説明

木材材料を製造する方法

本発明は、少なくとも1種の、支持体または他の化粧板層で平坦に接着された薄い化粧板層を有する木材材料を製造する方法に関し、前記方法は以下の工程からなる。i)化粧板に水性硬化性組成物を含浸させる、前記組成物は、a)式CHOR、式中、Rは水素またはC〜C−アルキルである、の少なくとも1個のN−結合した基および/または尿素の2つの窒素原子に架橋した1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する尿素化合物H、尿素化合物Hの前縮合物、および尿素化合物Hと、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴエチレングリコールから選択される少なくとも1種のアルコールとの反応生成物または混合物から選択される少なくとも1種の架橋可能な尿素化合物、およびb)尿素化合物の架橋を生じる少なくとも1種の触媒Kを含有する、ii)含浸した化粧板を接着剤で接着する、およびiii)架橋可能な尿素化合物が硬化して接着した化粧板を高温で木材材料に加工する。その際工程ii)で接着する前に含浸した化粧板が実質的に未架橋で架橋可能な尿素化合物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は少なくとも1個の、支持体または他の化粧板層で平坦に接着された薄い化粧板層を有する木材材料を製造する方法に関する。
【0002】
仕上げした床を含めて木材(化粧木材)からなる化粧板層を有する木材材料はその美的特性のほかに完全な木材に比べて均一な特性により際立っている。これに対して周囲の湿度が変動した場合にその低い形状安定性およびその生物的安定性が不利であることが示され、これらの材料は一般に気候に安定でない。更に気候状況が変化した場合に木材の膨張および収縮により接着の継ぎ目に強い負荷がかかり、数時間後に機械的特性を消失し、化粧板層が支持体から剥離し、または化粧板複合体の場合に複合体の分離が生じる。
【0003】
殺生物剤仕上げによる木材の処理により木材を変色するおよび/または木材を破壊する微生物での被害の不安が減少するが、これは付加的な費用の要因であり、生態的理由から問題である。湿分の影響での不足する機械的安定性および変形の問題はこの処理により解決されない。従って化粧板材料の使用分野は従来内部領域に限られた。
【0004】
仕上げした床の場合に、例えば湿式洗浄またはこぼした液体により、床の層の間の継ぎ目に水分が侵入し、板の膨張および床の損傷を生じる。
【0005】
ドイツ特許第19925865号はこの問題を解決するために、床の層の平面の含浸を提案する。含浸剤として、一般的な塗料、ワニス、ワックス、オイル等が記載される。欧州特許第903451号はジフェニルメタンジイソシアネートをベースとする被覆物による仕上げした床板の縁部の封止を記載する。湿分の作用に対する長時間安定性はこの手段により達成されない。
【0006】
WO2004/033171号は、硬化性成分としてメタノールおよびエチレングリコールで変性された1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンを含有する硬化性組成物による仕上げした床の被覆層のための木材板の含浸を記載する。板は乾燥後に130℃の温度および高圧で硬化する。木材板の引き続く処理は記載されていない。この処理はこうして製造した板の表面硬度の改良を生じる。こうして製造した板の柔軟性および弾性の低下が欠点であり、引き続く処理の際に問題を生じ、板を損傷することがある。更に引き続く処理に必要な時間、特にプレス時間が未処理の化粧板に比べて長くなる。
【0007】
本発明の課題は、改良された気候安定性を有する木材材料を生じる、少なくとも1個の、支持体で平坦に接着された薄い化粧板層を有する化粧板材料、すなわち木材材料の製造方法を提供することである。前記方法は特に簡単な方法で化粧板材料の製造を可能にするべきである。
【0008】
前記および他の課題は、以下に説明する方法により解決される。
【0009】
本発明は、少なくとも1種の、支持体または他の化粧板層で平坦に接着された薄い化粧板層を有する木材材料を製造する方法に関し、前記方法は以下の工程:
i)化粧板に水性硬化性組成物を含浸させる、前記組成物は、
a)式CHOR(式中、Rは水素またはC〜C−アルキルである)の少なくとも1個のN−結合した基および/または尿素の2つの窒素原子に架橋した1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する尿素化合物H、尿素化合物Hの前縮合物、および尿素化合物Hと、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴエチレングリコールから選択される少なくとも1種のアルコールとの反応生成物または混合物から選択される少なくとも1種の架橋可能な尿素化合物、および
b)尿素化合物の架橋を生じる少なくとも1種の触媒Kを含有する、
ii)含浸した化粧板および/または支持体を接着剤組成物で接着する、および
iii)架橋可能な尿素化合物が硬化して接着した化粧板を高温で木材材料に加工する
からなり、その際工程ii)で接着する前に含浸した化粧板が実質的に未架橋で架橋可能な尿素化合物を含有することを特徴とする。
【0010】
本発明の方法は簡単な方法で化粧板材料の製造を可能にする。本発明の方法において化粧板の損傷は生じないかまたは少ない程度である。他の利点は支持体と化粧板の強い結合を生じる接着剤の量を少なくできることである。本発明の方法は改良された気候安定性、特に周囲の水分が変動した場合に減少した収縮および膨張特性を有する化粧板材料を生じる。含浸した化粧板材料が少なくとも1種の化粧板材料の表面を形成する場合は、得られた材料のこの表面は更に高い硬度(ブリネル硬さ)を有する。更に本発明により製造される化粧板材料は木材を損傷する有機物による被害に対する改良された抵抗力を有し、一般の殺生物剤を使用しなくてよい。
【0011】
従って本発明の対象は本発明に記載される方法により得られた木材材料である。
【0012】
本発明で使用される用語、化粧板材料は少なくとも1種の化粧板層を有するすべての木材ベース材料を含む。この化粧板層は一般に木材材料からなる支持体上に配置されるかまたは他の化粧板層と一緒に複合体を形成してもよい。本発明により製造される化粧板材料には例えば薄板張りで仕上げた板、たとえば薄板張りで仕上げた繊維板、薄板張りで仕上げた指物用化粧合板、薄板張りで仕上げた、配列したまたは平行なストランド板(OSL板およびPSL板)を含めた薄板張りで仕上げた削片板、合板、接着板、貼り合わせ板、化粧板合板、例えばケルト合板、多層板、貼り合わせ化粧板材料、貼り合わせベニア板、装飾的化粧板材料、例えば仕上げパネル、カバープレート、寄木張りパネル、非平面的三次元成形部品、例えば貼り合わせ木材成形品、合板成形品、および少なくとも1個の化粧板層で被覆された、他の任意の成形品が含まれる。本発明の方法は特に複数の変性された化粧板層が複合体を形成する木材材料を製造するために、例えば合板、貼り合わせ板、接着板、化粧板合板およびこれから製造された成形品を製造するために適している。本発明の方法は特別の手段で支持体に配置された化粧板層を有する木材材料を製造するために適している。
【0013】
化粧板として寄木合板を含めて木材からなる原則的にすべての通常の化粧板、例えばスライスベニア、背板、ソーンベニアを使用できる。化粧板の厚さは一般に20μm〜10mm、しばしば100μm〜10mm、特に0.6mm〜6mmの範囲である。本発明の第1の有利な実施態様において、100μm〜3mm、特に0.5mm〜3mm、殊に0.6〜2.5mmの範囲の厚さを有する比較的薄い化粧板を使用する。本発明の他の実施態様において、3mm〜10mm、特に3mm〜8mmの厚さを有する比較的厚い化粧板を使用する。
【0014】
本発明により処理される化粧板に適当な木材の種類は原則的にすべての化粧板の製造に一般に使用される木材の種類、特にその乾燥質量の少なくとも30%、特に少なくとも50%の水を吸収できる木材の種類、特に有利にDINEN350−2による含浸能力等級1および2に分類される木材の種類である。これには例えば松、トウヒ、ヒマラマスギ、ドーグラスモミ、カラマツ、モミ、ハマモミのような針葉樹の木材、広葉樹の木材、例えばカエデ、サトウカエデ、アカシア、エイヨン(Ayons)、シラカバ、ヨウナシ、ブナ、オーク、ハンノキ、ヤマナラシ、トネリコ、ハシバミ、シデ、サクラ、クリ、シナノキ、クルミ、ポプラ、オリーブ、ハリエンジュ、ニレ、クルミ、インドゴムノキ、縞のある堅い木材、ヤナギの木材、および混合化粧板、例えばポプラおよびエイヨンからなるファインライン化粧板が含まれる。
【0015】
本発明の方法の第1工程において少なくとも1種の木材化粧板を水性硬化性組成物で含浸する。含浸は、一般に、化粧板により吸収される架橋可能な尿素化合物の量が乾燥化粧板として計算した未処理化粧板に対して1〜100質量%、しばしば5〜80質量%、特に10〜70質量%の範囲になるように行う。
【0016】
含浸前の化粧板の水分は重要でなく、100%までであってもよい。化粧板はしばしば実践的理由から80%以下、または50%以下、例えば1〜80%または5〜80%または5〜50%の水分を有する。場合により化粧板は含浸前に、例えばドイツ特許第19957775号に記載される方法に類似して酸素含有雰囲気中で誘電性放電により親水性にされていてもよい。
【0017】
ここでおよび以下に化粧板と関連して利用される用語、水分または湿分はDIN52183による残留水分含量と同じ意味である。
【0018】
工程i)の含浸に使用される架橋可能な尿素化合物の水性組成物は、例えば冒頭に記載されたWO2004/033171号およびWO2004/033170号、K.Fisher等、Textile Auxiliaries−Finishing Agents、7.2.2章、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry 第5版、Wiley−VCH、Weinheim1997およびそこに引用される文献、例えば米国特許第2713364号、米国特許第2930715号から自体公知であり、織物仕上げの架橋剤として一般に使用される。尿素化合物Hとアルコールの反応生成物、例えば変性された1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(mDMFHEU)は例えば米国特許第4396391号およびWO98/29393号から公知である。尿素化合物Hおよびその反応生成物および前縮合物は例えば商標名、Fixapret(登録商標)CPおよびFixapret(登録商標)ECO、BASF社として市販されている。
【0019】
水性組成物に含まれる尿素化合物は水中で一般に完全に溶解して存在する低分子化合物または低い分子量を有するオリゴマーである。尿素化合物の分子量は一般に400ドルトン未満である。前記化合物がこの特性により木材の細胞壁に侵入することができ、硬化の際に細胞壁の機械的安定性を改良し、水により生じる膨潤を減少できることは理解される。
【0020】
硬化性水性組成物の架橋可能な尿素化合物の例は以下のものであるが、これらに限定されない。
3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMDHEU)、
〜C−アルカノール、C〜C−ポリオール、オリゴエチレングリコールで変性された、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(変性されたDMDHEUまたはmDMDHEU)、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、
3−ビス(メトキシメチル)尿素、
1−ヒドロキシメチル−3−メチル尿素、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジン−2−オン(ジメチロールエチレン尿素)、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ヘキサヒドロピリミジン−2−オン(ジメチロールプロピレン尿素)、
1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMeDHEU)および
テトラ(ヒドロキシメチル)アセチレンジ尿素。
【0021】
架橋可能な尿素化合物は式CHORの少なくとも2個のN結合基を有する化合物であり、特にRがHである化合物である。
【0022】
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジン−2−オン、テトラ(ヒドロキシメチル)アセチレンジ尿素および特に1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMDHEU)が特に有利である。
【0023】
本発明の特に有利な構成において、架橋可能な尿素化合物は1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンおよびC〜C−アルカノール、C〜C−ポリオール、オリゴエチレングリコールで変性された1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンから選択される。
【0024】
mDMDHEUは1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンとC〜C−アルカノール、C〜C−ポリオール、オリゴエチレングリコールまたはこれらのアルコールの混合物との反応生成物である。適当なC〜C−アルカノールは例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびn−ペンタノールであり、有利にメタノールである。適当なポリオールはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,2−、1,3−および1,4−ブチレングリコール、グリセリンである。適当なオリゴエチレングリコールは特にHO(CHCHO)Hの化合物であり、nは2〜20であり、このうちジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールが有利である。mDMDHEUを製造するために、DMDHEUをアルカノール、ポリオールまたはオリゴまたはポリエチレングリコールと混合する。この場合に一価アルコール、ポリオール、またはオリゴ−またはポリエチレングリコールを一般にDMDHEUに対して0.1〜2.0モル当量、特に0.2〜2モル当量の比で使用する。DMDHEU、ポリオール、またはポリエチレングリコールからなる混合物を一般に水中で有利に20〜70℃および有利に1〜2.5のpH値で反応させ、その際pH値を反応後に一般に4〜8の範囲に調節する。
【0025】
硬化性水性組成物は尿素化合物Hまたはその反応生成物または前縮合物(成分a))のほかに1種以上の前記アルコール、C〜C−アルカノール、C〜C6−ポリオール、オリゴエチレングリコールまたはこれらのアルコールの混合物を含有できる(成分c))。適当なC〜C−アルカノールは例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、およびn−ペンタノールであり、有利にメタノールである。適当なポリオールはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,2−、1,3−および1,4−ブチレングリコール、グリセリンである。適当なオリゴエチレングリコールは特に式HO(CHCHO)Hの化合物であり、nは2〜20であり、このうちジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールが有利である。
【0026】
水性組成物中の尿素化合物Hまたはその反応生成物または前縮合物の濃度は一般に組成物の全質量に対して1〜80質量%、しばしば10〜60質量%、特に15〜50質量%の範囲である。硬化性水性組成物が前記アルコールを含有する場合は、その濃度は有利に1〜50質量%、特に5〜40質量%の範囲である。成分a)および成分c)の全部の量は一般に水性組成物の全質量の10〜80質量%、しばしば10〜60質量%、特に20〜50質量%になる。
【0027】
水性組成物は成分a)および場合によりc)のほかに尿素化合物Hまたはその反応生成物または前縮合物の架橋を生じる触媒K(成分b))を含有する。一般に触媒Kとして金属ハロゲニド、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属燐酸塩、金属四フッ化ホウ酸塩、三フッ化硼素の群からの金属塩、ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、燐酸二アンモニウムの群からのアンモニウム塩、有機カルボン酸、有機スルホン酸、ホウ酸、硫酸、燐酸および塩酸が適している。
【0028】
触媒Kとして適当な金属塩の例は特に塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸亜鉛および四フッ化ホウ酸ナトリウムである。
【0029】
触媒Kとして適当なアンモニウム塩の例は特に塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、蓚酸アンモニウム、および燐酸二アンモニウムである。
【0030】
触媒Kとして特に水溶性有機カルボン酸、例えばマレイン酸、蟻酸、クエン酸、酒石酸、および蓚酸、更にベンゼンスルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸、および無機酸、例えば塩酸、硫酸、ホウ酸またはこれらの混合物が適している。
【0031】
有利に触媒Kは塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、またはこれらの混合物から選択され、その際塩化マグネシウムが特に有利である。
【0032】
触媒Kは一般に水性組成物にリグノセルロース材料の含浸の直前に初めて添加する。触媒Kは一般に硬化性水性組成物に含まれる成分a)および場合によりc)の全質量に対して1〜20質量%、特に2〜10質量%の量で使用する。硬化性水性組成物の全質量に対する触媒の濃度は一般に0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%の範囲である。
【0033】
更に木材化粧板の含浸に使用される水性組成物は工程ii)で化粧板の接着に使用され、以下に説明する、液体接着剤の結合剤成分の一部または全部の量を含有する。本発明の有利な実施態様において、工程i)で使用される組成物は本発明の方法に使用される接着剤成分の全部の量に対して少なくとも50%、特に少なくとも80%、殊に全部の量の接着剤組成物に含まれる接着剤成分を含有する。接着剤成分および結合剤成分の用語はここでおよび以下に同じ意味で使用され、接着剤に場合により含まれる助剤および保存剤を含めて含浸剤を使用して化粧板の接着を生じる非揮発性成分を表す。この場合に水性組成物中の結合剤の濃度は水性組成物の全質量に対して一般に0.5〜25質量%、しばしば1〜20質量%、特に5〜15質量%の範囲である。結合剤成分が、架橋可能な尿素化合物、触媒Kおよび場合により存在する成分c)のアルコールとは別に、木材の細胞壁により吸収されないかまたは少ない程度でのみ吸収され、木材化粧板の表面に広い範囲で残留し、従って引き続く接着工程で接着剤として使用される。
【0034】
含浸は通常の方法で、例えば浸漬により、真空の使用により、場合により圧縮と組み合わせてまたは一般的な被覆法、例えば塗布、噴霧等により行うことができる。
【0035】
浸漬のために、化粧板を場合により前乾燥後に水性組成物を含有する容器に浸漬する。浸漬は有利に数秒から24時間まで、特に1分から6時間までの時間にわたり行う。温度は一般に15〜50℃の範囲である。この場合に化粧板が水性含浸組成物を吸収し、その際水性組成物中の硬化性成分(すなわち成分a)およびc))の濃度により、温度および処理時間により、化粧板により吸収される硬化性成分の量を調節できる。実際に吸収される硬化性成分の量は当業者が簡単な方法で化粧板の質量の増加および水性組成物の濃度により測定し、調節できる。水性含浸組成物中に存在するプレスローラー、いわゆるカレンダーを使用して化粧板を前圧縮できる。減圧の際に木材に生じる真空は引き続き水性含浸組成物の加速した吸収を生じる。
【0036】
含浸は減圧の使用により達成することができ、その際場合により高圧を有する段階に接続することができる。このために一般に1〜100%の範囲の水分を有する化粧板を、しばしば10〜500ミリバール、特に40〜100ミリバールの範囲にある減圧下で、例えば硬化性水性組成物に浸漬することにより水性組成物と接触させる。時間は一般に1分〜1時間の範囲である。場合により例えば1〜20バール、特に5〜15バール、殊に10〜12バールの範囲の高圧での段階を接続する。この段階の時間は一般に1分〜12時間である。温度は一般に15〜50℃の範囲である。この場合に化粧板が水性含浸組成物を吸収し、その際水性組成物中の硬化性成分の濃度により、使用される圧力により、温度および処理時間により、化粧板により吸収される硬化性成分の量を調節できる。実際に吸収される量は化粧板の質量の増加により計算できる。
【0037】
更に含浸を表面に液体を被覆する一般的な方法により、例えば噴霧またはロール塗布または塗布により行うことができる。このために、有利に50%以下、特に30%以下、例えば12〜30%の水分を有する化粧板を使用する。被覆は一般に15〜50℃の範囲の温度で行う。水性組成物中の硬化性成分の濃度により、被覆される量により、温度により、および噴霧時間により、化粧板により吸収される硬化性成分の量を調節できる。実際に吸収される硬化性成分の量は直接被覆される水性組成物の量から得られる。噴霧は一般的な方法で平面の物体を噴霧するために適したすべての装置中で、例えばノズル装置等を使用して行うことができる。塗布またはロール塗布の場合は所望の量の水性組成物をローラーまたは刷毛を用いて被覆する。
【0038】
含浸の有利な実施態様において、まず化粧板を圧縮し、水性硬化性組成物と接触させ、引き続き減圧する。圧縮は簡単な方法で、水性含浸組成物中に存在するプレスまたは特にプレスローラー、いわゆるカレンダーを使用して行うことができる。しかし化粧板を一般的な平面のプレス機を有する空間内で圧縮し、引き続き空間に含浸溶液を流入し、引き続き流入した状態でプレス圧を減少する。圧縮の際に使用されるプレス圧は典型的に1〜1000N/cm、しばしば10〜800N/cm、特に50〜500N/cmの範囲である。減圧の際に木材に生じる真空は水性含浸組成物の加速した吸収を生じる。
【0039】
本発明の方法は更に接着工程ii)を有する。この場合に液体接着剤組成物を、水性組成物で含浸された化粧板に被覆する。
【0040】
本発明により水性含浸組成物の硬化性成分は、接着の間に十分に架橋されない形で存在する。従って一般に接着工程ii)は含浸工程i)に続いて直ちにまたはこれと同時に行う。しかし場合により、含浸と接着の間に水分を除去するために、乾燥工程を行うことができ、乾燥工程は水性組成物に含まれる成分の硬化を行わないかまたは少ない程度で行う条件下で実施する。有利にこの乾燥工程の間に温度は100℃、特に80℃を上回らない。乾燥を行う場合は、化粧板を有利に1つの方法で、例えばプレス機に固定し、化粧板の変形を妨害する。
【0041】
有利に含浸の後におよび接着の前に、組成物の水性成分の早すぎる硬化を回避し、引き続く処理を容易にするために、化粧板の乾燥質量に対して少なくとも5%、特に少なくとも10%の水分を上回らない。従って有利に含浸工程i)に続いて直ちにまたは特に有利にこれと同時に接着工程ii)を行う。後者の場合は含浸溶液が接着剤の結合剤成分の主要量または特に全量を含有し、接着を含浸に記載された方法で行う。
【0042】
接着を含浸と別に行う場合は、使用される方法は自体公知の方法で、製造される化粧板材料に従う。このための方法は、例えばH.H.Nimz等、Wood−Wood−based Products、2.2Laminate Bonding、特に2.2.2.5Production of Veneer Plywood Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Woley−VCH(F.Kollmann(Herg.)Furniere、Lagerhoelzer und Tischlerplatten、Springer−Verlag、Berlin1962)から当業者に知られている。接着法の例はローラー、例えば2本ローラー装置または4本ローラー装置を使用する液体接着剤組成物の被覆、例えば接着幕を使用する液体接着剤組成物の流し込みまたは接着剤組成物の溶解である。
【0043】
本発明により製造される化粧板材料が複数の互いに接着した化粧板層を有する材料である場合は、すべての化粧板層を接着しなくてよい。一般に層配置で両面に接着された化粧板層を接着していない化粧板層と接着し、その際外側の化粧板層が一般に接着されていない。本発明により製造される化粧板材料が支持体と接合した化粧板層を有する材料である場合は、化粧板層も支持体の接着される表面も接着されていてもよい。
【0044】
接着剤組成物として、原則的に化粧板材料の製造に一般的なすべての接着剤組成物が該当する。液体接着剤組成物が有利であり、特に水性接着剤組成物である。適当な接着剤組成物は例えばH.H.Nimz等、Wood−Wood−based Products、2.2.2.4Adhesives and Additives Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Wiley−VCHおよびA.Pizzi(Herg.)Wood Adhesives、Marcel Dekker、New York1983から当業者に知られている。
【0045】
接着剤の例は以下のものである。
i)熱硬化性結合剤(反応性結合剤)、例えばアミノプラスト樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂およびエポキシ樹脂の液体、特に水性組成物および
ii)皮膜形成ポリマーの水性組成物、例えばスチレン−アクリレート、ポリアクリレート(アクリル酸エステル/メタクリル酸エステルコポリマー)、酢酸ビニルポリマー(ポリ酢酸ビニル)、スチレン−ブタジエンコポリマー等をベースとする水性ポリマー分散液。
【0046】
有利な接着剤は群i)に記載される熱硬化性結合剤をベースとする接着剤および群ii)の皮膜形成ポリマーとのその混合物である。有利な結合剤はアミノプラスト樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂およびポリ酢酸ビニルである。
【0047】
アミノプラスト樹脂として、特に尿素のホルムアルデヒド縮合物(尿素−ホルムアルデヒド縮合物)およびメラミンのホルムアルデヒド縮合物(メラミン−ホルムアルデヒド縮合物)が適している。これらは水溶液または粉末として、Kaurit(登録商標)およびKauramin(BASF)の名称で販売され、尿素−ホルムアルデヒド前縮合物および/またはメラミン−ホルムアルデヒド前縮合物を含有する。典型的なフェノール樹脂はフェノール−ホルムアルデヒド縮合物、フェノール−レゾルシンホルムアルデヒド縮合物等である。アミノプラスト樹脂とフェノール樹脂の混合縮合物も適している。アミノプラスト樹脂とフェノール樹脂の混合縮合物の例は尿素−メラミンホルムアルデヒド縮合物、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド−フェノール縮合物およびその混合物である。その製造および微粒子のリグノセルロース材料から成形体を製造するためのその使用は一般に知られている。有利に尿素−ホルムアルデヒド樹脂およびこのうち特に尿素1モルとホルムアルデヒド1.1〜1.4モルのモル比を有するものである。
【0048】
アミノプラスト樹脂およびフェノール樹脂の処理の際に可溶性および溶融可能な前縮合物が溶融不可能な、溶解しない生成物に移行する。硬化と呼ばれるこの工程の際に公知のように前縮合物の連続する架橋が発生し、架橋は一般に硬化剤により加速する。硬化剤として尿素−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂および/またはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂のための当業者に知られた硬化剤、例えば酸反応性化合物および/または酸分離性化合物、例えばアンモニウム塩またはアミン塩を使用できる。接着剤樹脂溶液中の硬化剤の割合は液体樹脂の割合に対して一般に1〜5質量%である。
【0049】
イソシアネート樹脂としてメチレンジフェニレンイソシアネート(MDI)をベースとする一般的なすべての樹脂が適している。これらは一般にモノマーおよびオリゴマーのジイソシアネートまたはポリイソシアネート、セルロース、リグニンおよびリグノセルロース粒子の水分と反応することができる前記前縮合物からなる混合物からなる。適当なイソシアネート樹脂は例えばLupranat(Elastogran)として販売されている。
【0050】
群ii)の結合剤として、皮膜を形成し、水に分散できる、基本的にすべての水に溶解しないポリマーが該当する。これには特に例えばWO01/27198号にポリマーA1として記載されるような、エマルジョンポリマーおよびこれから製造される粉末が含まれる。ポリマーはしばしば−20℃〜+150℃、特に0〜+100℃の範囲のガラス転移温度を有する。特にポリ酢酸ビニル、スチレン/ブタジエンをベースとするコポリマー、スチレン/アクリル酸アルキルエステルをベースとするコポリマーおよびメタクリル酸アルキルエステル/アクリル酸アルキルエステルをベースとするコポリマーを使用する。
【0051】
接着剤の被覆量は自体公知方法で接着される化粧板および製造される化粧板材料の種類に依存し、典型的に接着される化粧板当たり50〜500g/m、特に60〜300g/mまたは化粧板材料に対しておよび乾燥接着剤として計算して(すなわち場合による溶剤および希釈剤を差し引いて)1〜30質量%、特に5〜25質量%の範囲である。
【0052】
接着した化粧板の木材材料への処理は自体公知方法で、例えば接着した化粧板と支持体、有利に木材または木材材料からなる支持体(または化粧板と接着した支持体)の平面の接着により、または2個の化粧板層といわゆる背板との接着により、または複数の、一般に3〜11、例えば3、5、7、9または11個の化粧板層と木材材料の接着により、または支持体と他の化粧板層の組み合わせた接着により行う。
【0053】
本発明により製造される化粧板材料が、化粧板を平面で支持体と接着される化粧板材料である場合は、支持体、有利に木材または木材材料、例えば鋸で切断した層および場合により互いに接着された木材棒、合板、OSB、LSLおよびPSLを含めた木質繊維板、繊維板、例えば軟質繊維板、MDFまたはHDF、石膏ボード、厚紙等を使用する。支持体が木材からなる場合は、支持体を同様に化粧板の含浸に使用される硬化性水性組成物で含浸し、硬化するかまたは硬化しない。この含浸された木材材料の製造はWO2004/033170号およびWO2004/033171号に記載される方法により行うことができる。支持体として使用される木材繊維板および木質繊維板は更に、化粧板の含浸に使用される1個以上の硬化性水性組成物で含浸され、硬化された、木材繊維材料または木質繊維材料から製造することができる。この種の板の製造方法は並行する出願の対象である。
【0054】
本発明により製造される化粧板材料が複数の互いに接着した化粧板層を有する材料である場合は、本発明により少なくとも1つ、有利に複数の、特にすべての化粧板層が本発明による含浸を備えている。
【0055】
引き続く処理は典型的に高温で行い、一方で接着した化粧板の有効な接着を達成し、他方で木材により吸収される水性含浸組成物の硬化性成分の硬化を達成する。使用される温度は典型的に100℃より高く、木材および接着剤成分の分解温度より低く、有利に110〜200℃、特に120〜180℃の範囲である。有利に引き続く処理を、接着される化粧板と支持体または他の化粧板層との均一な接着を達成するために、一般に少なくとも0.1MPa、例えば0.1〜10MPaの範囲、有利に少なくとも0.2MPa、例えば0.2〜8MPaの範囲、特に少なくとも0.3MPa、例えば0.3〜5MPaの範囲、特に0.3〜2MPaの範囲、または0.5〜1.6MPaの範囲の高圧を使用することにより行う。接着に必要な時間は製造される材料の種類に依存し、典型的に化粧板材料の厚さ1cm当たり1分〜60分、しばしば2分〜30分、特に5分〜15分の範囲である。
【0056】
本発明の方法は基本的にすべての公知の化粧板材料の製造に適している。適当な化粧板材料の例は前記のものである。
【0057】
有利な実施態様において、少なくとも1つの表面、特に装飾的なまたは気候にさらされる表面が本発明により処理された化粧板層から形成される化粧板材料を使用する。このための例は壁面および天井の被覆用装飾板、家具工業用化粧張りした木質繊維板、繊維板および合板、特に寄木張りである。
【0058】
寄木張りは木材化粧板積層および一般に木材材料、例えば鋸切断層および場合により互いに接着した木材棒、合板、OSBを含めた木質繊維板、繊維板、例えば軟質繊維板、MDFまたはHDF等からなる少なくとも1種の支持体層またはベース層からなる装飾的天井層または踏み板層を有する木材パネルである。そのほか寄木張りパネルは同様に典型的に木材または木材材料からなる中間層および欧州特許第1364774号に記載される足踏み遮音を生じる層を有することができる。そのほかこの種のパネルはパネルの設置を容易にする建造装置、例えば切り込み溝、ばねまたは固定装置を有することができる。有利に本発明の寄木張りパネルにおいて、特に木材積層体または天井層の化粧板、すなわち寄木張りの使用層は本発明による含浸を有する。寄木張りパネルの構成は例えばA.TruscekおよびZ.Budrovic、Manufacturing、characteristics and use of pre−finished engineered parquet、Wood in construction industry、prospectives of reconstruction、international conference proceedingsの論文に記載される。
【0059】
他の有利な実施態様において、木材材料は2個以上の、有利に奇数の、例えば3、5、7、9または11個の互いに接着された化粧板層からなる木材材料、例えば前記のような積層板または合板である。この木材材料において、個々の化粧板層は同じかまたは異なっていてもよく、すなわち異なる木材からなってもよくおよび/または異なる厚さを有してもよくおよび/または異なる量の架橋された尿素化合物Hを含有してもよい。製造は一般に交互に両面に接着されたおよび接着されていない化粧板を層状に配置し、前記条件下で互いに接着することにより行い、その際外側の化粧板層、すなわち化粧板材料の表面に形成される層が接着されていない。
【0060】
以下の例により本発明を詳細に説明する。
【0061】
例1:寄木張り床の製造
ジエチレングリコールおよびメタノールで変性されたmDMDHEUの50質量%水溶液をMgCl×6HO1.5質量%と混合した。粗く鋸引きした約12%の木材水分に乾燥したブナ材からなる500mm×100mm×4mmの寸法を有する積層体を含浸装置に入れた。含浸装置を約30分間絶対圧力100ミリバールの真空にさらし、引き続き含浸剤を流入した。引き続き10バールの圧力を1時間かけた。圧縮段階を終了し、残留液を除去した。
【0062】
天井層の含浸した積層体を反りが不可能になるように積層に固定した。積層体を約4日間50℃の温度に乾燥した。残留水分は20%であった。
【0063】
引き続きこうして製造した積層体の片面に、組成物の非水性部分に対して200g/mの量で水性メラミン組成物を接着した。
【0064】
引き続き木材積層体を繊維板と接着し、寄木張り床を製造した。これを積層体と繊維板を加熱可能なプレス機に入れることにより行った。プレス機を140℃に加熱し、積層体を0.9N/mmで約30分加圧した。
【0065】
冷却後に寄木張り床をプレス機から取り出した。
【0066】
例2:多層板の製造
ジエチレングリコールおよびメタノールで変性されたmDMDHEUの50質量%水溶液をMgCl×6HO1.5質量%と混合した。粗く鋸引きした約12%の木材水分に乾燥したシラカバ材からなる300mm×300mm×1.5mmの寸法を有する化粧板を含浸装置に入れた。含浸装置を約30分間絶対圧力100ミリバールの真空にさらし、引き続き含浸剤を流入した。引き続き10バールの圧力を1時間かけた。圧縮段階を終了し、残留液を除去した。
【0067】
含浸された化粧板の両面に組成物の非水性部分に対して200g/mmの量で水性メラミン樹脂組成物を接着した。
【0068】
引き続き化粧板5個毎に1個の多層板を接着した。このために化粧板を加熱可能なプレス機に入れた。プレス機を140℃に加熱し、化粧板を0.8N/mmで約15分間加圧した。
【0069】
冷却後、板をプレス機から取り出した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体または他の化粧板層と平面で接着された少なくとも1種の薄い化粧板層を有する木材材料を製造する方法であり、
i)少なくとも1種の化粧板を、
a)式CHOR(式中、Rは水素またはC〜C−アルキルである)の少なくとも1個のN結合基および/または尿素の両方の窒素原子に架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する尿素化合物H、尿素化合物Hの前縮合物および尿素化合物Hと、C〜C−アルカノール、C〜C−ポリオールおよびオリゴエチレングリコールから選択される少なくとも1種のアルコールとの反応生成物または混合物から選択される少なくとも1種の架橋可能な尿素化合物、および
b)尿素化合物の架橋を生じる少なくとも1種の触媒Kを含有する
水性硬化性組成物で含浸させ、
ii)含浸した化粧板および/または支持体を接着剤組成物で接着させ、
iii)接着した化粧板を、高温で架橋可能な尿素化合物を硬化しながら処理して木材材料を生じ、その際含浸した化粧板が、工程ii)の接着の前に架橋可能な尿素化合物を実質的に架橋されずに含有する、木材材料を製造する方法。
【請求項2】
工程i)で水性組成物を、化粧板により吸収される架橋可能な尿素化合物の量が未処理化粧板に対して1〜100質量%である量で使用する請求項1記載の方法。
【請求項3】
化粧板が20μm〜10mmの厚さを有する請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
含浸した化粧板が、工程ii)の接着の前に、化粧板の乾燥質量に対して少なくとも5%の水分を有する請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
工程i)に使用される組成物が、この方法に使用される接着剤成分の全量に対して少なくとも50%の接着剤組成物に含まれる接着剤成分を含有する請求項4記載の方法。
【請求項6】
接着および含浸を1つの工程で行う請求項5記載の方法。
【請求項7】
工程iii)で100〜200℃の範囲の温度で引き続く処理を行う請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
工程ii)に使用される接着剤が少なくとも1種の熱硬化性結合剤を有する請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
熱硬化性結合剤の水性組成物の形の接着剤を使用する請求項8記載の方法。
【請求項10】
含浸された化粧板が少なくとも1個の木材材料の表面を形成する請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
木材材料が寄木張り床である請求項10記載の方法。
【請求項12】
木材材料が積層板または合板である請求項10記載の方法。
【請求項13】
架橋可能な尿素化合物が、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン、
〜C−アルカノール、C〜C−ポリオール、オリゴエチレングリコールまたはポリエチレングリコールで変性された、ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジノン、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、
1,3−ビス(メトキシメチル)尿素、
1−ヒドロキシメチル−3−メチル尿素、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジン−2−オン、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ヘキサヒドロピリミジン−2−オン、
1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン、
テトラ(ヒドロキシメチル)アセチレンジ尿素
から選択される請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
水性硬化性組成物中の架橋可能な尿素化合物の濃度が組成物の全質量に対して1〜60質量%の範囲である請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
触媒Kが金属ハロゲニド、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属燐酸塩、金属四フッ化ホウ酸塩、三フッ化硼素の群からの金属塩、ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、蓚酸アンモニウムおよび燐酸二アンモニウムの群からのアンモニウム塩、有機カルボン酸、有機スルホン酸、ホウ酸、硫酸、燐酸および塩酸から選択される請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
請求項1から15までのいずれか1項記載の方法により得られた木材材料。

【公表番号】特表2008−531344(P2008−531344A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557442(P2007−557442)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001980
【国際公開番号】WO2006/092331
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】