説明

有機シランで修飾したポリシロキサン及び表面修飾のためのその使用

【課題】表面修飾に有用なポリシロキサンを提供する。
【解決手段】下記式で表される有機シランで修飾したポリシロキサンである。


ここで、x=0〜200、y=5〜100、z=0〜50及びp=1〜25、R1〜R5は飽和もしくは不飽和の炭素原子数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルラジカル及び/又は炭素原子数6〜9のアリールラジカルであり、R〜Rは修飾した有機シラン残基でありかつR9及びR10はR1〜R8の定義と同じである。さらに、表面をコーティングするための有機シランで修飾したポリシロキサンの使用及びその製造に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炭素原子を介して結合した有機シラン基を有する有機シランで修飾したポリシロキサン、その製造に関し、かつ表面修飾、特に顔料、充填剤及びガラス繊維の表面のような微細粒子の表面の修飾のためのその使用に関する。
ワニス、エマルジョン塗料、磁気テープ及びプラスチックのような有機媒質中における通常の親水性顔料や充填剤に良い相溶性を付与するために、有機ポリマー、ポリジメチルシロキサン及び有機シランで顔料、充填剤及びガラス繊維をコーティングすることが知られている。
【0002】
有機物質で処理することにより、通常、これらの材料が疎水性又は有機親和性となり、これらが用いられるシステムにより採用され易くなる。顔料の場合には、これにより分散媒質との相溶性が改良されて分散が著しく容易になり、かつカラーイールド(colour yield)が高くなることがはっきりしている。顔料や充填剤の凝集傾向や粉化傾向が少なくなる。
【0003】
特許文献1には、反応性基を有せず、その0.1重量%〜5重量%の量を顔料に適用するポリ有機シロキサンで、顔料をコーティングすることが記載されている。これらのポリ有機シロキサンは1分子当り、少なくとも1個の炭素原子数9〜25のSi−アルキル及び/又はSi−アリール基を有し、該ポリシロキサン中のこれらの基の割合は7〜70重量%であり、残りは炭素原子数1〜8の残りの基である。
【0004】
特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載されているポリシロキサンは、ポリ有機シロキサン分子中に相溶性を向上するエステル基及びエポキシ基及び/又はアルキル−アリール基を有している。これは、例えば、このようにコーティングした充填剤の温度安定性を改良することを意図としている。これらの方法では、有機ポリシロキサンが顔料又は充填剤と反応することができないので、顔料又は充填剤と形成される結合は移染に対して安定ではないという欠点がある。
【0005】
特許文献5では、顔料の処理に比較的長鎖の有機アルキルシランが使用されている。すなわち、例えば、オクチルトリメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとの組み合わせを使用している。この相対的に長鎖のアルキルシランで処理する利点として、顔料上のアルコキシシランの加水分解によりアルキルシリルラジカルの結合が安定化するので、移染を防ぐことができるのである。しかしながら、この方法は、有機アルキルシランの加水分解により低分子量アルコールが多量に放出することが欠点である。使用した長鎖アルキル基当り、最大3分子のメタノール又はエタノールが放出される。従って、このアルコールの除去が必要となり、かつこの方法による顔料コーティング操作の効率が経済的に不利であるという、操作上の負の影響がある。
【0006】
特許文献6には、種々のアルキル置換基やアリール置換基の他に、反応性の水素原子を有している有機ポリシロキサンでコーティングする疎水性色顔料及び磁性顔料が記載されている。この方法は、コーティングしている間に水素が生成するので、これらの充填剤や顔料コーティングを工業規模で行うときには爆発するリスクに対する特別の予備的対策を講じなければならないという欠点がある。
【0007】
【特許文献1】EP 0373426 A2
【特許文献2】DE 4140793 C1
【特許文献3】DE 4140794 C1
【特許文献4】EP 0725115 A1
【特許文献5】US 5631310
【特許文献6】EP 0257423
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
驚くべきことに、特定の有機シランで修飾したポリシロキサンでもって表面をコーティングすると上述した欠点が解消されることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明は下記式の有機シランで修飾したポリシロキサンを提供することにある。
【0010】
【化1】

ここで、x=0〜200、y=5〜100、z=0〜50及びp=1〜25、R1,R2,R3、R4及びR5はそれぞれ独立して、飽和もしくは不飽和の炭素原子数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルラジカル及び/又は炭素原子数6〜9のアリールラジカルであり、R6は炭素原子数6〜22の直鎖又は分岐のアルキルラジカルであり、R7はラジカル−(CH2s−M−Z(式中、sは2〜20、Mは少なくとも1個の−0−CO−基又はCO−O−基を有し、かつ所望によりエーテル基を有する脂肪族基、及びZは水素、−CO−CH3又は炭素原子数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルラジカル)であり、
8はラジカル−(CH2n−Si(R11v(R123-v〔式中、vは0、1又は2、nは2〜16、R11は炭素原子数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルラジカル、及びR12はOR13、O−CO−R13、ハロゲン又は炭素原子数1〜6のハロアルキルからなる群から選択されるラジカルである(式中、R13は芳香族ラジカル、又は炭素原子数1〜6の直鎖、分岐もしくは環状アルキルラジカルであり、かつ所望によりエーテル基及び/又はチオエーテル基を有する)〕であり、R9及びR10はそれぞれ独立して、R1,R2、R3、R4、R5、R6、R7又はR8の定義と同じである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の有機シランで修飾したポリシロキサンは既知のポリシロキサンの肯定的性質を持ち、かつ顔料や充填剤に適用するアルキルポリシロキサン単位当りのアルコキシ基、クロロシラン基又はアセトキシシラン基が少量であるために、塩化水素、酢酸又はメタノールやエタノールなどのアルコールのような放出される揮発性有機成分の量が非常に少ない。このアルコールが放出される場合に、使用するアルキル基当りのアルコールの量が、例えばオクチルトリエトキシシランを使用する場合よりも最大99%低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の好ましい態様として、xは0〜100、yは5〜50、zは0〜25及びpは2〜4であり、x、y、z及びpの合計は20〜60が好ましい。このx、y、z及びpの単位は該一般式の中に任意の順序でランダムに分散することができる。ここでいう単位とは、一般式の[ ]中の分子部分のことである。従って、x単位は、例えば、[(SiO)R15]で、x単位のxを有する分子である。x、y、z及びpが1より大きい場合は、異なるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及び/又はR8ラジカルがそれぞれx、y、z及びp単位の中に存在する。
該一般式のラジカルR1、R2、R3,R4、R9及び/又はR10がそれぞれ独立して炭素原子数1〜4の直鎖のアルキルラジカルであれば特に有利である。
これらのラジカルの中で、メチル基及びエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0013】
上述したように、アルキルラジカルR6は直鎖でも分岐でも良い。直鎖のラジカルR6の例として、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシルのラジカルがある。分岐アルキルラジカルR6の可能な例として、3−ブチルヘキシルラジカル及び4−プロピルオクチルラジカルがある。好ましい直鎖のアルキルラジカルR6の例として、n−ヘキシル、n−オクチル及びn−デシルラジカルがあり、これらの混合ラジカルの存在も可能である。
【0014】
該ラジカルR6は既知の方法により製造することができる。例えば、ヘキサクロロ白金酸、シュパイヤー(Speyer)触媒、ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体のような適切な触媒を用いるか、担体に担持した白金の存在下に、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン及び1−オクタデセンのような不飽和化合物とSiH含有ポリシロキサンとを付加反応させることにより製造することができる。ヒドロシリル化反応条件は周知の事実である。ヒドロシリル化反応温度は使用する触媒によるが、室温から200℃、好ましくは50〜150℃である。
【0015】
ラジカルR7は好ましくはラジカル−(CH23−O−(CO(CH2n−O)m−Z、−(CH22−O−(CH24−O[CO−(CH2n−O]m−Z又は(CH2r−CO−OR14である。ここで、n=4又は5、m=1〜20、Z=H,−CO−CH3又はCH3、r=3〜20及びR14は炭素原子数1〜18の直鎖又は分岐のアルキルラジカルである。
【0016】
ラジカルR7の導入に適しているのは、例えば、ε−カプロラクタム及び/又はδ−バレロラクトンのようなラクトンと、アリルアルコール、ヘキセノール又はビニルヒドロキシブチルエーテルのようなエチレン性不飽和アルコールとの付加反応である。これらの化合物はOH−官能性の、アルキレート化又はアクリレート化したものである。同様に、これらは上述の触媒を使用して、ヒドロシリル化反応により本発明のポリシロキサンに導入することができる。
【0017】
ラジカルR8としては、末端エチレン性二重結合を有する、アルコキシシラン、アルキルカルボニルオキシシラン、ハロシラン又はハロアルキルシランから誘導されるラジカルが好ましい。この種の末端オレフィン性基としては、例えば、1−ウンデセン基、アリル基又はビニル基のような1−アルケニル基が挙げられる。
この基の大きさにもよるが、nは2〜16、好ましくは2〜12.さらに好ましくは2〜6、特に好ましくは2又は3の値である。
【0018】
ラジカルR8はSiが結合した加水分解性基R12を少なくとも1個有する。ラジカルR12は、OR13,O−CO−R13,ハロゲン又は炭素原子数1〜6のハロアルキルから選択する。ここで、R13は芳香族ラジカル、又は炭素原子数1〜6の直鎖、分岐又は環状のアルキルラジカルであり、所望によりエーテル及び/又はチオエーテル基を含む。
【0019】
OR13又はO−CO−R13のラジカルR13は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル又はシクロヘキシルであり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが好ましい。R13が芳香族ラジカルの場合には、複素環芳香族ラジカルも含まれる。R13が芳香族ラジカルの場合には、置換また無置換のフェニルラジカル又はナフチルラジカルが好ましい。
【0020】
12がハロゲンの場合には、塩素、臭素及びヨウ素が好ましく、塩素及び臭素が特に好ましい。R12が炭素原子数1〜6のハロアルキルラジカルの場合には、該アルキルラジカルとしては直鎖又は分岐で、かつハロゲン化したものを含み、特にクロル化、臭素化及びヨウ素化したメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル又はヘキシルラジカルが良い。
これらのラジカルは1回以上ハロゲン化されてもよい。これらはモノハロゲン化物が好ましく、特に末端の炭素原子に結合したハロゲンを有するモノハロゲン化物が特に好ましい。
【0021】
ラジカルR8は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン又はビニルジエトキシメチルシランのようなビニルアルコキシシラン、ビニルアセトキシシラン又はビニルクロロシランから誘導されるラジカルである。特に、ラジカルR8としてはビニルトリアルコキシシラン又はビニルトリアセトキシシランから誘導されるものが特に好ましい。従って、R8としては、例えば、とりわけ、−(CH22−Si(OCH33、−(CH22−Si(OC253又は(CH22−Si[O−CO−CH33である。次に実施する顔料との結合反応において、生成するアルコールの除去が容易であり、かつ酢酸に比べて臭いがしにくいので、エトキシシラン及びメトキシシランが特に好ましい。
【0022】
さらに、ラジカルR8を導入するのに適した可能なシランを下記する。
アリル(クロロメチル)ジメチルシラン、アリル(クロロプロピル)ジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、10−ウンデセニルトリクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリイソピロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン。
同様に、ヒドロシリル化反応を用いて、SiH含有ポリシロキサン、特に好ましくは、既にラジカルR1、R2、R3、R4、R5、R9及び/又はR10有する該SiH含有ポリシロキサンに該シラン基R8を導入することができる。この目的のためには、上述のビニルアルコキシシラン又はビニルアセトキシシランが適していて、好ましい。
【0023】
上述のヒドロシリル化反応はエチレン性不飽和化合物の混合物を用いて一工程で行うことができる。この場合に、特定の触媒の存在下に、グループR6、R7及びR8をSiH含有ポリシロキサンと同時に反応させることができる。
しかしながら、最初にSiH含有ポリシロキサンのSiH基のほんの幾つかを反応させてR6、R7及び/又はR8ラジカルを生成し、その後の工程で残りのSiH基との反応を完結させてラジカルR6を生成する。特に、例えば、ラジカルR6のモル数と比べてラジカルR8のモル数を少なく導入する場合には、後者の方法を薦める。何故なら、それが最初のヒドロシリル化工程でラジカルR8を導入するための不飽和シランの反応であるからである。
【0024】
最後の工程において、好ましくは、残存のSiH基を1−オレフィンと反応させてラジカルR6を付与する。何故なら、この場合には、反応しない過剰の1−オレフィンを蒸留で容易に除去することができ、それゆえ、例えば、比例的に少ない量のアルコキシシラン基又は他の水分解性基が本発明のポリシロキサンにランダムに分布するよう、確実にできるからである。
【0025】
このようにして製造した本発明のポリシロキサンは既知の方法により目標の顔料及び充填剤又は巨視的に平らな平面に適用される。この巨視的に平らな平面は顔料や充填剤のように非常に細かい粒子の粒子表面では無い表面のことを意味するものである。従って、例えば、この用語はカーブしたり、折れ曲がったりしている本体部及びそれらの可能な縁部及び先端部位などが含まれる。それ故に、本発明は表面を修飾するための発明性のある又は発明的に得られる有機シランで修飾したポリシロキサンの使用も提供するものである。
【0026】
上記目的のために適切な方法として、例えば、顔料及び充填剤を製造した後、濾過ケーキ又はスラリーのような形で顔料が未だ湿った状態にある時に直接適用することができる方法を含む。これらの方法の場合には、本発明のアルコキシポリシロキサン又は他の加水分解性ポリシロキサンを未だ湿っている顔料又は充填剤に直接に又は全面的にもしくは部分的に予め加水分解したものを、攪拌しながら加える。例えば、本発明のポリシロキサンは既知の乳化剤を使用して、前以て水に乳化させておくのが良い。
【0027】
このように処理した顔料や充填剤を通常の方法で乾燥し、必要に応じて細かく粉砕する。代わりに、例えば、スプレー導入方法又は他の既知のコーティング方法を用いて、乾燥顔料又は充填剤をすり潰し処理している間に、本発明のポリシロキサンを加えることができる。例えば、本発明のポリシロキサンのアルコキシ基又は他の加水分解性基の加水分解及びそれにより顔料、充填剤また他の表面上に生成したSiOH基の凝縮により、これらの顔料や充填剤の上の移染に対して安定なコーティングを生成する。
【0028】
顔料や充填剤上の吸着を容易にするために、本発明のポリシロキサンを適用する前に完全に又は部分的に予め加水分解し、次いでこの水性乳化物を予め加水分解したポリシロキサンを目的の顔料や充填剤に適用することができる。アルコキシポリシロキサンを予め加水分解すると対応するアルコールが生成するので、必要に応じて、表面を修飾する前にこのアルコールを除去することができる。
【0029】
本発明のポリシロキサンでコーティングするのに適した顔料及び充填剤は多くの有機及び無機の顔料ならびに充填剤がある。
無機の顔料及び充填剤として、例えば硫酸塩又は塩化物方法で製造される酸化チタンを挙げることができ、この酸化チタンはルチル型又はアナターゼ型であり、必要に応じて格子安定化したものである。さらに、酸化亜鉛、リトポン、酸化鉄顔料、ウルトラマリン顔料、クロム酸塩顔料、酸化クロム顔料、スピネル及びルチル混合相顔料のような酸化物混合相顔料、及び着色顔料、ならびに磁性顔料が例示できる。
適切な充填剤として、例えば、沈殿及び天然炭酸カルシウム、種々の製造法からのシリカ、Al(OH)3、Mg(OH)2、タルク、マイカ、珪灰石、ガラス繊維及び中空ガラスビーズがある。本発明のポリシロキサンでコーティングされた有機顔料としては、例えば、アゾ顔料;金属錯体顔料;アントラキノン顔料;ペリレンペリノン、キナクリドン、イソインドリン、ジオキサジン、チオインジゴ、ピロロピロール及びフタロシアニン顔料からなる群からの多環顔料;がある。
【0030】
これらの顔料や充填剤に適用する本発明のポリシロキサンの使用量は、所望の疎水性化の度合いによるが、顔料又は充填剤の重量に対して0.1〜5重量%が好ましい。
また、その量は処理する顔料及び充填剤の自由表面領域にもよる。例えば、相対的に粗い充填剤の場合には、0.1重量%で十分であるが、微細な有機顔料の場合にはその量は2〜5重量%である。好ましくは、顔料や充填剤に対して0.5〜2重量%使用する。
【0031】
このように処理した顔料や充填剤の疎水性のために、これらはポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどの多くのプラスチックとの相溶性が特に高い。例えば、ポリアミドのように相対的に極性のプラスチックの相溶性はR7基を用いることで採用が容易となる。従って、本発明のポリシロキサンにR7が存在する、すなわちz>0、例えば1及び最大50までの場合には、かかるポリシロキサンでコーティングした顔料はポリエチレンテレフタレート又は熱可塑性ポリウレタンのような極性熱可塑性材料に使用するのに適している。本発明のポリシロキサンを使用して作った乳化物で顔料をコーティングすると、かかるポリシロキサンが乳化物を安定化する傾向があるか、又は自己乳化するので、付加的量のエーテル基が好ましい。しかしながら、上述したように、本発明のポリシロキサンにR7が含まれているのが一般的にはメリットがある。この場合に、このポリシロキサン中のR7残基を含む基の数は上限を50とするだけである。R7を含む基の数はz=1〜50が好ましく、3〜10がより好ましい。
ポリエチレンに使用する場合には、R7基の使用は極少量とするかz=0とするかのいずれかが良い。
【0032】
本発明に基づいて処理した顔料は粉塵が少なくかつ自由流れであるので、非常に容易に分散することができ、かつ素晴らしい光学的性質を有している。本発明のポリシロキサンが顔料や充填剤と共有結合するので、同様に浸出や移染に対する抵抗が非常に大きい。
【0033】
顔料及び充填剤のコーティングに加えて、本発明の有機シランで修飾したポリシロキサンで巨視的に平な表面をコーティングすることが可能であり、この処理した表面は疎水的又は有機親和的性質を有するようになる。コーティング可能な顔料や充填剤は有機的又は無機的性質があり、巨視的に平らな基質の表面にも同じことが云える。例えば、これらの表面はプラスチック、金属、酸化物、水酸化物、セラミック材料に加えて、コンクリート、石灰含有砂岩(lime sandstone)、石こうボード、天然石、天然クリンカーなどが挙げられる。従って、本発明の有機修飾したポリシロキサンを建築上の保護、建物前面の保護などに使用することもできる。
【実施例】
【0034】
応用例
1.粘度測定
顔料や充填剤を塗料、インク及びプラスチックに入れると、処理装置(processor)は好ましいレオロジー的性質を期待する。特に、顔料や充填剤を高充填した場合でも所望の低い粘度である。
本発明による使用における該修飾剤の効果を試験するために、15mmビーズを入れた振動ミル(shaker mill)中で、該顔料及び充填剤を1時間処理する。そして、試験用有機ポリシロキサン0.2〜1重量%を入れる。続いて、これを、ミゼルディスク(Mizer Disc:直径4cm)を使用して、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルエステル(DOP)又は液状パラフィン(30cp)中で、最初は2000rpm(速度4.25m/s)で1分間、次に4000rpm(速度8.5m/s)3分間分散する。
ドイツ工業規格DIN 53019に準拠し、コントラヴェス−レオマト(Contraves−Rheomat)を用いて、測定温度25℃、測定システムMS−DIN 125、回転速度5.15rpm及び制限振動数1Hzで、得られた分散物の粘度を決定する。
【0035】
共有結合の範囲を実証するために、1個の顔料及び1個の充填剤を選んで、本発明のポリシロキサンで処理する。
比較として、同じようにアルコキシで修飾していないポリシロキサンでこの顔料及び充填剤を処理し、次いで、液状パラフィン及びDOP中で分散挙動を観察する。
このように処理した顔料及び充填剤を、同様に溶媒で抽出し、乾燥後、これら抽出した顔料及び充填剤の分散挙動を再び観察する。
この目的のために、コーティングした顔料20gとn−ヘプタン150gとを40℃で30分に渡り、強烈に混合する。次いで、これを遠心分離して、上澄み液を捨てた。残りの抽出した顔料を室温で少なくとも24時間乾燥した。その結果、該顔料又は充填剤の表面に該有機シランで修飾したポリシロキサンがしっかりと結合していることが判明する。そして、その結果は、抽出していない該顔料及び充填剤に対するそれらと本質的に対応する。
これらの結果を表1及び2に示す。
【0036】
2.プラスチック中への分散性
ポリ塩化ビニル(PVC)への分散は散乱混和試験(scatter incorporation test)、及びポリエチレンへの分散はインフレーションフィルム試験(blown film test)と称す試験で、プラスチック中への分散を試験した。
この散乱混和試験において、白色顔料の試験のために、PVCコンパウンド(DIN 53 775による基本混合物A)50g及び灰墨(lamp black)0.05gをPEビーカー中ヘラ(スパチュラ)で丁寧に混ぜ、得られた混合物を165℃、摩擦1:1.2で2分間、混合用カレンダで広げ伸ばして黒色のシートとする。
顔料5gを計量し、0.5分間かけて散乱させる。カレンダーロールに付着した残存顔料は銅製ナイフで擦り取り、同様にしてシートに混入する。ついで、時間を記録し、約10×10cmの試料をPVCシートから取る。この試料を圧延(ローリング)の1、2、4、8及び16分毎に、定常的に手動で反転させる。
有色顔料を試験する場合の手法は同様であるが、使用する成分は、DIN 53 775の白色基本混合物及び有色顔料0.5gである。
【0037】
評価はスペック(小さな染み)の進展を基本にして行う。
[評価基準表]
ステージ1 非常に良い スペック無し
ステージ2 良い スペック2分まで
ステージ3 適度 スペック4分まで
ステージ4 悪い スペック8分まで
ステージ5 非常に悪い スペック16分まで
【0038】
インフレーションフィルム試験(blown film test)の場合は、高圧法PE(メルトインデクス:約20)150g及び顔料350gを用いて、先ずマスターバッチを作る。これは、顔料とプラスチック粉末をプラスチック子袋に入れて振り、次いで、この混合物を二軸押出機を用いて195℃、60rpmで2mmのスクリーンを通過させて該マスターバッチとする。次に、高圧法PE(メルトインデクス:約0.5)500gとマスターバッチ7.1gとを混合し、直ぐに220℃で押出し、インフレーションでフィルムにする。0.4m2の広さのこのフィルムを使って顔料スペックを調べる。
【0039】
PEへの分散性
PEへの分散性を試験するために、上述のインフレーションフィルム試験と同じ方法で行う。0.4m2の広さのこのフィルムを使って顔料スペックを調べる。
スペックの数を基本に評価する。
非常に良い スペック数10未満
良い スペック数20まで
中程度 スペック数50まで
悪い スペック数50より多い
使用したコーティング剤は本発明に従い修飾した下記の有機ポリシロキサンである。
【0040】
散乱混和試験及びブロンフィルム試験の結果を表3及び4に示す。
【0041】
実施例1
攪拌器、還流コンデンサ、温度計、滴下ロート及び不活性ガス供給ラインを装着した四つ口フラスコに、285g/モルのSi−H当量を有するポリジメチル−メチル−H−シロキサン200gを入れる。この四つ口フラスコを100ミリバールまで脱気し、ついで窒素を充満する。次いで、ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体0.0108g(Pt含有量:25重量%)を加える。次に、この混合物を60℃に加熱する。60℃に達した後に、1−オクテン54.2g(0.48モル)及びビニルトリエトキシシラン6.6g(0.03モル)を素早くに滴下して最大反応温度を110℃にする。滴下による添加時間は約30分である。滴下による添加終了後、10分間反応させる。次に、1−オクテン38.7g(0.35モル)を滴下して反応温度を117〜120℃にする。滴下による添加終了後、この混合物を120℃で1時間攪拌する。続いて、残存の過剰1−オクテンを減圧下、130℃で蒸留により除去する。
【0042】
実施例2
実施例1と同じ方法で、第1ステージにて、65g/モルのSi−H当量を有するポリメチル−H−シロキサン1,104gをビニルトリクロロシラン51.6g(0.32モル)及び1−オクテン125.2g(1.12モル)と反応させた。加えた触媒はジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体0.012g(Pt含有量:25重量%)であった。第2ステージにて、1−オクテン53.7g(0.48モル)を用い反応を完結させた。
【0043】
実施例3
実施例1と同じ方法で、第1ステージにて、65g/モルのSi−H当量を有するポリメチル−H−シロキサン1,104gをビニルトリエトキシシラン74.2g(0.32モル)及び1−オクテン125.2g(1.12モル)と反応させた。加えた触媒はジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体0.013g(Pt含有量:25重量%)であった。第2ステージにて、1−オクテン53.7g(0.48モル)を用い反応を完結させた。
【0044】
実施例4
実施例1と同じ方法で、第1ステージにて、65g/モルのSi−H当量を有するポリメチル−H−シロキサン1,104gをビニルトリメトキシシラン47.3g(0.32モル)及び1−オクテン125.2g(1.12モル)と反応させた。加えた触媒はジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体0.012g(Pt含有量:25重量%)であった。第2ステージにて、1−オクテン53.7g(0.48モル)を用い反応を完結させた。
【0045】
実施例5
攪拌器、還流コンデンサ、温度計、滴下ロート及び不活性ガス供給ラインを装着した四つ口フラスコに、285g/モルのSi−H当量を有すポリジメチル−メチル−H−シロキサン480g及びビニルトリエトキシシラン31.52g(0.16モル)を入れる。この四つ口フラスコを100ミリバールまで脱気し、ついで窒素を充満させる。次に、この反応混合物を80℃に加熱し、80℃に達した後に、シュパイヤー(Speyer)触媒0.182g(Pt含有量:6重量%)を加える。発熱反応が治まった後に、1−ヘキサデセン396.48g(1.77モル)を滴下して反応温度を117〜120℃にする。滴下による添加終了後、この混合物を120℃で1時間攪拌する。
実施例6
攪拌器、還流コンデンサ、温度計、滴下ロート及び不活性ガス供給ラインを装着した四つ口フラスコに、65g/モルのSi−H当量を有するポリメチル−H−シロキサン65g、ビニルトリエトキシシラン14.8g(0.1モル)及びCH2=CH−CH2−(O−CO−[CH254−OCCH3を55.6g(0.1モル)を入れる。この四つ口フラスコを100ミリバールまで脱気し、ついで窒素を充満させる。次に、この反応混合物を80℃に加熱し、80℃に達した後に、シュパイヤー(Speyer)触媒0.1g(Pt含有量:6重量%)を加える。発熱反応が治まった後に、1−ヘキサデセン224g(1.0モル)を滴下して反応温度を110〜120℃にする。滴下による添加終了後、この混合物を120℃で1時間攪拌する。
【0046】
実施例7
攪拌器、還流コンデンサ、温度計、滴下ロート及び不活性ガス供給ラインを装着した四つ口フラスコに、65g/モルのSi−H当量を有するポリメチル−H−シロキサン65g、ビニルトリエトキシシラン22.2g(0.15モル)及びCH2=CH−CH2−(O−CH2−CH28−(OCO−[CH253O−OCCH3を234.6g(0.3モル)を入れる。この四つ口フラスコを100ミリバールまで脱気し、ついで窒素を充満させる。次に、この反応混合物を80℃に加熱し、80℃に達した後に、シュパイヤー(Speyer)触媒0.11g(Pt含有量:6重量%)を加える。発熱反応が治まった後に、1−テトラデセン176.4g(0.9モル)を滴下して反応温度を110〜120℃にする。滴下による添加終了後、この混合物を120℃で1時間攪拌する。
【0047】
比較例
比較のために使用したシロキサンは特許文献3により公知のものである。
【0048】
【化2】

【0049】
表1
公知技術に対し、(1%添加剤でコーティングした)TiO2,Al(OH)3及びMg(OH)2の液状パラフィンへの分散(抽出試験を含む)
【0050】
【表1】

【0051】
表2
公知技術に対し、(1%添加剤でコーティングした)TiO2,Al(OH)3及びMg(OH)2のDOPへの分散(抽出試験を含む)
【0052】
【表2】

【0053】
表3
(1%添加剤でコーティングした)TiO2のポリ塩化ビニルへの分散性(散乱混和試験)
【0054】
【表3】

【0055】
表4
(1%添加剤でコーティングした)TiO2のPEへの分散性(散乱混和試験)
【0056】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式で表される有機シランで修飾したポリシロキサン:
【化1】

〔式中、x=0〜200、y=5〜100、z=0〜50及びp=1〜25、
1,R2,R3、R4及びR5はそれぞれ独立して、飽和もしくは不飽和の炭素原子数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルラジカル及び/又は炭素原子数6〜9のアリールラジカルであり、
6は炭素原子数6〜22の直鎖又は分岐のアルキルラジカルであり、
7はラジカル−(CH2s−M−Z(式中、sは2〜20、Mは少なくとも1個の−O−CO−基又はCO−O−基を有し、かつ所望によりエーテル基を有する脂肪族基、及びZは水素、−CO−CH又は炭素原子数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルラジカルであり、
8はラジカル−(CH2n−Si(R11v(R123-v(式中、vは0、1又は2、nは2〜16、R11は炭素原子数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキルラジカル、及びR12はOR13、O−CO−R13、ハロゲン及び炭素原子数1〜6のハロアルキルからなる群から選択されるラジカルである(式中、R13は芳香族ラジカル、又は炭素原子数1〜6の直鎖、分岐もしくは環状アルキルラジカルであり、かつ所望によりエーテル基及び/又はチオエーテル基を有する))であり、
9及びR10はそれぞれ独立して、R1,R2、R3、R4、R5、R6、R7又はR8の定義と同じである。〕
【請求項2】
請求項1の化学式において、x=0〜100及び/又はy=5〜50及び/又はz=0〜25及び/又はp=2〜4、及び/又はx、y、z及びpの総和が20〜60である請求項1に記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項3】
請求項1の化学式において、R1、R2、R3、R4、R9及びR10がそれぞれ独立して炭素原子数1〜4の直鎖アルキルラジカルである請求項1又は2に記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項4】
請求項1の化学式において、R1、R2、R3、R4、R9及びR10がメチル基又はエチル基である請求項3に記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項5】
請求項1の化学式において、R6がn−ヘキシル基、n−オクチル基又はn−デシル基である請求項1〜4のいずれかに記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項6】
請求項1の化学式において、R7がラジカル−(CH23−O−[CO−(CH2n−O]m−Z、−(CH22−O−(CH24−O−[CO−(CH2n−O]m−Z又は(CH2r−CO−OR14(式中、n=4又は5、m=1〜20、Z=H、−CO−CH3又はCH3、r=3〜20及びR14は炭素原子数1〜18の直鎖又は分岐アルキルラジカルである)である請求項1〜5のいずれかに記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項7】
請求項1の化学式において、R7がラクトン化合物とエチレン性不飽和アルコールとの付加反応により導入され得るものである請求項6に記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項8】
請求項1の化学式において、R8が、少なくとも一つの加水分解性Si結合基R12を持ち、かつ末端オレフィン性結合を有する基を持つシランの付加反応により導入され得る請求項1〜8のいずれかに記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項9】
末端オレフィン性結合を有する基がアリル基又はビニル基である請求項8に記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項10】
請求項1の化学式において、R12がハロゲン、炭素原子数1〜3のハロアルキル、OR13及びO−CO−R13からなる群から選択される(式中、R13がフェニル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はtert−ブチル基であり、かつ所望によりR13はエーテル基及び/又はチオエーテル基を含む)請求項8又は9に記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項11】
ハロゲンが塩素、臭素又はヨウ素である請求項10に記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項12】
有機シランで修飾したポリシロキサンの加水分解性基が完全に又は部分的に加水分解している請求項8〜11のいずれかに記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項13】
好ましくは既にラジカルR1、R2、R3、R4、R9及び/又はR10を有しているSiH−含有ポリシロキサンに、ヒドロシリル化によりラジカルR6、R7及びR8を導入することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の有機シランで修飾したポリシロキサンの製造方法。
【請求項14】
ラジカルR6、R7及びR8が一工程で導入される請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
最初にSiH含有のポリシロキサンのSiH基のほんの幾つかが反応してラジカルR6、R7及び/又はR8を形成し、その後の工程で残りのSiH基が反応してラジカルR6を形成する請求項13に記載の製造方法。
【請求項16】
ラジカルR6の導入のために使用された化合物が過剰に使用され、蒸留により除去される請求項13〜15のいずれかに記載の製造方法。
【請求項17】
触媒の存在下に室温〜200℃の間の温度でヒドロシリル化を行う請求項13〜16のいずれかに記載の製造方法。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれかに記載の有機シランで修飾したポリシロキサン又は請求項13〜17のいずれかに記載の製造方法により得られた該有機シランで修飾したポリシロキサンの表面修飾のための使用。
【請求項19】
表面修飾が移染に対して安定である請求項18に記載の使用。
【請求項20】
表面修飾が該表面を有機もしくは無機の顔料及び/又は充填剤でコーティングすることを含む請求項18又は19に記載の使用。
【請求項21】
表面修飾が、特に建物前面の保護及び建築上の保護における、巨視的に平らな表面をコーティングすることを含む請求項18又は19に記載の使用。
【請求項22】
請求項1〜12のいずれかに記載の有機シランで修飾したポリシロキサン又は請求項13〜17のいずれかに記載の製造方法により得られた該有機シランで修飾したポリシロキサンでコーティングした顔料、充填剤又は巨視的に平らな表面。
【請求項23】
7が存在し、かつzが最大50である請求項1〜12のいずれかに記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。
【請求項24】
zが1〜50である請求項23に記載の有機シランで修飾したポリシロキサン。


【公開番号】特開2006−265531(P2006−265531A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−36391(P2006−36391)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(598067245)ベーイプシロンカー ヘミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング (30)
【Fターム(参考)】