説明

有価証券上にマーキングを付与する方法および装置

プロセッシングユニット(8)が制御信号を、様々な印刷技術により作動する二つまたはそれ以上のマーキングステーションの部材(51,52,53,61,62,63)のすべてに送るように生成する。ステーション(5)は、例えば、機械的印刷システムにより機能し、かつステーション(6)はレーザーマーキングステーションであり、そのレーザービームはシート(1)の後側に使用された光吸収材と相互作用するが、シート(1)の前側およびシート(1)の支持体とは実質的に相互作用しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のデータを有価証券に付与することを意図する方法および装置の分野に属する。各有価証券は複写または偽造に対する安全性を改良する個別同一性マーキングを受ける。「有価証券(security document)」の用語は、ここでは一義的には銀行券もしくは紙幣(banknotes)を指すが、小切手、抽選券、資格証書、クレジットカードまたは身分証明書等の経済的価値を有するいずれかの種類の書類を指す。このリストは限定的である。有価証券の支持体は伝統的に紙であるが、ポリマーフォイルまたは板で形成できる。かかる支持体の構造は均一または層状であってよい。「同一性マーキング(identity marking)」の用語は、人間の目によりまたは特定機械により読み取り可能ないずれかの印(sign)を指し、その特徴は各有価証券が同一タイプの他の有価証券から識別できれば、可変である。同一性マーキングは、制限的でなく、例示として、連続番号、バーコード、幾何学シーケンス、パンチング、磁気的エンコードゾーン等を含む。
【0002】
本発明は、更に、有価証券の支持体上に少なくとも一つの合成の同一性マーキングを付与する方法に関し、この場合に合成同一性マーキングは第一同一性マーキングおよび少なくとも一つの第二同一性マーキングを含み、第一同一性マーキングは第一マーキングステーションにより付与され、かつ第二同一性マーキングは第二マーキングステーションにより付与され、かつ支持体の第一側は第一マーキングステーションとマーキング関係に至る。
【背景技術】
【0003】
偽造、特に、再製技術が質的に進歩している写真複写機の使用による複製を困難にするために、有価証券、特に銀行券上に、フィルム、ラベルまたはリボン形態で画像を付与することによって安全領域を創出することは既知である。かかる画像は、しばしば、運動学またはホログラムを含む光学的に可変画像であり、観察される角度に依存して外観が変化する特性を有する。かかる画像はホットシールまたは冷却封止することにより付与される。印刷された銀行券のシート(sheet)上へかかる画像を付与する機械は、例えばEP0625466、US6263790、またはUS6302016に記載されている。単一色写真複写機による偽造はもはや不可能であるが、かかる画像の添加はホログラム等の保持を可能にする偽造者による偽造を排除する。
【0004】
通常、有価証券の同一性マーキングは、有価証券上へ印刷される連続的数字を含む。通常の連続番号の安全効果を改善するために、EP0768189は、連続番号に付加的英数字安全特徴を組み合わせ、それをフォイルまたはラベルにより形成し、上述したような方法により有価証券に取り付けることを提案する。EP0768189の方法によれば、フォイルまたはラベルの情報は、有価証券へフォイルを固定した後に、読み取り機により読み取られる。読み取り機はプリンタに命令し、プリンタは有価証券の他の場所の同一情報、例えば連続番号に組み合わせた情報を印刷する。同一性マーキングは、そのようにして、合成マーキングを形成し、その再製または複写は通常の連続番号だけのもの、または紙の間では変化しないホログラム画像に組み合わせた連続番号のものよりも困難である。しかし、この既知提案は、EP0768189による第二印刷と同様に各印刷工程が幾つかのミスプリントに繋がり、その数が信頼できる設備において低いが絶対ゼロではないので、完全に満足できるものではない。ただし、有価証券の使用者は連続的番号を望むが、それは二つの連続機械を通る通路を含むマーキング方法により保証されることができない。同一理由から、連続番号は銀行券上に両側に印刷されない。
【0005】
WO98/36913は有価証券内にポリマー支持体で形成された、選択されたレーザー放射線に対して透過性の透明窓をマーキングする方法を開示する。支持体は同一放射線を吸収するインキにより両側が被覆され、かつマーキング通路に沿って放射線に放射され、それにより両側のインキがその通路に沿って除去される。そのマークは透明窓として現れる。この技術の欠点は、両側のマーキングが一致していなければならず、かつ連続英数字が対称的画像(mirror image)であるので、一側から連続英数字が読み取ることができるが、他側からはその英数字は読み取り不可能であることである。同様の解決策がUS6505779に開示されている。
【0006】
EP0737572およびWO03/099579は、連続番号、バーコード、および付加的安全特徴を印刷するためにシート供給ドラムに対して半径方向に位置決めされた活版印刷機、インクジエットプリンタまたはレーザープリンタを含むマーキングシステムを開示する。全特徴がプリンタに対面する有価証券の同一側に印刷される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、同一シート処理工程において有価証券上両側に合成の同一性マーキングを付与する方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、合成の同一性マーキングが第一同一性マーキングおよび少なくとも一つの第二同一性マーキングを含み、第一同一性マーキングが第一マーキングステーションにより付与され、かつ第二同一性マーキングが第二マーキングステーションで付与され、支持体の第一側が第一マーキングステーションとマーキング関係になる、有価証券の支持体上に少なくとも一つの合成の同一性マーキングを付与する方法において、
第二マーキングステーションがレーザービームを形成するためのレーザーマーキングステーションを含み、前記支持体の第二側の一部がレーザービームにより発射される放射線の実質的量を吸収することのできる吸収材料層を有し、レーザービームが前記支持体の第一側から前記支持体を横切って吸収材料層上に誘導されて前記支持体の第二側にのみ第二同一性マーキングを形成することによって達成される。
【0009】
前記方法を実施するのに適した装置は、第一マーキングステーションおよび少なくとも第二マーキングステーションを含み、支持体の第一側を第一マーキングステーションとマーキング関係になるように第二マーキングステーションの前に運ぶための手段を有し、第二マーキングステーションはレーザービームを発射するためのレーザーマーキングステーションであり、前記レーザービームのレーザー放射線は、実質的変化を伴うことなく前記支持体を通過するこのでき、かつレーザービームにより発射される放射線の実質的量を吸収しかつ前記支持体の第二側に設けられた吸収材料の所定部分と反応できる放射線から選択され、前記第二マーキングステーションは、前記レーザービームが前記支持体の第一側から前記支持体を横切って吸収材料上に誘導されて前記支持体の第二側にのみ第二同一性マーキングを形成するように構成されている。
【0010】
前記レーザービームは、有価証券の前記支持体が紙シートである場合に、0.8μmから10.6μmの範囲の波長を有するIRレーザーである。好適には、前記支持体がポリマー材によるシートである場合に、前記レーザービームは0.3μmから10.6μmの範囲の波長を有する。
【0011】
前記吸収材料層は前記支持体上に印刷または採用されたIR吸収材料であってよい。放射は吸収材料層を局所的に気化し、除去し、燃焼するまで十分に温度を上昇させるか、または感光材料の光科学反応を局所的に誘起し、色彩変化または他の外観変化を誘発させるものである。例えば、紙幣上に適用された光学変化可能装置(OVD)は、概ね、レーザービームと容易に反応する少なくとも一つの金属層を構成する。前記吸収材料は、また、オフセット、彫刻凹版印刷機、シルクスクリーン、フレキソグラフィクインキ等のIR吸収インキであってよい。金属粒子で構成されるOVIインキはレーザービームに非常によく反応する。
【0012】
上記方法は、第三同一性マーキングを有してよく、また更に、第二マーキングと同様の方法で同一プロセッシングユニットにより制御されてよい。
【0013】
上記とは反対に、同一性マーキングは単に支持体の一側に印刷されてよく、また本発明による方法において二つの処理、概ねミスプリントの付加的置換を必要としてよく、第一および第二同一性マーキングは同一マーキング機械で一つの処理工程において付与される。
【0014】
第二マーキングステーションは、レーザーマーキングステーションであり、第一および他のマーキングステーションが異なるマーキング技術を使用してよい。例えば、第一同一性マーキングは機械的活版印刷法により達成されてよい。英数字文字が、当分野で既知の電子機械ナンバリング機のセットにより具現化されてよく、各印刷のために選択される文字はプロセッシングユニットにより制御される。他の技術、インクジットまたはエンボッシング法が使用できる。
【0015】
第二同一性マーキングは、有価証券の様々な場所における第一同一性マーキングと同様の英数字の印であってよく、光吸収インキで印刷されるシートの第二側の一部かつ/または付着フォイルまたはラベルにより決定される。そのようにして有価証券は両側に連続番号を受けてよい。
【0016】
第二マーキングステーションは数学またはその他の論理ルールによって第一同一性マーキングから計算したデータを具現化してよい。
【0017】
偽造者が上述の数学または論理ルールを認知することを回避するために、第二同一性マーキングに具現化されたデータはランダムに作成したデータであってよく、その各々が対応する第一同一性マーキングに関連する確証データベースに記録される。
【0018】
好適には、偽造を更に困難にするために、付加的同一性マーキングは、第一および/または第二同一性マーキングと同一の可視マークを表示すべきでない。かかる付加的同一性マーキングは例えば視認不可能なインキにより実施される。
【0019】
複数の継続的に分配した合成マーキングを支持体上に付与するための装置は、プロセッシングユニットを含み、前記プロセッシングユニットは、第一および第二マーキングステーションへ規則的に制御された信号を継続的に発信して、第一および第二マーキングステーションの各々が、支持体の各側に、支持体の反対側に形成される対応するマーキングと共に合成の同一性マーキングを形成できる継続的に決定されたマーキングを形成し、各合成同一性マーキングの第二同一性マーキングおよび第一同一性マーキングを前記リンクルールによって共に対応するようにする。
【0020】
有価証券セットがシート形態で組立てられるときに、個別有価証券が行列に分配された隣接領域を占領し、好適には、各マーキングステーションは複数のマーキング構成要素装置を含み、各マーキング構成要素装置(component marking devices)の作業領域は一つの列に対応し、かつプロセッシングユニットから発信される制御信号が異なる複数のマーキング構成要素装置に分配され、各マーキング構成要素装置により受信される信号はマーキング構成要素装置の場所の関数として確証データベースにより継続的に生成される。
【0021】
本発明によれば、第二そして続く同一性マーキングを決定するために有価証券上に印刷された第一同一性マーキングを読み取る必要はない。にもかかわらず、完全な合成同一性マーキングを有価証券セット上に形成後に、有価証券セットは全ての合成同一性マーキングが正確に形成されていることを証明するチエック装置へ送られる。この品質制御は第一確証テストと理解されてよい。
【0022】
有価証券の同一性マーキングの完成後に、有価証券のシートは行列に沿って切断されて、継続的に一連の隔離した有価証券に形成される。有価証券は束にされ、束ねた有価証券は連続的英数字による同一性マーキングを担持する。
【0023】
次に、添付図面を参照して本発明による形成方法例を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
印刷機から排出されるシート(sheet)状態に組立てられる紙幣(notes)に継続的に番号を付すことは既知であり、紙幣の基本デザインはシートの領域全体上に同一に印刷される。かかる領域は、シートを複数紙幣に切断後に継続的に番号を付した紙幣の山を形成する複数の単一紙幣に対応する。特に、かかる方法を実施する方法がUS5590507に詳細に記載され、この特許は本出願人に譲渡され、その内容は本明細書に組み込まれる。
【0025】
添付図面の図1に示されたように、シート1は供給台2上に設置され、矢印Aに従って回転駆動されかつ後述の複数のマーキング装置の作業領域へ向けてシート1を誘導するドラム3に向けて案内される。
【0026】
シート1は複数の異なる領域に分割され、行列に構成され、各領域は紙幣を形成することが意図されている。図1および2の実施例において、シート1は三列11,12,13と十行1−10を含み、各領域は、図2に参照番号(行列)111−1310で示されている。
【0027】
前工程において、図2で円形60により概略的に表示された、IRを吸収する感光材がシート1の裏側の全領域に使用されている。適当材料として、例えばOVD等のIR吸収ラベル、またはOVI等のIR吸収インキ、およびオフセットインキ、彫刻凹版印刷インキ、シルクスクーンインキ、またはフレキソグラフインキがある。
【0028】
図1に示されたようにナンバリング機は、ドラム3の周辺でドラムの周りに隔置された一対のマーキングステーション5および6を含む。各ステーションは、列11,12,13の一つの前に各々位置決めされた三つの同様のマーキング構成要素もしくは装置(devices)d51,52,53および61,62,63をそれぞれ含む。ステーション5の構成要素は機械的活版印刷の技術、またはインクジット技術等の他の技術、またはエンボッシング法に従って作動し、他方、ステーション6の構成要素はレーザーマーキング技術により作動する。レーザーステーション6の後方にステーション5を設置することが可能である。実際には、マーキングステーション5の前方もしくは後方のレーザーマーキング6の場所、または他のマーキングステーションに対するレーザーマーキング6の場所は、本発明の範囲において特に重要でない。
【0029】
機械印刷によるステーション5の構成要素は、例えばUS566016の教示による構成であってよい。機械的ナンバリング機ボックスが同様に使用されてよい。機械印刷の利点は、磁気および/またはIRに対して安全であると共に高解像度および少エンボッシングであることである。しかし、フォントまたはデータに関して柔軟性に欠ける。インクジット技術はかかる高解像度を提供しない。しかし、この技術はフォントの条件およびジョブの変更において高柔軟性を有する。
【0030】
レーザーマーキングステーションはYAGタイプのレーザーであってよく、有益には、機械の外側に設置されたレーザー源を使用し、かつレーザー光は光ファイバにより機械に取り付けられたレーザーヘッドへ伝達される。動力は吸収、かつ/または感光/感応材料のレーザービームへの適切な反応を可能にするために調整されなければならない。
【0031】
シート1は、例えば、約100μm厚のコットンベース紙またはポリマー材で形成される。レーザーにより発射される放射線に対して実質的に透過性である他の適宜材料が使用可能である。従って、ステーション6のレーザービームが支持体に観察できる損傷を与えることなく支持体を通過する。他方で、支持体の反対側に付与された感光/感応材料はレーザーエネルギを吸収する。この材料は変形され(OVDのように)、除去され(IR吸収インキのように)るか、または一方がレーザー波長に対して透過性でありかつ他方が同様にレーザー波長に対して吸収性である二つのタイプの顔料で構成されるインキの場合に部分的に除去される。この後者の場合に、色彩変化はマーキング後に観察される。
【0032】
プロセッシングユニット8は制御信号を種々マーキングステーションの構成要素51,52,53,61,62,63全部に送信する。構成要素51および61は列11の領域に働き、構成要素52および62は列12の領域に、かつ構成要素53および63は列13の領域に働く。このように、ステーション5の構成要素は図2の50で示された場所で紙幣の前側に連続番号を印刷し、かつステーション6の構成要素は図2の60で示された場所で紙幣の後側に、上述の数学ルールにより紙幣の特定連続番号にリンクする第二同一性マーキングの一部を印刷する。
【0033】
図2はナンバリング機により処理された後のシート1の外観を示す。各領域1111から1310は、紙幣を継続的に決定する完全な同一性マーキングを有する。部分的マーキング50は連続番号でありかつ部分的マーキング60はシート1の他側の連続番号であり、例えば同一連続番号または機械読み切り可能画像情報または連続番号にリンクまたは関連する他の表示である。
【0034】
ドラム3を離れるときに、シート1はチエック装置9の前に送られ、チエック装置は同一性マーキングが正確に付与されたことを証明する。
【0035】
図3は、より多数の部分的マーキング構成要素を含むマーキング装置の他の実施形態を示す。シートはドラム3’へ供給ローラ14を介して矢印Aの方向へ供給される。シートは第一にインクジエットマーキングステーション5”’の前を通過し、かつレーザーマーキングステーション6’の前を通過し、続いて二つの活版印刷プリンタ5’および5”と印刷関係になる。四つの部分的マーキングが共通のプロセッシングユニット(図示せず)により決定される。
【0036】
シートの第一側は第一チエック装置9’により間違ったマーキングについてチエックされ、その間シートはドラム3’上に存在する。第二チエック装置は、シートの排出/転送ローラ14’上を通過した後に、レーザーマーキングステーション6’により実行されたマーキングを制御し、シートは矢印Bの方向において装置から離れる。
【0037】
続く切断および結束作業はUS5590507の教示により実行される。
【0038】
当業者は、図3により示されたようにナンバリング機が、インクジエットステーション、第一側をマーキングするための印刷ステーションおよび第二側に二つの異なるマーキング、例えば固定ラベル上に一つのマーキングそしてIR光吸収インキで印刷した部分上に一つのマーキングを付与するための二つのレーザーマーキングステーション等の他の組合せを採用できることを理解するであろう。
【0039】
当業者は、マーキングステーション5の構成要素51,52,53およびマーキングステーション6の構成要素61,62,63が同一機械の同一ドラム上に設置できることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】銀行券に番号を付すためのナンバリング機の一形態の部分概略図である。
【図2】図1のナンバリング機の付与時における銀行券を具備したシートの単純化した概略図である。
【図3】銀行券に番号を付すためのナンバリング機の一形態の部分概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成の同一性マーキングが第一同一性マーキングおよび少なくとも一つの第二同一性マーキングを含み、第一同一性マーキングが第一マーキングステーション(5,5’,5”,5”’)により付与され、かつ第二同一性マーキングが第二マーキングステーションで付与され、支持体(1)の第一側が第一マーキングステーション(5,5’,5”,5”’)とマーキング関係になる、有価証券の支持体(1)上に少なくとも一つの合成の同一性マーキングを付与する方法において、
第二マーキングステーションがレーザービームを形成するためのレーザーマーキングステーション(6,6’)を含み、前記支持体(1)の第二側の一部がレーザービームにより発射される放射線の実質的量を吸収することのできる吸収材料層(60)を有し、レーザービームが前記支持体(1)の第一側から前記支持体(1)を横切って吸収材料層(60)上に誘導されて前記支持体(1)の第二側にのみ第二同一性マーキングを形成することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記レーザービームは0.8μmから10.6μmの範囲の波長を有し、かつ前記支持体は一枚の紙である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザービームは0.3μmから10.6μmの範囲の波長を有し、かつ前記支持体は一枚のポリマー材である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記吸収材料層(60)は光学変化可能装置(OVD)の層である、請求項1から3のいずれか1に記載の方法。
【請求項5】
前記吸収材料層(60)はインキ層である、請求項1から3のいずれか1に記載の方法。
【請求項6】
前記インキ層はオフセット、彫刻凹版印刷、シルクスクリーンまたはフレキソグラフィク方法により堆積される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第一同一性マーキングが機械的活版印刷法(5,5’,5”)、インクジット法(5”’)、またはエンボッシング法により形成される、請求項1から6のいずれか1に記載の方法。
【請求項8】
第一同一性マーキングは英数字マーキングであり、かつ第一マーキングステーション(5,5’,5”,5”’)および第二マーキングステーション((6,6’)は数学または論理リンクルールによって第二同一性マーキングを第一英数字同一性マーキングに連結する共通プロセッシングユニット(8)により制御される、請求項1から7のいずれか1に記載の方法。
【請求項9】
第一および第二同一性マーキングを含む複数の継続的に分配された合成の同一性マーキングが支持体(1)上に付与され、かつプロセッシングユニットが第一および第二マーキングステーションへ規則的に制御された信号を継続的に発生して、第一および第二マーキングステーションの各々が、支持体(1)の各側に、支持体(1)の反対側で形成される対応するマーキングと共に合成の同一性マーキングを形成できる継続的に決定されるマーキングを形成し、各合成同一性マーキングの第二同一性マーキングおよび第一同一性マーキングを前記リンクルールによって共に対応させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各々の第二同一性マーキングがリンクルールにより単一義語的に決定され、リンクルールがアルゴリズムルールまたは信頼できるデータベースに貯蔵された継続的データである、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
支持体(1)を第二側から観察した場合に第二マーキングにより提供される情報が支持体(1)を第一側から観察した第一マーキングにより提供される情報と同一となるように、第二同一性マーキングを対称のルールにより第一同一性マーキングに対応させる、請求項1から10のいずれか1に記載の方法。
【請求項12】
前記支持体(1)は、同一有価証券が行列(11,12,13)に分配された隣接領域を占領するシートの形態に組立てられる有価証券セットを含み、合成同一性マーキングが複数の個別有価証券上に付与される、請求項1から11のいずれか1に記載の方法。
【請求項13】
前記支持体上に各完全な合成同一性マーキングを形成後に、同一性マーキングの形成を証明するチエック装置(9,9’,9”)へ前記支持体を誘導する、請求項1から12のいずれか1に記載の方法。
【請求項14】
完全な同一性マーキング形成後に、有価証券セットを担持する複数のシートを行および列で切断して、継続的に連続する分離有価証券を形成する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
第一および第二同一性マーキングを支持体(1)上に付与し、他方で支持体(1)を同一プロセッシングドラムまたはシリンダ(3)上に供給する、請求項1から14のいずれか1に記載の方法。
【請求項16】
合成の同一性マーキングが、第一同一性マーキングを支持体(1)の第一側に、かつ少なくとも一つの第二同一性マーキングを支持体(1)の第二側に含み、支持体(1)の第一側を第一マーキングステーション(5,5’,5”,5”’)とマーキング関係になるように第二マーキングステーションの前に運ぶための手段(3)を有する、有価証券の支持体(1)上に少なくとも一つの合成の同一性マーキングを付与する装置において、
第二マーキングステーションはレーザービームを発射するためのレーザーマーキングステーション(6,6’)であり、
前記レーザービームのレーザー放射線は、実質的変化を伴うことなく前記支持体(1)を通過することができ、かつ前記レーザービームにより発射される放射線の実質的量を吸収しかつ前記支持体(1)の第二側に設けられた材料の所定部分(60)と反応できる放射線から選択され、
前記第二マーキングステーションは、前記レーザービームが前記支持体(1)の第一側から前記支持体(1)を横切って吸収材料(60)上に誘導されて前記支持体(1)の第二側にのみ第二同一性マーキングを形成するように構成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項17】
第一同一性マーキングは英数字マーキングであり、かつ第一マーキングステーション(5,5’,5”,5”’)および第二マーキングステーション((6,6’)は、数学または論理リンクルールによって、第二同一性マーキングを第一英数字同一性マーキングに連結する共通プロセッシングユニット(8)により制御される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッシングユニット(8)は第一および第二マーキングステーションへ規則的に制御された信号を継続的に発信して、第一および第二マーキングステーションの各々が、支持体(1)の各側に、支持体(1)の反対側に形成される対応するマーキングと共に合成同一性マーキングを形成できる継続的に決定されたマーキングを形成し、かつ
各合成同一性マーキングの第二同一性マーキングおよび第一同一性マーキングが前記リンクルールによって共に対応する、複数の継続的に分配された合成同一性マーキングを支持体(1)上に付与するための、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
各前記マーキングステーション(5,6)は複数のマーキング構成要素装置(51,52,53,61,62,63)を含み、各マーキング構成要素装置の作業領域は一つの列に対応し、かつ
前記プロセッシングユニット(8)は制御信号が複数のマーキング構成要素装置に分配されるようにプログラムされ、
各マーキング構成要素装置により受信される信号はマーキング構成要素装置の場所の関数としてプロセッシングユニットにより継続的に生成される、個別有価証券が行および列(11,12,13)に分配された隣接領域(111−1310)を占領するシート形態に組立てられた有価証券セットを含む、支持体を処理するための、請求項16から18のいずれか1に記載の装置。
【請求項20】
前記支持体上の同一性マーキングの形成を証明するためのチエック装置(9,9’,9”)を更に含む、請求項16から19のいずれか1に記載の装置。
【請求項21】
前記支持体(1)を第一マーキングステーション(5,5’,5”,5”’)および第二マーキングステーション((6,6’)とマーキング関係にするための手段がプロセッシングドラムまたはシリンダ(3)である、請求項16から20のいずれか1に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2008−502501(P2008−502501A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515759(P2007−515759)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000334
【国際公開番号】WO2005/123415
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(502065583)カーベーアー−ジオリ ソシエテ アノニム (33)
【Fターム(参考)】