説明

有機太陽電池用および有機光検出器用の光活性層を形成するためのメロシアニン

本発明は、有機太陽電池用および有機光検出器用の光活性層を形成するという目的のための、電子供与体または電子受容体として、成分Kl)である一般式(I)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IIId)および(IIIe)の化合物の群(説明の中でより明確に定義されている)から選択される1種以上のメロシアニンを、また成分K2)である、成分Kl)とは対照をなす仕方で電子受容体または電子供与体として働く1種以上の化合物をそれぞれ含む混合物の使用、光活性層や対応する有機太陽電池および有機光検出器を製造するための方法、成分として、成分K1である一般式(I)、(IIa)、(IIb)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、(IIId)および(IIIe)及び/または(IIIe)の1種以上の化合物(説明の中でより明確に定義されている)、および成分K2の1種以上の化合物を含む混合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機太陽電池用および有機光検出器用の光活性層を形成するための、
K1)電子供与体または電子受容体としての、次の一般式
【化1】

【0002】
【化2】

[式中、
Aは、NR1102(ここで、両方のR110基は、これらが結合する窒素原子と一緒になって五員または六員の飽和環を形成してよいか、あるいはR110基の1つが、NR1102基を持っている炭素原子に対してα位置のベンゼン環の炭素原子と一緒になって五員または六員の飽和環を形成するか、SR110あるいはOR110を形成する)であり、
Bは、O、S、N−CN、N−R110、C(CN)2、C(CO21102、C(CN)COR110、C(CN)CO2110、C(CN)CONR1002、あるいは次の群
【化3】

(ここで、*は、式I、IIaおよびIIbの化合物の場合、L2との結合を表し、式IIIaおよびIIIbの化合物の場合、分子の残りの部分との結合を表す)から選択される部分であり、
1は、二価のアリールまたはヘタリール基であり、
2は、第一にBと、また第二にX100またはX101単位および分子の残りの部分を介してAとπ共役している、二価の(場合により)単縮合または複縮合した炭素環または複素環であるか、あるいは
【化4】

部分(ここで、*および**は、第一に、対応するX101またはX100単位との結合を表し、また第二にBとの結合を表す)であり、
nは、0または1であり、
100は、CH、NまたはC(CN)であり、
101は、CH、N、C(CN)であるか、またはX101とL2とが一緒になって
【化5】

部分(ここで、*および**は、第一に、対応するL1単位との結合を表し、第二にBとの結合を表す)を形成し、
200は、O、S、SO2またはNR110であり、
201は、O、S、SO2、NR110またはCR1112であり、
202は、2回ともH、OまたはSであり、
100は、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキルまたはアリールであり、
110は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキルまたはアリールであり、
101は、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたはヘタリールであり、
111は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたはヘタリールであり、
115は、H、アルキル、部分フッ素化されるかまたは過フッ素化されたアルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、NHCO−R100またはN(CO−R1002であり、
118は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、OR110、SR110、ヘタリール、ハロゲン、NO2またはCNであり、
210は、HまたはCNであり、
211は、H、CNまたはSCNである
(ここで、アルキルおよびシクロアルキル基の炭素鎖は、1個または2個の隣接していない酸素原子が介在していてよく、式IIIa中のR115およびR210基は一緒になって、場合によりR118で置換された縮合ベンゼン環を形成してよく、式IIId中のX100がCHと定義された場合、R100基はこの炭素原子との場合によりR118置換されたベンゾ縮合を形成してよく、前述の変数は、それらが2回以上現れている場合、同じであっても異なっていてもよい)]の化合物の群から選択される1種以上の化合物と、
K2)成分K1)を基準にして、それに応じて電子受容体または電子供与体として働く1種以上の化合物と
を成分として含む混合物の使用、光活性層を形成する方法やこの光活性層に対応する太陽電池および有機光検出器を製造するための方法、ならびに成分として、成分K1である一般式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIc、IIId及び/またはIIIeの1種以上の化合物と成分K2である1種以上の化合物とを含む混合物に関する。
【0003】
将来には、従来の無機半導体だけでなく、低分子量または高分子材料をベースにした有機半導体もますます電子工業の多数の分野で用いられるであろうことが予期される。多くの場合、そうした有機半導体は、伝統的な無機半導体よりも利点がある。例えば、そうした材料をベースにした半導体部品は、基材適合性が優れており、加工性も優れている。そうした利点により、柔軟な基材上での加工が可能であり、また分子モデリング法によって特定の適用範囲に正確に界面軌道エネルギーを調整することができる。そのような部品のコストが著しく低減したことにより、有機エレクトロニクスの研究分野の復興がもたらされた。有機エレクトロニクスでは、有機半導体層をベースにした電子部品を作るための新規の材料および製造工程の開発に、主な関心が向けられている。そうした部品としては、特に有機電界効果トランジスター(OFET)および有機発光ダイオード(OLED。例えば、ディスプレイで使用)、および有機光起電装置がある。
【0004】
太陽電池での太陽エネルギーから電気エネルギーへの直接変換は、半導体物質の内部光電効果、すなわち、光子の吸収によって電子−正孔対が生成し、p−n遷移またはショットキー接触において負電荷担体および正電荷担体が分離することに基づいている。こうして生じた光起電力は、外部回路内に光電流をもたらすことができ、それにより、太陽電池はその電力を提供する。
【0005】
半導体は、そのバンドギャップより大きいエネルギーを有する光子のみを吸収することができる。したがって、半導体のバンドギャップの大きさにより、電気エネルギーに変換できる日光の割合が決まる。有機太陽電池は、コストの低減、重量の低減、柔軟かつ/または着色された電池を製造できること、またバンドギャップの微調整をいっそううまくできることのおかげで、将来、シリコンをベースにした伝統的な太陽電池を追いこすことが期待される。したがって、有機太陽電池を製造するのに適した有機半導体に対する需要は大きい。
【0006】
可能な限り効率的に太陽エネルギーを利用するために、有機太陽電池は通常、電子親和力が異なるかまたはイオン化挙動が異なる2種類の吸収物質から構成される。その場合、一方の物質はp導体(電子供与体)として機能し、他方はn導体(電子受容体)として機能する。最初の有機太陽電池は、p導体としての銅フタロシアニンとn導体としてのPTCBIとから構成される2層系からなっており、効率は1%であった。可能な限り多くの入射光子を利用するために、比較的厚い層を使用する(例えば、100nm)。しかし、電流を生じさせるためには、吸収光子によって生じた励起状態は、正孔および電子を生成するためにpn接合に到達しなければならず、次いでそれは陽極および陰極に流れる。しかし、ほとんどの有機半導体は、励起状態の拡散距離がほんの10nmまでである。今までに知られている最高の製造方法であっても、励起状態が送られなければならない距離は、減少させることができても10〜30nmという長い距離である。
【0007】
ここ最近の有機光起電工学は、いわゆる「バルクヘテロ接合」の方向に進歩してきた。この場合、光活性層は、受容体化合物と供与体化合物(1種以上)を両連続相として含む。供与体化合物の励起状態から受容体化合物への、光で誘起された電荷移動の結果として、化合物が空間的に近接しているおかげで、他の緩和方法と比べて急速な電荷分離が起こり、生じた正孔および電子は対応する電極によって除去される。そのような電池の効率を高めるために、電極と光活性層との間に更なる層(例えば、正孔輸送層または電子輸送層)を施すことがよくある。
【0008】
今日まで、そのようなバルクヘテロ接合電池に用いられる供与体物質は、普通は、ポリマー(例えば、ポリビニルフェニレンまたはポリチオフェン)、あるいはフタロシアニン誘導体の類の染料(例えば、亜鉛フタロシアニンまたはバナジルフタロシアニン)であり、用いられる受容体物質はフラーレンおよびフラーレン誘導体、またさらに種々のペリレン類であった。供与体/受容体のペアであるポリ(3−ヘキシル−チオフェン)(「P3HT」)/[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル(「PCBM」)、ポリ(2−メトキシ−5−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(「OC110−PPV」)/PCBMおよび亜鉛フタロシアニン/フラーレンから構成される光活性層が集中的に研究されてきたし、さらに研究されている。
【0009】
したがって、本発明の目的は、電子部品、特に有機太陽電池および有機光検出器に用いるための更なる光活性層であって、形成しやすくかつ工業的用途において光エネルギーから電気エネルギーへの十分な変換効率を有する光活性層を提供することであった。
【0010】
それゆえに、有機太陽電池用および有機光検出器用の光活性層を形成するための、冒頭で述べた混合物の使用が見出された。
【0011】
上に列挙した変数の定義を以下に詳細に説明するが、それらは次のように理解すべきである。
【0012】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、特にフッ素および塩素を表す。
【0013】
アルキルは、置換または非置換のC1〜C20−アルキル基を意味すると理解される。C1〜C10−アルキル基が好ましく、特にC1〜C6−アルキル基が好ましい。アルキル基は、直鎖状または分岐状のいずれであってもよい。さらに、アルキル基は、C1〜C20−アルコキシ、ハロゲン(好ましくはF)、およびC6〜C30−アリールよりなる群から選択される1種以上の置換基で置換されていてもよく、そしてまたそのアリールも置換されていても、非置換であってもよい。好適なアリール置換基および好適なアルコキシおよびハロゲン置換基については、後ほど明記する。好適なアルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルがあり、さらに既述のアルキル基のC6〜C30−アリール置換、C1〜C20−アルコキシ置換及び/またはハロゲン置換、特にF置換の誘導体(例えば、CF3)がある。これには、既述の基のn−異性体および分岐状異性体(イソプロピル、イソブチル、イソペンチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、3,3−ジメチルブチル、3−エチルヘキシルなど)の両方が含まれる。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、tert−ブチルおよびCF3である。
【0014】
シクロアルキルは、置換または非置換のC3〜C20−アルキル基を意味すると理解される。C3〜C10−アルキル基が好ましく、特にC3〜C8−アルキル基が好ましい。シクロアルキル基は、アルキル基に関して述べた1種以上の置換基を持っていてもよい。好適な環状アルキル基(シクロアルキル基)は、同様に非置換であっても、アルキル基に関して上で述べた基で置換されていてもよく、その例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシルがある。それらは、場合により、デカリニル、ノルボルニル、ボルナニルまたはアダマンチルなどの多環系であってもよい。
【0015】
1個または2個の隣接していない酸素原子が介在しているアルキルには、例えば、3−メトキシエチル、2−および3−メトキシプロピル、2−エトキシエチル、2−および3−エトキシプロピル、2−プロポキシエチル、2−および3−プロポキシプロピル、2−ブトキシエチル、2−および3−ブトキシプロピル、3,6−ジオキサヘプトイルおよび3,6−ジオキサオクチルがある。
【0016】
好適なアリールは、どんな環ヘテロ原子も含まない単環式、二環式または三環式の芳香族化合物から誘導されるC6〜C30−アリール基である。単環系ではない場合、第2環に関する「アリール」という用語は、飽和形態(パーヒドロ形態)または部分不飽和形態(例えば、ジヒドロ形態またはテトラヒドロ形態)も含みうるが、但し、その特定の形態が周知であり安定していることを条件とする。これは、本発明における「アリール」という用語が、例えば、両方の基または3つの基すべてが芳香族である二環基または三環基、および1つの環だけが芳香族である二環基または三環基、さらにまた2個の環が芳香族である三環基も包含することを意味する。アリールの例には、フェニル、ナフチル、インダニル、1,2−ジヒドロナフテニル、1,4−ジヒドロナフテニル、インデニル、アントラセニル、フェナンスレニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロナフチルがある。C6〜C10−アリール基(例えば、フェニルまたはナフチル)が特に好ましく、C6−アリール基(例えばフェニル)がとりわけ非常に好ましい。
【0017】
アリール基は、1種以上の更なる基で置換されていてもいなくてもよい。好適な更なる基は、C1〜C20−アルキル、C6〜C30−アリールおよび供与体または受容体の働きをする置換基よりなる群から選択され、供与体または受容体の働きをする好適な置換基には以下のものがある:
1〜C20アルコキシ、C6〜C30−アリールオキシ、C1〜C20−アルキルチオ、C6〜C30−アリールチオ、Si(R)3、ハロゲン基、ハロゲン化C1〜C20−アルキル基、カルボニル(−CO(R))、カルボニルチオ(−C=O(SR))、カルボニルオキシ(−C=O(OR))、オキシカルボニル(−OC=O(R))、チオカルボニル(−SC=O(R))、アミノ(−NR2)、OH、擬ハロゲン基、アミド(−C=O(NR))、−N(R)C=O(R)、ホスホネート(−P(O)(OR)2、ホスフェート(−OP(O)(OR)2)、ホスフィン(−PR2)、ホスフィンオキシド(−P(O)R2)、サルフェート(−OS(O)2OR)、スルホキシド(−S(O)R)、スルホネート(−S(O)2OR)、スルホニル(−S(O)2R)、スルホンアミド(−S(O)2NR2)、NO2、ボロン酸エステル(−OB(OR)2)、イミノ(−C=NR2))、ボラン基、スタンナン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、オキシム基、ニトロソ基、ジアゾ基、ビニル基、(=スルホネート)およびボロン酸基、スルホキシイミン、アラン、ゲルマン、ブロキシムおよびボラジン類。
【0018】
供与体または受容体の働きをする好ましい置換基は、以下からなる群より選択される:
1〜C20−アルコキシ、好ましくはC1〜C6−アルコキシ、より好ましくはエトキシまたはメトキシ;C6〜C30−アリールオキシ、好ましくはC6〜C10−アリールオキシ、より好ましくはフェニルオキシ;SiR3(式中、3個のR基は、好ましくはそれぞれ独立に、置換または非置換のアルキルあるいは置換または非置換のフェニル、ハロゲン基(好ましくはF、Cl、Br、より好ましくはFまたはCl、もっとも好ましくはF)、ハロゲン化C1〜C20−アルキル基(好ましくはハロゲン化C1〜C6−アルキル基、もっとも好ましくはフッ素化C1〜C6−アルキル基、例えば、CF3、CH2F、CHF2またはC25)である);アミノ(好ましくはジメチルアミノ、ジエチルアミノまたはジフェニルアミノ);OH、擬ハロゲン基(好ましくはCN、SCNまたはOCN、より好ましくはCN)、−C(O)OC1〜C4−アルキル(好ましくは−C(O)OMe)、P(O)R2(好ましくはP(O)Ph2)、またはSO22(好ましくはSO2Ph)。
【0019】
前述の基の中のRは、特にC1〜C20−アルキルまたはC6〜C30−アリールである。
【0020】
1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキルおよびC1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキルは、C1〜C6−アルキレン−COO、C1〜C6−アルキレン−O−COおよびC1〜C6−アルキレン−O−CO−O部分(ここで、C1〜C6−アルキレン単位は、好ましくは直鎖状である)との結合によって上述のアルキル基から得る。特に有用なのは、C2〜C4−アルキレン単位である。
【0021】
アリールアルキルは、特にアリール−C1〜C20−アルキル基を意味すると理解される。これらは、直鎖状または分岐状アルキル鎖の水素原子をアリール基で形式的に置換することによって、上に詳しく述べたアルキルおよびアリール基から誘導される。好ましいアリールアルキル基の例はベンジルである。
【0022】
ヘタリールは、5〜30個の環原子を有する非置換または置換ヘテロアリール基であって、単環式、二環式または三環式であってよく、その中のあるものについては、アリールの基本骨格中の少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置換されているおかげで前述のアリールから誘導することができる、非置換または置換ヘテロアリール基を意味すると理解される。好ましいヘテロ原子は、N、OおよびSである。より好ましくは、ヘタリール基は5〜13個の環原子を有する。ヘテロアリール基の基本骨格は、特に好ましくは、ピリジンなどの系および五員複素芳香族(チオフェン、ピロール、イミダゾールまたはフランなど)から選択される。こうした基本骨格は、場合により1個または2個の六員芳香族基に縮合していてもよい。好適な縮合複素芳香族は、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリルまたはジベンゾチオフェニルである。基本骨格は、1つ、複数またはすべての置換可能な位置で置換されていてよく、好適な置換基は、C6〜C30−アリールの定義の部分ですでに明記したものと同じである。しかし、ヘタリール基は、好ましくは非置換である。好適なヘタリール基は、例えば、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イルおよびイミダゾール−2−イル、さらにまた対応するベンゾ縮合した基、特にカルバゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリルまたはジベンゾチオフェニルである。
【0023】
1の定義の二価のアリールまたはヘタリール基は、更なる水素原子を形式的に除去することによって前述のアリールおよびヘタリール基から誘導される。
【0024】
光活性層では、成分K1は電子供与体の役割を引き受けることができ、その場合、それに応じて成分K2は、電子受容体の役割が割り当てられる。しかし一方では、成分K1は、電子受容体の役割を引き受けることもでき、その場合には、それに応じて成分K2が電子供与体として機能する。特定の成分が働く仕方は、成分K1のHOMOおよびLUMOのエネルギーと、成分K2のHOMOおよびLUMOのエネルギーとの相関関係で異なる。成分K1の化合物は、典型的にはメロシアニンであり、これは典型的には電子供与体となる。特に、使用される成分K2がライレンまたはフラーレン誘導体である場合にそうであり、ライレンまたはフラーレン誘導体はそのとき一般に電子受容体として働く。しかし、こうした役割は、特定の個々の場合に入れ替わりうる。式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIcまたはIIIeのある化合物が、電子供与体の役割を引き受け、式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIcおよびIIIeの別の化合物が電子受容体の役割を引き受けることができるように、成分K2も同様に成分K1の構造定義に従いうることにも注目されたい。
【0025】
本発明に従って成分K1に用いる式I、IIa及び/またはIIbの好ましい化合物は、L2が以下の群:
【化6】

【0026】
【化7】

[式中、
102は、アリールアルキル、アリールまたはヘタリールであり、
112は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、OR110またはSR110であり、
113は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘタリール、NH−アリール、N(アリール)2、NHCO−R100またはN(CO−R1002であり、
114は、H、アルキルまたは部分フッ素化されるかまたは過フッ素化されたアルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−C0−アルキルまたはC1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキルであり、
116は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、CO2110またはCNであり、
117は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、OR110、SR110ハロゲンまたはヘタリールであり、
212は、H、CN、CONR110またはCOR101であり、
および残りの変数はそれぞれ冒頭で定義したとおりであり、アルキルおよびシクロアルキル基の炭素鎖は1個または2個の隣接していない酸素原子が介在していてもよく、上述および冒頭の変数は、二回以上現れている場合、同じであっても異なっていてもよい]から選択される部分であるという点で注目すべきである
【0027】
さらに、好ましく使用される混合物は、上述の好ましい条件も考慮に入れて、成分K2が、以下の群から選択される1種以上の化合物を含んでいるという点で注目に値する。
a)フラーレンおよびフラーレン誘導体、
b)多環式芳香族炭化水素およびその誘導体、特にナフタレンおよびその誘導体、ライレン、特にペリレン、テリレンおよびクアテリレン、およびこれらの誘導体、アセン、特にアントラセン、テトラセン、特にルブレン、ペンタセンおよびこれらの誘導体、ピレンおよびその誘導体、コロネンおよびヘキサベンゾコロネンおよびこれらの誘導体、
c)キノン、キノジメタンおよびキノンジイミンおよびこれらの誘導体、
d)フタロシアニン類およびサブフタロシアニン類およびこれらの誘導体、
e)ポルフィリン類、テトラアザポルフィリン類およびテトラベンゾポルフィリン類およびこれらの誘導体、
f)チオフェン類、オリゴチオフェン類、縮合チオフェン類(チエノチオフェンおよびビチエノチオフェンなど)およびこれらの誘導体、
g)チアジアゾール類およびその誘導体、
h)カルバゾール類およびトリアリールアミンおよびこれらの誘導体、
i)インダンスロン類、ビオラントロン類およびフラバントン類およびこれらの誘導体、ならびに
j)フルバレン類、テトラチアフルバレン類およびテトラセレナフルバレン類およびこれらの誘導体。
【0028】
さらに詳細には、本発明によれば、上述の好ましい条件も考慮に入れて、成分K2が1種以上のフラーレン及び/またはフラーレン誘導体を含むという点で注目すべき混合物が使用される。
【0029】
容易に得られる有用なフラーレン誘導体としては、特に次の一般式k2
【化8】

[式中、
Qは、C1〜C10−アルキレンであり、
R’は、アリールまたはアリールアルキルであり、また
R’’は、アルキルである]の化合物がある。
【0030】
アリール、アリールアルキルおよびアルキルの定義に関しては、上ですでに述べた説明を参照されたい。
【0031】
1〜C10−アルキレンは、特に、線状鎖−(CH2m−(ここで、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である)を意味すると理解される。
【0032】
さらに詳細には、本発明によれば、そうしたフラーレン誘導体(ここで、R’は、C1〜C4−アルキル基(特にメチル基)であり、Qは、プロピレン鎖(−(CH23−)であり、R’’は、場合により置換されているフェニルまたは2−チエニルである)が使用される。フラーレン誘導体は、好ましくは[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル(「PCBM」)である。
【0033】
上述の好ましい条件も考慮に入れて、成分K2が1種以上のフラーレンを含む混合物を使用するのが特に好ましい。
【0034】
可能なフラーレンとしては、C60、C70、C76、C80、C82、C84、C86、C90およびC94、特にC60およびC70がある。本発明に従って使用できるフラーレンの概説は、例えば、単行本のA. Hirsch, M. Brettreich, "Fullerenes:Chemistry and Reactions", Wiley−VCH, Weinheim 2005に示されている。
【0035】
さらに詳細には、成分K2は、次式k2
【化9】

のC60フラーレンである。
【0036】
本発明に従って使用する混合物は、成分K1が、10〜90質量%、特に20〜80質量%の割合で存在し、成分K2が、90〜10質量%、特に80〜20質量%の割合で存在するという点で注目に値し、それぞれの場合に成分K1およびK2の全質量を基準にした成分K1およびK2の割合は、合計が100質量%になる。
【0037】
製造の結果、個々の場合に、明示されているI、IIa、IIb、IIIaまたはIIIbの式を有する化合物ではなく、その異性体の化合物を得るか、あるいは異性体の混合物を得ることが可能である。したがって、本発明によれば、式I、IIa、IIb、IIIa、IIIbの異性化合物および対応する好ましいものの異性体、さらに異性体の混合物も含まれるものとする。
【0038】
一般式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIc、IIIdおよびIIIeの化合物の合成は当業者に周知である、または周知の合成法に基づいて製造することができる。
【0039】
例えば、対応する合成に関しては、次の刊行物を挙げられるであろう:
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19502702号明細書A1、欧州特許出願公開第416434号明細書A2、欧州特許出願公開第509302号明細書A1、欧州特許出願公開第291853号明細書A2、米国特許第5147845号明細書、米国特許第5703238号明細書;
"ATOP Dyes. Optimization of a Multifunctional Merocyanine Chromophore for High Refractive Index Modulation in Photorefractive Materials", F. Wuerthner, S. Yao, J. Schilling, R. Wortmann, M. Redi−Abshiro, E. Mecher, F. Gallego−Gomez, K. Meerholz, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 2810−2814;
"Merocyaninfarbstoffe im Cyaninlimit: eine neue Chromophorklasse fuer photorefraktive Materialien; Merocyanine Dyes in the Cyanine Limit: A New Class of Chromophores for Photorefractive Materials", F. Wuerthner, R. Wortmann, R. Matschiner, K. Lukaszuk, K. Meerholz, Y. De Nardin, R. Bittner, C. Braeuchle, R. Sens, Angew. Chem. 1997, 109, 2933−2936; Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1997, 36, 2765−2768;
"Electrooptical Chromophores for Nonlinear Optical and Photorefractive Applications", S. Beckmann, K.−H. Etzbach, P. Kraemer, K. Lukaszuk, R. Matschiner, A. J. Schmidt, P. Schuhmacher, R. Sens, G. Seybold, R. Wortmann, F. Wuerthner, Adv. Mater. 1999, 11, 536−541;
"DMF in Acetic Anhydride: A Useful Reagent for Multiple− Component Syntheses of Merocyanine Dyes", F. Wuerthner, Synthesis 1999, 2103−2113;
Ullmanns’ Encyclopedia of industrial Chemistry, Vol. 16, 5th Edition(Ed. B. Elvers, S. Hawkins, G. Schulz), VCH 1990 in the chapter "Methine Dyes and Pigments", p. 487−535 by R. Raue(Bayer AG)。
【0040】
一般式Iの化合物中のL1単位の例には次のものがある:
【化10】

この場合、(A)および(X101)は、AおよびX101との特定の結合を表し、R115/R118は、R115基またはR118基のいずれかによる置換を表す。ここにおける変数は、それぞれすでに上で定義したとおりである。
【0041】
本発明に従って使用できる一般式Iの化合物を例として以下に示す:
【化11】

【0042】
【化12】

【0043】
2単位が存在しない(n=0)式Iの更なる化合物を以下に示す:
【化13】

【0044】
本発明に従って使用できる一般式IIaの化合物を例として以下に示す:
【化14】

【0045】
【化15】

【0046】
【化16】

【0047】
【化17】

【0048】
2単位が存在しない(n=0)式IIaの更なる化合物を以下に示す:
【化18】

ここで、後者の化合物はB−01部分を含んでいる。
【0049】
2−00単位を持つ式IIaの化合物を例として以下に示す:
【化19】

【0050】
2単位が存在しない(n=0)式IIbの化合物を以下に示す:
【化20】

【0051】
式IIIaおよびIIIbの化合物の例は以下のとおりである:
【化21】

【0052】
式IIIdの化合物の例は以下のとおりである:
【化22】

【0053】
式IIIeの化合物の例は以下のとおりである:
【化23】

【0054】
【化24】

【0055】
さらに、本発明との関連において、とりわけ光活性層を形成するための方法であって、冒頭で示した成分K1である一般式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIc、IIId及び/またはIIIeの1種以上の化合物(それらの好ましい条件も考慮に入れる)、ならびに成分K2の1種以上の化合物(同様にそれらの好ましい条件を考慮に入れる)を、連続的、同時または交互に真空昇華によって基材に付着させる、光活性層を形成するための方法の特許保護を請求する。
【0056】
さらに詳細には、この方法は、成分K1が、10〜90質量%、特に20〜80質量%の割合で基材上に付着して存在し、成分K2が90〜10質量%、特に80〜20質量%の割合で存在するという点で注目すべきであり、それぞれの場合に成分K1およびK2の全質量に基づく成分K1およびK2の割合が、合計で100質量%になる。
【0057】
成分K1およびK2を含む上述の混合物を用いて形成されたか、あるいは同様に上に説明した混合物の好ましい実施態様を用いて形成された光活性層を含む、有機太陽電池および有機光検出器も、本発明との関連において特許保護を請求する。
【0058】
有機太陽電池は普通、層状構造を有し、また一般には少なくとも次の層を含む:電極、光活性層および対電極。こうした層は一般に、この目的にとって普通の基材上に存在する。好適な基材には、例えば、酸化物(例えば、ガラス、石英、セラミックス、SiO2など)、ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン)、ポリエステル、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリスチレンならびにそれらの混合物および複合材、さらに上に列挙した基材の組合わせがある。
【0059】
一方の電極に好適な物質は、特に金属であり、例えば、アルカリ金属(Li、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ土類金属(Mg、CaおよびBa)、Pt、Au、Ag、Cu、Al、In、金属合金(例えば、Pt、Au、Ag、Cuなどをベースにしたもの、および特定のMg/Ag合金)であり、さらにそれだけでなく、アルカリ金属フッ化物(LiF、NaF、KF、RbFおよびCsFなど)、およびアルカリ金属フッ化物とアルカリ金属の混合物も好適な物質である。使用電極は、好ましくは入射光を基本的に反射する物質である。その例としては、Al、Ag、Au、In、Mg、Mg/Al、Caなどからなる金属膜がある。
【0060】
対電極は、入射光に対して基本的に透明な物質(例えば、ITO、ドープITO、ZnO、TiO2、Cu、Ag、AuおよびPt)からなり、後者の金属は適切な薄層として存在する。
【0061】
この状況では、電極/対電極は、光活性層が放射線を吸収する波長範囲の放射線強度の少なくとも50%が透過するとき、「透明」と見なされるものとする。複数の光活性層である場合、電極/対電極は、光活性層が放射線を吸収する波長範囲の放射線強度の少なくとも50%が透過するとき、「透明」と見なされるものとする。
【0062】
光活性層に加えて、1種以上の更なる層を本発明の有機太陽電池および光検出器に存在させることが可能である。更なる層には、例えば、電子輸送層(「ETL」)及び/または正孔輸送層(「HTL」)及び/またはブロック層(例えば、典型的には入射光を吸収しない励起子ブロック層(「EBL」))、あるいは電荷輸送層としての機能を果たすと同時に太陽電池の一方または両方の電極との接触を改善する層がある。p−i−n型の電池を生じさせるために、例えば、J. Drechsel et al. Thin Solid Films 451−452(2004), 515−517という刊行物に記載されているように、ETLおよびHTLもドーピングしてよい。
【0063】
有機太陽電池の構造は、さらに、例えば、文献である国際公開第2004/083958A2号、米国特許出願公開第2005/0098726A1号および米国特許出願公開第2005/0224905A1号(これら全体を本明細書に援用する)に記載されている。
【0064】
光検出器は基本的に有機太陽電池と類似の構造を有するが、放射エネルギーの作用の下で測定応答として対応する電流フローを生成する適切なバイアス電圧で動作する。
【0065】
光活性層の処理は溶液から行うことができる。この場合、成分K1およびK2はすでに一緒に溶かされていてよいが、成分K1の溶液および成分K2の溶液として別個に存在していてもよい。その場合、対応する溶液は下の層に施す直前に混合する。成分K1およびK2の濃度は一般に、数g/リットル(溶剤)〜数十g/リットル(溶剤)の範囲になる。
【0066】
好適な溶剤は、残留物を残さずに蒸発しかつ成分K1およびK2の溶解度が十分であるすべての液体である。有用な例としては、芳香族化合物(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼン)、トリアルキルアミン、含窒素複素環、N,N−二置換脂肪族カルボキサミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルブチルアミド)、N−アルキルラクタム(例えば、N−メチルピロリドン)、線状ケトンおよび環状ケトン(例えば、メチルエチルケトン、シクロペンタノンまたはシクロヘキサノン)、環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン)、あるいはアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたはブタノール)がある。
【0067】
さらに、前述の溶剤の混合物を使用することも可能である。
【0068】
本発明の光活性層を液相から施す好適な方法は当業者に知られている。特にスピンコーティングによる処理が、この場合に有利であることが分かる。というのは、光活性層の厚さを、使用する溶液の量及び/または濃度により、また回転速度及び/または回転時間によって、簡単に制御できるからである。溶液は一般に室温で処理する。
【0069】
しかし、成分K1およびK2は、好ましくは気相から、特に真空昇華によって付着させる。式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIc、IIIdおよびIIIeの化合物は、一般に昇華によって精製できるので、気相付着の開始パラメーターをそれから直接得ることが可能である。典型的には、付着させる場合、100から200℃の間の温度を使用するが、成分K1およびK2の化合物の安定性に応じて、300〜400℃の範囲まで増大させることもできる。
【0070】
成分として、冒頭で挙げた成分K1である一般式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIc、IIId及び/またはIIIeの1種以上の化合物(列挙した好ましい条件も考慮に入れる)と、成分K2である1種以上の化合物(列挙したその好ましい条件を同様に考慮に入れる)とを含む混合物を、本発明との関連において特許保護を請求する。
【0071】
さらに詳細には、本発明の混合物は、成分K1が、10〜90質量%、特に20〜80質量%の割合で存在し、成分K2が90〜10質量%、特に80〜20質量%の割合で存在する(それぞれの場合に、成分K1およびK2の全質量を基準にした成分K1およびK2の割合が、合計で100質量%になる)という点で注目に値する。
【0072】
以下に、本発明を例によって詳しく説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0073】
本発明の光活性層において成分K1として使用する化合物:
一般式Iの化合物:
【化25】

【0074】
一般式IIaの化合物:
【化26】

【0075】
太陽電池の構造:
A)2層構造:
この構造は以下の層を含む:
16 金属電極(陰極)
(15 場合によりのEBL及び/またはETL)
14 電子受容体層
13 電子供与体層
(12 場合によりのHTL)
11 透明電極(陽極)
【0076】
層11は、透明導電層(例えば、ITO、FTOまたはZnO)であり、それは場合により、例えば酸素プラズマ、UV/オゾン・パージなどで前処理されている。この層は、一方で、ほんの小さな光吸収となるように十分薄くなければならないが、その一方で、層内での横方向の電荷輸送が申し分ないものとなるように十分厚くなければならない。典型的には、この層の厚さは、20〜200nmであり、ガラスまたは柔軟なポリマー(例えば、PET)などの基材に施す。
【0077】
層12は、イオン化ポテンシャルの高い(>5.0eV、好ましくは5.5eV)1種以上のHTLからなる。この層は、有機物質(ポリ(スチレンスルホネート)がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)など)から構成されうるか、あるいは、例えば、Ir−DPBIC(トリス−N,N’−ジフェニルベンズイミダゾール−2−イルイデネリジウム(III))、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)及び/または2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9’−スピロビフルオレン(スピロ−MeOTAD)から構成されうるか、あるいは無機材料(WO3、MoO3など)から構成されうる。典型的には、層の厚さは0〜150nmである。層12が有機物質から形成される場合、LUMOエネルギーが、HTLのHOMOと同じかまたはそれより小さいエネルギー範囲内であるp−ドーパントと混合することができる。そのようなドーパントは、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)、WO3、MoO3、または文献の国際公開第2007/071450A1号に記載の物質である。
【0078】
層13は電子供与体から構成される。典型的には、この層は、最大量の光を吸収するほど十分厚いものであるべきだが、その一方で、生じた電荷を効率的に散逸できるように十分薄いものであるべきである。一般に、厚さは5〜200nmである。
【0079】
層14は電子受容体から構成される。層13の場合のように、この場合の厚さも、可能な限り多くの光を吸収するほど十分なものであるべきだが、その一方で、生じる電荷が効率的に散逸しなければならない。この層は、典型的には、同様に厚さが5〜200nmである。
【0080】
層15はEBL/ETLであり、励起子を反射するため、それでも依然として十分な電子輸送特性を有するために、層14の物質よりも光バンドギャップが大きいものであるべきである。好適な化合物は、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)、1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(BPY−OXD)、ZnO、TiO2などである。有機層の場合、これは、HOMOが電子輸送層のLUMOと同様またはそれより小さいエネルギーを有するn−ドーパントと一緒に設けることができる。好適な物質は、Cs2CO3、ピロニンB(PyB)(例えば、文献の国際公開第2003/070822A2号に記載)、ローダミンB(例えば、文献の国際公開第2005/036667A1号に記載)、コバルトセンおよび文献の国際公開第2007/071450A1号に述べられている化合物である。層の厚さは、典型的には0〜150nmである。
【0081】
層16(陰極)は、仕事関数の低い物質から成っている。例えば、それは、Ag、Al、Ca、Mgまたはそれらの混合物のような金属を含む。層の厚さは、典型的には50〜1000nmであり、350〜1200nmの波長範囲のほとんどの光が反射されるように適切に選択すべきである。
【0082】
気相付着時の通例の圧力は、10-4〜10-9mbarの間である。付着速度は、一般に0.01nm/秒〜10nm/秒の間で様々である。対応する層の形態に制御された仕方で影響を及ぼすために、付着時の基材の温度は、−100℃〜200℃の温度範囲内で変えることができる。付着速度は、典型的には0.1nm/秒〜2.0nm/秒の間である。
【0083】
層の付着に関しては、国際公開第1999/025894A1号に記載されている方法を同様に使用することが可能である。
【0084】
活性層(層13および14)の付着または完全な電池の完成(すなわち層16の付着)の後に、層をいっそう緊密に接触させるため、数分〜数時間の間、60℃〜100℃で熱処理してもよい。この目的のため、同様に、それに相当する時間、溶剤(例えば、トルエン、キシレン、クロロホルム、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、クロロベンゼンおよびジクロロメタンまたは他の溶剤)の蒸気で、処理することができる。
【0085】
B)バルクヘテロ接合(BHJ)構造:
この構造は以下の層を含む:
26 金属電極(陰極)
(25 場合によりのEBL及び/またはETL)
24 ETL
23 電子受容体−電子供与体層
(22 場合によりのHTL)
21 透明電極(陽極)
【0086】
層21および22は、構造A)の層11および12に相当する。
【0087】
層23は、同時蒸着によって、または通例の溶剤による溶液処理によって(これらについては、上で既に説明してある)形成できる。どちらの場合も、電子供与体の割合は、好ましくは10〜90質量%、特に20〜80質量%である。電子受容体の割合は、100質量%になるようにするために補う割合である。ここでも、層は、光が十分に吸収されるように十分な厚さがなければならないが、それでも電荷担体を効率的に散逸させることができるように十分薄くなければならない。典型的には、層の厚さは5〜500nmである。
【0088】
ETL層24は、LUMOエネルギーの低い(<3.5eV)物質の1種以上の層から構成されうる。こうした層は、有機化合物(C60−フラーレン、BCP、BphenまたはBPY−OXDなど)か、または無機化合物(ZnO、TiO2など)から構成されうるものであり、一般に厚さが0nm〜150nmの間である。有機層の場合、それらはすでに上述したドーパントと混合してよい。
【0089】
層25および26は、構造A)の層15および16に相当する。同様に、付着速度および後処理も、構造A)のそれらに相当する。
【0090】
C)タンデム電池
この構造は以下の層を含む:
36 金属電極(陰極)
(追加の再結合層およびサブセル)
34 第2サブセル
33 再結合層
32 第1サブセル
31 透明電極(陽極)
【0091】
タンデム電池は、2つ以上のサブセルを含み、それらのサブセルは普通、個々のサブセル間に置かれた再結合層によって直列に接続されている。
【0092】
層31は、構造の点で、構造A)およびB)の前述の層11および21に相当する。
【0093】
層32および34は個々のサブセルであり、機能の点からは、構造A)およびB)の場合のように個々の電池に相当するが、電極11/16も21/26も含まないという点で異なる。したがって、サブセルは、構造A)の層12〜15あるいは構造B)の22〜25から構成される。
【0094】
サブセルは、成分K1またはK2として、すべてがメロシアニンを含むことができるか、あるいは1つのサブセルが1種以上のメロシアニンを含み、残りのサブセルが他の物質の組合わせ、例えば、C60−フラーレン/Zn−フタロシアニン、(国際公開第2006/092134A1号に記載されているような)オリゴチオフェン(例えば、DCV5T)/C60−フラーレンを含むことができるし、あるいはサブセルの1つが色素増感太陽電池(DSSC)またはポリマー電池(例えば、P3HT/PCBMの組合わせ)である。さらに、A)構造およびB)構造の両方の電池は、サブセルとして存在することができる。既述のような場合には、サブセルの光吸収があまりに大幅に重複するのではなく、全体として日光のスペクトルをカバーするように物質/サブセルの組合わせを選択するのが最も好ましい。そのようにすると、電力収率の増大につながる。電池内で生じる光学干渉を考慮に入れるなら、さらに、長い波長範囲で吸収するサブセルよりも、短い波長範囲において吸収するサブセルを電極36の近くに置くのが賢明である。
【0095】
再結合層33により、隣接したサブセルにある反対電荷の電荷担体の再結合がもたらされる。再結合層中の活性構成成分は、例えばAgまたはAuの金属クラスターであってよいか、または再結合層は(例えば、国際公開第2004/083958A2号に記載されているように)高ドープのn−導電層およびp−導電層の組合わせから構成されていてよい。
【0096】
金属クラスターを使用する場合、典型的には層の厚さは0.5〜20nmとなり、組合わせドープ層の場合、厚さは5〜150nmとなる。更なるサブセルをサブセル34に設けることができるが、その場合、(層33のような)さらなる再結合層が同様に存在しなければならない。
【0097】
電極36の物質は、サブセルの極性によって異なる。正常極性の場合、前述の仕事関数の低い金属(例えば、Ag、Al、MgおよびCa)が有用である。逆極性の場合、典型的には、仕事関数の高い物質、例えば、Au、Pt、PEDOT−PSSを使用する。
【0098】
直列に接続されたサブセルを含むタンデム電池の場合、成分電圧は加法的であるが、全電流は最低の電流の強さ/電流密度を有するサブセルによって制限される。したがって、個々のサブセルは、個々の電流の強さ/電流密度が同様の値を持つように、最適化すべきである。
【0099】
太陽電池の例:
詳述した太陽電池はすべて、以下のステップに従って製造した:
メロシアニンの昇華:
冒頭に列挙した物質はゾーン昇華によって精製した。昇華全体の間の圧力は、1×10-5mbarより低い状態に維持した。それぞれの物質について、昇華による精製の収率を表2に列挙する。
【0100】
物質:
メロシアニン(以下、Mcyとも呼ぶ)は、合成したままのものか、または上述のように精製したものを使用した。
NPD: Alfa Aesarからのもの。1回昇華。
C60: Alfa Aesarからのもの。昇華による純度(+99.92%)。更なる精製を行わずに使用。
Bphen: Alfa Aesarからのもの。更なる精製を行わずに使用。
【0101】
基材の調製:
ITOをスパッタリングでガラス基材に厚さ140nmまで施した。比抵抗は200μΩcmであり、二乗平均粗さ(RMS)は<5nmであった。基材は、更なる層を付着させる前に、紫外線のもとでオゾンによって20分間処理した。
【0102】
電池の製造:
構造A)およびB)の電池を、高真空(圧力<10-6mbar)のもとで製造した。
【0103】
メロシアニンおよびC60を連続的にITO基材に付着させて、構造A)の電池(ITO/メロシアニン/C60/Bphen/Ag)を製造した。付着速度はどちらの層の場合も0.1nm/秒であった。メロシアニンの蒸発温度を表1に列挙してある。C60は400℃で付着させた。Bphen層を施したらすぐに、100nmの厚さのAg層を蒸着によってトップ電極として施した。電池の面積は、0.031cm2であった。
【0104】
構造B)の電池(ITO/(メロシアニン:C60(質量で1:1))/C60/Bphen/Ag)の製造では、メロシアニンおよびC60は同時蒸着させ、0.1nm/秒の同じ付着速度でITOに施し、その結果、質量比1:1で混合活性層中に存在した。Bphen層およびAg層は、構造A)における対応する層と同じであった。
【0105】
BHJ層がドープHTL(層22)上にある電池のデータを表3に列挙してある。NPDおよびF4−TCNQを、HTLおよびドーパントとして質量比20:1で蒸着によって施した。HTL層により、開放電圧Voc(oc:開放)が向上し、効率が高くなった。
【0106】
分析:
キセノンランプ(モデル16S−150 V3)を備えたSolar Light Co. Inc.のAM1.5シミュレーターを使用した。415nm未満のUV範囲をろ過除去し、電流−電圧測定を周囲条件下で実施した。太陽シミュレーターの強さは、単結晶FZ太陽電池(Fraunhofer ISE)で較正した。偏差因子を測定すると、実質的に1.0となった。
【0107】
太陽電池の結果:
【表1】

【0108】
【表2】

【0109】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機太陽電池用および有機光検出器用の光活性層を形成するための、K1)電子供与体または電子受容体としての、次の一般式
【化1】

【化2】

[式中、
Aは、NR1102(ここで、両方のR110基は、これらが結合する窒素原子と一緒になって五員または六員の飽和環を形成してよいか、あるいはR110基の1つが、NR1102基を持っている炭素原子に対してα位置のベンゼン環の炭素原子と一緒になって五員または六員の飽和環を形成するか、SR110またはOR110を形成する)であり、
Bは、O、S、N−CN、N−R110、C(CN)2、C(CO21102、C(CN)COR110、C(CN)CO2110、C(CN)CONR1002、あるいは次の群から選択される部分であり、
【化3】

(ここで、*は、前記式I、IIaおよびIIbの化合物の場合、L2との結合を表し、前記式IIIaおよびIIIbの化合物の場合、前記分子の残りの部分との結合を表す)
1は、二価のアリールまたはヘタリール基であり、
2は、第一にBと、また第二にX100またはX101単位および前記分子の残りの部分を介してAとπ共役している、二価の(場合により)単縮合または複縮合した炭素環または複素環であるか、あるいは
【化4】

部分(ここで、*および**は、第一に、対応するX101またはX100単位との結合を表し、また第二にBとの結合を表す)であり、
nは、0または1であり、
100は、CH、NまたはC(CN)であり、
101は、CH、N、C(CN)であるか、またはX101とL2とが一緒になって
【化5】

部分(ここで、*および**は、第一に、対応するL1単位との結合を表し、第二にBとの結合を表す)を形成し、
200は、O、S、SO2またはNR110であり、
201は、O、S、SO2、NR110またはCR1112であり、
202は、2回ともH、OまたはSであり、
100は、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキルまたはアリールであり、
110は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキルまたはアリールであり、
101は、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたはヘタリールであり、
111は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリールまたはヘタリールであり、
115は、H、アルキル、部分フッ素化されるかまたは過フッ素化されたアルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、NHCO−R100またはN(CO−R1002であり、
118は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、OR110、SR110、ヘタリール、ハロゲン、NO2またはCNであり、
210は、HまたはCNであり、
211は、H、CNまたはSCNである
(ここで、アルキルおよびシクロアルキル基の炭素鎖は、1個または2個の隣接していない酸素原子が介在していてよく、式IIIa中の前記R115およびR210基は一緒になって、場合によりR118で置換された縮合ベンゼン環を形成してよく、式IIId中のX100がCHと定義された場合は、前記R100基はこの炭素原子との場合によりR118置換されたベンゾ縮合を形成してよく、前述の変数は、これらが2回以上現れている場合、同じであっても異なっていてもよい)]の化合物の群から選択される1種以上の化合物と、
K2)成分K1)を基準にして、それに応じて電子受容体または電子供与体として働く1種以上の化合物と
を成分として含む混合物の使用。
【請求項2】
請求項1の前記式I、IIaおよびIIb中のL2が、
【化6】

【化7】

[式中、
102は、アリールアルキル、アリールまたはヘタリールであり、
112は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、OR110またはSR110であり、
113は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘタリール、NH−アリール、N(アリール)2、NHCO−R100またはN(CO−R1002であり、
114は、H、アルキルまたは部分フッ素化されるかまたは過フッ素化されたアルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキルまたはC1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキルであり、
116は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、CO2110またはCNであり、
117は、H、アルキル、C1〜C6−アルキレン−COO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−アルキル、C1〜C6−アルキレン−O−CO−O−アルキル、シクロアルキル、アリールアルキル、アリール、OR110、SR110ハロゲンまたはヘタリールであり、
212は、H、CN、CONR110またはCOR101であり、
残りの変数はそれぞれ請求項1で定義した通りであり、ここで、前記アルキルおよびシクロアルキル基の炭素鎖は、1個または2個の隣接していない酸素原子が介在していてよく、また上記および請求項1で述べた変数は、これらが二回以上現れている場合、同じであっても異なっていてもよい]
の群から選択される部分である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
成分K2が、
a)フラーレンおよびフラーレン誘導体、
b)多環式芳香族炭化水素およびその誘導体、特にナフタレンおよびその誘導体、ライレン、特にペリレン、テリレンおよびクアテリレン、およびこれらの誘導体、アセン、特にアントラセン、テトラセン、特にルブレン、ペンタセンおよびこれらの誘導体、ピレンおよびその誘導体、コロネンおよびヘキサベンゾコロネンおよびこれらの誘導体、
c)キノン、キノジメタンおよびキノンジイミンおよびこれらの誘導体、
d)フタロシアニン類およびサブフタロシアニン類およびこれらの誘導体、
e)ポルフィリン類、テトラアザポルフィリン類およびテトラベンゾポルフィリン類およびこれらの誘導体、
f)チオフェン類、オリゴチオフェン類、縮合チオフェン類(チエノチオフェンおよびビチエノチオフェンなど)およびこれらの誘導体、
g)チアジアゾール類およびその誘導体、
h)カルバゾール類およびトリアリールアミンおよびこれらの誘導体、
i)インダンスロン類、ビオラントロン類およびフラバントン類およびこれらの誘導体、ならびに
j)フルバレン類、テトラチアフルバレン類およびテトラセレナフルバレン類およびこれらの誘導体
の群から選択される1種以上の化合物を含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
成分K2が1種以上のフラーレン及び/またはフラーレン誘導体を含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項5】
成分K2が1種以上のフラーレンを含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項6】
成分K2が、次の式k2
【化8】

のC60−フラーレンを含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項7】
成分K1が、10〜90質量%、特に20〜80質量%の割合で存在し、成分K2が90〜10質量%、特に80〜20質量%の割合で存在し、それぞれの場合に成分K1およびK2の全質量を基準にした成分K1およびK2の割合が合計で100質量%になる、請求項1〜6の1つ以上に記載の使用。
【請求項8】
請求項1または2に記載の成分K1である前記一般式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIc、IIId及び/またはIIIeの1種以上の化合物、および請求項3、4、5または6に記載の成分K2の1種以上の化合物を、連続的、同時、または交互に真空昇華によって基材上に付着させる、光活性層を形成するための方法。
【請求項9】
成分K1およびK2が、これらの付着後に、請求項7に記載の比率で前記基材上に存在する、請求項9に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜6の1つ以上に記載の混合物を使用して形成されたかまたは請求項8または9の記載の方法で得られる光活性層を含む、有機太陽電池または有機光検出器。
【請求項11】
成分として、請求項1または2に記載の成分K1である前記一般式I、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IIIc、IIId及び/またはIIIeの1種以上の化合物および請求項3、4、5または6に記載の成分K2の1種以上の化合物を含む混合物。
【請求項12】
成分K1が、10〜90質量%、特に20〜80質量%の割合で存在し、成分K2が、90〜10質量%、特に80〜20質量%の割合で存在し、それぞれの場合に成分K1およびK2の全質量を基準にした成分K1およびK2の割合が合計で100質量%になる、請求項11に記載の混合物。

【公表番号】特表2012−507169(P2012−507169A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533734(P2011−533734)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064331
【国際公開番号】WO2010/049512
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】