説明

暗証パスワード入力方法および暗証パスワード入力装置

【課題】 暗証番号またはパスワードを入力する装置では、暗証キーの設置のために小型化できず、暗証のための表示を行うと表示の複雑さによって暗証照合までの入力時間がかかってしまう。また、音声認識や指紋認識などの個人認証装置を設置すると構成が複雑になってしまう。これらを改良する小型で簡単な構成の暗証入力可能な装置を提案する。
【解決手段】
既存の複数の外装スイッチの一部を暗証キー入力スイッチと兼用する。操作スイッチの入力情報判定を行い、通常の操作スイッチ動作として扱うか、暗証キー操作スイッチ動作として扱うか、を切換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起動や作動時に使用者を特定するための暗証・パスワードの入力方法、および、暗証入力手段を持つ装置、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、盗難防止や操作の個人特定を目的とし、携帯性のあるカメラ等の製品に対して個人認証のためのパスワードや個人情報を入力し、照合した場合のみ起動や作動のできるカメラの提案がされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、登録したパスワードと一致が確認できたときのみにカメラの作動を許可し撮影が可能となるカメラが開示されている。
【0004】
特許文献2では、個人名等をパスワードとして登録し常時表示も可能としたカメラが開示されている。
【0005】
特許文献3では、デジタルカメラの画像出力、画像再生、画像消去の行為をパスワード照合したときのみ行わせるカメラが開示されている。
【0006】
特許文献4では、個人の特徴を表す複数の入力手段(音声・口唇形状・署名)を選択できる個人認証装置が開示されている。
【0007】
特許文献5では、個人認証手段として生体登録情報(指紋・網膜・声紋 等)を用いたカメラが開示されている。
【0008】
以上のように個人認証手段としては大きく分けて2種類がある。
【0009】
個人認証手段の一つは、決められたキーコードの中から操作者に自由に選ばせてその組み合わせや順番を暗証番号またはパスワードとするもの、である。具体的には、数字の0〜9と入力桁数とをコード化し、その入力順番と組み合わせを照合させる方式である。一般的な暗証番号方式であり、操作者が忘れない程度の暗証番号桁数として4桁の組み合わせを選ばせるものが主流である。またキーコードを入力する場合に英字入力を可能としていたら、前途の数字キーに英字を加え英数字と入力桁数をコード化し、その入力順番と組み合わせを照合するものもある。
【0010】
個人認証手段のもう一つは、個人を特定できる情報(音声・指紋等)の読み取り手段を持ち、その個人情報を記録しておき照合させるものがある。
【特許文献1】特開平6−250248号公報
【特許文献2】特開平11−7072号公報
【特許文献3】特開2000−125237号公報
【特許文献4】特開2002−8034号公報
【特許文献5】特開2002−57928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の個人認証手段としてキーコードの中から選択させる場合、キーコードの入力部を必要とする。例えば数字の0〜9をキーコードとした場合の簡単な構成として、操作者にダイレクトに選ばせるために0〜9のスイッチ(押しボタン)を設置すれば入力できるのだが、カメラ等の小型で携帯性を重視している製品には10個もの押しボタンは設置できない。そこで、液晶等の表示部に数字や英字を表示させ、選択スイッチ(回転スイッチや多方向スイッチ等)で選ばせる方式がカメラ等では一般的である。具体的な例として、カメラ背面のTFT液晶部に英数字を表示させ、多方向スイッチを上下左右に動かして英数字を選ばせ暗証の照合を行う、といったものである。
【0012】
しかしながら、個人認証が照合しなければその後の起動や動作に移行できない製品とすれば、この個人認証のための入力手段は操作者にとって簡単に入力できるものでなければならない。前途したカメラの具体例での英数字キー選択方式では、限られた表示部に表示された英数字を操作者は1個1個選択することになるので、選択時間が長くなり、例えばカメラでは撮影動作までの時間がかかり過ぎてシャッターチャンスを逃すといった事にも成り得る。
【0013】
また、従来の個人認証手段の生体情報(音声・指紋等)を利用する場合、その読み取り装置を新たに設置しなければならず、構成も複雑になり、小型で安価を目的とした製品には採用できない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前途した個人認証手段の課題の解決として、本発明に係る暗証パスワード入力方法および暗証パスワード入力装置の請求項1は、外部に設けられた複数の操作スイッチと、第一の入力モードと第二の入力モードを切換える切換え手段と、を有し、上記複数の操作スイッチは、第一の入力モードにおいては制御のための操作スイッチとなり、第二の入力モードにおいては暗証用の操作スイッチとなることを特徴とした。これにより外部スイッチの入力モードの判定を切換えることで、外装されたスイッチが暗証用のキー入力スイッチに兼用できる。
【0015】
本発明の請求項2は、請求項1において、装置の起動動作が行われた後は第二の入力モードに設定され、操作スイッチによる暗証確認動作が完了した後、前記切換え手段により第一の入力モードに切換わることを特徴とした。これにより暗証用キー入力に設定されたスイッチは、暗証照合すると通常モードに復帰することが可能となる。
【0016】
本発明の請求項3は、請求項2において、前記起動動作を行うスイッチは、前記複数の操作スイッチに含まれないことを特徴とした。これにより起動用の電源スイッチは暗証用キーとはならず通常の入力が優先されるようになる。
【0017】
本発明の請求項4は、請求項3において、前記第二の入力モードにおける暗証確認動作において、照合できない操作スイッチが操作された時は、前記複数の操作スイッチの内の一部のスイッチに第一の入力モードにおける動作を許容させることを特徴とした。これにより暗証照合が不可と判定されたら、一部の選択スイッチを動作可能な状態に割りあてることが可能となる。
【0018】
本発明の請求項5は、請求項4において、前記一部のスイッチとは、第二の入力モードへの復帰を選択させるためのスイッチであることを特徴とした。これにより暗証照合が不可と判定された後でも一部の選択スイッチを動作可能な状態に割りあて、再度、暗証照合を継続できるようになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、すでに設置されている外装スイッチを暗証用キーコードとして兼用することにより、新たな暗証用キースイッチを設けないので、小型で安価な構成で個人認証を実現できる。
【0020】
また、ダイレクトに暗証キーが選択できるので、従来のパスワード認証時の煩わしい操作の負担が軽くなり、製品動作の機動性が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の個人認証のための暗証パスワード入力方法及びその装置について、その詳細を、具体的にデジタルカメラの構成を用いて以下の実施例で説明する。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の一例となる実施例の構成を示す図であり、図中100の部分が画像処理装置をもったデジタルカメラの簡略化した構成である。
【0023】
カメラ本体100はデジタル一眼レフカメラの形態をしており、13の絞り機能を備える交換可能な撮影レンズが装着可能となっている。
【0024】
1はデジタルカメラ100全体を制御するシステム制御回路であり、内部にROM、RAM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、時計機能を有するマイクロコンピュータである。
【0025】
このシステム制御回路1にて本発明に関わる個人認証のための暗証キーの入力制御、暗証キーの表示、などを内部プログラムにて処理および制御する。
【0026】
2は電源制御部で、3の電源となる電池の検出回路、DC−DCコンバータにより構成されており、電池装着の有無、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路1の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な各部へ供給する。
【0027】
10は撮影レンズ13のフォーカシングを制御する測距制御手段であり、測距センサを含んで構成され、複数の測距点から選択された測距を行い、システム制御回路1にて演算された絞り値(Av値)に合わせて撮影レンズ13の絞りを開閉する制御をレンズ接続端子11と12を介して駆動する。
【0028】
14はシャッター15を制御する露光制御手段であり、測光センサを含んで構成され、システム制御回路1にて演算されたシャッター秒時(Tv値)に合わせてシャッター15を開閉する制御を行う。
【0029】
20は光学像を電気信号に変換する例えばCCD等の撮像素子、21は撮像素子20のアナログ信号出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。
【0030】
22は撮像素子20や、A/D変換器21や、D/A変換器24にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路23及びシステム制御回路1により制御される。
【0031】
25は画像処理回路であり、A/D変換器21からのデータ或いはメモリ制御回路23からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
【0032】
26は画像表示メモリ、27はTFT型カラーLCD等から成る画像・情報表示部であり、画像表示メモリ26に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器24を介して画像・情報表示部27により表示される。
【0033】
画像・情報表示部27は本実施例ではカメラ背面に設置され、撮影後の画像確認やシステム制御回路1との通信によりさまざまな情報告知を表示する。
【0034】
本発明に関わる個人認証となる暗証キーの入力確認表示は、画像・情報表示部27がモニタとなり確認を行える。
【0035】
28は撮影した静止画像や付帯する撮影情報のコード化されたものを格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。
【0036】
29は画像データを圧縮伸長しファイル化する画像ファイル生成部であり、画像データメモリ28に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを31と32のメモリ接続端子のコネクタを介して30の外部メモリに書き込む。
【0037】
外部メモリ30はPCMCIAカードやフラッシュメモリカード等の規格に準拠したものを用いて構成される例えばカード型の取り外し可能なメモリである。
【0038】
40はカメラの上部に内蔵されているフラッシュ装置であり、後述するストロボアップスイッチを押すことにより任意に動作可能となる。
【0039】
41はシステム制御回路1でのプログラムの実行に応じて文字やアイコンなどでカメラの動作状態を表示する液晶表示装置で、操作部近辺の視認し易い位置に設置され、本実施例ではカメラ上部に設置している。
【0040】
42はEEPROMなどの電源供給が断たれても記憶を継続する不揮発性メモリであり、本発明での暗証パスワードの記録はここで格納される。
【0041】
50はカメラのさまざまな撮影モードを選択するモードダイアル、51は撮影開始を発動させるシャッタースイッチSW1で、シャッターボタンの操作途中でONとなり撮影動作開始を指示する。
【0042】
52はシャッタースイッチSW2で、シャッターボタンの操作完了でONとなり、撮像素子20から読み出した信号を前途した画像処理回路を経て外部メモリ30に画像データを書き込む一連の撮影処理の動作開始を指示する。
【0043】
53は撮影条件などを設定する回転型スイッチ(ダイアルスイッチ)であり、例えばTv値やAv値のアップダウンをダイアルスイッチ53を回転させることにより表示部41に表示しながら設定する。
【0044】
54はカメラ外装に設置されたスイッチの入力制御回路であり、さまざまな撮影条件を決定するスイッチや撮影された画像の編集・閲覧を行うスイッチなどで構成される。この内容については詳細を後述する。
【0045】
操作スイッチ54の一部が本発明に関わる個人認証の暗証キースイッチとなり、操作スイッチ54で入力されたスイッチ入力情報はシステム制御回路1に取り込まれ、不揮発性メモリ42に記録すると共に、メモリ制御回路23とD/A変換器24を介してカメラ背面に設置されたモニタである画像・情報表示部27に暗証キーを表示する。
【0046】
次に本実施例ではデジタルカメラの一例として、図2のカメラ外観図と、図3の操作スイッチ54の詳細図と、を用いてカメラ外装に設置された各スイッチの通常モード(撮影モード)における動作説明をする。
【0047】
図2の(a)はカメラ上部視図、(b)はカメラ背面視図であり、図1のシステムブロック図と対応するカメラ外装スイッチの配置を表している。
【0048】
図3は図1のシステムブロック図中の操作スイッチ54とシステム制御回路1の詳細を表している。
【0049】
図2、図3より、SW_POWERはカメラの起動となる電源スイッチ、SW_SELFはシャッタースイッチSW2が押されてから撮影開始までのカウントダウン時間を設定するセルフタイマーボタン、SW_Avはダイアルスイッチ53との併用にて撮影レンズ13へ絞り情報のAv値を設定する絞り数値設定ボタン、SW_STはカメラ上部に収納された内蔵フラッシュ40をアップするストロボアップボタン、SW_MENUはカメラ背面モニタ(画像・情報表示部)27に表示されるさまざまな表示設定を行うメニューボタン、SW_INFO.はカメラの設定情報を簡易的に見ることができるインフォメーションボタン、SW_JUMPはダイアルスイッチ53との併用にて撮影済みの画像を閲覧する場合に任意の画像に移行できるジャンプボタン、SW_PLAYは撮影済みの画像閲覧をカメラ背面モニタ27で表示するための画像再生ボタン、SW_Eraseは撮影済みの記録された画像を外部メモリ30から削除するための画像消去ボタン、SW_up・SW_down・SW_left・SW_lightはカメラ背面モニタ27に撮影条件などを表示したのち設定する場合、上下左右方向に自由に移動させ設定するための方向設定ボタン、SW_SETは方向設定ボタンにて指示した後に決定するセットボタン、SW_Enlargeはカメラ背面モニタ27に撮影済み画像を再生しているときに画像の一部を選択して拡大するための画像拡大ボタン、SW_Index/SW_Reduceは撮影済み画像の閲覧をカメラ背面モニタ27に9分割して9画像を表示させるインデックスボタンと、カメラ背面モニタ27に撮影済み画像を再生しているときに画像の一部を選択して縮小するための画像縮小ボタンと、を両方兼ねている。
【0050】
各スイッチの名称とアイコンは図2(a)(b)に示すように、各ボタンの近傍に印刷されている。
【0051】
次に、図4のフローチャートと図5のカメラ背面モニタ図を用いて、本実施例での暗証キーの入力判定と表示について説明する。
【0052】
カメラの電源スイッチが入りカメラが起動すると、システム制御回路1の内部プログラムは図4の[カメラ起動]フローチャートのように動作する。
【0053】
まずシステム制御回路1は不揮発性メモリ42内の所定アドレスへアクセスを行い、過去に暗証キーの登録が有るか無いかの判定を行い(S101)、暗証キーが未登録であれば[暗証キー登録]ルーチンへ移行する(S102)。[暗証キー登録]の内容およびフローチャートについては後述する。
【0054】
S101にて過去に暗証キーの登録が有ると判定された場合は、S103へ進み、不揮発性メモリ42内の登録コードを読み取ることでシステム制御回路1は以降の暗証キー照合を行える。本実施例の場合は4つの暗証キー(パスワード)としているので、不揮発性メモリ42にはそれぞれ対応されたコードが登録されている。
【0055】
次にシステム制御回路1はカメラ背面モニタ27に暗証キー入力画面を表示させる(S104)。
【0056】
このときの一例として、図5の(a)では「暗証キーを入力してください」の文字と、入力されるキー表示部にロックしている状態を表す鍵マークと、をカメラ背面モニタ27に表示している。
【0057】
S104にて確認表示を出した後は操作者が暗証キーを入力するまで待機状態になる暗証キーSWモードとなる(S105)。このときの暗証キーとなる各スイッチの入力判定は、通常の撮影に使用するときのスイッチ操作の動作は行わず、パスワードのための暗証キーとして入力判定される。
【0058】
具体的には、例えば通常の撮影モードでは前途したようにSW_STが押されるとカメラ上部に収納されているストロボが上がるようにシステム制御回路1は制御するが、暗証キー入力待機中はSW_STが押されてもストロボは上がらずに暗証キーのスイッチ入力と判定し処理される。
【0059】
暗証キーの1番目が入力されたら登録されている暗証キーコードとの照合を行い(S106)、登録されている1番目の暗証キーコードと一致しなかったときは直ちにS107に進み、スイッチ入力判定を通常の撮影操作スイッチと同じ判定となる通常SWモードに切換える(S107)。
【0060】
S108ではカメラ背面モニタ27に「続けますか?」のメッセージを表示(図5(b)参照)し、S107でカメラの各スイッチは通常の入力判定となっているので、「Yes」と「No」の選択はSW_up・SW_down・SW_left・SW_lightの方向選択スイッチとSW_SETの選択スイッチが行えるようになり、通常スイッチとして入力判定される。
【0061】
S108にて操作者が「Yes」と選択するとS105に戻り、各スイッチの入力判定を暗証キーSWモードに切換えて暗証キー入力待機状態を継続する。S108にて操作者が「No」と選択するとS109に進み、システム制御回路1は電源制御部2へ駆動OFFの制御を行い、カメラは撮影が行えない状態となる[カメラOFF]にてストップする。
【0062】
S106にて登録されている1番目の暗証キーコードと一致したときは、S110に進み2番目の暗証キーコードの入力待機状態となり、S106のデータ照合判定と同様に処理される。
【0063】
以下、同様に3番目と4番目のデータ照合をS111とS112で行う。
S112にて4つの暗証キーが操作者により正しく入力されてデータ照合がOKと判定されたら、S113に進みカメラ背面モニタ27に「認証成功!」と表示し、鍵マーク表示を解除を表すキーマーク表示に変更する(図5(c)参照)。
【0064】
次にS114では各スイッチの入力判定を通常の撮影操作スイッチ判定となる通常SWモードに切替え、S115に進みカメラの撮影スタンバイ状態となる[通常モード(撮影モード)]へ移行し[カメラ起動]のプログラムルーチンを終了する。
【0065】
以上説明したように図4の[カメラ起動]のプログラムルーチンでは、カメラが起動されると暗証キーの登録履歴を読み出し、暗証キー入力に対応したスイッチの判定を行う暗証キーSWモードとなり、登録した暗証キーとの照合を操作者に行わせ、照合が一致したときのみ通常の撮影や操作を許可している。
【0066】
次に図6のフローチャートと図7のカメラ背面モニタ図を用いて、暗証キーの登録手段と表示について説明する。
【0067】
前途の図4のS101にて暗証キーの登録未設定と判定されればシステム制御回路1の内部プログラムは図6の[暗証キー登録]フローチャートのように動作する。
【0068】
まずシステム制御回路1はカメラ背面モニタ27に暗証キー入力画面を表示させる(S201)。このときの一例として、図7の(a)では「暗証キーを入力してください」の文字と入力されるキー表示部を空白にしてカメラ背面モニタ27に表示している。
【0069】
次にS202では操作者が暗証キーを入力するまで待機状態になる暗証キーSWモードとなる。このときの暗証キーとなる各スイッチの入力判定は、通常の撮影に使用するときのスイッチ操作の動作は行わず、パスワードのための暗証キーとして入力判定される。
【0070】
S203では1番目の暗証キーの入力判定待ちとなり、入力されるまでループする。S203にて1番目の暗証キーが入力されたらS204に進み、カメラ背面モニタ27に対応するスイッチの表示を行う。このときカメラ背面モニタ27の画面に表示されるスイッチ表示は、各スイッチ近傍に印刷されたスイッチ名称やアイコンなどを対応させて表示する。
【0071】
以下同様に、2番目3番目4番目の暗証キー入力受け付けと表示をS205からS210まで行う。
【0072】
図7(b)はS210までの処理が行われたときのカメラ背面モニタ27の表示を表しており、例えば暗証キーの1番目はSW_PLAY、2番目はSW_MENU、3番目はSW_Erase、4番目はSW_SELF、が選択されたときである。図7(b)のように選択された暗証キー表示は、操作者が一目で解るように操作スイッチと対応した文字やアイコンなどで表示される。
【0073】
4つの暗証キーが入力されたらS211に進み、スイッチ入力判定を通常の撮影操作スイッチと同じ判定となる通常SWモードに切換える。
【0074】
S212ではカメラ背面モニタ27に「続けますか?」のメッセージを表示(図7(c)参照)し、S211でカメラの各スイッチは通常の入力判定となっているので、「Yes」と「No」の選択はSW_up・SW_down・SW_left・SW_lightの方向選択スイッチとSW_SETの選択スイッチで行えるようになり、通常スイッチとして入力判定される。
【0075】
S212にて操作者が「No」と選択するとS202に戻り、各スイッチの入力判定を暗証キーSWモードに切換えて暗証キー入力待機状態を継続する。S212にて操作者が「Yes」と選択するとS213に進み、システム制御回路1は不揮発性メモリ42の所定のアドレスへ4つの暗証キーコードを記録する。
【0076】
S213にて暗証キーを登録したら、S214に進みカメラの撮影スタンバイ状態となる[通常モード(撮影モード)]へ移行し[暗証キー登録]のプログラムルーチンを終了する。
【0077】
以上説明したように図6の[暗証キー登録]のプログラムルーチンでは、暗証キーの登録が無い場合(例えばカメラ購入の初期状態など)に個人が自由に暗証キーを設定した上で撮影へ移行できる動作となっている。
【0078】
以上、本発明の実施例ではデジタルカメラの構成において説明を行ったが、その他の装置でもよく、機器の外装に設置された複数のスイッチを暗証キーに代用する構成と、入力判定を切換える構成と、を持っていれば本件の主要構成と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本実施例におけるデジタルカメラの回路構成を示す、システムブロック図である。
【図2】本実施例におけるデジタルカメラの外観図で、(a)はカメラ上部視図、(b)はカメラ背面視図である。
【図3】上記、図1の操作スイッチ部の詳細図である。
【図4】本実施例におけるデジタルカメラ起動時の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施例におけるデジタルカメラ起動時のモニタ表示の一例を示す図である。
【図6】本実施例における暗証キー登録の動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施例における暗証キー登録時のモニタ表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 システム制御回路
2 電源制御部
3 電源
27 画像・情報表示部(カメラ背面モニタ)
41 液晶表示装置(表示部)
42 不揮発性メモリ(EEPROM)
51 シャッタースイッチSW1
52 シャッタースイッチSW2
54 操作スイッチ
100 デジタルカメラ本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に設けられた複数の操作スイッチと、
第一の入力モードと第二の入力モードを切換える切換え手段とを有し、
上記複数の操作スイッチは、
第一の入力モードにおいては制御のための操作スイッチとなり、
第二の入力モードにおいては暗証用の操作スイッチとなることを特徴とする暗証パスワード入力方法。
【請求項2】
前記暗証パスワード入力装置の起動動作が行われた後は第二の入力モードに設定され、
操作スイッチによる暗証確認動作が完了した後、
前記切換え手段により第一の入力モードに切換わることを特徴とする請求項1記載の暗証パスワード入力方法。
【請求項3】
前記起動動作を行うスイッチは、前記複数の操作スイッチに含まれないことを特徴とする請求項2記載の暗証パスワード入力方法。
【請求項4】
前記第二の入力モードにおける暗証確認動作において、
照合できない操作スイッチが操作された時は、前記複数の操作スイッチの内の一部のスイッチに第一の入力モードにおける動作を許容させることを特徴とする請求項3記載の暗証パスワード入力方法。
【請求項5】
前記一部のスイッチとは、
第二の入力モードへの復帰を選択させるためのスイッチであることを特徴とする請求項4記載の暗証パスワード入力方法。
【請求項6】
外部に設けられた複数の操作スイッチと、
第一の入力モードと第二の入力モードを切換える切換え手段とを有し、
上記複数の操作スイッチは、
第一の入力モードにおいては制御のための操作スイッチとなり、
第二の入力モードにおいては暗証用の操作スイッチとなることを特徴とする暗証パスワード入力装置。
【請求項7】
前記暗証パスワード入力装置の起動動作が行われた後は第二の入力モードに設定され、
操作スイッチによる暗証確認動作が完了した後、
前記切換え手段により第一の入力モードに切換わることを特徴とする請求項6記載の暗証パスワード入力装置。
【請求項8】
前記起動動作を行うスイッチは、前記複数の操作スイッチに含まれないことを特徴とする請求項7記載の暗証パスワード入力装置。
【請求項9】
前記第二の入力モードにおける暗証確認動作において、
照合できない操作スイッチが操作された時は、前記複数の操作スイッチの内の一部のスイッチに第一の入力モードにおける動作を許容させることを特徴とする請求項8記載の暗証パスワード入力装置。
【請求項10】
前記一部のスイッチとは、
第二の入力モードへの復帰を選択させるためのスイッチであることを特徴とする請求項9記載の暗証パスワード入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−106408(P2006−106408A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293726(P2004−293726)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】