説明

有機性廃棄物の発酵処理装置用の脱臭装置、発酵処理システム、及び脱臭方法

【課題】 有機性廃棄物の発酵処理装置で発生した悪臭を安価に除去する。
【解決手段】 有機性廃棄物の発酵処理装置用の脱臭装置3である。この脱臭装置3は、ほぼ密閉型に構成された脱臭室51と、この脱臭室51内に取り入れられた臭い成分を含む気体に、水を散布する散布部55と、臭い成分を吸収した水を貯水して、バクテリアの作用により臭い成分を分解するための貯水槽57と、貯水槽57内の水を散布部55に供給するポンプ部71,75と、脱臭室51内の気体を排気する排気部61とを備える。水を使用して臭い成分を吸収させ、この臭い成分をバクテリアの作用により分解しているから、薬液を使用し、使用後の薬液を化学的に処理する場合に比べて、脱臭コストを安くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性廃棄物の発酵処理装置用の脱臭装置、発酵処理システム、及び脱臭方法に関する。
【背景技術】
【0002】
堆肥は、鶏糞等の有機性廃棄物を発酵処理したもので、速効性を有する窒素の含有量が高いことなどから、緑化・植栽・園芸用途など幅広い分野で使用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
発酵処理は、例えば、幅が数m、長さが数十mの細長い処理槽内で行われ、この処理槽の上を自走する攪拌装置によって有機性廃棄物の切り返し及び処理槽内での有機性廃棄物の移動が行われている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、有機性廃棄物を処理槽の後端(上流端)から順次投入し、そして、処理槽上を往復動する攪拌装置の攪拌ローターを、攪拌装置が処理槽の前端(下流端)から後端(上流端)に後進する際に駆動し、処理槽内の原料を攪拌しながら掻き上げて前に落すことにより切り返しを行うと共に、処理槽内の原料を前方(下流側)に移動させる。これにより処理槽の後端に投入した原料は数日から数十日程度かけて、処理槽内を前に移動する間に発酵し、処理槽の前端に到達した時点で取り出される(例えば、特許文献1参照)。
【非特許文献1】三好洋/嶋田永生/石川昌男/伊達昇 編「土壌肥料用語辞典」 社団法人 農山漁村文化協会、昭和59年7月30日、p.202−206
【特許文献1】特開2001−47013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この方法では、多量のアンモニア等の悪臭が発生し、環境汚染のおそれがあった。
特に、上記方法では、有機性廃棄物を攪拌することによって、均一に発酵させて発酵効率を向上させているが、攪拌によりアンモニア等を含んだ悪臭が強くなってしまう問題点があった。
もちろん、悪臭を含んだ気体を薬液(悪臭吸収用の化合物を含む溶液)に吸収させ、この薬液を化学的に処理すれば、においを消すことができる。
しかしながら、この方法では、薬液を多量に消費するため、コスト的に高いものとなってしまう。特に蓄糞の乾燥の際に発生するにおいを除去するために、このような高い処理方法を使用すると、製造される蓄糞の値段が安いため、コスト的に釣り合わないものとなってしまっていた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、有機性廃棄物の発酵処理装置で発生した悪臭を安価に除去することができる脱臭装置、発酵処理システム、及び脱臭方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、有機性廃棄物の発酵処理装置用の脱臭装置であって、ほぼ密閉型に構成された脱臭室と、この脱臭室内に前記発酵処理装置内の臭い成分を含む気体を取り入れる給気部と、前記脱臭室内の気体を排気する排気部と、前記給気部と前記排気部との間の気体の流路で、前記臭い成分を含む気体に、水を散布する散布部と、前記臭い成分を吸収した水を貯水して、バクテリアの作用により臭い成分を分解するための貯水槽と、前記貯水槽内の水を前記散布部に供給するポンプ部と、を備えることを特徴とする発酵処理装置用の脱臭装置である。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記発酵処理装置には、前記有機性廃棄物を攪拌するための攪拌装置が設けられており、前記攪拌装置が動作するときに連動して、前記散布部が水を散布することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、有機性廃棄物の発酵処理装置と、これに併設された脱臭装置を備えた発酵処理システムであって、前記脱臭装置は、ほぼ密閉型に構成された脱臭室と、この脱臭室内に前記発酵装置内の臭い成分を含む気体を取り入れる給気部と、前記脱臭室内の気体を排気する排気部と、前記給気部と前記排気部との間の気体の流路で、前記臭い成分を含む気体に、水を散布する散布部と、前記臭い成分を吸収した水を貯水して、バクテリアの作用により臭い成分を分解するための貯水槽と、前記貯水槽内の水を前記散布部に供給するポンプ部と、を備え、前記発酵装置は、温室を備えており、この温室には、外気を取り入れるための速度調整可能な送風ファンが設けられていることを特徴とする発酵処理システムである。
【0009】
また、請求項4の発明は、(a)有機性廃棄物の発酵処理装置から排出される気体に水を散布して水に臭い成分を吸収させる工程と、(b)前記臭い成分を吸収した水を貯水し、この貯水された水を曝気する工程と、(c)前記曝気工程後の水を非曝気状態で貯水して脱窒処理する工程と、を備えた脱臭方法であって、前記(c)工程で脱窒処理した水を前記(a)工程で再使用することを特徴とする脱臭方法である。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項4のものにおいて、前記(c)工程で貯水された水には、水中のBODを上昇させる有機物が添加されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
<請求項1の発明>
本請求項の構成によれば、以下の作用効果を奏する。すなわち、給気部は、発酵処理装置内の臭い成分を含む気体を脱臭室内に取り入れる。そして、散布部は、臭い成分を含む気体に水を散布して、この水に臭い成分を吸収させる。そして、排気部は、臭い成分を除いた気体を脱臭室から排気する。
一方、貯水槽内では、バクテリアの作用により、水中の臭い成分が分解される。
この臭い成分分解後の水は、ポンプ部により散布部に供給されて、再び散水用の水として利用される。
以上のように本請求項の構成によれば、水を使用して臭い成分を吸収させ、この臭い成分をバクテリアの作用により分解しているから、薬液を使用し、使用後の薬液を化学的に処理する場合に比べて、脱臭コストを安くすることができる。
【0012】
<請求項2の発明>
発酵処理装置には、有機性廃棄物を効率良く発酵させるために攪拌装置が設けられている場合が多い。
このような発酵処理装置では攪拌装置が動作をしている際に、多量の悪臭が発生する。所定の厚みをもって積み上げられた有機性廃棄物を攪拌すると、その内部の悪臭成分までが拡散するからである。
本請求項の構成によれば、悪臭が多量に発生する攪拌装置の動作に連動するように、散布部が水を散布することとしたから、脱臭装置の運転コストを抑えつつ、脱臭効果を向上させることができる。
【0013】
<請求項3の発明>
有機性廃棄物を発酵処理すると、それに伴い水が生じる。従って、有機性廃棄物の乾燥が必要となる。このため、温室内に外気を入れて乾燥させる必要がある。
ところが、外気温が低い時期(例えば冬)に、外気を温室内に多く入れると、温室内の温度が低下し、有機性廃棄物の乾燥が遅くなる。
一方、外気温が高い時期(例えば夏)には、外気を温室内に入れても温室内の温度が低下しにくい。よって、送風ファンの回転数を外気温が低い時期よりは上げて、外気を多く温室内に取り込み有機性廃棄物の乾燥を促進させることが望ましい。
そこで、本請求項では、送風ファンを速度調整可能なものとした。これにより、外気温に応じて適切な量の外気を取り入れることが可能となる。
【0014】
<請求項4の発明>
本請求項の構成によれば、以下の作用効果を奏する。すなわち、有機性廃棄物の発酵処理装置から排出される気体に水を散布して水に臭い成分を吸収させ、この臭い成分を吸収した水を貯水し、この貯水された水を曝気する。すると、アンモニア態窒素が、好気性菌である硝化細菌により硝酸態窒素に変換される。さらに、曝気工程後の水を非曝気状態で貯水して脱窒処理する。
以上のように処理すると、脱窒処理後の水は、アンモニア濃度が低下して、アンモニア吸収能力が回復する。
従って、脱窒処理した水を、アンモニア吸収用に再使用することができる。すなわち、有機性廃棄物の発酵処理装置から排出される気体に散布して、臭い成分を吸収させる水に再利用することができる。
よって、臭い成分吸収用の水を循環利用できるから、脱臭コストを安くすることができる。
【0015】
<請求項5の発明>
発酵処理装置から排出された気体に、水を散布して水に臭い成分を吸収させると、水に吸収されるものは主としてアンモニアである。ところが、このアンモニアのみでは、脱窒の際のバクテリア活性がそれ程高くならない。
そこで、本請求項の構成では、水に、水中のBOD(生化学的酸素要求量)を上昇させる有機物を添加することとした。これにより、脱窒の際にバクテリアの活性が上がり、脱窒効率が向上する。
なお、水中のBODを上昇させる有機物としては、速やかに水と混合されてBODを上昇させるという観点等から、液体状のものが好ましく、糖類、具体的には、糖蜜(液糖)、単糖類、二糖類、多糖類や、アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)等が好ましい。
糖類は、常温で揮発しないため、これを用いると高効率で脱窒を行うことができ特に好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の一実施形態について図1ないし図9を参照しつつ説明する。本実施形態の発酵処理システム1は、蓄糞等の有機性廃棄物の発酵処理装置2と、これに併設された脱臭装置3を備えてなる。
発酵処理装置2は、有機性廃棄物の発酵処理を行うための処理槽5と、この処理槽5を往復移動可能な攪拌装置7と、この処理層5を囲むようにして設けられた温室9とを備えてなる。
【0017】
処理槽5は、上部を開放した概ね長方形の箱形であり、例えばコンクリートによりその側壁及び底壁が形成されている。具体的には、例えば幅約14m、深さ約0.5m、長さ約120mとなっている。
この処理槽5は、その原料投入部5A(図1において左端部)に鶏糞等の有機性廃棄物を投入し、この有機性廃棄物が製品回収部5B(図1において右端部)に移動していく間に発酵され、右端部において発酵後の有機性廃棄物(堆肥)を回収するためものである。
【0018】
温室9は、処理層5を囲むように立設された透光性を有する側壁9Aと、この側壁9Aの上に透光性を有する屋根9Bとを気密的に組み合わせてなる。この温室9は、ほぼ密閉状に構成されるとともに、例えばシャッターにより、開閉可能な原料投入口9C、及び製品回収口9Dが設けられている。このように温室9は、ほぼ密閉されており、有機性廃棄物からの悪臭が温室9の周囲に漏れにくい構造とされている。
また、温室9の長手方向に延びる一側壁部9Aのほぼ中央位置には脱臭装置3が取り付けられている。そして、側壁9Aの脱臭装置3が取り付けられた位置には、脱臭装置3へ気体を排出するための排出用の開口9E(後述する脱臭室51側から見れば、給気用の開口であることから、開口9Eは、本発明の給気部に相当する)が設けられている。
また、温室9には、図1及び図2に示すように、原料投入口9Cが設けられた側壁9A及び製品回収口9Dが設けられた側壁9Aの、屋根9B寄りの位置に、外気を温室内に取り入れるための換気扇9F(本発明の送風ファンに相当する)がそれぞれ2ずつ設けられている。さらに、温室9内には、処理層5の上方の複数箇所に、温室9内の気体を排出用の開口9Eへ送風するための排出用の換気扇9Gが設けられている。排出用の換気扇9Gにより図1の矢印で示される方向に気体が移動するようにされている。
【0019】
攪拌装置7は、図3に示されるように、有機性廃棄物の発酵処理を行うための処理槽5に敷かれたレール5C上を往復移動するものである。
攪拌装置7は、処理槽5の両側壁に、長手方向に沿って敷設された一対のレール5C上に沿って往復走行する自走移動体11と、これに備えられた攪拌ロータ−13とを備えてなる。
原料投入口9Cから投入された有機性廃棄物は攪拌ローター13によって攪拌されながら掬い上げられ、原料投入口9C側から製品回収口9D側へ移動するようにされている。
【0020】
自走移動体11は、鋼材からなる堅牢な概ね四角枠状のフレーム23と、このフレーム23の四隅に回動可能に支持され、モータ25により駆動される4つの走行車輪27とを備える。なお、モータ25の動力はチェーン29により走行車輪27に伝達されている。そして、自走移動体11は、モータ25を駆動制御することによって原料投入口9C側へ、又は製品回収口9D側へ往復移動可能とされている。
【0021】
フレーム23には、その中央付近に高台部23Aが設けられている。高台部23Aには、製品回収口9D側に向かって延びるアーム部材31が、その基端部を軸として上下に回動するように取り付けられている。詳細にはアーム部材31は、高台部23Aの両側からほぼレール5Cの幅を開けつつ製品回収口9D側に向かって互いに平行となるように延び、先端側でL字状に下方に屈曲した一対の棒状部材とされており、基端側で、高台部23Aにヒンジ24を介して取り付けられている。これにより、アーム部材31は、ヒンジ24を中心として回動し、図3の二点鎖線で示す上昇位置と実線で示す下降位置との間で上下に変位するようにされている。
両アーム部材31の先端付近には軸受け31Aが設けられ、これらによって攪拌ローター13の回転軸13Aが、自走移動体11の移動方向と直交する方向で軸支され、回転可能とされている。
なお、攪拌ローター13の回転軸13Aは、両アーム部材31の上面に固定された取付台32上のモータ33によりチェーン34を介して駆動されるようになっている(例えば、約150rpmで回転する)。
【0022】
攪拌ローター13は、両アーム部材31にそれぞれ取り付けられた油圧シリンダ35によって昇降可能とされている。すなわち、油圧シリンダ35は、その両端部を回動可能に軸受けされつつ、アーム部材31の屈曲部付近とフレーム23とを結ぶように取り付けられている。油圧シリンダ35が伸びた状態で、後述する攪拌ローター13の耕耘爪13Bが、約50cmの畝の上面よりも高く上がるようにされており、油圧シリンダ35が縮んだ状態では、攪拌ローター13の耕耘爪13Bの先端が処理槽5の底面付近まで下がるようにされている。なお、攪拌ローター13は後述するように下がった位置で回転駆動するように制御されている。
また、高台部23Aには、その上面に油圧シリンダ35を駆動するための油圧ポンプユニット39が備えられている。
【0023】
さらに、高台部23Aの上面には、配線コード43を保持するためのコード保持フレーム23Bが高台部23Aから上方に突出するように立設されている。
攪拌装置7の配線コード43は、コード保持フレーム23Bに沿って保持されている。
処理槽5の上方には自走移動体11の移動方向に延びるレール45が設けられ、このレール45には、複数のスライダ47がレール45をスライド移動可能に取り付けられている。配線コード43は、コード保持フレーム23Bの先端からは複数のスライダ47のフック47Aに蛇行するように掛けられて後述する制御手段100に接続されている。
【0024】
攪拌ローター13の回転軸13Aには、耕耘爪13Bが回転軸13Aに対して略垂直となるように多数配設されている。耕耘爪13Bの長さは、攪拌ローター13が下がった状態(図3中実線で示す)で、処理槽5の底壁に摺接する程度に長手のものである。そして、それらの先端は、図2に示すように回転軸13Aの軸線の長さ方向の中央に向けて屈曲している。この耕耘爪13Bは一般的に、なた爪と呼ばれているものである。
攪拌ローター13が図3の矢印方向に回転すると、耕耘爪13Bの先端が有機性廃棄物を攪拌しながら掬い上げ、処理槽5の内側斜め製品回収口9D側に落す。これにより発酵処理に適した高さ約50cmの、処理槽5の長手方向に延びる断面略台形の畝が形成されるとともに、攪拌ローター13が畝を攪拌する毎に畝が製品回収口9D側に所定距離、例えば50cmずつ移動するようになっている。
【0025】
<脱臭装置>
脱臭装置3は、温室9の横に付設された横長の脱臭室51を備えてなる。脱臭室51は、温室9の一側壁9Aに設けられた排出用の開口9E周りをその開口9Eの前方、両側方からコ字状に囲むようにして(三方から囲むようにして)立設された側壁51Aと、この側壁51A上の屋根51Bとを気密的に組み合わせてなる。
そして、脱臭室51内には、給水管53に接続された複数の散水ノズル55(請求項1の散布部に相当する)が、脱臭室51の上部で、かつ温室9の排出用の開口9Eを過ぎた所から設けられている。また、散水ノズル55よりも、図4及び図5の左側位置には、上方を開放した箱状の貯水槽57(例えば、深さ2m×長さ3m×幅2.3m)が、その側壁57Aの上縁部をほぼ地表面レベルとなるようにして地面に埋設されるように備えられている。なお、脱臭室51内及びその外の所定範囲において、地表面レベルに例えばコンクリート製の床59が設けられている。この床59には、散水ノズル55の下方位置から貯水槽57へ向かって下る緩やかな傾斜面59Aが形成され、この傾斜面59Aにより、散水ノズル55から散水された水が貯水槽57に導かれるようにされている。
また、脱臭室51内の気体を脱臭室51外部に排出するための換気扇61が図4の右側の側壁51Aに設けられている。この換気扇61(本発明の排気部に相当する)により、温室9から脱臭室51内に流入した気体は、外部に排出されることとなる。また、脱臭室51内には、発酵処理装置2で発生した塵を取り、外気中に排出される気体に塵が含まれないようにするためのレースのカーテン63が設けられている。
【0026】
貯水槽57は、2つの仕切壁57Bにより3槽に分割されており、散水ノズル55側から第1貯水槽65、第2貯水槽67、第3貯水層69と順に並んで配されている。第1貯水槽65と第2貯水槽間67の仕切壁57Bの上端寄りの位置には、第1貯水槽65と第2貯水槽67とを結ぶ連結孔57Cが設けられ、この連結孔57Cを通して、第1貯水槽65内の水が第2貯水槽67内に流入可能とされている。同様にして、第2貯水槽67と第3貯水槽69間の仕切壁57Bの上端寄りの位置には、第2貯水槽67と第3貯水槽69とを結ぶ連結孔57Cが設けられ、この連結孔57Cを通して、第2貯水槽67内の水が第3貯水槽69内に流入可能とされている。
なお、貯水槽69には、水が貯水されるが、この水にBODを上昇させる有機物を添加してもよい。これにより、脱窒の際にバクテリアの活性が向上して脱窒効率が向上するからである。
【0027】
第3貯水槽69内には、第3貯水槽69内の水を汲み上げるための第1ポンプ71が配されており、第1ポンプ71は給水管53Aと接続されている。第1ポンプ71により汲み上げられた水は、給水管53Aを通って、一旦、中間タンク73に蓄えられる。中間タンク73に蓄えられた水は、散水用の第2ポンプ75により給水管53Bに送られて散水ノズル55から散水されるようにされている。
この中間タンク73内にリン酸等の薬液を添加することにより、散水される水の中に薬液を混入することができるようにされている。リン酸を添加した場合には、アンモニアの吸収が促進されるとともに、リン酸はバクテリアの増殖に寄与し、硝化・脱窒が促進される。
なお、第1ポンプ71及び第2ポンプ75は、本発明のポンプ部に相当する。
【0028】
次に、貯水槽57の構造について詳細に説明する。第1貯水槽65及び第2貯水槽67は、曝気によってアンモニア態窒素が、好気性菌である硝化細菌により硝酸態窒素に変換され易い環境とするために、曝気可能な構造とされている。例えば公知のエアリフトポンプ型の曝気が可能な構造とされている。
なお、以下の説明では、第1貯水槽65の構造のみを説明するが、第2貯水槽67の構造も基本的に第1貯水槽65と同一である。
第1貯水槽65の底部よりも少し高い位置に、水平方向に延びる下部受けネット77が張設され、連結孔57Cよりもやや低い位置に、同じく水平方向に延びる上部抑えネット79が張設され、両ネット77,79間の空間には、濾材81が充填されている。なお、この濾材81は、例えば商品名ヤクルトの容器の底部を除いた円筒状体を密に集合してランダムに配置したもので構成されている。
【0029】
さらに、第1貯水槽65には、両ネット77,79の中央部を貫通して上下方向に延びる鞘管(ドラフトチューブ)83が立設されている。鞘管83は、その下端部が、第1貯水槽57の底壁と所定の隙間が開くように設けられている。
鞘管83には、その途中まで散気管85が挿入され、その散気管85は、エアー配管87を介して脱臭室51の外部に設けられたブロワ89に接続されている。なお、エアー配管87の途中にはバルブ91が設けられ、第1貯水槽65へ送るエアー量を調整可能とされている。
このような構成において、散気管85にブロワ89から空気を供給すると、散気管85の下端開口から浮上する多数の気泡93のエアリフトポンプ作用により、第1貯水槽65内の水が図7の矢印で示すように鞘管83に吸引される。そして、吸引された水は鞘管83を上昇し、矢印で示すように鞘管83の上縁部から濾材81側に導かれる。
一方、第3貯水槽69は、曝気を行わず、嫌気的な環境を与えることで、硝酸態窒素が脱窒菌(通性嫌気性菌)によって窒素ガスに変換されやすい環境とされている。この第3貯水槽69には、鞘管83、下部受けネット77、上部受けネット79が設けられているが、散気管85は設けられていない。また、第3貯水槽69には、モータ95により駆動される攪拌羽根97が備えられており、この攪拌羽根97の軸が鞘管83を貫通するように設けられている。
【0030】
次に発酵処理システム1の制御について説明する。発酵処理システム1には、図8に示すように、制御手段100(例えばCPU)が設けられており、この制御手段100のには、攪拌装置7、温室9の換気扇9F,9G、第1ポンプ71、第2ポンプ75、脱臭室51の換気扇61、ブロア89、モータ95が接続されている。なお、制御手段100は、温室9の換気扇9F,9G、脱臭室51の換気扇61を駆動する可変周波数出力のインバータをコントロールする機能を備えている。なお、制御手段100は、攪拌装置7側、脱臭装置3側のいずれに配してもよい。
【0031】
攪拌装置7は、制御手段100により制御されて以下の一連の動作をする。すなわち、攪拌装置7は常には処理槽5の製品回収部5Bに待機している(図9(A)参照)。そして、制御手段100からの信号により、攪拌装置7は、油圧シリンダ35を縮め攪拌ローター13を下げた状態で、攪拌ローター13を回転させながら処理槽5の原料投入部5Aまで移動する(図9(B)(C)参照)。すると、所定高さ(例えば約50cm)の畝とされた有機性廃棄物105は攪拌ローター13により攪拌されて製品回収部5B側へ所定距離(例えば約50cm)移動する。
さらに、処理槽5の原料投入部5Aまで移動した攪拌装置7は、攪拌ローター13の回転を停止させ、かつ油圧シリンダ35を伸ばして攪拌ローター13を上げる。この状態で処理槽5の製品回収部5B(待機位置)まで移動する(図9(D)参照)。
このような一連の動作により、有機性廃棄物105が移動して空いたスペースが原料投入部5Aにでき、このスペースに一定量の有機性廃棄物105を投入する。また、製品回収部5Bでは、攪拌装置7の往復動作を繰り返すことにより、製品回収部5Bに移動した有機性廃棄物を回収する(図9(E)参照)。
【0032】
また、制御手段100は、攪拌装置7を駆動している間は、温室9の換気扇9F,9G、脱臭室51の換気扇61を回転させるとともに、第1ポンプ71、第2ポンプ75を駆動させる。すると、発酵処理装置2内の臭い成分を含む気体が脱臭室51内に取り入れられる。そして、開口9Eから換気扇61までの間の気体の流路において、散水ノズル55から、臭い成分を含む気体に水が散布され、この水に臭い成分が吸収される。そして、換気扇61は、臭い成分を除いた気体を脱臭室51から排気する。
そして、散布された水は、第1貯水槽65に流入し、第2貯水槽67を経て第3貯水槽69に到達する。そして、第3貯水槽69の水は、第1ポンプ71及び第2ポンプ75により汲み上げられて、散水用の水として再利用される。
このように、水は、第1貯水槽65、第2貯水槽67、第3貯水槽69と順に移動するが、第1貯水槽65及び第2貯水槽67において曝気され、アンモニア態窒素が、好気性菌である硝化細菌により硝酸態窒素に変換される。第3貯水槽69においては、硝酸態窒素は脱窒菌(通性嫌気性菌)によって窒素ガスに変換される。従って、第1貯水槽65から第3貯水槽69に移動する間に、水中のアンモニア濃度が低下し、水のアンモニア吸収能力が回復する。
なお、ブロア89、モータ95は、散水と連動して駆動してもよいし、24時間駆動としてもよく、また、例えば、タイマーによって、1日のうちの駆動時間を制御してもよい。
以上のように本実施形態によれば、水を使用して臭い成分を吸収させ、この臭い成分(主としてアンモニア)をバクテリアの作用により分解しているから、薬液を使用し、使用後の薬液を化学的に処理する場合に比べて、脱臭コストを安くすることができる。
また、臭い成分吸収用の水を循環利用できるから、脱臭コストを安くすることができる。
【0033】
さらに、本実施形態の構成によれば、悪臭が多量に発生する攪拌装置7の動作に連動するように、散水ノズル55が水を散布することとしたから、脱臭装置の運転コストを抑えつつ、脱臭効果を向上させることができる。
また、温室9の換気扇9F,9G、脱臭室51の換気扇61の測度調整が可能とされているから、外気温に応じて適切な量の外気を取り入れることが可能となる。
【0034】
<脱臭効果の確認試験>
上記発酵処理システム1を用いて試験を行った。
なお、この実験は、詳細には以下の(1)〜(7)の条件でおこなった。すなわち、
(1)攪拌装置7は、1日のうち、午前8時から午後5時まで動かす。なお、この間に処理槽5を4往復する。
(2)温室9の換気扇9F,9G、第1ポンプ71、第2ポンプ75、脱臭室51の換気扇61は、午前8時から午後5時までの日中は常時動かすとともに、それ以外の時間帯(午後5時から午前8時まで)は2時間に1回の割合(合計7回)で、各回15分ずつ動かす。
(3)ブロア89、モータ95を期間中は、常時駆動する(24時間駆動する)。
(4)発酵処理装置2の排気用の開口9E付近で採取した気体(脱臭前の気体)、及び脱臭室51から排出された気体(脱臭後の気体)のアンモニア濃度を測定する。
(5)アンモニアの測定は、環境庁告示第9号別表第1の吸光光度法による。
(6)第1貯水槽65、第2貯水槽67、及び第3貯水槽69の合計水量は約8000リットルとし、2日間で、貯水槽内の水が1回循環するようにする(散水した水量は、約4000リットル/日ということになる)。
(7)使用した水は、リン酸を溶解したリン酸の水溶液、約8000リットル(リン酸濃度1wt%)とする。
以上の条件で、実験を行い開始後1日目、2ヶ月目のアンモニア濃度を測定した。結果を下の表1に示す。
(表1)
開始後1日目 開始後2月目
脱臭前の気体中のアンモニア濃度(ppm) 270 270
脱臭後の気体中のアンモニア濃度(ppm) 59 140
この表1の結果から、開始後1日目では、気体中のアンモニア濃度が著しく低下した。また、開始後2月目においてもアンモニア濃度が約1/2程度まで低下していることから脱臭効果が確認された。
【0035】
<メタノール添加による脱窒効率の向上効果の確認>
次に、メタノールの添加の有無によって、貯水槽57内の水のBODと全窒素量が、長期(2ヶ月)の運転でどのように変化するのかを検討した。
この実験(実験A,B)は、以下の条件でおこなった。すなわち、
(1)攪拌装置7は、1日のうち、午前8時から午後5時まで動かす。なお、この間に処理槽5を4往復する。
(2)温室9の換気扇9F,9G、第1ポンプ71、第2ポンプ75、脱臭室51の換気扇61は、午前8時から午後5時までの日中は常時動かすとともに、それ以外の時間帯(午後5時から午前8時まで)は2時間に1回の割合(合計7回)で、各回15分ずつ動かす。
(3)ブロア89、モータ95を期間中は、常時駆動する(24時間駆動する)。
(4)第3貯水槽69中の水のBODと全窒素量を測定する。
(5)BODの測定は、JIS K0102 21希釈法に従い、全窒素の測定は、JIS K0102 45.1総和法に従う。
(6)第1貯水槽65、第2貯水槽67、及び第3貯水槽69の合計水量は約8000リットルとし、2日間で、貯水槽内の水が1回循環するようにする(散水した水量は、約4000リットル/日ということになる)。
(7)使用した水は、リン酸の水溶液約8000リットル(リン酸濃度1wt%)とした。
(8)以下の表2に示す実験Bの場合には、第3槽69の脱窒槽に無水メタノールを15L直接投入した。なお、実験Aの場合は、メタノール無添加とした。
以上の条件で、実験A及び実験Bをそれぞれ行い、2ヶ月後のBOD及び全窒素量を測定した。さらに、実験Bの終了後に、メタノールの添加を中止するとともに、その他の条件は同一にして、継続して実験を行った。そして、実験Bの終了から9日後にBOD及び全窒素量を測定した(実験C)。結果を下の表2に示す。
(表2)
実験A 実験B 実験C
BOD(mg/l) 120 2300 25
全窒素(mg/l) 2400 950 1100

この表2から、メタノールを添加した場合(実験B)は、第3貯水槽の水中の全窒素濃度が減少したことから、メタノールの添加により、バクテリア活性が向上して脱窒効率が向上することが確認された。
これは、実験Cの場合に、全窒素濃度が実験Bの場合よりも上昇していることからも確認された。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、貯水槽57を3槽構造としたが、貯水槽57の槽数は特に限定されず、1槽、2槽、又は4槽以上であってもよい。
(2)上記実施形態では、水の流れ方向に沿って、曝気槽(第1貯水槽65、第2貯水槽67)、非曝気槽(第3貯水槽69)と並ぶ構造とされているが、曝気槽、非曝気槽の並びは特に限定されない。但し、曝気槽で、アンモニア態窒素が、硝酸態窒素に変換され易く、非曝気槽で、この硝酸態窒素が窒素ガスに変換されやすいため、硝化・脱窒という反応をスムーズに行わせるためには曝気槽、非曝気槽の順に並んでいることが好ましい。また、曝気可能な貯水槽を間欠曝気することで、曝気槽と非曝気槽とを兼用させてもよい。
(3)上記実施形態では、第3貯水槽69には、攪拌羽根97が備えられており、これにより水が攪拌されるようにされているが、攪拌方法は特に限定されない。例えば、第2ポンプ75から送られてきた水の一部を第3貯水槽69に戻すようにして、その水流によって第3貯水槽69内の攪拌を行ってもよい。また、ポンプから散水ノズル55への流路と、ポンプから第3貯水槽69への流路とを三方弁等により切替可能として、散水しない場合にポンプからの水を第3貯水槽69へ戻し、その水流により攪拌してもよい。
(4)上記実施形態では、第1ポンプ71により汲み上げられた水は、一旦、中間タンク73に蓄えられ、さらに第2ポンプ75により散水ノズル55に送液されるようにされているが、中間タンク73及び第2ポンプ75を省略して、第1ポンプ71から直接、散水ノズル55に送液されるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、温室9の換気扇(送風ファン)9F,9Gは、速度調整可能とされていたが、一定速度で回転するものであってもよい。また、温室9の換気扇(送風ファン)9F,9Gのうち回転させる台数を制御して送風量を調整してもよい。
(6)上記実施形態では、散水ノズル55(請求項1の散布部に相当する)が、脱臭室51の上部に設けられている例を示したが、脱臭室51の側部、下部に設けてもよい。
(7)上記実施形態では、脱臭室51内には、発酵処理装置2で発生した塵を取り、外気中に排出される気体に塵が含まれないようにするためのレースのカーテン63が設けられていることとしたが、レースのカーテン63の代わりに耐久性の高いステンレス製の網やステンレス製の繊維からなる不織布を使用してもよい。
ステンレス製の繊維からなる不織布を使用した場合には、不織布の表面積が大きいことから、塵の収集能力が高い。また、不織布は、表面積が大きいことから、水分が付着しやすく、この水分がしたたり落ちる際に不織布に付着した塵を落下させるから好適である。
(8)上記実施形態では、発酵処理システム1には、1の制御手段100が設けられており、この制御手段100によって、攪拌装置7、脱臭装置3が制御されているが、攪拌装置7と脱臭装置3にそれぞれ制御手段100を備えてもよい。
また、攪拌装置7と脱臭装置3にそれぞれタイマーを装備してもよい。また、攪拌装置7が動作を開始したときに動作開始信号を脱臭装置3に送り、この信号により脱臭装置3が始動するようにしてもよい。
(9)なお、硝化細菌は、例えば、ニトロソモナス(Nitorosomonas sp)、ニトロソコッカス(Nitrosococccus sp)等が知られており、また、脱窒菌は、例えば、シュードモナス(Pseudomonas sp)等が知られており、これらの細菌は、空気中に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】発酵処理システムの一部省略平面図
【図2】発酵処理システムの正面図(正面側の温室の側壁は省略)
【図3】攪拌装置の側面図
【図4】脱臭装置の断面図
【図5】脱臭装置の一部省略平面図
【図6】第1貯水槽の説明図
【図7】第1貯水槽の断面図
【図8】発酵処理システムの構成を示すブロック図
【図9】攪拌装置の動作を説明する説明図
【符号の説明】
【0038】
3…脱臭装置
9E…排出用の開口(給気部)
51…脱臭室
53…給水管
55…散水ノズル(散布部)
57…貯水槽
59…床
61…換気扇(排気部)
65…第1貯水槽
67…第2貯水槽
69…第3貯水槽
71…第1ポンプ(ポンプ部)
73…中間タンク
75…第2ポンプ(ポンプ部)
81…濾材
83…鞘管
85…散気管
87…エアー配管
89…ブロア
95…モータ
97…攪拌羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物の発酵処理装置用の脱臭装置であって、
ほぼ密閉型に構成された脱臭室と、
この脱臭室内に前記発酵処理装置内の臭い成分を含む気体を取り入れる給気部と、
前記脱臭室内の気体を排気する排気部と、
前記給気部と前記排気部との間の気体の流路で、前記臭い成分を含む気体に、水を散布する散布部と、
前記臭い成分を吸収した水を貯水して、バクテリアの作用により臭い成分を分解するための貯水槽と、
前記貯水槽内の水を前記散布部に供給するポンプ部と、
を備えることを特徴とする発酵処理装置用の脱臭装置。
【請求項2】
前記発酵処理装置には、前記有機性廃棄物を攪拌するための攪拌装置が設けられており、
前記攪拌装置が動作するときに連動して、前記散布部が水を散布することを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項3】
有機性廃棄物の発酵処理装置と、これに併設された脱臭装置を備えた発酵処理システムであって、
前記脱臭装置は、
ほぼ密閉型に構成された脱臭室と、
この脱臭室内に前記発酵装置内の臭い成分を含む気体を取り入れる給気部と、
前記脱臭室内の気体を排気する排気部と、
前記給気部と前記排気部との間の気体の流路で、前記臭い成分を含む気体に、水を散布する散布部と、
前記臭い成分を吸収した水を貯水して、バクテリアの作用により臭い成分を分解するための貯水槽と、
前記貯水槽内の水を前記散布部に供給するポンプ部と、
を備え、
前記発酵装置は、温室を備えており、この温室には、外気を取り入れるための速度調整可能な送風ファンが設けられていることを特徴とする発酵処理システム。
【請求項4】
(a)有機性廃棄物の発酵処理装置から排出される気体に水を散布して水に臭い成分を吸収させる工程と、
(b)前記臭い成分を吸収した水を貯水し、この貯水された水を曝気する工程と、
(c)前記曝気工程後の水を非曝気状態で貯水して脱窒処理する工程と、
を備えた脱臭方法であって、
前記(c)工程で脱窒処理した水を前記(a)工程で再使用することを特徴とする脱臭方法。
【請求項5】
前記(c)工程で貯水された水には、水中のBODを上昇させる有機物が添加されていることを特徴とする請求項4に記載の脱臭方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−68712(P2006−68712A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258790(P2004−258790)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(591196625)株式会社晃伸製機 (7)
【Fターム(参考)】