説明

映画館における音量の制御

【課題】動画再生時のサウンドトラックの良好な音量制御方法を提供する。
【解決手段】動画サウンドトラック再生システムは、中央前方サウンドトラックチャンネルと複数の他のサウンドトラックチャンネルとを具備する。音量制御は全てのチャンネルのゲインを調整する。前記音量制御は最小から最大までの範囲の設定を有し、中央前方チャンネルのゲインは前記音量制御設定と実質的に第1の関係を有し、前記他のチャンネルのゲインは前記音量制御設定と実質的に第2の関係を有し、これらの関係は、第1の設定よりより小さい音量制御の範囲において、中央前方チャンネル以外の他のチャンネルは設定が減少するにつれて減少するが、中央前方チャンネルのゲインは、設定が減少しても実質的に一定となるか又は、設定が減少するにつれて他のチャンネルのゲインよりももっとゆっくり減少するような関係である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にオーディオ信号の処理に関する。具体的には、動画を再生するときのサウンドトラックの音量制御に関する。
【背景技術】
【0002】
1970年代半ばに、ドルビーラボラトリーズは、映画のサウンドトラックにおけるモニタレベルの較正勧告値を発表した(「ドルビー」はドルビーラボラトリーズ・インクの商標である)。オーディオのモニタレベルを85dBcに調整するために一連の録音においてピンクノイズ基準信号が用いられていた。新しいステレオ光学サウンドトラックの再生装置を備えようとする全ての劇場は、サウンドトラックチャンネルにおける等価なピンクノイズ信号が音量制御(フェーダー)を較正された設定値に設定することにより同じ85dBcを発生させるように調整された。このことは、較正された音量調整の設定(多くのシネマプロセッサでは「0」から「10」の間で「7」に設定する)の下で映画を上演することは、ダビングした劇場における、フィルムディレクターとオーディオ技術者(以降「ミキサー」と称す)により選択された音量と同じ音量を発生させることを意味した。
【0003】
このシステムは長い間非常にうまく働いた。ドルビーステレオ(Aタイプでエンコードされた)映画は、ヘッドルームが限定されていて、結果的に制約されたダイナミックレンジであったが、聴衆からの苦情は少なかった。多くの劇場ではこの較正されたレベルで映画を上演した。サウンドトラックのフォーマットを整える技術は、ドルビーステレオ以来顕著に向上した。ドルビーSRは、中音域周波数で3dB、低音域及び高音域の周波数ではさらに大きくヘッドルームを拡げた。近年、新しいディジタルフォーマットによりこのヘッドルームはさらに拡げられた。図1は、4つの光学サウンドトラックフォーマット、すなわち、アカデミーモノ、ドルビーAタイプ、ドルビーSR、及びドルビーディジタルについて、周波数に対する再生されたサウンドトラックチャンネルの最大音圧レベルを示す。これらの曲線は、基準値に対して正規化されている。したがって、これらは、適切に調整された劇場において、較正された音量制御の設定で動画を上演したとき、互いに異なった光学サウンドトラックシステムの1つのチャンネルの最大音圧レベルを示している。劇場における最大音圧レベルはまたサウンドトラックチャンネル数の関数である。例えば、5チャンネルでは2チャンネルの2.5倍のパワーを出し、その結果音圧レベルが4dB増加する。したがって、5又は7チャンネルのディジタルサウンドトラック再生の場合、例えば、音圧レベルのピークの増加は、図1に示したものより大きくなる。
【0004】
85dBcの較正技術は、フォーマットが改良変化されても維持されていたので、新しいサウンドトラックに対してもヘッドルームの追加が可能となる。しかしながら、長編映画は、「アソシエイティブラウドネス(associative loudness)」として知られる、ダイアログレコードレベルに対する、拡張したヘッドルームとは独立した、一貫性のある主観的ミックス基準を持っている。ダビングミキサーがスクリーン上の演技者を見たとき、そしてダイアログと音楽又は効果との間に矛盾が無いとき、適度にクローズアップしたときのダイアログレベルは、視覚的印象がもっともらしくなるように設定される。妥当な範囲で、このことにより一般に2dB又は3dBの間で忠実性を保持する。対応する視覚基準がないので、この自然なダイアログレベルはナレーションに対して忠実性は保持されない。音楽及び効果は、直接的視覚的なアソシエイティブラウドネスを持たない。多くの人は、コンコルドの離陸時又は50mm砲の実際の音圧レベルを熟知しているわけではない。楽譜のレベルも同様には較正されない。
【0005】
レコーディング媒体のヘッドルームの容量が拡張されているので、非アソシエイティブラウドネスの効果が確かに用いられ、音楽は使用可能なヘッドルーム空間を満たす程度まで拡張される。ダイアログを基準として用いるので、爆発音のような大きな音はしばしば20dB又それ以上の音となり(爆発音はダイアログレベルより25dB大きい、フルスケールのピークレベルに達する)、全ての視聴者に聞こえるよう意図された、木の葉のさらさらこすれる音のような、静かな音は、50dB程度静かになるかもしれない。
【0006】
映画がうるさすぎるとの視聴者の苦情に応じて、多くの劇場では較正されたレベルより実質的には低いレベルで映画を上演している。較正されたレベル(標準音量制御設定)である「7」に対抗する、「6」又は「5・1/2」の音量制御設定(フェーダーレベル)は、約4又は6dBの音量の減少を表現し、一般的でない。同時に異なった映画の場面を示すマルチプレクサの操作を行なう映写技師は、異なった映画に対して違う制御設定を行なう時間がないか又はそのようなこと煩わされたくないので、いくつかの映画館では、半永久的に音量制御をこのような設定値に下げている。視聴者の苦情を避けるために、音量制御を下げた場合、ダイアログはミキサーが意図したより音が小さくなり、映画の他の音の存在及び/又は劇場の一般的なバックグランドノイズ(ポップコーンを食べる音、空調の音、人の話し声、等)により、一部のダイアログが理解できないとの苦情が視聴者からあるいは出るかもしれない。しばしば、ショーにおける音量の最も大きな(そして最も早期の)部分により生じた苦情により、劇場における再生レベルが設定される。最も音量の大きい、そして、しばしば上演映画より音量が大きい、予告編(試写会)での応答により再生レベルが設定されるならば、作品は、その下げられた音量レベルでしばしば上演される。その結果、作品のダイアログレベルは、予告編の音量を下げるのに必要と思われるレベルまで下げられる。較正されたレベルより6dB音量を下げて上演された映画は、ダイアログの理解における深刻な問題を引き起こすかも知れず、非常に静かな音は聞こえなくなるかもしれない。
【0007】
加えて、ヘッドルームをドルビーAタイプからドルビーSRに拡張して用いディジタルで公開することは、それに対応するパワーアンプとラウドスピーカの能力に適合しなくなっているという可能性がある。装置の過負荷によるひずみの結果、最近のサウンドトラックの大きさの問題を悪化させ、その結果苦情の回数も増加することとなるだろう。
【0008】
初期の映画におけるサウンド装置の較正では、音量制御装置は、しばしばクリックストップ又は標準設定でのデテントを有する機械的ポテンショメータであった。ごく最近の(ディジタル)装置は、シャフトエンコーダ又は(設定の数値表示の付いた)1組の増減ボタンを用い、再生されたサウンドトラックの全てのチャンネルに適用するゲインを定めるための乗算器(ディジタルでも電圧制御増幅器でもよい)を調整する制御信号を送り出す。一般的な映画サウンド装置において、音量制御では、徐々に比較的一定の速度でゲイン設定を約「4」から「10」の範囲で上げてゆき、約「4」まで速い速度でゲインを下げ、聞こえなくなるまで下げてゆくこともある。ゲイン又はロスと音量制御設定との関係についての、このような典型的な従来技術を図2の下側の曲線に示し、以下に説明する。
【0009】
本発明が適用されないモノラル装置を除いて、映画サウンド装置には中央前方を含む3個以上の前方ラウドスピーカが含まれる。歴史的には、フィルムミキサーはダイアログを中央前方チャンネルに置き、出演者からの音声をそれ以外の場所におくことはまれである。これは、マルチトラックディジタルサウンドトラック(例えば5.1又は7.1チャンネル)又は左、中央、右及びサラウンド出力を導き出すマトリックスデコーダにより再生される2チャンネルアナログ光学サウンドトラックのどちらにも適用される。中央前方チャンネルにはもちろん他の素材も含まれるが、それは、聴衆の関心はスクリーンに集中しているので映画のアクションを追いかけるのに重要な素材である。苦情を誘発するほどサウンドトラックが大音量になるときは、1つだけ、とりわけ中央前方の1つだけではなく、いくつかのチャンネルがそのような大音量に関与する。
【発明の概要】
【0010】
本発明によれば、動画サウンドトラック再生システムは、中央前方サウンドトラックチャンネルと複数の他のサウンドトラックチャンネルとを具備する。音量制御は全てのチャンネルのゲインを調整し、前記音量制御は最小から最大までの範囲の設定を有し、中央前方チャンネルのゲインは前記音量制御設定と実質的に第1の関係を有し、前記他のチャンネルのゲインは前記音量制御設定と実質的に第2の関係を有し、これらの関係は、第1の設定よりより小さい音量制御の範囲において、中央前方チャンネル以外の他のチャンネルは設定が減少するにつれて減少するが、中央前方チャンネルのゲインは、設定が減少しても実質的に一定となるか又は、設定が減少するにつれて他のチャンネルのゲインよりももっとゆっくり減少するような関係である。
【0011】
また本発明によれば、動画サウンドトラック再生システムは、中央前方サウンドトラックチャンネルと複数の他のサウンドトラックチャンネルとを具備し、前記チャンネルの各々は調整可能なゲインと1以上のラウドスピーカとを有し、コントローラは前記全てのチャンネルのゲインを調整するための音量制御を有し、前記音量制御は最小から最大までの範囲の設定を有し、中央前方チャンネルのゲインは前記音量制御設定と実質的に第1の関係を有し、前記他のチャンネルのゲインは前記音量制御設定と実質的に第2の関係を有し、これらの関係は、第1の設定よりより小さい音量制御の範囲において、中央前方チャンネル以外の他のチャンネルは設定が減少するにつれて減少するが、中央前方チャンネルのゲインは、設定が減少しても実質的に一定となるか又は、設定が減少するにつれて他のチャンネルのゲインよりももっとゆっくり減少するような関係である。
【0012】
前記第1の設定より小さい音量制御設定の範囲は、最小制御設定まで下に延びているか又は、前記最小制御設定より大きい第2の設定まで下に延びている。後者の場合、第2の設定より小さい設定において、全てのチャンネルのゲインは、前記設定が減少するにつれて実質的に同じように減少し、そのような音量制御の設定において中央前方チャンネルのゲインは他のチャンネルのゲインより大きい。任意的に、第2の設定より小さい設定において、前記中央前方チャンネルのゲインは、他のチャンネルのゲインより対数領域で実質的に一定量だけ大きくしてもよい。
【0013】
前記第1の設定より大きな設定において、全てのチャンネルのゲインは設定が増加するにつれて増加してもよく、これらの音量制御設定の各々において、中央前方チャンネルのゲインと他のチャンネルのゲインは、実質的に同一としてもよい。
【0014】
本発明は、音量制御が標準に設定されたとき、チャンネルにおけるそれぞれ標準の参照レベルを有する信号に応答してそれぞれの標準音量レベルを生じさせるそれぞれのゲインを前記各チャンネルが有しているような装置において、特に好都合である。
【0015】
本発明は最大音量を減少させ、それにより苦情を減らす一方、ダイアログを含有する中央前方の音量レベルを維持し、さらに使用者が操作する1つの制御のみ必要とするものである。本発明の一実施の形態によれば、映画機材は、音量制御がその標準設定である範囲まで従来のように設計し設置され、再生されたサウンドトラックチャンネルの各々は、このチャンネルのそれぞれの標準参照レベルを有する信号に応答して、それぞれの標準音量レベルを生成させるゲインを有し、そして、フィルムミキシングルームにて標準レベルのマッチングが行なわれる。そして、較正するとき、音量制御が標準に設定されている再生システムは、フィルムミキサーにより意図されたのと実質的に同じ明瞭な音量を有する。しかしながら、本発明によれば、もし音量制御が聴衆の実際の苦情に応じて標準設定以下に下げられたとすると、中央前方を除くすべてのチャンネルの設定が限られた範囲で同じように減衰するが、中央前方は少ししか減少しない(又はまったく減少しない)。この効果は全体の音量の減少にだけではなく、他のチャンネルの音量が上がったときに潜在的に明瞭度を改善させながら、中央前方チャンネルへも同じ割合で増大に寄与させることにも作用する。任意的に、他のチャンネルに対する中央前方のバランスを標準の設定以下の設定に変化の程度を下げた後、更なる設定の減少については、変更したバランスを固定させたまま、全てのチャンネルが同様に減衰するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】4つの光学サウンドトラック、サウンドトラックフォーマット、すなわち、アカデミーモノ、ドルビーAタイプ、ドルビーSR、及びドルビーディジタルについて、周波数に対する再生されたサウンドトラックチャンネルの最大音圧レベルを示す。
【図2】音量制御設定に対する一組の適切な中央前方サウンドトラックチャンネルのゲインと他のサウンドトラックチャンネルの各々のゲインの関係を示し、ここで、0dBのゲインは標準音量制御設定として与えられる。
【図3】構造上の観点から見た本発明の実施の形態を示す簡略化されたブロック図である。
【図4】構造上の観点から見た本発明の実施の形態を示す簡略化されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2は、中央前方チャンネル(上方の曲線)と残りの各チャンネル(下方の曲線)に対する音量制御の機能として、理想化されたゲイン/ロス曲線を示す。下方の曲線はまた、従来技術の動画サウンド装置における音量設定の機能として、(本発明のような、中央前方チャンネルを除くチャンネルではなくて)全てのチャンネルに対する典型的なゲイン/ロスを示す。図2の例に示した特徴的な応答は実用的で有用なものではあるが、厳密に特性を定めることは重要ではない。例えば、下方の特性曲線は、従来技術における音量制御設定に対する全てのチャンネルのゲイン/ロスと同じである必要はない。この図に示した特性は、本発明の範囲に含まれる適切な特性の一例に過ぎない。
【0018】
さらに図2を参照すると、中央前方チャンネルのゲインは音量制御設定に対して第1の関係を持ち、他のチャンネルの各ゲインは、音量制御設定に対して第2の関係を持つことがわかる。図2において、0dBは、第1の設定における音量設定が標準「7」の設定であるときのゲインとして定義される。第2の設定まで下がる第1の設定より小さい設定に対し、設定が減少するにつれて、中央前方チャンネルのゲインは、他のチャンネルよりゆっくりと減少する。あるいは、標準の設定を少し下回る、限られた設定範囲において、例えば設定「7」と設定「6」の間において、中央チャンネルのゲインは、他のチャンネルのゲインが変化したときでも一定であってよい。ゲインにおけるそのような変化は(代替的な実施においても)音量設定の最低値にまで下がってゆくかもしれないが、実際の実施の形態においてゲインのそのような変化は、最小設定まで行かないで、図2に示すように例えば約「5」の設定のような第2の設定にまでとすることが望ましい。この場合、第2の設定以下の設定に対して全てのチャンネルのゲインは、設定が減少するにつれて実質的に同様に減少し、このような音量制御設定に対して中央前方チャンネルのゲインは、図2に示すように例えばほんの数dBだけ他のチャンネルのゲインより大きい。公称標準設定より大きい設定から最大設定までの設定に対して全てのチャンネルのゲインは設定が増大するにつれて増大し、このような音量制御設定の各々に対し、中央前方チャンネルのゲインと他のチャンネルのゲインとは実質的に同じになる。音量制御設定に対する一方の中央前方チャンネルのゲインと他方の他のチャンネルのゲインとの関係は、図2の例に厳密に従う必要はなく、添付の特許請求の範囲にのみ制限されることはいうまでもない。
【0019】
本発明の典型的なシステムは図3に示される。中央前方サウンドトラックチャンネルは、チャンネルのゲインを制御するゲイン調整装置102を有する。チャンネルはパワー増幅器(不図示)を経由して1以上のラウドスピーカ104に送り込まれる。実際には、ゲイン調整装置102は、例えば前置増幅器のゲイン制御又は音量制御あるいは前置増幅器の出力における受動可変損失であってもよい。単純化するために2チャンネルとしてあらわした複数の他のチャンネルは、各々がゲイン調整装置106及び108を有する。各チャンネルはそれぞれパワー増幅器(不図示)を経由してそれぞれ1以上のラウドスピーカ110及び112に送り込まれる。制御装置の音量制御116の設定に応じてここに記載したような方法で、中央前方チャンネルのゲイン調整装置102は制御装置114の第1の出力により制御され、その他のチャンネルのゲイン調整装置106及び108は制御装置114の第2の出力により制御される。
【0020】
ディジタル制御を採用する実際の装置では、図4に示すように、音量制御設定は最初に値を選択し、次にルックアップ表202及び204を参照する。第1のルックアップ表202は次に中央前方チャンネルにおける乗算制御ボリューム206を調整する一方、第2のルックアップ表204は他のチャンネルにおける乗算制御ボリューム208及び210を調整することができる。音量制御設定に応じたルックアップ表の値は、設定と種々のチャンネルにおけるゲインとの間の望ましい関係を提供する。
【0021】
本発明及びそのさまざまな特徴は、例えば、ゲインに対する制御設定に関する2つの適切な非線形機能を有するアナログ回路、又は、ディジタル信号処理装置、プログラムされた汎用ディジタルコンピュータ、及び/又は、特定目的のディジタルコンピュータにより実行されるソフトウエア機能又はそれらの装置と機能の組み合わせにより実行される。アナログ信号とディジタル信号のインターフェースは適切なハードウエア及び/又はソフトウエアでの機能及び/又はファームウエアで実行することができる。
【符号の説明】
【0022】
102,108 ゲイン
104,110,112 ラウドスピーカ
114 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャンネル、及び制御装置により調整される該第1のチャンネルのゲインと、
第2のチャンネル、及び該制御装置により調整される該第2のチャンネルのゲインと、
を具備する動画サウンドトラック再生システムであって、
該制御装置は、
最小から最大までの第1の設定範囲を有する音量制御と、
該音量制御の設定に応じて前記第1のチャンネルのゲインを制御する第1の出力と、
該音量制御の設定に応じて前記第2のチャンネルのゲインを制御する第2の出力と、
を具備し、
該音量制御の設定を下げると、前記オーディオシステムの音量が減少すると共に該音量に対する前記第1のチャンネルの寄与の割合を増大させることを特徴とする、
動画サウンドトラック再生システム。
【請求項2】
前記第2の出力は、さらに、前記音量制御設定に応じて第3のチャンネルのゲインを制御することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
少なくとも1つのラウドスピーカをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
サラウンド出力をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第1のチャンネル、及び制御装置により調整される該第1のチャンネルのゲインと、
第2のチャンネル、及び該制御装置により調整される該第2のチャンネルのゲインと、
を具備する動画サウンドトラック再生システムであって、
該制御装置は、
最小から最大までの第1の設定範囲を有する音量制御と、
該音量制御の設定に応じて前記第1のチャンネルのゲインを制御する第1の出力と、
該音量制御の設定に応じて前記第2のチャンネルのゲインを制御する第2の出力と、
を具備し、
前記第2のチャンネルのゲインは、前記音量制御の設定の減少に伴い、第2の範囲において、前記第1のチャンネルのゲインより減少し、該第2の範囲は前記第1の設定範囲より小さいことを特徴とする動画サウンドトラック再生システム。
【請求項6】
前記第2の出力は前記音量制御の設定に応じて第3のチャンネルのゲインをさらに制御し、該第3のチャンネルのゲインは、前記音量制御の設定の減少に伴い、前記第2の範囲において、前記第1のチャンネルのゲインより減少することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第1のチャンネルと第2のチャンネルであって各チャンネルがゲインを有することをことを特徴とするチャンネルと、
前記第1のチャンネルのゲインと前記第2のチャンネルのゲインとを調整する音量制御を有する制御装置であって、該音量制御は最小から最大までの範囲の設定を有し、該第1のチャンネルのゲインは該音量制御の該設定と第1の関係を有し、該第2のチャンネルのゲインは該音量制御の該設定と第2の関係を有し、該関係は、第1の設定より小さい音量制御設定の範囲において、前記第1のチャンネルのゲインは(1)前記音量制御設定が前記第1の設定以下に減少してゆくにつれて前記第2のチャンネルのゲインが減少してゆくときにも一定となるか、又は、(2)前記音量制御設定が前記第1の設定以下に減少してゆくにつれて前記第2のチャンネルのゲインよりももっとゆっくり減少するような関係であることを特徴とする制御装置と、
を具備することを特徴とする、動画サウンドトラック再生システム。
【請求項8】
前記第1の設定より小さい前記音量制御設定の範囲が、前記最小の音量制御設定まで伸びていることを特徴とする請求項7のシステム。
【請求項9】
前記第1の設定より小さい前記音量制御設定の範囲が、前記最小の音量制御設定より上方の第2の設定まで伸びていることを特徴とする請求項7のシステム。
【請求項10】
前記第2の設定より小さい音量制御設定に対して、前記第1のチャンネルのゲインと前記第2のチャンネルのゲインとは、前記音量制御設定が前記第2の設定以下に減少するとき、等しく減少し、そのような音量制御設定に対して、前記第1のチャンネルのゲインは前記第2のチャンネルのゲインより大きいことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の設定より小さい音量制御設定に対して、前記第1のチャンネルのゲインは、前記第2のチャンネルのゲインより対数領域で一定量だけ大きいことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
左出力、右出力、及びサラウンド出力をさらに具備することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
動画サウンドトラックの音量制御を行う方法であって、
音量制御の設定を減少させるステップであって、該設定は最小から最大までの範囲であることを特徴とするステップと、
前記減少に応じて、第1のチャンネルのゲインと第2のチャンネルのゲインとを調整するステップと、
前記第1のチャンネルの動画サウンドトラックを第1の出力に出力するステップと、
前記第2のチャンネルの動画サウンドトラックを第2の出力に出力するステップと、
を具備し、
前記調整は、音量を減少させ且つ該音量に対する前記第1のチャンネルの寄与の割合を増大させることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記減少させるステップはディジタル制御を採用することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の出力は、左サウンドトラック、右サウンドトラック、及びサラウンドサウンドトラックの内の少なくとも1つであることを特徴とする請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−125042(P2011−125042A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4578(P2011−4578)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【分割の表示】特願2006−510077(P2006−510077)の分割
【原出願日】平成16年4月13日(2004.4.13)
【出願人】(591102637)ドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレーション (111)
【氏名又は名称原語表記】DOLBY LABORATORIES LICENSING CORPORATION
【Fターム(参考)】