説明

有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物で覆われた、金属性の、水素の貯蔵に適した核を含む粒子、該粒子を使用して製造された電池、及びこの粒子の使用下にこの電池を製造する方法

本発明は、ニッケル−金属水素化合物−電池の原理に従って機能する電池の、マイナスの電極の電極材料として適切な粒子に関する。このような電池の電力密度を高めるために、比較的小さい粒子を電極材料のために組み入れることが望ましい。しかしながらこれは、空気にたいして敏感で、及びしばしば高発火性である。従って本発明は、これらの粒子に、有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物から成る被覆物を施すことを提案する。これらの被覆物は、操作(活動)において、KOH−電解質溶液の存在下にゲル電解質に変化し、これは、電池の活動(活性)のために必要とされるイオンの通過を妨げないだけではなく、容易化にもする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属性の、水素を貯蔵するのに適切な核、及び該核を好ましくは完全に覆う、有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物から成る、又はこれを有する覆い部分を有する粒子から成る、又はこの粒子を有する粉に関する。本発明は更に、上述した粉を単独で、又は更なる成分と組合せ/混合して含むか、又はこれらから構成される電極、及びそのマイナスの電極が、水素を貯蔵する金属粒子を、OH-−イオン伝導性のゲル状のマトリックス中に含む電池に関する。
【背景技術】
【0002】
「グリーン−エレクトロニクス」では、ニッケル−金属ヒドリド−(NiMH)−電池が、NiCd−電池の代替として発展した。これらは、有毒な重金属をもはや含んでいない。これらは今まで、確かにNiCd−電池を完全には代用することができないものであった。この理由は、その高いエネルギー密度に、少ないサイクル安定性、及び特に少ない最大充電、及び放電電流が相対するからである。高いエネルギー消費で使用するために、例えば、コードレスの電力器具、非常用発電機、及び医薬技術の種々の可動性の用途で使用するためには、NiCd−電池が必要になる。
【0003】
NiMH−バッテリーの原理に従って作用する蓄電池のマイナス電極は、結晶格子内に水素原子を貯蔵することができる合金から構成され、及びしばしばニッケル(しかし必要なわけではない)を含み、及び/又は化合物AB5又はAB2を有する。この電極の結晶格子は、充電の過程で、水素を受け入れ、これにより金属水素化合物(金属ヒドリド)が形成される。エネルギーが引き出される場合、水素は電極材料の内部から、(多かれ少なかれ)迅速に、表面に拡散し、そしてそこで電解質のOH-−イオンと反応する(通常、約20%のKOH)。ここでマイナスの電極は、再充電が可能な電池の速度を決定する成分である。表面積が大きい程、及び表面に拡散する路が短い程、エネルギーの引き出しが迅速に行われ、及び取り出される電流も大きくなる。従ってNiMH−電池の電力密度は、存在する表面積に依存する。
【0004】
電極の幾何学的な表面は、例えば、なお細くされる(薄くされる)電極によって大きくされる。もちろん、金属粉の粒子径を小さくすることも効果を有している。この理由は、これによって、表面積/体積割合が更に高められるからである。市販されている(商慣習上の)NiMH−蓄電池における粒子径は、数十マイクロメートルの範囲である。革新的な粉化技術によって、僅か数マイクロメートルの粒子径が達成されており、これにより混合金属粒子の表面積が明確に高められた。粒子の大きさを、このように小さくするために、種々の方法を使用することができる。例えば、Mechanomade(登録商標)法(MBN Nanomaterialia,Vascon di Carbonera(Italien),www.mbn.it)、高エネルゲティクの球製粉は、不活性又は反応性の雰囲気内で行うことができ、そしてマイクロ粒子をもたらすものである。更にここで、粒子のナノ結晶性構造が得られ、これにより、単位時間当たりに、明確により多くの水素を渡すことができる。
【0005】
他の一方法は、Mechanofusion(登録商標)法(Hosokawa Micron Ltd.,Runcorn(UK),www.hosokawa.co.uk)で、この方法は、2種(またはそれ以上の)材料の間での機械的−化学的反応によって、新しい合金の製造を可能とするものである。この方法は、マイクロ粒子の局所的な溶解によって粒子−特性を改良可能にするものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
明らかに高くなる表面エネルギーに基づいて、特に微細な混合金属粉は、しかしながら決定的な短所を有している:それは空気の影響下に高発火性なことである。本発明の目的は、電池の製造にとって問題になるこれらの反応性を除外することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決において、加工する前に金属粉を最初に不動態化することが提案される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例2に従う被覆材料の温度特性を示した図である。
【図2】被覆されていない粉、及び実施例2に従う被覆物が施された同じ粉の、製粉したNiMH粉のTG/DTA−分析を示した図である。
【図3】粉の走査電子顕微鏡の写真を示した図である。
【図4】実施例5に従い被覆された、製粉されたNiMH−粉を有する高性能電極を有するNiMH−テストセルと、通常のカソード材料(同様に、AB5材料の使用下)の比較を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
腐食防止加工の一手段として、不動態化層が、電池の製造の間、混合金属合金の酸化を防止する。もちろん、これらの不動態化層が存在するにもかかわらず、混合金属粒子の表面は、(これによって電池の電解質のイオンが粒子に接近することが不利に影響されることなく)電解質にとって接近性(親しみやすい)のものでなければならない。このことは、ひとつの材料が本質的に同時に満たすことができない2つの条件を意味する。
【0010】
有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物から成る不動態化層が、粉−粒子、例えばニッケル−混合金属−粒子の上に非常に良好に付着し、そしてこれにより一方では、これらのために、環境の及ぼす影響に対する保護を、アノード材料の処理と、これを使用して製造される(NiMH−)電池のシセルン(Cyceln)の時点まで提供し、そして他方では、(電池の他の部分の)アノードへの、及びアノードからの水素−、及びその他のイオン流を妨害することなく、むしろ促進さえすることを確かめることができたのは、全く予期することができないことであった。この理由は、驚くべきことに、無機−有機の不動態化層は、処理が行われた後、電解質の水性のアルカリ性の環境(水性KOH)に変化されることが、はっきり示されたからである。水性電解溶液を受け入れることによって、通常はゼラチン状の材料が形成され、該材料は、電池の活性のために必要とされるイオンの貫流(通り抜け)を妨害しないだけではなく、全ての予測に反して、(粒子を覆い、及びこれによりゲル状の電解質を形成するマトリックスの技術に従い、)イオンの貫流を容易化さえするものである。これらの電解質ゲル/媒体は、高い放電速度を可能にする(このことは、高性能の用途に都合が良い)。
【0011】
不動態化層の厚さは通常、形成されたマトリックスのイオン伝導性に基づいて、重要なこと(決定的なこと)ではない。不動態化層の厚さは、たいていは1μm未満、より好ましくは25〜500nmの範囲、及び特に好ましくは40〜250nmの範囲である。
【0012】
有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物は、無機−有機ハイブリッドポリマー−層を形成し、この層は、加水分解された、及び縮合された、有機基を有するシランの、及び場合により、更なる無機ネットワークに縮合された金属化合物から成る、しばしば1〜10nmの範囲の積重ねて結合したオリゴマー/機能性(官能性)の無機クラスター(群)から構成される(*)。この層を製造するために、ゾル−ゲル化学を使用して、対応するモノマー、又はオリゴマーの出発材料から構成される、被覆材料を合成することができ、これは、粒子に施した後に、固化/硬化される。これは後乾燥によって行うことができ、該後乾燥では、たいていは、(広範囲のネットワークを形成するまで)更なるSi−O−Si−、ないしはSi−O−金属−結合を形成する。追加的に、又はこの替わりに、出発材料の有機成分が重合反応を行うことが可能であれば、有機ネットワークが構成され、これにより、Si−O−Si−、ないしはSi−O−金属−結合から構成される無機ネットワークが、有機ネットワークに重なる(覆いかぶさる)、ないしは突き抜けられる。高度に網目状結合した、たいていは透明な材料が発生し、その特性は、無機及び有機の構造要素の選択によって広い範囲で目標を定めて調整可能である。
【0013】
これに応じて、本発明は、金属性の核を有する粒子を使用するもので、該核は、水素を貯蔵可能であり、及びこの核に有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物から成る被覆物が施される。通常、粒子は、流動容易(schuttfahig)な粉の状態で存在する。
【0014】
本発明のために適切な金属性の材料として、ニッケル、及び水素を貯蔵可能な全てのニッケル−合金が挙げられる。また、これについては、金属、例えば、それぞれが適切な状態(合金)で、及び結晶格子に水素を貯蔵可能なランタン、ランタニド、マンガン、セリウム、コバルト、ネオジウム及び/又はシリコンが挙げられる。更にこれについては、AB5のタイプの合金(但し、Aは好ましくは、希土類(ランタニド)Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれ、及び場合により、他の金属、例えば天然に存在する、例えばSiとの混合物から選ばれ、及び好ましくは1種以上の金属La、Ce及びTi、又はこれら3種の金属の全てを含む混合物から選ばれ、Bは、Ni、Co、Mn及びAlから選ばれる)の合金が挙げられる。この種のランタン含有、又はニッケル含有材料、及びランタンとニッケル含有合金が特に好ましく、例としては、LaNi5、LaNi3.9Co0.4Al0.4Mn0.3、LaNi3.6Co0.7Al0.4Mn0.3(Vartaの標準AB5材料)、又はLa0.8Nd0.2Ni2.5Co2.4Si0.1が挙げられる。タイプAB2の合金も、本発明のために適切である。このような材料は、複数種成分−合金のベースとして作用する。これらのタイプにおいて、Aはバナジウム及びチタンから選ばれ、Bは特に、Zr及びNi、及びCr、Co、Mn及びFe、及び上述した6種の金属の任意の混合物、特にCr+Co+Mn+Feから選ばれる。しかしながら、本発明は、この関連して記載された部分、希少な材料の部分に限定されるものではなく、水素を貯蔵する全ての金属、混合金属、ないしは合金を含むことが明確に理解される。例えば、上述したNiMH−電池のために、今まで使用されていなかったが、しかし水素貯蔵体として前途有望な、及び薄いフィルムの目的に既に部分的に使用されている合金、例えばマグネシウム合金が、これに該当する。例は、MgX(但しX=Sc、Ti、V又はCr)の合金で、これは特にMg4Xの化学量論で使用可能なものである。マグネシウムの主要部分(好ましくは少なくとも80原子%)が、複数の更なる主族、及び/又は遷移金属(Al、Ni及びMnから選ばれることが好ましい)と一緒に合金化している他の合金も適切である(例:Mg877Ni3Mn3)。粒子は、細分化できない、通常は平均して数十μm、しばしば5〜50μmの直径を有し;小さい粒子を使用することで、上述した改良された作用が達成される。上述した方法、例えばMechanomade(登録商標)−法を使用して、10μm以下の大きさ、しばしば1〜2μmの大きさの粒子、又はそれよりも小さい粒子が得られる。これらは以降、「ナノ粒子」と称される。これらはしばしば塊で、結晶の測定した大きさが約50nmであり;公知の技術を使用して塊から、直径が更に小さい粒子が得られ、これは当然、本発明にとって同じく好適である。
【0015】
Si−O−Si−ネットワークに基づく無機−有機ハイブリッドポリマーは種々のものが公知である。ある大きなグループは、ORMOCER(登録商標)であり、これはフラウンホーファー−インスティテュートにおいて、シリケート研究のために開発されたものである。これらは有機ポリシロキサン、又は(半−)金属化合物、特にシリコン化合物の加水分解縮合物として定義され、これは(半−)金属原子に結合した有機基(有機的に重合可能な/重合された、又は重合不可能なもの)によって改質(変性)されるものである。シリコン化合物の他に、(例えばアルミニウム、硼素、ゲルマニウム等の)他の加水分解可能な/加水分解された金属化合物が存在可能である。
【0016】
有機的に改質されたポリシロキサン、又は(ヘテロ−)珪酸重縮合物(しばしば「シラン樹脂」とも称される)の製造及びその特性は、多くの刊行物に記載されている。ここでは替わりに、例えばHybrid Organic−Inorgnic Materials,MRS Bulletin26(5),364ff(2001)が参照される。一般的に、このような物質は通常、いわゆるゾル−ゲル−法を使用して製造され、この製造では、加水分解感受性のモノマー、又は予備縮合されたシランが、場合により、更なる共縮合可能な物質、例えば硼素、ゲルマニウム、ジルコニウム、又はチタンのアルコキシド、及び場合により改質剤又はネットワーク促進剤として作用可能な追加的な化合物、又は他の添加剤、例えば染料、及び充填材料の存在下に、加水分解及び縮合に処理される。共重合可能な物質の半金属−、又は金属−カチオン(M)が、ヘテロ原子としてSi−O−Si−骨格の中に組み込まれ、これによりSi−O−M−及びM−O−M−結合が発生可能である。
【0017】
本発明に従う粒子のための被覆材料は、好ましくは、式(I)
aR’bSiX4-a-b (I)
(但し、置換基R、R’及びXは、それぞれ同一であるか、又は異なることができ、及びRは、炭素を介してシリコンに結合している、有機的に網目状結合可能な、又はまれな場合には、1つ以上の更なるこのような基Rと既に結合している基を意味し、R’は、炭素を介してシリコンに結合している、有機の、網目状結合できない基を意味し、Xは、加水分解の条件下に加水分解可能な、又はシリコンから分離可能な基、又はOHであり、aが1、又は2であり、bが0又は1であり、及びa+bが1又は2であることができる)
の少なくとも1種のシランから、又はこのシランの使用下に製造される。
【0018】
(たいていは後の)基Rの網目状結合は、一種、又は種々の基を介して行うことができる。「重合」について、これはポリ反応(Polyreaktion)と理解され、ポリ反応において、反応性の二重結合又は環が、たいていは熱、光、又はイオン化した放射線の影響下に、ポリマー中に移る(英語:addition polymerization又はchain−growth polymerization)。Rの例は従って、1つ以上の非芳香族C=C−二重結合、好ましくはマイケル付加(Michaeladdition)が利用可能な二重結合を有する基、例えばスチリル、又は(メト)アクリレートである。例えば、(例えば、エポキシ系を使用して)カチオン性重合を行うことができる(例えば、C.G.Roffey,Photogeneration of Reactive Species for UV Curing,John Wiley&Sons Ltd,(1997)参照)。この替わりに、網目状結合は、他のポリ重合、例えば開環重合によって行うことができる。特定の実施の形態では、これらのポリ反応は、例えば式(I)の第1のシランにおけるエポキシドを含む基R及び式(I)の第2のシランにおけるアミンを含む基Rの間で、直接的に行うことができる。基Rは通常、少なくとも2個、及び好ましくは約50個以下の炭素原子を含む。ここで、有機の網目状結合可能な基は、直接的に、又は結合基を介して、基Rの炭素骨格に結合することができ、これ(骨格)は直鎖状又は枝分かれして存在することができる。これに対応して、基Rの炭素鎖は、場合により、O、S、NH、CONH、COO、NHCOO、NHCONH、又はこれらに類似するものによって、中断されることができる。Rのための例は、アクリロキシ−、メタクリロキシ−、グリシジロキシ−、アリル−、ビニル−、スチリル−又はエポキシシクロヘキシル−C1−C4−アルキレン基であり、又は2つ以上のアリーラート(Arylat)−、及び/又はメタクリラート基を含む基、例えばトリメチロールプロパンの(メト−)アクリル酸エステル、ペンタエリチリト、ジペンタエリチリト、C2−C6−アルカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又は場合により、置換された、及び/又はアルコキシル化されたビスフェノールA(これらは場合により、例えば−NHCO−又は−NHCONH−基を介してシリコンに結合しているアルキル基に結合していても良い)である。
【0019】
本発明のために好適なものとして強調されるものは、1つ以上のアクリラート−及び/又はメタクリラート基、又は環、例えばエポキシ−又はエポキシシクロヘキシル環を含む基Rである。その基Rが既に網目状結合していることができるシランのための例として、イソシアヌレートに既に三量体化(trimerisieren)している、イソシアヌレートが述べられる。これらは、3つの加水分解的に縮合可能なシリル基を有している、不連続な(離散した)分子である。
【0020】
基R’は、このような反応ができない。好ましくは、これは、場合により置換されたアルキル−、アリール−、アルキルアリール−又はアリールアルキル基(その置換基は、網目状結合を許容しない)であり、そしてこの基の炭素鎖は、場合により、O、S、NH、CONH、COO、NHCOO、NHCONM又はこれらに類似するものによって中断される(妨げられる)ことが可能である。1〜30個、又は〜50個、より好ましくは1〜5個の炭素原子を有する、中断されていない基R’が好ましい。基R’の炭素原子は、置換されることも、置換されないことも可能である。
【0021】
式(I)中の基Xは、加水分解の条件下に加水分解可能な、ないしはシリコンから分裂可能な基、又はOHである。どの基がこのために適切であるかについては、この技術分野の当業者にとって公知である。通常、基Xは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アクリロキシ、又はNR”2(但し、R”が水素又は低級アルキル(低級アルキルは、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する))である。Xは多くの場合、水素をも意味する;通常、しかしながらこのことは望ましいものではない。この理由は、SiH−基が、系の有機的な部分、例えば二重結合に直接的に結合することができ、そしてこれにより、系の有機的な網目状結合が影響されるもので、一方、本発明の基Xは、好ましくは離脱基として、ないしは(OHの場合には)反応パートナーとして、系の加水分解的な縮合に使用されることが意図されているからである。アルコキシ基は、分離(分裂)可能な基として好ましく、特にC1−C6−アルコキシ等の低級アルコキシ基である。
【0022】
インデックスbは0であることができ、このために、式Iのシランは、1個の基Rを、0個又は1個の基R’と組み合わせて、又は2個の基Rを0個又は1個の基R’と組合せて有することができる。たいていの場合、好ましくは式(I)の少なくとも1個のシランは、基Rを1個だけ組み込んでおり;より好ましくは、このシランは基R’を含まない。
【0023】
被覆材料は、式(II)
R’aSiX4-a (II)
(但し、R’及びXが、それぞれ、同一であるか又は異なり、及び式(I)のものと同じ意味を有しており、及びaが、0、1、2、3又は4であることができる)
の少なくとも1種の更なるシランの使用下に製造することができる。このようなシラン(但しa=0又は1)を加水分解される、及び縮合される混合物に加えることにより、樹脂のSiO−部分、及び無機部分部分が高められる。式(II)中、a=0又は1が好ましい。このような化合物の例は、テトラエトキシシラン、及びメチルトリメトキシシラン、又はメチルトリエトキシシランである。
【0024】
この替わりに、又は場合により追加的に、本発明に従い使用可能な被覆材料は、式(III)
aR’3-aSiX (III)
(但し、R,R’及びXが、上述した式(I)のために定義した意味を有し、及びaが、1、2又は3であることができる)
の少なくとも1種のシランの使用下に製造される。これにより、材料の有機的な部分が高められる。
【0025】
本発明のために適切な被覆材料は、更なる物質、例えば、主族III族の金属の、ゲルマニウムの、少なくとも1種の有機化合物、及び亜族II.、III.、IV.、V.、VI.、VII.、及びVIII族の金属の少なくとも1種の有機化合物を含むことができる。これらの化合物は、好ましくは錯体、又はキレート化された化合物であり、好ましくは低級(特にC1−C6−)金属アルコキシドである。更なる例は、変性剤(改質剤)、又は網目状結合剤として作用可能な有機化合物である(後者の場合、有機化合物は、好ましくは、それぞれが式(I)及び/又は(III)のシランの基Rと一緒に、ポリ反応にかかわることができる2個の基を有する)。
【0026】
本発明の特定の実施の形態では、被覆材料は、式(I)の少なくとも1種のシラン(但しXがヒドロキシではなく、及び好ましくはアルコキシを意味し、及びa+bが好ましくは1である)から、又はこの使用下に、場合により、式(II)又は(III)の少なくとも1種の更なるシラン、及び/又は上述したような金属化合物の使用下に、及び式(IV)、
R”2Si(OH)2 (IV)
(但し、基R”が、同一であるか又は異なっており、及び置換された、又は置換されていない、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であるか、Rと同じ意味を有している)
のシランジオールと一緒に製造される。
【0027】
本発明の他の特定の実施の形態では、式(I)のシランは、以下の式(V)
{XabSi[R’(A)c4-a-bxB (V)
(但し、
X=ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシロキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、又はNR”、好ましくは(C1−C4)アルコキシ、又はハロゲン、例えば塩素、
R=アルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキル、特に(C1−C4)アルキル、
A=O、S、PR”、POR”、NHC(O)O、又はNHC(O)NR”特にO又はS、
B=直鎖状の、又は枝分かれした有機基で、少なくとも1個(c=1、及びA=NHC(O)O、又はNHC(O)NR”のために)ないしは少なくとも2個のC=C−二重結合、及び5〜50個の炭素原子を有するもの、
R”=水素、アルキル又はアリール、
a=1、2又は3、
b=0、1又は2、
c=0又は1、及び
x=所定の整数で、その最大値は好ましくは、基B中の二重結合の数マイナス1に対応し、又はc=1及びA=NHC(O)O又はNHC(O)NR”のために、基B中の二重結合の数に対応し、好ましくは、=1又は2である。極めて好ましくは、基Bは、少なくとも1個又は少なくとも2個のC=C−二重結合を含む、例えばアクリル−及び/又はメタクリル基)
によって記載されることができる。
【0028】
本発明のために適切な被覆材料は特に、例えばEP451709A2、EP644908B1、EP1196478B1又はEP1453886B1に記載されている樹脂/凝縮物(縮合物)である。
【0029】
被覆材料は通常、いわゆるゾル−ゲル−法を使用して、モノマー又はオリゴマーの金属化合物、特にそれぞれのシランから製造される。この方法において、無機の網目状結合構造の形成が行われ;これは、−たいていは加水分解の開始の後に−所望の、無機の(部分的に)縮合された生成物を形成する。ゾル−ゲル−工程は通常、適切な溶媒内で行われる。ここで、その粘度を網目状結合の程度によって制御できる樹脂が得られる。これは、例えば、粘度を低下させるために、場合によって更に希釈することができる。
【0030】
本発明の目的のために、溶液中の固体が5質量%以下の被覆材料が、粒子の回りに十分な厚さ(濃さ)の覆い物を得るために好適であることがわかった。より低い濃度、例えば約0.8〜4質量%、特に2.5〜4質量%の範囲のものがより好適である。濃度を0.5質量%未満にまで低下させると、発火又は他の損傷を回避するために、被覆物を十分な厚さ(濃さ)で粒子上に施すことが、もはや保証できない。被覆される粒子の質量に対する、被覆材料中の固体物の質量(重量)によって、被覆物の厚さを制御することができる;好適には、これは被覆される粒子の質量の、約0.5〜10質量%、特に0.5〜5質量%に設定され、特に好ましくは0.8〜2%に設定される。
【0031】
溶媒の選択は重要ではない(臨界的ではない)。通常、被覆を行うための溶媒として、(対応する被覆材料を製造するために使用された)同じ溶媒を、少なくとも部分的に保持することが好適である。
【0032】
被覆自体は、不活性ガス下、好ましくはアルゴン下に行なわれるべきである。この理由は、ニッケル含有金属部分も、ニッケル非含有金属部分も、その不動態化が完了するまでは、酸素にも、湿気にも曝すべきではないからである。
【0033】
被覆材料を粒子に施した後、溶媒の大部分は除去される。これは、好ましくは、回転蒸発器で、中位の温度(約40〜70℃)で、溶媒を注意深く回転させることによって行われる。この処理で、通常、被覆物の完全な乾燥/硬化を行うことができる。この理由は、更なる無機の網目状結合に貢献することができる、溶媒の除去による乾燥硬化に加え、被覆された粒子の金属性表面は、樹脂の(特に有機の網目状結合可能な基の)網目状結合のための触媒の作用を有し、これにより、通常、式(I)のシラン中の基Rの有機的な網目状結合を生じさせるために、強く加熱した状態の又は照射した状態の追加的なエネルギーを供給する必要がなく、及び/又は被覆材料に開始剤又は触媒を加える必要がないからである。
【0034】
本発明の被覆物の不動態化作用は、熱重力測定(thermogravimetrische Messung)によって実証される。すなわち、製粉されているが、被覆されていない粉サンプルは、130℃では既に不安定であり、そして発火するが、この一方で、本発明に従い被覆物が施されたものは、少なくとも約230℃までは安定である。これに応じて、これらが本発明に従い被覆された場合、微細結晶の電極材料の加工が、大きく簡素化される。
【0035】
酸素雰囲気中では、自然発火性の材料の自然発火(自己発火)に対応する発熱反応が行われる。燃焼(発火)は、主にニッケルのNiOxへの酸化に対応する質量の増加と相関関係を有している。再充電可能な電池では、いわゆるC−Rateが、電気化学的な特性の質にとって決定的な役割を演じる。C−Rateは、(種々のセル(電池)の容量とは無関係に、)充電−及び放電の大きさを定める。本発明に従い被覆された電極材料を有する高性能電極が設けられたテストセルは、従来の電極材料と比較して、高いC−Rate−及び迅速な放電経過−高い放電充電を示すことができる。ここで、電力の放出でさえも、被覆されていないマイクロ粒子のものに対して優っている。
【0036】
以下に実施例を使用して本発明を詳細に説明する。
【0037】
実施例1
1lのフラスコに、248g(1モル)のメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及び355gのジエチルカーボナートを計量導入した。0.37g(10ミルモル)のアンモニウムフロリド、及び27g(1.5モル)の蒸留水を加えて攪拌した。発生した溶媒を、数日後(10〜20日)、40℃で100ミリバールまで回転(除去)させた。材料はねばねばし、及び黄色がかっていた。
【0038】
実施例2
1lのフラスコに、236g(1モル)の3−グリシドオキシプロピル−トリメトキシシランを、355gのジエチルカーボナートと一緒に計量導入した。0.37g(10ミルモル)のアンモニウムフロリド、及び27g(1.5モル)の蒸留水を加えた。混合物を攪拌した。発生した溶媒を数日後(10〜20日)、40℃で100ミリバールまで回転(除去)させた。材料は黄色がかっており、そして固体状であった。
【0039】
実施例3:
1lのフラスコに、246g(1モル)の2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを、355gのジエチルカーボナートと一緒に計量導入した。0.37g(10ミルモル)のアンモニウムフルオリド、及び27g(1.5モル)の蒸留水を加えた。混合物を攪拌した。発生した溶媒を数日後(10〜20日)、40℃で100ミリバールまで回転(除去:abrotieren)させた。材料は黄色がかっており、そしてねばねばしていた。
【0040】
実施例4:
250mlのフラスコに、24.6g(0.04モル)のトリス(3−トリメトキシシリル)プロピルイソシアヌラート、70g(0.2モル)のポリエチレングリコール−モノメチルエーテル350、及び0.48gのナトリウム−メチルラート溶液(メタノール中30%)を、この順序で計量導入し、攪拌した、そして50℃で、及び200ミリバールで、質量が一定になるまで徐々に回転(除去)した。
【0041】
実施例5:
粒子を被覆する方法、及び得られた特性
NiMH−粉として、標準AB5Varta材料を未製粉で、ないしはMechanomade(登録商標)に従い製粉して(粉をひいて)挿入した。
【0042】
100mlのフラスコに、20.4gのNiMHをアルゴン下に計量導入した。ジエチルカルボナート(≒0.17gのラッカー材料で、溶媒を有しない)中の、0.500gの実施例2に従う被覆材料、及び7gのプロピルアセタートを計量導入した。フラスコを、アルゴンで洗浄した回転蒸発器内で、徐々に動かした。約30分後、40℃で、回転(除去)させつつ20ミリバールまでの処理を開始し、次に温度を60℃に上昇させ、そして1時間、この条件下に回転(除去)させた。
【0043】
被覆の前及び後の製粉された粒子の温度特性は以下のようであった:処理されていない粉サンプルは、130℃では既に不安定であり、そして発火(燃焼)するが、この一方で、本発明に従う被覆物で不動態化された粒子は、少なくとも230℃までは安定である。
図1は、実施例2に従う被覆材料の温度特性を示している。図2には、製粉したNiMH粉のTG/DTA−分析が示されており、及び(一方は)被覆されていない粉についてであり及び(もう一つは)実施例2に従う被覆物が施された同じ粉についてであった。
【0044】
この結果、被覆されていない材料は、発熱性のピークが130℃に見出され(これには質量の増加の開始が関連している)、この一方で、被覆された材料は、230℃以降で、初めて質量の減少を示している。このことは、第1に、図1に従えば、不動態化層の分解の開始に帰せられる。図2から理解されるように、金属の発熱反応は、280℃に見出される。
【0045】
(その熱重量分析が図2に示されている)粉の走査電子顕微鏡の写真を図3に示した。
【0046】
実施例6:電極の製造
実施例5に従う被覆されたNiMH−粉をニッケル−粉(10%)と混合することによって電極を製造した。均質な混合物を、錠剤状に加圧し(25kN/cm2)、これをニッケルネットに束ねた後、マイナスの電極に加圧(プレス)した(5kN/cm2)。サイクル化(Zyklisieren)の間、電極粒子の結合体が緩まる(ほぐれる)ことを防止するために、ニッケルネットを使用した(充電/放電−過程の間、電極の10〜20%の延び)。
【0047】
電極は、他の方法によってでも製造することができ、例えば、ニッケル−又は他に金属水素化物を含む粒子を、被覆物溶液(溶媒中ORMOCER(登録商標))から、導電体としてのNi−ホイル上に直接的に沈積(堆積)させることによって製造することもできる。次に、炉内で(保護ガス下に)電極を乾燥させることによって、ORMOCER(登録商標)被覆物を有機的に重合し、ここで粒子が不動態化された。
【0048】
次にプレスされた金属水素化物粉を、標準V15Hボタン電池(Varta)に組み込み、そして測定した。
【0049】
標準−NiMH−電池に対して、5C(1/5時間=12分における放電)のC−Rateにおける電力の放出は、50パーセントを超えて高められた。これにより、更に電力の放出でさえも、被覆されていないマイクロ粒子に優っていた。新しい反応性材料の性能は、本発明に従う不動態化によって、更に高められた。図4は、実施例5に従い被覆された、製粉されたNiMH−粉を有する高性能電極を有するNiMH−テストセルと、通常のカソード材料(同様に、AB5材料の使用下)の比較を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を貯蔵することが可能な、又は水素を貯蔵した状態で含む金属性の核、及び
有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物から成る被膜物を有する粒子から成る、又は前記粒子を含む粉。
【請求項2】
前記粒子の核が、(a)ニッケル、又は(b)それぞれが少なくとも1種の更なる金属と組合せたニッケル又はマグネシウムを有し、及び
前記更なる金属は、アルミニウム、ランタン、及びランタニド、マンガン、セリウム、鉄、コバルト、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン及びシリコン、及びこれらの金属の2種以上の組合せから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の粉。
【請求項3】
粒子の核の直径が平均して、15μm未満、好ましくは5μm未満、特に好ましくは500nm未満、及び極めて好ましくは200nm未満であることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の粉。
【請求項4】
有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、式(I)
aR’bSiX4-a-b (I)
(但し、置換基R、R’、及びXが、それぞれ、同一でも、又は異なっていても良く、及びRが、炭素を介してシリコンに結合した有機の網目状結合可能な基を意味しており、R’が、炭素原子を介してシリコンに結合した有機の、網目状結合しない基を意味しており、Xが、加水分解条件下に、加水分解可能であるか、又はシリコンから分離可能な基、又はOHであり、aが1、又は2であり、bが0又は1であり、及びa+bが1又は2であることができる)
の少なくとも1種のシランから、又は前記シランの使用下に製造されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の粉。
【請求項5】
基Rの少なくとも一部が、アクリレート−、及び/又はメタクリレート含有、及び/又はエポキシ基含有、及び/又はイソシアヌレート含有基から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の粉。
【請求項6】
有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、式(II)
R’aSiX4-a (II)
(但し、R’及びXが、それぞれ同一、又は異なり、及び式(I)のものと同じ意味を有しており、及びaが、0、1、2、3又は4、好ましくは0又は1を意味する)
の少なくとも1種の更なるシランの使用下に、及び/又は式(III)
aR’3-aSiX (III)
(但し、R,R’及びXが、請求項1で式(I)のために定義した意味を有し、及びaが、1、2又は3であることができる)
の少なくとも1種の更なるシランの使用下に、及び/又は
主族III族の金属の、ゲルマニウムの、及び/又は亜族II.、III.、IV.、V.、VI.、VII.、及びVIII族の金属の、少なくとも1種の有機化合物の使用下に製造されることを特徴とする請求項4又は5の何れかに記載の粉。
【請求項7】
有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、
式(I)(但し、Xがアルコキシの意味を有し、及びa+bが1である)の少なくとも1種のシラン、及び
式(IV)、
R”2Si(OH)2 (IV)
(但し、基R”が、同一又は異なっており、及び置換された、又は置換されていないアルキル基であるか、又は式(I)におけるRと同じ意味を有している)
の少なくとも1種のシランジオール、
から、又はこれらを使用して、及び
場合により、式(II)及び/又は(III)の少なくとも1種の更なるシラン、及び/又は請求項6に定義した金属化合物の使用下に製造されることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の粉。
【請求項8】
有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、有機的に網目状結合した基を有していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の粉。
【請求項9】
有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、被覆ラッカーを施し、及びこのラッカーを網目状結合させることによって製造され、前記ラッカーは、ゾル−ゲル法を使用して製造されることを特徴とする請求項4〜8の何れか1項に記載の粉。
【請求項10】
電極の状態にプレスされて存在することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の粉。
【請求項11】
金属粒子を有するマイナスの電極を有するNiMH−バッテリーであって、
前記金属粒子は、水素を貯蔵した状態で含むか、ないしは水素を貯蔵可能であり、及びOH-−イオン伝導性の、ゲル状の覆い、又はマトリックスにはめ込まれており、これらは、水性の、アルカリ性電解質が有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物に作用することによって発生することを特徴とするNiMH−バッテリー。
【請求項12】
マトリックスが発生する、有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、有機的に網目状結合された基を有することを特徴とする請求項11に記載のNiMH−バッテリー。
【請求項13】
マトリックスが発生する、有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、式(I)
aR’bSiX4-a-b (I)
(但し、置換基R、R’、及びXが、それぞれ、同一であるか、又は異なっていても良く、及びRが、炭素を介してシリコンに結合した、有機の網目状結合可能な基を意味しており、R’が、炭素原子を介してシリコンに結合した、有機の、網目状結合しない基を意味しており、Xが、加水分解条件下に、加水分解可能であるか、又はシリコンから分離可能な基、又はOHであり、aが1、又は2であり、bが0又は1であり、及びa+bが1又は2であることができる)
の少なくとも1種のシランから、又はその使用下に製造されることを特徴とする請求項11又は12の何れかに記載のNiMH−バッテリー。
【請求項14】
マトリックスが発生する、有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、式(II)
R’aSiX4-a (II)
(但し、R’及びXが、それぞれ同一であるか、又は異なり、及び式(I)のものと同じ意味を有しており、及びaが、0、1、2、3又は4、好ましくは0又は1を意味する)
の少なくとも1種の更なるシランの使用下に、及び/又は式(III)
aR’3-aSiX (III)
(但し、R,R’及びXが、請求項1で式(I)のために定義した意味を有し、及びaが、1、2又は3であることができる)
の少なくとも1種の更なるシランの使用下に、及び/又は
主族III族の金属の、ゲルマニウムの、及び/又は亜族II.、III.、IV.、V.、VI.、VII.、及びVIII族の金属の少なくとも1種の有機化合物の使用下に製造されることを特徴とする請求項13に記載のNiMH−バッテリー。
【請求項15】
マトリックスが発生する、有機的に変性された(ヘテロ−)珪酸重縮合物が、
式(I)(但し、Xがアルコキシの意味を有し、及びa+bが1である)の少なくとも1種のシラン、及び
式(IV)、
R”2Si(OH)2 (IV)
(但し、基R”が、同一であるか、又は異なっており、及び置換された、又は置換されていないアルキル基であるか、又は式(I)におけるRと同じ意味を有している)
の少なくとも1種のシランジオール、
を使用して、及び
場合により、式(II)及び/又は(III)の更なるシラン、及び/又は請求項14に定義した金属化合物を使用して製造されることを特徴とする請求項13又は14に記載のNiMH−バッテリー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−531516(P2012−531516A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516779(P2012−516779)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059207
【国際公開番号】WO2011/000828
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(503306168)フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ (38)
【Fターム(参考)】