説明

有機EL素子及びその製造方法

画素電極に紫外線照射を行っても、TFTの特性の劣化の生じにくい有機EL素子を提供する。基板上にTFTが形成されている。TFTは、ソース及びドレインとなる第1の領域及び第2の領域、第1の領域と第2の領域との間のチャネル領域、及びゲート電極を有する。薄膜トランジスタを覆うように、基板の上に層間絶縁膜が配置されている。層間絶縁膜の上に配置された画素電極が、層間絶縁膜に形成されたビアホール内を経由してTFTの第1の領域に電気的に接続されている。被覆膜が、画素電極の縁を被覆し、内部の領域は露出させるとともに、層間絶縁膜の表面のうち、前記薄膜トランジスタのチャネル領域と重なる領域を覆い、紫外線を遮光する。画素電極の上に有機発光層と上部電極とが配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、有機EL素子及びその製造方法に関し、特に薄膜トランジスタに接続された画素電極上に、有機発光材料層と上部電極とが積層された構造を有する有機EL素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
近年、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を用いた表示装置は、陰極線管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)に代わる薄膜軽量表示装置として注目されている。特に、有機EL素子を駆動するスイッチング素子として薄膜トランジスタを備えた有機EL表示装置の研究開発が盛んに行われている。
図6に、特開2001−133807号公報に開示されている有機EL素子の断面図を示す。表面が酸化シリコン膜で覆われた透明基板1の上に、トップゲート型の薄膜トランジスタ10が形成されている。薄膜トランジスタ(TFT)10は、ソース及びドレインとなる第1の領域R1及び第2の領域R2、第1の領域R1と第2の領域R2との間のチャネル領域C、及びゲート電極Gを含んで構成される。
TFT10の第1の領域R1の上に、中間接続部材15が形成され、第2の領域R2に、信号線16が接続されている。TFT10、中間接続部材15、及び信号線16を覆うように、層間絶縁膜20が形成されている。層間絶縁膜20の上に、インジウムティンオキサイド(ITO)からなる透明画素電極25が形成されている。
画素電極25の外周と重なるように配置された被覆膜26が、画素電極25の縁を覆う。被覆膜26の内側の画素電極25の上に、有機発光層30が形成されている。有機発光層30の縁は、被覆膜26の上に懸かっている。有機発光層30及び層間絶縁膜20の上に、上部電極35が形成されている。被覆膜26は、画素電極25と上部電極35とが短絡されてしまうことを防止する。
被覆膜26として、感光性レジスト材料が使用される。感光性レジスト材料を使用することにより、レジスト材料塗布、露光、現像の3工程で膜のパターニングを行うことができる。他の絶縁材料を用いる場合には、絶縁膜の成膜、レジストパターンを用いたエッチング、レジストパターンの除去といった余分な工程が必要になる。被覆膜26に感光性レジストを用いることにより、製造工程の簡素化を図ることができる。
有機EL素子の陽極にITOを用いた場合、有機発光層の成膜前にITO膜の表面を強制酸化することにより、有機EL素子の特性が向上することが知られている。強制酸化の方法として、酸素プラズマを用いた酸化、及びオゾン雰囲気中での紫外線照射の2つの方法が有効である。
図6に示した被覆膜26に感光性レジスト材料を用いた場合、画素電極25を酸素プラズマに晒すと、被覆膜26がエッチングされてしまう。従って、画素電極25の表面の強制酸化の方法として、オゾン雰囲気中で紫外線照射を行うことが好ましい。
ところが、画素電極25に紫外線を照射すると、TFT10にも紫外線が照射されてしまう。紫外線によりTFT10がダメージを受け、その特性が劣化してしまう。
【発明の開示】
本発明の目的は、画素電極に紫外線照射を行っても、TFTの特性の劣化の生じにくい有機EL素子及びその製造方法を提供することである。
本発明の一観点によると、基板上に形成され、ソース及びドレインとなる第1の領域及び第2の領域、該第1の領域と第2の領域との間のチャネル領域、及びゲート電極を有する薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを覆うように、前記基板の上に配置された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の上に配置され、該層間絶縁膜に形成されたビアホール内を経由して前記薄膜トランジスタの第1の領域に電気的に接続された画素電極と、前記画素電極の縁を被覆し、内部の領域は被覆しない被覆膜と、前記層間絶縁膜の表面のうち、前記薄膜トランジスタのチャネル領域と重なる領域を覆い、紫外線を遮光する遮光膜と、前記画素電極の上に配置された有機発光材料を含む有機発光層と、前記有機発光層の上に配置された上部電極とを有する有機EL素子が提供される。
本発明の他の観点によると、基板の主面上に、ソース及びドレインとなる第1の領域及び第2の領域、該第1の領域と第2の領域との間のチャネル領域、及びゲート電極を有する薄膜トランジスタを形成する工程と、前記薄膜トランジスタを覆うように、前記基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜の上に、前記薄膜トランジスタの第1の領域に電気的に接続された画素電極を形成する工程と、前記画素電極の縁を覆い、内部の領域は露出させ、かつ前記層間絶縁膜の表面のうち前記薄膜トランジスタのチャネル領域と重なる領域を覆う被覆膜を形成する工程と、前記画素電極の表面を酸化性雰囲気に晒しながら、前記基板の主面側から該基板に紫外線を照射する工程と、前記画素電極の上に、有機発光材料を含む有機発光層を形成する工程と、前記有機発光層の上に、上部電極を形成する工程とを有する有機EL素子の製造方法が提供される。
基板に紫外線を照射する際に、遮光膜が紫外線を遮光するため、TFTのチャネル領域まで到達する紫外線の強度が弱まる。このため、TFTの特性の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1の実施例による有機EL素子の断面図である。
図2は、第1の実施例による有機EL素子の平面図である。
図3A及び3Bは、第1の実施例による有機EL素子の製造方法を説明するための基板の断面図である。
図4Aは、第1の実施例による有機EL素子のTFTの、紫外線照射前及び照射後の特性を示すグラフであり、図4Bは、従来の有機EL素子のTFTの、紫外線照射前及び照射後の特性を示すグラフである。
図5は、第1の実施例による有機EL素子の断面図である。
図6は、従来の有機EL素子の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
図1に、第1の実施例による有機EL素子の断面図を示し、図2に1画素の平面図を示す。
図2に示すように、基板上に、行方向に延在する複数のゲート線2及び列方向に延在する複数の信号線16が配置されている。ゲート線2と信号線16とは、その交差箇所において絶縁膜により相互に絶縁されている。
ゲート線2と信号線16との交差箇所の各々にTFT10が配置されている。TFT10は、ソース及びドレインとなる第1の領域R1及び第2の領域R2と、ゲート電極Gとを含んで構成される。ゲート電極Gは、対応するゲート線2に接続されている。第2の領域R2は、対応する信号線16に接続されている。
相互に隣り合う2本のゲート線2及び相互に隣り合う2本の信号線16に囲まれた領域に、画素電極25が配置されている。画素電極25は、対応するTFT10の第1の領域R1に接続されている。被覆膜26が、画素電極25の外周に重なるように配置され、画素電極25の縁、及び画素電極25の外周よりも外側のある幅の領域を覆っている。さらに、被覆膜26は、基板の法線方向に平行な視線で見た時、TFT10と重なる領域を覆っている。画素電極25の縁以外の内部の領域は、被覆膜26で覆われていない。
図1に、図2の一点鎖線A1−A1における断面図を示す。主面上に酸化シリコン膜が形成された透明基板1の酸化シリコン膜上に、TFT10が形成されている。TFT10は、基板1の表面上に形成された多結晶シリコン膜11、その上に形成された酸化シリコンからなるゲート絶縁膜I、その上に形成されたAlNd合金からなるゲート電極Gを含んで構成される。多結晶シリコン膜11のうちゲート電極Gの下方の領域にチャネル領域Cが画定され、その両側にソース及びドレインとなるn型の第1の領域R1及び第2の領域R2が画定されている。多結晶シリコン膜11の厚さは20〜100nm、ゲート絶縁膜Iの厚さは100〜150nm、ゲート電極Gの厚さは300〜400nmである。
TFT10を覆うように、基板1の上に、酸化シリコンまたは酸化シリコンと窒化シリコンとの積層からなる厚さ300〜500nmの絶縁膜17が形成されている。TFT10の第1の領域R1及び第2の領域R2に対応する位置に、絶縁膜17を貫通する開口が形成されている。絶縁膜17の上に、モリブデン(Mo)またはチタン(Ti)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)の積層からなる信号線16が形成されている。信号線16は、絶縁膜17に形成された開口内を経由してTFT10の第2の領域R2に接続されている。
TFT10の第1の領域R1に対応する絶縁膜17の表面上に、モリブデン(Mo)またはチタン(Ti)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)の積層からなる中間接続部材15が形成されている。中間接続部材15は、絶縁膜17に形成された開口内を経由して第1の領域R1に接続されている。
信号線16、中間接続部材15を覆うように、絶縁膜17の上に層間絶縁膜20が形成されている。層間絶縁膜20は感光性樹脂(例えばアクリル樹脂)で形成されており、その厚さは3.0μmである。なお、層間絶縁膜20の表面は平坦化されている。
層間絶縁膜20に、中間接続部材15の上面を露出させる開口が形成されている。層間絶縁膜20の表面上にITOからなる画素電極25が形成されている。画素電極25は、層間絶縁膜20に形成された開口内を経由して中間接続部材15に接続されている。これにより、画素電極25は、中間接続部材15を介してTFT10の第1の領域R1に電気的に接続される。
画素電極25の外周に沿って配置された被覆膜26が、画素電極25の縁を覆うとともに、層間絶縁膜20の表面のうちTFT10の上方の領域を覆う。被覆膜26は、感光性レジスト材料、例えばノボラック系レジスト材料で形成される。画素電極25の表面のうち被覆膜26で覆われていない領域上に、有機発光層30が形成されている。有機発光層30は、例えば、画素電極25側から順番に、正孔注入層30A、正孔輸送層30B、発光層30C、及び電子輸送層30Dがこの順番に積層された4層構造を有する。有機発光層30の縁は、被覆膜26の上面の一部まで延在している。
有機発光層30及び被覆膜26を、上部電極35が覆う。上部電極35はアルミニウムで形成され、その厚さは100〜200nmである。画素電極25が陽極、上部電極35が陰極になるように両者に電圧が印加される。被覆膜26は、画素電極25と上部電極35との短絡を防止する。有機発光層30に電流が注入され、発光が生ずる。この光は、基板1を通って外部に放射される。
次に、図3A及び3Bを参照して、上記第1の実施例による有機EL素子の製造方法について説明する。
図3Aに示すように、例えばコーニング#1737等のガラス基板の表面上に、プラズマ励起化学気相成長(PECVD)により厚さ50nmの窒化シリコン膜を堆積させることにより基板1を作製する。さらに、窒化シリコン膜上に、酸化シリコン膜をPECVDにより、約150〜300nmの厚さ堆積させる。その上に、アモルファスシリコン膜をPECVDにより堆積させる。
窒素雰囲気中で、450℃の温度で1時間の熱処理を行い、アモルファスシリコン膜中の水素を除去する。波長308nmのエキシマレーザを照射することにより、アモルファスシリコン膜を多結晶化する。照射するエキシマレーザのパルスエネルギ密度は、300〜400mJ/cmである。レーザ照射により、多結晶シリコン膜11が得られる。多結晶シリコン膜11を反応性イオンエッチングにより部分的にエッチングし、TFTが配置される部分に多結晶シリコン膜11を残す。
多結晶シリコン膜11を覆うように、PECVDにより厚さ100〜150nmの酸化シリコン膜を形成する。この酸化シリコン膜の上に、厚さ300〜400nmのAlNd合金膜をスパッタリングにより形成する。
AlNd合金膜の表面をレジストパターンで覆い、AlNd合金膜をウェットエッチングする。レジストパターンを残したまま、AlNd合金膜の下の酸化シリコン膜を、CHFを用いてドライエッチングする。さらに、レジストパターンを残したまま、AlNd合金膜を横方向にエッチングし、AlNd合金膜を縮小化する。これにより、酸化シリコンからなるゲート絶縁膜I及びAlNd合金からなるゲート電極Gが形成される。AlNd合金膜のサイドエッチング後、レジストパターンを除去する。
プラズマドーピング装置を用い、1〜5%のPH希釈ガス中においてPイオンのドーピングを行う。その際、第1回目のドーピングを、加速エネルギ10keV、ドーズ量5×1014〜1×1015cm−2の条件で行い、第2回目のドーピングを、加速エネルギ70keV、ドーズ量5×1012〜5×1013cmの条件で行う。これにより、低濃度ドレイン構造(LDD構造)のnチャネルTFTが形成される。
TFT10を覆うように、基板1の上に、厚さ50nmの酸化シリコン層と厚さ350nmの窒化シリコン層との積層からなる絶縁膜17をPECVDにより形成する。絶縁膜17の所要箇所に開口を形成する。厚さ30nmのチタン層と厚さ300nmのアルミニウム層と厚さ50nmのモリブデン層とが積層された膜を堆積させてパターニングすることにより、中間接続部材15及び信号線16を形成する。中間接続部材15及び信号線16を覆うように、感光性樹脂(例えばアクリル樹脂)からなる層間絶縁膜20を、スピンコート法により形成する。層間絶縁膜20に、中間接続部材15の上面を露出させる開口を形成する。
ITO膜をスパッタリングにより堆積させ、パターニングすることにより、画素電極25を形成する。画素電極25は、層間絶縁膜20に形成した開口内を経由して中間接続部材15に接続される。
図3Bに示すように、感光性レジスト材料を塗布して、露光、現像を行うことにより、被覆膜26を形成する。基板1の法線に平行な視線で見た時、被覆膜26は、画素電極25の外周と重なるとともに、TFT10と重なる。
基板をオゾン雰囲気中に配置し、画素電極25の形成されている面に、低圧水銀ランプを用いて紫外線を照射する。照射される紫外線の主な波長は254nmである。基板表面における紫外線強度は、約6.7mW/cmであり、照射時間は20分である。
図1に示したように、画素電極25の上に、シャドーマスクを用いた真空蒸着により、正孔注入層30A、正孔輸送層30B、発光層30C、及び電子輸送層30Dからなる有機発光層30を形成する。さらに、真空蒸着によりアルミニウムからなる上部電極35を形成する。
有機発光層30を堆積する前に、ITOからなる画素電極25の表面を、オゾン雰囲気に晒して紫外線照射を行うことにより、有機発光層30の特性を向上させることができる。なお、画素電極25を、インジウムを含む透明導電性材料で形成する場合にも、同様の効果が期待される。
上記第1の実施例では、図3Bに示した紫外線照射時に、被覆膜26が紫外線を遮光するため、TFT10に到達する紫外線の強度が弱まる。このため、紫外線照射によるTFT10の特性劣化を防止することができる。なお、被覆膜26が、少なくともTFT10のチャネル領域Cと重なるように配置すれば、TFT10の特性劣化を防止することができる。
図4Aに、TFT10のゲート電圧とソースドレイン間電流との関係を示す。横軸はゲート電圧を単位「V」で表し、縦軸はソースドレイン間電流を単位「A」で表す。図中の黒丸は紫外線照射前の特性を示し、白丸は紫外線照射後の特性を示す。比較のために、図4Bに、被覆膜26で遮光しないで紫外線照射を行った場合のTFTの特性を示す。図中の黒丸は紫外線照射前の特性を示し、白丸は紫外線照射後の特性を示す。
被覆膜でTFTを遮光しない場合には、図4Bに示すように、紫外線照射により閾値が変動するとともに、オン電流が低下していることがわかる。これに対し、第1の実施例のように、被覆膜26で、TFT10に入射する紫外線を遮光した場合には、閾値の変動やオン電流の低下は見られない。
TFT10の特性の劣化防止の十分な効果を得るために、被覆膜26の紫外線透過率を30%以下にすることが好ましい。例えば、紫外線光源として低圧水銀ランプを使用する場合には、波長254nmにおける被覆膜26の透過率を30%以下にすることが好ましい。
上記第1の実施例では、オゾン雰囲気中で紫外線照射を行ったが、オゾン以外の酸化性雰囲気中で紫外線照射を行ってもよい。
図5に、第2の実施例による有機EL素子の断面図を示す。第1の実施例では、図1に示したように、画素電極25の縁を覆う被覆膜26をTFT10の上方の領域まで広げて、被覆膜26の一部を遮光膜として利用した。第2の実施例では、被覆膜26は、画素電極25の縁を覆うのみで、TFT10の上方までは広がっていない。その代わりに、TFT10の上方の領域が、金属製、例えばアルミニウムの遮光膜36で覆われている。遮光膜36は、例えばリフトオフ法等により形成することができる。
第2の実施例では、第1の実施例に比べて遮光膜36の形成工程が新たに必要になるが、紫外線をより遮光しやすい金属で遮光膜36を形成することにより、紫外線の透過率をより少なくすることができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【図1】

【図2】



【図5】

【図6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成され、ソース及びドレインとなる第1の領域及び第2の領域、該第1の領域と第2の領域との間のチャネル領域、及びゲート電極を有する薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタを覆うように、前記基板の上に配置された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の上に配置され、該層間絶縁膜に形成されたビアホール内を経由して前記薄膜トランジスタの第1の領域に電気的に接続された画素電極と、
前記画素電極の縁を被覆し、内部の領域は被覆しない被覆膜と、
前記層間絶縁膜の表面のうち、前記薄膜トランジスタのチャネル領域と重なる領域を覆い、紫外線を遮光する遮光膜と、
前記画素電極の上に配置された有機発光材料を含む有機発光層と、
前記有機発光層の上に配置された上部電極と
を有する有機EL素子。
【請求項2】
前記被覆膜と前記遮光膜が同一材料からなる一つの層で構成されている請求項1に記載の有機EL素子。
【請求項3】
前記被覆膜及び前記遮光膜が、感光性レジスト材料で形成されている請求項2に記載の有機EL素子。
【請求項4】
前記画素電極が、インジウムを含む透明導電性材料で形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL素子。
【請求項5】
基板の主面上に、ソース及びドレインとなる第1の領域及び第2の領域、該第1の領域と第2の領域との間のチャネル領域、及びゲート電極を有する薄膜トランジスタを形成する工程と、
前記薄膜トランジスタを覆うように、前記基板の上に層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の上に、前記薄膜トランジスタの第1の領域に電気的に接続された画素電極を形成する工程と、
前記画素電極の縁を覆い、内部の領域は露出させ、かつ前記層間絶縁膜の表面のうち前記薄膜トランジスタのチャネル領域と重なる領域を覆う被覆膜を形成する工程と、
前記画素電極の表面を酸化性雰囲気に晒しながら、前記基板の主面側から該基板に紫外線を照射する工程と、
前記画素電極の上に、有機発光材料を含む有機発光層を形成する工程と、
前記有機発光層の上に、上部電極を形成する工程と
を有する有機EL素子の製造方法。
【請求項6】
前記被覆膜を通過する前記紫外線の透過率が30%以下である請求項5に記載の有機EL素子の製造方法。
【請求項7】
前記被覆膜を形成する工程が、
前記層間絶縁膜の表面に感光性レジストを塗布してレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を部分的に露光し、現像することによって、残されたレジスト膜からなる前記被覆膜を形成する工程と
を含む請求項5または6に記載の有機EL素子の製造方法。
【請求項8】
前記画素電極が、インジウムを含む透明導電性材料で形成されている請求項5〜7のいずれかに記載の有機EL素子の製造方法。

【国際公開番号】WO2004/075607
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【発行日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568489(P2004−568489)
【国際出願番号】PCT/JP2003/001892
【国際出願日】平成15年2月20日(2003.2.20)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】