説明

有機樹脂被覆金属板の製造方法および有機樹脂被覆金属板の製造装置

【課題】 被覆作業の開始に用いるリードフィルムに起因する欠陥の発生を生じることがなく、金属板からはみ出した余剰樹脂部分を確実に除去することが可能な有機樹脂被覆金属板の製造方法および有機樹脂被覆金属板の製造装置を提供する。
【解決手段】 連続的に供給される金属板と同一またはそれ以下の幅を有するリードフィルム上に加熱溶融した有機樹脂を、リードフィルムからはみ出すことのないようにして押し出し、リードフィルムごと金属板にラミネートロールで挟み付けて加圧接着し、次いでリードフィルム切断手段を用いてリードフィルムを切断し、加熱溶融した有機樹脂のみを直接ラミネートロールで加圧接着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機樹脂被覆金属板の製造方法および有機樹脂被覆金属板の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱溶融した有機樹脂を直接金属板上に押し出して被覆する有機樹脂被覆金属板は、例えば特許文献1に記載された製造方法および製造装置を用いて製造されていた。すなわち、
1) リードフィルム巻き解き手段8から長尺帯状のリードフィルム9を、ガイドロール10aおよび10bを経て連続的に供給される長尺帯状の金属板3に当接させ、1対のラミネートロール6によって金属板3とともに挟み付ける。リードフィルム9は金属板3とともに下方に進行する。巻き解かれながら進行しているリードフィルム9上に、ガイドロール10a直後の地点で加熱溶融した有機樹脂1を、水平移動自在なTダイ2からフィルム状にして押し出す(図7)。
【0003】
2) Tダイ2を水平移動して金属板3に接近させる。この時、Tダイ2からフィルム状にして押し出される溶融した有機樹脂1はガイドロール10aおよび10bの間のリードフィルム9上に膜状に積層されながらラミネート部に導かれていく(図8)。
【0004】
3)さらに、Tダイ2を金属板3の表面の直近まで接近させ停止させる。Tダイ2が移動する間、溶融した有機樹脂1はリードフィルム9上に膜状に積層されながらラミネート部に導かれていく(図9)。
【0005】
4)Tダイ2を停止すると同時にリードフィルム9をリードフィルム切断手段12を用いて切断すると、先行するリードフィルム9は有機樹脂1とともに金属板3に当接し、ラミネートロール6で挟み付けられる。金属板3は有機樹脂1およびリードフィルム9により被覆され、被覆金属板として下方に進行する(図10)。
【0006】
5)リードフィルム9の後端がラミネートロール6を通過すると、有機樹脂1が直接ラミネートロール6により金属板3に挟み付けられ圧着されるようになる(図11)。
【0007】
このようにして、リードフィルム9を連続的に捲き解き、連続的に供給される金属板3に当接し、ラミネートロール6で挟み付ける。次いで加熱溶融した有機樹脂1を連続的に捲き解かれるリードフィルム9上に膜状に積層しながら連続的に移動して金属板3に当接させ、ラミネートロール6で金属板に挟み付ける。
【0008】
次いでカッターなどのリードフィルム切断手段12を用いてリードフィルム9を切断することにより、加熱溶融した有機樹脂1はラミネートロール6で直接金属板に挟み付けられ圧着されるようになる。
【0009】
この従来の製造方法を用いて有機樹脂被覆金属板を製造する場合、被覆作業の開始に際して、Tダイを金属板に接近させるための移動速度を、定常被覆作業時の金属板の供給速度と同等の高速とすることが設備的に不可能であるので、被覆作業の開始時には金属板を低速で供給しなくてはならない。そのため、リードフィルム上に押し出される溶融樹脂の厚さは定常被覆作業時のように、金属板に引張られて薄化されず、厚い状態になっている。定常被覆作業時の供給速度で金属板上に溶融樹脂押出し、金属板に引張られて薄化した状態でラミネートロールで挟み付けると、金属板の両側にはみ出した樹脂は、完全に固化せず半溶融状態であり容易に千切れるので、真空吸引などの除去手段を用いて除去することができるが、樹脂が厚い場合はラミネートロールで挟み付けてもはみ出した樹脂が千切れることがなく、ラミネートロールに巻き付いてしまい、被覆作業を続けることが不可能になる。
【0010】
そのため、従来の製造方法においては、被覆作業の開始に際して厚い樹脂がラミネートロールに巻き付くのを防止するため、金属板よりも幅の広いリードフィルムを用いてリードフィルムの幅の範囲内に樹脂が押し出されるようにしていた。しかし、リードフィルムは固体であるのでラミネートロールで挟み付けても千切れないので除去されることなく金属板の両側にはみ出した状態で搬送され、コイラーなどの巻取り手段に巻き取られていた。しかし、金属板からはみ出した樹脂は搬送時にコンダクターロールなどの搬送手段に当たって欠け落ちて有機樹脂被覆金属板の表面に付着したまま搬送されて巻取り手段に巻き込まれた結果、その部分を基点として抑え跡などの欠陥が連続的に発生するなど、重大な欠陥発生の要因となっていた。
【特許文献1】特開2004−25639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明は、従来の上記の問題を生ずることのない、金属板からはみ出した余剰樹脂部分を確実に除去することが可能な有機樹脂被覆金属板の製造方法および有機樹脂被覆金属板の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する本発明の有機樹脂被覆金属板の製造方法は、加熱溶融した有機樹脂をTダイからフィルム状にして直接金属板上に押し出して被覆する有機樹脂被覆金属板の製造方法において、下記の1)〜7)に示す工程を経ることを特徴とする。
【0013】
1) 長尺帯状の金属板を低速で連続的に繰り出し、長尺帯状のリードフィルムを連続的に繰り出して当接し、ラミネートロールを用いて金属板およびリードフィルムを挟み付ける。
【0014】
2) 1)の工程を継続しつつ、金属板に当接する直前のリードフィルムの金属板と接する面上に、水平方向および上下方向に移動自在のTダイを用い、Tダイを金属板に接近するように水平移動させながら、かつTダイのダイリップとリードフィルムの間隔を調整して金属板の幅と同一またはそれ以下の幅を有するリードフィルムの幅からはみ出ないようにネックインさせて縮幅したフィルムとして、加熱溶融した有機樹脂をTダイから連続的に押し出し積層する。
【0015】
3) 1)および2)の工程を継続しつつ、Tダイをさらに金属板に接近するように水平移動させて停止し、金属板に有機樹脂を積層したリードフィルムを当接し、ラミネートロールを用いて金属板、有機樹脂およびリードフィルムを挟み付けて圧着する。
【0016】
4) リードフィルム切断手段を用いてリードフィルムを切断する。
【0017】
5) 長尺帯状の金属板の繰り出し速度を高め、金属板と有機樹脂をラミネートロールで挟み付けて圧着する。
【0018】
6) Tダイを下降させてTダイのダイリップとリードフィルムの間隔を狭め、金属板の幅からはみ出るようにネックインさせた有機樹脂をフィルム状にしてTダイから連続的に金属板に押し出し積層する。
【0019】
7) 金属板の両幅にはみ出した樹脂部分をフィルム除去手段を用いて除去する。
【0020】
また、本発明の有機樹脂被覆金属板の製造装置は、金属板の供給手段と、リードフィルムの供給手段と、金属板とリードフィルムを挟み付けるラミネートロールと、有機樹脂の加熱溶融手段と、水平方向および上下方向に移動自在のTダイと、リードフィルム切断手段と、フィルム除去手段とからなり、下記の1)〜7)に示す工程を経て有機樹脂を金属板に被覆することを特徴とする。
【0021】
1) 金属板の供給手段から長尺帯状の金属板を低速で連続的に繰り出し、リードフィルムの供給手段から連続的に繰り出される長尺帯状のリードフィルムを当接し、ラミネートロールを用いて金属板およびリードフィルムを挟み付ける。
【0022】
2) 1)の工程を継続しつつ、金属板に当接する直前のリードフィルムの金属板と接する面上に、水平方向および上下方向に移動自在のTダイを用い、Tダイを金属板に接近するように水平移動させながら、かつTダイのダイリップとリードフィルムの間隔を調整して金属板の幅と同一またはそれ以下の幅を有するリードフィルムの幅からはみ出ないようにネックインさせて縮幅したフィルムとして、有機樹脂の加熱溶融手段を用いて加熱溶融した有機樹脂をTダイから連続的に押し出し積層する。
【0023】
3) 1)および2)の工程を継続しつつ、Tダイをさらに金属板に接近するように水平移動させて停止し、金属板に有機樹脂を積層したリードフィルムを当接し、ラミネートロールを用いて金属板、有機樹脂およびリードフィルムを挟み付けて圧着する。
【0024】
4) リードフィルム切断手段を用いてリードフィルムを切断する。
【0025】
5) 長尺帯状の金属板の繰り出し速度を高め、金属板と有機樹脂をラミネートロールで挟み付けて圧着する。
【0026】
6) Tダイを下降させてTダイのダイリップとリードフィルムの間隔を狭め、金属板の幅からはみ出るようにネックインさせた有機樹脂をフィルム状にしてTダイから連続的に金属板に押し出し積層する。
【0027】
7) 金属板の両幅にはみ出した樹脂部分をフィルム除去手段を用いて除去する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の有機樹脂被覆金属板の製造方法は、加熱溶融した有機樹脂をラミネートロールを用いて連続的に供給される長尺帯状の金属板に押し出して被覆する作業の開始に際して、連続的に供給される金属板と同一またはそれ以下の幅を有するリードフィルム上に加熱溶融した有機樹脂を、リードフィルムからはみ出すことのないようにして押し出し、リードフィルムごと金属板にラミネートロールで挟み付けて加圧接着し、次いでリードフィルム切断手段を用いてリードフィルムを切断し、加熱溶融した有機樹脂のみを直接ラミネートロールで加圧接着するようにする。このようにして押し出し被覆作業を開始することにより、加熱溶融した有機樹脂がラミネートロールに付着することがなくなり、定常被覆作業に移行した後に金属板からはみ出した半溶融状態の樹脂部分を千切って除去手段で容易に除去することが可能となる。さらに、リードフィルムは金属板からはみ出すことなく搬送され、搬送時に欠落する部分がなくなるので、有機樹脂被覆金属板を巻取り手段に巻き取る際に欠落部分を巻込むことがなくなる。そのため、安定して有機樹脂被覆金属板を製造することができる。
【0029】
また、本発明の有機樹脂被覆金属板の製造装置は、金属板の供給手段と、リードフィルムの供給手段と、金属板とリードフィルムを挟み付けるラミネートロールと、有機樹脂の加熱溶融手段と、水平方向および上下方向に移動自在のTダイと、リードフィルム切断手段と、フィルム除去手段とからなり、上記に示した製造方法を用いて有機樹脂被覆金属板を製造するので、加熱溶融した有機樹脂がラミネートロールに付着することがなくなり、また、金属板からはみ出した半溶融状態の樹脂部分を千切って除去手段で容易に除去することが可能となり、さらにリードフィルムは金属板からはみ出すことなく搬送され、搬送時に欠落する部分がなくなるので、有機樹脂被覆金属板を巻取り手段に巻き取る際に欠落部分の巻込むことがなくなる。そのため、安定して有機樹脂被覆金属板を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
まず、本発明の有機樹脂被覆金属板に用いる金属板としては、表面処理鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、ステンレス鋼板、銅板、銅合金板などを用いることができ、特に限定するものではない。表面処理鋼板としては、ぶりき、電解クロム酸処理鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛合金めっき鋼板、複合電気亜鉛−コバルト−モリブデン合金めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、銅めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板、溶融亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板などが適用できる。
【0031】
リードフィルムとしては、押し出された溶融樹脂の熱で溶断したり極端に軟化して変形しないように、フィルムの融点および厚さを選択すればよく、公知のフィルムを適用することが可能であり、例えばポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムなどの融点が高く、熱変形しにくい樹脂からなるフィルムが好適に適用される。
【0032】
金属板に被覆する有機樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのホモポリマーのポリエステル樹脂、エチレンテレフタレート・エチレンイソフタレート共重合体などの共重合ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィン樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロンなどのポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が好適に適用される。
【0033】
次に、上記の構成部材を用いる本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明において、有機樹脂被覆金属板は図1〜6に示す工程順に従って、下記のようにして製造される。すなわち
1)図1に示すように、リードフィルム巻き解き手段8から、幅が金属板3の幅と同一かまたはそれ以下である長尺帯状のリードフィルム9を、ガイドロール10aおよび10bを経て定常の押し出し被覆作業よりも低速で連続的に繰り出される長尺帯状の金属板3に当接し、ラミネートロール6で金属板3とともに挟み付ける。リードフィルム9は金属板3とともに下方に進行する。
【0034】
2)次いで図2(a)に示すように、水平方向および上下方向に移動自在なTダイ2を図上で右から左に水平方向に移動させながら、巻き解かれながら進行しているリードフィルム9上に、ガイドロール10a直後の地点で加熱溶融した有機樹脂1を、フィルム状にして押し出す。この時、Tダイ2とリードフィルム9の間の間隔を調整し、図2(b)に示すようにリードフィルム9上に加熱溶融して押し出した有機樹脂1がネックインして縮幅し、リードフィルム9からはみ出すことがないように設定しておく。
【0035】
3)次に図3(c)に示すように、Tダイ2を水平移動して金属板3に接近させる。Tダイ2からフィルム状にして押し出される溶融有機樹脂1は、ガイドロール10aおよび10bの間のリードフィルム9上に膜状に積層されながらラミネート部に導かれていく。そしてTダイ2を金属板3の表面の直近まで接近させて停止する。Tダイ2が移動する間、溶融した有機樹脂1はリードフィルム9上に膜状に積層されながらラミネート部に導かれていくが、Tダイ2を金属板3の表面の直近まで接近させて停止した際には図3(d)に示すように、リードフィルム9上に押し出された溶融した有機樹脂1はリードフィルム9からはみ出すことがなく、またリードフィルム9は金属板3からはみ出すことがないように調整する。このようにして、金属板3、リードフィルム9、溶融した有機樹脂1の3者をラミネートロール6で挟み付けて圧着する。
【0036】
4)次いで、図4に示すようにTダイ2を停止すると同時にリードフィルム9をリードフィルム切断手段12を用いて切断する。先行するリードフィルム9は有機樹脂1とともに金属板3に当接し、ラミネートロール6で挟み付けられる。そして金属板3は有機樹脂1およびリードフィルム9により被覆され、被覆金属板として下方に進行する。
【0037】
5)リードフィルム9の後端がラミネートロール6を通過すると、有機樹脂1が直接ラミネートロール6により金属板3に挟み付けられて圧着されるようになるので、金属板3の繰り出し速度を定常の押し出し被覆作業の速度まで高める。
【0038】
6)そして図5(e)に示すように、Tダイ2を下降させる。Tダイ2を下降させると、Tダイ2と金属板3との間隔が小さくなり、加熱溶融した有機樹脂1のネックインが小さくなるので、図5(f)に示すように、加熱溶融した有機樹脂1は金属板3の幅方向の両側にはみ出すようになる。
【0039】
7)このように金属板3から加熱溶融した有機樹脂1がはみ出した状態でラミネートロール6で挟み付けて圧着すると、図6に示すように加熱溶融した有機樹脂1の金属板3からはみ出した部分1aはラミネートロール6との接触により冷却されて半溶融状態となり、金属板3の端部で容易に引き千切れるようになるので、真空吸引機のようなフィルム除去手段20で除去することができる。そして、金属板3の全面に有機樹脂1で被覆された有機樹脂被覆金属板7として、コイラーなどの巻取り手段に巻き取る。
【0040】
このようにして、有機樹脂被覆金属板を製造することができる。なお、説明を簡略にするため、図1〜図5において、金属板3の片面に有機樹脂1を被覆する場合を示したが、Tダイやリードフィルム搬送手段を金属板の両側に配置して、金属板3の両面に有機樹脂1を被覆することも可能である。また、Tダイは水平移動のみ自在として設け、リードフィルム9のガイドロール10aおよび10bを上下移動自在として設けることにより、加熱溶融した有機樹脂1のネックイン幅を調整することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
被覆作業開始に補助的に用いられるリードフィルムが金属板からはみ出すことなく巻き取られるので、従来の被覆作業のように搬送時に欠け落ちて有機樹脂被覆金属板の表面に付着したまま搬送されて巻取り手段に巻き込まれ、その部分を基点として抑え跡などの欠陥が発生することがなくなり、安定して有機樹脂被覆金属板を製造することができる。また、金属板からはみ出した余剰樹脂部分を確実に容易に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の一工程を示す概略図。
【図2】(a) 本発明の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の他の一工程を示す概略図。 (b) 本発明のリードフィルムとリードフィルム上に押し出した有機樹脂の状態を示す概略図。
【図3】(c) 本発明の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の他の一工程を示す概略図。 (d) 本発明の金属板とリードフィルムの被覆状態およびリードフィルム上に押し出した有機樹脂の状態を示す概略図。
【図4】本発明の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の他の一工程を示す概略図。
【図5】(e) 本発明の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の他の一工程を示す概略図。 (f) 本発明の金属板と金属板上に押し出した有機樹脂の状態を示す概略図。
【図6】本発明の有機樹脂被覆金属板の別態様の製造方法の一工程を示す概略図。
【図7】従来の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の一工程を示す概略図。
【図8】従来の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の他の一工程を示す概略図。
【図9】従来の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の他の一工程を示す概略図。
【図10】従来の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の他の一工程を示す概略図。
【図11】従来の有機樹脂被覆金属板の製造装置と製造方法の他の一工程を示す概略図。
【符号の説明】
【0043】
1 : 有機樹脂
2 : Tダイ
3 : 金属板
6 : ラミネートロール
7 : 有機樹脂被覆金属板
8 : リードフィルム巻き解き手段
9 : リードフィルム
10a: ガイドロール
10b: ガイドロール
12 : リードフィルム切断手段
20 : フィルム除去手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱溶融した有機樹脂をTダイからフィルム状にして直接金属板上に押し出して被覆する有機樹脂被覆金属板の製造方法において、下記の1)〜7)に示す工程を経ることを特徴とする、有機樹脂被覆金属板の製造方法。
1) 長尺帯状の金属板を低速で連続的に繰り出し、長尺帯状のリードフィルムを連続的に繰り出して当接し、ラミネートロールを用いて金属板およびリードフィルムを挟み付ける。
2) 1)の工程を継続しつつ、金属板に当接する直前のリードフィルムの金属板と接する面上に、水平方向および上下方向に移動自在のTダイを用い、Tダイを金属板に接近するように水平移動させながら、かつTダイのダイリップとリードフィルムの間隔を調整して金属板の幅と同一またはそれ以下の幅を有するリードフィルムの幅からはみ出ないようにネックインさせて縮幅したフィルムとして、加熱溶融した有機樹脂をTダイから連続的に押し出し積層する。
3) 1)および2)の工程を継続しつつ、Tダイをさらに金属板に接近するように水平移動させて停止し、金属板に有機樹脂を積層したリードフィルムを当接し、ラミネートロールを用いて金属板、有機樹脂およびリードフィルムを挟み付けて圧着する。
4) リードフィルム切断手段を用いてリードフィルムを切断する。
5) 長尺帯状の金属板の繰り出し速度を高め、金属板と有機樹脂をラミネートロールで挟み付けて圧着する。
6) Tダイを下降させてTダイのダイリップとリードフィルムの間隔を狭め、金属板の幅からはみ出るようにネックインさせた有機樹脂をフィルム状にしてTダイから連続的に金属板に押し出し積層する。
7) 金属板の両幅にはみ出した樹脂部分をフィルム除去手段を用いて除去する。
【請求項2】
金属板の供給手段と、リードフィルムの供給手段と、金属板とリードフィルムを挟み付けるラミネートロールと、有機樹脂の加熱溶融手段と、水平方向および上下方向に移動自在のTダイと、リードフィルム切断手段と、フィルム除去手段とからなり、下記の1)〜7)に示す工程を経て有機樹脂を金属板に被覆することを特徴とする、有機樹脂被覆金属板の製造装置。
1) 金属板の供給手段から長尺帯状の金属板を低速で連続的に繰り出し、リードフィルムの供給手段から連続的に繰り出される長尺帯状のリードフィルムを当接し、ラミネートロールを用いて金属板およびリードフィルムを挟み付ける。
2) 1)の工程を継続しつつ、金属板に当接する直前のリードフィルムの金属板と接する面上に、水平方向および上下方向に移動自在のTダイを用い、Tダイを金属板に接近するように水平移動させながら、かつTダイのダイリップとリードフィルムの間隔を調整して金属板の幅と同一またはそれ以下の幅を有するリードフィルムの幅からはみ出ないようにネックインさせて縮幅したフィルムとして、有機樹脂の加熱溶融手段を用いて加熱溶融した有機樹脂をTダイから連続的に押し出し積層する。
3) 1)および2)の工程を継続しつつ、Tダイをさらに金属板に接近するように水平移動させて停止し、金属板に有機樹脂を積層したリードフィルムを当接し、ラミネートロールを用いて金属板、有機樹脂およびリードフィルムを挟み付けて圧着する。
4) リードフィルム切断手段を用いてリードフィルムを切断する。
5) 長尺帯状の金属板の繰り出し速度を高め、金属板と有機樹脂をラミネートロールで挟み付けて圧着する。
6) Tダイを下降させてTダイのダイリップとリードフィルムの間隔を狭め、金属板の幅からはみ出るようにネックインさせた有機樹脂をフィルム状にしてTダイから連続的に金属板に押し出し積層する。
7) 金属板の両幅にはみ出した樹脂部分をフィルム除去手段を用いて除去する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−224335(P2006−224335A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37761(P2005−37761)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(390003193)東洋鋼鈑株式会社 (265)
【Fターム(参考)】