説明

有機EL表示装置

【課題】メタルマスクの精細度に依存されない高精細の有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】互いに隣接する画素(10)に含まれる副画素の配列パターンが、画素間境界線を挟んで線対称に配列される配列パターンであり、画素10の両端に設けられる副画素(R副画素10R、B副画素10B)には、同種の副画素に共通する共通発光層(R発光層15R、B発光層15B)が設けられており、画素10の両端に設けられる副画素以外の副画素(G副画素10G)には、画素10の両端に設けられる副画素(R副画素10R、B副画素10B)のいずれかに共通するコモン発光層(G発光層15G)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイとして、自発光型デバイスである有機EL素子を有する有機EL表示装置が注目されている。
【0003】
有機EL表示装置の中でもカラー表示が可能な表示装置として、白色に発光する有機EL素子上に複数色のカラーフィルタを設けた構成や、発光色が異なる有機EL素子を複数種類集めて特定のパターンで配列した構成が知られている。ここで発光色が異なる有機EL素子を複数種類集めて特定のパターンで配列してカラー表示を可能にした有機EL表示装置の製造方法は、有機EL素子の構成材料に応じて適宜選択することができる。例えば、構成材料が低分子化合物である場合は、メタルマスクを用いた真空蒸着法が用いられる。より具体的には、真空蒸着法を用いて画素列毎に発光色が異なっている有機EL層を選択的に形成する方法が知られている。
【0004】
ところでメタルマスクを用いた真空蒸着法では、メタルマスクの開口部の端部近傍において、蒸着・成膜される有機EL層の膜厚が薄くなる場合がある。有機EL層の膜厚が薄い領域が存在すると、その領域に電界集中が発生し、素子劣化、或いは電極間のショートの要因となる。従って、画素と画素との間に幅の広い画素間分離膜を配置して、有機EL層の膜厚が薄い部分に電界がかからない構成とする必要がある。しかし画素間分離膜を設けると、画素の開口率が低下するという問題が存在する。
【0005】
この問題を解決するために、特許文献1では、2種類の画素のうち、同一発光色の画素2つを互いに隣接するように配置して、この互いに隣接する同一発光色の画素に共通する発光層等を含む有機EL層を形成するという方法が提案されている。この方法を用いると、互いに隣接する画素間においては、画素間分離膜を配置する必要がない。このため、同一発光色の画素間においては、画素の開口率を拡大することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−207126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、画素が、例えば、赤(R)、青(B)、緑(G)の3種類の副画素で構成される有機EL表示装置の場合、いずれか1種類の副画素は特許文献1の効果が期待できない。このため、特許文献1の効果が期待できない1種類の副画素に関しては、他の2種類の副画素に対して精細度の高いメタルマスクが必要になり、表示装置の精細度が当該メタルマスクの精細度依存することとなる。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、メタルマスクの精細度に依存されない高精細の有機EL表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の有機EL表示装置は、基板と、該基板上に設けられる表示領域と、から構成され、
該表示領域が、マトリックス状に配列されている複数の画素を有し、
該画素が、少なくとも三種類の副画素と、を有し、
各該副画素の発光色がそれぞれ異なり、
各該副画素が、それぞれ下部電極と、少なくとも発光層を含む有機EL層と、上部電極と、からなる有機EL表示装置において、
互いに隣接する画素に含まれる副画素の配列パターンが、画素間境界線を挟んで線対称に配列される配列パターンであり、
該画素の両端に設けられる副画素には、同種の副画素に共通する共通発光層が設けられており、
該画素の両端に設けられる副画素以外の副画素には、該画素の両端に設けられる副画素のいずれかに共通するコモン発光層が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、メタルマスクの精細度に依存されない高精細の有機EL表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の有機EL表示装置における第一の実施形態を示す模式図であり、(a)は、有機EL表示装置の平面模式図であり、(b)は、(a)のAA’間の断面模式図である。
【図2】第一の実施形態の変形例を示す断面模式図である。
【図3】本発明の有機EL表示装置における第二の実施形態を示す模式図であり、(a)は、有機EL表示装置の平面模式図であり、(b)は、(a)のBB’間の断面模式図である。
【図4】第二の実施形態の変形例を示す断面模式図である。
【図5】本発明の有機EL表示装置における第三の実施形態を示す模式図であり、(a)は、有機EL表示装置の平面模式図であり、(b)は、(a)のCC’間の断面模式図である。
【図6】実施例1で作製した有機EL表示装置に含まれるR副画素のエネルギーダイアグラムを示す図である。
【図7】実施例2で作製した有機EL表示装置に含まれるR副画素のエネルギーダイアグラムを示す図である。
【図8】実施例3で作製した有機EL表示装置に含まれるR副画素及びG副画素のエネルギーダイアグラムを示す図であり、(a)は、R副画素のエネルギーダイアグラムを示す図であり、(b)は、G副画素のエネルギーダイアグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の有機EL表示装置は、基本的には、基板と、該基板上に設けられる表示領域と、から構成される表示装置である。
【0013】
本発明の有機EL表示装置において、この表示領域は、マトリックス状に配列されている複数の画素を有しており、当該画素は、少なくとも三種類の副画素と、を有し、各副画素の発光色はそれぞれ異なっている。
【0014】
また画素に含まれる各副画素は、それぞれ下部電極と、少なくとも発光層を含む有機EL層と、上部電極と、からなる部材である。尚、本発明の有機EL表示装置において、下部電極及び上部電極のうち、一方が光透過性電極であり、もう一方が光反射性電極である。
【0015】
本発明の有機EL表示装置において、互いに隣接する画素に含まれる副画素の配列パターンは、画素間境界線を挟んで線対称に配列される配列パターン、いわゆるミラー型の配列パターンである。例えば、画素が、発光色がそれぞれ異なる三種類の副画素、即ち、第一副画素と、第二副画素と、第三副画素と、を有する場合は、副画素の配列パターンは、以下に示されるパターンとなる。
【0016】
第一副画素、第二副画素、第三副画素、第三副画素、第二副画素、第一副画素、第一副画素、第二副画素、第三副画素、第三副画素、第二副画素、第一副画素・・・
つまり、第一副画素、第二副画素、第三副画素の順に配列されている画素の隣に、第三副画素、第二副画素、第一副画素の順に配列されている画素が交互に設けられていることになる。即ち、画素に含まれる副画素の配列パターンが、第一副画素、第二副画素、第三副画素、第三副画素、第二副画素、第一副画素、の繰り返しとなっている。
【0017】
本発明の有機EL表示装置において、画素の両端に設けられる副画素には、隣接する同種の副画素に共通する共通発光層が設けられている。一方、画素の両端に設けられる副画素以外の副画素には、画素の両端に設けられる副画素のいずれかと、画素の両端に設けられる副画素以外の副画素とに共通するコモン発光層が設けられている。例えば、画素が発光色がそれぞれ異なる三種類の画素、即ち、第一副画素と、第二副画素と、第三副画素と、を有する場合、第一副画素には同種の副画素に共通する第一発光層が設けられており、第三副画素には同種の副画素に共通する第二発光層が設けられている。一方、第二副画素には、第二副画素、並びに第一副画素及び第三副画素のいずれかに共通するコモン発光層が設けられている。
【0018】
上記のように発光層が設けられていることにより、画素の右端又は左端に設けられる副画素には、コモン発光層及び共通発光層(第一発光層又は第二発光層)の二種類の発光層が積層されている状態になる。
【0019】
本発明の有機EL表示装置において、好ましくは、コモン発光層及び共通発光層のうち波長の低い発光色を有する発光層は、光反射電極側に設けられる。発光波長が短い発光層を光反射電極側に配置することで、反射電極と各発光層との距離を、光路長に対して容易に最適値に設計することができる。
【0020】
以下に、本発明の具体的な実施形態を、図面を用いて説明する。
【0021】
[第一の実施形態]
図1は、本発明の有機EL表示装置における第一の実施形態を示す模式図であり、(a)は、有機EL表示装置の平面模式図であり、(b)は、(a)のAA’間の断面模式図である。
【0022】
本実施形態の有機EL表示装置1は、画素10がマトリックス状に配置されている。ここで図1(a)に示されるように、画素10は、R副画素10R、G副画素10G及びB副画素10Bの3種類の副画素からなる。また図1(a)に示されるように、3種類の副画素(10R、10G、10B)の配列パターンは、RGBBGRRGBBGR・・・となっている。
【0023】
図1(b)に示されるように、各副画素(10R、10G、10B)は、基本的には、基板11上に、下部電極12、有機EL層及び上部電極18がこの順で設けられている。また基板11上には、各副画素を区画するための画素間分離膜13が設けられている。
【0024】
以下、本実施形態の有機EL表示装置を構成する部材について説明する。
【0025】
基板11として、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板等の基板材料を使用することができる。尚、この基板材料を基材として、当該基材上に、下部電極12に電流を供給するための駆動回路を設けたものを基板として使用してもよい。
【0026】
下部電極12として、Al、Ag等の金属薄膜、ITO、IZO等の透明導電膜、又はこれら金属薄膜と透明導電膜とを積層して形成される積層体が挙げられる。
【0027】
各副画素を区画する画素間分離膜13として、SiN、SiO等の電気絶縁性無機膜、或いはPI、アクリル等の電気絶縁性高分子膜を使用することができる。
【0028】
下部電極12上に設けられる有機EL層は、少なくとも発光層を有する単層又は複数の層からなる積層体である。具体例として、図1(b)に示されるように、下部電極12側から順に、ホール輸送層14、発光層15(15R、15G、15B)、電子輸送層16及び電子注入層17の順に積層される積層体が挙げられるが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0029】
ホール輸送層14の構成材料として、公知のホール輸送性材料を使用することができる。尚、下部電極12とホール輸送層14との間に、介在層としてホール注入層を設けてもよい。ここでホール注入層を設ける際には、その構成材料として、公知のホール注入性材料を使用することができる。
【0030】
ホール輸送層14上には、発光層15が形成される。具体的には、B副画素10BにはB発光層15Bが形成され、R副画素10Rには、R発光層15RとG発光層15Gとからなる積層体が形成され、G副画素10Gには、G発光層15Gが形成されている。
【0031】
ところで、図1(b)に示されるように、B発光層15Bは、同色でありかつ互いに隣接する副画素10B及び10B’’に共通する発光層として連続して形成されている。同様に、R発光層15Rは、同色でありかつ互いに隣接する副画素10R及び10R’に共通する発光層として連続して形成されている。
【0032】
一方、G発光層15Gは、2つのG副画素10G及び10G’、並びに2つのR副画素10R及び10R’にわたって共通するコモン発光層として、ホール輸送層14及びR発光層15R上に、連続して形成されている。図1に示されるように、各画素がR、G、Bの3種類の副画素からなる有機EL表示装置においては、人間の視感度が高いG発光層15Gをコモン発光層として画素の中心に配置することにより、より高い解像感を有する表示装置とすることができる。
【0033】
図1(b)に示されるように有機EL表示装置を構成する各発光層を設けると、メタルマスクを用いた真空蒸着法で有機EL層(特に、発光層)を形成する際に、全ての有機EL層に対して、副画素の精細度よりも低い精細度のメタルマスクを用いることができる。従って、メタルマスクの精細度に依存されない高精細の有機EL表示装置を得ることができる。
【0034】
尚、各発光層(15R、15G、15B)の構成材料として、公知の発光材料を使用することができる。
【0035】
B発光層15B及びG発光層15G上には、電子輸送層16が形成されている。電子輸送層16の構成材料として、公知の電子輸送性材料を使用することができる。
【0036】
電子輸送層16上には、電子注入層17が形成されている。電子注入層17の構成材料として、公知の電子注入性材料を使用することができる。
【0037】
電子注入層17上には、上部電極18が形成されている。上部電極18として、Al、Ag等の金属薄膜、IZO、ITO等の透明導電膜、又はこれら金属薄膜と透明導電膜とを積層して形成される積層体が挙げられる。ここで発光層15からの光を取り出すために、下部電極12又は上部電極18は、透明又は半透明の薄膜とし、他方を金属薄膜とするのが望ましい。
【0038】
図1の有機EL表示装置1は、両電極(下部電極12、上部電極18)間に電流を流すと、R副画素10RからはR発光層15Rから発せられる赤色発光が出力される。またG副画素10GからはG発光層106Gから発せられる緑色発光が出力され、B副画素10BからはB発光層15Bから発せられる青色発光が出力される。
【0039】
ところで図1(b)に示されるように、R副画素10Rは、R発光層15RとG発光層15Gが設けられているが、R発光層15Rが選択的に発光するように調整されている。
【0040】
具体的な調製方法としては、例えば、R発光層15RのホストのHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギー準位に対して、G発光層15GのホストのHOMOエネルギー準位が低くなるように調整する。この調整を実現するために、各発光層の構成材料の組合せを適宜選択する必要がある。
【0041】
また、別の調整方法として、R発光層15RのホストのLUMO(Lowest Unoccupied Moleular Orbital)エネルギー準位に対して、G発光層15GのLUMOエネルギー準位が高くなるように調整する。この調整を実現するために、各発光層の構成材料の組合せを適宜選択する必要がある。
【0042】
上述した方法によりR発光層15RとG発光層15Gとの間のエネルギー準位を調整することにより、下部電極12から供給されるホールはG発光層15Gには移動せずにR発光層15Rに滞留する。また上部電極18から供給される電子はG発光層15Gを通過し容易にR発光層15Rへ移動する。従って、ホール及び電子はR発光層15Rで再結合し、R発光層15Rの発光色である赤色発光が得られる。
【0043】
R発光層15RとG発光層15Gとの間のエネルギー準位を調整する別の方法として、R発光層15RとG発光層15Gとの間に介在層を設ける方法がある。具体的には、R発光層15RとG発光層15Gとの間にホールブロック層又は電子輸送層を設ける。こうすることで、R発光層15RからG発光層15Gへのホールの移動が抑制されるので、より確実にR発光層15Rの発光のみを出力させることができる。尚、介在層であるホールブロック層、電子輸送層の構成材料として、公知の材料を使用することができる。
【0044】
次に、本実施形態の変形例について図面を適宜参照しながら以下に説明する。
【0045】
図2は、第一の実施形態の変形例を示す断面模式図である。図2(a)及び(b)に示されるように、G発光層15Gを、全ての副画素(10R、10G、10B)にわたって共通するコモン発光層として設けてもよい。図2(a)、(b)のような態様でG発光層15Gを設けると、コモン発光層でもあるG発光層15Gは、マトリックス状に配列された画素の全面、即ち、表示領域の全域にわたって連続して形成されることになる。これにより、G発光層15Gを形成する際は、表示領域の全域に開口を有するメタルマスクを使用すればよいことになる。
【0046】
ここでG発光層15GとB発光層15Bとを設ける順番は、特に限定されるものではない。即ち、図2(a)に示すように、ホール輸送層14上に、B発光層15B、G発光層15Gの順番で設けてもよい。また図2(b)に示すように、ホール輸送層14上に、G発光層15G、B発光層15Bの順番で設けてもよい。
【0047】
尚、図2(a)、(b)において、B副画素10Bでは、青色発光を出力することができるように、積層された発光層(15G、15B)のうち、B発光層15Bが選択的に発光するように調整する必要がある。
【0048】
また、図2(c)、(d)に示すように、G発光層15Gは、2つのG副画素10G及び10G’、並びに2つのB副画素10B及び10B’にわたって共通するコモン発光層として、ホール輸送層14上に、連続して形成されていてもよい。
【0049】
尚、図2(a)、(b)と同様に、G発光層15GとB発光層15Bとを設ける順番は、特に限定されるものではない。即ち、図2(d)に示すように、ホール輸送層14上に、B発光層15B、G発光層15Gの順番で設けてもよい。また図2(c)に示すように、ホール輸送層14上に、G発光層15G、B発光層15Bの順番で設けてもよい。
【0050】
また図2(a)、(b)と同様に、B副画素10Bでは、青色発光を出力することができるように、積層された発光層(15G、15B)のうち、B発光層15Bが選択的に発光するように調整する必要がある。
【0051】
[第二の実施形態]
図3は、本発明の有機EL表示装置における第二の実施形態を示す模式図であり、(a)は、有機EL表示装置の平面模式図であり、(b)は、(a)のBB’間の断面模式図である。尚、本実施形態においては、上述した第一の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0052】
本実施形態の有機EL表示装置2は、2つのG副画素10G及び10G’、並びに2つのR副画素10R及び10R’にわたって共通するコモン発光層として設けられるG発光層15G上にR発光層15Rが設けられている。
【0053】
第一の実施形態と同様に本実施形態においても、R副画素10Rにおいては、R発光層15Rから発せられる赤色発光を選択的に出力できるように適宜調整する必要がある。
【0054】
具体的な調製方法としては、例えば、R発光層15RのホストのHOMOエネルギー準位に対して、G発光層15GのホストのHOMOエネルギー準位が低くなるように調整する。この調整を実現するために、各発光層の構成材料の組合せを適宜選択する必要がある。
【0055】
また、別の調整方法として、R発光層15RのホストのLUMOエネルギー準位に対して、G発光層15GのLUMOエネルギー準位が高くなるように調整する。この調整を実現するために、各発光層の構成材料の組合せを適宜選択する必要がある。
【0056】
上述した方法によりR発光層15RとG発光層15Gとの間のエネルギー準位を調整することにより、下部電極12から供給されるホールはG発光層15Gを通過し容易にR発光層15Rへ移動する。また上部電極18から供給される電子はG発光層15Gには移動せずにR発光層15Rに滞留する。従って、ホール及び電子はR発光層15Rで再結合し、R発光層15Rの発光色である赤色発光が得られる。
【0057】
R発光層15RとG発光層15Gとの間のエネルギー準位を調整する別の方法として、R発光層15RとG発光層15Gとの間に介在層を設ける方法がある。具体的には、R発光層15RとG発光層15Gとの間にホール輸送層又は電子ブロック層を設ける。こうすることで、R発光層15RからG発光層15Gへのホールの移動が抑制されるので、より確実にR発光層15Rの発光のみを出力させることができる。尚、介在層であるホールブロック層、電子輸送層の構成材料として、公知の材料を使用することができる。
【0058】
次に、本実施形態の変形例について図面を適宜参照しながら以下に説明する。
【0059】
図4は、第一の実施形態の変形例を示す断面模式図である。図4(a)及び(b)に示されるように、G発光層15Gを、全ての副画素(10R、10G、10B)にわたって共通するコモン発光層として設けてもよい。
【0060】
ここでG発光層15GとB発光層15Bとを設ける順番は、特に限定されるものではない。即ち、図4(a)に示すように、ホール輸送層14上に、B発光層15B、G発光層15Gの順番で設けてもよい。また図4(b)に示すように、ホール輸送層14上に、G発光層15G、B発光層15Bの順番で設けてもよい。
【0061】
[第三の実施形態]
図5は、本発明の有機EL表示装置における第三の実施形態を示す模式図であり、(a)は、有機EL表示装置の平面模式図であり、(b)は、(a)のCC’間の断面模式図である。尚、本実施形態においては、上述した第一、第二の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0062】
図5(a)に示されるように、本実施形態の有機EL表示装置3は、3種類の副画素(10R、10G、10B)の配列パターンがRBGGBRRBGGBR・・・となっている。
【0063】
ところで、図5(b)に示されるように、G発光層15Gは、同色でありかつ互いに隣接する副画素10G及び10G’’に共通する発光層として連続して形成されている。同様に、R発光層15Rは、同色でありかつ互いに隣接する副画素10R及び10R’に共通する発光層として連続して形成されている。
【0064】
一方、B発光層15Bは、全ての副画素(10B、10G、19R)にわたって共通するコモン発光層として、ホール輸送層14、G発光層15G及びR発光層15R上に、連続して形成されている。
【0065】
ところで図1(b)に示されるように、R副画素10Rは、R発光層15RとB発光層15Bが設けられているが、R発光層15Rが選択的に発光するように調整されている。またG副画素10Gは、G発光層15RとB発光層15Bが設けられているが、G発光層15Rが選択的に発光するように調整されている。
【0066】
R副画素10Rにおける具体的な調整方法としては、例えば、R発光層15RのホストのHOMOエネルギー準位に対してB発光層15BのホストのHOMOエネルギー準位が低くなるように調整する。この調整を実現するために、各発光層の構成材料の組合せを適宜選択する必要がある。
【0067】
また、別の調整方法として、R発光層15RのホストのLUMOエネルギー準位に対して、B発光層15BのLUMOエネルギー準位が高くなるように調整する。この調整を実現するために、各発光層の構成材料の組合せを適宜選択する必要がある。
【0068】
上述した方法によりR発光層15RとB発光層15Bとの間のエネルギー準位を調整することにより、下部電極12から供給されるホールはB発光層15Bには移動せずにR発光層15Rに滞留する。また上部電極18から供給される電子はB発光層15Bを通過し容易にR発光層15Rへ移動する。従って、ホール及び電子はR発光層15Rで再結合し、R発光層15Rの発光色である赤色発光が得られる。
【0069】
R発光層15RとB発光層15Bとの間のエネルギー準位を調整する別の方法として、R発光層15RとB発光層15Bとの間に介在層を設ける方法がある。具体的には、R発光層15RとB発光層15Bとの間にホールブロック層又は電子輸送層を設ける。こうすることで、R発光層15RからB発光層15Bへのホールの移動が抑制されるので、より確実にR発光層15Rの発光のみを出力させることができる。尚、介在層であるホールブロック層、電子輸送層の構成材料として、公知の材料を使用することができる。
【0070】
G副画素10Gにおける具体的な調整方法は、基本的には、R副画素10Rと同様である。即ち、G発光層15GのホストのHOMOエネルギー準位に対してB発光層15BのホストのHOMOエネルギー準位が低くなるように調整する。あるいはG発光層15GのホストのLUMOエネルギー準位に対して、B発光層15BのLUMOエネルギー準位が高くなるように調整する。この調整を実現するために、各発光層の構成材料の組合せを適宜選択する必要がある。
【0071】
上述した方法によりG発光層15GとB発光層15Bとの間のエネルギー準位を調整することにより、G副画素10Gにおいて、R副画素10Rと同じ原理により、ホール及び電子がG発光層15Gで再結合し、G発光層15Gの発光色である緑色発光が得られる。
【実施例】
【0072】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。
【0073】
[実施例1]
図1に示される有機EL表示装置を、以下に示す方法により作製した。
【0074】
スパッタ法により、基板(駆動回路が内蔵されているガラス基板)11上に、Alを成膜し、Al膜を形成した。このときAl膜の膜厚は、200nmとした。次に、スパッタ法により、Al膜上に、IZOを成膜しIZO膜を形成した。このときIZO膜の膜厚は50nmであった。次に、フォトリソグラフィー法を用いてAl膜及びIZO膜からなる積層薄膜のパターニングを行った。以上の方法によりパターン形成されAl膜及びIZO膜は、下部電極12として機能し、コンタクトホール(不図示)により当該駆動回路に接続される。
【0075】
次に、スピンコート法により、下部電極12上にPIを成膜しPI膜を形成した。このときPI膜の膜厚は、1.5μmであった。次に、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行った。以上の方法によりパターン形成されPI膜は、画素間分離膜13として機能する。
【0076】
次に、真空蒸着法により、下部電極12及び画素間分離膜13上に、α−NPDを成膜しホール輸送層14を形成した。このときホール輸送層14の膜厚を50nmとし、成膜の際には、表示領域全体に開口を有するメタルマスクを用いた。
【0077】
次に、真空蒸着法により、ホール輸送層14上に、ホストであるBalqと、ゲスト(ドーパント)であるPeryleneとを、重量混合比で19:1となるように共蒸着してB発光層15Bを形成した。このときB発光層15Bの膜厚を30nmとした。また成膜の際には、B副画素10Bが設けられる位置に開口部を有し、当該開口部の大きさがB副画素(10B)2個分の大きさとなるメタルマスクを使用した。尚、この工程で形成されるB発光層15Bは、互いに隣接して配置されるB副画素10Bを跨ぎ共通する発光層となる。
【0078】
次に、真空蒸着法により、ホール輸送層14上に、ホストであるrubreneと、ゲスト(ドーパント)であるDCMとを、重量混合比で19:1となるように共蒸着してR発光層15Rを形成した。このときR発光層15Rの膜厚を30nmとした。また成膜の際には、R副画素10Rが設けられる位置に開口部を有し、当該開口部の大きさがR副画素(10R)2個分の大きさとなるメタルマスクを使用した。尚、この工程で形成されるR発光層15Rは、互いに隣接して配置されるR副画素10Rを跨ぎ共通する発光層となる。
【0079】
次に、真空蒸着法により、ホール輸送層14及びR発光層15R上に、ホストであるBalqと、ゲスト(ドーパント)であるCoumarin6とを、重量混合比で9:1となるように共蒸着してG発光層15Gを形成した。このときG発光層15Gの膜厚を30nmとした。また、成膜の際には、以下の(i)及び(ii)の特徴を有するメタルマスクを使用した。
(i)開口部の位置:G副画素10G及びR副画素10R、並びに隣接する画素に設けられるR副画素10R’及びG副画素10G’が設けられる位置
(ii)開口部1個あたりの面積:G副画素(10G)2個分とR副画素(10R)2個分とを足した面積
【0080】
次に、真空蒸着法により、B発光層15B及びG発光層15G上に、BCPを成膜し電子輸送層16を形成した。このとき電子輸送層16の膜厚を50nmとし、成膜の際には、表示領域全体に開口を有するメタルマスクを用いた。
【0081】
次に、真空蒸着法により、電子輸送層16上に、LiFを成膜し電子注入層17を形成した。このとき電子注入層17の膜厚を10nmとし、成膜の際には、表示領域全体に開口を有するメタルマスクを用いた。
【0082】
次に、スパッタ法により、電子注入層17上に、IZOを成膜し上部電極18を形成した。このとき上部電極18の膜厚を30nmとし、成膜の際には、表示領域よりも広い開口を有するメタルマスクを用いた。以上に示す方法により有機EL表示装置を得た。
【0083】
図7は、本実施例の有機EL表示装置におけるR副画素10Rのエネルギーダイアグラムを示す図である。本実施例においては、下部電極12側からホールが、上部電極18側から電子が、それぞれ注入される。ここで下部電極12から注入されたホールは、R発光層15RのHOMO準位と、G発光層15GのHOMO準位との間のエネルギー障壁によって、G発光層15G側へ移動せず、R発光層15R内に局在する。また、上部電極18から注入された電子は、R発光層15RのLUMO準位がG発光層15GのLUMO準位よりも低いために、容易にR発光層15R内に移動する。従って、ホール及び電子は、R発光層15R内で再結合するため、R副画素10RではG発光層15Gが発光することなく、R発光層15Rが選択的に発光する。従って、赤色発光が得られる。
【0084】
以上に示した方法により有機EL表示装置を製造すれば、メタルマスクを用いた真空蒸着法により有機EL層を形成する際に、全ての有機EL層において、副画素の精細度よりも低い精細度のメタルマスクを用いることができる。従って、メタルマスク固有の精細度を超えた精細度を有する有機EL表示装置を得ることができる。
【0085】
[実施例2]
図4に示される有機EL表示装置を、以下に示す方法により作製した。
【0086】
実施例1と同様にして、基板11上に、ホール輸送層14までを形成した。
【0087】
次に、実施例1と同様にしてB発光層15Bを形成した。この工程で形成されるB発光層15Bは、実施例1と同様に互いに隣接して配置されるB副画素10Bを跨ぎ共通する発光層となる。
【0088】
次に、真空蒸着法により、ホール輸送層14上に、ホストであるAlq3と、ゲスト(ドーパント)であるCoumarin6とを、重量混合比で9:1となるように共蒸着してG発光層15Gを形成した。このときG発光層15Gの膜厚を30nmとした。また、成膜の際には、以下の(i)及び(ii)の特徴を有するメタルマスクを使用した。
(i)開口部の位置:G副画素10G及びR副画素10R、並びに隣接する画素に設けられるR副画素10R’及びG副画素10G’が設けられる位置
(ii)開口部1個あたりの面積:G副画素(10G)2個分とR副画素(10R)2個分とを足した面積
【0089】
次に、真空蒸着法により、G発光層15G上に、α−NPDを成膜し電子ブロック層(不図示)を形成した。このとき電子ブロック層の膜厚を10nmとした。また成膜の際には、R副画素10Rが設けられる位置に開口部を有し、当該開口部の大きさがR副画素(10R)2個分の大きさとなるメタルマスクを使用した。
【0090】
次に、真空蒸着法により、電子ブロック層上に、ホストであるrubreneと、ゲスト(ドーパント)であるDCMとを、重量混合比で19:1となるように共蒸着してR発光層15Rを形成した。このときR発光層15Rの膜厚を30nmとした。また成膜の際には、R副画素10Rが設けられる位置に開口部を有し、当該開口部の大きさがR副画素(10R)2個分の大きさとなるメタルマスクを使用した。尚、この工程で形成されるR発光層15Rは、互いに隣接して配置されるR副画素10Rを跨ぎ共通する発光層となる。
【0091】
その後、実施例1と同様にして、電子輸送層16、電子注入層17、上部電極18を順次形成し、有機EL表示装置を得た。
【0092】
図8は、本実施例の有機EL表示装置における、R副画素のエネルギーダイアグラムを示す図である。本実施例では、下部電極12側からホールが、上部電極18側から電子がそれぞれ注入される。ここでホール輸送層14、G発光層15G及び電子ブロック層のHOMO準位がそれぞれ近しい値であるため、下部電極12から注入されたホールは、ホール輸送層14、G発光層15G及び電子ブロック層を順次移動して、R発光層15Rに移動する。一方、上部電極18から注入された電子は、電子ブロック層のLUMO準位と、R発光層15RのLUMO準位との間のエネルギー障壁によって、電子ブロック層に移動せずにR発光層15R内に局在する。従って、ホール及び電子は、R発光層15R内で再結合するため、R副画素10RではG発光層15Gが発光することなく、R発光層15Rが選択的に発光する。従って、赤色発光が得られる。
【0093】
以上に記した有機EL表示装置の製造においては、メタルマスクを用いた真空蒸着法で有機層を形成する際に、全ての有機層に対して、副画素の精細度よりも低い精細度のメタルマスクを用いることができる。従って、製造可能なメタルマスクの精細度以上の精細度を有する有機EL表示装置を得ることができる。
【0094】
[実施例3]
図6に示される有機EL表示装置を、以下に示す方法により作製した。
【0095】
実施例1と同様にして、基板11上に、ホール輸送層14までを形成した。
【0096】
次に、真空蒸着法により、ホール輸送層14上に、ホストであるrubreneと、ゲスト(ドーパント)であるDCMとを、重量混合比で19:1となるように共蒸着してR発光層15Rを形成した。このときR発光層15Rの膜厚を30nmとした。また成膜の際には、R副画素10Rが設けられる位置に開口部を有し、当該開口部の大きさがR副画素(10R)2個分の大きさとなるメタルマスクを使用した。尚、この工程で形成されるR発光層15Rは、互いに隣接して配置されるR副画素10Rを跨ぎ共通する発光層となる。
【0097】
次に、真空蒸着法により、ホール輸送層14上に、ホストであるAlq3と、ゲスト(ドーパント)であるCoumarin6とを、重量混合比で9:1となるように共蒸着してG発光層15Gを形成した。このときG発光層15Gの膜厚を30nmとした。また成膜の際には、G副画素10Gが設けられる位置に開口部を有し、当該開口部の大きさがR副画素(10G)2個分の大きさとなるメタルマスクを使用した。尚、この工程で形成されるG発光層15Gは、互いに隣接して配置されるG副画素10Gを跨ぎ共通する発光層となる。
【0098】
次に、真空蒸着法により、ホール輸送層14、R発光層15R及びG発光層15G上に、ホストであるBalqと、ゲスト(ドーパント)であるPeryleneとを、重量混合比で19:1となるように共蒸着してB発光層15Bを形成した。このときB発光層15Bの膜厚を30nmとし、成膜の際には、表示領域全体に開口を有するメタルマスクを用いた。尚、この工程で形成されるB発光層15Bは、各副画素(B副画素10B、G副画素10G、R副画素10R)に共通して設けられる発光層となる。
【0099】
その後、実施例1と同様にして、電子輸送層16、電子注入層17、上部電極18を順次形成し、有機EL表示装置を得た。
【0100】
図9は、本実施例の有機EL表示装置における、エネルギーダイアグラムを示す図であり、(a)は、R副画素のエネルギーダイアグラムを示す図であり、(b)は、G副画素のエネルギーダイアグラムを示す図である。
【0101】
本実施例においては、下部電極11側からホールが、上部電極17側から電子が、それぞれ注入される。
【0102】
ここでR副画素10Rにおいては、R発光層15RのHOMO準位と、B発光層15BのHOMO準位との間にあるエネルギー障壁によって、下部電極12から注入されたホールは、B発光層15B側へ移動せずR発光層15R内に局在する。一方、R発光層15RのLUMO準位がB発光層15BのLUMO準位よりも低いので、上部電極18から注入された電子は、容易にR発光層15R内に移動する。このため、ホール及び電子は、R発光層15R内で再結合するので、R副画素10RではB発光層15Bが発光することなく、R発光層15Rが選択的に発光する。従って、赤色発光が得られる。
【0103】
またG副画素10Gにおいては、G発光層15GのHOMO準位と、B発光層15BのHOMO準位との間にあるエネルギー障壁によって、下部電極12から注入されたホールは、B発光層15B側へ移動せずG発光層15G内に局在する。一方、G発光層15GのLUMO準位がB発光層15BのLUMO準位よりも低いので、上部電極18から注入された電子は、容易にG発光層15G内に移動する。このため、ホール及び電子は、G発光層15G内で再結合するので、G副画素10GではB発光層15Bが発光することなく、G発光層15Gが選択的に発光する。従って、緑色発光が得られる。
【0104】
以上に記した有機EL表示装置の製造においては、メタルマスクを用いた真空蒸着法で有機層を形成する際に、全ての有機層に対して、副画素の精細度よりも低い精細度のメタルマスクを用いることができる。従って、製造可能なメタルマスクの精細度以上の精細度を有する有機EL表示装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0105】
1,2,3 有機EL表示装置
10 画素
10R R副画素
10G G副画素
10B B副画素
11 基板
12 下部電極
13 画素間分離膜
14 ホール輸送層
15 発光層
15R R発光層
15G G発光層
15B B発光層
16 電子輸送層
17 電子注入層
18 上部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板上に設けられる表示領域と、から構成され、
該表示領域が、マトリックス状に配列されている複数の画素を有し、
該画素が、少なくとも三種類の副画素と、を有し、
各該副画素の発光色がそれぞれ異なり、
各該副画素が、それぞれ下部電極と、少なくとも発光層を含む有機EL層と、上部電極と、からなる有機EL表示装置において、
互いに隣接する画素に含まれる副画素の配列パターンが、画素間境界線を挟んで線対称に配列される配列パターンであり、
該画素の両端に設けられる副画素には、同種の副画素に共通する共通発光層が設けられており、
該画素の両端に設けられる副画素以外の副画素には、該画素の両端に設けられる副画素のいずれかに共通するコモン発光層が設けられていることを特徴とする、有機EL表示装置。
【請求項2】
基板と、該基板上に設けられる表示領域と、から構成され、
該表示領域が、マトリックス状に配列されている複数の画素を有し、
該画素が、第一副画素と、第二副画素と、第三副画素と、を有し、
該第一副画素、該第二副画素、及び該第三副画素の発光色がそれぞれ異なり、
該第一副画素、該第二副画素、及び該第三副画素が、それぞれ下部電極と、少なくとも発光層を含む有機EL層と、上部電極と、からなる有機EL表示装置において、
該画素に含まれる副画素の配列パターンが、第一副画素、第二副画素、第三副画素、第三副画素、第二副画素、第一副画素、の繰り返しであり、
該第二副画素には、第二副画素、並びに第一副画素及び第三副画素のいずれかに共通するコモン発光層が設けられており、
該第一副画素には、同種の副画素に共通する第一発光層が設けられており、
該第三副画素には、同種の副画素に共通する第二発光層が設けられていることを特徴とする、有機EL表示装置。
【請求項3】
前記第一副画素、前記第二副画素及び前記第三副画素が、それぞれR副画素、G副画素又はB副画素であり、G副画素が前記画素の中心に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の有機EL表示装置。
【請求項4】
前記下部電極又は前記上部電極が光反射性電極であり、前記コモン発光層、及び前記第一発光層又は前記第二発光層のうち波長の短い発光色を有する発光層が、該光反射電極側に形成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の有機EL表示装置。
【請求項5】
前記コモン発光層が、マトリックス状に配列された前記画素の全面にわたって連続して形成されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
【請求項6】
前記コモン発光層と、前記第一発光層又は前記第二発光層との間に、さらに介在層が設けられていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
【請求項7】
前記介在層が、ホール輸送層又は電子ブロック層であることを特徴とする、請求項6に記載の有機EL表示装置。
【請求項8】
前記介在層が、電子輸送層又はホールブロック層であることを特徴とする、請求項6に記載の有機EL表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−48962(P2011−48962A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195064(P2009−195064)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】