説明

木材繊維複合製品を製造する方法

リグノセルロースもしくは天然繊維を備える熱成形可能な繊維プラスチック複合製品を製造するプロセスは、特に、ただし限定的ではなく、その後の製造の中間製品として有用であり、繊維を乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記繊維に熱可塑性結合剤を加える、工程と、前記繊維を、熱成形可能な固体あるいは半固体製品に形成する形成工程とを備える。少なくとも好適な実施の形態では、そのプロセスは、中質繊維板を製造する既知のプラントで実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板パネルなどの、特に、ただし限定的ではなく、中間製品として有用な、リグノセルロースまたは天然繊維と熱可塑性結合剤を備える熱成形可能な繊維プラスチック複合製品を製造する方法に関する。少なくとも好適な実施の形態では、その方法は、中質繊維板製造用の既知のプラントで実施される。
【背景技術】
【0002】
強化繊維とポリマーから熱可塑性もしくは型で形作ることができる薄板製品を製造する方法はたくさんある。繊維とプラスチックを薄板にする押出し成形は、一つの一般的なアプローチである。その後の圧縮型成形もしくは熱成形が、マッチドダイ型成形を用いて連結シートもしくは型成形形状のものを製造するのに行われる。後にプレスされるポリマーフィルムと繊維マット(繊維/織布もしくは不織布)の層構造は、別の方法である(フィルム積層もしくはラミネート)。連続もしくは半連続のこれらの方法または自動化されたこれらのプロセスの周りには、多くの変形がある。一般的にガラス繊維が用いられるが、他のものも用いられる。比較的一般的な製品としては、ガラスマット熱可塑性(GMT)複合物がある。GMT複合物は、型成形され、型で形作られて、たとえば自動車用バンパーなどの種々の適切な製品となる。よって、熱成形可能な、熱可塑性複合材料を作成するプロセスは、当該技術分野では既に知られている。たとえば、米国特許公開公報第949,133号では、強化繊維層を予め押出し型成形したポリマーのシートの間に挿入することにより得られる熱型成形可能な複合材料からスラブを製造するプロセスを開示している。このようにして得られたパネルは、加熱して、溶融したポリマーが強化構造に浸透するような方法でプレスされる。
【0003】
強化材は、通常ガラス繊維を含み、短繊維の小マットもしくは連続繊維の小さな単繊維マットでできている。たとえば英国特許公開公報第1010043号もしくは米国特許公開公報第3,396,142号に記載されているように他の方法も示されている。これらの方法によれば、粉末の熱可塑性材母材は、小さな繊維マットを製造した後に供給される。
【0004】
EP特許公報第0235794号は、粒状熱可塑性ポリマーと、天然、人工あるいは合成繊維から選択された強化材を同時にかつ別々にコンベヤベルトに供給する工程と、加圧下でそのようにして得た構造を組み込んで加熱する工程を備えるプロセスを記載している。ポリマーの強化構造への浸透を進めるために叩き操作が組み込まれるが、また、強化構造を形成する多数のフィラメントを単一の単繊維フィラメント中に分散させるのにも役立つ。
【0005】
EP特許第0312090号は、繊維マット(B)の表面で60〜200℃の融点を有し、合成あるいは天然繊維で構成される、熱可塑性樹脂繊維結合不織布繊維(A)を積層する工程であって、前記合成繊維あるいは天然繊維は、前記繊維結合不織布繊維の融点より少なくとも40℃高い融点を有する、工程と、熱可塑性樹脂繊維結合不織布繊維(A)の側面から前記ラミネートにニードリングを行い、結合不織布繊維(A)の結合繊維と繊維マット(B)の繊維とを互いに絡ませてラミネートマット(C)を提供する、工程と、結合不織布繊維(A)の表面に表面装飾材(D)を被せる工程と、前記ラミネートを、表面装飾材(D)と繊維マット(B)の繊維を溶融しないが結合不織布繊維(A)の結合繊維を溶融する温度に加熱し、表面装飾材(D)とラミネートマット(C)を一体に結合(バインディング)する工程とを備える繊維ラミネートの製造プロセスを記載している。
【0006】
デリカ・ベキア(Delia Vecchia)らは、米国特許第4,612,238号で、樹脂、ガラスマット、樹脂の別の層、第2のガラスマットおよび樹脂の第3層を組み合わせたラミネートを製造する方法を開示する。樹脂の第1層と第3層は熱可塑性材料であり、所望の特性が得られるように選定される。所望の特性には、種々の量の強化材、充填材および添加材が含まれる。
【0007】
プラスチックにおける木材および天然繊維の利用への興味が増加している。シートプレス法や熱成形法も報告され開発されてきたが、先ず、押出し成形に基づく方法に注目が集まっている。エー・ジェー・ミッチェル(A J Mitchell)(「林業および森林製品(Forestry & forest Products)」1990年、ニュースレター、4巻2号、秋、豪州科学・工業研究機構(CSIRO)1−4頁)は、木材繊維・プラスチックシート製造への一般的なアプローチを記載している。記載された実施例には、プラスチックと一緒の乾燥成形木材繊維シート、有機溶剤系含浸で製造された木材繊維シート、水のエマルジョンに浸漬して含浸された木材繊維シートならびに融解ポリマー含浸シートおよび繊維を含む。米国特許第4,562,218号は、木材および天然繊維の水性スラリーからの成形可能なパルプ構成を記載する。
【0008】
上記のプロセスには、強化材が比較的高価もしくは製造するのが高価でありそのマットや織布を繊維製品から別に準備しなければならない、または、木材または天然繊維をポリマー母材/複合物と組合せる方法が便利でなく短繊維のもしくは低いかさ密度繊維の処理が難しく、経済的でないとの欠点があることが多い。
【0009】
プラスチックおよび木材繊維あるいはプラスチックおよび天然繊維は、あるポリマーでは他のものより混合しやすいが、簡単には混じらない。木材のように多孔質のPVCは、充填材あるいは繊維と特別なアロイングあるいはカップリング剤なしで、接着しあるいは相互作用することが報告されるが、ポリオレフィン(ポリプロピレンおよびポリエチレン)はPVCのようには木材に接着しないので、そのような木材−プラスチックは、プラスチック中の充填材あるいは繊維から最良の性能を引き出すために修正することが必要である。現状の技術の一例では、多くの場合ポリオレフィン系複合物用マレイン酸エステルポリオレフィンである、カップリング剤を押出成形機に添加し、押出成形機内で混合する。先行技術には、ポリマー繊維複合物に関する多くの提案がある。ゲイロード(Gaylord)の米国特許第3,765,934号、第3,869,432号、第3,894,975号、第3,900,685号、第3,958,069号およびキャスパー(Casper)らの米国特許第4,051,214は、ポリマー繊維複合物を製造するためのスチレンと木材繊維と複合した無水マレイン酸モノマーの間で現場で生ずるバルク重合を教示する。セガード(Segaud)の米国特許第4,528,303号は、ポリマー、強化材鉱物充填材およびカップリング剤を含む複合物の組成であって、充填材とポリマーの混和性を向上する複合物の組成を教示する。ハムド(Hamed)の米国特許第3,943,079号は、再生でない不連続セルロース繊維にせん断ミキサー中でせん断力を掛け、ポリマーと潤滑剤を繊維と混合することを教示する。これらの処理は繊維の分離を促進し、凝集を防止する。同様に、コーラン(Coran)らの米国特許第4,414,267号は、繊維を塩化ビニルポリマーと可塑剤の水分散液と処理し、その結果できる繊維が、ポリ塩化ビニルと可塑剤のコーティングを含み、少ない混合エネルギでポリマー母材に取り込まれることを教示する。ベシェイ(Beshay)の米国特許第4,717,742号と第4,820,749号は、グラフトされたシラン基を有するセルロースを含む複合材料を教示する。ラジ(Raj)らの米国特許第5,120,776号は、 無水マレイン酸あるいは無水フタル酸で前処理し、ポリマー母材中での繊維の結合性と分散性を向上したセルロール繊維を教示する。ラジらは、高密度ポリエチレン化学処理パルプ複合物を教示する。ホン(Hon)の米国特許第5,288,772号は、リグニン成分を有する廃棄新聞紙のような水分を前処理したセルロース系材料で作られた繊維強化熱可塑性材を教示する。コクタ(Kokta)らの「ポリ塩化ビニルと木材繊維の複合物(Composite of Poly(Vinyl Chloride) and Wood Fibres)、パートII、化学処理の効果(Effect of Chemical Treatment)」、ポリマー複合(Polymer Composition)、1990年4月、第11巻、第2号は、種々のセルロース処理を教示する。その処理には、ラテックスコーティングすること、ビニルモノマーでグラフトすること、酸あるいは無水物でグラフトすること、無水マレイン酸やアビエチン酸のようなカップリング剤でグラフトすることが含まれる(コクタらの英国特許出願第2,192,397号も参照のこと)。ベシェイの米国特許第5,153,241号は、変性セルロースを含む複合材料を教示する。そのセルロースは有機チタンカップリング剤で変性され、有機チタンカップリング剤はポリマー相と反応しポリマー相を強化する。マルダス(Maldas)とコクタの「無水マレイン酸とイソシアネートをコーティング成分として用いた木材繊維の表面改良と、ポリスチレン複合物中での性能(Surface modification of wood fibres using maleic anhydride and isocyanate as coating components and their performance in polystyrene composites)」、接着科学技術ジャーナル(Journal Adhesion Science Technology)、1991年、1〜14ページは、無水マレイン酸変性木材粉を含むポリスチレン粉体複合物を示す。「ポリ塩化ビニルと木材繊維の複合物(Composites of Poly Vinyl Chloride-Wood Fibres)、パートIII、カップリング剤としてのシランの効果(Effect of Silane as Coupling Agent)」、ビニル技術ジャーナル(Journal of Vinyl Technology)、第12巻、第3号、1990年9月、142〜153ページを含み、多くの刊行物が高度に重合された熱可塑性複合物中の変性ポリマーを開示する(他の文献では変性繊維を開示)。さらに、チャヒャディ(Chahyadi)らの「木材粉/ポリプロピレン複合物:機械的性質に及ぼすマレイン酸エステルポリプロピレン、プロセスおよびの影響および組成変化の影響(Wood Flour/Polypropylene Composites: Influence of Maleated Polypropylene and Process and Composition Variables on Mechanical Properties)」、ポリマー材料インターナショナルジャーナル(International Journal Polymeric Materials)、第15巻、1991年、 21〜44ページは、無水マレイン酸で変性されたポリマー骨格を有するポリプロピレン複合物について議論している。
【0010】
したがって、複合物中で、特に熱可塑性材と木材の複合物中で、木材あるいは天然繊維をポリマー母材と結合することが重視される。本発明は、MDFおよび関連プロセスの方法を適用することにより、結合剤および/あるいはプラスチック母材の成分としても機能する(装填(ローディング)により変わる)コンパティブライザ (compatibllizer)を導入する可能性を提供する。
【0011】
多くの刊行物が木材繊維に言及するが、実際にはそれらは、適度なアスペクト比(10:1もしくは20:1以上)を有する繊維というよりは、木材粉あるいはパウダー、もしくは木材片もしくはおがくずであり、たとえば0.8mmあるいは1mm以下の平均長さであることに注意を要する。本発明では、繊維は、本書でまた他の刊行物で述べるようなMDFタイプのプロセス、あるいは、メカニカルもしくはサーモメカニカルパルプ化あるいは高温メカニカルパルプ化あるいは類似の精製プロセスあるいは一つのステージとしてそのような精製プロセスを含むプロセスで、オプションとして化学的あるいは生物的パルプ化ステージを含む、プロセスの産物である。そのような繊維は、もちろん成分としては微粒子あるいは短い繊維を含むが、平均で1mm以上の繊維である。したがって、たとえば10:1もしくは20:1のアスペクト比を有する、または、たとえば0.8mm、0.9mmもしくは1mm以上の平均繊維長さを有する木材や他の天然繊維(木材粉あるいはパウダーもしくは木材片との対比で)を複合製品の形でプラスチックに導入する改良プロセスには本質的な必要性があり、複合製品はシート、含浸マット、プリプレグ、ボード、フィルム、ラミネート(積層板)、または形作ったもしくは型成形した製品もしくは成形した機械であり、また、オプションとして構成もしくは材料を混和性(コンパティブライズ)にするためまたは熱可塑性ポリマーと木材もしくは天然繊維をバインディングするためで、またオプションとして、機能性添加材を繊維−プラスチック混合物に導入するためのものである。
【0012】
他の先行技術で、シアーズ(Sears)らは、パルプで示す純度80%以上のアルファセルロースの繊維を用いることを述べ、繊維は通常クラフトされ、もしくは化学的にパルプ化され、MDFタイプのプロセス、すなわち本発明で用いられるようなメカニカルあるいはサーモメカニカルパルプ化法では通常は得られず、または、作られない (シアーズ、K.D.他、第6回木材繊維プラスチック複合物に関する国際会議予稿集(Proc. 6th International Conference on Woodfibre Plastics Compositions)、森林製品学会(Forest Products Society)2001年、27〜34ページ、および、米国特許第6,270,883号)。これらのおよび関連する方法では、繊維の含浸に、MDFや関連するプロセスではなく、液浸あるいはディップコーティングを用い、低コストでの連続製造プロセスにより適する。
【0013】
中質繊維板 (MDF)は高温サーモメカニカルパルプ繊維を用い、家具や内部型成形などの多くの用途のために大きなパネルを製造する。MDFは、粒子状物質ではなく木材細胞(仮道管、導管、繊維および繊維仮道管)を用いるという事実から多くの特徴を得る。MDF製造用プロセスの一変形の態様を以下に説明する。メイソナイトガン(Masonite gun)プロセス、大気圧もしくは加圧ディスク精製機(Atmospheric or Pressurised Disk refiner)が用いられ、たとえば、MDF製造ではアスプルンド・デファイブレータ加圧ディスク精製(Asplund defibrator pressurised disk refinement)が一般的に用いられる。チップは加熱される小さなプラグに詰め込まれ、木材を柔らかくし、木材の繊維を離解するのにしばしば高温にされるデファイブレータに送り込まれる。パルプは2次精製機もしくは他のステージを通過してもよい。結果としてのパルプは、軽量で、微粒で、フワフワしており、繊維壁は大略傷がない。繊維の離解後、繊維はブローラインに入り、通常繊維は高速で通り抜ける。繊維が湿っている間にブローラインで、最終製品の抗湿性を改良するのにしばしば用いられるワックスが加えられることもあり、樹脂が加えられる。ブローラインは繊維をチューブドライヤに、さらにプロセスに送り込み、たとえばボイラーで加熱された高温空気で、あるいはブローラインを暖める加熱コイル経由で、繊維は乾燥される。ブローライン中の繊維の攪拌により樹脂が均質に分散する。繊維は暖かい/熱いところから抜け出し、特に決められない時間、30分以下のことが多いが、容器の中に貯蔵され、ボード作成プロセスがここから続くのが普通である。繊維の水分含有率は12%までのことが多く、乾燥プロセスと考えられる。
【0014】
ブローライン混合プロセスと乾燥繊維の使用は、MDFの識別できる特徴である。連続(通常、しかし本質的ではない)そして一貫性のあるマットが、流れている繊維ストリ−ムから形成され(相当な空気流速で)、このことをなすための一方法はペンディスター(Pendistor)であり、マットを運ぶコンベヤあるいはコンベヤの始点の真空ボックスへシャフトを繊維が落ちると、空気の衝撃が繊維に作用する。繊維への振動作用が繊維をマットへと均一に広げ、選択された厚さでコンベヤベルト上の走行を始める。マットは熱で、ある厚さあるいは密度へとプレスされる。
【0015】
これらの操作の商用的スケールおよび繊維を柔らかくする熱の使用のため、MDF繊維 は、木材繊維の低コストの状態である。さらに、複合物を強化できるアスペクト比を有する(たとえば、ラジエータ松で、約2.5mm×30μm) 。MDFプロセスでは、熱硬化性樹脂、典型的にはユリアホルムアルデヒド(UF)もしくは関連するホルムアルデヒド架橋樹脂またはイソシアネート樹脂のような他の樹脂が、ブローラインで精製機を抜け出る間に、湿潤状態の繊維に添加される。このことにより、少ない樹脂の装填で繊維のきわめて高い表面被服率が得られる。MDFあるいは粒子状物質ボードタイププロセスは通常、熱可塑性もしくは再生可能な製品あるいは樹脂もしくは多ポリマーのシートを製造することとは一緒ではないかもしれない。通常、多繊維で 硬い、硬化された、熱硬化性の樹脂で固められた薄板製品を製造し、その樹脂は、容易には熱可塑的に加工されずもしくは再加工できずまたは熱可塑性プロセスで容易に用いることができずもしくは有用ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
[本発明の目的]
熱成形可能な繊維プラスチック複合製品を製造する改良されたあるいは少なくとも代替となるプロセスを提供することを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
広い意味で一つの局面において、本発明は、リグノセルロース物質の繊維もしくは天然繊維を備える熱成形可能な繊維プラスチック複合製品を製造するプロセスを備え:ばらけたまたは分解された繊維もしくは繊維束を乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記繊維もしくは繊維束はリグノセルロース物質もしくは天然繊維を、メカニカルに、サーモメカニカルに、ケモサーモメカニカルに、もしくはケモメカニカルに解体して製造され、前記繊維を搬送している間に液体もしくは粒子状の多量の1種以上の熱可塑性結合剤を前記繊維に加えもしくは十分に混合し、その後前記繊維を固体もしくは半固体製品に成形した後に前記製品を別の形状に熱成形できるようにする搬送工程と;前記繊維を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程とを備える。
【0018】
広い意味で他の局面において、本発明はリグノセルロース物質もしくは天然素材の粒子状物質(パーチクル)を備える熱成形可能な粒子状物質プラスチック複合製品を製造するプロセスを備え;リグノセルロース物質もしくは天然素材の粒子状物質を空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記粒子状物質を搬送している間に液体もしくは粒子状の多量の1種以上の熱可塑性結合剤を前記粒子状物質に加えもしくは十分に混合し、その後前記子状物質を固体もしくは半固体製品に成形した後に前記製品を別の形状に熱成形できるようにする、搬送工程と;前記粒子状物質を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程とを備える。
【0019】
ある形態では、その後に前記プロセスは前記製品を加熱し熱成形して、製品の形状を変える。たとえば、前記繊維もしくは粒子状物質を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程は、前記繊維もしくは粒子状物質を実質的に平らなパネルに形成する工程を備え、その後に前記パネルもしくは前記パネルの一部を平らでない形状に加熱し熱成形する工程を含んでもよい。
【0020】
別の形態では、前記繊維もしくは粒子状物質を固体もしくは半固体の製品に形成する形成工程は、前記繊維もしくは粒子状物質を直接平らでない形状に形成する工程を含んでもよい。前記繊維もしくは粒子状物質は、更なる熱成形の必要なく製造に使える所定の製品形状に直接形成されてもよい。
【0021】
ある形態では、前記プロセスは、液体状の前記結合剤を、前記繊維もしくは粒子状物質が導管内を移動するときに、前記導管の内部に導入する工程であって、前記繊維をコーティングもしくは部分コーティングする、工程を含んでもよい。前記液体状の結合剤は、前記繊維が導管内を移動するときに、前記導管の内部にスプレーされもしくは注入され、または、たとえば融解ストリームとして導管内に導入されてもよく、前記繊維をコーティングもしくは部分コーティングする。
【0022】
別の形態では、前記プロセスは、粒子状の前記結合剤を、前記繊維もしくは粒子状物質が前記導管内を移動するときに、前記導管の内部に前記粒子状結合剤を吹き込むことで前記導管内に導入する工程を含む。
【0023】
典型的には、前記プロセスは、MDF、パーチクルボード、ハードボードもしくは類似の製造プラントで必要な比較的小規模のプラントの変更を伴って、運転される。
【0024】
好ましくは、前記導管は前記繊維を繊維ボードを製造するプラントの精製ステージから搬送する。
【0025】
好ましくは、前記導管は、前記繊維を乾燥ステージもしくは乾燥機へ、または乾燥ステージもしくは乾燥機から搬送する。
【0026】
好ましくは、前記プロセスは前記繊維を加熱されたプラテンもしくはローラの間を通す。
【0027】
好ましくは、前記繊維は木材繊維で、少なくとも約0.8mmの、より好ましくは少なくとも約1mmの平均繊維長さもしくは繊維束長さを有する。
【0028】
好ましくは、繊維の大部分は、少なくとも10:1、より好ましくは少なくとも20:1、最も好ましくは少なくとも25:1のアスペクト比を有する。
【0029】
好ましくは、前記結合剤は230℃未満もしくは200℃未満の融点を有するポリマー、モノマー、オリゴマーもしくはポリオレフィンを備える。
【0030】
好ましくは、前記繊維はプレスステージの前に12重量%以下、そしてより好ましくは8重量%以下の含水率に乾燥される。
【0031】
好ましくは、シートまたは型成形製品形成のホットプレスサイクルは最適化されて、必要であれば、ドゥウェル、ホットプレスステージもしくはバンピングにより水分もしくは揮発成分を取り除く。
【0032】
追加のポリマーおよび/または添加材を液体構成または、粉体もしくは繊維として加えてもよく、ここで液体構成は原液であるか、水溶液、水分散液もしくはエマルジョンであるかであり、プロセス中の別のポイントで好ましくは繊維マットレス組立てステージの直前あるいはその間に加えられる。
【0033】
別の形態では、本発明は、リグノセルロースもしくは天然素材の繊維もしくは粒子状物質を備える熱成形可能な複合製品を製造するプロセスを備え、前記プロセスは:ばらけたもしくは分解された繊維もしくは繊維束を乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記繊維もしくは繊維束は、リグノセルロース物質、天然繊維、またはリグノセルロースもしくは他の天然素材の粒子状物質をメカニカルに、サーモメカニカルに、ケモサーモメカニカルに、もしくはケモメカニカルに解体して製造され、前記繊維を搬送している間に熱硬化性結合剤を前記繊維もしくは粒子状物質に加えもしくは十分に混合する、搬送工程と;前記繊維もしくは粒子状物質を固体もしくは半固体の製品に形成する工程であって、前記熱硬化性結合剤を部分的に硬化し、その後にさらに前記熱硬化性結合剤を硬化させる熱で前記製品が異なった形状に形成される、形成工程とを備える。
【0034】
本明細書および特許請求の範囲で用いられる用語「備える」は、「少なくとも部分的に〜からなる」ことを意味し、すなわち、その用語を含む独立請求項を解釈するときには各請求項でその用語で始まる特徴は存在するが、他の特徴も存在してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明は典型的には、セルロース系繊維のような木材および/または他の天然繊維を分散したもしくは溶解したポリマーおよび/またはポリマー粉体系で含浸し、コーティングし、もしくはバインディングし、それから、含浸した繊維を加圧下で、好ましくは高温下で、シートもしくはマットにプレスし、固めもしくは形成し、繊維は結合剤で大略一体に維持され、その後に熱で再成形、形成もしくは型成形(「熱成形」)される、またはラミネートもしくは複合構造として直接使用される製品を製造する。
【0036】
シートや含浸繊維マットのような、プレコートされたもしくは含浸された木材もしくは他の天然繊維複合製品は、その後の(ライン中もしくは別の熱可塑性プラスチックプロセスで)プレス、成形、型で形作られるシート、プリプレグで、あるいは熱可塑性もしくは熱硬化性ラミネートのコア、層、もしくは成分として、あるいは液体複合物型成形もしくは他の複合物もしくは積層製造ルートを用いる他の熱硬化性複合物で、有用である。特に本発明は、サーモメカニカルパルプ化プロセスから得られるような繊維を用いた木材もしくは他の天然繊維製品を製造する方法に関し、パルプ化プロセスの間もしくは後に、繊維はコーティングもしくはバインディングシステムで処理され、ブローライン内のような空気もしくはストリーム中で流れもしくは移動している繊維ストリームに溶液または分散液または粉体分散で加えられる。このようなコーティングもしくはバインディングは、ある輪郭またはシートもしくは他の形状に形成され、プレスされ、もしくは加熱されたときに、実質的に繊維を一体に保ち、その後熱可塑的に加工可能であるいは別の形状もしくは製品に形成され、あるいは熱硬化性複合物製造で用いられる。
【0037】
本プロセスはまた、木材もしくは天然繊維をプリコーティング、部分的にプリコートもしくはプリコンパティブライズする工程、あるいは他の機能性材料をそのような繊維の表面に、中にもしくは近くに導入する工程を含み、それからその繊維は従来のシートもしくは含浸マットあるいは、プラスチック加工で、特に圧縮型成形のような熱可塑性プロセスで用いるフィードストック材料に加工され、プラスチック加工は、たとえばシートプレス、フィルム積層、プレス型成形、ラミネートシート製造、および、プラスチックや他の材料のシート、フィルム、ラミネートとラミネートもしくはブレンドするようなプラスチック加工である。
【0038】
本発明は、熱可塑的に加工できる木材繊維プラスチックシートを製造する方法を提供する。好ましくは、サーモメカニカルもしくはサーモメカニカルに精製されたパルプ、ケモメカニカルパルプ、あるいは、ケモサーモメカニカルパルプが繊維として用いられ、オプションとして繊維精製機に入る前に繊維またはチップの前処理が行われる。より好ましくは、中質繊維板繊維 (MDF繊維)のような、高温サーモメカニカルパルプが用いられる。よって、この発明の一実施の形態は、改良MDF(中質繊維板)プロセスを用い、木材もしくは天然繊維シートまたは型成形製品を製造するのに、高生産に適したコスト効果のある方法であり、上記で着目した困難性を克服および問題を解決し、同時に、たとえば繊維の乾燥、繊維−プラスチック混和性および/または添加材の導入などの他の困難性を克服できる。
【0039】
ある実施の形態では、繊維は、繊維にポリマー分散物あるいは溶液をスプレーし分散するのにブローラインあるいは他の設備で添加された結合剤を有する。好ましくは、結合剤は熱可塑性ポリマーであり、あるいは、成分として熱可塑性ポリマーを備える。結合剤は水溶液または乳化もしくは水溶ポリマー分散液で、あるいは、分散液、エマルジョン、溶液もしくは原液または粉体である成分の構成を備える。水中に溶解もしくは分散され、または変性もしくは構成されて水中で安定な分散物を形成しもしくはその一部となり、あるいは水中で重合できる樹脂系に変性もしくは編成されるポリマーが用いられる。代替の溶質もしくは分散溶剤、たとえばアルコールや他の有機溶剤を用いてもよいが、水が、単独でも他の共溶剤との混合剤でも、好適な溶剤である。ラテックスを用いてもよい。乾燥したあるいは混ざり物のないポリマー粉体を種々のコンディションで用いてもよく、低融点ワックス、ポリマーあるいはブレンドをほとんどもしくは100%固体として、粘性およびスプレーガンやノズルなどの適用装置の要求に従って用いてもよい。加熱されたチューブや加熱されたノズルを用いてこのような材料の導入を補助してもよい。
【0040】
ポリマー結合剤あるいは添加材は精製機もしくはブローラインもしくは乾燥機あるいはこれらのどのステージの前でも後でも、プロセス中で繊維を連続的に搬送し移動するチューブ、パイプ、ドラムもしくは他の容器中で、どのポイントで加えられてもよい。ポリマー/添加材は、湿潤もしくは乾燥した繊維へ、または平衡もしくはほとんど平衡な含水率(EMC、典型的には12重量%のオーダーの水分)の繊維へ加えてよい。ポリマーコーティング剤が流れている繊維ストリームに加えられ、繊維ストリームは繊維束もしくは微粒子を含み、また、空気もしくは高湿度空気に同伴され、MDFプロセスあるいは関連する繊維精製−含浸製造プロセスのどのポイントで加えられてもよい。追加のポリマー(粉体および/またはフィルムおよび/または液体もしくは分散)は、既に加えられた物と同じものでも別のものでもよく、プロセスのその後のステージで、流れている繊維ストリームへあるいは、繊維マットレス組立て/プレスステージでもしくはその近くで加えられる。
【0041】
結合剤および/またはコンパティブライザおよび/または追加母材(同じものでも別のものでも)用のような添加材としての好適なポリマーは、熱可塑性物質もしくはエラストマーとして加工でき、本書で熱可塑性物質として分類され、プラスチックポリマーの好適なサブクラスを構成するポリマーである。本発明の濃縮物の準備に適したエラストマーの例としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ターポリマー (EPDM)、アクリロニトリル・ブタジエン・ゴム(NBR)、エチレン・酢酸ビニル・コポリマー、シリコンゴム、ポリブタジエンゴム、シス−ポリブタジエン、トランス−ポリブタジエン、ネオプレン、ポリイソプレンおよびブチルゴム、加硫ジエンゴムがある。ジエンゴムには低不飽和および高不飽和のいずれのゴムをも含み、不飽和は側鎖もしくはポリマーの骨格にあってもよく、共役でも非共役でもよい。
【0042】
他の適したポリマーの例には、アクリレートポリマー、ウレタンポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ハロゲン化ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニル・ピロリドン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンターポリマー(ABS)、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、およびエステル化されたもしくは他の誘導体、ポリアミド、ポリエステル、あるいは酢酸ビニルのコポリマー、アクリル酸もしくはメタクリル酸もしくは無水マレイン酸のような不飽和酸とのまたはビニルアルコールもしくはビニルエステルとのオレフィン(エチレン、プロピレンなど)のコポリマー、ポリビニルエーテルおよびビニルエーテルのコポリマー、でんぷん(スターチ)およびでんぷんの誘導体、セルロースエステルおよびセルロース誘導体、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、たんぱく質、ポリ酸、ポリ無水物、ポリイソシアネート、および、これらのポリマーのモノマーを含むコポリマーもしくはターポリマーなどがある。上記の1つ以上を備える混合物もまた適している。エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル、ウレタン/イソシアネート樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂などのホルムアルデヒド硬化樹脂、フェノール・レゾルシノール樹脂、フェノール樹脂などの他のオリゴマーもしくは反応樹脂系、および関連もしくは合成物の樹脂系を用いることも出来る。本発明のプロセスでは上記のあるいはその他の樹脂は、ポリマーおよび/または添加材として構成され、用いられる。よって、追加されるポリマー(1種もしくは複数種)もしくは添加材は、反応基を有する反応性モノマーもしくはオリゴマーを含み、水分散物、エマルジョンもしくは原液もしくは融解溶剤として加えられる。
【0043】
好ましい実施の形態では、結合剤は最終複合物で繊維と母材プラスチックのコンパティブライザとしても作用し、よって、本発明ではコンパティブライザがブローラインで繊維と結合剤に加えられ、ポリマーと木材繊維間の大きな結合力を提供する。コンパティブライザは、いかなる上記ポリマーその混合物あるいはブレンドでもよく、他に加えられた材料でも、あるいはそれらを含んでもよい。それは、構成されたもしくは反応性ポリマー系でよい。ポリオレフィン母材の最終複合物では、マレイン酸変性ポリプロピレンなどのマレイン酸変性もしくは酸性官能性コポリマーが好ましい。好ましくは、コンパティブライザは乳化もしくは分散ポリマーまたは水に分散されたものであるが、粉体であってもよい。よって、無水マレイン酸もしくは無水マレイン酸のエステル誘導体、アクリル酸もしくはアクリル酸エステルもしくはエチレン酢酸ビニルのコポリマーもしくはターポリマーを含むエチレンもしくはプロピレンもしくはブテン(もしくは同等物)のコポリマーもしくはターポリマーも、ポリオレフィンおよび他のポリマー複合物に用いるのに好適なポリマーである。繊維に加えられ(結合剤としても作用する)、熱可塑性粉体添加材と一緒に乾燥粉体として加えられた、乳化もしくは分散もしくは溶解ポリマー/コンパティブライザの混合物を用いることもでき、ある複合物シートもしくは製品に適切なアプローチである。たとえば、無水マレイン酸もしくはアクリル酸もしくは他の機能性コポリマーのような酸担持コモノマーを含むポリプロピレンもしくはポリエチレンもしくはポリスチレンのようなポリマーのエマルジョンもしくは分散をMDFプロセスで、たとえばブローラインで、繊維に加えることができ、加えられた熱可塑性ポリプロピレン(もしくはポリエチレンもしくはポリスチレン)粉体もしくは繊維を、流れているエマルジョン・コーティングされた繊維に、もしくはプレス前のマット組立てステージのいずれかに、後で加えることができる。
【0044】
本発明のプロセスでは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、バイオポリエステル(たとえばポリ乳酸)を含むポリエステル、もしくは他のバイオプラスチックなどの一般的なプラスチック母材と、木材繊維源 (MDF繊維および関連繊維を生成する)から直接、シートもしくは型成形/プレス製品を製造する、便利でコスト効果がある方法を提供する。
【0045】
別の実施の形態として、エマルジョンもしくは分散もしくは粉体でコーティングした繊維がプレスされ、もしくは軽くプレスされ、プレスにて乾燥されて、それから、加えられた熱可塑性ポリマーフィルムもしくは粉体もしくは繊維、または、それらの混合物が、加熱および/または加圧下で更なるプレスが行われる前に加えられる。この加工と付随する変形の繰返しにより、ラミネートあるいは多層構造を生成する。このような構造は、接着層としてたとえば無水もしくは酸もしくは他の機能性コポリマーを含む別のポリマーを含んでもよく、マットレス組立て/プレスステージで粉体、繊維もしくはフィルムとして繊維に加えられ、オプションとして外層および/または中間層としてのホモポリマーが粉体、繊維もしくはフィルムもしくはそれらの混合物として再度加えられる。
【0046】
ポリマーフィルムが製品で使われると、ポリマーフィルムはコンベヤから連続的に供給され、シートの一部として含まれ、MDFプロセスに統合される。ポリマーフィルムは繊維もしくは繊維−ポリマー混合物がプレスステージへ、また、プレスステージ中を運ばれるのに役立つ。フィルムは、マットレス組立てもしくはプレスステージで加えられてもよく、ラミネート構造を作るのに用いられる。
【0047】
熱成形可能な製品は熱硬化性樹脂を用いて製造され、熱硬化性樹脂は結合剤および母材として用いられ、ここで熱硬化性樹脂は熱可塑性変形や型成形ができないほどには硬化されておらずもしくは完全には硬化されておらず、同時に、またはプロセスの別のもしくは後のステージもしくは追加するポイントで、加えられる熱可塑性ポリマーと比較して低レベルに存在する。熱硬化の完了は、プレスステージの間にあり、もしくはそのライン中あるいはライン外の、ポストキュアのようなその後のステージにある。さらに高樹脂含有率(樹脂固体が12%以上で好ましくは20%以上)のMDFタイプ複合物は、本発明のプロセスにより、微粒子のスプレーとしてもしくは粒子もしくは繊維の房として粉末もしくは樹脂分散、溶液、液体(原液)を通常の樹脂追加ポイントに加え第2のポイントで、MDFタイプのプロセスでの装填として加えることにより、製造され、そのような加えられる樹脂は、たとえば、マットレス組立てもしくはプレスステージにて加えられる。熱硬化性粉体コーティング構成もしくはその改変は、有用で、そのような加えたポリマーの搬送用の好適なポリマー系である。
【0048】
MDFもしくはパ−チクルボードもしくは粉体コーティング製品もしくはプロセスで一般的に用いられる従来の熱硬化性樹脂の全ては、ポリ酢酸ビニル、ユリアホルムアルデヒド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、マレイン酸ホルムアルデヒド樹脂、タンニンホルムアルデヒドもしくは他のホルムアルデヒド系樹脂、イソシアネートもしくはウレタン樹脂、フランもしくはフルフラン樹脂、他の尿素、マレイン酸、フェノールもしくはタンニン樹脂および関連する合成物もしくはそれらの混合物を含んで用いられる。他の樹脂も粉体としてもしくは水分散液もしくは原液として加えることができ、例として、エポキシ樹脂、ポリエステル、ビニルエステル、アクリルおよびマレイミドを含む。一実施の形態では、熱硬化性樹脂を用いて、木材繊維シートで高樹脂装填を達成することで、もしくは本書で改良され用いられるようにMDFプロセスで型成形すること、および本発明のプロセスと概念を適用することで、従来のMDFシートとは異なる、熱硬化性型成形製品もしくはシートが製造される。たとえば、このことは、マットレス組立てもしくはプレス・ステージで追加の熱硬化性樹脂粉体(湿潤で、ブローラインで粉体としてもしくは流れている繊維ストリームの他のポイントで、加えられるものと同じでも別でも)を加えることにより達成できる。多段プレスもしくは多層アプローチもしくは製品は、上記のように用いられる。
【0049】
特定のセルロースもしくはリグノセルロース繊維の中で、特に、木材 (全てのタイプ)、植物もしくは穀物繊維 (麻、藁、小麦、亜麻、ニュージーランド麻、トウモロコシ、ココナツ、草、ケナフ、ジュート、サイザル麻、カラムシ、葛など) およびウール/ケラチンなどの動物性繊維や他のたんぱく質繊維などの天然起源のものが特に好ましい。これらの繊維はしばしば、低いかさ密度を有し、絡まったもしくは丸まった繊維束であり、通常のプラスチックもしくは複合物加工では取扱いが難しい。
【0050】
よって、本発明は、たとえばプレスの熱および圧力で、加えられたポリマーで濡れている繊維を圧縮することにより、固体パネル、シートもしくは輪郭を提供する。好ましくは、ホットプレスを用いて、繊維を固体パネルもしくはシートに圧縮する。パネルは、予混和化繊維ポリマー混合物として製造され、その後に、パネルは、通常予乾燥を伴うプラスチックもしくは複合物加工プロセスで簡単に用いることができる。
【0051】
一局面で、本発明は、木材もしくは天然もしくは植物繊維を従来のもしくは周知の熱可塑的方法で再形成もしくは再加工するのに適した形に製造する方法を提供する。発明では、たとえば、従来のMDFプロセスもしくは他の精製プロセスのプレスを用いて、木材もしくは植物からの天然植物繊維を製造し、たとえば添加材がMDFプロセスの間にブローラインおよび/または精製機および/またはMDFプロセスもしくは関連プロセスの他のステージで加えられる。繊維−添加材ブレンドは、従来のMDFプロセスでプレスされる前に、乾燥されマットに形成されて、シートを製造する。つづいて、シートは、そのままもしくは再形成もしくはプラスチック加工機械で型成形して用いられる。たとえば、シートは別の形状にプレスされ、もしくは他のシート、フィルム、シートに接着もしくは融合される。
【0052】
繊維−ポリマー混合物の圧縮もしくは形成は、従来の圧縮熱成形もしくは熱成形もしくは真空成形もしくはカレンダーを用いた方法、あるいはロール成形方法もしくはこれらを組合せた方法で行われ、基本的に繊維−ポリマー混合物を形成もしくは圧縮もしくは厚さを減じ、たとえば選定された厚さに圧縮するように、制御されて行われて、要求されれば残留空隙を残す。
【0053】
プレス後にもMDF繊維が固まったままであるようにするため、結合剤、好ましくは熱可塑性結合剤もしくは添加材混合物が、たとえばプロセス中の繊維が形成されたすぐ後、もしくは添加するのに便利な場所で、ブローラインに加えられる。あるいは、繊維が精製プロセスから収集され、次にストリーム中で乱流で再度流され、その後スプレーされ、結合剤/追加ポリマー溶液もしくは分散液もしくは粉末と含浸する。添加材がプロセス中の1以上のポイントで加えられ、実際には別の添加材が別のもしくは分離したステージで導入される。結合ポリマーが低装填固体で繊維に加えられ、いかなる最終ポリマーとの混和性の問題を生ずることなく、最終ポリマーと結合される。好ましくは結合剤は繊維とバルクのプラスチック母材との間の混和性を向上するように作用し、また、繊維を結合する。結合剤はまた、装填によっては、バルクの母材としても作用する。よって、本発明のさらなる局面は、ブローラインもしくはプロセス中の便利なステージで、混和性を追加することであり、木材もしくは他の繊維と熱可塑性母材との間の混和性および結合を改良するようになされ、繊維は最終的にはブレンドされる。MDFのブローラインでポリマーを繊維とブレンドすることは、大気状態中で乾燥繊維をポリマーとブレンドするより、よりよい繊維の表面被服を与える。ブローラインは高温多湿で運転されるので、コンパティブライザはエマルジョンもしくは水分散の形で、または、湿潤してもよい粉体で、または、湿潤木材もしくは天然繊維とよく混合されもしくは湿潤木材もしくは天然繊維をコーティングしているのが、好ましい。よって、原液やたとえばワックスの低融点固体も、微粒子にスプレーできれば、用いることができる。好ましくは、繊維をコーティングする結合剤は、加熱下でプレスされ、完全な状態のシートを形成し、再成形もしくは再型成形に耐えるようにする。このことにより、結合剤/コンパティブライザと繊維の完全な混合、接触もしくは結合を得てもしくは維持して、および/またはある程度の水分を除去できる。
【0054】
本プロセスは、典型的には多くの従来のMDFもしくはパーチクルボード・ミルで実行され、繊維はブローラインもしくは類似の設備で精製され含浸され、加熱下でプレスされるが、本発明のプロセスでは、その後に細長く裁断されて、そのままでもしくは小シート、テープ形状などに切り刻まれて用いられ、好ましくは結合剤樹脂は最高の選定の熱可塑性母材で、押出機もしくは射出成形機のようなプラスチック機械で加工できるものもしくはそれと同等なものである。よって、従来のMDFもしくは類似のミル、またはそれらの製品をプラスチック型成形プロセス用の木材もしくは天然繊維複合物の製造に用いて、繊維−プラスチック複合物部品もしくは製品を作り、または、そのような製品をMDFプロセスのプレス・ステージで直接作ることが実現可能となる。結合剤もしくは繊維プレコートの構成は1種以上のポリマーの構成で、安定化剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、接着促進剤、着色剤、潤滑剤、静電気防止剤、生物活性剤、押出成形機に導入しにくいもしくは全体として低レベルであることが要求される液体添加材もしくは固体などの他の添加材を備え、エポキシ樹脂のような反応性もしくは機能性樹脂を含んでもよい。
【0055】
中間シートのプレスは、シート密度の程度に応じて行われる。シートのプレパターンとインプリンティング(刷り込み)はシート製造の間もしくは後に行われ、その後の加工を補助する。本明細書の至る所で説明するように、プレスは、その後の繊維−ポリマー混合物の乾燥に助けとなるようなステージで行われ、また多層構造を準備するのに用いられる。
【0056】
本発明のシート製品は、別の形に切り刻まれ、もしくは、部品に機械加工され、単独で直接もしくは他のプラスチックもしくは繊維もしくは繊維−プラスチック混合物と混ぜられて、後続の押出成形もしくは射出成形用ペレットに切り刻まれる。
【0057】
以下の実施例で本発明を説明するが、それらは限定すると決して考えられてはならず、当業者は本発明に関し改良をなすことができる。
【実施例1】
【0058】
[材料]
使用したMDF繊維は、ニュージーランド森林研究所PARPOパイロットプラントで、ラジアタマツの先端材から、市販のMDF繊維を模倣したプロセス条件で製造した。繊維は、プラスチックバッグ中で貯蔵する前に約10〜15%の含水率にまで空気乾燥した。ポリプロピレン(PP)ペレットが使われる場合は、それは、ヒュンダイ社(Hyundai)のゼーテック・グレードMI600(Seetec grade Ml 600)で、25のメルトインデックスを有する。
【0059】
マイケムMAPP(Michem MAPP、Michemは登録商標)エマルジョンは、酸変性ポリプロピレンもしくは無水マレイン酸−プロピレンのコポリマーの40%固体成分の分散液である。
【0060】
[サンプル製品]
[方法]
MDF繊維 (代表的繊維として)とPP (代表的ポリマーとして)から種々の方法でシートが作られる。MDFとポリプロピレン(PP)の算定比率は、目標密度に応じた目標シート重量に対し定められた。
【0061】
MDF繊維(実験室レベルのマキシ・ブレンダーで、空気圧の下でチューブ中を搬送される間に、MDF繊維の流れる固まりに空気中でノズルもしくはスプレーガンでスプレーして塗布する、エマルジョンコーティングのプレコートあり/なし)が、実験室レベルのマキシ・ブレンダー中でポリプロピレン(粉体もしくは繊維として加えられた)と混合され、約1〜2分間、典型的なMDFラインで受けるように、流れている空気/ガスもしくはストリーム中での乱流混合を複製した。特に記載しない限り、繊維を100℃以下で一晩乾燥した。そのような乾燥を実行しなかった実施例もある。
【0062】
粉体ポリマー母材では、MDFが1分間普通の速さで加えられ、その後、次の1分間にわたり粉体が高速で加えられた。
【0063】
次に混合した繊維−ポリマー混合物をプレス型成形した。金属板カバー付き型枠を用い、繊維混合物を型枠内に均一に配分した。プランジャを型枠に挿入し、油圧ジャッキでプレ・プレスを行った。ジャッキを取り除き、型枠も取り除いた。プランジャを取り除き、プレ・プレスされたマットレスの頂部にベーキングペーパーを、またその上に金属シートを置いた。次にスペーサ(たとえば、3.1mm)をマットレスの両側に挿入し、全体をジーンペルカンプ社(Siempelkamp)のプレス板上に置いた。マットレスの中央に熱電対を挿入し、接着テープで接着した。熱電対の読みが180℃になるまで、250kN、190℃でマットレスをプレスした。この温度で30秒〜3分後、圧力を解放した。その後、パネルをプレスから取り除き、プレ・プレスの中に戻し、油圧ジャッキからの圧力下に放置し、冷却した。パネルをテーブルソーで実験サンプル(たとえば、たわみ実験用には、幅×長さ×厚み:12.5×130×3mm)に切り分け、ラベルを付けた。
【0064】
サンプルを、インストロン(Instron)5566試験機で、ASTM D790Mのたわみ(曲げ)試験方法に従った中点荷重試験を用い、50mmスパン、1.3mm/分で、また、チアスト(CEAST)衝撃試験機(ノッチ付きシャルピー衝撃強度の標準)で試験した。
【0065】
【表1】

【0066】
【表2】

【0067】
【表3】

【0068】
【表4】

【0069】
【表5】

【0070】
【表6】

【0071】
【表7】

【0072】
【表8】

【0073】
【表9】

【0074】
【表10】

【0075】
【表11】

【0076】
【表12】

【0077】
【表13】

【0078】
【表14】

【0079】
【表15】

【0080】
【表16】

【0081】
【表17】

【0082】
【表18】

【0083】
【表19】

【0084】
[サンプルの説明/方法]
20M1: MDF中に20%マイケムMAPPエマルジョン、サンプル1(ポリプロピレンや他のポリマーを加えず)
20M2:MDF中に20%マイケムMAPPエマルジョン、サンプル2(繰返し;再度ポリプロピレンや他のポリマーを加えず)
28CF: 80%MDF、20%ポリプロピレン繊維で調整
37CF: 70%MDF、30%ポリプロピレン繊維で調整(MDF繊維は予め乾燥せず;約6重量%の含水率)
37CF2:70%MDF、30%ポリプロピレン繊維で調整、繰返し (MDF繊維は予め乾燥せず;約6重量%の含水率)
37FH:MDF中に8%マイケムMAPPエマルジョン、70%MDF繊維、30%PP繊維
4MF1:MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリプロピレン繊維、サンプル1
4MF2:MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリプロピレン繊維、サンプル2
4MFLD:MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリプロピレン繊維、低密度=0.7g/cc
4MFS:MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリプロピレンシートと繊維、外寸0.8mmのポリプロピレンシートとポリプロピレン繊維を使用
4PLAF1:MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリ乳酸繊維
8MF1:MDF中に8%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、52%ポリプロピレン繊維、サンプル1
8MF2:MDF中に8%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、52%ポリプロピレン繊維、サンプル2
CF1: 40%MDF、60%ポリプロピレン繊維で調整
PFM1:MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリプロピレン粉体−9048(天然)とシート(外で0.38mmシート)
PFM2: 4%MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリプロピレン粉体−4610/05(白色)とシート(外で0.38mmシート)
PPF:ポリプロピレン繊維で調整
PPP1:MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリプロピレン粉体−9048(天然)
PPP2 4%MDF中に4%マイケムMAPPエマルジョン、40%MDF、56%ポリプロピレン粉体−4610/05(白色)
【実施例2】
【0085】
【表20】

【0086】
500F・MDF実験室ブレンド装置(マキシブレンダ)を用いて、550グラムの繊維に80〜100グラムの結合剤樹脂(たとえば、 PVAもしくはポリオレフィンもしくはポリオレフィンコポリマー・エマルジョン)をスプレーして、他のパネルもしくはシートを作り、ブレンド装置は空気圧を用いてブローライン中で特定の流路に繊維を吹き飛ばすように、樹脂の添加にノズルやスプレーガンで空気の乱流を再生し、樹脂を流れている繊維ストリームに送り込んだ。その後、100グラムの樹脂処理した繊維を、MDF製造と同様に、255mm×280mm×2mm(700kg/m)のパネルもしくはシートに形成し圧縮した。パネルを機械もしくは他の特性試験用に小片に切断した。別の実施例では、PVAとMAPP(マイケム・ポリプロピレン・エマルジョン)結合MDFの2mmのパネルを、500F・MDFマキシブレンダを用いて、550グラムの繊維に、流れているストリーム中で、樹脂エマルジョン/分散液をスプレーして製造し、4%か8%の樹脂固体装填を得た。100グラムの樹脂コーティング繊維が、255mm×280mm×2mm(700kg/m)のMDFパネルに形成された。
【実施例3】
【0087】
MDF繊維もしくは含浸/コーティング繊維が、シート型成形に用いられた。MDF繊維もしくは含浸/コーティング繊維は、上記のように、実験室マキシブレンダで、マイケム43040ポリマーエマルジョンを用いて、MDFプロセスのように、流れている空気中で搬送されるている、ばらけた動いている繊維にスプレーして、MDF繊維に加えて、準備した。
【0088】
それから、繊維もしくはコーティングされた繊維を、流れているストリームかマットレスに組立てている終点に加えられ、全体に均等に加えられるポリプロピレン繊維もしくは粉体と混合する。
【0089】
繊維は、5〜15重量%までの含水率を有する。
【0090】
それから、繊維−ポリマー混合物は加熱した金型で2段プレスによりプレスされる。一番目は100℃までの温度/圧力を掛けて、圧力を解除して短時間保持し、圧力解放後に180〜190℃に加熱し(圧力下で)最終プレスをする。
【実施例4】
【0091】
[MDF製造パイロットプラント試行]
プラスチック加工で用いる繊維−ポリマーペレット原料製造用に、MDFもしくはパーチクルボード産業のように、精製機−ブローラインでのポリマー追加を用いて、MDFパイロットプラントの試行がニュージーランド森林研究所で行われた。サーモメカニカルパルプ−MDF繊維の試行繊維例は、ロトルア(Rotorua)のニュージーランド森林研究所のPAPROパイロットプラント精製機で製造された。繊維129は、ブローライン中を流れる繊維に射出された4%マイケムエマルジョンを有する。使用したポリプロピレン(PP)基準樹脂は、ペレットで供給されるヒュンダイ社ゼーテックグレードM1600であった。使用した無水マレイン酸変性ポリプロピレンエマルジョンは、マイケルマン社(Michelman Inc.)販売のマイケム43040(非イオン化エマルジョン)であった。
【0092】
木材チップからの繊維が、MDF産業で用いられるような、高温/メカニカルパルプの典型的な条件で、森林研究所メカニカルパルプ化パイロットプラントで製造された。
【0093】
マイケム43040エマルジョンがMDF精製機−ブローラインの高温の繊維に加えられ、チューブドライヤ中で140℃で、12〜16%の目標含水率に乾燥された。MDF繊維は、2mm厚さの300mm×300mmパネルに、3つの密度(500、700、900kg/m)にプレスされた。
【0094】
結果は、商用MDFもしくはパーチクルボード製造の代表的プロセスでの商用MDFプラントのブローラインへの乳化カップリング剤もしくは結合剤を加えることは、前の実験室での例と同様の性能を与えることを示した。
【0095】
結合剤もしくはカップリング剤は精製機−ブローラインの種々のポイントで加えられ、精製機でもブローラインに沿ったさまざまな点においてでも加えられる。2ポイント以上の追加点を用い、同一のもしくは別のポリマーもしくは添加材を順に加えてもよい。
【0096】
各実行用に約20kgのコーティングした繊維を、MDF乾燥チューブを用いて乾燥し、高温(140〜160℃)空気を繊維に吹きかけ、繊維をプラスチックバッグに落とし込むサイクロンで繊維を収集した。
【0097】
繊維は含水率が計測され、含水率の変動を是正する調整が行われた。マイケム43040がMDF精製機−ブローラインで高温の繊維に加えられ、コーティングされた繊維が140℃で、12〜16%の目標含水率に乾燥された。MDF繊維は、2mm厚さの300mm×300mmパネルに、180℃で3つの密度(500、700、900kg/m)にプレスされた。
【0098】
製造されたサンプルを下表に示す。
【0099】
【表21】

【0100】
500M4−900M4:上記のMDF繊維は、ブローラインで加えられた4%マイケムG3015カップリング剤の存在でプレスされた。繊維は180℃で1分間ホットプレスされ、異なった密度を得た。
【0101】
[サンプル密度]
MDF充填ポリプロピレン複合物の密度を、下表に示す。
【0102】
【表22】

【0103】
マイケム43040結合剤を加えることは、通常MDF繊維/ポリプロピレンの強度を向上させた。ポリプロピレンエマルジョンで作られたMDFタイプのシートは種々の密度で製造することができた。
【実施例5】
【0104】
[さらなるMDF製造パイロットプラント試行]
プラスチック加工で用いる繊維−ポリマーペレット原料製造用に、MDFもしくはパーチクルボード産業のように、精製機−ブローラインでのポリマー追加を用いて、MDFパイロットプラントのさらなる試行がニュージーランド森林研究所で行われた。サーモメカニカルパルプ−MDF繊維の試行繊維例は、ロトルアのニュージーランド森林研究所のPAPROパイロットプラント精製機で製造された。繊維は、ブローライン中を流れる木材繊維に射出された種々のエマルジョンもしくはポリマー分散液で種々の装填でコーティングされた。さらに、さらなる試行が、同一の木材繊維源を用い、しかし原液ポリマー(水分もしくは溶剤は僅かしか、もしくは、ほとんど存在しない)を用いて同様な方法で行われた。ポリマーは、融解ポリマーもしくは構成ポリマー混合物もしくはワックス、もしくは熱融解ポンプもしくは射出もしくはワックス融解ポンプシステムとして設計されたポンプの仕様によりブローラインに射出できるように加熱され軟化された構成ホットメルトとして射出された。
【0105】
木材チップからの繊維が、MDF産業で用いられるような、高温/メカニカルパルプの典型的な条件で、森林研究所メカニカルパルプ化パイロットプラントで製造された。
【0106】
エマルジョンもしくは分散液がMDF精製機−ブローラインの高温の繊維に加えられ、チューブドライヤ中で140℃で、12〜16%の目標含水率に乾燥された。MDF繊維は、40重量%ポリマーまでの装填で上手くコーティングされた。
【0107】
次に、コーティングされた繊維は、2mm厚さの300mm×300mmパネルにプレスされた。
【0108】
結果は、MDFのブローラインもしくはパーチクルボードミルもしくは製造プロセスのように、ブローラインへの乳化熱可塑性ポリマーおよび/またはカップリング剤もしくは結合剤を加えることは、驚くべき高ポリマー装填で行うことができることを示した。実験の最後にチューブやドライヤなどを調べたところ、壁にはポリマーの体積がほとんどもしくは全くなく、よって、全てのポリマーが上手く繊維に加えられたことを立証している。このことは、繊維の監察によってもさらに裏付けられ、ポリマーコーティングが、それらから製造したパネルや形作ったもので高装填で容易に観察された。このことは、このプロセス、もしくは商用パーチクルボード製造プロセスが代表する完全商用MDFプラントが、同様の性能を与えることをさらに示唆する。
【0109】
結合剤もしくはカップリング剤は精製機−ブローライン・プロセスの種々のポイントで加えられ、精製機でもブローラインに沿ったさまざまな点においてでも加えられる。2ポイント以上の追加点を用い、同一のもしくは別のポリマーもしくは添加材を順に加えてもよい。カップリング剤(それは、エマルジョン、分散液、融解液、もしくはワックスでよい)を最初に加え、その後に母材もしくは他のポリマー(それも、エマルジョン、分散液、融解液、もしくはワックスでよい)を後から加えてもよい。
【0110】
各実行用に10〜40kgの間の種々にコーティングした繊維を製造し、MDF乾燥チューブを用いて乾燥し、高温(140〜160℃)空気を繊維に吹きかけ、繊維をプラスチックバッグに落とし込むサイクロンで繊維を収集した。繊維は含水率が計測され、含水率の変動を是正する調整が行われた。MDF繊維は、プレ乾燥後、2mm厚さの300mm×300mmパネルに、180℃で3つの密度にプレスされた。
【0111】
製造されたサンプルを下表に示す。
【0112】
【表23】

【0113】
本発明の好適な実施の形態の主な利点は、従来の方法に、木材繊維強化熱可塑性ポリマーシートもしくは型成形製品を製造することを提供し、MDF繊維もしくは他の類似繊維のような低いかさ密度繊維を用い、そのような繊維およびシート/製品はMDFタイプのプロセスで容易に製造され、便利で高体積で、非常にコスト効果があり、木材もしくは他の資源を高品質の繊維もしくは複合製品に変換できることである。
【0114】
上記の実施例では、追加プラスチック(たとえば、粉体、繊維、フィルムの形で)ありもしくはなしで、プレスした結合繊維を用いて木材繊維強化ポリマーシートを製造し、木材繊維強化ポリマーシートは要求により続いて熱可塑的に加工され、もしくは再加工もしくは再利用され、良好な性能を達成する。
【0115】
MDF繊維で作られた複合物サンプルは、本発明の実施例である。PVA結合例は、他の樹脂を使うことができることを示した。母材に代替の、よりイオン化した、母材および/または追加カップリングを使用することは、PVAもしくは接着結合MDFの使用で全体的性能を向上した。MDF繊維をシートに結合するのにPVAおよびマイケム接着剤を使用することは、本発明のプロセスの実施例を通じて、MDF繊維複合物に適用された。
【0116】
マイケムの追加(プレコーティング、シート作成を通じて)は、充填剤を添加していないポリプロピレンの応力以上に応力を上昇させた。説明した実施例は、好適な様式での本発明の実施例を示し、加えられた結合剤はコンパティビライザとしても作用し、熱可塑性ポリマーと混和性を有する。優れた特性がしばしば観察された。
【0117】
上記のサンプルでは、ポリマーは、溶液、分散液もしくはエマルジョンとして、原液、融解ワックス、融解ポリマーとして、ホットメルト接着剤のように融解ホットメルト構成として、可塑化ポリマー、もしくはホットメルトエラストマー構成として、加えることができる如何なるポリマーとも容易に置き換えることができる。
【0118】
でんぷん、ポリ乳酸、可塑化し構成されたでんぷん、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)およびこれらのバイオポリマーを1つ以上含むブレンドのようなバイオポリマーは適しており、樹脂酸、松脂、たんぱく質とのブレンド、水分および/または追加可塑化溶剤、たとえばグリセロール、クエン酸もしくはコハク酸エステル、乳酸もしくは乳酸エステル、アミノ酸、ペプチド、ポリビニルアルコールポリマー、コポリマーや誘導体、脂肪酸エステルと誘導体、ポリアルキレンオキサイドもである。
【0119】
したがって、本発明は、繊維とコンパティビライザを、プレコーティングされた繊維(基本的にMDFタイプの精製および含浸プロセスで作成された)を通じて、熱可塑性木材繊維シートもしくは製品に導く便利な道筋を提供し、その後にMDF−ポリマーシートはプレスされ成形される。
【0120】
したがって、まとめとして、シートもしくは関連製品としてコンパティビライザを伴って製造され、本発明の方法を通じて製造され導入された長いアスペクト比の繊維(たとえばMDF繊維)の使用は、強度と剛性で優れた性能へと導き、熱可塑的に再加工できる。混和性を付与されていない(PP母材用に)繊維−ポリマーシートでさえ、熱可塑的に形成され、再加工もしくは形成し直すことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグノセルロース物質の繊維もしくは天然繊維を備える熱成形可能な繊維プラスチック複合製品を製造するプロセスであって:
ばらけたもしくは分解された繊維もしくは繊維束を乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記繊維もしくは繊維束はリグノセルロース物質もしくは天然繊維を、メカニカルに、サーモメカニカルに、ケモサーモメカニカルに、もしくはケモメカニカルに解体して製造され、前記繊維を搬送している間に液体もしくは粒子状の多量の1種以上の熱可塑性結合剤を前記繊維に加えもしくは十分に混合し、その後前記繊維を固体もしくは半固体製品に成形した後に前記製品を別の形状に熱成形できるようにする搬送工程と;
前記繊維を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程とを備える;
プロセス。
【請求項2】
前記製品をその後に加熱し熱成形して、前記製品の形状を変更する工程を含む;
請求項1のプロセス。
【請求項3】
前記繊維を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程は、
前記繊維を実質的に平らなパネルに形成する工程を備え、
前記パネルもしくはその一部を平らでない形状に加熱し熱成形するその後の工程を含む、
請求項1のプロセス。
【請求項4】
前記繊維を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程は、繊維を平らでない形状を有する製品に直接形成する工程を備える;
請求項1のプロセス。
【請求項5】
前記繊維を、さらなる熱成形の必要なしで、製造で有用な所定の製品形状に直接形成する工程を含む;
請求項4のプロセス。
【請求項6】
液体状の結合剤を、前記繊維が導管中を移動している間に、前記導管の内部に導入し、前記繊維をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項1ないし5のいずれか1項のプロセス。
【請求項7】
前記液体状の結合剤を、前記繊維が前記導管中を移動している間に、前記結合剤を前記導管の内部にスプレーすることにより前記導管内に導入し、前記繊維をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項6のプロセス。
【請求項8】
前記液体状の結合剤を、前記繊維が導管中を移動している間に、前記導管の内部への前記結合剤の融解流れとして前記導管内に導入し、前記繊維をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項6のプロセス。
【請求項9】
粒子状の結合剤を、前記繊維が導管中を移動している間に、前記粒子状の結合剤を前記導管の内部に吹き込むことにより、前記導管内に導入し、前記繊維と十分に混合する工程を含む;
請求項1ないし5のいずれか1項のプロセス。
【請求項10】
前記導管は前記繊維を、繊維ボードを製造するプラントの精製ステージから搬送する;
請求項1ないし9のいずれか1項のプロセス。
【請求項11】
前記導管は前記繊維を、乾燥ステージもしくは乾燥機からまたは乾燥ステージもしくは乾燥へ搬送する;
請求項1ないし10のいずれか1項のプロセス。
【請求項12】
前記繊維を湿っている間に搬送する工程を含む;
請求項1ないし11のいずれか1項のプロセス。
【請求項13】
前記繊維に加えられもしくは前記繊維と混合された後に前記熱可塑性結合剤が液体もしくは融解したままであるような高温で前記繊維を搬送する工程を含む;
請求項1ないし12のいずれか1項のプロセス。
【請求項14】
前記繊維を熱成形可能な製品に圧縮することにより前記繊維を熱成形可能な製品に形成する工程を含む;
請求項1ないし13のいずれか1項のプロセス。
【請求項15】
前記繊維を加熱したプラテンの間でプレスする工程を含む;
請求項14のプロセス。
【請求項16】
前記繊維を厚さ約2cmまでのシートにプレスする工程を含む;
請求項14または15のプロセス。
【請求項17】
前記繊維を厚さ約1cmまでのシートにプレスする工程を含む;
請求項14または15のプロセス。
【請求項18】
前記繊維は、少なくとも約0.8mmの平均繊維長さもしくは繊維束長さを有する;
請求項1ないし17のいずれか1項のプロセス。
【請求項19】
前記繊維は、少なくとも約1mmのばらけた繊維もしくは繊維束の平均繊維長さを有する;
請求項1ないし17のいずれか1項のプロセス。
【請求項20】
前記繊維の大部分は少なくとも10:1のアスペクト比を有する;
請求項1ないし19のいずれか1項のプロセス。
【請求項21】
前記繊維の大部分は少なくとも20:1のアスペクト比を有する;
請求項1ないし19のいずれか1項のプロセス。
【請求項22】
前記繊維の大部分は少なくとも25:1のアスペクト比を有する;
請求項1ないし19のいずれか1項のプロセス。
【請求項23】
前記繊維が木材繊維である;
請求項1ないし22のいずれか1項のプロセス。
【請求項24】
前記熱成形可能な製品は乾燥重量で、繊維100部に対し結合剤を25部まで備える;
請求項1ないし23のいずれか1項のプロセス。
【請求項25】
前記結合剤は、230℃以下の融点のポリマー、モノマー、オリゴマー、もしくはポリオレフィンを備える;
請求項1ないし24のいずれか1項のプロセス。
【請求項26】
前記結合剤は、200℃以下の融点のポリマー、モノマー、オリゴマー、もしくはポリオレフィンを備える;
請求項1ないし24のいずれか1項のプロセス。
【請求項27】
前記結合剤は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルもしくはポリエステルを備えるポリマーを備え、でんぷん系ポリマーであり、または、酸、無水物、エポキシ、アミン、イソシアネート、シラン、もしくはシラノール基の1つ以上を有するポリマーもしくはコポリマーである;
請求項1ないし26のいずれか1項のプロセス。
【請求項28】
前記繊維に、二番目のポリマー、モノマー、オリゴマー、ポリオレフィンもしくはパラフィンもしくはワックスの1つ以上を後に加える工程を含む;
請求項1ないし27のいずれか1項のプロセス。
【請求項29】
前記プレスする工程は、第1のプレス操作と第2のプレス操作を備え、前記第2のプレス操作は、前記第1のプレス操作より高温で行われる;
請求項11ないし17のいずれか1項のプロセス。
【請求項30】
熱成形可能な繊維プラスチック複合製品を製造するプロセスであって:
ばらけたもしくは分解された繊維もしくは繊維束を乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記繊維もしくは繊維束はリグノセルロース物質を、メカニカルに、サーモメカニカルに、ケモサーモメカニカルに、もしくはケモメカニカルに解体して製造され、前記繊維を搬送している間に多量の1種以上の熱可塑性結合剤を前記繊維に加え、その後前記繊維を固体もしくは半固体製品に成形した後に前記製品を別の形状に熱成形できるようにする搬送工程と;
前記繊維を固体もしくは半固体の熱成形可能な実質的に平らなパネルに形成する形成工程と;
前記パネルもしくはその一部を平らでない形状に加熱し熱成形する工程とを備える;
プロセス。
【請求項31】
熱成形可能な繊維プラスチック複合製品を製造するプロセスであって:
ばらけたもしくは分解された繊維もしくは繊維束を乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記繊維もしくは繊維束はリグノセルロース物質を、メカニカルに、サーモメカニカルに、ケモサーモメカニカルに、もしくはケモメカニカルに解体して製造され、前記繊維を搬送している間に多量の1種以上の熱可塑性結合剤を前記繊維に加え、その後前記繊維を固体もしくは半固体製品に成形した後に前記製品を別の形状に熱成形できるようにする搬送工程と;
前記繊維を、さらなる熱成形の必要なしで、製造で有用な所定の製品形状に直接形成する工程とを備える;
プロセス。
【請求項32】
請求項1ないし31のいずれか1項で製造された、熱成形可能な繊維プラスチック複合製品。
【請求項33】
リグノセルロース物質もしくは天然素材の粒子状物質を備える熱成形可能な粒子状物質プラスチック複合製品を製造するプロセスであって:
リグノセルロース物質もしくは天然素材の粒子状物質を乾燥空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記粒子状物質を搬送している間に多量の1種以上の液体状もしくは粒子状の熱可塑性結合剤を前記粒子状物質に加えもしくは前記粒状物質と十分に混合し、その後前記粒子状物質を固体もしくは半固体製品に成形した後に前記製品を別の形状に熱成形できるようにする搬送工程と;
前記粒子状物質を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程とを備える;
プロセス。
【請求項34】
その後に前記固体もしくは半固体の製品を加熱し熱成形して前記製品の形状を変える工程を含む;
請求項33のプロセス。
【請求項35】
前記粒子状物質を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程は、
前記粒子状物質を実質的に平らなパネルに形成する工程を備え、
前記パネルもしくはその一部を平らでない形状に加熱し熱成形するその後の工程を含む、
請求項33のプロセス。
【請求項36】
前記粒子状物質を固体もしくは半固体の熱成形可能な製品に形成する形成工程は、前記粒子状物質を平らでない形状を有する製品に直接形成する工程を備える;
請求項33のプロセス。
【請求項37】
前記粒子状物質をさらなる熱成形の必要なしで、製造で有用な所定の製品形状に直接形成する工程を含む;
請求項36のプロセス。
【請求項38】
液体状の結合剤を、前記粒子状物質が導管中を移動している間に、前記導管の内部に導入し、前記粒子状物質をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項33ないし37のいずれか1項のプロセス。
【請求項39】
前記液体状の結合剤を、前記粒子状物質が前記導管中を移動している間に、前記結合剤を前記導管の内部にスプレーすることにより前記導管内に導入し、前記粒子状物質をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項38のプロセス。
【請求項40】
前記液体状の結合剤を、前記粒子状物質が前記導管中を移動している間に、前記導管の内部への前記結合剤の融解流れとして導入し、前記粒子状物質をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項38のプロセス。
【請求項41】
粒子状の結合剤を、前記粒子状物質が導管中を移動している間に、前記粒子状の結合剤を前記導管の内部に吹き込むことにより、前記導管内に導入し、前記粒子状物質と十分に混合する工程を含む;
請求項33ないし37のいずれか1項のプロセス。
【請求項42】
前記導管は、前記粒子状物質を、パーチクルボードの製造プラントの粒子状物質形成ステージから搬送する;
請求項33ないし39のいずれか1項のプロセス。
【請求項43】
前記導管は、前記粒子状物質を、乾燥ステージもしくは乾燥機からまたは乾燥ステージもしくは乾燥機へ搬送する;
請求項33ないし40のいずれか1項のプロセス。
【請求項44】
前記粒子状物質を湿っている間に搬送する工程を含む;
請求項33ないし41のいずれか1項のプロセス。
【請求項45】
前記粒子状物質に加えられもしくは前記粒子状物質と混合された後に前記熱可塑性結合剤が液体もしくは融解したままであるような高温で前記粒子状物質を搬送する工程を含む;
請求項33ないし44のいずれか1項のプロセス。
【請求項46】
前記粒子状物質を熱成形可能な製品に圧縮することにより前記粒子状物質を熱成形可能な製品に形成する工程を含む;
請求項33ないし43のいずれか1項のプロセス。
【請求項47】
前記粒子状物質を加熱したプラテンの間でプレスする工程を含む;
請求項46のプロセス。
【請求項48】
前記粒子状物質を厚さ約2cmまでのシートにプレスする工程を含む;
請求項46または47のプロセス。
【請求項49】
前記粒子状物質を厚さ約1cmまでのシートにプレスする工程を含む;
請求項46または47のプロセス。
【請求項50】
前記粒子状物質が木材の粒子状物質である;
請求項33ないし49のいずれか1項のプロセス。
【請求項51】
前記熱成形可能な製品は乾燥重量で、繊維100部に対し結合剤を25部まで備える;
請求項33ないし50のいずれか1項のプロセス。
【請求項52】
前記結合剤は、230℃以下の融点のポリマー、モノマー、オリゴマー、もしくはポリオレフィンを備える;
請求項33ないし50のいずれか1項のプロセス。
【請求項53】
前記結合剤は、200℃以下の融点のポリマー、モノマー、オリゴマー、もしくはポリオレフィンを備える;
請求項33ないし50のいずれか1項のプロセス。
【請求項54】
前記結合剤は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルもしくはポリエステルを備えるポリマーを備え、でんぷん系ポリマーであり、または、酸、無水物、エポキシ、アミン、イソシアネート、シラン、もしくはシラノール基の1つ以上を有するポリマーもしくはコポリマーである;
請求項33ないし53のいずれか1項のプロセス。
【請求項55】
前記粒子状物質に、二番目のポリマー、モノマー、オリゴマー、ポリオレフィンもしくはパラフィンもしくはワックスの1つ以上を後に加えうる工程を含む;
請求項33ないし54のいずれか1項のプロセス。
【請求項56】
前記プレスする工程は、第1のプレス操作と第2のプレス操作を備え、前記第2のプレス操作は、前記第1のプレス操作より高温で行われる;
請求項46ないし49のいずれか1項のプロセス。
【請求項57】
リグノセルロース物質の粒子状物質もしくは天然粒子状物質を備える熱成形可能な粒子状物質プラスチック複合製品を製造するプロセスであって:
リグノセルロース物質の粒子状物質を乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記粒子状物質を搬送している間に、多量の1種以上の熱可塑性結合剤を前記粒子状物質に加え、その後前記粒子状物質を固体もしくは半固体製品に成形した後に前記製品を別の形状に熱成形できるようにする搬送工程と;
前記粒子状物質を固体もしくは半固体の熱成形可能な実質的に平らなパネルに形成する形成工程と;
前記パネルもしくはその一部を平らでない形状に加熱し熱成形する工程とを備える;
プロセス。
【請求項58】
熱成形可能な粒子状物質プラスチック複合製品を製造するプロセスであって:
リグノセルロース物質の粒子状物質を乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記粒子状物質に、前記粒子状物質を搬送している間に、多量の1種以上の熱可塑性結合剤を加え、その後前記粒子状物質を固体もしくは半固体製品に成形した後に前記製品を別の形状に熱成形できるようにする搬送工程と;
前記粒子状物質を、さらなる熱成形の必要なしで、製造で有用な所定の製品形状に直接形成する工程とを備える;
プロセス。
【請求項59】
請求項33ないし58のいずれか1項により製造された熱成形可能な粒子状物質プラスチック複合製品。
【請求項60】
リグノセルロース物質もしくは天然物質の繊維もしくは粒子状物質を備える熱成形可能な複合製品を製造するプロセスであって:
リグノセルロース物質をメカニカルに、サーモメカニカルに、ケモサーモメカニカルに、もしくはケモメカニカルに解体して製造した、ばらけたもしくは分解した繊維もしくは繊維束、天然繊維、またはリグノセルロース物質もしくは他の天然素材の粒子状物質を、乾燥もしくは湿潤空気ストリーム中で搬送する工程であって、前記繊維もしくは粒子状物質を搬送している間に、熱硬化性結合剤を前記繊維もしくは粒子状物質に加えもしくは十分に混合する、搬送工程と;
前記繊維もしくは粒子状物質を固体もしくは半固体の製品に、前記熱硬化性結合剤が部分的に硬化する温度で形成する工程であって、前記製品はその後に前記熱硬化性結合剤をさらに硬化させる熱で別の形に形成できる、形成工程とを備える;
プロセス。
【請求項61】
その後に前記熱硬化性結合剤をさらに硬化させる熱で前記製品を別の形に形成する工程を含む;
請求項60のプロセス。
【請求項62】
前記繊維もしくは粒子状物質を固体もしくは半固体の製品に形成する形成工程は、
前記繊維もしくは粒子状物質を実質的に平らなパネルに形成する工程を備え、
前記パネルもしくはその一部を前記熱硬化性結合剤をさらに硬化させる熱で平らでない形状に加熱し熱成形するその後の工程を含む、
請求項60のプロセス。
【請求項63】
前記繊維もしくは粒子状物質を固体もしくは半固体の製品に形成する形成工程は、繊維もしくは粒子状物質を平らでない形状を有する製品に直接形成する工程を備える;
請求項60のプロセス。
【請求項64】
前記繊維もしくは粒子状物質を、前記製品のさらなる変形の必要なしで、製造で有用な所定の製品形状に直接形成する工程を含む;
請求項63のプロセス。
【請求項65】
液体状の結合剤を、前記繊維もしくは粒子状物質が導管中を移動している間に、前記導管の内部に導入し、前記繊維もしくは粒子状物質をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項60ないし64のいずれか1項のプロセス。
【請求項66】
前記液体状の結合剤を、前記繊維もしくは粒子状物質が前記導管中を移動している間に、前記結合剤を前記導管の内部にスプレーすることにより前記導管内に導入し、前記繊維もしくは粒子状物質をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項65のプロセス。
【請求項67】
前記液体状の結合剤を、前記繊維もしくは粒子状物質が導管中を移動している間に、前記導管の内部への前記結合剤の融解流れとして前記導管内に導入し、前記繊維もしくは粒子状物質をコーティングもしくは部分コーティングする工程を含む;
請求項65のプロセス。
【請求項68】
粒子状の結合剤を、前記繊維もしくは粒子状物質が導管中を移動している間に、前記粒子状の結合剤を前記導管の内部に吹き込むことにより、前記導管内に導入し、前記繊維もしくは粒子状物質と十分に混合する工程を含む;
請求項60ないし64のいずれか1項のプロセス。
【請求項69】
前記導管は前記繊維もしくは粒子状物質を、繊維ボードを製造するプラントの精製ステージから搬送する;
請求項60ないし66のいずれか1項のプロセス。
【請求項70】
前記導管は前記繊維もしくは粒子状物質を、乾燥ステージもしくは乾燥機からまたは乾燥ステージもしくは乾燥へ搬送する;
請求項60ないし67のいずれか1項のプロセス。
【請求項71】
請求項60ないし70のいずれか1項で製造される粒子状物質プラスチック複合製品。

【公表番号】特表2009−521341(P2009−521341A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547139(P2008−547139)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/NZ2006/000341
【国際公開番号】WO2007/073218
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(500554759)ニュージーランド フォレスト リサーチ インスティテュート リミテッド (4)
【Fターム(参考)】