説明

有機珪素化合物及びその製造方法、並びにゴム用配合剤

【課題】ゴム用配合剤として配合することで、シリカ配合加硫性ゴム組成物の特性、例えば低発熱性や反発弾性などの特性を向上させる新規な有機珪素化合物、その製造方法、及びこの化合物を用いたゴム用配合剤を提供する。
【解決手段】下記平均組成式(1)


(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の一価炭化水素基、R3は炭素数1〜18の一価炭化水素基、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜15の2価炭化水素基、mは平均で1〜4の正数、nは平均で2〜4の正数、qは0〜3の正数、uは0又は1、pは0,1又は2、s及びtはそれぞれ0〜3の正数を示すが、s及びtは同時に0ではなく、p+s及びp+tは0〜3の正数であるが、p+s及びp+tは同時に3ではない。)
で表される有機珪素化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子内両末端に部分的にオルガノカルボキシ基を持ったオルガノオキシシリル基を持ち、更に分子内にポリスルフィド基を含んだ2価炭化水素鎖で連結された新規な有機珪素化合物及びその製造方法、更にその有機珪素化合物を含有したゴム用配合剤、並びにその化合物と少なくとも1種の粉体とからなるゴム用配合剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルコキシシリル基とポリスルフィド基を分子内に含む化合物は知られている。これらの化合物は、シリカ、水酸化アルミニウム、タルク、クレー等の無機材料と熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム等の有機材料との界面結合剤や無機基材へのゴムの接着改良剤、プライマー組成物等に応用されている。
【0003】
また、各種ゴムにシリカを配合したゴム組成物も知られており、例えば低発熱性で耐摩耗性などに優れたタイヤトレッド用ゴム組成物として使用されている。このような組成物に対しては、アルコキシシリル基とポリスルフィド基を分子内に含む化合物、例えば、bis−トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィドやbis−トリエトキシシリルプロピルジスルフィド等が有効であることは従来より知られていた。しかし、これらの化合物を使用した場合、フィラーの分散性が十分ではなく、また、ゴム混練中に発生するアルコール量が多いという問題があった。
【0004】
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
【特許文献1】特公昭51−20208号公報
【特許文献2】特開2004−18511号公報
【特許文献3】特表2004−525230号公報
【特許文献4】特開2005−8639号公報
【特許文献5】特開2002−145890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ゴム用配合剤として配合することで、シリカ配合加硫性ゴム組成物の特性、例えば低発熱性や反発弾性などの特性を向上させる新規な有機珪素化合物、その製造方法、及びこの化合物を用いたゴム用配合剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、かかる配合のゴム組成物のフィラー分散性を改良し、更に混練中に発生するアルコール量の少ない新規なゴム用配合剤を開発することを課題として研究を進めた結果、シリカ配合加硫性ゴム組成物に、下記平均組成式(1)で表される新規な有機珪素化合物をゴム用配合剤として配合することで、該組成物の特性、例えば低発熱性や反発弾性などの特性を向上させることができることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は、下記に示す有機珪素化合物及びその製造方法、並びにゴム用配合剤を提供する。
〔1〕 下記平均組成式(1)
【化1】

(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の一価炭化水素基、R3は炭素数1〜18の一価炭化水素基、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜15の2価炭化水素基、mは平均で1〜4の正数、nは平均で2〜4の正数、qは0〜3の正数、uは0又は1、pは0,1又は2、s及びtはそれぞれ0〜3の正数を示すが、s及びtは同時に0ではなく、p+s及びp+tは0〜3の正数であるが、p+s及びp+tは同時に3ではない。)
で表される有機珪素化合物。
〔2〕 平均組成式(1)中のuが0である〔1〕記載の有機珪素化合物。
〔3〕 平均組成式(1)中のuが1、nが平均で2〜3の正数である〔1〕記載の有機珪素化合物。
〔4〕 平均組成式(1)中のmが1である〔3〕記載の有機珪素化合物。
〔5〕 下記平均組成式(2)
【化2】

(式中、R1,R2,R4,R5,m,n,p,q,uは上記と同様である。)
で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物と、下記一般式(3)
3COOH (3)
(式中、R3は上記と同様である。)
で表される有機カルボン酸と反応させることを特徴とする〔1〕記載の有機珪素化合物の製造方法。
〔6〕 触媒として酸を使用することを特徴とする〔5〕記載の有機珪素化合物の製造方法。
〔7〕 触媒として塩基を使用することを特徴とする〔5〕記載の有機珪素化合物の製造方法。
〔8〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の有機珪素化合物を含んでなるゴム用配合剤。
〔9〕 更に、少なくとも1種の粉体を含有してなり、有機珪素化合物(A)と少なくとも1種の粉体(B)の質量比が、(A)/(B)=70/30〜5/95の割合である〔8〕記載のゴム用配合剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明の有機珪素化合物は、有機無機複合材料用の配合剤又はフィラー処理剤として有用な化合物であり、特にゴム用配合剤として有用であり、本発明の製造方法によれば、かかる有機珪素化合物を確実に製造しうる。更に、本発明の有機珪素化合物をゴム用配合剤として用いることで、ゴム混練時に発生するアルコール量が従来に比較して少なくなり、更にゴム組成物の各物性(引張強度、反発弾性、tanδなど)を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について更に詳しく説明すると、本発明の有機珪素化合物は、下記平均組成式(1)で表されるものである。
【化3】

【0010】
上記式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、アリル基、メタリル基等が挙げられる。
また、R3は炭素数1〜18の一価炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、オレイル基等のアルキル基、アルケニル基が例示される。これらの中でも加水分解した後に発生するカルボン酸の揮発性が低い炭素数4〜18の一価炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数4〜12の一価炭化水素基である。
【0011】
4及びR5はそれぞれ炭素数1〜15の2価炭化水素基を示し、アルキレン基、アリーレン基、アルキレン基とアリーレン基とが結合した基等が挙げられ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、デシレン基、フェニレン基、メチルフェニルエチレン基等が挙げられる。
【0012】
qは0〜3の正数であり、uは0又は1であり、pは0,1又は2であり、s及びtはそれぞれ0〜3の正数を示すが、s及びtは同時に0ではなく、p+s及びp+tは0〜3の正数であるが、p+s及びp+tは同時に3ではない。
また、mは平均で1〜4の正数であり、uが0の場合、好ましくは平均で2〜4の正数であり、より好ましくは平均で2〜3の正数であり、uが1の場合、好ましくは1である。また、nは平均で2〜4の正数であり、好ましくは2〜3の正数である。
【0013】
なお、上述した化合物のSは不均化反応等が生じるため、一般的には分布を持っており、あくまで平均値として表記されるものである。
【0014】
このような平均組成式(1)で表される化合物として、下記のものを代表例として例示する。
(CH3CH2O)2(CH3COO)Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si(OCOCH3)(OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)3COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)3CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)4COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)4CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)5COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)5CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)9COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)10COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)10CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)11COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)11CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)16COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)16CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)(CH3COO)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si(OCOCH3)2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)3COO]2Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)3CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)5COO]2Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)5CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)9COO]2Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)10COO]2Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)10CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)11COO]2Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)11CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)16COO]2Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)16CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)3COO]2Si-(CH2)3-S3-(CH2)3-Si[OCO(CH2)3CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)5COO]2Si-(CH2)3-S3-(CH2)3-Si[OCO(CH2)5CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)9COO]2Si-(CH2)3-S4-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)[CH3(CH2)11COO]2Si-(CH2)3-S4-(CH2)3-Si[OCO(CH2)11CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)10COO]Si-(CH2)3-S4-(CH2)3-Si[OCO(CH2)10CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)3COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)3CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)5COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)5CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)9COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)10COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)10CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)9COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)10COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)10CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)[CH3(CH2)10COO]2Si-(CH2)3-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)3-Si[OCO(CH2)10CH3]2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)9COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)17COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S4-(CH2)6-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)17CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)3COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)3CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)3COO]Si-(CH2)3-S3-(CH2)6-S3-(CH2)3-Si[OCO(CH2)3CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)3COO]Si-(CH2)3-S4-(CH2)6-S4-(CH2)3-Si[OCO(CH2)3CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)11COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S2-(CH2)6-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)11CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)9COO]Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S2-(CH2)6-S2-(CH2)6-S2-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)[CH3(CH2)9COO]2Si-(CH2)3-S-(CH2)4-S3-(CH2)4-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)9COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)8-S3-(CH2)8-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3](OCH2CH3)2
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)9COO]Si-(CH2)3-S-(CH2)10-S3-(CH2)10-S-(CH2)3-Si[OCO(CH2)9CH3](OCH2CH3)2
【0015】
このような有機珪素化合物は、下記平均組成式(2)
【化4】

(式中、R1,R2,R4,R5,m,n,p,q,uは前述の通りである。)
で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物と、下記一般式(3)
3COOH (3)
(式中、R3は前述の通りである。)
で表される有機カルボン酸とを反応させることで製造することができる。
【0016】
この式(2)の化合物として、下記のものを代表例として例示する。
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S3-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S4-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S4-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)4-S3-(CH2)4-S3-(CH2)4-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)10-S2-(CH2)10-S2-(CH2)10-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)2-S2-(CH2)2-S2-(CH2)2-S2-(CH2)2-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)2(CH3)Si-(CH2)3-S4-(CH2)3-Si(CH3)(OCH2CH3)2
(CH3CH2O)(CH3)2Si-(CH2)3-S4-(CH2)3-Si(CH3)2(OCH2CH3)、
(CH3CH2O)2(CH3)Si-(CH2)3-S2-(CH2)3-Si(CH3)(OCH2CH3)2
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S3-[(CH2)6-S3]3-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
(CH3CH2O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OCH2CH3)3
【0017】
この一般式(3)の化合物として、下記のものを代表例として例示する。
CH3COOH、
CH3CH2COOH、
CH3(CH22COOH、
CH3(CH23COOH、
CH3(CH24COOH、
CH3(CH25COOH、
CH3(CH29COOH、
CH3(CH210COOH、
CH3(CH211COOH、
CH3(CH217COOH
【0018】
上記平均組成式(2)で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物と、上記一般式(3)で表される有機カルボン酸とのモル比は、一般式(3)で表される有機カルボン酸/平均組成式(2)で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物=1以上とすればよいが、有機カルボン酸の残存量を少なくするためには、好ましくは1〜6であり、より好ましくは2〜4である。
【0019】
この反応において、触媒の使用は任意であり、触媒を添加せず、一般式(3)の有機カルボン酸を触媒として作用させてもよいし、酸、塩基、塩、金属化合物、イオン交換樹脂等の触媒を使用してもよい。触媒として使用する酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、トリフロロ酢酸、パラトルエンスルホン酸等が例示される。また、触媒として使用される塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソディウムエチラート、ソディウムメチラート、ナトリウムシリケート、アミン化合物、例えば、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ−5.4.0−ウンデカ−7−エン、トリエチレンジアミン等が挙げられる。塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、トリフロロ酢酸ナトリウム、トリフロロ酢酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸カリウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化鉄、塩化銅、酸化銅等が挙げられる。金属化合物としては、テトラブチルチタネート、トリフェニルフォスフィン、ジブチル錫ジラウレート、ジブチチル錫オキサイド等が挙げられる。これらの中でも、酸あるいは塩基を触媒として使用することが好ましい。
【0020】
触媒の使用量は特に限定されないが、全仕込量に対し、0〜10質量%程度でよく、より好ましくは0.01〜5質量%程度であり、更に好ましくは0.1〜2質量%である。
【0021】
この反応を行う際の溶媒の使用は任意であり、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類などが挙げられ、特にトルエン、キシレン等の炭化水素類の使用が好ましい。
【0022】
その際の反応温度は、0〜180℃程度であり、好ましくは80〜150℃程度である。反応時間は、スルフィド鎖含有有機珪素化合物からアルコールが発生しない状態まで行えばよく、通常30分〜50時間、好ましくは2〜10時間程度である。
【0023】
反応の方法は、任意であるが、例えば、平均組成式(2)で表される化合物、一般式(3)で表される化合物、場合により触媒、及び溶媒を混合し、加熱すればよく、その際、発生するアルコールを留去すれば、反応が進行しやすく、更に望ましい。
更に、反応終了後、触媒を中和してもよく、使用した溶媒を留去してもよい。
【0024】
また、本発明の有機珪素化合物は、下記平均組成式(4)
【化5】

(式中、R1,R2,R3,R4,p,s,mは前述同様、Xはハロゲン原子、wは0〜2の正数を示す。)
で表されるハロゲン含有有機珪素化合物と、下記平均組成式(5)
【化6】

(式中、R1,R2,R3,R4,p,t,mは前述同様、Xはハロゲン原子、wは0〜2の正数を示す。)
で表されるハロゲン含有有機珪素化合物と、下記一般式(6)
2a (6)
(式中、Mは、Na,K等のアルカリ金属、aは平均で1〜4の正数である。)
で表される硫化アルカリ金属又は多硫化アルカリ金属化合物と、場合により硫黄及び下記一般式(7)
X−R5−X (7)
(式中、X、R5は前述と同様である。)
で表されるハロゲン含有有機化合物とを反応させることでも製造可能である。
【0025】
更に、本発明の化合物は、下記平均組成式(8)
【化7】

(式中、R1,R2,R3,R4,p,s,m,wは前述と同様である。)
で表される化合物と、下記平均組成式(9)
【化8】

(式中、R1,R2,R3,R4,p,t,m,wは前述と同様である。)
で表される化合物と、下記一般式(10)
HS−R5−SH (10)
(式中、R5は前述の通りである。)
で表される化合物と、下記一般式(11)
xCl2 (11)
(式中、xは1又は2を表す。)
で表される二塩化硫黄又は二塩化二硫黄とを脱塩酸剤存在下反応させた場合にも、本発明の化合物を製造することが可能である。
【0026】
また、本発明に係る第二の態様は、前記平均組成式(1)で表される有機珪素化合物を含んでなるゴム用配合剤である。特に本発明のゴム用配合剤は、シリカ配合のゴム組成物に対して好適に用いられる。
【0027】
また、本発明のゴム用配合剤は、平均組成式(1)で表される有機珪素化合物(A)を、予め少なくとも1種の粉体(B)と混合したものをゴム用配合剤として使用することも可能である。ここで、粉体(B)としては、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ等を挙げることができる。
【0028】
この粉体(B)の配合量は、成分(A)/(B)の質量比で70/30〜5/95、更に好ましくは60/40〜30/70の割合である。粉体(B)の量が少なすぎるとゴム用配合剤が液状となり、ゴム混練機へ仕込みづらくなる場合がある。逆に多すぎるとゴム用配合剤の有効量に対して全体量が多くなるため、輸送費用が高くなる場合がある。
【0029】
本発明のゴム用配合剤は、脂肪酸、脂肪酸塩、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシアルキレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等の有機ポリマーやゴムと混合されたものでもよく、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合してもよく、その形態として、液状でも固体状でもよく、更に有機溶剤に希釈したものでもよく、また、エマルジョン化したものでもよい。
【0030】
本発明のゴム用配合剤の添加量は、ゴム組成物に配合されるフィラー100質量部に対し、平均組成式(1)で表される有機珪素化合物又は(A)成分を0.2〜30質量部、特に好ましくは1.0〜20質量部の範囲で添加することが望ましい。平均組成式(1)で表される有機珪素化合物の配合量が少な過ぎると所望の効果が得られない場合がある。また、配合量が多いとゴム混練中に架橋が進行してしまう場合がある。
【0031】
ここで、本発明に係るゴム用配合剤を用いるゴム組成物に主成分として配合されるゴムとしては、従来から各種ゴム組成物に一般的に配合されている任意のゴム、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などのジエン系ゴムやエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR,EPDM)などを単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
【0032】
また、上記ゴム組成物において、本発明の化合物はシランカップリング剤の代わりをなすことも可能であるが、更に他のシランカップリング剤の添加は任意であり、従来からシリカ充填剤と併用される任意のシランカップリング剤を添加してもよく、それらの典型例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、bis−トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド、bis−トリエトキシシリルプロピルジスルフィド等を挙げることができ、より好ましくはbis−トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド、bis−トリエトキシシリルプロピルジスルフィド等が挙げられる。
【0033】
更に、本発明に係るゴム用配合剤を用いるゴム組成物には、前記した成分に加えて、カーボンブラック、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0034】
本発明のゴム用配合剤を配合してなるゴム組成物は、一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。
【実施例】
【0035】
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、部は質量部を示す。
【0036】
[合成例1]
窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサーを備えた1リットルのセパラブルフラスコに、下記平均組成式
(CH3CH2O)3Si(CH232(CH23Si(OCH2CH33
で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物237g、ラウリン酸200g、トルエン300g、トリフロロ酢酸1.5gを仕込み、120℃に昇温した。そのまま1時間撹拌を続け、更に徐々に昇温し、発生したエタノールをトルエンと共に留去しながら、140℃まで加熱した。そのまま140℃にて3時間熟成した。
その後、残存しているトルエンを減圧にて留去したところ、濃褐色透明の液体340gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行った結果、下記平均組成式
【化9】

で表される化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及び主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。核磁気共鳴スペクトル分析結果から、主成分の純度は74%であった。
【0037】
[合成例2]
合成例1において、スルフィド鎖含有有機珪素化合物を、下記平均組成式
(CH3CH2O)3Si(CH234(CH23Si(OCH2CH33
で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物269gとした他は同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体368gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行った結果、下記平均組成式
【化10】

で表される化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及び主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。核磁気共鳴スペクトル分析結果から、主成分の純度は76%であった。
【0038】
[合成例3]
合成例1において、ラウリン酸をカプロン酸116gとした他は同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体252gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行った結果、下記平均組成式
【化11】

で表される化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及び主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。核磁気共鳴スペクトル分析結果から、主成分の純度は78%であった。
【0039】
[合成例4]
合成例1において、ラウリン酸を400gとした他は同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の部分的に固体が析出した液体440gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行った結果、下記平均組成式
【化12】

で表される化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及び主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。核磁気共鳴スペクトル分析結果から、主成分の純度は64%であった。
【0040】
[合成例5]
合成例1において、スルフィド鎖含有有機珪素化合物を、下記平均組成式
【化13】

で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物369gとした他は同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体470gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行った結果、下記平均組成式
【化14】

で表される化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及び主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。核磁気共鳴スペクトル分析結果から、主成分の純度は71%であった。
【0041】
[合成例6]
合成例1において、スルフィド鎖含有有機珪素化合物を、下記平均組成式
【化15】

で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物262gとした他は同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体470gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行った結果、下記平均組成式
【化16】

で表される化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及び主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。核磁気共鳴スペクトル分析結果から、主成分の純度は64%であった。
【0042】
[合成例7]
合成例1において、スルフィド鎖含有有機珪素化合物を、下記平均組成式
【化17】

で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物459gとした他は同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体550gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行った結果、下記平均組成式
【化18】

で表される化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及び主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。核磁気共鳴スペクトル分析結果から、主成分の純度は63%であった。
【0043】
[実施例1〜7、比較例1〜3]
油展エマルジョン重合SBR(JSR株式会社製#1712)110部、NR(一般的なRSS#3グレード)20部、カーボンブラック(一般的なN234グレード)20部、シリカ(日本シリカ工業株式会社製ニプシルAQ)50部、合成例1〜7の化合物又は下記に示す比較化合物A〜C6.5部、ステアリン酸1部、老化防止剤6C(大内新興化学工業株式会社製ノクラック6C)1部を配合して、マスターバッチを調製し、これに亜鉛華3.0部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)0.5部、加硫促進剤NS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)1.0部、硫黄1.5部を加えて混練し、ゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物を15cm×15cm×0.2cmの金型中、160℃で15分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)を調製し、加硫物性を評価した。
【0044】
〔比較化合物A〕
(CH3CH2O)3Si(CH232(CH23Si(OCH2CH33
〔比較化合物B〕
(CH3CH2O)3Si(CH234(CH23Si(OCH2CH33
〔比較化合物C〕
(CH3CH2O)3Si(CH234(CH264(CH264(CH23Si(OCH2CH33
【0045】
[実施例8]
カーボンブラック(N234)配合量を13.5部とし、合成例1の化合物6.5部と上記カーボンブラック6.5部とを混合した配合剤を13.0部添加した以外は、上記実施例と同様にしてゴム組成物を得、試験片を調製し、加硫物性を評価した。なお、合成例1の化合物とカーボンブラックとの混合は、室温下で混合したもので、粉体状であった。
【0046】
各例において得られた組成物の物性の試験方法は以下の通りである。これらの結果を表1,2に併記する。
〔未加硫物性〕
(1)ムーニー粘度:
JIS K 6300に準拠し、予熱1分、測定4分、温度130℃にて測定し、比較例1を100として指数で表した。指数の値が小さいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れている。
【0047】
〔加硫物性〕
(1)300%変形応力、引張強度:
JIS K 6251に準拠して測定し、比較例1を100として指数で表した。数値が大きいほど、300%変形応力、引張強度が大きい。
(2)反発弾性:
JIS K 6252に準拠して測定し、比較例1を100として指数で表した。数値が大きいほど、反発弾性が大きい。
【0048】
(3)tanδ:
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、引張の動歪5%、周波数15Hz、60℃の条件にて測定した。なお、試験片は、厚さ0.2cm、幅0.5cmのシートを用い、使用挟み間距離2cmとして初期加重を160gとした。tanδの値は比較例1を100として指数で表した。指数値が小さいほどヒステリシスロスが小さく、低発熱性である。
【0049】
【表1】


【0050】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記平均組成式(1)
【化1】

(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の一価炭化水素基、R3は炭素数1〜18の一価炭化水素基、R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜15の2価炭化水素基、mは平均で1〜4の正数、nは平均で2〜4の正数、qは0〜3の正数、uは0又は1、pは0,1又は2、s及びtはそれぞれ0〜3の正数を示すが、s及びtは同時に0ではなく、p+s及びp+tは0〜3の正数であるが、p+s及びp+tは同時に3ではない。)
で表される有機珪素化合物。
【請求項2】
平均組成式(1)中のuが0である請求項1記載の有機珪素化合物。
【請求項3】
平均組成式(1)中のuが1、nが平均で2〜3の正数である請求項1記載の有機珪素化合物。
【請求項4】
平均組成式(1)中のmが1である請求項3記載の有機珪素化合物。
【請求項5】
下記平均組成式(2)
【化2】

(式中、R1,R2,R4,R5,m,n,p,q,uは上記と同様である。)
で表されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物と、下記一般式(3)
3COOH (3)
(式中、R3は上記と同様である。)
で表される有機カルボン酸と反応させることを特徴とする請求項1記載の有機珪素化合物の製造方法。
【請求項6】
触媒として酸を使用することを特徴とする請求項5記載の有機珪素化合物の製造方法。
【請求項7】
触媒として塩基を使用することを特徴とする請求項5記載の有機珪素化合物の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機珪素化合物を含んでなるゴム用配合剤。
【請求項9】
更に、少なくとも1種の粉体を含有してなり、有機珪素化合物(A)と少なくとも1種の粉体(B)の質量比が、(A)/(B)=70/30〜5/95の割合である請求項8記載のゴム用配合剤。

【公開番号】特開2008−150345(P2008−150345A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−342392(P2006−342392)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】