説明

期間表示器

【課題】耐候性に優れた期間表示器を提供する。
【解決手段】基板層及び該基板層の片面又は両面の一部又は全部に積層された液状物質の保持量の変化に応じて少なくとも2つの視覚的に相異なる状態を呈する表示層を有してなるシート基材3に、液状物質が保持されてなる液状物質保持シート全体が、厚さ10〜100μmのオレフィン系樹脂フィルム4で被覆され外周がヒートシール5で封止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、期間表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、含有液体の残存量に応じて表示面上に一定の表示を発現させたり、消失させる形式のインジケーターが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】実公平5−938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた期間表示器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は優れた期間表示器を提供すべく検討の結果、下記の期間表示器が優れた性能を有することを見出し本発明に到った。
即ち、本発明は下記1.〜10.の通りである。
1. 基板層及び該基板層の片面又は両面の一部又は全部に積層された液状物質の保持量の変化に応じて少なくとも2つの視覚的に相異なる状態を呈する表示層を有してなるシート基材に、液状物質が保持されてなる液状物質保持シート全体が、厚さ10〜100μmのオレフィン系樹脂フィルムで被覆されてなる期間表示器。
2. 基板層が、目付10〜1000g/m2の繊維質シートである1.記載の期間表示器。
3. 液状物質が、25℃における蒸気圧が5.0×10-6〜5.0×10-4mmHgのエステル化合物である1.又は2.記載の期間表示器。
4. 液状物質が、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル及びパルミチン酸イソプロピルから選ばれるいずれか一種以上のエステル化合物である1.〜3.いずれか一項記載の期間表示器。
5. オレフィン系樹脂フィルムの厚さが、10〜70μmである1.〜4.いずれか一項記載の期間表示器。
6. オレフィン系樹脂フィルムが、ポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムである1.〜5.いずれか一項記載の期間表示器。
7. 液状物質の保持量がシート基材の見かけ体積1cm3あたり0.01〜0.5gである1.〜6.いずれか一項記載の期間表示器。
8. 1.〜7.いずれか一項記載の期間表示器と害虫防除材とが保持部材に装着されてなる期間表示機能付き害虫防除器。
9. 害虫防除材が、熱可塑性樹脂に害虫防除成分が保持されてなる樹脂製害虫防除材である8.記載の期間表示機能付き害虫防除器。
10. 1.〜7.いずれか一項記載の期間表示器及び害虫防除材を害虫の生息場所又は侵入場所に設置した後、期間表示器の視覚的な状態変化の有無に基づいて害虫防除材の有効期間を判断する方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の期間表示器は、従来の期間表示器では耐候性などの面で問題があった屋外での使用にも容易に使用できるものである。
従って、屋外での使用で用いられる各種の害虫防除材、例えば、熱可塑性樹脂に害虫防除成分が保持されてなる樹脂製害虫防除材の有効期限を確認するために用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の期間表示器は、片面又は両面が液状物質の担持量の変化に応じて2つの視覚的に相異なる状態を呈する表示層を有してなるシート基材に液状物質が保持されてなる液状物質保持シート全体が、オレフィン系樹脂フィルムで被覆されてなるものである。
【0008】
本発明における、基板層及び該基板層の片面又は両面の一部又は全部に積層された液状物質の保持量の変化に応じて少なくとも2つの視覚的に相異なる状態を呈する表示層を有してなるシート基材とは、前記の表示層を有するシート基材であれば特に限定されるものではないが、例えば、基板層と、該基板層の片面又は両面の一部又は全部に液状物質含有時に透明に変性する表示層とが積層されたものが挙げられる。
【0009】
基板層は、液状物質を担持することができる材質のシート、例えば繊維質及び/又は多孔質の材質のシートで形成される。繊維質シートとしては、例えば、紙、板紙、合成繊維混抄紙、不織布、フェルト状織物及び布帛状無機繊維が挙げられ、多孔質シートとしては、例えば多孔性セラミックが挙げられる。かかる基板層としては、目付が通常5〜1500g/m2、好ましくは10〜1000g/m2のものが用いられる。
【0010】
基板層は、表示層の変化の視認性を高める観点から着色されていることが好ましい。着色された基板層は、例えば予め着色した繊維質材料から基板層を形成させる、形成された基板層に着色剤を含浸させる、基板層の表面に着色料を塗布又は印刷することにより製造される。
【0011】
液状物質含有時に透明に変性する表示層とは、液状物質含有時に透明であり液状物質非含有時に不透明である層であり、よって、液状物質の保持量の変化に応じて、基板層の色を呈する状態と表示層の色を呈する状態との視覚的に相異なる状態を呈することを可能とする層である。液状物質含有時に透明に変性する層は、通常多孔性で液状物質透過性を有する。
液状物質含有時に透明に変性する表示層は、例えば無定形シリカ、カオリン、炭酸カルシウム等の無機顔料、プラスチックピグメント微粉体等の有機顔料又はパルプ粉末等の液状物質含有時に光に対して低屈折率を呈する材質とバインダーとを混合したもので構成される。この場合のバインダーとしては、例えば酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、NBR、SBR、及びアクリル系その他のラテックスを用いることができる。
【0012】
液状物質含有時に透明に変性する表示層は、例えば塗布、印刷(スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等)等の方法で基板層に積層させることができる。
液状物質含有時に透明に変性する層の厚さは、通常4〜150g/m2、好ましくは10〜60g/m2となるように調整される。
【0013】
液状物質含有時に透明に変性する表示層を基板層に対して印刷することにより積層させる場合、光に対して低屈折率を呈する材質とバインダーとの量比は、光に対して低屈折率を呈する材質100重量部に対してバインダーが通常10〜30重量部程度であり、液状物質含有時に透明に変性する層を基板層に対して塗布することにより積層させる場合、光に対して低屈折率を呈する材質とバインダーとの量比は、光に対して低屈折率を呈する材質100重量部に対してバインダーが通常50重量部程度である。
【0014】
なお、液状物質含有時に透明に変性する層は基板層全体に積層されていてもよく、また、液状物質含有時に透明に変性する層は、基板層の一部、例えば「END」、「終了」、「おとりかえ」等の文字状になるように形成されていてもよい。
前記シート基材に液状物質を担持させる方法としては、例えば液状物質を前記シート基材に含浸させる方法が挙げられる。前記シート基材に担持される液状物質の量は、前記シート基材の見かけ体積1cm3あたり、通常0.001〜0.7g、好ましくは0.01〜0.5gの割合である。
【0015】
本発明における、液体担体は特に限定されるものではなく、適用形態に応じて適宜選択されるものであるが、常温における使用に際しては、例えば、Stephen F. Donovanによって報告された方法(New method for estimating vapor pressure by the use of gas chromatography: Journal of Chromatography A. 749(1996)123-129、以下、Donovan法と記す。)により求められる25℃における蒸気圧が5.0×10-6〜5.0×10-4mmHg、好ましくは5.0×10-6〜1.0×10-4mmHgであるエステル系化合物が挙げられる。
Donovan法により求められる25℃における蒸気圧が5.0×10-6〜5.0×10-4mmHgであるエステル化合物としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル(25℃における蒸気圧:5.5×10-5mmHg)、ラウリン酸ブチル(25℃における蒸気圧:8.7×10-5mmHg)及びパルミチン酸イソプロピル(25℃における蒸気圧:8.1×10-6mmHg)等のモノエステル化合物、並びに、クエン酸トリエチル(25℃における蒸気圧:4.1×10-4mmHg)及びアセチルクエン酸トリエチル(25℃における蒸気圧:1.5×10-4mmHg)が挙げられる。
本発明においてはこれらの液状担体を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0016】
本発明の期間表示器は、上記のようにして製造される液状物質保持シート全体を、オレフィン系樹脂フィルムにより被覆することにより製造することができる。
【0017】
かかるオレフィン系樹脂フィルムに用いられる樹脂の材質としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(直鎖状、分岐鎖状)、高密度ポリエチレン)及びポリプロピレンが挙げられ、これらの材質からなるフィルムとしては、無延伸、延伸(単軸延伸、二軸延伸)のものが挙げられる。
具体的には、無延伸の直鎖状低密度ポリエチレンフィルムとしては、例えばリックス(登録商標、東洋紡績株式会社製)フィルム L4102が挙げられ、無延伸ポリプロピレンフィルムとしては、例えばパイレン(登録商標、東洋紡績株式会社製)フィルム−CT P−1011、パイレン(登録商標、東洋紡績株式会社製)フィルム−OT P−1111が挙げられ、二軸延伸ポリプロピレンフィルムとしては、例えばパイレン(登録商標、東洋紡績株式会社製)フィルム−OT P−2161、パイレン(登録商標、東洋紡績株式会社製)フィルム−OT P−2261が挙げられる。
【0018】
本発明に用いられるオレフィン系樹脂フィルムは、期間表示器の表示期間によりその種類や厚さなどは適宜選択されるものであるが、その厚さは通常10〜100μm、好ましくは10〜70μmのものが用いられる。
本発明の期間表示器は、液状物質保持シートの周囲全体を被覆することにより製造できる。かかる被覆の方法としては、例えば液状物質保持シートの上面及び下面をオレフィン系樹脂フィルムで覆った後、液状物質保持シートの外周部分で重なり合うオレフィン系樹脂フィルムをヒートシールする方法、及び、オレフィン系樹脂フィルムからなる袋状物の内部に液状物質保持シート入れた後、該袋状物の開口部をヒートシールする方法が挙げられる。
【0019】
本発明の期間表示器は、例えば、その保存時にはガスバリアー性樹脂フィルム、アルミラミネート等の密封材により密封して保存され、またその使用時には前記の保存状態から密封材を開封して密封材を取り除いてから用いられる。
また表示層の視認性に影響を与えない範囲で、オレフィン系樹脂フィルムの外部の一部を前記した密封材等で被覆することにより、使用開始時から表示層の視覚的な変化までに要する期間を調整することができる。
【0020】
本発明の期間表示器は、例えば、害虫防除材とともに装着されてなる害虫防除器とすることにより、該害虫防除材の有効期間を容易に視認するために用いることができる。かかる害虫防除材としては、例えば、US2006/0052444等に記載される熱可塑性樹脂に常温で蒸散する害虫防除成分が保持されてなる害虫防除材、及び、特開平11−92303号公報等に記載される送風式蚊取り器などに用いられる害虫防除材が挙げられる。
かかる場合には、予め測定された害虫防除材の有効期間の終期において、表示層が視覚的に変化するようにシート基材の材質、液状物質の種類及び保持量、オレフィン系樹脂フィルムの種類等を選択することにより、前記害虫防除材に適した本発明の期間表示器を作製することができる。
【0021】
そして害虫防除材と該害虫防除材の有効期間の終期において表示層が視覚的に変化するように作製された本発明の期間表示器とが保持部材に装着された期間表示機能付害虫防除器を害虫の生息場所又は侵入場所に設置して用いることにより、害虫を防除することが可能となるとともに、該期間表示器の視覚的な変化が生じることにより該害虫防除材の有効期間の終了が確認できるため、該害虫防除材の取替え時期が容易に確認することができる。
【0022】
かかる害虫防除材を送風式蚊取り器に用いる場合には、送風手段により生起する気流の風上側又は風下側に該期間表示器及び該害虫防除材を別個に装着することもできるが、例えば図3及び図4の通り、該期間表示器A及び該害虫防除材Bと、これらの保持用型枠Cとを組み合わせてカートリッジDとし、該カートリッジDを送風手段であるファン式送風機Fの風上側又は風下側に配置して期間表示機能付害虫防除器とし、該期間表示機能付害虫防除器を害虫の生息場所又は侵入場所に設置してモーターEを作動させることにより用いることができる。
一方、害虫防除材が熱可塑性樹脂に常温で蒸散する害虫防除成分が保持されてなる害虫防除材である場合には、前記の送風式蚊取り器と同様に用いることもでき、また、例えば図5の通り、該期間表示器K及び該害虫防除材Lをこれらの保持用型枠Mに装着して期間表示機能付害虫防除器Nとし、該期間表示機能付害虫防除器Nを害虫の生息場所又は侵入場所に、例えば図6の通り、該保持用型枠に設けられたフックを介して懸吊する等により用いることができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明を製造例、試験例等により説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0024】
製造例1
図1に示される形状で、青色湿式不織布(2.0cm×2.8cm、厚さ 0.4mm、目付 84g/m2)の片面の一部に表示層として『おとりかえ』の白色文字を積層(無定型シリカ/アクリル系ラテックス=1/0.5の混合物を15g/m2の量でスクリーン印刷したもの)したシート基材に、ミリスチン酸イソプロピル 約25mgを含浸させて、該表示層が透明に変性した液状物質保持シートを作製する。
該液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのリックス(登録商標)フィルム L4102(直鎖状低密度ポリエチレン、東洋紡績株式会社製、密度0.92g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(1)と記す。)を得る。
【0025】
製造例2
製造例1と同様に作製される液状物質保持シートの上下両面を、厚さ20μmのパイレン(登録商標)フィルム−OT P2161(2軸延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.91g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(2)と記す。)を得る。
【0026】
製造例3
製造例1と同様に作製される液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのパイレン(登録商標)フィルム−OT P2161(2軸延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.91g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(3)と記す。)を得る。
【0027】
製造例4
製造例1と同様に作製した液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのパイレン(登録商標)フィルム−CT P1011(無延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.90g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(4)と記す。)を得る。
【0028】
製造例5
図1に示される形状で、青色湿式不織布(2.0cm×2.8cm、厚さ 0.4mm、目付 84g/m2)の片面の一部に表示層として『おとりかえ』の白色文字を積層(無定型シリカ/アクリル系ラテックス=1/0.5の混合物を15g/m2の量でスクリーン印刷したもの)したシート基材に、パルミチン酸イソプロピル 約25mgを含浸させて、該表示層が透明に変性した液状物質保持シートを作製する。
該液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのリックス(登録商標)フィルム L4102(直鎖状低密度ポリエチレン、東洋紡績株式会社製、密度0.92g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(5)と記す。)を得る。
【0029】
製造例6
製造例5と同様に作製される液状物質保持シートの上下両面を、厚さ20μmのパイレン(登録商標)フィルム−OT P2161(2軸延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.91g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(6)と記す。)を得る。
【0030】
製造例7
製造例5と同様に作製される液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのパイレン(登録商標)フィルム−OT P2161(2軸延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.91g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(7)と記す。)を得る。
【0031】
製造例8
製造例5と同様に作製される液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのパイレン(登録商標)フィルム−CT P1011(無延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.90g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(8)と記す。)を得る。
【0032】
製造例9
図1に示される形状で、青色湿式不織布(2.0cm×2.8cm、厚さ 0.4mm、目付 84g/m2)の片面の一部に表示層として『おとりかえ』の白色文字を積層(無定型シリカ/アクリル系ラテックス=1/0.5の混合物を15g/m2の量でスクリーン印刷したもの)したシート基材に、ラウリン酸ブチル 約25mgを含浸させて、該表示層が透明に変性した液状物質保持シートを作製する。
該液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのリックス(登録商標)フィルム L4102(直鎖状低密度ポリエチレン、東洋紡績株式会社製、密度0.92g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(9)と記す。)を得る。
【0033】
製造例10
製造例9と同様に作製される液状物質保持シートの上下両面を、厚さ20μmのパイレン(登録商標)フィルム−OT P2161(2軸延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.91g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(10)と記す。)を得る。
【0034】
製造例11
製造例9と同様に作製される液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのパイレン(登録商標)フィルム−OT P2161(2軸延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.91g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(11)と記す。)を得る。
【0035】
製造例12
製造例9と同様に作製される液状物質保持シートの上下両面を、厚さ30μmのパイレン(登録商標)フィルム−CT P1011(無延伸ポリプロピレン、東洋紡績株式会社製、密度0.90g/cm3)で挟み、液状物質保持シートの外周部に1mmの間隔を設けてヒートシールすることにより、本発明の期間表示器(以下、本発明期間表示器(12)と記す。)を得る。
【0036】
製造例13
本発明期間表示器(1)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(13)を得る。
【0037】
製造例14
本発明期間表示器(2)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(14)を得る。
【0038】
製造例15
本発明期間表示器(3)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(15)を得る。
【0039】
製造例16
本発明期間表示器(4)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(16)を得る。
【0040】
製造例17
本発明期間表示器(5)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(17)を得る。
【0041】
製造例18
本発明期間表示器(6)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(18)を得る。
【0042】
製造例19
本発明期間表示器(7)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(19)を得る。
【0043】
製造例20
本発明期間表示器(8)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(20)を得る。
【0044】
製造例21
本発明期間表示器(9)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(21)を得る。
【0045】
製造例22
本発明期間表示器(10)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(22)を得る。
【0046】
製造例23
本発明期間表示器(11)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(23)を得る。
【0047】
製造例24
本発明期間表示器(12)の表示層と反対側の面全体をアルミホイルで被覆することにより、本発明期間表示器(24)を得る。
【0048】
次に試験例を示す。
【0049】
試験例1
本発明期間表示器(1)、(2)、(3)、(5)、(6)、(7)、(13)、(14)及び(15)を30℃、風速0.5m/sの気流下に静置した。その後、本発明期間表示器の各々の表示層が明瞭に白色を呈するまでの期間(呈色期間)を測定した(2反復)。
その結果を(表1)に示す。
【0050】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の期間表示器に用いられるシート基材の一態様を示す正面図である。
【図2】図1に示されるシート基材を用いて製造される本発明の期間表示器の一態様を示す上面図である。該期間表示器は、使用開始時には『おとりかえ』の文字は実際には液状物質の保持により不透化した状態である。
【図3】本発明の期間表示器と、ネット状の担体に害虫防除成分が保持されてなる害虫防除材とを保持用型枠と組み合わせたカートリッジの一態様を示す斜視図である。
【図4】図3に示されるカートリッジを送風手段に配置した期間表示機能付害虫防除器の一態様を示す斜視図である。
【図5】本発明の期間表示器、及び、ネット状に成形された熱可塑性樹脂に害虫防除成分が保持されてなる樹脂製害虫防除材を保持用型枠に装着した本発明の期間表示機能付き害虫防除器の一態様を示す正面図である。
【図6】図5に示される本発明の期間表示機能付き害虫防除器のベランダの物干し竿に懸吊しての使用の一態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1・・・表示層
2・・・基板層
3・・・シート基材
4・・・オレフィン系樹脂フィルム
5・・・オレフィン系樹脂フィルムのヒートシール部
A、K・・・本発明の期間表示器
B・・・害虫防除材
C・・・本発明の期間表示器A及び害虫防除材Bの保持用型枠
D・・・本発明の期間表示器A及び害虫防除材Bが保持用型枠Cに保持されたカートリッジ
E・・・モーター
F・・・ファン式送風機
L・・・ネット状に成形された樹脂製害虫防除材
M・・・本発明の期間表示器及び樹脂製害虫防除材の保持用型枠
N・・・本発明の期間表示機能付き害虫防除器



【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板層及び該基板層の片面又は両面の一部又は全部に積層された液状物質の保持量の変化に応じて少なくとも2つの視覚的に相異なる状態を呈する表示層を有してなるシート基材に、液状物質が保持されてなる液状物質保持シート全体が、厚さ10〜100μmのオレフィン系樹脂フィルムで被覆されてなる期間表示器。
【請求項2】
基板層が、目付10〜1000g/m2の繊維質シートである請求項1記載の期間表示器。
【請求項3】
液状物質が、25℃における蒸気圧が5.0×10-6〜5.0×10-4mmHgのエステル化合物である請求項1又は2記載の期間表示器。
【請求項4】
液状物質が、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル及びパルミチン酸イソプロピルから選ばれるいずれか一種以上のエステル化合物である請求項1〜3いずれか一項記載の期間表示器。
【請求項5】
オレフィン系樹脂フィルムの厚さが、10〜70μmである請求項1〜4いずれか一項記載の期間表示器。
【請求項6】
オレフィン系樹脂フィルムが、ポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムである請求項1〜5いずれか一項記載の期間表示器。
【請求項7】
液状物質の保持量がシート基材の見かけ体積1cm3あたり0.01〜0.5gである請求項1〜6いずれか一項記載の期間表示器。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか一項記載の期間表示器と害虫防除材とが保持部材に装着されてなる期間表示機能付き害虫防除器。
【請求項9】
害虫防除材が、熱可塑性樹脂に害虫防除成分が保持されてなる樹脂製害虫防除材である請求項8記載の期間表示機能付き害虫防除器。
【請求項10】
請求項1〜7いずれか一項記載の期間表示器及び害虫防除材を害虫の生息場所又は侵入場所に設置した後、期間表示器の視覚的な状態変化の有無に基づいて害虫防除材の有効期間を判断する方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−76607(P2008−76607A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253959(P2006−253959)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】