DB05に分割する例が示されている。この複数のデータブロックへの分割は、例えば、適当な単位(バイト単位又はビット単位など)ごとに行う。
【0069】
図4においては、映像パケットVp1(0)に対して分割処理を行っているが、これと同様の分割処理を他の5個の映像パケットVp1(1),Vp1(2),・・・,Vp(5)に対しても行う。これによって、図5に示すように、先行配信映像データV1を構成する6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)について、それぞれ6個のデータブロックが生成される。
【0070】
すなわち、図5に示すように、映像パケットVp1(0)に対しては6個のデータブロックDB00〜DB05が生成され、映像パケットVp1(1)に対しては6個のデータブロックDB10〜DB15が生成され、映像パケットVp1(5)に対しては6個のデータブロックDB50〜DB55が生成されるというように、6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)について、それぞれ6個のデータブロックが生成される。
【0071】
そして、各映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)に対応するそれぞれ6個のデータブロックDB00〜DB05,DB10〜DB15,・・・,DBB50〜DB55のうちの、時間軸方向に沿ったそれぞれ第1番目のデータブロックDB00,DB10,・・・,DB50を用いて、映像データを再構成し、それを映像パケットVp1’(0)とする。
【0072】
同様に、6個のデータブロックDB00〜DB05,DB10〜DB15,・・・,DDB50〜DB55のうちの、それぞれ第2番目のデータブロックDB01,DB11,・・・,DB51を用いて、映像データを再構成し、それを映像パケットVp1’(1)とする。
【0073】
この動作を繰り返すことによって、6個の映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)が生成され、この6個の映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)が実際に配信される先行配信映像データV1’となる。すなわち、実際に配信される先行配信映像データV1’は、6個の映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)によって構成される。なお、これらの映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)を以下では、先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)と呼ぶことにする。
【0074】
なお、先行配信映像データV1’を構成する6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)は、それぞれに宛先情報(例えば、各映像受信端末200のIPアドレス)が付加されてネットワークNW1上に順次送出される。
【0075】
図6は、ネットワークNW1上に送出される6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)のうちのある1つの先行配信映像パケットVp1’(0)のデータ構造を示す図で、先行配信映像パケットVp1’(0)は、宛先情報と図4に示す映像パケットVp1(0)をインタリーブ処理して得られる映像データとで構成される。他の5個の先行配信映像パケットVp1’(1),Vp1’(2),・・・,Vp1’(5)も同様のデータ構造となっている。
【0076】
以上、映像配信サーバ100における先行配信映像データV1に対する映像データ配信処理を説明したが、次に、映像配信サーバ100における後続配信映像データV2に対する映像データ配信処理について説明する。この後続配信映像データV2に対する映像データ配信処理は、図2のフローチャートにおけるステップ11〜ステップS15に示すような手順で配信処理される。
【0077】
まず、先行配信映像データV1が先行配信映像データV1’として配信されたあと、所定の時間Tが経過したか否かを判定し(ステップS11)、所定の時間Tが経過していれば、配信すべき映像データ(後続配信映像データとすべき映像データ)があるか否かを判定する(ステップS12)。後続配信映像データとすべき映像データがあれば、ステップS13及びステップS14を行う。
【0078】
ステップS13はステップS2と同じ処理であり、ステップS14はステップS3と同じ処理である。また、読み込む映像データの内容も先行配信映像データV1と同じである。ステップS14の処理がなされることにより、時間情報としてのタイムスタンプ、シーケンス番号及び同期情報と、6個の単位映像データV2(0),V2(1),・・・,V2(5)とで構成される6個の映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)が生成される。
【0079】
6個の映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)によって後続配信映像データV2が構成される。なお、これら映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)を以下では、後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)と呼ぶことにする。
【0080】
そして、この6個の後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)は、送信部104によってそれぞれ宛先情報(例えば、各映像受信端末200のIPアドレス)が付加されて、図7に示すようなデータ構造の映像データとなって、第2のネットワークNW2に送出される。
【0081】
図7は、後続配信映像データV2を構成する6個の後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)のうちのある1つの後続配信映像パケットVp2(0)のデータ構造を示すものである。図7からもわかるように、後続配信映像パケットVp2(0)は、宛先情報と、時間情報としてのタイムスタンプT2(0)、シーケンス番号S2(0)及び同期情報D2(0)と、単位映像データV2(0)とで構成される。他の5個の後続配信映像パケットVp2(1),Vp2(2),・・・,Vp2(5)も同様のデータ構造となっている。
【0082】
次に映像受信端末200側の映像データ受信処理について説明する。
図8は、実施形態1における映像データ受信処理手順を説明するフローチャートである。まず、ネットワークNW1からの先行配信映像データV1’があるか否かを判定し(ステップS21)、配信されてきた先行配信映像データV1’があれば、復号化部202によって先行配信映像データV1’を復号化する(ステップS22)。
【0083】
復号化部202による復号化は、FEC処理及びインタリーブ処理された映像データに対して行われる。すなわち、この実施形態1の場合、先行配信映像データV1’を構成する6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)に対して行われる。
【0084】
復号化は、映像配信サーバ100の符号化部103による符号化(インタリーブ処理を含む)と逆の操作を行って、符号化前の6個の先行配信映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)を得る。このとき、FECによる誤り訂正処理によって、できるだけ正確な映像データとする。なお、復号化の際、6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)に付加されている宛先情報は除去された状態で復号化される。
【0085】
そして、この復号化部202によって復号化された先行配信映像データV1がバッファ203に記憶される(ステップS23)。すなわち、先行配信映像データV1を構成する6個の先行配信映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)が、バッファ203に記憶される。なお、バッファ203に記憶される6個の先行配信映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)は、宛先情報とFEC処理による誤り訂正符号とは除去された状態となっている。
【0086】
次に、ネットワークNW2から後続配信映像データV2があるか否かを判定し(ステップS31)、後続配信映像データV2があれば、その後続配信映像データV2を照合部204に送る(ステップS32)。すなわち、後続配信映像データV2を構成するそれぞれの後続配信映像パケットを順次、照合部204に送る。
【0087】
照合部204の照合動作についてステップS33〜S39により説明する。なお、照合部204が行う詳細な動作については図9により後に詳細に説明する。
【0088】
まず、後続配信映像データV2のタイムスタンプ及びシーケンス番号を参照して、該当する先行配信映像データV1をバッファ203から抽出する(ステップS33)。そして、該当する先行配信映像データV1があれば(ステップS34)、後続配信映像データV2と該当する先行配信映像データV1とを比較し(ステップS35)、「後続配信映像データV2=先行配信映像データV1」である場合は(ステップS36)、どちらの映像パケットを用いてもよいが、ここでは、後続配信映像データV2を用いるものとし、この後続配信映像データV2を用いて再生準備を行う(ステップS37)。
【0089】
一方、ステップS36において、「後続配信映像データV2=先行配信映像データV1」でない場合は(ステップS36)、誤り訂正処理に基づいて訂正された先行配信映像データV1を用いて再生準備を行う(ステップS38)。
【0090】
一方、ステップS34において、該当する先行配信映像データV1が無いと判定された場合は、その時点で受信した後続配信映像データV2が正確な映像データであるとは限らないので、直前の後続配信映像データV2を再度利用するか、又は、その時点で受信した後続配信映像データV2が正確な映像データであるとして、その後続配信映像データV2を用いた再生準備を行う(ステップS39)。
【0091】
このように、実施形態1に係る映像受信端末200によれば、上述したような照合処理を行うことによって、その照合結果に基づいて、後続配信映像データV2又は先行配信映像データV1のいずれかをフレーム取得部205に送ることができるので、表示デバイス上での映像データの表示に必要な映像データをより確実に表示デバイス側に送ることができる。これによって、こま落ちなどをより確実に防止することができる。
【0092】
すなわち、後続配信映像データV2に何らかの問題が生じた場合には、先行配信映像データV1を用いての再生が可能となる。このとき、先行配信映像データV1は、映像配信サーバ100側でFEC処理とインタリーブ処理を行って配信されるので、映像受信端末200側では信頼性の高い映像データを再生することができる。また、先行配信映像データV1に何らかの問題が生じた場合は、後続配信データV2を用いての再生も可能となる。これによって、表示デバイス上での映像データの表示に必要な映像データをより確実に表示デバイス側に送ることができる。
【0093】
ところで、図8のフローチャートにおける処理は、先行配信映像データV1及び後続配信映像データV2のいずれかが存在する場合であったが、これら先行配信映像データV1及び後続配信映像データV2がともに受信できなかった場合も考えられる。その場合は、例えば、その直前のフレームの映像データをそのまま使用するというように、あらかじめ決められたエラー処理を施す。
【0094】
図9は、照合部204の具体的な照合動作について説明する図である。この図9により、照合部204の具体的な動作例について説明する。後続配信映像データV2を構成する6個の後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)のうちのある1つの後続配信映像パケット(これを後続配信映像パケットVp2(n)で表す)に対する照合動作について説明する。
【0095】
後続配信映像パケットVp2(n)には、図9(A)に示すように、時間情報のタイムスタンプT2(n)として「1:30」、シーケンス番号S2(n)として「5」、同期情報「D2(n)」が単位映像データV2(n)に付加されている。なお、宛先情報は除去されている。
【0096】
一方、バッファ203には復号化後の先行配信映像データV1を構成する先行配信映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)が記憶されている。このバッファ203内の記憶内容を図9(B)に示す。
【0097】
照合部204は、図9(A)のようなある1つの後続配信映像パケットVp2(n)の時間情報に基づいて、バッファ内に記憶されている先行配信映像パケットから時刻情報の一致する先行配信映像パケットを抽出する。この例の場合、タイムスタンプ「1:30」、シーケンス番号「5」の付加された先行配信映像パケット(図9(B)中、灰色で示す。)がバッファ203から抽出される。
【0098】
そして、図9(C)に示すように、後続配信映像パケットVp2(n)の単位映像データV2(n)とバッファ203から抽出された先行配信映像パケットの単位映像データとを比較する。これは、前述した図8のフローチャートのステップS35に対応する処理であり、以降、図8のフローチャートに沿った処理がなされる。
【0099】
そして、照合部204はフレーム取得部205に対し、照合結果に基づいた映像パケットを送る。例えば、図9の例においては、後続配信映像パケットVp2(n)の単位映像データV2(n)とバッファ203から抽出された先行配信映像パケットの単位映像データとを比較した結果、両者の単位映像データが一致すれば、その後続配信映像パケットVp2(n)をフレーム取得部205に送る。この動作を順次配信されてくる後続配信映像パケットVp2(n)について行うことにより、フレーム取得部205には表示に必要な1フレーム分の映像パケットが入力される。
【0100】
そして、フレーム取得部205では、順次受け取った映像パケットに含まれているタイムスタンプとシーケンス番号に基づいて表示フレームを生成し、生成された表示フレームを出力制御部206によってフレームバッファ207に送る。また、出力制御部206は同期情報D2(n)に基づいてフレームバッファ207内に展開されている1フレーム分の映像データを出力部に送る。これによって、出力部208は送られてきた映像データを表示デバイスに送り、表示デバイス上で映像表示がなされる。
【0101】
なお、実施形態1における映像配信サーバ100では、FEC処理が施された先行配信映像データV1のみにインターリーブ処理を行っているが、FEC処理の有無にかかわらずインタリーブ処理することも可能である。例えば、実施形態1において、後続配信映像データV2に対してもインタリーブ処理を行うようにしてもよい。これによって、後続配信映像データの損失を軽減することができる。なお、このように後続配信映像データV2に対してもインタリーブ処理を行った場合、インタリーブ処理された後続配信映像データV2は、映像受信端末200の復号化部202でインタリーブ処理前の後続配信映像データV2に復元する処理を受ける。
【0102】
[実施形態2]
実施形態1では先行配信映像データV1のみにFEC処理を施すこととしたが、実施形態2は後続配信映像データV2についてもFEC処理を施すこととしている。
【0103】
図10は、実施形態2に係る映像配信システムの構成を示す図である。図10が図1と異なるのは、映像受信端末200a側において、後続配信映像データV2に対しても復号化部202で復号化する点である。なお、構成要素は図1と同じであるので、各構成要素には図1と同一符号が付されている。
【0104】
図11は、実施形態2における映像データ配信処理手順を説明するフローチャートである。図11のフローチャートにおけるステップS51〜S56は先行配信映像データV1に対する処理であり、これは、図2のフローチャートのステップS1〜S6と同じ処理である。また、図11のフローチャートにおけるステップS61〜S67は後続配信映像データV2に対する処理である。このステップS61〜S67のうちのステップS61〜S64は、図2のフローチャートのステップS11〜S14と同じ処理である。
【0105】
実施形態2に係る映像配信サーバ100aにおいては、後続配信映像データV2に対してもFEC処理を施し、かつ、インタリーブ処理を施すこととしている。このため、後続配信映像データV2に対しても、先行配信映像データV1の場合と同様、符号化部103によるFEC処理(ステップS65)とインタリーブ処理(ステップS66)が加わっている。なお、FEC処理及びインタリーブ処理については、実施形態1で説明したので、ここではその説明は省略する。
【0106】
このように、後続配信映像データV2に対してFEC処理(ステップS65)とインタリーブ処理(ステップS66)がなされることにより、6個の後続配信映像パケットVp2’(0),Vp2’(1),・・・,Vp2’(5)が生成され、これらが実際に配信される後続配信映像データV2’となり、この後続配信映像データV2’をネットワークNW2を用いて配信する(ステップS67)。
【0107】
図12は、実施形態2における映像データ受信処理手順を説明するフローチャートである。図12のステップS71〜S73は、図8のステップS21〜S23と同じである。また、ステップS81〜S89は、後続配信映像データV2’に対する受信処理であり、全体的な処理手順としては、図8のステップS31〜S39と同じである。ただし、この実施形態2では、後続配信映像データV2’はFEC処理とインタリーブ処理が施された映像データとなっているので、図8におけるステップS32に対応する図12のステップS82の処理は、後続配信映像データV2’を復号化(インタリ−ブ処理後のデータをインタリ−ブ処理前のデ−タに復元する処理を含む。)して後続配信映像データV2としたのちに照合部204に送る処理となっている。
【0108】
また、図12におけるステップS86において、「後続配信映像データV2=先行配信映像データV1」でない場合は、先行配信映像データV1を用いて再生準備を行うこととしてもよいし、後続配信映像データV2を用いて再生準備を行うこととしてもよい(ステップS89)。
【0109】
このように、実施形態2では、先行配信映像データV1だけではなく、後続配信映像データV2に対してもFEC処理とインタリーブ処理を施すようにしているので、パケットロスなどに対して、より信頼性の高い映像データ配信が可能となる。
【0110】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施が可能である。
【0111】
例えば、各実施形態におけるインタリーブ処理は、時間軸方向に沿って第1のデータブロック同士を並べるようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、あらかじめ規則を作成しておけば、種々の並べ方を設定することができる。
また、各実施形態においては、ネットワークを2つ設け(ネットワークNW1,NW2)、先行配信映像データと後続配信映像データをこれら2つのネットワークを用いて別々に配信するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、1つのネットワークを用いて先行配信映像データと後続配信映像データを時間差で配信することも可能である。
【0112】
また、本発明の映像配信システム、映像配信装置又は映像受信装置に用いられる映像配信方法又は映像受信方法を実現するための処理手順が記述された映像配信プログラム及び/又は映像受信プログラムを作成し、それらのプログラムをフレキシブルディスク、光ディスク、ハードディスクなどの記録媒体に記録させておくこともできる。したがって、本発明は、これらの映像配信プログラム及び映像受信プログラム並びにこれの映像配信プログラム及び/又は映像受信プログラムが記録された記録媒体をも含むものである。もちろん、本発明の映像配信プログラム及び/又は映像受信プログラムは、ネットワークを介して流通させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】実施形態1に係る映像配信システムの構成を示す図。
【図2】実施形態1における映像データ配信処理手順を説明するフローチャート。
【図3】図2におけるステップS3の時間情報付加処理とステップS4のFEC処理について説明する図。
【図4】インタリーブ処理を行うに際して、6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)を複数のブロックに分割する処理を示す図。
【図5】インタリーブ処理を説明する図。
【図6】ネットワークNW1上に送出される6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)のうちのある1つの先行配信映像パケットVp1’(0)のデータ構造を示す図。
【図7】後続配信映像データV2を構成する6個の後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)のうちのある1つの後続配信映像パケットVp2(0)のデータ構造を示す図。
【図8】実施形態1における映像データ受信処理手順を説明するフローチャート。
【図9】照合部の具体的な照合動作について説明する図。
【図10】実施形態2に係る映像配信システムの構成を示す図。
【図11】実施形態2における映像データ配信処理手順を説明するフローチャート。
【図12】実施形態2における映像データ受信処理手順を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0114】
100,100a…映像配信サーバ、101…映像ストリーム生成部、102…時間情報付加部、103…符号化部、104…送信部、200,200a…映像受信端末、201…受信部、202…復号化部、203…バッファ、204…照合部、205…フレーム取得部、206…出力制御部、207…フレームバッファ、208…出力部、300…映像データ記憶媒体、NW1,NW2…ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信システム、映像配信装置、映像受信装置、映像配信方法、映像受信方法、映像配信プログラム及び映像受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して映像データを配信及び受信する映像配信システムは従来から種々提案されている。これらの多くは、映像データを1つの入力インタフェースで配信及び受信しているが、この入力インタフェースにイーサネット(登録商標)などの汎用のネットワークを用いて高精細な映像を確実かつ高速に配信及び受信するためには、ネットワークは高品質で大容量のものであることが望ましい。
【0003】
一般に、この種の映像配信システムは、ネットワークそのものや映像配信装置に大きな負荷を与えるばかりでなく、伝送中のノイズの混入などにより、映像データであるパケットにパケットロスが生じることもある。また、映像配信装置の負荷、さらにはアプリケーションやシステムを構成する機器の負荷や処理の遅延などにより、伝送遅延が生じることもある。
【0004】
このようなパケットロス、伝送遅延などの問題に対処するための技術は、従来より、数多く提案されている。例えば、映像受信装置側において、データ損失のない映像再生を可能とする技術が、特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された技術は、テストデータをあらかじめ映像受信装置側に配信することによって、映像受信装置側では、送られてきたテストデータを再生した際に、フレーム落ちやCPUの処理能力など映像受信装置に関する情報を映像配信装置側に送信する。一方、映像配信装置側では、映像受信装置側から送られてきた映像受信装置に関する情報に基づいた最適な映像の配信条件を設定する。これによって、パケットロスや伝送遅延などを回避するというものである。
【0006】
また、特許文献2に開示された技術は、インターネットなどの経路選択を可能とするように複数の伝送路を設けるというものである。すなわち、データの送受信を行う2地点間で複数の伝送路を設定し、その経路へのデータ分配比率を刻々と変化する経路状態に対応して変更することで、ネットワークの障害や輻輳によるデータ損失の防止やデータ遅延の防止を図るというものである。
【0007】
【特許文献1】特開2003−125374号公報
【特許文献2】特開2004−7361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に開示された技術又は特許文献2に開示された技術によれば、確かに、パケットロス、伝送遅延などに対する一定の効果は期待できると考えられる。
しかしながら、特許文献1に開示された技術の場合、ネットワークの負荷や映像配信装置側及び映像受信装置側の状況は、常に変動するものであるため、一度のテストデータによる測定結果で設定された配信条件が常に最適なものであるという保証はない。仮に、テストデータを定期的に配信して、その都度、最適な配信条件の設定を行うようにする方式であるとしても、映像受信装置が多数存在する場合には、個々の映像受信装置側に対してそれぞれ最適な配信条件の設定を行うなど、映像配信装置側の処理は複雑なものとなり、映像配信装置側にかかる負荷はきわめて大きなものとなる。
【0009】
また、特許文献2に開示された技術の場合、映像配信装置側では、常に、ネットワークの状況を監視していなければならないという問題がある。また、データを受信する映像受信装置の数が増えると、その品質の監視や、分配比率の決定を行うための処理が複雑になるばかりでなく、映像配信装置側の処理が複雑なものとなるといった問題もある。
【0010】
ところで、一般的なネットワークを用いたリアルタイムの映像配信方法においても、通常は、そのインタフェースは1つであるため、パケットロスなどが生じた場合は、映像受信装置側から映像配信装置側に対して、再送要求(ARQ:Automatic Repeat reQuest)を送り、映像配信装置側から改めてパケットロスしたデータを再送するなど、ネットワーク上での信号の授受が複雑になるといった問題が生じている。
【0011】
また、このARQにおいては、パケットの往復時間(RTT:Round Trip Time)が遅延となって現れる。当然、この場合は、パケットロスと遅延の両方が問題となり、映像の再生品質が低下してしまうという問題がある。
さらに、リアルタイムでのデータ転送時にパケットロスを回復する手法として、上記のARQの他に、誤り訂正符号技術を用いた前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)という手法が提案されている。
【0012】
このFECは、映像配信装置側で配信するデータに冗長符号を付加し、転送路中でパケットロスが生じた場合、その冗長符号により、パケットロスしたパケットを回復しようとするものである。これは、再送要求の手続きが不要となるため、その分、遅延も少なくできるという特徴がある。
【0013】
しかし、このFECにおいては、常に余分なデータを送る必要が生じ、ネットワークの帯域を余分に必要とする問題がある。このため、高精細な映像データを配信する場合には、ネットワークの帯域がより多く必要とされるので、ネットワークに大きな負荷をかけることになる。
【0014】
また、これとは別な問題として、FECにより回復したデータが再生時刻に間に合わない場合もある。例えば、映像データとそのFECにより回復した映像データの間隔が大きい場合、FECにより回復した映像データが届く前に、その次の映像データが再生されてしまう場合もある。これでは、パケットロスや遅延が生じた場合と同様に、映像の再生品質に問題が生じ、映像を見るユーザに違和感を与えてしまうことにもなる。
【0015】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能であるのに加えて、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減すること、映像配信装置側では高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信すること、及び映像受信装置側では高品質な映像データを再生することのうち少なくとも1つを可能にする映像配信システムを提供することを目的とする。また、この映像配信システムを構築するための映像配信装置、映像受信装置、映像配信方法、映像受信方法、映像配信プログラム及び映像受信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)本発明の映像配信システムは、ネットワークを介して映像データを配信する映像配信装置と、前記映像配信装置から配信されてくる映像データを受信して再生すべき映像データを生成する映像受信装置とを有する映像配信システムであって、前記映像配信装置は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有し、前記映像受信装置は、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを受信する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする。
【0017】
このように、本発明の映像配信システムにおいては、映像配信装置側では同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するとともに、先行配信映像データ及び後続配信映像データを所定の時間差で配信し、映像受信装置側では、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合結果に基づいて、再生すべき映像データを生成するようにしている。
このため、本発明の映像配信システムによれば、映像受信装置側からの再送要求が不要で、単に同じ映像データを所定の時間差で配信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、映像配信装置側では高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することが可能で、映像受信装置側では高品質な映像データを再生することが可能になる。
【0018】
(2)本発明の映像配信システムにおいては、前記ネットワークは、前記先行配信映像データを配信するネットワークと、前記後続配信映像データを配信するネットワークとをそれぞれ別個に有することが好ましい。
【0019】
これにより、それぞれのネットワークの帯域を有効に使うことができ、高精細な映像データを高速に配信することができる。
【0020】
(3)本発明の映像配信装置は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有することを特徴とする。
【0021】
このように、本発明の映像配信装置においては、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するとともに、先行配信映像データ及び後続配信映像データを所定の時間差で配信するようにしている。
このため、本発明の映像配信装置によれば、単に同じ映像データを所定の時間差で配信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することが可能になる。
なお、本発明の映像配信装置は、上記した本発明の映像配信システムにおける映像配信装置として好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像配信装置を用いることで、上記した本発明の映像配信システムを容易に構築することができる。
【0022】
(4)本発明の映像配信装置においては、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのそれぞれは、複数の単位映像データ及び前記複数の単位映像データのそれぞれに付加される付加情報を有することが好ましい。
【0023】
これによって、映像受信装置における照合処理を適切に行うことができる。付加情報としては、例えば、時間情報がある。時間情報としては、タイムスタンプ(時刻を示す情報)、シーケンス番号(先行配信映像データV1又は後続配信映像データV2におけるデータ位置を示す番号)、同期情報(マルチディスプレイなどで複数の映像で一画面を構成する場合などにおいて複数の映像の同期を取るための情報)などが含まれ、これらタイムスタンプ、シーケンス番号、同期情報などを用いて照合処理を行うことができる。
【0024】
(5)本発明の映像配信装置においては、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのうち少なくとも前記先行配信映像データに対して誤り訂正符号化処理を施す機能をさらに有することが好ましい。
【0025】
このように、配信すべき映像データに対して誤り訂正符号化処理を施すことによって、映像受信装置側では、伝送中のデータ損失などによって生じるデータ誤りを適切に訂正することができる。このため、映像受信装置側から映像配信装置側への再送要求を行う必要がなくなり、ネットワークの負担や映像配信装置への負担を軽減することができる。また、先行配信映像データ側に誤り訂正符号化処理を施すことによって、映像受信装置側で先行して復号化などの処理を行っておくことができるので、後続配信映像データとの照合を効率よく行うことができる。
【0026】
(6)本発明の映像配信装置においては、前記誤り訂正符号化処理は、前方誤り訂正符号化処理であることが好ましい。
【0027】
これにより、データ損失などによって生じるデータ誤りをより一層適切に訂正することができるので、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することができる。
【0028】
(7)本発明の映像配信装置においては、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのうち少なくとも前記先行配信映像データに対してインタリーブ処理を施す機能をさらに有することが好ましい。
【0029】
このように、配信すべき映像データに対してインタリーブ処理を施すことによって、伝送中におけるデータ損失を軽減することができる。
【0030】
(8)本発明の映像受信装置は、同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信映像データを受信する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする。
【0031】
このように、本発明の映像受信装置においては、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合結果に基づいて、再生すべき映像データを生成するようにしている。
このため、本発明の映像受信装置によれば、再送要求をすることなく、単に同じ映像データを所定の時間差で受信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを再生することが可能になる。
なお、本発明の映像受信装置は、上記した本発明の映像配信システムにおける映像受信装置として好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像受信装置を用いることで、上記した本発明の映像配信システムを容易に構築することができる。
【0032】
(9)本発明の映像受信装置においては、前記配信されてくる前記先行配信映像データを一時的に記憶しておく機能をさらに有することが好ましい。
【0033】
これにより、先行配信映像データを受信してから後続配信映像データを受信するまでの所定の時間、先行配信映像データを一時的に記憶しておくことで、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合を円滑に行うことができる。
【0034】
(10)本発明の映像受信装置においては、誤り訂正符号化処理を施された映像データを復号化する機能を有することが好ましい。
【0035】
これにより、伝送中にデータ損失などが生じた場合でも、映像受信装置側において正確な映像データに訂正することができる。
【0036】
(11)本発明の映像受信装置においては、インタリーブ処理を施された映像データを復元する機能を有することが好ましい。
【0037】
これにより、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合を適切に行うことができる。
【0038】
(12)本発明の映像受信装置においては、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合は、前記先行配信映像データに含まれる付加情報と前記後続配信映像データに含まれる付加情報との間で対応関係が取れているかどうかを照合するとともに、前記対応関係が取れている前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの間で、前記先行配信映像データに含まれる単位映像データと前記後続配信映像データに含まれる単位映像データとを照合することにより行うことが好ましい。
【0039】
これによって、先行配信映像データと後続配信映像データとの照合を適切に行うことができる。そして、照合がとれた場合、両者の単位映像データ同士を比較して、その比較結果に基づいて再生すべき映像データを生成するようにしているので、その時点で表示すべき映像データをより正確に生成することができ、高品質な映像データを再現することができる。
【0040】
(13)本発明の映像配信方法は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するステップと、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信するステップとを含むことを特徴とする。
【0041】
このため、本発明の映像配信方法によれば、単に同じ映像データを所定の時間差で配信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することが可能になる。
なお、本発明の映像配信方法は、上記した本発明の映像配信システムや映像配信装置における映像配信方法として好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像配信方法を用いることで、上記した本発明の映像配信システムや映像配信装置を容易に運用することができる。
【0042】
(14)本発明の映像配信プログラムは、映像配信装置に、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するステップと、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信するステップとを実施させる手順を含むことを特徴とする。
【0043】
このため、本発明の映像配信プログラムを映像配信装置に用いることとすれば、単に同じ映像データを所定の時間差で配信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを高速かつ高い信頼性で配信することが可能になる。
なお、本発明の映像配信プログラムは、上記した本発明の映像配信システムや映像配信装置における映像配信プログラムとして好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像配信プログラムを用いることで、上記した本発明の映像配信システムや映像配信装置を容易に運用することができる。
【0044】
(15)本発明の映像受信方法は、同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信データを受信するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成するステップとを含むことを特徴とする。
【0045】
このため、本発明の映像受信方法によれば、再送要求をすることなく、単に同じ映像データを所定の時間差で受信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを再生することが可能になる。
なお、本発明の映像受信方法は、上記した本発明の映像配信システムや映像受信装置における映像受信方法として好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像受信方法を用いることで、上記した本発明の映像配信システムや映像受信装置を容易に運用することができる。
【0046】
(16)本発明の映像受信プログラムは、映像受信装置に、同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信データを受信するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成するステップとを実施させる手順を含むことを特徴とする。
【0047】
このため、本発明の映像受信プログラムを映像受信装置に用いることとすれば、再送要求をすることなく、単に同じ映像データを所定の時間差で受信するだけで、パケットロスや伝送遅延などの問題に対処することが可能になる。その結果、映像配信装置及びネットワークの負担を軽減することが可能で、高品質な映像データを再生することが可能になる。
なお、本発明の映像受信プログラムは、上記した本発明の映像配信システムや映像受信装置における映像受信プログラムとして好適に用いることができる。すなわち、本発明の映像受信プログラムを用いることで、上記した本発明の映像配信システムや映像受信装置を容易に運用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
【0049】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る映像配信システムの構成を示す図である。実施形態1に係る映像配信システムは、映像配信装置としての映像配信サーバ100と、複数の映像受信装置としての複数の映像受信端末200と、映像配信サーバ100と各映像受信端末200との間に介在される2つのネットワークNW1,NW2と、配信すべき映像データを記憶する映像データ記憶媒体300とを有している。なお、図1では、映像データ記憶媒体300は、映像配信サーバ100とは別個に設けられた構成となっているが、映像配信サーバ内に映像データ記憶媒体300が存在する構成であってもよい。
また、2つのネットワークNW1,NW2は、それぞれ同一の映像データを所定の時間差で配信可能とするものである。
【0050】
映像配信サーバ100は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、これら先行配信映像データ及び後続配信映像データを所定の時間差で、すべての映像受信端末200又は特定の映像受信端末200に配信する機能を有している。
【0051】
映像配信サーバ100は、これらの機能を実現するための構成要素として、映像ストリーム生成部101、付加情報としての時間情報を付加する時間情報付加部102、符号化部103及び送信部104を有している。
【0052】
映像ストリーム生成部101は、映像データ記憶媒体300から所定のデータ単位ごとの映像データ(単位映像データと呼ぶことにする)を必要な数だけ取得する機能を有する。この取得された幾つかの単位映像データによって、先行配信映像データV1が構成される。同様にして、映像ストリーム生成部101は、同じ内容の単位映像データを用いて後続配信映像データV2を生成する。
なお、先行配信映像データV1及び後続配信映像データV2は、単位映像データごとに付加情報としての時間情報などが付加されたデータ構造を有している。このデータ構造については後述する。
【0053】
時間情報付加部102は、映像ストリ−ム生成部101で生成された先行配信映像データV1及び後続配信映像データV2を構成するそれぞれの単位映像データに対して、時間情報としてのタイムスタンプ、シーケンス番号、同期情報などを付加する機能を有する。なお、タイムスタンプは時刻を示す情報、シーケンス番号は先行配信映像データV1又は後続配信映像データV2におけるデータ位置を示す番号、また、同期情報はマルチディスプレイなどで複数の映像で一画面を構成する場合などにおいて複数の映像の同期を取るための情報である。
【0054】
符号化部103は、先行配信映像データV1を構成する時間情報の付加された単位映像データごとに、誤り訂正符号化技術を用いた前方誤り訂正処理(以下、FEC処理という。)を施す機能と、FEC処理後にインタリーブ処理を施す機能とを有する。
【0055】
送信部104は、先行配信映像データV1をネットワークNW1を用いて映像データの配信先である映像受信端末200に配信する。また、送信部104は、先行配信映像データV1の配信後に所定の時間差で後続配信映像データV2をネットワークNW2を用いて、先行配信映像データV1と同じ映像受信端末200に配信する機能を有している。なお、先行配信映像データV1と後続配信データV2の時間差は適当な時間差を設定可能である。
【0056】
なお、実施形態1に係る映像配信サーバ100においては、先行配信映像データV1のみにFEC処理を施すこととしている。また、FEC処理を施したあと、インタリーブ処理(これについては後述する。)を施して、インタリーブ処理後のデータを、実際に配信される先行配信映像データとしてネットワークNW1に送出することとしている。なお、インタリーブ処理後の実際に配信される先行配信映像データにV1’の符号を付し、先行配信映像データV1’と呼ぶことにする。
【0057】
一方、映像受信端末200は、映像配信サーバ100から先行して配信されてくる先行配信映像データV1’及び所定の時間差で配信されてくる後続配信映像データV2を受信する機能と、先行配信映像データV1’を復号化して先行配信映像データV1とした後にバッファリングして一時的に記憶しておく機能と、一時的に記憶しておいた先行配信映像データV1と後続配信映像データV2とを照合する機能と、先行配信映像データV1と後続配信映像データV2との照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有している。
【0058】
映像受信端末200は、これらの機能を実現するための構成要素として、映像配信サーバ100から先行して配信されてくる先行配信映像データV1’及び所定の時間差で配信されてくる後続配信映像データV2を受信する受信部201と、先行配信映像データV1’を復号化して先行配信映像データV1とする復号化部202と、復号化部202から出力される先行配信映像データV1を記憶するバッファ203と、バッファ203に記憶された先行配信映像データV1と後続配信映像データV2とを照合する照合部204と、照合結果に基づいて表示すべき映像に対応するフレームを取得するフレーム取得部205と、フレーム取得部205で取得されたフレームを出力制御する出力制御部206と、出力制御部206から出力されたフレームを記憶するフレームバッファ207と、フレームバッファ207に記憶されたフレームを表示デバイスに出力する出力部208とを有している。
なお、復号化部202で行われる復号化には、誤り訂正符号化処理が施された映像データを復号化する処理の他に、インタリ−ブ処理が施された映像デ−タをインタリ−ブ処理前の映像デ−タに復元する処理を含む。
【0059】
図2は、実施形態1における映像データ配信処理手順を説明するフローチャートである。図2において、まず、配信すべき映像データが終わりか否かを判定し(ステップS1)、配信すべき映像データが終わりでなければ、映像ストリーム生成部101が映像データ記憶媒体300から先行配信映像データV1を読み込む(ステップS2)。すなわち、先行配信映像データV1を構成する複数(実施形態1及び後述する実施形態2では6個)の単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)を読み込む。
【0060】
次に、読み込まれた先行配信映像データV1に対して、時間情報付加部102が時間情報としてタイムスタンプ、シーケンス番号、同期情報を付加する(ステップS3)。すなわち、先行配信映像データV1を構成する単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)のそれぞれに対して、時間情報付加部102が時間情報としてタイムスタンプ、シーケンス番号、同期情報を付加する。
【0061】
そして、符号化部103によって先行配信映像データV1に対しFEC処理を行う(ステップS4)。さらに、この符号化部103は、FEC処理を行ったあと、先行配信映像データV1に対してインタリーブ処理を行う(ステップ5)。前述したように、このインタリーブ処理された先行配信映像データを先行配信映像データV1’で表し、この先行配信映像データV1’が実際に配信される。なお、インタリーブ処理の具体例については後述する。
【0062】
先行配信映像データV1’には、送信部104によりさらに宛先情報(例えば、映像受信端末200のIPアドレス)が付加されて、第1のネットワークNW1を用いて配信対象となる映像受信端末200に配信される(ステップS6)。
なお、図2におけるステップS11〜S15は、後続配信映像データV2に対する配信処理手順であるが、これについては後述する。
【0063】
図3は、図2におけるステップS3の時間情報付加処理とステップS4のFEC処理について説明する図である。実施形態1では、先行配信映像データV1のみにFEC処理を施すこととしているので、先行配信映像データV1に対する時間情報付加処理とFEC処理について説明する。
【0064】
図3(A)は、映像データ記憶媒体300から取得された先行配信映像データV1を構成する6個の単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)を示すものである。これら6個の単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)に対して、それぞれの単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)ごとに時間情報付加処理とFEC処理を行う。
ここでは、単位映像データV1(0),V1(1),・・・,V1(5)のうちの単位映像データV1(0)に対して、時間情報付加処理とFEC処理を行う例について説明する。
【0065】
時間情報付加部102では、図3(B)に示すように、時間情報として、タイムスタンプT1(0)、シーケンス番号S1(0)、同期情報D1(0)を単位映像データV1(0)に対して付加する。そして、時間情報の付加された単位映像データV1(0)に対し、符号化部103がFEC処理を行い、生成された誤り訂正符号C1(0)が図3(C)に示すように付加される。FEC処理としては、各種の符号化を用いることができる。その一例としては、RS(リード・ソロモン)符号化などが挙げられる。
【0066】
図3(A)〜図3(C)の処理を、他の単位映像データV1(1),V1(2),・・・,V1(5)に対しても行う。それによって、この例では、図3(C)に示すようなデータ構造の映像データが合計6個生成される。この6個の映像データを映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)と呼ぶことにする。このように、先行配信映像データV1は、この6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)によって構成されることとなる。
【0067】
このようにして、先行配信映像データV1として、6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)が生成されると、符号化部103は、これら6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)をさらにインタリーブ処理する。
【0068】
図4は、インタリーブ処理を行うに際して、6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)を複数(ここでは6個)のブロックに分割する処理を示す図である。図5は、インタリーブ処理を説明する図である。
図4においては、上述した6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)のうちの映像パケットVp1(0)を6個のブロックDB00〜DB05に分割する例が示されている。この複数のデータブロックへの分割は、例えば、適当な単位(バイト単位又はビット単位など)ごとに行う。
【0069】
図4においては、映像パケットVp1(0)に対して分割処理を行っているが、これと同様の分割処理を他の5個の映像パケットVp1(1),Vp1(2),・・・,Vp(5)に対しても行う。これによって、図5に示すように、先行配信映像データV1を構成する6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)について、それぞれ6個のデータブロックが生成される。
【0070】
すなわち、図5に示すように、映像パケットVp1(0)に対しては6個のデータブロックDB00〜DB05が生成され、映像パケットVp1(1)に対しては6個のデータブロックDB10〜DB15が生成され、映像パケットVp1(5)に対しては6個のデータブロックDB50〜DB55が生成されるというように、6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)について、それぞれ6個のデータブロックが生成される。
【0071】
そして、各映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)に対応するそれぞれ6個のデータブロックDB00〜DB05,DB10〜DB15,・・・,DBB50〜DB55のうちの、時間軸方向に沿ったそれぞれ第1番目のデータブロックDB00,DB10,・・・,DB50を用いて、映像データを再構成し、それを映像パケットVp1’(0)とする。
【0072】
同様に、6個のデータブロックDB00〜DB05,DB10〜DB15,・・・,DDB50〜DB55のうちの、それぞれ第2番目のデータブロックDB01,DB11,・・・,DB51を用いて、映像データを再構成し、それを映像パケットVp1’(1)とする。
【0073】
この動作を繰り返すことによって、6個の映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)が生成され、この6個の映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)が実際に配信される先行配信映像データV1’となる。すなわち、実際に配信される先行配信映像データV1’は、6個の映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)によって構成される。なお、これらの映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)を以下では、先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)と呼ぶことにする。
【0074】
なお、先行配信映像データV1’を構成する6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)は、それぞれに宛先情報(例えば、各映像受信端末200のIPアドレス)が付加されてネットワークNW1上に順次送出される。
【0075】
図6は、ネットワークNW1上に送出される6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)のうちのある1つの先行配信映像パケットVp1’(0)のデータ構造を示す図で、先行配信映像パケットVp1’(0)は、宛先情報と図4に示す映像パケットVp1(0)をインタリーブ処理して得られる映像データとで構成される。他の5個の先行配信映像パケットVp1’(1),Vp1’(2),・・・,Vp1’(5)も同様のデータ構造となっている。
【0076】
以上、映像配信サーバ100における先行配信映像データV1に対する映像データ配信処理を説明したが、次に、映像配信サーバ100における後続配信映像データV2に対する映像データ配信処理について説明する。この後続配信映像データV2に対する映像データ配信処理は、図2のフローチャートにおけるステップ11〜ステップS15に示すような手順で配信処理される。
【0077】
まず、先行配信映像データV1が先行配信映像データV1’として配信されたあと、所定の時間Tが経過したか否かを判定し(ステップS11)、所定の時間Tが経過していれば、配信すべき映像データ(後続配信映像データとすべき映像データ)があるか否かを判定する(ステップS12)。後続配信映像データとすべき映像データがあれば、ステップS13及びステップS14を行う。
【0078】
ステップS13はステップS2と同じ処理であり、ステップS14はステップS3と同じ処理である。また、読み込む映像データの内容も先行配信映像データV1と同じである。ステップS14の処理がなされることにより、時間情報としてのタイムスタンプ、シーケンス番号及び同期情報と、6個の単位映像データV2(0),V2(1),・・・,V2(5)とで構成される6個の映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)が生成される。
【0079】
6個の映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)によって後続配信映像データV2が構成される。なお、これら映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)を以下では、後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)と呼ぶことにする。
【0080】
そして、この6個の後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)は、送信部104によってそれぞれ宛先情報(例えば、各映像受信端末200のIPアドレス)が付加されて、図7に示すようなデータ構造の映像データとなって、第2のネットワークNW2に送出される。
【0081】
図7は、後続配信映像データV2を構成する6個の後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)のうちのある1つの後続配信映像パケットVp2(0)のデータ構造を示すものである。図7からもわかるように、後続配信映像パケットVp2(0)は、宛先情報と、時間情報としてのタイムスタンプT2(0)、シーケンス番号S2(0)及び同期情報D2(0)と、単位映像データV2(0)とで構成される。他の5個の後続配信映像パケットVp2(1),Vp2(2),・・・,Vp2(5)も同様のデータ構造となっている。
【0082】
次に映像受信端末200側の映像データ受信処理について説明する。
図8は、実施形態1における映像データ受信処理手順を説明するフローチャートである。まず、ネットワークNW1からの先行配信映像データV1’があるか否かを判定し(ステップS21)、配信されてきた先行配信映像データV1’があれば、復号化部202によって先行配信映像データV1’を復号化する(ステップS22)。
【0083】
復号化部202による復号化は、FEC処理及びインタリーブ処理された映像データに対して行われる。すなわち、この実施形態1の場合、先行配信映像データV1’を構成する6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)に対して行われる。
【0084】
復号化は、映像配信サーバ100の符号化部103による符号化(インタリーブ処理を含む)と逆の操作を行って、符号化前の6個の先行配信映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)を得る。このとき、FECによる誤り訂正処理によって、できるだけ正確な映像データとする。なお、復号化の際、6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)に付加されている宛先情報は除去された状態で復号化される。
【0085】
そして、この復号化部202によって復号化された先行配信映像データV1がバッファ203に記憶される(ステップS23)。すなわち、先行配信映像データV1を構成する6個の先行配信映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)が、バッファ203に記憶される。なお、バッファ203に記憶される6個の先行配信映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)は、宛先情報とFEC処理による誤り訂正符号とは除去された状態となっている。
【0086】
次に、ネットワークNW2から後続配信映像データV2があるか否かを判定し(ステップS31)、後続配信映像データV2があれば、その後続配信映像データV2を照合部204に送る(ステップS32)。すなわち、後続配信映像データV2を構成するそれぞれの後続配信映像パケットを順次、照合部204に送る。
【0087】
照合部204の照合動作についてステップS33〜S39により説明する。なお、照合部204が行う詳細な動作については図9により後に詳細に説明する。
【0088】
まず、後続配信映像データV2のタイムスタンプ及びシーケンス番号を参照して、該当する先行配信映像データV1をバッファ203から抽出する(ステップS33)。そして、該当する先行配信映像データV1があれば(ステップS34)、後続配信映像データV2と該当する先行配信映像データV1とを比較し(ステップS35)、「後続配信映像データV2=先行配信映像データV1」である場合は(ステップS36)、どちらの映像パケットを用いてもよいが、ここでは、後続配信映像データV2を用いるものとし、この後続配信映像データV2を用いて再生準備を行う(ステップS37)。
【0089】
一方、ステップS36において、「後続配信映像データV2=先行配信映像データV1」でない場合は(ステップS36)、誤り訂正処理に基づいて訂正された先行配信映像データV1を用いて再生準備を行う(ステップS38)。
【0090】
一方、ステップS34において、該当する先行配信映像データV1が無いと判定された場合は、その時点で受信した後続配信映像データV2が正確な映像データであるとは限らないので、直前の後続配信映像データV2を再度利用するか、又は、その時点で受信した後続配信映像データV2が正確な映像データであるとして、その後続配信映像データV2を用いた再生準備を行う(ステップS39)。
【0091】
このように、実施形態1に係る映像受信端末200によれば、上述したような照合処理を行うことによって、その照合結果に基づいて、後続配信映像データV2又は先行配信映像データV1のいずれかをフレーム取得部205に送ることができるので、表示デバイス上での映像データの表示に必要な映像データをより確実に表示デバイス側に送ることができる。これによって、こま落ちなどをより確実に防止することができる。
【0092】
すなわち、後続配信映像データV2に何らかの問題が生じた場合には、先行配信映像データV1を用いての再生が可能となる。このとき、先行配信映像データV1は、映像配信サーバ100側でFEC処理とインタリーブ処理を行って配信されるので、映像受信端末200側では信頼性の高い映像データを再生することができる。また、先行配信映像データV1に何らかの問題が生じた場合は、後続配信データV2を用いての再生も可能となる。これによって、表示デバイス上での映像データの表示に必要な映像データをより確実に表示デバイス側に送ることができる。
【0093】
ところで、図8のフローチャートにおける処理は、先行配信映像データV1及び後続配信映像データV2のいずれかが存在する場合であったが、これら先行配信映像データV1及び後続配信映像データV2がともに受信できなかった場合も考えられる。その場合は、例えば、その直前のフレームの映像データをそのまま使用するというように、あらかじめ決められたエラー処理を施す。
【0094】
図9は、照合部204の具体的な照合動作について説明する図である。この図9により、照合部204の具体的な動作例について説明する。後続配信映像データV2を構成する6個の後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)のうちのある1つの後続配信映像パケット(これを後続配信映像パケットVp2(n)で表す)に対する照合動作について説明する。
【0095】
後続配信映像パケットVp2(n)には、図9(A)に示すように、時間情報のタイムスタンプT2(n)として「1:30」、シーケンス番号S2(n)として「5」、同期情報「D2(n)」が単位映像データV2(n)に付加されている。なお、宛先情報は除去されている。
【0096】
一方、バッファ203には復号化後の先行配信映像データV1を構成する先行配信映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp1(5)が記憶されている。このバッファ203内の記憶内容を図9(B)に示す。
【0097】
照合部204は、図9(A)のようなある1つの後続配信映像パケットVp2(n)の時間情報に基づいて、バッファ内に記憶されている先行配信映像パケットから時刻情報の一致する先行配信映像パケットを抽出する。この例の場合、タイムスタンプ「1:30」、シーケンス番号「5」の付加された先行配信映像パケット(図9(B)中、灰色で示す。)がバッファ203から抽出される。
【0098】
そして、図9(C)に示すように、後続配信映像パケットVp2(n)の単位映像データV2(n)とバッファ203から抽出された先行配信映像パケットの単位映像データとを比較する。これは、前述した図8のフローチャートのステップS35に対応する処理であり、以降、図8のフローチャートに沿った処理がなされる。
【0099】
そして、照合部204はフレーム取得部205に対し、照合結果に基づいた映像パケットを送る。例えば、図9の例においては、後続配信映像パケットVp2(n)の単位映像データV2(n)とバッファ203から抽出された先行配信映像パケットの単位映像データとを比較した結果、両者の単位映像データが一致すれば、その後続配信映像パケットVp2(n)をフレーム取得部205に送る。この動作を順次配信されてくる後続配信映像パケットVp2(n)について行うことにより、フレーム取得部205には表示に必要な1フレーム分の映像パケットが入力される。
【0100】
そして、フレーム取得部205では、順次受け取った映像パケットに含まれているタイムスタンプとシーケンス番号に基づいて表示フレームを生成し、生成された表示フレームを出力制御部206によってフレームバッファ207に送る。また、出力制御部206は同期情報D2(n)に基づいてフレームバッファ207内に展開されている1フレーム分の映像データを出力部に送る。これによって、出力部208は送られてきた映像データを表示デバイスに送り、表示デバイス上で映像表示がなされる。
【0101】
なお、実施形態1における映像配信サーバ100では、FEC処理が施された先行配信映像データV1のみにインターリーブ処理を行っているが、FEC処理の有無にかかわらずインタリーブ処理することも可能である。例えば、実施形態1において、後続配信映像データV2に対してもインタリーブ処理を行うようにしてもよい。これによって、後続配信映像データの損失を軽減することができる。なお、このように後続配信映像データV2に対してもインタリーブ処理を行った場合、インタリーブ処理された後続配信映像データV2は、映像受信端末200の復号化部202でインタリーブ処理前の後続配信映像データV2に復元する処理を受ける。
【0102】
[実施形態2]
実施形態1では先行配信映像データV1のみにFEC処理を施すこととしたが、実施形態2は後続配信映像データV2についてもFEC処理を施すこととしている。
【0103】
図10は、実施形態2に係る映像配信システムの構成を示す図である。図10が図1と異なるのは、映像受信端末200a側において、後続配信映像データV2に対しても復号化部202で復号化する点である。なお、構成要素は図1と同じであるので、各構成要素には図1と同一符号が付されている。
【0104】
図11は、実施形態2における映像データ配信処理手順を説明するフローチャートである。図11のフローチャートにおけるステップS51〜S56は先行配信映像データV1に対する処理であり、これは、図2のフローチャートのステップS1〜S6と同じ処理である。また、図11のフローチャートにおけるステップS61〜S67は後続配信映像データV2に対する処理である。このステップS61〜S67のうちのステップS61〜S64は、図2のフローチャートのステップS11〜S14と同じ処理である。
【0105】
実施形態2に係る映像配信サーバ100aにおいては、後続配信映像データV2に対してもFEC処理を施し、かつ、インタリーブ処理を施すこととしている。このため、後続配信映像データV2に対しても、先行配信映像データV1の場合と同様、符号化部103によるFEC処理(ステップS65)とインタリーブ処理(ステップS66)が加わっている。なお、FEC処理及びインタリーブ処理については、実施形態1で説明したので、ここではその説明は省略する。
【0106】
このように、後続配信映像データV2に対してFEC処理(ステップS65)とインタリーブ処理(ステップS66)がなされることにより、6個の後続配信映像パケットVp2’(0),Vp2’(1),・・・,Vp2’(5)が生成され、これらが実際に配信される後続配信映像データV2’となり、この後続配信映像データV2’をネットワークNW2を用いて配信する(ステップS67)。
【0107】
図12は、実施形態2における映像データ受信処理手順を説明するフローチャートである。図12のステップS71〜S73は、図8のステップS21〜S23と同じである。また、ステップS81〜S89は、後続配信映像データV2’に対する受信処理であり、全体的な処理手順としては、図8のステップS31〜S39と同じである。ただし、この実施形態2では、後続配信映像データV2’はFEC処理とインタリーブ処理が施された映像データとなっているので、図8におけるステップS32に対応する図12のステップS82の処理は、後続配信映像データV2’を復号化(インタリ−ブ処理後のデータをインタリ−ブ処理前のデ−タに復元する処理を含む。)して後続配信映像データV2としたのちに照合部204に送る処理となっている。
【0108】
また、図12におけるステップS86において、「後続配信映像データV2=先行配信映像データV1」でない場合は、先行配信映像データV1を用いて再生準備を行うこととしてもよいし、後続配信映像データV2を用いて再生準備を行うこととしてもよい(ステップS89)。
【0109】
このように、実施形態2では、先行配信映像データV1だけではなく、後続配信映像データV2に対してもFEC処理とインタリーブ処理を施すようにしているので、パケットロスなどに対して、より信頼性の高い映像データ配信が可能となる。
【0110】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施が可能である。
【0111】
例えば、各実施形態におけるインタリーブ処理は、時間軸方向に沿って第1のデータブロック同士を並べるようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、あらかじめ規則を作成しておけば、種々の並べ方を設定することができる。
また、各実施形態においては、ネットワークを2つ設け(ネットワークNW1,NW2)、先行配信映像データと後続配信映像データをこれら2つのネットワークを用いて別々に配信するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、1つのネットワークを用いて先行配信映像データと後続配信映像データを時間差で配信することも可能である。
【0112】
また、本発明の映像配信システム、映像配信装置又は映像受信装置に用いられる映像配信方法又は映像受信方法を実現するための処理手順が記述された映像配信プログラム及び/又は映像受信プログラムを作成し、それらのプログラムをフレキシブルディスク、光ディスク、ハードディスクなどの記録媒体に記録させておくこともできる。したがって、本発明は、これらの映像配信プログラム及び映像受信プログラム並びにこれの映像配信プログラム及び/又は映像受信プログラムが記録された記録媒体をも含むものである。もちろん、本発明の映像配信プログラム及び/又は映像受信プログラムは、ネットワークを介して流通させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】実施形態1に係る映像配信システムの構成を示す図。
【図2】実施形態1における映像データ配信処理手順を説明するフローチャート。
【図3】図2におけるステップS3の時間情報付加処理とステップS4のFEC処理について説明する図。
【図4】インタリーブ処理を行うに際して、6個の映像パケットVp1(0),Vp1(1),・・・,Vp(5)を複数のブロックに分割する処理を示す図。
【図5】インタリーブ処理を説明する図。
【図6】ネットワークNW1上に送出される6個の先行配信映像パケットVp1’(0),Vp1’(1),・・・,Vp1’(5)のうちのある1つの先行配信映像パケットVp1’(0)のデータ構造を示す図。
【図7】後続配信映像データV2を構成する6個の後続配信映像パケットVp2(0),Vp2(1),・・・,Vp2(5)のうちのある1つの後続配信映像パケットVp2(0)のデータ構造を示す図。
【図8】実施形態1における映像データ受信処理手順を説明するフローチャート。
【図9】照合部の具体的な照合動作について説明する図。
【図10】実施形態2に係る映像配信システムの構成を示す図。
【図11】実施形態2における映像データ配信処理手順を説明するフローチャート。
【図12】実施形態2における映像データ受信処理手順を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0114】
100,100a…映像配信サーバ、101…映像ストリーム生成部、102…時間情報付加部、103…符号化部、104…送信部、200,200a…映像受信端末、201…受信部、202…復号化部、203…バッファ、204…照合部、205…フレーム取得部、206…出力制御部、207…フレームバッファ、208…出力部、300…映像データ記憶媒体、NW1,NW2…ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して映像データを配信する映像配信装置と、前記映像配信装置から配信されてくる映像データを受信して再生すべき映像データを生成する映像受信装置とを有する映像配信システムであって、
前記映像配信装置は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有し、
前記映像受信装置は、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを受信する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする映像配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の映像配信システムにおいて、
前記ネットワークは、前記先行配信映像データを配信するネットワークと、前記後続配信映像データを配信するネットワークとをそれぞれ別個に有することを特徴とする映像配信システム。
【請求項3】
同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有することを特徴とする映像配信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の映像配信装置において、
前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのそれぞれは、複数の単位映像データ及び前記複数の単位映像データのそれぞれに付加される付加情報を有することを特徴とする映像配信装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の映像配信装置において、
前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのうち少なくとも前記先行配信映像データに対して誤り訂正符号化処理を施す機能をさらに有することを特徴とする映像配信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の映像配信装置において、
前記誤り訂正符号化処理は、前方誤り訂正符号化処理であることを特徴とする映像配信装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれかに記載の映像配信装置において、
前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのうち少なくとも前記先行配信映像データに対してインタリーブ処理を施す機能をさらに有することを特徴とする映像配信装置。
【請求項8】
同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信映像データを受信する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする映像受信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の映像受信装置において、
前記配信されてくる前記先行配信映像データを一時的に記憶しておく機能をさらに有することを特徴とする映像受信装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の映像受信装置において、
誤り訂正符号化処理を施された映像データを復号化する機能をさらに有することを特徴とする映像受信装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載の映像受信装置において、
インタリーブ処理を施された映像データを復元する機能をさらに有することを特徴とする映像受信装置。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれかに記載の映像受信装置において、
前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合は、前記先行配信映像データに含まれる付加情報と前記後続配信映像データに含まれる付加情報との間で対応関係が取れているかどうかを照合するとともに、前記対応関係が取れている前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの間で、前記先行配信映像データに含まれる単位映像データと前記後続配信映像データに含まれる単位映像データとを照合することにより行うことを特徴とする映像受信装置。
【請求項13】
同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するステップと、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信するステップとを含むことを特徴とする映像配信方法。
【請求項14】
映像配信装置に、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するステップと、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信するステップとを実施させる手順を含むことを特徴とする映像配信プログラム。
【請求項15】
同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信データを受信するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成するステップとを含むことを特徴とする映像受信方法。
【請求項16】
映像受信装置に、同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信データを受信するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成するステップとを実施させる手順を含むことを特徴とする映像受信プログラム。
【請求項1】
ネットワークを介して映像データを配信する映像配信装置と、前記映像配信装置から配信されてくる映像データを受信して再生すべき映像データを生成する映像受信装置とを有する映像配信システムであって、
前記映像配信装置は、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有し、
前記映像受信装置は、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを受信する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする映像配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の映像配信システムにおいて、
前記ネットワークは、前記先行配信映像データを配信するネットワークと、前記後続配信映像データを配信するネットワークとをそれぞれ別個に有することを特徴とする映像配信システム。
【請求項3】
同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成する機能と、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信する機能とを有することを特徴とする映像配信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の映像配信装置において、
前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのそれぞれは、複数の単位映像データ及び前記複数の単位映像データのそれぞれに付加される付加情報を有することを特徴とする映像配信装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の映像配信装置において、
前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのうち少なくとも前記先行配信映像データに対して誤り訂正符号化処理を施す機能をさらに有することを特徴とする映像配信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の映像配信装置において、
前記誤り訂正符号化処理は、前方誤り訂正符号化処理であることを特徴とする映像配信装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれかに記載の映像配信装置において、
前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データのうち少なくとも前記先行配信映像データに対してインタリーブ処理を施す機能をさらに有することを特徴とする映像配信装置。
【請求項8】
同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信映像データを受信する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合する機能と、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成する機能とを有することを特徴とする映像受信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の映像受信装置において、
前記配信されてくる前記先行配信映像データを一時的に記憶しておく機能をさらに有することを特徴とする映像受信装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の映像受信装置において、
誤り訂正符号化処理を施された映像データを復号化する機能をさらに有することを特徴とする映像受信装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載の映像受信装置において、
インタリーブ処理を施された映像データを復元する機能をさらに有することを特徴とする映像受信装置。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれかに記載の映像受信装置において、
前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合は、前記先行配信映像データに含まれる付加情報と前記後続配信映像データに含まれる付加情報との間で対応関係が取れているかどうかを照合するとともに、前記対応関係が取れている前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの間で、前記先行配信映像データに含まれる単位映像データと前記後続配信映像データに含まれる単位映像データとを照合することにより行うことを特徴とする映像受信装置。
【請求項13】
同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するステップと、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信するステップとを含むことを特徴とする映像配信方法。
【請求項14】
映像配信装置に、同じ内容の映像データを先行配信映像データ及び後続配信映像データとして生成するステップと、前記先行配信映像データ及び前記後続配信映像データを所定の時間差で配信するステップとを実施させる手順を含むことを特徴とする映像配信プログラム。
【請求項15】
同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信データを受信するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成するステップとを含むことを特徴とする映像受信方法。
【請求項16】
映像受信装置に、同じ内容の映像データから生成された先行配信映像データ及び後続配信映像データのうち先行して配信されてくる前記先行配信映像データ及び後に続いて配信されてくる前記後続配信データを受信するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとを照合するステップと、前記先行配信映像データと前記後続配信映像データとの照合結果に基づいて再生すべき映像データを生成するステップとを実施させる手順を含むことを特徴とする映像受信プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【図5】
【図9】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
【図5】
【図9】
【公開番号】特開2006−42306(P2006−42306A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50322(P2005−50322)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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