説明

有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法

【課題】正孔輸送層及び有機発光層に代表される有機発光媒体層を、凸版印刷法を用いて基板上に形成した場合に、隔壁に起因して発生する塗工不良を解決し、均一な発光が可能な有機EL素子を得ること。
【解決手段】基板と、基板上の片面に設けた第一電極と、第一電極と同一面上の対応する位置に設けて長方形に画素を仕切り絶縁性を有する感光性樹脂よりなる隔壁と、隔壁に区画された画素領域内に凸版印刷法により形成した有機発光媒体層と、有機発光媒体層を被う第二電極と、を具備する有機EL素子であって、長方形に画素を仕切る二方向の隔壁の内、有機発光媒体層の印刷方向に平行な隔壁の高さが、それと垂直な方向の隔壁の高さより高く、有機発光媒体層が高い方の隔壁で仕切られるとともに低い方の隔壁を乗り越えてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイや所定のパターン等の発光表示などに用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、有機ELディスプレイと略称)は、基板上に少なくとも陽極と有機発光層と陰極とを含み、電極間に電界をかけることにより該有機発光層に電子と正孔を注入し発光させる有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称)からなり、有機EL素子は自発光型素子であることから、液晶ディスプレイのようにバックライトを用いなくても表示が可能である。また、素子構造が単純であるため、薄く、軽量な素子を作製することができ、現在活発に研究が行われている。
一般的な有機EL素子は、陽極、陰極間に有機発光層だけでなく、発光補助層を備えている場合もある。発光補助層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等がある。以下、有機発光層及び発光補助層を合わせて有機発光媒体層と呼ぶ。
【0003】
有機EL素子の有機発光媒体層に用いられる有機発光材料には、低分子材料と高分子材料とがあり、一般に低分子材料は蒸着法等の真空成膜法(ドライコーティング法)により薄膜形成される。しかし、フルカラーの有機ELディスプレイを製造する場合、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)といった3色の異なる発光を有する有機EL素子からなる場合には、有機発光層を画素毎にパターン形成する必要がある。真空成膜法により有機発光層のパターニングをおこなう場合には、微細パターンを有する蒸着マスクを用いる。蒸着マスクを用いてパターニングをおこなう方法では、基板が大型化すればするほどパターニング精度を得られ難いという問題があった。また、ドライコーティング法であるため、基板表面上のゴミや突起を十分に被覆することが出来ず、ショートが発生しやすいなどの問題もある。また、有機発光層以外の有機発光媒体層についても同様の問題が生じていた。
【0004】
これに対して、有機発光媒体材料を溶媒に溶解もしくは分散させてインキ(塗工液)を作り、これを塗布法や印刷法といったウェットコーティング法にて膜形成する方法が試みられている。ウェットコーティング法を用いることによって、均一かつ高速に薄い膜を形成することが可能になり、特に大型基板を用いる製造プロセスにおいて、大量生産品のコストダウンに有利になることから、盛んに研究開発が行われている。
【0005】
塗布型有機発光媒体材料を用いた有機EL素子の構造は、陽極/正孔輸送層/有機発光層/陰極の順に積層する構造とすることが一般的であり、陽極、陰極といった電極を除いて、すべてウェットコーティング法により作製することが可能である。薄膜を形成するためのウェットコーティング法としては、スリットコート法、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、吐出コート法、ロールコート法等の塗布法や、凸版印刷法、インクジェット法、凹版印刷法といった印刷法がある。
【0006】
特に、有機発光層を、画素ごとにR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の異なる発光色を有するように塗り分けをおこない、パターニングする場合においては、塗り分け、パターニングを得意とする印刷法による選択的膜形成が最も有力な製造方法であると言われている。
【0007】
各種印刷法の中でも、グラビア印刷法のように硬質の印刷版を用いる方法はガラスを基
板とする有機EL素子には不向きである。また、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷では、ゴムブランケットが有機発光媒体材料の溶剤である芳香族系溶媒によって膨潤しやすいため、高精度に安定して印刷することが難しい。一方で、樹脂版を用いる凸版印刷法はオフセット印刷に見られる版の膨潤がなく、また、樹脂が弾性を有するため、ガラス基板へも印刷することが出来る。よって、いくつかある印刷法のうち凸版印刷法が有機EL素子の製法として最も適している。
【0008】
凸版印刷法を利用して作製される有機EL素子においては、特許文献1に示すように、隣接する画素を分割する画素隔壁が設けられる。通常、画素隔壁は感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィー法によりパターン形成される。画素隔壁を設けることによって、画素領域の正確な区分けと隣接画素間における混色の防止、リーク電流の防止、TFT回路や電極線等の凹凸を軽減するなどの効果があり、また、基板回路上に設けられた薄膜トランジスタなどの駆動素子に対する保護効果も期待できる。
【0009】
以上のように、凸版印刷法を用いて有機EL素子を作製する際に、隔壁は重要な役割を有している。一方、有機EL素子の有機発光媒体層を形成するための凸版印刷法では、印刷流れ方向のパターンの精度を高めることは困難であるため、画素毎に分離したパターンで印刷されることは行われず、印刷流れ方向と垂直な方向に連なる隔壁上を含めた全面に印刷を実施する。そのため、印刷流れ方向と垂直な方向の画素短辺に接する隔壁を版が乗り越える際に印刷不良が生じやすい。さらに、乗り越える隔壁の左右方向は平坦である為、混色の発生、液の濡れ広がりの不均一による画素内インキ量の不安定化などの不具合を生じ、結果として表示パネルの発光不具合に繋がっていた。
【0010】
このような問題点に対して特許文献2では、印刷流れ方向と平行な画素長辺方向の隔壁を2重とし、その間に溝部を設けることによって画素からあふれたインキをせきとめ混色を防止し、印刷流れ方向と垂直な画素短辺方向に接する部分には無機膜を形成するとしているが、画素短辺に接する部分には無機絶縁膜のみであるため、TFT回路、配線等の凹凸をカバーしきれず印刷不良を生じやすい。無機絶縁膜は厚膜化することが困難であるため、リーク電流も発生しやすいといった問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−155858号公報
【特許文献2】特開2010−033931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記の問題点に鑑みて提案するものであり、本発明が解決しようとする課題は、正孔輸送層及び有機発光層に代表される有機発光媒体層を、凸版印刷法を用いて基板上に形成した場合に、隔壁に起因して発生する塗工不良を解決し、均一な発光が可能な有機EL素子を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する為に、本発明者が鋭意研究を行った結果、印刷方向と垂直な方向の画素隔壁の高さを低くすることによって、有機発光媒体層を形成する場合の印刷版が画素隔壁を乗り越える際に発生する印刷不良発生を低減することが出来ることを見出した。一方単純に画素隔壁を低くすると隣り合う画素同士で混色が発生する。以上のことから、隣り合う画素同士を隔てる印刷方向に平行な方向の隔壁の高さを高く取りつつ、印刷ストライプと直交する方向の画素短辺側の隔壁を低く維持することによって、混色なく印刷ムラを改善することが出来ることを明らかにした。
また、このように異なる高さ構造が共存する隔壁を、多階調マスクパターンを用いることで、一括で形成できることを見出した。
【0014】
本発明は上記の知見に基づいてなされたもので、上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基板と、基板上の片面に設けた第一電極と、第一電極と同一面上の対応する位置に設けて長方形に画素を仕切り絶縁性を有する感光性樹脂よりなる隔壁と、隔壁に区画された画素領域内に凸版印刷法により形成した有機発光媒体層と、有機発光媒体層を被う第二電極と、を具備する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、長方形に画素を仕切る二方向の隔壁の内、有機発光媒体層の印刷方向に平行な隔壁の高さが、それと垂直な方向の隔壁の高さより高く、有機発光媒体層が高い方の隔壁で仕切られるとともに低い方の隔壁を乗り越えてあることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、長方形の画素の長辺に平行な隔壁の高さが、長方形の画素の短辺に平行な隔壁の高さより高いことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、有機発光媒体層の印刷方向に平行な隔壁の高さが、それと垂直な方向の隔壁の高さの2倍以上であり、印刷方向に垂直な隔壁の高さが、0.5〜1.8μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、前記隔壁が多階調フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法により形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、有機発光媒体層を、凸版印刷法を用いて基板上に形成する場合に、隣り合う画素同士を隔てる印刷方向に平行な隔壁の高さを予め高く設け、印刷ストライプと直交する方向の隔壁を低く設けておくことによって、混色や印刷ムラを生じることが無いので、隔壁に起因して発生する塗工不良を解決し、均一な発光が可能な有機EL素子を容易に得ることができる。
また、本発明の請求項4によれば、前記隔壁を多階調フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法により一括形成できるので、隔壁の形成が短い工程で高精度に可能となり、均一な発光が可能な有機EL素子をさらに容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の有機EL素子の概略構造を説明するための断面模式図である。
【図2】本発明に用いる隔壁を形成するためのフォトマスクパターンの一例を説明するための平面模式図である。
【図3】一般的に用いる隔壁を形成するためのフォトマスクパターンを説明するための平面模式図である。
【図4】本発明の有機EL素子の隔壁の概略構造の一部を説明するための斜視模式図である。
【図5】本発明の有機EL素子を作製するための凸版印刷機の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に従って、本発明の有機EL素子について説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
図1は、本発明の有機EL素子の概略構造の一例を説明するための断面模式図である。基板101上に、陽極となる第一電極102、正孔輸送層104、有機発光層105、陰極となる第二電極106を備える。このように陽極102と陰極106との間に有機発光層105が設けられ、陽極102と有機発光層105との間に正孔輸送層104が設けられる構造が有機EL素子の発光を生む部分の代表的な構造である。また、陽極102のパターン間には、隔壁103が設けられ、長方形に画素を仕切るとともに画素間の電気的絶縁を図る。基板101上に、陽極102、隔壁103、正孔輸送層104、有機発光層105、陰極106が設けられた有機EL構成体は、さらに電極や有機発光層を外部の環境から保護するための封止体107により覆われる。封止体107は、封止キャップ107a、接着剤107b、乾燥剤107cを備える。
【0022】
また、本発明の有機EL素子にあっては、陽極と陰極の間には有機発光層の他に発光補助層を備える。発光補助層としては、図1に示した前述の正孔輸送層の他に、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、等を挙げることができる。これらの発光補助層は適宜選択されるが、複数選択してもよい。正孔注入層は陽極と有機発光層との間に設けられる。電子注入層、電子輸送層は有機発光層と陰極との間に設けられる。また、本発明の有機EL素子にあっては、陽極、陰極、有機発光層、正孔輸送層は単層構造ではなく、多層構造としてもよい。
【0023】
また、本発明の有機EL素子にあっては、有機ELディスプレイとしての画像駆動方式が、パッシブマトリックス方式、アクティブマトリックス方式のどちらにも適用可能である。パッシブマトリックス方式とはストライプ状の陽極及び陰極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)を形成した、いわゆるTFT基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。アクティブマトリックス方式有機ELディスプレイの場合、有機EL素子の陽極、陰極の一方の電極はTFT基板上に画素毎に設けられ、もう一方の電極は画素全体に設けられる。
【0024】
また、本発明の有機EL素子にあっては、表示のための光の取り出し方から2種類に大別され、発光した光を基板側から取り出すボトムエミッション方式と、発光した光を基板と反対側から取り出すトップエミッション方式とのいずれも可能である。ボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板及び陽極が光透過性を有する必要があり、トップエミッション方式の有機EL素子とするためには、陰極及び封止体が光透過性を有する必要がある。
【0025】
また、本発明の有機EL素子においては、図1とは逆に、基板上に、陰極となる第一電極、有機発光層、正孔輸送層、陽極となる第二電極の順に設けてもよい。有機発光層と正孔輸送層等の発光補助層とを総称して有機発光媒体層と呼べば、いずれの場合も、基板上に、第一電極、有機発光媒体層、第二電極の順に断面構成され、平面上の画素の区分けを別途作製する隔壁により行うものである。
【0026】
次に、図1に示した本発明の有機EL素子の製造方法について説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
本発明にかかる基板101としては、絶縁性を有する基板であればいかなる基板も使用することができる。但し、この基板側から光を出射するボトムエミッション方式の場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
【0028】
例えば、上述の透明な基板として、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポ
リアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化物薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用することにより、水分やガスの透過を小さくして、素子の特性を安定化することができる。
【0029】
前記金属酸化物薄膜としては、酸化珪素、酸化アルミニウム等が例示できる。前記金属弗化物薄膜としては、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等が例示できる。前記金属窒化物薄膜としては、窒化珪素、窒化アルミニウム等が例示できる。また、前記高分子樹脂膜としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できる。
【0030】
また、トップエミッション方式の場合には、不透明な基板を使用することもできる。例えば、シリコンウエハ、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、金属シート金属板等である。また、前記プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属薄膜を積層させたものを用いることも可能である。
【0031】
なお、上記各種の基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
【0032】
また、前記基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、駆動用基板としても良い。TFTの材料としては、ポリチオフェンやポリアニリン、銅フタロシアニンやペリレン誘導体等の有機TFTでもよく、また、アモルファスシリコンやポリシリコンTFTでもよい。また、前記基板のどちらかの面にカラーフィルタ層や光散乱層、光偏光層等を設けて基板としてよい。
【0033】
次に、この基板101上に、陽極となる第一電極102を形成する。陽極形成材料として、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物が利用できる。被膜形成方法としてはドライコーティング方式が利用できる。例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等である。そして、真空製膜された金属酸化物被膜にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングして、パターン状に加工することができる。パッシブマトリックス方式の有機EL素子の場合には、陽極はストライプ状に形成される。アクティブマトリックス方式の有機EL素子の場合には、陽極はドット状にパターン形成される。
【0034】
陽極を形成後、隣接する陽極パターンとの間に感光性材料を用いて、フォトリソグラフィー法により隔壁103が形成される。さらに詳しくは、感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程と、パターン露光、現像、焼成して隔壁パターンを形成する工程と、を少なくとも有する。
【0035】
隔壁103を形成する感光性樹脂材料としてはポジ型レジスト、ネガ型レジストのどちらも可能であり、市販の材料を使用できるが、絶縁性を有する必要がある。隔壁が十分な絶縁性を有さない場合には隔壁を通じて隣り合う画素電極に電流が流れてしまい表示不良が発生してしまう。感光性樹脂材料として、具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン系といったものが挙げられるがこれに限定するものではない。この中でも感光性ポリイミドは耐熱性、耐溶剤性、低アウトガスなどの特性から最も好適である。また、有機ELディスプレイパネルの表示品位向上、および薄膜トランジス
タの誤作動防止のため、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。
【0036】
隔壁103を形成する感光性樹脂はスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布される。次に、パターン露光と現像により、隔壁パターンを形成する。
【0037】
本発明の有機EL素子の隔壁を形成するのに用いるフォトマスクパターン200の一例を説明するための平面模式図を図2に示す。本例ではポジ型レジストを用いた場合について述べるが、ネガ型レジストを用いた場合には、フォトマスクパターンの開口部と遮光部は反転し、多階調部分の透過率と遮光率も反転する。
従来からある一般的な有機EL素子の隔壁を形成するのに用いるフォトマスクパターン(図3参照)は、遮光パターン部201と開口パターン部203のみを有する構成であるが、本発明の有機EL素子の隔壁を形成するのに用いるフォトマスク200の平面上に形成されたマスクパターンは、遮光パターン部201、多階調パターン部202、開口パターン部203を有する(図2参照)、多階調フォトマスクであることを特徴としている。
【0038】
本発明の有機EL素子の隔壁は、各画素を長方形に仕切る二方向の隔壁のうち、後工程で凸版印刷法により形成する有機発光媒体層の印刷方向に平行な隔壁の高さが、それと垂直な方向の隔壁の高さより高くなるように形成している。本例では、長方形の画素の長辺に平行な隔壁の高さが、短辺に平行な隔壁の高さより高い状態を作る。隔壁をこのような構成とすることにより、有機発光媒体層は、高い方の隔壁では仕切られるが低いほうの隔壁は乗り越えて形成されるという状態となり、良好な印刷品質を保つことが出来る。
【0039】
図2のマスクパターンにおける多階調パターン部202は、露光機の解像限界よりも微細なライン・アンド・スペースなどの微細パターンを遮光性の膜を用いて形成することにより、その微細パターン領域全体の平均として半透過性を実現するグレートーンマスクの方式や、半透過性の膜を用いて半透過性を実現するハーフトーンマスクの方式などを用いて、形成することができる。
遮光パターン部201は遮光性の膜を用いて形成し、開口パターン部203は遮光膜などを一切設けないようにして形成する。
【0040】
上述のようなフォトマスク200を用いて、本発明の有機EL素子の隔壁を形成する。開口パターン部203に対応する画素上には、隔壁を形成する感光性樹脂が全く残らない。一方、長方形の画素を取り囲む隔壁のうち遮光パターン部201に対応する長辺方向の部分は、露光後の現像による感光性樹脂層の膜減りはほとんどなく最大高さの隔壁が形成される。また、長方形の画素を取り囲む隔壁のうち多階調パターン部202に対応する短辺方向の部分は、露光後の現像により感光性樹脂層の一定量の膜減りが生じ、最大高さよりも所定量だけ低い隔壁が形成される。多階調パターン部202の透過率は、対応する隔壁の高さを、最大高さよりどのくらい低くするかということに応じて任意に決定される。このようにして、多階調フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法により、本発明の有機EL素子の隔壁が形成される。なお、露光後の現像、焼成工程は、従来より公知の方法により行うことができる。
【0041】
図4は、本発明の有機EL素子の隔壁の概略構造の一部を説明するための斜視模式図であり、基板110上に形成される隔壁のみを模式的に示す。隔壁は、各画素部となる長方形の領域113の4辺に沿って、ブロック矢印で示す印刷方向に平行な隔壁111と印刷方向に垂直な隔壁112とから成る。いずれの隔壁も、下部電極等の凹凸をカバーするという隔壁としての機能を確実に果たすために、厚みが0.5μm以上であることが望ましい。また、隔壁形成適性や材料の利用効率、および後工程の有機発光媒体層の印刷適性を考慮して、より好適には、0.5〜4μmの範囲にあることが望ましい。また、後工程の
有機発光媒体層の印刷において、パターンの形状を良好に保つために、印刷方向に平行な隔壁111は、印刷方向に垂直な隔壁112の2倍以上の高さとすることが望ましい。従って、印刷方向に平行な隔壁111は、1.0〜4.0μm、印刷方向に垂直な隔壁112は、0.5〜1.8μmの範囲であることが望ましい。上記の範囲で隔壁を形成することによって、TFT素子の保護、リーク電流の防止、混色の防止といった隔壁本来の機能を有しつつ、本発明の効果を得ることが出来る。なお、本例では、長方形の画素の長辺を、後述の有機発光媒体層の印刷方向にほぼ平行としており、有機発光媒体層が高い方の隔壁111で仕切られるとともに低い方の隔壁112を乗り越えて印刷される上で、より好ましい隔壁の形態を提供することができる。
【0042】
上述のように隔壁を形成した後に、正孔輸送層104を形成する。正孔輸送層の形成材料としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
【0043】
これらの、正孔輸送層材料を溶解または分散する溶媒としては、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独またはこれらの混合溶剤などが挙げられる。
【0044】
前記インキの表面張力は35mN/m以下に調整することが望ましい。表面張力が35mN/mよりも大きくなると塗膜を塗布した直後からその表面張力により液のヨリが発生して均一な平坦面を損ねるためである。また溶媒が水を中心とする場合には、表面張力を下げるために水に対して10−30vol%程度のアルコール類を入れることが望ましい。水に対するアルコールの濃度が30vol%を超えると水との蒸発速度差からムラが発生しやすくなり、さらに分散体の凝集などの問題が起こる。また、10vol%以下であると表面張力を下げるのに不十分である。以上のような溶媒を用いたインキの濃度は、通常0.01%−10%程度、好ましくは0.1%−3%固形分を含むように調整される。
【0045】
以上のような溶媒にてインキ化された材料をウェットコート法によって基板に塗布する。ウェットコート法としては、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、吐出コート法、ロールコート法などの塗布法や、凸版印刷法、インクジェット法、凹版印刷法などの印刷法が挙げられる。
【0046】
上記手法にて塗布した膜は、速やかに乾燥を行うことが望ましい。乾燥はオーブンやホットプレートなどの既知の加熱方法のいずれを用いてもよい。正孔輸送層の焼成温度は正孔輸送層がPEDOT/PSS(ポリチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)の場合、130℃〜230℃で10分〜60分間加熱することが好ましい。ここで焼成温度が130℃未満では正孔輸送層の焼成条件としては低く、正孔輸送層からの水分の蒸発不足などの問題が懸念される。水分が隔壁中に残ると発光材料が水分により汚染劣化されてしまうためである。また230℃以上では温度が高すぎるために正孔輸送層が熱劣化してしまう危険がある。また時間が10分以下では短いために焼成不足となるし、60分以上では生産性が劣るため好ましくない。また、乾燥する際に減圧下で乾燥してもよいし、窒素下で乾燥してもよい。
【0047】
上記の加熱による正孔輸送層の画素内形状を改善する工程の後、有機発光層105を形成する。有機発光層105は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層を形成する有機発光材料として、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタル
イミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系、ポリフェニレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
【0048】
これらの有機発光材料は、溶媒に溶解または安定に分散させ、有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。又、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されても良い。
【0049】
有機発光層105は、凸版印刷法を用いて形成される。以下に、凸版印刷法について詳細に説明する。
有機発光媒体層の一部または全部の形成に用いることのできる凸版印刷法の版としては、水現像タイプの樹脂凸版を用いることが好ましい。このような樹脂版を構成する水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーいわゆる架橋性モノマー及び光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは、親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては、例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適性の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が好適である。印刷版の凸部(画線部)は数十μmの高さであり、しかも弾性を有し、被印刷基板の隔壁はせいぜい数μmであるから、隔壁を十分に乗り越えて印刷を行うことができる。
【0050】
有機発光媒体層の一部または全部の形成に用いる印刷機は、被印刷基板として平板を用いる方式の凸版印刷機であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷機が望ましい。図5は、本発明の有機EL素子を作製するための凸版印刷機の概念図である。本製造装置は、インキチャンバー508とアニロックスロール501と、クッションテープ503を介して樹脂凸版504を取り付けした版胴505を有している。インキチャンバー508には、有機発光媒体インキが収容されている。アニロックスロール501は、インキチャンバー508のインキ供給部及び版胴505に接して回転するようになっている。
【0051】
アニロックスロール501の回転にともない、インキチャンバー508から供給された有機発光媒体インキはドクターブレード502によってアニロックスロール501表面に均一に保持されたあと、版胴に取り付けた樹脂凸版504の凸部に均一な膜厚で転移する。さらに、被印刷基板507は摺動可能な基板固定台(ステージ)506上に固定され、版のパターンと被印刷基板のパターンの位置調整機構(図示せず)により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴の回転に合わせて樹脂凸版の凸部が基板に接しながらさらに移動し、基板の所定位置にパターニングしてインキを転移し、有機発光層105を形成する。
【0052】
次に、陰極となる第二電極106を形成する。陰極層の材料としては、有機発光層105への電子注入効率の高い物質を用いる。具体的には、Mg、Al、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg、AlLi、CuLi等の合金が使用できる。
陰極層を透光性電極層として利用する場合には、仕事関数が低いLi、Caを薄く設けた後に、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物を積層してもよく、前記有機発光層105に、仕事関数が低いLi,Caなどの金属を少量ドーピングして、ITOなどの金属酸化物を積層してもよい。
【0053】
陰極106の形成方法は、上述の材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。陰極の厚さに特に制限はないが、10nm〜1000nm程度が望ましい。陰極の膜厚が10nm未満であると膜のピンホールが十分に埋められずショートの原因となる。また1000nmより大きいと製膜時間が長くなり生産性が悪くなる。なお、陰極のパターニングについては、成膜時にマスクを用いることによりパターン形成を行うことができる。
【0054】
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、封止体107を用いて封止する。封止体107としては、凹部を有する封止キャップ107aを用い、封止キャップ107aと基板101を接着剤107bを介して貼りあわせる方法を用いることができる。また、封止キャップ107aと基板101で密封した空間には乾燥剤107cを備えることが出来る。
【0055】
封止キャップ107aとしては、金属キャップ、ガラスキャップを用いることができる。接着剤107bとしては、エステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート、アクリル樹脂アクリレート等のアクリレート、ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系接着剤や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチオン系接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂を用いることが出来る。また、紫外線硬化型エポキシ系接着剤も利用できる。乾燥剤107cとしては、酸化バリウムや酸化カルシウムを用いることができる。
【0056】
また、この他にも有機EL構成体にバリア層を形成し、バリア層を封止体とすることも可能である。このとき、バリア層としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等を用いることができ、これらは、CVD法等の真空成膜法により有機EL構成体全面を覆うように形成される。また、バリア層が形成された有機EL素子は接着層を介して封止基板と貼りあわせ、これらを封止体とすることも可能である。
【実施例1】
【0057】
以下、実施例により本発明を具体的に述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0058】
まず、図1に示すように、基板である無アルカリガラス上に、回路層としてシリコン、ITO等の水に不溶の金属及び金属酸化物、金属窒化物よりなるTFT回路が形成された基板を準備した。回路用配線はAlで形成し、膜厚は400nmとした。
【0059】
次に、TFT回路が形成された基板上に、感光性樹脂を用いて隔壁を形成した。まず、基板を低圧水銀灯によって処理し、純水、ブラシ洗浄、超音波洗浄などのウェットプロセスによる洗浄を行った後に、ポジ型感光性ポリイミドを全面スピンコートした。スピンコートの条件は、300rpmで5秒間回転させた後、500rpmで20秒間回転とし、スピンコート後の感光性材料の高さを4.1μmとした。スピンコート後120℃で5分間プレベークを行った。プレベーク後の基板に対し、図2に示す20%ハーフトーンパターン付きマスクで、i線ステッパーを用いて200mJ/cmの露光量で露光した。露光した後、現像を行った。こうして形成された隔壁部の高さは、最終的に画素長辺直線上
の隔壁部が3.6μm、画素短辺に接する隔壁部が1.5μmとなった。
【0060】
次に、正孔輸送インキとしてPEDOT/PSS水分散液であるバイトロンCH−8000を60%、超純水を20%、1−プロパノールを20%混合し、インキとした。上記インキを用いてスリットコート法にて基板上に正孔輸送層を形成し、膜厚を60nmとした。なお、正孔輸送インキ塗布前の基板に前処理として、UV/O洗浄装置にて3分間紫外線照射を行った。
【0061】
次に、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度2%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、図5の凸版印刷装置にて基板上の画素長辺方向に画素内を埋めるように、有機発光層を1ラインずつ計3ライン形成した。これら印刷膜の乾燥後の有機発光層の膜厚は平均で80nmとなった。
【0062】
印刷膜上にCa、Alからなる陰極材料を、画素部のみに蒸着されるようにマスク蒸着し、膜厚500nmの陰極層を形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップとエポキシ系の接着剤を用いて密閉封止し、有機EL素子を作製した。
【0063】
得られた有機EL素子の表示部の周辺部には各画素電極に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極側の取り出し電極があり、これらを電源に接続することにより、有機ELディスプレイパネルを得た。
【実施例2】
【0064】
(比較例1)
実施例2においては、実施例1で行った、ハーフトーンマスクを利用した露光を行わず、図3に示す一様な開口を持つマスクパターンを用いて露光を実施した。
【0065】
その他は、実施例1と同様に有機EL素子を作製し、これらを電源に接続することにより有機ELディスプレイパネルを得た。
【0066】
それぞれ実施例1で作製したパネルと、実施例2で作製したパネルを発光させたところ、実施例1で作成したパネルではムラがなく良好な表示であったのに対し、実施例2で作製したパネルでは、画素隔壁によって、発光層膜厚がバラツキ、全体としてざらついた表示となった。
【符号の説明】
【0067】
101・・・基板
102・・・第一電極(陽極)
103・・・隔壁(印刷方向に平行な隔壁)
104・・・正孔輸送層
105・・・有機発光層
106・・・第二電極(陰極)
107・・・封止体
107a・・・封止キャップ
107b・・・接着剤
107c・・・乾燥剤
110・・・基板
111・・・印刷方向に平行な隔壁
112・・・印刷方向に垂直な隔壁
113・・・各画素部となる長方形の領域
200・・・フォトマスク
201・・・遮光パターン部
202・・・多階調パターン部
203・・・開口パターン部
501・・・アニロックスロール
502・・・ドクターブレード
503・・・クッションテープ
504・・・樹脂凸版
505・・・版胴
506・・・基板固定台
507・・・被印刷基板
508・・・インキチャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、基板上の片面に設けた第一電極と、第一電極と同一面上の対応する位置に設けて長方形に画素を仕切り絶縁性を有する感光性樹脂よりなる隔壁と、隔壁に区画された画素領域内に凸版印刷法により形成した有機発光媒体層と、有機発光媒体層を被う第二電極と、を具備する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
長方形に画素を仕切る二方向の隔壁の内、有機発光媒体層の印刷方向に平行な隔壁の高さが、それと垂直な方向の隔壁の高さより高く、有機発光媒体層が高い方の隔壁で仕切られるとともに低い方の隔壁を乗り越えてあることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
長方形の画素の長辺に平行な隔壁の高さが、長方形の画素の短辺に平行な隔壁の高さより高いことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
有機発光媒体層の印刷方向に平行な隔壁の高さが、それと垂直な方向の隔壁の高さの2倍以上であり、印刷方向に垂直な隔壁の高さが、0.5〜1.8μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記隔壁が多階調フォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法により形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−69330(P2012−69330A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212127(P2010−212127)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】