説明

本玩具

【課題】複数の頁部材に玩具体を構成する構成部材を保持させ、表紙を閉じると構成部材が連結されて人形体を形成することができるとともに、その人形体を本から取り外して遊ぶことができる本玩具を提供すること。
【解決手段】本玩具AをバインダーBと、複数の頁部材6と、複数の構成部材からなる玩具体Cとで構成し、枠体で構成した頁部材6には上記構成部材に係合する係合部を設け、構成部材には上記頁部材6の係合部に上下方向に係脱可能な係合部を設けるとともに嵌合部を設け、構成部材同士は該嵌合部を介して前後方向に連結、分離できるようにし、上記頁部材6にはそれぞれ嵌合部を設け、頁部材6同士は該嵌合部を介して前後方向に連結、分離できるようにし、構成部材を頁部材6に取り付けた状態で、頁部材6を頁部材に設けた嵌合部を介して連結すると、構成部材も構成部材に設けた嵌合部を介して連結されて玩具体Cが形成されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本玩具、詳しくは絵本に登場するキャラクターを玩具体として組み立てられ、組み立てた玩具体を絵本から取り出すことができる本玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、玩具体を複数の構成部材で構成し、その構成部材をそれぞれ支持枠部材に支持させ、支持枠部材を重ね合わせることにより玩具体が形成され、形成した玩具体を支持枠部材から取り外すことができる組み立て玩具が本出願人から提案されている。(例えば、特許文献1)。この組み立て玩具は、構成部材を前輪車体部、後輪車体部、ボディ部で構成し各構成部材を支持枠体に支持させ、支持枠部材を重ね合わせることにより走行玩具が形成できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−173243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の組み立て玩具は構成部材を組み合わせて好みの仕様の走行玩具を組み立てた後に、その走行玩具を走行させてその仕様に沿った走行を楽しむことができるが、あまりにも機械的であり女児が楽しむことはできない問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、複数の頁部材に玩具体を構成する複数の構成部材をそれぞれ保持させ、表紙を閉じると構成部材が連結されて表紙を開くと人形体が登場するとともに、その人形体を本から取り外して遊ぶことができ、女児も楽しむことができる新しい発想の本玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係る本玩具は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記本玩具はバインダーと、該バインダーに支持させる複数の頁部材と、該頁部材に支持させる複数の構成部材からなる玩具体とで構成されていること
(ロ)上記バインダーには上記頁部材を着脱可能に支持するとともに開閉方向に回動可能な支持部材を設けたこと
(ハ)上記頁部材は枠体で構成され、該枠体の内部には上記玩具体を構成する構成部材に係合する係合部を設けるとともに、それぞれ嵌合部を設け、頁部材同士は該嵌合部を介して前後方向に連結、分離可能に形成されていること
(二)上記構成部材には上記頁部材の係合部に上下方向に係脱可能な係合部とを設けるとともに、それぞれ嵌合部を設け、構成部材同士は該嵌合部を介して前後方向に連結、分離可能に形成されていること
(ホ)上記構成部材の係合部を上記頁部材の係合部に係合させた状態で、頁部材に設けた嵌合部を介して頁部材同士を連結すると、上記構成部材も構成部材に設けた嵌合部を介して連結され玩具体を形成すること
(へ)上記玩具体は連結した頁部材に対し上記係合部を介して上下方向に係脱できること
(ト)上記玩具体は連結した頁部材に支持させた状態で頁部材の連結を解除すると、玩具体は構成部材に分離され、分離した状態でそれぞれの頁部材に支持されていること
【0007】
なお、前記本玩具は、前記バインダー及び頁部材の開閉操作を感知する感知手段と、演出手段と、上記感知手段の感知に基づいて上記演出手段を作動させる制御手段とを備え、本を閉じたり開いたりするようにバインダー及び頁部材の開閉操作すると演出手段が作動するようにしてもよい。
【0008】
そして、前記演出手段を音声情報を出力するスピーカで構成し、前記制御手段は前記センサによるバインダー及び頁部材の開閉を感知すると上記スピーカから音声情報を出力させ、本を閉じたり開いたりするようにバインダー及び頁部材の開閉をすると音声情報が出力され、視覚だけではなく聴覚でも楽しむことができるようにすればよい。
【0009】
また、前記玩具体を人形玩具で構成し、前記構成部材を人形体、頭髪部材、着衣部材で構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、頁部材の係合部に構成部材の係合部を係合させて頁部材に構成部材を取り付け、構成部材を取り付けた頁部材をバインダーに支持させ、本を閉じるようにバインダーを閉じると、頁部材は頁部材の嵌合部を介して連結されるとともに、構成部材は構成部材の嵌合部を介して連結され玩具体を形成することができるとともに、連結した頁部材から玩具体を取り出すことができ、バインダーを閉じる前と開いたときとでは異なる世界が現れる新しい発想の本玩具を提供することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、バインダー及び頁部材を開いたり閉じたりすると演出手段が作動して単に構成部材を連結して玩具体を形成するだけではなく、付加的な演出を楽しむことができる本玩具を実現することができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、演出手段を音声情報を出力するスピーカで構成し、バインダー及び頁部材の操作を感知手段が感知するとスピーカから音声情報が出力されるので、玩具体が形成される視覚的な楽しさに加え聴覚の面でも楽しむことができる本玩具を実現することができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、玩具体を人形玩具で構成し、構成部材を人形体、頭髪部材、着衣部材で構成したことにより、人形体に異なったヘアスタイルや異なった色や形の着衣を選択できるので着せ替え人形遊びを楽しむことができ、女児が楽しむことができる本玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)(b)は本発明に係る本玩具の構成を説明する斜視図
【図2】玩具体の構成を説明する斜視図
【図3】(a)〜(c)は前頁部材、中頁部材、後頁部材の構成を説明する斜視図
【図4】バインダーの構成を説明する分解斜視図
【図5】表表紙部材、裏表紙部材の構成を説明する分解斜視図
【図6】上記本玩具の電気的構成を説明するブロック図
【図7】(a)(b)は中頁部材への玩具体の取り付け方法を説明する斜視図及び取り付け後の状態を示す斜視図
【図8】(a)(b)は前頁部材への玩具体の取り付け方を説明する斜視図及び取り付け後の状態を示す斜視図
【図9】(a)(b)は後頁部材への玩具体の取り付け方を説明する斜視図及び取り付け後の状態を示す斜視図
【図10】バインダーに玩具体を取り付けた頁部材の取り付け方を説明する斜視図
【図11】(a)〜(c)は頁部材を取り付けたバインダーを閉じた状態、開いた状態及びバインダーから玩具体を取り出した状態を説明する斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1(a)(b)は、本発明に係る本玩具Aの一例を示し、この本玩具AはバインダーBと、バインダーBに支持される、前頁部材3、中頁部材4、後頁部材5の3枚からなる頁部材6と、玩具体Cを構成する構成部材10、20、30とで構成され、構成部材10、20、30を頁部材6に装着し、バインダー1を閉じるように頁部材3、4、5を重ね合わせると構成部材10、20、30が連結されて1つの玩具体Cを形成することができるようになっているものである。
【0016】
本実施の形態では玩具体Cを人形玩具で構成したもので、この玩具体(以下、人形玩具という)を構成する構成部材10、20、30は、図2に示すように、人形体を模して形成された構成部材10と、人形体の頭部に装着する頭髪を模して形成された構成部材20と、人形体の胴体部に装着する着衣を模して形成された構成部材30とで構成されている。
【0017】
人形体を模して形成された構成部材10(以下、人形体10という)は、胴体部11に腕部12と脚部13とが回動可能に取り付けられ、頭部14の前面と背面とには後述する構成部材20に設けた嵌合部(嵌合突部)23a、23bに嵌合する嵌合部(嵌合凹部)15a、15bがそれぞれ形成され、胴体部11の前面と背面とには後述する構成部材30に設けた嵌合部(嵌合突部)23c、23dに嵌合する嵌合部(嵌合凹部)15c、15dがそれぞれ形成されている。
【0018】
そして、胴体部11の底面には、後述する中頁部材4に設けた係合部(係合凸部)54に上下方向に係脱可能な係合部(係合凹部)16aが形成され、腕部12の先端に設けた手部17は逆U字状に湾曲して中頁部材4に設けた係合部(係合凸部)52を把持するとともに上下方向に係脱可能な係合部(係合凹部)16bが形成され、脚部13の下端には中頁部材4に設けたに係合部(係合凸部)55に上下方向に係脱可能な係合部(係合凹部)16cが形成されている。
【0019】
頭髪を模して形成された構成部材20(以下、頭髪部材20という)は、前後に2分割された前頭髪部材21と、後頭髪部材22との2部材で構成され、着衣を模して形成された構成部材30(以下、着衣部材30という)は同様に前後に2分割された前着衣部材31と、後着衣部材32との2部材で構成されている。
【0020】
上記前頭髪部材21と、後頭髪部材22とには内壁面に上記人形体10の頭部14に形成された嵌合凹部15aと嵌合凹部15bとに嵌合する嵌合部(嵌合凸部)23aと、嵌合部(嵌合凸部)23bとがそれぞれ形成され、外側両側面には後述する前頁部材3、後頁部材5の係合部(係合凸片)42、62に上下方向に係脱可能な係合部(係合凹部)24aと係合部(係合凹部)24bとがそれぞれ形成されている。
【0021】
着衣を模して形成された構成部材30(以下、着衣部材30という)は前後に2分割された前着衣部材31と、後着衣部材32とで構成され、前着衣部材31と、後着衣部材32とには内壁面に上記人形体10の胴体部11に装着時に胴体部11の前後面に形成された嵌合凹部15c、15dに嵌合する嵌合部(嵌合凸部)23c、23dがそれぞれ形成され、前着衣部材31の外側両側面には後述する前頁部材3の係合部44に上下方向に係脱可能な係合部(係合片)23eが形成され、下端には内方に向かって張出片35が形成され、この張出片35には前頁部材3の係合凸部46に上下方向に係脱可能な係合部(係合孔)23fが形成されている。
【0022】
また、後着衣部材32の下端には内方に向かって張出片36が形成され、この張出片36には後頁部材5の係合凸部66に上下方向に係脱可能な係合部(係合孔)23gが形成され、背面には後頁部材5の係合部64に上下方向に係脱可能な係合部(係合孔)23hが形成されている。
【0023】
頁部材6は、上記前頭髪部材21、前着衣部材31を取り付ける前頁部材3と、上記人形体10を取り付ける中頁部材4と、上記後頭髪部材22、後着衣部材32を取り付ける後頁部材5の3つの頁部材で構成されている。
【0024】
前頁部材3は長方形状の枠体40で構成され、この枠体40には両側から内方に向かって、上記前頭髪部材21を支持する第1の支持アーム41が水平方向に突出して形成され、この第1の支持アーム41の先端には、前頭髪部材21の係合凹部24aが上下方向に係脱可能な係合部(係合凸片)42が形成されている。
【0025】
そして、第1の支持アーム41の下方には、上記前着衣部材31を支持する第2の支持アーム43が斜め上方に突出して形成され、この第2の支持アーム43の先端には、前着衣部材21の係合片23eが上下方向に係脱可能な係合部(係合凸片)44が形成されている。
【0026】
さらに、枠体40の下部には上方に向かって一本の支持柱45が突出して形成され、支持柱45の先端には前着衣部材21の係合孔23fが上下方向に係脱可能な係合部(係合凸部)46が形成され、枠体40の背面四隅には前頁部材3を中頁部材4に重合させたとき後述する枠体50の四隅に形成された嵌合孔56に嵌合する嵌合突部47が後方に突出して形成されている。
【0027】
また、左側端部には、開閉時に後述するセンサSW1、SW2に対応するレバー76に側壁が係合しないように切欠き部48が形成されている。
【0028】
中頁部材4は長方形状の枠体50で構成され、この枠体50には両側から内方に向かって、上記人形体10を支持する支持板51が水平方向に突出して形成され、この支持板51の前面には、人形体10の腕部12の先端に設けた係合凹部16bが上下方向に係脱可能な係合部(係合凸部)52が前方に突出して形成されている。
【0029】
そして枠体50の下部には上方に向かって一本の支持柱53が突出して形成され、この支持柱53の先端には人形体10の胴体部11の下端に形成された係合凹部16aが上下方向に係脱可能な係合部(係合凸部)54が形成されている。さらに、上記支持柱53の近傍両側には人形体10の脚部13の下端に形成された係合凹部16cが上下方向に係脱可能な係合部(係合凸部)55が形成され、枠体50の四隅には枠体40の嵌合突部47に嵌合する嵌合孔56が形成されるとともに、中頁部材4を後頁部材5に重合させたときは後述する枠体60の四隅に形成された嵌合孔67に嵌合する嵌合突部57が後方に突出して形成されている。
【0030】
また、左側端部には、開閉時に後述するセンサSW1、SW.に対応するレバー76に側壁が係合しないように切欠き部58が形成されている。
【0031】
後頁部材5は長方形状の枠体60で構成され、この枠体60には両側から内方に向かって、上記後頭髪部材22を支持する支持アーム61が水平方向に突出して形成され、この支持アーム61の先端には、後頭髪部材22の両側部に形成された係合凹部24bが上下方向に係脱可能な係合部(係合凸片)62が形成されている。
【0032】
そして、支持アーム61の下方には枠体60の両側部に渡ってブリッジ63が形成され、このブリッジ63の中央には後着衣部材32の背面に形成された係合孔23hが上下方向に係脱可能な係合部(フック)64が形成されている。
【0033】
さらに、枠体60の下部には上方に向かって一本の支持柱65が突出して形成され、支持柱65の先端には後着衣部材32の下端に形成された係合孔23gが上下方向に係脱可能な係合部(係合凸部)66が形成され、枠体60の四隅には枠体50と重合したとき枠体50の嵌合突部57に嵌合する嵌合孔67と、後述する裏表紙部材2に形成された嵌合突部78に嵌合する嵌合孔68が形成されている。
【0034】
また、左側端部には、開閉時に後述するスイッチSW2、SW3に対応するレバー76に側壁が係合しないように切欠き部69が形成されている。
【0035】
バインダーBは、図4に示すように、表表紙部材1と裏表紙部材2と、頁部材6を支持する支持部材8と、頁部材6を支持する支持部材8を回動可能に保持する筒状の保持部材9で構成されている。
【0036】
表表紙部材1は、図5に示すように、外側表紙部材1aと内側表紙部材1bとで構成され、各表紙部材1a、1bの後端上下部には略半円筒状のヒンジ部71a、71bが形成され、外側表紙部材1aと内側表紙部材1bとを重合させ、ネジaで固定すると図4に示すように、円筒状のヒンジ部71を備えた表表紙部材1が形成されるようになっている。
【0037】
なお、内側表紙部材1bの背面四隅には前頁部材3の前面四隅に当接する突部72が形成されている。この突部72は表表紙部材1を閉じて前頁部材3を中頁部材4に押し付ける際、前頁部材3に装着した前頭髪部材21と前着衣部材31とが内側表紙部材1bの面に当接して損傷させないようにするためのものである。
【0038】
裏表紙部材2は外側裏表紙部材2aと内側裏表紙部材2bとで構成され、各表紙部材2a、2bには略半円筒状のヒンジ部73a、73bが形成され、外側裏表紙部材2aと内側裏表紙部材2bとを重合させるとともに、重合する際に保持部材9の係合凸縁9aを係合溝74に係合させ、ネジaで固定すると、図4に示すように、保持部材9を支持した状態の円筒状のヒンジ部73を備えた裏表紙部材2が形成されるようになっている。
【0039】
上記ヒンジ部73bには周方向にスリット75が形成され、このスリット75からはヒンジ部73aの内部に配置され、頁部材の回動を感知する感知手段(例えば、タクトスイッチ)SWをON/OFFさせるレバー76の先端76aを突出させ、前頁部材3、中頁部材4、後頁部材5の開閉操作によって先端76aが押されるとレバー76はヒンジ部73bの内側に形成された図示しない軸受部に軸支された支軸76bを中心に内方に回動し、係合突部76cがスイッチSWに作用するようになっており、頁部材6を閉じたときにはレバー76を押圧してスイッチSWをONした状態にし、開いたときにはレバー76の押圧を解除してスイッチSWをOFFするようにしたので、後述するMPU91はスイッチSWのON/OFFで頁部材6の開閉操作を認識することができるようになっている。
【0040】
なお、内側裏紙部材2bの表面の四隅には後頁部材5の背面四隅に当接する突部77が形成されている。この突部77は裏表紙部材1を閉じて後頁部材5を中頁部材3に押し付ける際、後頁部材5に装着した後頭髪部材22と後着衣部材32とが内側裏紙部材2bの表面に当接して損傷させないようにするためのものである。さらに、この突部77の先端には後頁部材5の嵌合孔68に嵌合する嵌合突部78が突出して形成されている。
【0041】
そして、上記保持部材9にはリング状の支持部材8(80、81、82)が回動可能に取り付けられる。この支持部材80、81、82には上述の頁部材3、4、5の左側端部を挟持する一対の挟持片80a、81a、82aがそれぞれ形成されている。
【0042】
なお、保持部材9に支持部材8を取り付けた後、表表紙部材1のヒンジ部71a、71bで保持部材9を掴むようにして外側表紙部材1aと内側表紙部材1bとを重合すれば、支持部材80、81、82が保持部材9に支持された状態が維持できるとともに、裏表紙部材2に対して表表紙部材1を回動可能に取り付けることができる。
【0043】
上記保持部材9は円筒状に形成され、上部の保持部材9aは内部には図示しないバッテリーを収容する電池ボックスを構成し、下部の保持部材9bの内部には回路基板90とスイッチSW4が配置されている。この回路基板90には音声情報を記憶したメモリ92を内蔵するMPU91が配置され、本を開いたり閉じたりするように表表紙部材1を前後に回動させるとスイッチSW4が作動し、頁部材6を開いたり閉じたりするように頁部材6を回動させるとSW1〜SW3のいずれかが作動するので、MPU91は内蔵したメモリ92に記憶した音声情報を読み出して演出手段であるスピーカ93から効果音やメロディを出力させることができるようになっている。
【0044】
なお、符号87は、上記保持部材9の開口部(上部のヒンジ部71の上面及び下部のヒンジ部71の下面)を遮蔽する蓋部材である。
【0045】
図6は、上述の本玩具の電気的構成を説明するブロック図を示し、玩具全体を制御するプログラマブル音声合成ICで構成された制御手段(以下、MPUという)91は効果音やメロディなどの音声情報を記憶したメモリ92を内蔵し、インプットとして表表紙部材の開閉に対応してON/オフするスイッチSW4、各頁部材の開閉に対応してON/オフするスイッチSW1〜SW3が接続され、アウトプットとして演出手段を構成するスピーカ93が接続されており、MPU91がスイッチSW1〜SW4のON/OFFを感知すると、メモリ92から音声情報を読み出して演出手段であるスピーカ93から音声情報を出力するようになっている。このスピーカ93は圧電ブザーで構成され、電源スイッチSW5とともに外側裏表紙部材2aの内側面に配置されている(図5参照)。
【0046】
次に、上記構成の本玩具Aの使用態様について説明する。
【0047】
先ず、人形体10を中頁部材4に装着する。この際、図7(a)に示すように、係合凹部16a、16b、16cを中頁部材4の係合凸部52、54、55にそれぞれ対応させて上から押し下げるようにして係合させ、図7(b)に示すように、中頁部材4に人形体10を装着する。
【0048】
次に、前頭髪部材21と前着衣部材31とを前頁部材3に装着する。この際、図8(a)に示すように、前頭髪部材21の両側面に形成されている係合凹部24aを前頁部材3の係合凸部42に対応させて上から押し下げるようにして係合させ、図8(b)に示すように、前頁部材3に前頭髪部材21を装着する。同様に、前着衣部材31の係合凸部23e、23fを係合凸部44、46に対応させて上から押し下げるようにして係合させ、図8(b)に示すように、前頁部材3に前着衣部材31を装着する。
【0049】
引き続き、後頭髪部材22と後着衣部材32とを後頁部材5に装着する。この際、図9(a)に示すように、後頭髪部材22の両側面に形成されている係合凹部24bを後頁部材5の係合凸片62に対応させて上から押し下げるようにして係合させ、図9(b)に示すように、後頁部材5に後頭髪部材22を装着する。同様に、後着衣部材32の係合孔23g、23hを係合突部66、フック64にそれぞれ対応させて上から押し下げるようにして係合させ、図9(b)に示すように、後頁部材5に後着衣部材32を装着する。
【0050】
構成部材10、20、30を取り付けた頁部材3、4、5は、図10に示すように、バインダーBに取り付けるが、この際、前頁部材3の左端部を支持部材80、80の挟持部80a、80aに、中頁部材4の左端部を支持部材81、81の挟持部81a、81aに、後頁部材5の左端部を支持部材82、82の挟持部82a、82aにそれぞれ差し込んで、バインダーBに取り付けた後に、図11(a)に示すように、本を閉じるようにバインダーBを閉じる。
【0051】
この時、前表紙部材1と後表紙部材2とで頁部材6同士が圧着するように、前後から圧力を加えると、前頁部材3の嵌合突部47は中頁部材4の嵌合孔56に嵌合し、中頁部材4の嵌合突部57は後頁部材5の嵌合孔67に嵌合して、前頁部材3、中頁部材4、後頁部材5は一体化する。同時に、前頭髪部材21の嵌合突部23aは人形体10の頭部14の嵌合凹部15aに嵌合し、後頭髪部材22の嵌合突部23bは頭部14の嵌合孔15bに嵌合して頭部14に頭髪部材20が取り付けられる。
【0052】
一方、前着衣部材31の嵌合突部23cは人形体10の胴体部11の嵌合凹部15cに嵌合し、後着衣部材32の嵌合突部23dは胴体部11の嵌合孔15dに嵌合して胴体部11に着衣部材30が取り付けられるので、図11(b)に示すように、前表紙部材1を前方に回動させてバインダーBを開いた状態にすると、前頁部材3、中頁部材4、後頁部材5が一体化した頁部材6に玩具体Cがセットされた状態になって現れることになる。
【0053】
なお、バインダーBを閉じたとき、後頁部材5の嵌合孔68が後表紙部材2の内側表紙部材2bに形成された突部77の先端の嵌合突部78に嵌合しているので、頁部材3、4、5は連結した状態で後表紙部材2に固定された状態となっている。
【0054】
この時、電源スイッチSW5をONした状態で、表表紙部材1、頁部材6の回動を行なえば表表紙部材1に対応したスイッチSW4、各頁部材に対応したスイッチSW1、SW2、SW3が作動し、このスイッチの作動を感知したMPU91はメモリ92に記憶した音声情報をスピーカ93から出力させて演出効果を発揮させることになる。
【0055】
玩具体Cを構成する全ての構成部材10、20、30は係合部が頁部材6の係合部に対し、上下方向に着脱可能なので、構成部材が一体化した状態であっても、玩具体Cを頁部材6に対し上方に引き上げれば、係合が外れて玩具体CはバインダーBから取り外すことができ、図11(c)に示すような、人形を模した玩具体Cを取り出すことができる。
【0056】
同時に、表表紙部材1を開くことにより、スイッチSW4が働き、MPU91はメモリ92から玩具体に関連する情報や音楽を出力し、その情報や音楽を背景に玩具体で遊ぶことができ、単に玩具体を組み上げるだけではなく、組み立てた玩具体で人形遊びなどを楽しむことができ、女児にも楽しむことができる本玩具を実現することができる。
【0057】
しかも、構成部材を組み替えることにより、着せ替え人形のような遊びを楽しむことができ、単に縫い包みの人形遊びでは得られない新しい発想の遊びを実現することができる本玩具を提供することができる。
【0058】
なお、玩具体Cの係合部と頁部材6の係合部とが上下位置に対応するように玩具体Cが外された状態の頁部材6の空間b(図11(c)参照)に玩具体Cを差し込み、玩具体Cを頁部材6から取り外す時と逆に、下方に押し下げて、玩具体Cの係合部と頁部材6の係合部とを係合させて頁部材6に玩具体Cを支持させて、図11(b)の状態にし、頁部材同士を引き剥がして嵌合を解除すれば、玩具体を構成する構成部材同士の嵌合も解除され、図10に示すように、玩具体を構成部材に分離することができる。
【0059】
上述したように、玩具体を複数の構成部材で構成し、且つ前構成部材と後構成部材とに分割し、それぞれを頁部材に取り付け、構成部材を取り付けた頁部材をバインダーに取り付けた後に本を閉じるようにバインダーを閉じると各頁部材は頁部材の嵌合部を介して連結されて一体化し、その際各頁部材に装着されている構成部材も構成部材自身の嵌合部を介して連結されるので、本を閉じるようにバインダーを閉じたあと、閉じた本の表紙を開くように前表紙部材を開くと、演出手段が作動して音声情報が出力されるとともに、一体化した玩具体が現れ、その玩具体はバインダーから取り出すことができるので、玩具体が人形体の場合には構成部材を頭髪部材、着衣部材とで構成し、異なった髪形の頭髪部材や、異なった色やデザインの洋服を模した着衣部材で構成すれば、着せ替え人形遊びもできるので女児が楽しむことができる本玩具を実現することができる。
【0060】
なお、上述の本玩具では、演出手段を音声情報を出力するスピーカで構成し、本玩具を開いたり閉じたりしたときには、音声情報を出力するようにしたが、バインダーBにLEDや液晶パネルを配置してLEDを点滅させたり、液晶パネルに画像を表示させたりすればよいし、香り発生機構を設けて香りを発生させたりしてもよいし、モータや電磁石で作動する装飾動作機構を設けて装飾動作機構を作動させるなど、音声以外の演出が行えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 前表紙部材
2 後表紙部材
3 前頁部材
4 中頁部材
5 後頁部材
6 頁部材
10 人形体
20 頭髪部材
30 着衣部材
A 本玩具
B バインダー
C 玩具体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を備えることを特徴とする本玩具。
(イ)上記本玩具はバインダーと、該バインダーに支持させる複数の頁部材と、該頁部材に支持させる複数の構成部材からなる玩具体とで構成されていること
(ロ)上記バインダーには上記頁部材を着脱可能に支持するとともに開閉方向に回動可能な支持部材を設けたこと
(ハ)上記頁部材は枠体で構成され、該枠体の内部には上記玩具体を構成する構成部材に係合する係合部を設けるとともに、それぞれ嵌合部を設け、頁部材同士は該嵌合部を介して前後方向に連結、分離可能に形成されていること
(二)上記構成部材には上記頁部材の係合部に上下方向に係脱可能な係合部とを設けるとともに、それぞれ嵌合部を設け、構成部材同士は該嵌合部を介して前後方向に連結、分離可能に形成されていること
(ホ)上記構成部材の係合部を上記頁部材の係合部に係合させた状態で、頁部材に設けた嵌合部を介して頁部材同士を連結すると、上記構成部材も構成部材に設けた嵌合部を介して連結され玩具体を形成すること
(へ)上記玩具体は連結した頁部材に対し上記係合部を介して上下方向に係脱できること
(ト)上記玩具体は連結した頁部材に支持させた状態で頁部材の連結を解除すると、玩具体は構成部材に分離され、分離した状態でそれぞれの頁部材に支持されていること
【請求項2】
前記本玩具は、前記本玩具は、前記バインダー及び頁部材の開閉操作を感知する感知手段と、演出手段と、上記感知手段の感知に基づいて上記演出手段を作動させる制御手段とを備えた、請求項1記載の本玩具。
【請求項3】
前記演出手段を音声情報を出力するスピーカで構成し、前記制御手段は前記感知手段によるバインダー及び頁部材の開閉を感知すると上記スピーカから音声情報を出力させる、請求項2記載の本玩具。
【請求項4】
前記玩具体は、人形玩具で構成し、前記構成部材は人形体、頭髪部材、着衣部材で構成した請求項1記載の本玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−193911(P2011−193911A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60812(P2010−60812)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【出願人】(591056846)株式会社東京ユニーク (15)
【Fターム(参考)】