説明

材質均一性に優れた熱延鋼板およびその製造方法

【課題】材質均一性に優れ、かつ590MPa以上の引張強度を有する冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用に供して好適の、熱延鋼板について提供する。
【解決手段】化学成分は、質量%で、C:0.060〜0.150%、Si:0.15〜0.70%、Mn:1.00〜1.90%、P:0.10%以下、S:0.010%以下、Al:0.01〜0.10%、N:0.010%以下およびNb:0.010〜0.100%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
ミクロ組織は、平均結晶粒径:18μm以下のフェライトを体積分率で75%以上、平均結晶粒径:2μm以上のパーライトを体積分率で5%以上含み、残部は低温生成相からなる複合組織とし、さらに、パーライトの平均自由行程を5.0μm以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車産業の分野で使用される部材として好適な、特に材質均一性に優れかつ降伏比の高い冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用の熱延鋼板およびその製造方法に関する。なお、降伏比(YR)とは、引張強度(TS)に対する降伏強度(YS)の比を示す値であり、YR=YS/TSで表される。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の保護意識の高まりから、自動車のCO排出量削減に向けた燃費改善が強く求められている。これに伴い、車体材料の高強度化での薄肉化を図り、車体を軽量化しようとする動きが活発となっており、プレス加工して製造される部品に用いられる冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板には、TSが590MPa以上の高強度鋼板が多く用いられるようになってきている。さらに、自動車に要求される衝突安全性を確保するために、衝突吸収エネルギー特性が大きいという特性が求められている。この衝突吸収エネルギー特性を向上させるためには、降伏比を高めることが有効であり、降伏比が高くなれば、低い変形量であっても効率よく衝突エネルギーを吸収させることが可能である。
【0003】
一方、鋼板の高強度化、薄肉化により形状凍結性は著しく低下するため、プレス成形時に、離型後のプレス部品の形状変化を予め予測し、形状変化量を見込んでプレス金型を設計することが広く行われている。ここで、鋼板の引張強度が著しく変化すると、これらを一定とした見込み量からのズレが大きくなり、形状不良が発生し、プレス成形後に一個一個形状を板金加工する等の手直しが不可欠となり、量産効率を著しく低下させる。このため、冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板の強度のバラツキを可能な限り小さくすること、すなわち材質均一性に優れることが要求されている。
【0004】
ここに、590MPa以上の引張強度を得るための鋼板の強化機構としては、母相であるフェライトの硬化、もしくはマルテンサイトのような硬質相を利用する方法がある。上記の中で、Nbなど炭化物生成元素を添加した析出強化型の高強度鋼板は、高降伏比を得やすく、かつ、所定の強度を確保するために必要な合金元素が少量で済むため、廉価に製造可能である。
【0005】
例えば、590MPa以上の高強度薄鋼板について、特許文献1には、NbおよびTi添加により析出強化し、伸びフランジ成形性と衝突吸収エネルギー特性に優れた高強度冷延鋼板を提供することが開示されている。特許文献2には、NbおよびTi添加により析出強化した、鋼板組織が再結晶フェライト、未再結晶フェライト及びパーライトを含む高強度冷延鋼板が開示されている。
【0006】
また、高強度の冷延鋼板は、熱延鋼板の鋼板組織や析出量の影響が大きく、熱延鋼板における高強度化が有利であり、この熱延鋼板について、特許文献3には、NbおよびTiの含有量を調整することにより、高延性を有し、かつ材質均一性に優れた熱延鋼板を製造する方法が開示されており、さらに特許文献4には、Ti含有量を調整することにより、材質均一性および穴広げ性が改善された熱延鋼板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−174776号公報
【特許文献2】特開2008−156680号公報
【特許文献3】特許第3767132号公報
【特許文献4】特開2000−212687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、鋼板中のAl含有量が0.010%未満であるため、鋼の脱酸とNの析出固定とを十分に行うことができず、健全な鋼を量産することは困難であり、加えてOを含有し酸化物を分散させているため、材質ばらつきが大きくなる、という問題がある。また、特許文献2に開示の技術は、未再結晶フェライトを均一に分散させて延性の低下を抑えているが、材質均一性については考慮されていない。さらに、上述の特許文献1および2に開示の技術では、熱間圧延段階での組織制御は考慮されておらず、ともに冷間圧延後の組織制御により、延性の向上および幅方向の延性ばらつきの縮小化を図っている。
【0009】
また、特許文献3および4に開示の技術では、高延性もしくは穴広げ性に優れた熱延鋼板の製造方法が提示されており、冷延鋼板を製造するための熱延素材および溶融亜鉛めっきを製造するための熱延素材としては考慮されていない。そのため、焼鈍後に材質均一性に優れた冷延鋼板用熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板の開発が課題となる。
【0010】
したがって、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消し、材質均一性に優れ、かつ590MPa以上の引張強度を有する冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用に供して好適の、熱延鋼板およびその製造方法について提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、材質均一性に優れ、かつ高降伏比を有する冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用の熱延鋼板を得るべく鋭意検討を重ねたところ、以下のことを見出した。すなわち、連続鋳造後の鋼スラブを600℃まで6h以内に冷却することによって、スラブ内の偏析を最小限に抑えるとともに熱間圧延前の結晶粒を微細化させ、その後、熱間圧延工程で仕上げ圧延終了温度から巻取り温度までの熱履歴、とくに冷却速度を制御し、鋼板の組織をフェライトおよびパーライトを主体とする組織にするとともに、Nbの添加に伴う再結晶遅延効果を利用することによって、熱延鋼板のフェライトおよびパーライトの結晶粒を微細化し、さらに、鋼板組織の体積分率およびパーライトの分散状態を制御することにより、熱延鋼板の材質バラツキを低減することができるとともに、その後の焼鈍後の冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板の強度確保と材質バラツキの狭小化を図ることができることが分かった。
【0012】
また、その後の焼鈍後の冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板では、Nb炭窒化物の析出強化の活用による強度確保、降伏比の向上、さらに、構成相の面積率を適正に制御することにより、材質均一性の向上を図ることができた。以上のことより、材質均一性に優れた高降伏比を有する冷延鋼板用熱延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板用熱延鋼板の創製が可能となった。
【0013】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その構成は次のとおりである。
(1)化学成分が、質量%で、C:0.060〜0.150%、Si:0.15〜0.70%、Mn:1.00〜1.90%、P:0.10%以下、S:0.010%以下、Al:0.01〜0.10%、N:0.010%以下およびNb:0.010〜0.100%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
ミクロ組織が、平均結晶粒径:18μm以下のフェライトを体積分率で75%以上、平均結晶粒径:2μm以上のパーライトを体積分率で5%以上含み、残部は低温生成相からなる複合組織であり、さらに、パーライトの平均自由行程が5.0μm以上であることを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板。
ここで、パーライトの平均自由行程とは、パーライトの分散状態である。
【0014】
(2)Fe成分の一部に代えて、さらに質量%で、Ti:0.05%未満を含有することを特徴とする前記(1)に記載の材質均一性に優れた熱延鋼板。
【0015】
(3)Fe成分の一部に代えて、さらに質量%で、V:0.10%以下、Cr:0.50%以下、Mo:0.50%以下、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、B:0.0030%以下から選択される一種以上を含有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の材質均一性に優れた熱延鋼板。
【0016】
(4)Fe成分の一部に代えて、さらに質量%で、Ca:0.001〜0.005%およびREM:0.001〜0.005%から選択される一種以上を含有することを特徴とする前記(1)から(3)のいずれかに記載の材質均一性に優れた熱延鋼板。
【0017】
(5)前記熱延鋼板が、冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用である前記(1)から(4)のいずれかに記載の材質均一性に優れた熱延鋼板。
ここで、前記溶融亜鉛めっき鋼板は、合金化処理を施すか施さないかにかかわらず、溶融亜鉛めっき方法によって鋼板上に亜鉛をめっきした鋼板を総称する。すなわち、本発明における溶融亜鉛めっき鋼板とは、合金化処理を施していない溶融亜鉛めっき鋼板、合金化処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板の両方を含むものである。
【0018】
(6)前記(1)から(4)のいずれかに記載の成分組成を有する溶鋼を連続鋳造してスラブとし、このスラブを600℃まで6h以内に冷却し、その後、再加熱して、熱間圧延開始温度:1150〜1270℃、仕上げ圧延の終了温度:830〜950℃の条件で熱間圧延し、650℃までの温度域を平均冷却速度20〜90℃/sで冷却し、その後、470〜640℃の温度域にて巻取る際の該巻取り温度まで平均冷却速度5〜30℃/sで冷却し、前記巻取りを行うことを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、材質均一性に優れることから高い加工性を有し、しかも高い降伏比を有する冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板用の素材である熱延鋼板を提供することができる。そして、この熱延鋼板を冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板に供することによって得られる、冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板を、例えば、自動車構造部材に適用することにより、自動車における衝突安全性を確保しつつ車体軽量化による燃費改善を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の熱延鋼板の各成分の含有量の限定理由を説明する。なお、以下において、鋼の化学成分に関する「%」表示は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
【0021】
C:0.060〜0.150%
炭素(C)は、鋼板の高強度化に有効な元素であり、特に、Nbのような炭化物形成元素と微細な合金炭化物、あるいは、合金炭窒化物を形成して鋼板の強化に寄与する。また、本発明における、熱延鋼板の鋼板組織におけるパーライトの形成に必要な元素であり、高強度化に寄与する。この効果を得るためには、0.060%以上の添加が必要である。一方、C含有量を0.150%よりも多く含有させると、スポット溶接性が低下することから、C含有量の上限は0.150%とする。なお、より良好な溶接性を確保する観点からは、C含有量を0.120%以下とすることが好ましい。
【0022】
Si:0.15〜0.70%
珪素(Si)は、高い加工硬化能をもつことから強度上昇に対して延性の低下が比較的少なく、焼鈍後の強度−延性バランスの向上にも寄与する元素である。また、熱延段階でのフェライト変態の促進により、所望のフェライトの結晶粒径および体積分率が確保されるため、材質均一性を向上させるために必要な元素である。この効果を得るためには、Si含有量を0.15%以上とすることが必要である。さらに材質均一性を高めるためには、Si含有量を0.35%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が0.70%よりも多いと、焼鈍後の溶融亜鉛めっき性の劣化が著しくなるため、Si含有量を0.70%以下とし、より好ましくは0.60%以下である。
【0023】
Mn:1.00〜1.90%
マンガン(Mn)は、固溶強化および第2相を生成することで焼鈍後の高強度化に寄与する元素である。その効果を得るためにはMn含有量は1.00%以上とすることが必要であり、好ましくは1.20%以上である。一方、Mn含有量が1.90%よりも多いと、熱延段階でのフェライト変態とパーライト変態を遅延し、所望のフェライトの結晶粒径および面積率を確保することが難しく、材質均一性が低下する懸念があるため、その含有量は1.90%以下、好ましくは1.70%以下とする。
【0024】
P:0.10%以下
リン(P)は、固溶強化により高強度化に寄与する元素であり、この効果を得るためにはPの含有量は0.005%以上とすることが好ましい。また、P含有量が0.10%よりも多いと、粒界への偏析が著しくなって粒界を脆化させ、また溶接性が低下し、材質均一性が劣化するため、Pの含有量の上限値は0.10%とする。好ましくは、0.05%以下である。
【0025】
S:0.010%以下
硫黄(S)の含有量が多い場合には、MnSなどの硫化物が多く生成し、焼鈍後の伸びフランジ性に代表される局部伸びが低下するため、含有量の上限を0.010%とする。好ましくは、0.005%以下である。なお、S含有量の下限値については特に限定する必要は無いが、極低S化は製鋼コストの上昇をまねくため、0.0005%以上の範囲において低減すればよい。
【0026】
Al:0.01〜0.10%
アルミニウム(Al)は、脱酸に必要な元素であり、この効果を得るためには0.01%以上含有することが必要であるが、0.10%を超えて含有しても効果が飽和するため、0.10%以下とする。好ましくは、0.05%以下である。
【0027】
N:0.010%以下
窒素(N)は、Cと同様にNbと化合物を形成して、合金窒化物や合金炭窒化物となり、高強度化に寄与する。しかし、窒化物は比較的高温で生成しやすいため粗大になりやすく、炭化物に比べ強度への寄与が相対的に小さい。このため、焼鈍後の高強度化にはN含有量を低減して合金炭化物をより生成した方が有利である。このような観点から、Nの含有量は0.010%以下、好ましくは0.005%以下とする。
【0028】
Nb:0.010〜0.100%
ニオブ(Nb)は、CやNと化合物を形成して炭化物や炭窒化物となり、さらには結晶粒微細化に効果があり、所望のフェライトおよびパーライトの結晶粒径および体積分率を確保するために重要な元素である。さらに、炭窒化物の析出強化により高降伏比を得るためにも必要な元素である。この効果を得るためには、Nb含有量を0.010%以上とすることが必要である。しかし、Nb含有量が0.100%よりも多いと、成形性の低下が著しくなるため、Nb含有量の上限値を0.100%とする。好ましくは、0.060%以下である。
【0029】
本発明では、上記の基本成分に加え、以下に示す任意成分を、必要に応じて所定の範囲で一種以上含有しても良い。
Ti:0.05%未満
チタン(Ti)は、Nbと同様に、微細な炭窒化物を形成し、結晶粒微細化にも効果があり、強度上昇に寄与することができることができるため、必要に応じて含有することが出来る元素であるが、Ti含有量を0.05%以上添加すると、成形性が著しく低下するため、Ti含有量は0.05%未満とし、好ましくは0.035%以下である。なお、焼鈍後の強度上昇効果を発揮する上で、Tiを含有させる場合には、0.005%以上含有させることが好ましい。
【0030】
V:0.10%以下
バナジウム(V)もまた、Nbと同様に、微細な炭窒化物を形成し、結晶粒微細化にも効果があり、強度上昇に寄与することができることができるため、必要に応じて含有することが出来る元素であるが、V含有量を0.10%よりも多くしても、0.10%を超えた分の強度上昇効果は小さく、そのうえ、合金コストの増加も招いてしまう。このため、V含有量は0.10%以下とする。なお、強度上昇効果を発揮する上で、Vを含有させる場合には、0.005%以上含有させることが好ましい。
【0031】
Cr:0.50%以下
クロム(Cr)は、焼鈍時の焼入れ性を向上させ、第2相を生成することで高強度化に寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる元素であるが、この効果を発揮させるためには、Cr含有量を0.10%以上とすることが好ましい。一方、Cr含有量を0.50%より多くしても、効果の向上は認められなくなるため、Cr含有量は0.50%以下とする。
【0032】
Mo:0.50%以下
モリブデン(Mo)は、焼鈍時の焼入れ性を向上させ、第2相を生成することで高強度化に寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる元素であるが、この効果を発揮させるためには、Mo含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Mo含有量を0.50%より多くしても、効果の向上は認められなくなるため、Mo含有量は0.50%以下とする。
【0033】
Cu:0.50%以下
銅(Cu)は、固溶強化により高強度化に寄与し、また、焼鈍時の焼入れ性を向上させ、第2相を生成することでも高強度化に寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる元素である。この効果を発揮させるためには、Cu含有量は0.05%以上とすることが好ましい。一方、Cu含有量が0.50%より多くしても、効果の向上は認められなくなり、さらに、Cuに起因する表面欠陥が発生しやすくなるため、Cu含有量は0.50%以下とする。
【0034】
Ni:0.50%以下
ニッケル(Ni)もまた、Cuと同様に、固溶強化により高強度化に寄与し、また、焼鈍時の焼入れ性を向上させ、第2相を生成することでも高強度化に寄与し、さらに、Cuとともに添加すると、Cu起因の表面欠陥を抑制する効果があるため、必要に応じて添加することができる元素である。この効果を発揮させるためには、Ni含有量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Ni含有量を0.50%より多くしても、効果の向上は認められなくなるため、Ni含有量は0.50%以下とする。
【0035】
B:0.0030%以下
ボロン(B)は、焼鈍時の焼入れ性を向上させて第2相を生成することによって、高強度化に寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる。この効果を発揮するためには、0.0005%以上含有させることが好ましい。一方、0.0030%超を含有させても効果が飽和するため、その含有量を0.0030%以下とする。
【0036】
Ca:0.001〜0.005%およびREM:0.001〜0.005%から選択される一種以上
カルシウム(Ca)および希土類元素(REM)は、硫化物の形状を球状化し、穴広げ性への硫化物の悪影響を改善するのに寄与する元素であり、必要に応じて添加することができる。これらの効果を発揮するためには、それぞれ0.001%以上含有させることが好ましい。一方、0.005%超含有させても効果が飽和するため、その含有量をそれぞれ0.005%以下とする。
【0037】
上記化学成分の他の残部は、Fe及び不可避的不純物である。
ここで、不可避的不純物としては、例えば、Sb、Sn、Zn、Co等が挙げられ、これらの含有量の許容範囲としては、Sb:0.01%以下、Sn:0.1%以下、Zn:0.01%以下、Co:0.1%以下である。また、本発明では、Ta、Mg、Zrを通常の鋼組成の範囲内で含有しても、その効果は失われない。
【0038】
次に、本発明の熱延鋼板のミクロ組織について詳細に説明する。
熱延板組織は、フェライトが平均結晶粒径18μm以下かつ体積分率75%以上であり、パーライトが平均結晶粒径2μm以上かつ体積分率5%以上であり、残部が低温生成相からなり、前記パーライトの平均自由行程が5.0μm以上である、複合組織である。ここで述べる体積分率は、鋼板の組織全体に対する体積分率であり、以下同様である。
【0039】
熱延板組織のフェライトの体積分率が75%未満では、硬質な第2相が多く存在することになるため、材質均一性が劣化する。そのためフェライトの体積分率は75%以上とする。フェライトの体積分率は、焼鈍後(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)に高強度を確保するため、95%以下である。また、フェライトの平均粒径が18μm超では、焼鈍後(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の所望の強度確保が難しいため、フェライトの平均結晶粒径は18μm以下とする。フェライトの平均結晶粒径の下限は特に限定されないが、焼鈍後の良好な材質均一性を確保するためには、5μm以上が好ましい。
【0040】
熱延板組織のパーライトの体積分率が5%未満では、焼鈍後(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の所望の強度確保が難しいため、パーライトの体積分率は5%以上とする。また、パーライトの体積分率の上限は特に限定されないが、良好な加工性を得る観点から、15%以下とすることが好ましい。また、パーライトの平均結晶粒径が2μm未満では、焼鈍後(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の所望の強度確保が難しいため、パーライトの平均結晶粒径は2μm以上とする。パーライトの平均結晶粒径の上限は特に限定はされないが、焼鈍後(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の良好な材質均一性を確保するためには、15μm以下が好ましい。
【0041】
また、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板の良好な材質均一性を確保するために、熱延板組織のパーライトの平均自由行程は5.0μm以上とする。パーライトの平均自由行程が5.0μm未満では、2相域焼鈍時のフェライト−オーステナイトが均一に分布しないため、焼鈍後(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の材質均一性が低下する。パーライトの平均自由工程の上限は特に限定されないが、20μm以下が好ましい。
なお、パーライトの平均自由行程については、後述する。
【0042】
フェライトおよびパーライト以外の残部組織は、マルテンサイト、ベイナイト、残留オーステナイトおよび球状セメンタイト等から選択される1種あるいは2種以上の低温生成相を組み合わせた混合組織としてもよいが、焼鈍後(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の成形性および材質均一性の観点からフェライトおよびパーライト以外の残部組織の体積分率は合計で10%未満とすることが好ましい。
【0043】
また、熱延鋼板中には、平均粒径が0.10μm以下のNb系析出物を含有することが好ましい。Nb系析出物の平均粒径を0.10μm以下とすることによって、Nb系析出物周囲の歪が転位の移動の抵抗として効果的に作用し、鋼の強化に寄与することができ、さらには焼鈍後(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)に高降伏比化に寄与することができる。
【0044】
次に、熱延鋼板の製造方法について説明する。
本発明の材質均一性に優れ、かつ高降伏比を有する冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板の素材となる熱延鋼板は、上記の成分組成範囲に適合した成分組成を有する溶鋼から連続鋳造にてスラブを作製し、該スラブを600℃まで6h以内に冷却し、その後、再加熱して、熱間圧延開始温度:1150〜1270℃、仕上げ圧延の終了温度:830〜950℃の条件で熱間圧延し、650℃までの温度域を平均冷却速度20〜90℃/sで冷却し、その後、470〜640℃の温度域にて巻取る際の該巻取り温度まで平均冷却速度5〜30℃/sで冷却し巻取りを行うことによって製造できる。
【0045】
以下、上記の製造工程について詳細に説明する。
本発明において、まずスラブは連続鋳造法により鋳造される。連続鋳造法は、本発明の課題からして前提となるものであり、しかも鋳型鋳造法と比較して生産能率が高いためである。連続鋳造機は垂直曲げ型が望ましい。これは、垂直曲げ型は設備コストと表面品質のバランスに優れ、かつ、表面亀裂の抑制効果が顕著に発揮されるためである。
この連続鋳造を経てスラブとした後は、600℃まで6h以内に冷却する。連続鋳造後、600℃まで6h(時間)を超えて冷却を行うと、Mn等の偏析が顕著となり、かつ結晶粒が粗大化するため、特に熱間圧延後のパーライトの平均自由行程が低下し、材質均一性が劣化する。このため、連続鋳造後の鋼スラブの冷却は600℃まで6h以内とし、好ましくは600℃まで5h以内まで冷却、さらに好ましくは600℃まで4h以内に冷却する。また、600℃まで冷却したならば、その後に、室温まで冷却した後に再加熱して熱間圧延を施しても良いし、そのまま温片のまま再加熱して熱間圧延を施しても良い。
【0046】
[熱間圧延工程]
・熱間圧延開始温度:1150〜1270℃
熱間圧延開始温度は、1150℃よりも低くなると圧延負荷が増大し、生産性が低下するため好ましくなく、また、1270℃より高くしても加熱コストが増大するだけであるため、1150〜1270℃とすることが好ましい。
【0047】
・仕上げ圧延終了温度:830〜950℃
熱間圧延は、鋼板内の組織均一化、材質の異方性低減により、材質均一性を向上させるため、オーステナイト単相域にて終了する必要があるので、仕上げ圧延終了温度は830℃以上にする。一方、仕上げ圧延終了温度が950℃超えでは、熱延組織が粗大になり、材質均一性が低下する懸念がある。このため、仕上げ圧延終了温度を830〜950℃とする。
【0048】
・650℃までの温度域を平均冷却速度20〜90℃/sで冷却
平均冷却速度が20℃/s未満での冷却では、フェライト変態が過剰に進行し、所望のパーライト体積分率が得られず、焼鈍板(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の材質均一性が低下する。また、平均冷却速度が90℃/s超えでの冷却では、熱延板組織において、フェライト変態が十分に進行せず、所望のフェライト結晶粒径およびパーライトの平均自由行程を得られず、焼鈍板(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の材質均一性が低下する。好ましくは平均冷却速度は30〜70℃/sである。
【0049】
・巻取り温度までの温度域を平均冷却速度5〜30℃/sで冷却
平均冷却速度が5℃/s未満での冷却では、フェライト変態が過剰に進行し、所望のパーライト体積分率が得られず、焼鈍板(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の材質均一性が低下する。また、平均冷却速度が30℃/s超での冷却では、巻取り後にベイナイト変態が進行し、所望のパーライト体積分率と結晶粒径が得られず、焼鈍板(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の材質均一性が低下する。好ましくは平均冷却速度は10〜25℃/sとする。
【0050】
巻取り温度:470〜640℃
巻取り温度が470℃未満の場合、熱延板組織において、マルテンサイトやベイナイトの低温変態相(硬質相)を含む組織となり、熱延板で不均一な硬度分布が生じ、焼鈍板(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の材質均一性が低下する。また、巻取り温度が640℃を超えた場合、熱延板組織のフェライトの結晶粒径が大きくなり、焼鈍板(冷延鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板)の所望の強度確保が難しい。さらにNbの炭窒化物が粗大化となり、材質均一性および降伏比が低下する。そのため、巻取り温度は470〜640℃とする。好ましくは480〜620℃である。
【0051】
以上の工程を経て得られた熱延鋼板は、通常公知の方法で酸洗し、必要に応じて、脱脂などの予備処理を実施したのち、必要に応じて冷間圧延工程を施し、さらに焼鈍工程あるいはさらに溶融亜鉛めっき工程へ供される。
冷間圧延を行う場合、冷間圧延の圧下率が30%未満になると、焼鈍時にフェライトの再結晶が促進されず、未再結晶フェライトが残存し、焼鈍板の延性が低下する場合があるため、冷間圧延の圧下率は30%以上が好ましい。焼鈍処理は、750〜900℃の温度域で15〜600s保持することが好ましい。焼鈍温度が750℃未満または750〜900℃の温度域での保持時間が15s未満になると、未再結晶組織が残存し、延性が低下する場合があり、焼鈍温度が900℃を超え、または750〜900℃の温度域での保持時間が600sを超えると、オーステナイト粒の成長が著しく、最終的に不均一な組織が形成され、材質安定性が低下する場合があるためである。
なお、一連の熱処理においては、熱履歴条件さえ満足されれば、鋼板はいかなる設備で熱処理を施されてもかまわない。加えて、溶融亜鉛めっき後に、合金化処理を施す場合は合金化処理後に形状矯正のため本発明の鋼板に調質圧延をすることも可能である。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、もとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
表1に示す成分組成を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造法にてスラブとし、表2に示す冷却時間にて600℃までの冷却を行った後、室温まで冷却した。その後、得られたスラブを再加熱後、表2に示す熱間圧延条件で2.3〜4.5mmの各板厚まで熱間圧延を行い、表2に示す巻取り温度で巻き取った。
次いで、得られた熱延板を酸洗し、冷間圧延した後、800℃で焼鈍し、必要に応じて、溶融亜鉛めっき処理、またはさらに亜鉛めっきの合金化処理を施し、冷延鋼板(CR)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)を得た。一部熱延板については、酸洗後、冷間圧延を施さないで、焼鈍、溶融亜鉛めっき処理、またはさらに亜鉛めっきの合金化処理を施し、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)を得た。溶融亜鉛めっき浴は溶融亜鉛めっき鋼板(GI)では、Al:0.19質量%含有亜鉛浴を使用し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)では、Al:0.14質量%含有亜鉛浴を使用し、浴温は460℃とし、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)については、550℃で合金化処理を施した。めっき付着量は片面あたり45g/m(両面めっき)とし、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)は、めっき層中のFe濃度を9〜12質量%とした。
【0053】
得られた熱延鋼板に対して、ミクロ組織並びに機械的特性を、次のとおり調査した。
すなわち、フェライトとパーライトの体積分率は、鋼板の圧延方向に平行な板厚断面(垂直断面)を研磨後、3%ナイタールで腐食し、鋼板表面から深さ方向に板厚の1/4位置について、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて2000倍の倍率で10視野観察し、Media Cyberneticks社のImage−Proを用いて各相の面積率を10視野分算出し、それらの値を平均して求め、この面積率を体積分率とした。
また、フェライトとパーライトの平均結晶粒径は、上述のImage−Proを用いて、各々のフェライト結晶粒もしくはパーライト結晶粒の面積を求め、円相当直径を算出し、それらの値を平均して求めた。
パーライトの平均自由行程は、上述のImage−Proを用いて、パーライトの重心を求め、極端な偏りがなく均一に分散していることを前提に下記式により算出した。


:平均自由行程
:平均結晶粒径
π:円周率
f:面積率(=体積分率)
【0054】
また、残部の低温生成相については、走査型および透過型電子顕微鏡の観察において判別可能である。すなわち、フェライトがやや黒いコントラストであるのに対し、マルテンサイトは白いコントラストが付いているものである。また、パーライトは、層状の組織で、板状のフェライトとセメンタイトが交互に並んでいる組織であるのに対し、ベイナイトは、ポリゴナルフェライトと比較して転位密度の高い板状のベイニティックフェライトとセメンタイトを含む組織である。また、球状セメンタイトは、球状化した形状を有するセメンタイトである。残留オーステナイトの有無については、表層より深さ方向に板厚1/4の厚さ分だけ研磨した面で、MoのKα線を線源として、加速電圧50keVにて、X線回折法(装置:Rigaku社製 RINT2200)によって、鉄のフェライトの{200}面、{211}面、{220}面と、オーステナイトの{200}面、{220}面、{311}面のX線回折線の積分強度を測定し、これらの測定値を用いて、「X線回折ハンドブック」(2000年)理学電機株式会社、p.26、62−64に記載の計算式から残留オーステナイトの体積分率を求め、体積分率が1%以上の場合、残留オーステナイトがありと判断し、体積分率が1%未満の場合、残留オーステナイトがなしと判断した。
【0055】
引張試験は、引張方向が圧延方向と平行となるようにサンプル採取したJIS5号試験片を用いて、JIS Z2241(2010年)に準拠して行い、焼鈍板のYS(降伏強度)、TS(引張強度)を測定した。YRは、(YS/TS)×100(%)の値で評価した。なお、本発明では、焼鈍板のYR≧70%の場合を高降伏比と判定した。
【0056】
材質均一性については、次のように評価した。
熱延板の幅中心部と、両幅端からそれぞれ1/8幅の位置(全幅の1/8位置)から、引張方向が圧延方向と平行となるように、JIS5号試験片を採取し、JIS Z2241(2010年)に準拠して引張試験を行ない、YSおよびTSを測定し、幅中心部の値と幅1/8位置の値(幅1/8位置は両端部あわせて2箇所あるが、その平均値)との差(幅中心部の特性値−幅1/8位置の特性値の絶対値)をそれぞれΔYSおよびΔTSとして算出した。なお、本発明では、ΔYS≦40MPa、ΔTS≦30MPaの場合を材質均一性の観点で良好と判定した。材質バラツキを、幅中心部と幅1/8位置の2点で評価するのは、例えば、熱延板の幅方向の中心部と熱延板幅端部(エッジ)から板幅の1/4に相当する位置(幅1/4位置)との引張強度の差では、エッジ付近の材質が評価されないため、十分な幅方向の材質安定性の評価が困難であるが、さらにエッジ寄りの幅1/8位置と幅中心部の引張強度の差で評価することで、焼鈍板の材質安定性の適切な評価が可能になるためである。
【0057】
冷延板および溶融亜鉛めっき鋼板については、焼鈍板の幅中心部と両幅端からそれぞれ1/8幅の位置(全幅の1/8位置)から、引張方向が圧延方向と平行となるように、JIS5号試験片を採取し、JIS Z2241(2010年)に準拠して引張試験を行ない、YSおよびTSを測定し、幅中心部の値と幅1/8位置の値(幅1/8位置は両端部あわせて2箇所あるが、その平均値)との差(幅中心部の特性値−幅1/8位置の特性値の絶対値)をそれぞれΔYSおよびΔTSとして算出した。なお、表3中、焼鈍板のYSおよびTSは、幅中心部と1/8幅の位置(両端部からそれぞれ全幅の1/8位置)の3箇所の平均値とした。なお、本発明では、ΔYS≦40MPa、ΔTS≦30MPaの場合を材質均一性の観点で良好と判定した。
以上の各調査の結果を、表3に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
本発明に従う熱延鋼板は、その後の焼鈍後のTSが590MPa以上であり、高降伏比を有し、材質均一性にも優れている。一方、比較例では、強度、降伏比、材質均一性のいずれか一つ以上が劣っている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学成分が、質量%で、C:0.060〜0.150%、Si:0.15〜0.70%、Mn:1.00〜1.90%、P:0.10%以下、S:0.010%以下、Al:0.01〜0.10%、N:0.010%以下およびNb:0.010〜0.100%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
ミクロ組織が、平均結晶粒径:18μm以下のフェライトを体積分率で75%以上、平均結晶粒径:2μm以上のパーライトを体積分率で5%以上含み、残部は低温生成相からなる複合組織であり、さらに、パーライトの平均自由行程が5.0μm以上であることを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板。
【請求項2】
Fe成分の一部に代えて、さらに質量%で、Ti:0.05%未満を含有することを特徴とする請求項1に記載の材質均一性に優れた熱延鋼板。
【請求項3】
Fe成分の一部に代えて、さらに質量%で、V:0.10%以下、Cr:0.50%以下、Mo:0.50%以下、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、B:0.0030%以下から選択される一種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の材質均一性に優れた熱延鋼板。
【請求項4】
Fe成分の一部に代えて、さらに質量%で、Ca:0.001〜0.005%およびREM:0.001〜0.005%から選択される一種以上を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の材質均一性に優れた熱延鋼板。
【請求項5】
前記熱延鋼板が、冷延鋼板用または溶融亜鉛めっき鋼板用である請求項1から4のいずれか1項に記載の材質均一性に優れた熱延鋼板。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の成分組成を有する溶鋼を連続鋳造してスラブとし、このスラブを600℃まで6h以内に冷却し、その後、再加熱して、熱間圧延開始温度:1150〜1270℃、仕上げ圧延の終了温度:830〜950℃の条件で熱間圧延し、650℃までの温度域を平均冷却速度20〜90℃/sで冷却し、その後、470〜640℃の温度域にて巻取る際の該巻取り温度まで平均冷却速度5〜30℃/sで冷却し、前記巻取りを行うことを特徴とする材質均一性に優れた熱延鋼板の製造方法。


【公開番号】特開2013−76117(P2013−76117A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215624(P2011−215624)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】