説明

有機エレクトロルミネセンスデバイス

本発明は、少なくとも1つの青色蛍光発光層と少なくとも1つのりん光発光層とを有する白色発光有機エレクトロルミネセンスデバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのりん光ドーパントを有している少なくとも1つの層と少なくとも1つの蛍光ドーパントを有している少なくとも1つの層とを含んだ白色発光有機エレクトロルミネセンスデバイスに関する。
【0002】
有機半導体が機能性材料として使用されている有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)の構造は、US4539507、US5151629、EP0676461及びWO98/27136に記載されている。有機エレクトロルミネセンスデバイスの分野における開発は、白色発光OLEDである。これらは、白色モノクロディスプレイ又はカラーフィルタを備えたフルカラーディスプレイのいずれにも使用され得る。さらに、それらは、照明用途にも適している。低分子量化合物系の白色発光有機エレクトロルミネセンスデバイスは、一般的に、少なくとも2つの発光層を有する。それらは、往々にして、少なくとも3つの発光層を有し、これらは、青色、緑色及び橙色又は赤色発光を呈する。蛍光又はりん光発光体のいずれかが発光層において使用され、りん光発光体は、より高い効率を達成可能であるため、著しい優位性を示す。少なくとも1つのりん光層を有するこのタイプの白色発光OLEDの一般的な構造は、例えば、WO05/011013に記載されている。より高い達成可能な効率のため、りん光発光層のみを含んだ白色発光OLEDが望ましいであろう。しかしながら、青色りん光発光体は、今のところ、一般に、特に動作寿命に関して、標準的な要件を充足しないため、ハイブリッドOLED、即ち、りん光橙色若しくは赤色発光層及び緑色発光層と組合せられた蛍光青色発光層(三色白色の場合)又はりん光黄色乃至橙色発光層と組合せられた蛍光青色発光層(二色白色の場合)が、先行技術に従う大部分の応用において使用されている。
【0003】
このタイプのハイブリッドOLEDの根本的な問題は、青色蛍光発光層において使用される標準的なマトリクス材料及び発光材料が、りん光性緑色及び、一般的には、蛍光性赤色についても、極端に低い三重項準位を有し、これらは、赤色又は緑色三重項励起子が青色発光層によって消滅するという結果をもたらし得ることにある。これは、低い効率のOLEDをもたらす。白色ハイブリッドOLEDから最大の効率を得るためには、この三重項励起子の消滅を防止するよう注意が払われなければならない。先行技術に従う1つの可能性は、蛍光青色発光層とりん光橙色、赤色又は緑色発光層との直接的な接触を、非発光中間層の導入により妨げることにある。この中間層は、通常、2つの材料の混合物からなり、一方の材料は、正孔伝導性を有し、他方は、電子伝導性を有する。
【0004】
Appl.Phys.Lett.2006,89,083509は、三色白色を有するOLEDについて開示しており、ここにおいて、青色蛍光発光層と緑色りん光発光層との間の中間層は、正孔伝導性化合物としてのTCTAと電子伝導性化合物としてのTPBIとからなる。ここにおいて、効率に関して、明確な改善の必要性が、なお存在する。寿命については示されていない。
【0005】
Appl.Phys.Lett.2008,93,073302は、三色白色を有するOLEDについて開示しており、ここでは、赤色発光体と緑色発光体とが1つの層において組み合わせられている。青色蛍光発光層と赤色及び緑色りん光発光層との間の中間層は、TCTAとTPBIとからなる。ここにおいて、効率に関して、明確な改善の必要性が、なお存在する。さらに、許容可能な温白色を有するデバイスのみが得られるため、正確な色を設定することが難しいことは明らかである。寿命については示されていない。
【0006】
Appl.Phys.Lett.2006,89,023503は、白色発光OLEDについて開示しており、ここで、青色蛍光発光層と緑色りん光発光層との間の中間層は、CBPからなる。しかしながら、おそらく、CBPが十分な正孔伝導性を有さず、結果として十分な青色成分がスペクトルにおいて存在しないため、ここでは、白色曲線について色座標は達成されない。
【0007】
Appl.Phys.Lett.2008,92,183303は、青色発光層と、赤色発光層と、緑色発光層と、別の青色発光層とをこの順で含み、各々の境界面に中間層を有する白色発光OLEDについて開示している。ここで、中間層は、CBP、CBP:MADN又はCBP:BPhenからなる。CBPを使用する場合、効率に関して、明確な改善の必要性がなお存在する。CBP:MADNを使用する場合には、色調に関して、明確な改善の必要性がなお存在する。CBP:BPhenを使用する場合には、効率及び色調に関して、明確な改善の必要性がなお存在する。寿命については記載されていない。
【0008】
US2007/0194703は、蛍光発光層とりん光発光層との間のドープされていない中間層について開示している。
【0009】
WO2006/130883は、白色発光OLEDにおける蛍光発光層とりん光発光層との間の中間層について開示しており、ここにおいて、好ましくは、中間層及び2つの隣接する発光層において、同じ材料が使用される。
【0010】
EP1670082は、白色発光OLEDにおける蛍光発光層とりん光発光層との間の中間層について開示しており、ここにおいて、中間層は、好ましくは、正孔輸送材料と電子輸送材料とを含んでいる。
【0011】
EP1670083は、白色発光OLEDにおける蛍光発光体層とりん光発光体層との間の両極性の中間層について開示しており、ここにおいて、中間層は、好ましくは、正孔輸送材料と電子輸送材料とを含んでいる。
【0012】
US2006/0216544は、発光層間の各々の境界に中間層を有する白色発光OLEDについて開示しており、ここにおいて、各々の場合において、中間層は、1つの材料のみからなる。
【0013】
上記の先行技術において、白色発光OLEDの発光層間の中間層の使用についてさえ、特に、効率、発光色及び寿命に関して、改善の必要性がなお存在する。
【0014】
ここにおいて、中間層の材料について高い要求があり、このことは、望まれる色の配置と高い効率と長い寿命とを同時に有する中間層を有するOLEDの達成が困難であることを意味する。特に、中間層には以下の要求がある:
1)中間層は、電荷のバランスに著しく影響を与えてはならない。中間層の両側の発光層は、適切な量で、両方のタイプの電荷担体を供給されるように、正孔と電子とを適切且つ均衡の取れた程度に輸送することができなければならない。この方法によってのみ、白色配置を達成することができる。これは、HOMO及びLUMOエネルギーに関して、適切な材料を大きく制限する。
【0015】
2)中間層の材料は、それら自体が三重項励起子を消滅させないために、適切な高い三重項準位を有していなければならない。これは、正孔伝導性材料、例えば、NPBは、過剰に低い三重項準位を有するため、緑色と青色との間の中間層には使用できないことを意味する。
【0016】
3)中間層は、OLEDの動作寿命を著しく減少させてはならない。これは、特に、適切な高い三重項準位を有する標準的な正孔伝導性材料、例えば、TCTAが、青色発光層に直接的に隣接する場合には、それらが不適切な動作寿命を有するため、中間層の正孔伝導成分に関する問題である。
【0017】
従って、全体的に見れば、上記基準を満たす適切な材料又はデバイスの構成のいずれかについて改善の必要性がある。従って、本発明が基礎とする技術的課題は、望まれる白色配置が設定され、同時に高い効率が長い動作寿命と組み合わされることを可能にするハイブリッドOLEDのデバイス構成を提供することである。
【0018】
驚くべきことに、少なくとも2つの非発光中間層がりん光発光層と蛍光発光層との間に挿入されているデバイス構造は、OLEDにおいて既にどのみち使用されているもの以外の材料を第2の中間層において必要とすることなく、1つの中間層のみを含んだOLEDと比較して、非常に良好な効率を達成し、動作寿命を著しく改善することが見出された。この場合において、蛍光発光層により近く位置した中間層について、三重項準位に関する特別な要求がなされる必要がなく、これは、見込みのある非常に多様な材料がここでは利用可能であり、均衡の取れた電荷のバランスを保証し、それらが青色層と直接的に接触した場合に不適切な動作寿命を有さない材料をより容易に見出すことを可能にすることを意味する。
【0019】
従って、本発明は、少なくとも1つの青色蛍光発光層と、りん光発光層である少なくとも1つの更なる発光層とを含んだエレクトロルミネセンスデバイスに関し、これは、少なくとも2つの中間層1及び2が、青色蛍光発光層と、隣のりん光発光層との間に挿入されており、中間層1は、りん光発光体に隣接しており、中間層2は、青色蛍光発光体に隣接していることを特徴とする。
【0020】
蛍光発光層とりん光発光層との間に挿入された2つの中間層は、非発光層、即ち、OLEDの動作中、発光を示さない層である。
【0021】
本発明の好ましい実施形態は、白色発光有機エレクトロルミネセンスデバイスに関する。これは、CIE色座標を、0.28/0.29乃至0.45/0.41の範囲に有する光を発することを特徴とする。
【0022】
本発明に従う有機エレクトロルミネセンスデバイスは、上記の通り、アノード、カソード及びアノードとカソードとの間に配置された少なくとも2つの発光層とを含んでいる。有機エレクトロルミネセンスデバイスは、必ずしも、有機材料又は有機金属材料から構成された層のみを含んでいなければならないとは限らない。よって、アノード、カソード及び/又は1以上の層が、無機材料を含むか、或いは完全に無機材料から構築されていてもよい。
【0023】
有機エレクトロルミネセンスデバイスが、正確に2つの発光層を有する場合、第2の発光層は、好ましくは、黄色又は橙色のりん光発光層である。ここでは、黄色又は橙色のりん光層がアノード側に配置されていてもよく、青色蛍光層がカソード側に配置されていてもよい。同様に、黄色又は橙色りん光層がカソード側に配置されていてもよく、青色蛍光層がアノード側に配置されていてもよい。
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、本発明に従うエレクトロルミネセンスデバイスは、少なくとも3つの発光層を有する。
【0025】
有機エレクトロルミネセンスデバイスが3つの発光層を有する場合、好ましくは、これらの層のうちの1つは赤色又は橙色りん光発光層であり、これらの層のうちの1つは緑色りん光発光層である。本発明の好ましい実施形態において、赤色又は橙色りん光層は、アノード側にあり、青色蛍光層は、カソード側にあり、緑色りん光層は、赤色りん光層と青色蛍光層との間にある。本発明の更に好ましい実施形態において、赤色又は橙色りん光層は、カソード側にあり、青色蛍光層は、アノード側にあり、緑色りん光層は、赤色りん光層と青色蛍光層との間にある。
【0026】
有機エレクトロルミネセンスデバイスは、3つを超える発光層を有していてもよい。
【0027】
ここで、黄色発光層は、光ルミネセンスの極大値を540乃至570nmの範囲に有する層を意味していると解釈される。橙色発光層は、光ルミネセンスの極大値を570乃至600nmの範囲に有する層を意味していると解釈される。ここで、赤色発光層は、光ルミネセンスの極大値を600乃至750nmの範囲に有する層を意味していると解釈される。緑色発光層は、光ルミネセンスの極大値を490乃至540nmの範囲に有する層を意味していると解釈される。青色発光層は、光ルミネセンスの極大値を440乃至490nmの範囲に有する層を意味していると解釈される。ここで、光ルミネセンスの極大値は、膜厚50nmを有する層の光ルミネセンススペクトルの測定によって決定される。
【0028】
本発明の好ましい実施形態において、青色蛍光発光層は、カソード側にある。本発明に従う有機エレクトロルミネセンスデバイスは、特に好ましくは、以下の構造:アノード/橙色又は赤色りん光発光層/緑色りん光発光層/中間層1/中間層2/青色蛍光発光層/カソードを有する。
【0029】
この一般的なデバイスの構造は、図1に、概略的に示される。層1は、アノードを、層2は、赤色りん光発光層を、層3は、緑色りん光発光層を、層4は、中間層1を、層5は、中間層2を、層6は、青色蛍光発光層を、層7はカソードを表す。
【0030】
本発明の目的では、本発明に従う有機デバイスのりん光発光層に存在するりん光化合物は、室温で、比較的高いスピン多重度の励起状態、即ち、スピン状態>1から、特に、励起した三重項状態から発光を呈する化合物である。本発明の目的では、発光性遷移金属錯体の全て、特に、発光性イリジウム、白金及び銅化合物の全てが、りん光化合物とみなされる。
【0031】
本発明の目的では、青色蛍光発光層に存在する蛍光化合物は、室温で、励起一重項状態から発光を示す化合物である。本発明の目的では、元素C、H、N、O、S、F、B及びPのみから構築された発光化合物の全てが、特に、蛍光化合物とみなされる。
【0032】
りん光発光層に隣接する中間層1は、以下に、より詳細に記載される:
本発明の好ましい実施形態において、りん光発光層に隣接した中間層1は、電子伝導性材料と正孔伝導性材料との混合物を含んでいる。ここで、正孔伝導性材料及び電子伝導性材料の両方が、好ましくは、三重項エネルギーが、隣接するりん光発光層の発光体の三重項エネルギーよりも大きい材料である。中間層1の正孔伝導性材料及び電子伝導性材料の三重項エネルギーは、好ましくは、2.4eVよりも大きく、特に好ましくは、2.6eVよりも大きい。
【0033】
分子の三重項エネルギーE(T)は、分子の基底状態E(G)のエネルギーと、この分子の最も低い三重項状態E(T)のエネルギーとのエネルギー差として定義され、どちらのエネルギーもeVで表される。この量は、実験的に決定されるか又は量子化学的手法により算出される。実験的な決定のため、最も低い三重項状態から基底状態への光学遷移が利用され得る。この遷移も、りん光と称され、これは、典型的には、μs乃至sの範囲における発光寿命を有する。蛍光(最も低い一重項状態からの光学遷移)とは対照的に、りん光は、この遷移がスピン禁制であるため、通常、非常に弱い。遷移の禁制がより少ない分子、例えば、トリス(フェニルピリジル)イリジウムの場合、りん光は、簡単な光ルミネセンススペクトロメータによって測定することができる。対応する三重項エネルギーは、りん光スペクトルの発光端(最も高いエネルギー)から得られる。この目的に適した試料は、相当する分子の希薄溶液(約10−5mol l−1)又は薄膜(厚さ約50nm)である。濃度又は厚さの重要な因子は、励起波長での試料の吸収である。これは、約0.1であるべきである。りん光を簡単に観察することができない分子の場合、一方で、干渉する競合したプロセス、例えば、酸素での消滅又は熱失活を抑制することにより、りん光を増加させることができる。酸素を排除するためには、いわゆる凍結脱気技術(pump-and-freeze technique)によって溶液を脱気することが望ましい。りん光の熱失活を抑制するためには、液体窒素又はヘリウムを用いて、低温槽において試料を冷却することが望ましい。これは、りん光の強度を増加させる。使用される試料が溶液の場合、低温でガラス質の物質を形成する溶媒又は溶媒混合物、例えば、2−メチル−THFを使用することが望ましい。励起のために(パルス)レーザを使用し且つ、例えば、同様に生じる時間に基づく強い蛍光を排除するため、遅延検出を可能にするスペクトロメータを使用して検出を行うことにより、単純な光ルミネセンススペクトロメータと比較して、装置の感度を吸収極大まで増加させることができる。
【0034】
三重項エネルギーを、上記の方法によって、実験的に決定することができない場合、代替案は、量子化学計算を使用した、例えば、時間依存密度関数理論(TD−DFT)により、三重項エネルギーを決定することである。これは、方法B3PW91/6−31G(d)を使用した市販のGaussian 03W software(Gaussian Inc.)により行われる。遷移金属錯体の計算には、LANL2DZベースセットを使用することが望ましい。
【0035】
中間層1において使用される正孔伝導性材料は、好ましくは、>−5.4eV、特に好ましくは、>−5.2eVのHOMO(最高被占分子軌道)を有する。
【0036】
中間層1において使用される電子伝導性材料は、好ましくは、−2.4eV、特に好ましくは、<−2.6eVのLUMO(最低空軌道)有する。
【0037】
中間層1における正孔伝導性化合物と電子伝導性化合物との混合比は、各々の場合、体積に基づき、好ましくは、95:5〜30:70、特に好ましくは、90:10〜50:50である。
【0038】
中間層1の膜厚は、好ましくは、1〜10nm、特に好ましくは、2〜7nmである。
【0039】
本発明の好ましい実施形態において、中間層1の正孔伝導性材料は、芳香族ケトンである。
【0040】
本願の目的では、芳香族ケトンは、2つの芳香族若しくは芳香族複素環基又は芳香族若しくは芳香族複素環系が直接的に結合しているカルボニル基を意味していると解釈される。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、芳香族ケトンは、使用される記号に以下が適用される以下の式(1)の化合物である:
【化1】

【0042】
Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜60の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、各々の場合において、1以上のRにより置換されていてもよいものであり;
は、出現毎に、同じであるか又は異なっており、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar、P(=O)(Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、B(R、B(N(R、OSO、1〜40のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基、2〜40のC原子を有する直鎖アルケニル若しくはアルキニル、分枝若しくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基であって、それらの各々は、1以上の基Rによって置換されていてもよく、1以上の非隣接CH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S又はCONRにより置き換えられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOにより置き換えられていてもよいものであるか、5〜60の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、各々の場合において、1以上の基Rによって置換されていてもよいものであるか、5〜60の芳香環原子を有するアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基であって、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであるか、或いはこれらの系の組合せであり;ここで、隣接する2以上の置換基Rは、単環又は多環の脂肪族若しくは芳香環系を互いに形成していてもよく;
Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜40の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであり;
は、出現毎に、同じであるか又は異なっており、H、D、CN又は1〜20のC原子を有する脂肪族、芳香族及び/又は芳香族複素環炭化水素基であって、更に、H原子がD又はFにより置き換えられていてもよいものであり;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、単環又は多環の脂肪族若しくは芳香環系を互いに形成していてもよいものである。
【0043】
本発明の目的では、アリール基は、少なくとも6つのC原子を含み、本発明の目的では、ヘテロアリール基は、少なくとも2つのC原子と少なくとも1つのヘテロ原子とを有し、但し、C原子とヘテロ原子との合計は少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O及び/又はSから選択される。ここで、アリール基又はヘテロアリール基は、単純な芳香環、即ち、ベンゼン、単純な芳香族複素環、例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェンなど、又は縮合したアリール若しくはヘテロアリール基、例えば、ナフタレン、アントラセン、ピレン、キノリン、イソキノリンなどのいずれかを意味していると解釈される。
【0044】
本発明の目的では、芳香環系は、環系中に、少なくとも6つのC原子を含んでいる。本発明の目的では、芳香族複素環系は、環系中に、少なくとも2つのC原子と少なくとも1つのヘテロ原子とを含んでおり、但し、C原子とヘテロ原子との合計は、少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O及び/又はSから選択される。本発明の目的では、芳香族又は芳香族複素環系は、必ずアリール又はヘテロアリール基のみを含んでいるとは限らず、それよりもむしろ、更に、複数のアリール又はヘテロアリール基が、短い非芳香族単位(好ましくは10%未満のH以外の原子)、例えば、sp混成したC、N若しくはO原子又はカルボニル基により割り込まれていてもよい系も意味していると解釈されることが意図される。従って、9,9’−スピロビフルオレン、9,9−ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン、ベンゾフェノンなどの系もまた、本発明の目的では、芳香環系を意味していると解釈されることが意図される。芳香環又は芳香族複素環系も、同様に、複数のアリール又はヘテロアリール基が単結合によって互いに連結されている系、例えば、ビフェニル、テルフェニル又はビピリジンを意味していると解釈される。
【0045】
本発明の目的では、更に、個々のH原子又はCH基が上記の基により置換されていてもよいC−〜C40−アルキル基は、特に好ましくは、基メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、2−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、s−ヘキシル、t−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、ネオヘキシル、シクロヘキシル、2−メチルペンチル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、シクロヘプチル、1−メチルシクロヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、シクロオクチル、1−ビシクロ[2.2.2]オクチル、2−ビシクロ[2.2.2]オクチル、2−(2,6−ジメチル)オクチル、3−(3,7−ジメチル)オクチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルを意味していると解釈される。C−〜C40−アルケニル基は、好ましくは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル又はシクロオクテニルを意味していると解釈される。C−〜C40−アルキニル基は、好ましくは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル又はオクチニルを意味していると解釈される。C−〜C40−アルコキシ基は、特に好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ又は2−メチルブトキシを意味していると解釈される。5〜60の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、各々の場合において、上記基Rによって置換されていてもよく、いずれかの望まれる位置を介して芳香族又は芳香族複素環系へと連結されていてもよいものは、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ベンズアントラセン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンゾフルオランテン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、テルフェニレン、フルオレン、ベンゾフルオレン、ジベンゾフルオレン、スピロビフルオレン、ジフドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス−又はトランス−インデノフルオレン、シス−又はトランス−モノベンゾインデノフルオレン、シス−又はトランス−ジベンゾインデノフルオレン、トルキセン、イソトルキセン、スピロトルキセン、スピロイソトルキセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントリミダゾール、ピリジンイダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン及びベンゾチアジアゾールに由来する基を意味していると解釈される。
【0046】
式(1)の適切な化合物は、特に、WO04/093207及び未公開DE102008033943に開示されているケトンである。これらは、参照により本発明に組み込まれる。
【0047】
式(1)の化合物の定義から、それらは、ただ一つのカルボニル基を含んでいる必要はないが、むしろ複数のこれらの基を含んでいてもよいことは明らかである。
【0048】
式(1)の化合物における基Arは、好ましくは、6〜40の芳香環原子を有する芳香環系であり、即ち、それは、全くヘテロアリール基を含んでいない。先に定義したとおり、芳香環系は、必ず芳香族基のみを含んでいなければならないとは限らず、むしろ2つのアリール基は、非芳香族基、例えば、更なるカルボニル基によって割り込まれていてもよい。
【0049】
本発明の更に好ましい実施形態において、基Arは、2以下の縮合した環を含んでいる。従って、それは、好ましくは、フェニル及び/又はナフチル基のみ、特に好ましくは、フェニル基のみから構築されているが、より大きな縮合した芳香族基、例えば、アントラセンを含まない。
【0050】
カルボニル基に結合している好ましい基Arは、フェニル、2−、3−又は4−トリル、3−又は4−キシリル、2−又は4−m−キシリル、2−p−キシリル、o−、m−又はp−tert−ブチルフェニル、o−、m−又はp−フルオロフェニル、ベンゾフェノン、1−、2−又は3−フェニルメタノン、2−、3−又は4−ビフェニル、2−、3−又は4−o−テルフェニル、2−、3−又は4−m−テルフェニル、2−、3−又は4−p−テルフェニル、2’−p−テルフェニル、2’−、4’−又は5’−m−テルフェニル、3’−又は4’−o−テルフェニル、p−、m,p−、o,p−、m,m−、o,m−又はo,o−クアテルフェニル、キンキフェニル、セキシフェニル、1−、2−、3−又は4−フルオレニル、2−、3−又は4−スピロ−9,9’−ビフルオレニル、1−、2−、3−又は4−(9,10−ジヒドロ)フェナントレニル、1−又は2−ナフチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−イソキノリニル、1−又は2−(4−メチルナフチル)、1−又は2−(4−フェニルナフチル)、1−又は2−(4−ナフチルナフチル)、1−、2−又は3−(4−ナフチルフェニル)、2−、3−又は4−ピリジニル、2−、4−又は5−ピリミジニル、2−又は3−ピラジニル、3−又は4−ピリダジニル、2−(1,3,5−トリアジン)イル、2−、3−又は4−(フェニルピリジル)、3−、4−、5−又は6−(2,2’−ビピリジル)、2−、4−、5−又は6−(3,3’−ビピリジル)、2−又は3−(4,4’−ビピリジル)及び1以上のこれらの基の組合せである。
【0051】
基Arは、1以上の基Rによって置換されていてもよい。これらの基Rは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、好ましくは、H、D、F、C(=O)Ar、P(=O)(Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、1〜4のC原子を有する直鎖アルキル基若しくは3〜5のC原子を有する分枝若しくは環状アルキル基であって、それらの各々は、1以上の基Rによって置換されていてもよく、1以上のH原子は、D又はFによって置き換えられていてもよいもの、6〜24の芳香環原子を有する芳香環系であって、1以上の基Rによって置換されていてもよいもの、又はこれらの系の組合せからなる基から選択され;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、互いに単環又は多環の脂肪族若しくは芳香環系を形成していてもよい。有機エレクトロルミネセンスデバイスが、溶液から適用される場合、10までのC原子を有する直鎖、分枝又は環状アルキル基が、置換基Rとして好ましい。基Rは、出現毎に同じであるか又は異なっており、特に好ましくは、H、C(=O)Ar又は6〜24の芳香環原子を有する芳香環系であって、1以上の基Rにより置換されていてもよいが、好ましくは、置換されていないものからなる群より選択される。
【0052】
本発明の更なる好ましい実施形態において、基Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、6〜24の芳香環原子を有する芳香環系であって、1以上の基Rによって置換されていてもよいものである。特に好ましくは、Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、6〜12の芳香環原子を有する芳香環系である。
【0053】
特に好ましくは、3,5,3’,5’−位置の各々において、5〜30の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系により置換されているベンゾフェノン誘導体であって、更に、1以上の上記基Rにより置換されていてもよいものである。更に、好ましくは、少なくとも1つのスピロビフルオレン基によって置換されているケトンである。
【0054】
従って、好ましい芳香族ケトンは、以下式(2)〜(5)の化合物であって:
【化2】

【0055】
Ar及びRは、式(1)に関して上述した意味を有し、更に:
Zは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、CR又はNであり;
nは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、0又は1である化合物である。
【0056】
式(2)、(4)及び(5)におけるArは、好ましくは、5〜30の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、10を超える芳香環原子を有する縮合したアリール基を含まず、好ましくは、縮合したアリール基を全く含まず、1以上の基Rにより置換されていてもよいものを表す。上記基Arは、特に好ましい。
【0057】
電子伝導性材料として中間層1において使用され得る式(1)〜(5)の適切な化合物の例は、以下に示す化合物(1)〜(59)である。
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

【化3−4】

【化3−5】

【化3−6】

【化3−7】

【0058】
本発明の更に好ましい実施形態において、電子伝導性材料は、少なくとも1つの芳香族又は芳香族複素環基、好ましくは、少なくとも2つの芳香族又は芳香族複素環基、特に好ましくは、3つの芳香族又は芳香族複素環によって置換されているトリアジン誘導体である。従って、電子輸送材料として使用され得る適切なトリアジン誘導体は、Rが、上記の意味を有し、使用される他の記号に以下が適用される以下式(6)又は(7)の化合物であって:
【化4】

【0059】
Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜60の芳香環原子を有する1価の芳香族又は芳香族複素環系であって、各々の場合において、1以上の基Rによって置換されていてもよいものであり;
Arは、5〜60の芳香環原子を有する2価の芳香族又は芳香族複素環系であって、1以上の基Rによって置換されていてもよいものである化合物である。
【0060】
式(6)及び(7)の化合物において、少なくとも1つの基Arは、Rが上記の意味を有し、破線がトリアジンユニットへの連結を示す以下式(8)〜(14)の基から選択され、その他のArは、上記の意味を有することが好ましく、
【化5】

【0061】
さらに、Xは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、B(R)、C(R、Si(R、C=O、C=NR、C=C(R、O、S、S=O、SO、N(R)、P(R)及びP(=O)Rから選択される2価の架橋であり;
mは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、0、1、2又は3であり;
oは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、0、1、2、3又は4である。
【0062】
特に好ましい基Arは、使用される記号及び指数が、上記の意味を有する以下式(8a)〜(14a)の基:
【化6】

【0063】
から選択される。ここで、Xは、好ましくは、同じであるか又は異なっており、C(R、N(R)、O及びS、特に好ましくは、C(Rから選択される。
【0064】
式(7)の化合物における好ましい基Arは、使用される記号及び指数が、上記の意味を有し、破線が、2つのトリアジンユニットへの連結を表す以下式(15)〜(21)の基:
【化7】

【0065】
から選択される。
【0066】
特に好ましい基Arは、使用される記号及び指数が、上記の意味を有する以下式(15a)〜(21a)の基:
【化8】

【0067】
から選択される。ここで、Xは、好ましくは、同じであるか又は異なっており、C(R、N(R)、O及びS、特に好ましくは、C(Rから選択される。
【0068】
さらに、好ましくは、上記式(7)の化合物であって、基Arが、上記式(15)〜(21)から選択され、Arが、出現毎に、同じであるか又は異なっており、上記式(8)〜(14)又はフェニル、1−若しくは2−ナフチル又はオルト−、メタ−若しくはパラ−ビフェニルであって、それらの各々は1以上の基Rにより置換されていてもよく、好ましくは、置換されていないものから選択される化合物である。
【0069】
中間層1における正孔伝導性化合物は、好ましくは、芳香族ジアミン、トリアミン又はテトラアミンであって、アミノ基が、特に好ましくは、不連続な共役基により各々連結されているものである。
【0070】
好ましい芳香族アミンは、Rが上記の意味を有し、使用される他の記号に以下が適用される以下式(22)〜(27)の化合物であって:
【化9】

【0071】
Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜60の芳香環原子を有する2価、3価又は4価の芳香族又は芳香族複素環系であって、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであり;
Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜60の芳香環原子を有する1価の芳香族又は芳香族複素環系であって、1以上の基Rによって置換されていてもよいものであり;ここで、同じ窒素原子に結合している2つの基Ar又は同じ窒素原子に結合している1つの基Arと1つの基Arとは、単結合又はB(R)、C(R2、Si(R、C=O、C=NR、C=C(R、O、S、S=O、SO、N(R)、P(R)及びP(=O)Rからなる群より選択される架橋によって互いに連結されていてもよい化合物である。
【0072】
各々が同じ窒素原子に結合している2つの基Ar又は1つの基Arと1つの基Arとは、互いに単結合により連結されており、そのようにしてカルバゾールが形成される。
【0073】
式(22)、(23)、(24)及び(27)の化合物におけるArは、2価の基であり、式(25)の化合物におけるArは、3価であり、式(26)の化合物におけるArは、4価の基である。
【0074】
ここで、Ar及びArは、10を超える芳香環原子を有する縮合したアリール又はヘテロアリール基を含まないことが好ましい。Ar及びArは、特に好ましくは、縮合したアリール又はヘテロアリール基を全く含んでいないことが好ましい。
【0075】
さらに、Arは、連続的には共役していないことが好ましい。
【0076】
本発明の目的では、不連続な共役芳香族又は芳香族複素環系は、アリール又はヘテロアリール基が、非共役基、例えば、sp混成した炭素原子により割り込まれている芳香族又は芳香族複素環系を意味していると解釈される。本発明の目的では、更に、これは、メタ連結したアリール又はヘテロアリール基、例えば、メタ連結したフェニレン基を意味していると解釈される。
【0077】
好ましい不連続な共役基Arの例は、以下に示す式(28)〜(33)の基であって:
【化10】

【0078】
これらの構造は、1以上の基Rにより置換されていてもよく、Rは、上述した意味を有する基である。同じC原子に結合している2つの基Rも互いに環を形成していてもよいという点は、明確に指摘されるべきである。従って、例えば、式(14)における2つの基Rがアルキル基を表す場合、それらは、それらが結合しているC原子と、シクロペンチル又はシクロへキシル基を形成していてもよい。
【0079】
中間層1において使用され得る更なる好ましい正孔伝導性化合物は、ジアザシロール及びテトラアザシロール誘導体であり、これは、特に、例えば、未公開出願DE102008056688.8に記載されている芳香族置換基を有する。
【0080】
青色蛍光発光層に隣接している中間層2は、以下に詳細に記載される。ここで、青色蛍光層は、好ましくは、カソード側に配置されている。
【0081】
本発明の好ましい実施形態において、青色蛍光発光層に隣接している中間層2は、電子と正孔の両方を輸送することのできる材料を含んでいる。この材料は、好ましくは、−>−5.6eV、特に好ましくは、>−5.4eVのHOMO及び<−2.4eV、特に好ましくは、<−2.6eVのLUMOを有している。
【0082】
本発明の更に好ましい実施形態において、青色蛍光発光層に隣接している中間層2は、電子伝導性材料と正孔伝導性材料との混合物を含んでいる。
【0083】
中間層2において使用される正孔伝導性材料は、>−5.6eV、特に好ましくは、>−5.4eVのHOMO(最高被占分子軌道)を有している。
【0084】
中間層2において使用される電子伝導性材料は、<−2.4eV、特に好ましくは、<−2.6eVのLUMO(最低空軌道)を有している。
【0085】
本発明の好ましい実施形態において、中間層2において使用される電子伝導性材料は、中間層1における電子伝導性材料と同じである。従って、中間層2において使用される電子伝導性材料は、特に、上記式(1)〜(5)のうちの1つの芳香族ケトン又は特に上記式(6)及び(7)のうちの1つのトリアジン誘導体であることが好ましい。
【0086】
本発明の更に好ましい実施形態において、中間層2において使用される電子伝導性材料は、青色蛍光発光層においてマトリクス材料として使用される材料である。これは、特に、青色蛍光層におけるマトリクス材料が、オリゴアリーレン、特に、縮合した芳香族基を含んだオリゴアリーレン、多脚型金属錯体、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、ボロン酸誘導体、ベンズアントラセン誘導体及びベンゾフェナントレン誘導体のクラスから選択される場合に適用される。
【0087】
更なる材料を使用する必要がないため、エレクトロルミネセンスデバイスの製造において、エレクトロルミネセンスデバイスの他の層において既に使用されている中間層用の材料を使用することは有利である。
【0088】
本発明の好ましい実施形態において、中間層2において使用される正孔伝導性材料は、芳香族モノアミン、芳香族モノアミン、芳香族ジアミン、芳香族トリアミン又は芳香族テトラアミン、特に、芳香族モノアミン又は芳香族ジアミンである。
【0089】
中間層2において使用される正孔伝導性材料は、特に好ましくは、OLEDの他の層のうちの1つにおいて既に使用されている材料のうちの1つである。これは、特に、正孔注入層又は正孔輸送層において使用されている材料であってもよい。
【0090】
中間層2における正孔伝導性化合物と電子伝導性化合物との混合比は、各々の場合において、体積に基づき、好ましくは、95:5〜30:70、特に好ましくは、90:10〜50:50である。
【0091】
中間層の膜層は、好ましくは、1乃至10nm、特に好ましくは、2乃至7nmである。
【0092】
OLEDの発光層と他の層の実施形態は、以下に示される。
【0093】
発光層において、一般的に、先行技術に従って使用される全ての材料を使用することができる。
【0094】
りん光発光層に存在するりん光化合物の好ましい実施形態は、以下に示される。
【0095】
適切な化合物は、特には、好ましくは、可視領域において、適切な励起で発光し、20を超える原子番号、好ましくは、38を超え且つ84未満の、特に好ましくは、56を超え且つ80未満の原子番号を有する少なくとも1つの原子を更に含んだ化合物である。使用されるりん光発光体は、好ましくは、銅、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金又はユーロピウムを含んだ化合物、特には、イリジウム、白金又は銅を含んだ化合物である。
【0096】
特に好ましい有機エレクトロルミネセンスデバイスは、りん光化合物として、Rが式(1)について上述した意味を有し、使用される他の記号に以下が適用される式(34)乃至(37)の少なくとも1つの化合物であって:
【化11】

【0097】
DCyは、出現毎に同じであるか又は異なっている環状基であって、少なくとも1つのドナー原子、好ましくは、窒素、カルベンの形態の炭素又はリンを含み、これを介してこの環状基は金属に結合し、さらに、1以上の置換基Rを有していてもよいものであり;基DCy及びCCyは、共有結合を介して互いに結合しており;
CCyは、出現毎に同じであるか又は異なっている環状基であって、炭素原子を含み、これを介してこの環状基は金属に結合し、さらに、1以上の置換基Rを有していてもよいものであり;
Aは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、モノアニオン性の二座のキレート配位子、好ましくは、ジケトネート配位子である化合物を含んでいる。
【0098】
複数の基Rの間での環系の形成のため、架橋が、基DCyとCCyとの間に存在してもよい。さらに、複数の基Rの間での関係の形成のため、架橋が、2若しくは3つの配位子CCy−DCyの間又は1若しくは2つの配位子CCy−DCyと配位子Aとの間に存在してもよく、これは、多座又は多脚型配位子系を提供する。
【0099】
上記発光体の例は、出願WO00/70655、WO01/41512、WO02/02714、WO02/15645、EP1191613、EP1191612、EP1191614、WO04/081017、WO05/033244、WO05/042550、WO05/113563、WO06/008069、WO06/061182、WO06/081973及び未公開出願DE102008027005.9により開示されている。一般的には、先行技術に従って、りん光OLEDに使用され、有機エレクトロルミネセンスの分野の当業者に既知であるりん光錯体の全てが適切であり、当業者は、進歩性を伴うことなく更なるりん光化合物を使用し得るであろう。特に、当業者は、どのりん光錯体がどの発光色によって発光するかを理解する。
【0100】
ここでは、緑色りん光化合物は、好ましくは、上記式(35)の化合物、特に、1以上の基Rにより置換されていてもよいトリス(フェニルピリジニル)イリジウムである。
【0101】
りん光化合物用の適切なマトリクス材料は、りん光化合物用のマトリクス材料として先行技術に従って使用される種々の材料である。りん光発光体用の適切なマトリクス材料は、芳香族ケトン、特に上記式(1)の化合物、例えば、WO04/013080、WO04/093207、WO06/005627又は未公開出願DE102008033943.1に従う芳香族ホスフィンオキシド、芳香族スルホキシド若しくはスルホン、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体、例えば、CBP(N,N−ビス−カルバゾリルビフェニル)、mCBP又はWO05/039246、US2005/0069729、JP2004/288381、EP1205527又はWO08/086851に開示されるカルバゾール誘導体、例えば、WO07/063754又はWO08/056746に従うインドロカルバゾール誘導体、例えば、EP1617710、EP1617711、EP1731584、JP2005/347160に従うアザカルバゾール誘導体、例えば、WO07/137725に従う双極性マトリクス材料、例えば、WO05/111172に従うシラン、例えば、WO06/117052に従うアザボロール若しくはボロン酸エステル、例えば、未公開出願DE102008036982.9、WO07/063754若しくはWO08/056746に従うトリアジン誘導体、例えば、EP652273若しくはWO09/062578に従う亜鉛錯体、例えば、未公開出願DE102008056688.8に従うテトラアザシロールから選択される化合物である。
【0102】
本発明の好ましい実施形態において、りん光化合物用のマトリクス材料は、それが電子伝導性マトリクス材料である場合、りん光層に隣接している中間層1において電子伝導性材料として使用されている材料である。
【0103】
りん光発光層において、正孔伝導性マトリクス材料と電子伝導性マトリクス材料との混合物を使用することが有利なこともある。特に、これは、緑色りん光発光層に適用される。これは、白色発光有機エレクトロルミネセンスデバイスの色の配置が、より簡単に設定されることを可能にする(例えば、未公開出願DE102008063490.5を参照のこと)。
【0104】
さらに、電子伝導性マトリクス材料と、電子伝導性又は正孔伝導性のいずれかを有する更なるマトリクス材料との混合物をりん光発光層において使用することが有利なこともある(例えば、未公開出願DE102009014513.3を参照のこと)。
【0105】
本発明の好ましい実施形態において、青色蛍光発光層は、青色蛍光ドーパントとマトリクス材料とを含んでいる。
【0106】
適切な青色蛍光ドーパントは、例えば、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル及びアリールアミンの群から選択される。モノスチリルアミンは、1つの置換又は非置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは、芳香族アミンとを含んだ化合物を意味していると解釈される。ジスチリルアミンは、2つの置換又は非置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは、芳香族アミンとを含んだ化合物とを意味していると解釈される。トリスチリルアミンは、3つの置換又は非置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは、芳香族アミンとを含んだ化合物とを意味していると解釈される。テトラスチリルアミンは、4つの置換又は非置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは、芳香族アミンとを含んだ化合物とを意味していると解釈される。スチリル基は、特に好ましくは、スチルベンであり、これは、更に置換されていてもよい。対応するホスフィン及びエーテルは、アミンと同様に定義される。本発明の目的では、アリールアミン又は芳香族アミンは、窒素に直接的に結合している3つの置換又は非置換芳香族若しくは芳香族複素環系を含んだ化合物を意味していると解釈される。これらの芳香族又は芳香族複素環系のうちの少なくとも1つは、好ましくは、縮合した環系、特に好ましくは少なくとも14の芳香環原子を有する環系である。その好ましい例は、芳香族アントラセンアミン、芳香族ピレンアミン、芳香族ピレンジアミン、芳香族クリセンアミン又は芳香族クリセンジアミンである。芳香族アントラセンアミンは、ジアリールアミノ基がアントラセン基に、好ましくは、9位又は2位で、直接的に結合している化合物を意味していると解釈される。芳香族ピレンアミン、ピレンジアミン、クリセンアミン及びクリセンジアミンは、それらと同様に定義され、ここで、ピレンにおけるジアリールアミノ基は、好ましくは1位又は1,6位で結合している。さらに好ましいドーパントは、例えば、WO06/108497又はWO06/122630に従うインデノフルオレンアミン又はインデノフルオレンジアミン、例えば、WO08/006449に従うベンゾインデノフルオレンアミン又はベンゾインデノフルオレンジアミン、及び例えば、WO07/140847に従うジベンゾインデノフルオレンアミン又はジベンゾインデノフルオレンジアミンから選択される。スチリルジアミンのクラスのドーパントの例は、置換若しくは非置換トリスチルベンアミン又はWO06/000388、WO06/058737、WO06/000389、WO07/065549及びWO07/115610に記載されているドーパントである。
【0107】
青色蛍光ドーパント、特に上記ドーパント用の適切なホスト材料(マトリクス材料)は、例えば、オリゴアリーレン(例えば、EP676461に従う2,2’,7,7’−テトラフェニルスピロビフルオレン又はジナフチルアントラセン)、特に、縮合した芳香族基を含んだオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン(例えば、EP676461に従うDPVBi又はスピロDPVBi)、多脚型金属錯体(例えば、WO04/081017に従う)、正孔伝導性化合物(WO04/058911に従う)、電子伝導性化合物、特に、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシドなど(例えば、WO05/084081及びWO05/084082に従う)、アトロプ異性体(例えば、WO06/048268に従う)、ボロン酸誘導体(WO06/117052に従う)、ベンズアントラセン誘導体(例えば、WO08/145239に従うベンズ[a]アントラセン誘導体)及びベンゾフェナントレン誘導体(例えば、未公開出願DE102009005746.3に従うベンズ[c]フェナントレン誘導体)のクラスから選択される。特に好ましいホスト材料は、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセン、特にベンズ[a]アントラセン、ベンゾフェナントレン、特に、ベンズ[c]フェナントレン及び/又はピレン、又はこれらの化合物のアトロプ異性体を含んでいるオリゴアリーレンのクラスから選択される。本発明の目的では、オリゴアリーレンは、少なくとも3つのアリール又はアリーレン基が互いに結合している化合物を意味していると解釈される。
【0108】
上述したカソード、アノード、発光層及び中間層以外に、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、図1に示されていない更なる層を含んでいてもよい。これらは、例えば、各々の場合、1以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、電子ブロッキング層、励起子ブロッキング層、電荷発生層及び/又は有機若しくは無機p/n接合部から選択される。加えて、更なる中間層が存在してもよい。さらに、3つを超える発光層の使用も好ましい。さらに、層、特に、電荷輸送層は、ドープされていてもよい。層のドーピングは、改善された電荷輸送に有利なこともある。しかしながら、これらの層の各々は、必ず存在しなければならないとは限らず、層の選択は、常に使用される化合物に依存することは指摘すべきである。
【0109】
このタイプの層の使用は、当業者には既知であり、当業者は、進歩性を伴うことなく、先行技術に従って、この目的で、このタイプの層について知られているあらゆる材料を使用することができるであろう。
【0110】
本発明に従うエレクトロルミネセンスデバイスのカソードは、好ましくは、低い仕事関数を有する金属、金属合金又は異なる金属、例えば、アルカリ土類金属、アルカリ金属、主族金属又はランタノイド(例えば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Smなど)を含んだ多層構造を含んでいる。多層構造の場合、比較的高い仕事関数を有する更なる金属、例えば、Agなどが、前記金属に加えて使用されてよく、この場合において、金属の組合せ、例えば、Ca/Ag又はBa/Agが一般的に使用される。同様に好ましくは、金属合金、特に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属及び銀、特に好ましくは、Mg及びAgの合金である。金属性のカソードと有機半導体との間に、高い誘電率を有する材料からなる薄い中間層を導入することが好ましいこともある。この目的に適しているのは、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属フルオライド、また対応するオキシド又はカルボネート(例えば、LiF、LiO、CsF、CsCO、BaF、MgO、NaFなど)である。この層の膜厚は、好ましくは、0.5乃至5nmである。
【0111】
本発明に従うエレクトロルミネセンスデバイスのアノードは、好ましくは、低い仕事関数を有する材料を含んでいる。アノードは、好ましくは、真空に対して4.5eVを超える仕事関数を有している。この目的に適しているのは、一方では、高い還元電位を有する金属、例えば、Ag、Pt又はAuなどである。他方では、金属/金属酸化物の電極(例えば、Al/Ni/NiOx、Al/PtOx)もまた好ましい。ここで、電極のうち少なくとも1つは、光のカップリングアウト(coupling out)を促進するため、透明でなければならない。好ましい構造は、透明なアノードを使用している。ここでは、好ましいアノード材料は、伝導性の混合した金属酸化物である。特に好ましくは、インジウムスズ酸化物(ITO)又はインジウム亜鉛酸化物(IZO)である。更に好ましくは、伝導性のドープされた有機材料、特に、伝導性のドープされたポリマーである。
【0112】
このタイプのデバイスの寿命は、水及び/又は空気の存在下、大幅に短縮されるため、デバイスは、それに対応して(用途に応じて)、構造化され、端子(contact)を具備し、最終的には密封される。
【0113】
一般的に、有機エレクトロルミネセンスデバイスにおいて先行技術に従って使用される更なる材料の全てを、本発明に従う中間層と組み合わせて使用することもできる。
【0114】
本発明に従う有機エレクトロルミネセンスデバイスの正孔注入若しくは正孔輸送層又は電子輸送層において使用され得る適切な電荷輸送材料は、例えば、Y.Shirota et al.,Chem.Rev.2007,107(4),953−1010に開示されている化合物又は先行技術に従ってこれらの層において使用される他の材料である。
【0115】
本発明に従うエレクトロルミネセンスデバイスにおける正孔輸送又は正孔注入層において使用され得る好ましい正孔輸送材料の例は、インデノフルオレンアミン及び誘導体(例えば、WO06/122630又はWO06/100896に従う)、EP1661888に開示されているアミン誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体(例えば、WO01/049806に従う)、縮合した芳香環系を含んだアミン誘導体(例えば、US5,061,569に従う)、WO95/09147に開示されているアミン誘導体、モノベンゾインデノフルオレンアミン(例えば、WO08/006449に従う)又はジベンゾインデノフルオレンアミン(例えば、WO07/140847に従う)である。更に適切な正孔輸送及び正孔注入層は、JP2001/226331、EP676461、EP650955、WO01/049806、US4780536、WO98/30071、EP891121、EP1661888、JP2006/253445、EP650955、WO06/073054及びUS5061569に開示されている上記化合物の誘導体である。
【0116】
更に、適切な正孔輸送又は正孔注入材料は、例えば、以下の表に列挙されている材料である。
【化12】

【0117】
電子輸送層に使用され得る材料は、先行技術に従って、電子輸送層において電子輸送材料として使用されるあらゆる材料である。アルミニウム錯体、例えば、Alq、ジルコニウム錯体、例えば、Zrq、ベンズイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体又は芳香族ケトン、例えば、上記式(1)乃至(5)の化合物は、特に適している。例えば、適切な材料は、以下の表に列挙された材料である。他の適切な材料は、JP2000/053957、WO03/060956、WO04/028217及びWO04/080975に開示されている上記化合物の誘導体である。
【0118】
2つの別々の電子輸送層を使用することが好ましいこともある。これは、エレクトロルミネセンスデバイスの色の配置の輝度依存に関して利点を有することがある(例えば、未公開出願DE102009012346.6を参照のこと)。
【化13】

【0119】
更に、電子輸送層がドープされてもよい。適切なドーパントは、アルカリ金属又はアルカリ金属化合物、例えば、Liq(リチウムキノリネート)などである。本発明の好ましい実施形態において、特に、電子輸送材料がベンズイミダゾール誘導体又はトリアジン誘導体である場合、電子輸送層は、ドープされている。更に、好ましいドーパントは、Liqである。
【0120】
更に、好ましくは、1以上の層が、昇華プロセスにより適用され、真空昇華ユニットにおいて、初期圧力10−5mbar未満、好ましくは10−6mbar未満で材料が蒸着されることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスである。しかしながら、圧力は、更に低い、例えば、10−7mbar未満であってもよいことは注目すべきである。
【0121】
同様に、好ましくは、1以上の層が、OVPD(有機気相堆積)プロセスにより又はキャリアガス昇華を利用して適用され、材料は、10−5mbar乃至1barの圧力で適用されることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスである。このプロセスの特別なケースは、OVJP(有機蒸気ジェット印刷)プロセスであり、材料は、ノズルを通って直接的に適用され、そのようにして構造化される(例えば、M.S.Arnold et al.,Appl.Phys.Lett.2008,92,053301)。
【0122】
更に、好ましくは、1以上の層が、例えば、スピンコーティングにより又はいずれかの望まれる印刷プロセス、例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、LITI(光誘起熱イメージング、熱転写印刷)、インクジェット印刷又はノズル印刷などにより、溶液から製造されることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスである。この目的のためには、可溶性の化合物が必要である。高い溶解度は、化合物の適切な置換により達成され得る。ここでは、個々の材料の溶液だけでなく、複数の化合物、例えば、マトリクス材料及びドーパントを含んだ溶液も適用され得る。
【0123】
有機エレクトロルミネセンスデバイスは、1以上の層を溶液から適用し且つ1以上の層を蒸着によって適用することにより製造され得る。
【0124】
これらのプロセスは、一般的に当業者に既知であり、進歩性を伴うことなく、当業者によって、本発明に従う有機エレクトロルミネセンスデバイスに適用され得る。
【0125】
本発明に従う有機エレクトロルミネセンスデバイスは、先行技術に対し、以下の驚くべき利点を有する:
1.本発明に従う有機エレクトロルミネセンスデバイスは、2つの中間層の使用によって、非常に高い効率を有する。特に、効率は、1つの中間層のみの使用に比べてより高い。
【0126】
2.同時に、本発明に従う有機エレクトロルミネセンスデバイスは、非常に良好な寿命を有する。従って、先行技術とは対照的に、この効率の増加は、寿命の増加に随伴するものではない。
【0127】
本発明は、以下の例によって、より詳細に記載され、それらによって限定することを意図しない。当業者は、開示された範囲に亘って、進歩性を伴うことなく、本発明を実施し、そのようにして本発明に従う更なる有機エレクトロルミネセンスデバイスを製造し得るであろう。
【0128】
例:
本発明に従う有機エレクトロルミネセンスデバイスの製造及び特性決定
本発明に従うエレクトロルミネセンスデバイスは、一般的には、WO05/003253に記載されている通り、製造され得る。使用される材料の構造は、明確性のため以下に示される。
【化14−1】

【化14−2】

【0129】
これらの最適化されていないOLEDは、標準的な方法により、特性が決定され;この目的のため、エレクトロルミネセンススペクトルと色座標(CIE 1931に従う)、輝度関数としての効率(cd/Aで測定される)、電流−電圧−光束密度特性線(IUL特性線)から計算される動作電圧及び寿命が決定される。得られた結果は、表1にまとめられている。
【0130】
種々の白色発光有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)に関する結果は、以下に比較される。各々の場合において、これらは、ハイブリッド白色OLED、即ち、りん光発光層及び蛍光発光層の両方を含んだOLEDである。それらは、(アノードから出発して、この順に)りん光赤色発光層とりん光緑色発光層と蛍光青色発光層とを含んでいる。そして、先行技術に従う例の各々については、2つの中間層が、緑色発光層と青色発光層との間に挿入さているか、或いは先行技術に従う例には、1つの中間層が挿入されているか又は中間層は挿入されていない。
【0131】
例1(本発明に従う)
例1は、以下の層構造により達成される:40nmのHIM、7%のTERによってドープされている10nmのNPB、70%のTMMと15%のSKと15%のIrppyとからなる8nmの混合層、80%のHTM2と20%のSKとからなる3nmの混合層、80%のNPBと20%のBHとからなる3nmの混合層、5%のBDによってドープされている25nmのBH、5nmのSK、25nmのETM、1nmのLiF、100nmのAl。
【0132】
例2(本発明に従う)
例2は、以下の層構造により達成される:40nmのHIM、7%のTERによってドープされている10nmのNPB、70%のTMMと15%のSKと15%のIrppyとからなる8nmの混合層、80%のHTM1と20%のSKとからなる3nmの混合層、80%のNPBと20%のSKとからなる3nmの混合層、5%のBDによってドープされている25nmのBH、5nmのSK、25nmのETM、1nmのLiF、100nmのAl。
【0133】
例1及び2のOLEDは、各々が互いに適合した2つの中間層を含んでおり、ここにおいて、緑色発光層に隣接した第1の中間層は、各々の場合において、緑色発光を消滅させないために十分に高い三重項エネルギーを有する材料のみを含んでおり、高い効率及び良好な動作寿命の両方を示す。
【0134】
例3(比較):
例3は、以下の層構造により達成される:40nmのHIM、7%のTERによってドープされている10nmのNPB、70%のTMMと15%のSKと15%のIrppyとからなる8nmの混合層、80%のHTM2と20%のSKとからなる6nmの混合層、5%のBDによってドープされている25nmのBH、5nmのSK、25nmのETM、1nmのLiF、100nmのAl。
【0135】
例4(比較):
例4は、以下の層構造により達成される:40nmのHIM、7%のTERによってドープされている10nmのNPB、70%のTMMと15%のSKと15%のIrppyとからなる8nmの混合層、80%のHTM1と20%のSKとからなる6nmの混合層、5%のBDによってドープされている25nmのBH、5nmのSK、25nmのETM、1nmのLiF、100nmのAl。
【0136】
先行技術に従う例3及び4は、本発明に従う例1及び2に対応し、各々の場合において、りん光発光層と蛍光発光層との間の第2の中間層が省略され、これを補うために、存在する中間層は、2倍の厚さに設定されているという相違がある。これらのOLEDはまた、緑色三重項発光に関して十分に高い三重項エネルギーを有する材料のみが単一の中間層において使用されているため、高い効率を示す。しかしながら、1つの中間層のみの使用によって、不十分な動作寿命が生ずることが見いだされた。
【0137】
例5(比較)
例5は、以下の層構造により達成される:40nmのHIM、7%のTERによってドープされている10nmのNPB、70%のTMMと15%のSKと15%のIrppyとからなる11nmの混合層、80%のNPBと20%のSKとからなる6nmの混合層、5%のBDによってドープされている25nmのBH、5nmのSK、25nmのETM、1nmのLiF、100nmのAl。
【0138】
先行技術に従う例5は、本発明に従う例2に対応し、りん光発光層に隣接する中間層1が省略されているという相違がある。このOLEDは、更に、良好な操作寿命を有しているが、しかしながら、低い効率を有しており、これは、おそらく、過剰に低い三重項エネルギーによって緑色発光を消滅させる材料NPBが、緑色発光層に隣接しているたである。従って、より良好な比較のためには、前述の例と同様の色を得るため、緑色発光層の厚さは、8nmから11nmへと増加させなければならない。例えば、例1の中間層2又は低い三重項エネルギーを有する他の材料が中間層として使用される場合、同様の結果が得られる。
【0139】
例6(比較)
例6は、以下の層構造によって達成される:40nmのHIM、7%のTERによってドープされている10nmのNPB、70%のTMMと15%のSKと15%のIrppyとからなる11nmの混合層、5%のBDによってドープされている25nmのBH、5nmのSK、25nmのETM、1nmのLiF、100nmのAl。
【0140】
最後に、先行技術に従う例6は、りん光発光体と蛍光発光体との間に全く中間層を持たないOLEDの典型である。このケースもまた、低い効率が得られるが、これは、推定上、緑色発光が、低い三重項エネルギーを有するBH及びBDにおいて消滅するためである。
【0141】
全体として、例は、先行技術において既知の高い効率を得るために、中間層が、青色発光層と緑色発光層との間に挿入されていなければならず、これは、過剰に低い三重項エネルギーを有するいずれの材料も含んでいてはならず、同時に、良好な動作寿命が、この中間層に隣接する適切な2番目の層を挿入することによってのみ達成されることを示している。
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】デバイスの構造。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの青色蛍光発光層と、りん光発光層である少なくとも1つの更なる発光層とを含み、少なくとも2つの中間層1及び2が、当該青色蛍光発光層と隣の当該りん光発光層との間に挿入されており、中間層1は、当該りん光発光層と隣接しており、中間層2は、当該青色蛍光発光層と隣接していることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項2】
エレクトロルミネセンスデバイスが2つの発光層を有する場合、当該りん光発光層は黄色又は橙色りん光発光層であり、当該エレクトロルミネセンスデバイスが3つの発光層を有する場合、当該りん光発光層は赤色又は橙色りん光発光層及び緑色りん光発光層であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項3】
当該青色蛍光発光層はカソード側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項4】
当該りん光発光層に隣接した中間層1は電子伝導性材料と正孔伝導性材料との混合物を含み、当該正孔伝導性材料及び当該電子伝導性材料の両方が、当該隣接したりん光発光層の発光体の三重項エネルギーよりも高い三重項エネルギーを有しており、当該正孔伝導性材料は、好ましくは>−5.4eVのHOMOを有しており、当該電子伝導性材料は、好ましくは<−2.4eVのLUMOを有している請求項1乃至3の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項5】
中間層1の当該電子伝導性材料は、使用される記号に以下が適用される式(1)の芳香族ケトンであり:
【化1】

Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜60の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、各々の場合において、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであり;
は、出現毎に、同じであるか又は異なっており、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar、P(=O)(Ar、S(=O)Ar、S(=O)2Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、B(R、B(N(R、OSO、1〜40のC原子を有する直鎖アルキル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基、2〜40のC原子を有する直鎖アルケニル若しくはアルキニル基又は3〜40のC原子を有する分枝若しくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基であって、それらの各々は、1以上の基Rによって置換されていてもよく、1以上の非隣接CH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S又はCONRにより置き換えられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOによって置き換えられていてもよいものであるか、5〜60の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、各々の場合において、1以上の基Rによって置換されていてもよいものであるか、5〜60の芳香環原子を有するアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基であって、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであるか、或いはこれらの系の組合せであり;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、単環又は多環の脂肪族若しくは芳香環系を互いに形成していてもよく;
Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっていてもよく、5〜40の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであり;
は、出現毎に、同じであるか又は異なっていてもよく、H、D、CN又は1〜20のC原子を有する脂肪族、芳香族及び/又は芳香族複素環炭化水素基であって、更に、H原子は、D又はFによって置き換えられていてもよいものであり;ここで、2以上の隣接する置換基Rは、単環又は多環の脂肪族若しくは芳香族複素環系を互いに形成していてもよいものであることを特徴とする請求項1乃至4の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項6】
当該芳香族ケトンは、式(2)乃至(5)のうちの1つの化合物であり:
【化2】

Ar及びRは請求項5に記載した意味を有し、
更に、Zは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、CR又はNであり;
nは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、0又は1である
ことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項7】
中間層1の当該電子伝導性材料は、Rが、請求項5で記載した意味を有し、使用される他の記号に以下が適用される式(6)又は(7)の化合物であり:
【化3】

Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜60の芳香環原子を有する1価の芳香族又は芳香族複素環系であって、各々の場合において1以上の基Rにより置換されていてもよいものであり;
Arは、5〜60の芳香環原子を有する2価の芳香族又は芳香族複素環系であって、1以上の基Rによって置換されていてもよいものであることを特徴とする請求項1乃至4の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項8】
中間層1における当該正孔伝導性化合物は、ジアザシロール誘導体又はテトラアザシロール誘導体であるか、或いは、Rが請求項5に記載した意味を有し、使用される他の記号に以下が適用される式(22)乃至(27)のうちの1つの芳香族アミンであり:
【化4】

Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜60の芳香環原子を有する2価、3価又は4価の芳香族若しくは芳香族複素環系であって、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであり;
Arは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、5〜60の芳香環原子を有する1価の芳香族又は芳香族複素環系であって、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであり;ここで、同じ窒素原子に結合している2つの基Ar又は同じ窒素原子に結合している1つの基Arと1つの基Arとは、単結合又はB(R)、C(R、Si(R、C=O、C=NR、C=C(R、O、S、S=O、SO、N(R)、P(R)及びP(=O)Rからなる群より選択される架橋によって互いに連結されていてもよいものであることを特徴とする請求項1乃至7の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項9】
当該基Arは、式(28)乃至(33)からなる群より選択され:
【化5】

これらの構造は、請求項5で言及した意味を有する1以上の基Rにより置換されていてもよいことを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項10】
当該青色蛍光発光層に隣接した中間層2は、電子及び正孔の両方を輸送することができる材料を含み、この材料は、好ましくは、>−5.6eVのHOMO及び<−2.4eVのLUMOを有していることを特徴とするか、又は当該青色蛍光発光層に隣接した中間層2が、電子伝導性材料と正孔伝導性材料との混合物を含み、当該正孔伝導性材料は好ましくは>−5.6eVのHOMOを有し且つ当該電子伝導性材料は好ましくは<−2.4eVのLUMOを有していることを特徴とする請求項1乃至9の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項11】
中間層2において使用されている当該電子伝導性材料は、中間層1における電子伝導性材料と同じ材料であることを特徴とするか、又は当該青色蛍光発光層においてマトリクス材料として使用されている材料と同じ材料が使用されていることを特徴とする請求項1乃至10の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項12】
当該蛍光発光層に隣接した中間層2において使用されている当該正孔伝導性材料は、芳香族アミン、好ましくは、正孔注入層又は正孔輸送層において同様に使用されている材料であることを特徴とする請求項1乃至11の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項13】
中間層1及び/又は中間層2における当該正孔伝導性化合物と当該電子伝導性化合物との混合比が、体積に基づき、95:5〜30:70、好ましくは、90:10〜50:50であることを特徴とする請求項1乃至12の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項14】
中間層1及び/又は中間層2の膜厚が、各々の場合において1乃至10nm、好ましくは、各々の場合において2乃至7nmであることを特徴とする請求項1乃至5の1項以上の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項15】
当該りん光化合物が、Rが請求項5に記載した意味を有し且つ使用される他の記号に以下が適用される式(34)乃至(37)からなる群より選択される化合物であり:
【化6】

DCyは、出現毎に同じであるか又は異なっている環状基であって、少なくとも1つのドナー原子、好ましくは、窒素、カルベンの形態の炭素又はリンを含み、これを介してこの環状基は金属に結合し、さらに、1以上の置換基Rを有していてもよいものであり;基DCy及びCCyは、共有結合を介して互いに結合しており;
CCyは、出現毎に同じであるか又は異なっている環状基であって、炭素原子を含み、これを介してこの環状基は金属に結合し、さらに、1以上の置換基Rを有していてもよいものであり;
Aは、出現毎に、同じであるか又は異なっており、モノアニオン性の二座のキレート配位子、好ましくは、ジケトネート配位子であることを特徴とする請求項1乃至14の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項16】
当該りん光化合物用のマトリクス材料は、請求項5に記載の式(1)の化合物、芳香族ホスフィンオキシド、芳香族スルホキシド又はスルホン、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、両極性マトリクス材料、シラン、アザボロール、ボロン酸エステル、トリアジン誘導体、亜鉛錯体、ジアザシロール又はテトラアザシロール誘導体からなる群より選択されることを特徴とする請求項1乃至15の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項17】
当該りん光化合物用のマトリクス材料は、当該りん光層に隣接した中間層1において電子伝導性材料として使用されている材料と同じ材料であることを特徴とする請求項1乃至16の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項18】
当該青色蛍光発光層における当該青色蛍光ドーパントは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル、及び1以上のアミノ基を含んだアリールアミンであって、アリール基の少なくとも1つは、好ましくは、各々の場合において、置換若しくは非置換アントラセン、ピレン、クリセン、インデノフルオレン、ベンゾインデノフルオレン又はジベンゾインデノフルオレンから選択されるアリールアミンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1乃至17の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項19】
当該青色蛍光ドーパント用のホスト材料は、オリゴアリーレン、特に、アントラセン、ベンズアントラセン及び/又はベンゾフェナントレンを含むオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン、多脚型金属錯体、正孔伝導性化合物、特に、アリールアミン、電子伝導性化合物、特に、ケトン、ホスフィンオキシド又はスルホキシド並びにボロン酸誘導体からなる群より選択されることを特徴とする請求項1乃至18の1項以上に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。

【図1】
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【公表番号】特表2012−523653(P2012−523653A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503883(P2012−503883)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001488
【国際公開番号】WO2010/115498
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】