杭施工装置および杭施工方法
【課題】杭頭結合筋を露出させた杭体を布設するための杭施工装置を提供する。
【解決手段】杭体11の上側に杭施工装置14を設ける。この杭施工装置14は、杭頭結合筋13を露出させた杭体11の杭頭上に被嵌する結合筋収納空間15を有する杭施工治具16と、この杭施工治具16を介して杭体11を少なくとも昇降操作する昇降操作体17とを具備したものである。杭施工治具16は、円筒状に形成した治具本体21の下部に複数の嵌合溝部23を設ける。これらの嵌合溝部23は、治具本体21の回転方向により杭体11の上端部側面に突出した複数の突起部22に対し嵌脱自在のものである。
【解決手段】杭体11の上側に杭施工装置14を設ける。この杭施工装置14は、杭頭結合筋13を露出させた杭体11の杭頭上に被嵌する結合筋収納空間15を有する杭施工治具16と、この杭施工治具16を介して杭体11を少なくとも昇降操作する昇降操作体17とを具備したものである。杭施工治具16は、円筒状に形成した治具本体21の下部に複数の嵌合溝部23を設ける。これらの嵌合溝部23は、治具本体21の回転方向により杭体11の上端部側面に突出した複数の突起部22に対し嵌脱自在のものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭頭結合筋が露出された杭体を布設する杭施工装置および杭施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に示されるように、杭体1の杭頭2内には杭頭結合筋3が埋め込まれていて、この杭頭結合筋3が所定のレベル、一般的にはグランドレベル4より低いレベルに布設される。その後、基礎ベースコンクリートが構築された後、杭体1の杭頭2内に埋め込まれた杭頭結合筋3を露出する作業が行なわれる(例えば、引用文献1、2参照)。
【0003】
要するに、杭頭結合筋3を露出させた杭体1をそのままの状態で布設する施工方法は、従来技術にはなく、杭体1を布設した後に、例えば、パイルカッタを用いて杭頭2のコンクリート部分を切断し、杭頭結合筋3を露出させるようにしている。鋼管コンクリート杭(いわゆるSC杭)では、酸素溶断、もしくはグラインダにて鋼管をカットしてコンクリート中に埋め込んだ杭頭結合筋3をはつり出すカットオフ作業が行なわれる。
【0004】
そして、これらの杭頭結合筋3に橋脚などの地上構造物5の基礎部6が施工される。
【特許文献1】特開2002−054136号公報(第2−3頁、図1−3)
【特許文献1】特開2005−213963号公報(第4−5頁、図2−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来の方法には、杭頭結合筋3を長く突出させる必要があり、杭頭結合筋3をはつり出すカットオフ作業に要する工費および工期がかかり、カットオフ作業に伴ないスクラップなどの産業廃棄物が発生するなどの問題もある。
【0006】
一方、杭頭から杭頭結合筋を露出させた杭体を成形すれば、上記のような杭頭のカットオフ作業をする必要はないが、このような杭頭結合筋が露出したままの状態の杭体を布設する施工方法は、従来考えられていない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、杭頭結合筋が露出された杭体を布設するための杭施工装置および杭施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に被嵌される結合筋収納空間を有する杭施工治具と、この杭施工治具を介して杭体を少なくとも昇降操作する昇降操作体とを具備した杭施工装置である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の杭施工装置における杭施工治具が、円筒状に形成された治具本体と、この治具本体の下部に設けられ治具本体の回転方向により杭体の上端部側面に突出された突起部に対し嵌脱自在の嵌合溝部とを具備したものである。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の杭施工装置における杭施工治具の治具本体が、嵌合溝部を備えた外筒部と、この外筒部の内側に同心状に設けられ中空に形成された杭体の内径面と連続的に設けられた内径面を有する内筒部と、この内筒部の上端に開口されて掘削用のオーガスクリューが挿入されるスクリュー挿入口とを備え、昇降操作体は、杭施工治具のスクリュー挿入口上に連続するスクリュー挿入筒部を備えたものである。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1または2記載の杭施工装置における杭施工治具が、中空に形成された杭体の内部を経て上昇するプレボーリング孔内充填材排出用の排出穴を備えたものである。
【0012】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の杭施工装置における昇降操作体として、ヤットコを用いるものである。
【0013】
請求項6に記載された発明は、杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に結合筋収納空間を有する杭施工治具を被嵌して一体化し、この杭施工治具を介して昇降操作体により杭体を布設する杭施工方法である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載された発明によれば、杭頭結合筋が露出された杭体を、その杭頭上に被嵌される結合筋収納空間を有する杭施工治具を介して、昇降操作体により少なくとも昇降操作するので、杭頭結合筋が露出されたままの杭体を布設することができ、杭頭結合筋をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0015】
請求項2に記載された発明によれば、治具本体の下部に、その回転方向により杭体の上端部側面に突出された突起部に対し嵌脱自在の嵌合溝部を設けたので、昇降操作体により治具本体を回転させる方向によって、杭施工治具の嵌合溝部と杭体の突起部とを簡単に脱着できる。
【0016】
請求項3に記載された発明によれば、杭施工治具の治具本体は、外筒部の内側に杭体の内径面と連続的な内筒部を設け、この内筒部の上端にスクリュー挿入口を開口し、このスクリュー挿入口上に昇降操作体のスクリュー挿入筒部を連続的に設けたので、これらの内筒部、スクリュー挿入口およびスクリュー挿入筒部を通して、掘削用のオーガスクリューを挿入する中掘り工法にこの杭施工装置を適用でき、中掘り工法においても、杭頭結合筋が露出されたままの杭体を布設することができ、杭頭結合筋をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0017】
請求項4に記載された発明によれば、杭体内を上昇したプレボーリング孔内充填材を、杭施工治具に設けられた排出穴から外部へ排出できるので、充填材が投入された掘削穴に杭体を挿入するプレボーリング工法にこの杭施工装置を適用でき、プレボーリング工法においても、杭頭結合筋が露出されたままの杭体を布設することができ、杭頭結合筋をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0018】
請求項5に記載された発明によれば、必要な長さのヤットコにより、杭体の杭頭および杭頭結合筋をグランドレベルから任意の深さのレベルに布設できる。
【0019】
請求項6に記載された発明によれば、杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に被嵌された杭施工治具を介して、昇降操作体により杭体を布設する杭施工方法であるので、杭頭結合筋をはつり出すカットオフ作業を不要にでき、カットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を、図1乃至図3に示された第1実施の形態、図4および図5に示された第2実施の形態、図6に示された第3実施の形態、図7に示された第4実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1乃至図3に示された第1実施の形態を説明する。
【0022】
図1に示される杭体11は、杭頭の上端プレート12から杭頭結合筋13が杭成形時から突出された鋼管コンクリート杭(いわゆるSC杭)である。この種の杭体11は、杭本体11aから露出した鉄筋である杭頭結合筋13の防錆対策として、例えば、セメントペーストが充填された袋等で杭頭結合筋13の露出部分を覆うか、あるいは、ポリエステルフィルムなどを杭頭結合筋13の露出部分に巻き付けるなどの方法を採用することで、杭体11を施工する前に露出した杭頭結合筋13が錆びないように保護する。
【0023】
この杭体11の上側に設けられた杭施工装置14は、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に被嵌される結合筋収納空間15を有する杭施工治具16と、この杭施工治具16を介して杭体11を少なくとも昇降操作する昇降操作体17とを具備したものである。
【0024】
杭施工治具16は、図1に示されるように円筒状に形成された治具本体21の下部に、図2に示されるように治具本体21の回転方向により杭体11の上端部側面に突出された複数の突起部22に対し嵌脱自在の複数の嵌合溝部23が設けられている。
【0025】
複数の突起部22は、鋼管24または鋼製のバンドに溶接され、複数の嵌合溝部23は、図2に示されるように治具本体21の下端から上方へ切込形成された縦溝25と、この縦溝25の上端から横方向に切込形成された横溝26とがL字状に設けられたものである。
【0026】
図1および図3に示されるように、杭施工治具16の治具本体21は、嵌合溝部23を備えた外筒部21aと、この外筒部21aの内側に同心状に設けられた内筒部21bとを備えている。この内筒部21bは、中空に形成された杭体11の内径面と連続的に設けられた内径面を有し、その内部には、スクリュー挿入空間27が設けられている。
【0027】
図1および図3に示されるように、外筒部21aと内筒部21bとの下部間には、杭体11の上端プレート12に係合されるリング状の係止プレート28が溶接され、この係止プレート28には、図3に示されるように複数の杭頭結合筋13をそれぞれ挿通するための円弧状の結合筋挿通穴29が穿設されており、さらに、各結合筋挿通穴29,29間には、外筒部21aと内筒部21bとの間に放射状に溶接された複数の補強リブ30が配置されている。
【0028】
図1に示されるように、杭施工治具16の治具本体21は、内筒部21bの上端に開口されて掘削用のオーガスクリューSが挿入されるスクリュー挿入口31を備えている。一方、昇降操作体17は、杭施工治具16のスクリュー挿入口31上に連続するスクリュー挿入筒部32を備えている。
【0029】
この昇降操作体17としては、ヤットコを用いる。このヤットコは、杭頭布設レベルが深い場合を想定して、種々のサイズのものを、ボルト33により杭施工治具16の上端プレート部34と脱着可能に連結できる構造とする。すなわち、このヤットコは、オーガスクリューSを挿入するためのスクリュー挿入筒部32の下端部に杭施工治具16の上端プレート部34と連結されるフランジ状プレート35が溶接され、このフランジ状プレート35上に複数の補強リブ36が放射状に配置されて溶接され、各補強リブ36間に上記ボルト33が配置されている。
【0030】
次に、この第1実施の形態の作用効果を説明する。
【0031】
杭体11内に掘削用のオーガスクリューSを挿入する中掘り工法において、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に結合筋収納空間15を有する杭施工治具16を被嵌して一体的に係着する。その係着は、杭体11の上端部側面に突出された突起部22に杭施工治具16の嵌合溝部23の縦溝25を位置合わせして、昇降操作体17により杭施工治具16を下げることで、相対的に縦溝25内に突起部22を挿入し、さらに、昇降操作体17により杭施工治具16を回動することで、相対的に横溝26内に突起部22を挿入する。杭施工治具16を反対方向へ回動することで、突起部22を嵌合溝部23内から外すことができる。
【0032】
このようにして杭体11の上部に係着された杭施工治具16を介して、昇降操作体17により杭体11をオーガスクリューSとともに下降させ布設する。このとき、オーガスクリューSにより杭体11内を上昇された土砂などは、杭施工治具16のスクリュー挿入空間27および昇降操作体17のスクリュー挿入筒部32を経て、外部へ排出される。
【0033】
この実施の形態によれば、杭頭結合筋13が露出された杭体11を、その杭頭上に被嵌された結合筋収納空間15を有する杭施工治具16を介して、昇降操作体17により昇降操作するので、杭頭結合筋13が露出されたままの杭体11を布設することができ、杭頭結合筋13をはつり出すカットオフ作業が不要となり、このカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0034】
すなわち、杭頭結合筋13の埋め込み部分での杭材コストの削減、カットオフが不要となるためにカット費用の削減、カットオフにより生ずるスクラップ処理費の削減に伴うコスト縮減を図れるとともに、下部工事における工期が大きく短縮される効果が顕著となる。また、カットオフでのエネルギー削減とスクラップ化される鋼材およびコンクリートの資源環境対策効果も大きい。
【0035】
また、治具本体21の下部に、その回転方向により杭体11の上端部側面に突出された突起部22に対し嵌脱自在の嵌合溝部23を設けたので、昇降操作体17により治具本体21を回転させる方向によって、杭施工治具16の嵌合溝部23と杭体11の突起部22とを簡単に脱着できる。
【0036】
杭施工治具16の治具本体21は、外筒部21aの内側に杭体11の内径面と連続的な内筒部21bを設け、この内筒部21bの上端にスクリュー挿入口31を開口し、このスクリュー挿入口31上に昇降操作体17のスクリュー挿入筒部32を連続的に設けたので、これらの内筒部21b、スクリュー挿入口31およびスクリュー挿入筒部32を通して、オーガスクリューSを挿入する中掘り工法にこの杭施工装置14を適用でき、中掘り工法においても、杭頭結合筋13が露出されたままの杭体11を布設することができ、杭頭結合筋13をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0037】
昇降操作体17として、必要な長さのヤットコを用いることで、杭体11の杭頭および杭頭結合筋13をグランドレベルから任意の深さのレベルに布設できる。
【0038】
次に、図4および図5に示された第2実施の形態を説明する。
【0039】
この第2実施の形態の杭施工装置14は、図4に示されるように外筒部21aの上部と内筒部21bの上部との間に複数の補強リブ30aが、放射状に溶接されているとともに、図5に示されるように複数の杭頭結合筋13を挿通するための結合筋挿通穴29aが、外筒部21aに溶接されたリング状の係止プレート28aと、内筒部21bに溶接されたリング状の係止プレート28bとの間に、連続的に形成されている。他の構成および作用効果は、第1実施の形態と同様であるから、その説明を省略する。
【0040】
次に、図6に示された第3実施の形態を説明する。
【0041】
図6に示された杭施工装置14は、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に被嵌される結合筋収納空間15を有する杭施工治具16と、この杭施工治具16を介して杭体11を昇降操作する昇降操作体17とを具備した点で、第1実施の形態と同様である。
【0042】
杭施工治具16は、円筒状に形成された治具本体21と、この治具本体21の下部に設けられ治具本体21の回転方向により杭体11の上端部側面に突出された突起部22に対し嵌脱自在の嵌合溝部23とを具備した点でも、第1実施の形態と同様である。
【0043】
さらに、この杭施工装置14における杭施工治具16の上端プレート部34は、閉じられた閉塞型であるので、治具本体21の側面部に、中空に形成された杭体11の内部を経て上昇するプレボーリング孔内充填材排出用の排出穴38を備えている。すなわち、プレボーリング孔内での杭体11の下降に伴なって、プレボーリング孔内に投入されているセメントミルクなどの充填材が杭体11内で上昇するので、この充填材を排出穴38より外部へ排出する。
【0044】
また、昇降操作体17としては、杭施工治具16の上端プレート部34の中央部にヤットコ連結部材39aが溶接され、このヤットコ連結部材39aの上端凸部39bに中空ロッド状のヤットコ39cを嵌着してこれらのピン穴に挿入された連結ピン39dにより、ヤットコ連結部材39aとヤットコ39cとを脱着可能に連結させたものであり、必要な長さのヤットコ39cを用いることにより、杭体11の杭頭および杭頭結合筋13をグランドレベルから任意の深さのレベルに布設できる。
【0045】
そして、セメントミルクなどの充填材が充填されたプレボーリング孔内に杭体11を挿入するプレボーリング工法において、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に結合筋収納空間15を有する杭施工治具16を被嵌して一体化し、この杭施工治具16を介して昇降操作体17により杭体11を布設する。
【0046】
この第3実施の形態によれば、充填材が充填された掘削穴に杭体11を挿入するプレボーリング工法においても、杭体内を上昇したプレボーリング孔内充填材を、杭施工治具16に設けられた排出穴38から外部へ排出できるので、この杭施工治具16を介して、杭頭結合筋13が露出されたままの杭体11を布設することができ、杭頭結合筋13をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0047】
次に、図7は、第4実施の形態を示し、図6に示された実施の形態の昇降操作体17として、図1に示されたヤットコを用いたものであり、必要な長さのヤットコを用いることにより、杭体11の杭頭および杭頭結合筋13をグランドレベルから任意の深さのレベルに布設できる。他の構成および作用効果は、図6に示されたものと同様である。
【0048】
以上のように、中掘り工法においても、プレボーリング工法においても、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に被嵌された杭施工治具16を介して、昇降操作体17により杭体11を布設する杭施工方法を採用し、杭頭結合筋13をはつり出すカットオフ作業を不要にでき、カットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0049】
すなわち、杭頭結合筋13が露出した杭体11を製造して、杭施工治具16により、この杭頭結合筋13が露出した状態でグランドレベルより低い所定のレベル位置に杭頭部を揃えて布設するので、杭頭結合筋13の長さを最初から短くして余長部分を削除でき、また、鉄筋はつり出しカットオフ作業を不要にできるので、工費を削減できるとともに工期を短縮でき、さらに、杭頭結合筋のはつり出しカットオフ作業に伴うスクラップの発生がなくなり、廃棄物を削減でき、経済的である。
【0050】
なお、杭施工治具の嵌合溝部は、治具本体の下端から切込状に形成した例を示したが、治具本体の下端から内面に凹溝を付けるように形成しても良い。また、杭体11として鋼管コンクリート杭(SC杭)の例を示したが、突起部22を設けた鋼管24を杭体11の全長より短くしたコンクリート杭(いわゆるPC杭またはPRC杭)でも良い。
【0051】
本発明は、プレボーリング工法または中掘り工法などにより、所定深度に杭体を布設する際に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る杭施工装置の第1実施の形態を示す断面図である。
【図2】同上杭施工装置の正面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】同上杭施工装置の第2実施の形態を示す断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】同上杭施工装置の第3実施の形態を示す断面図である。
【図7】同上杭施工装置の第4実施の形態を示す断面図である。
【図8】杭頭結合筋の施工例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
11 杭体
13 杭頭結合筋
14 杭施工装置
15 結合筋収納空間
16 杭施工治具
17 昇降操作体
21 治具本体
21a 外筒部
21b 内筒部
22 突起部
23 嵌合溝部
31 スクリュー挿入口
32 スクリュー挿入筒部
38 排出穴
S オーガスクリュー
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭頭結合筋が露出された杭体を布設する杭施工装置および杭施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に示されるように、杭体1の杭頭2内には杭頭結合筋3が埋め込まれていて、この杭頭結合筋3が所定のレベル、一般的にはグランドレベル4より低いレベルに布設される。その後、基礎ベースコンクリートが構築された後、杭体1の杭頭2内に埋め込まれた杭頭結合筋3を露出する作業が行なわれる(例えば、引用文献1、2参照)。
【0003】
要するに、杭頭結合筋3を露出させた杭体1をそのままの状態で布設する施工方法は、従来技術にはなく、杭体1を布設した後に、例えば、パイルカッタを用いて杭頭2のコンクリート部分を切断し、杭頭結合筋3を露出させるようにしている。鋼管コンクリート杭(いわゆるSC杭)では、酸素溶断、もしくはグラインダにて鋼管をカットしてコンクリート中に埋め込んだ杭頭結合筋3をはつり出すカットオフ作業が行なわれる。
【0004】
そして、これらの杭頭結合筋3に橋脚などの地上構造物5の基礎部6が施工される。
【特許文献1】特開2002−054136号公報(第2−3頁、図1−3)
【特許文献1】特開2005−213963号公報(第4−5頁、図2−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来の方法には、杭頭結合筋3を長く突出させる必要があり、杭頭結合筋3をはつり出すカットオフ作業に要する工費および工期がかかり、カットオフ作業に伴ないスクラップなどの産業廃棄物が発生するなどの問題もある。
【0006】
一方、杭頭から杭頭結合筋を露出させた杭体を成形すれば、上記のような杭頭のカットオフ作業をする必要はないが、このような杭頭結合筋が露出したままの状態の杭体を布設する施工方法は、従来考えられていない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、杭頭結合筋が露出された杭体を布設するための杭施工装置および杭施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に被嵌される結合筋収納空間を有する杭施工治具と、この杭施工治具を介して杭体を少なくとも昇降操作する昇降操作体とを具備した杭施工装置である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の杭施工装置における杭施工治具が、円筒状に形成された治具本体と、この治具本体の下部に設けられ治具本体の回転方向により杭体の上端部側面に突出された突起部に対し嵌脱自在の嵌合溝部とを具備したものである。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の杭施工装置における杭施工治具の治具本体が、嵌合溝部を備えた外筒部と、この外筒部の内側に同心状に設けられ中空に形成された杭体の内径面と連続的に設けられた内径面を有する内筒部と、この内筒部の上端に開口されて掘削用のオーガスクリューが挿入されるスクリュー挿入口とを備え、昇降操作体は、杭施工治具のスクリュー挿入口上に連続するスクリュー挿入筒部を備えたものである。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1または2記載の杭施工装置における杭施工治具が、中空に形成された杭体の内部を経て上昇するプレボーリング孔内充填材排出用の排出穴を備えたものである。
【0012】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の杭施工装置における昇降操作体として、ヤットコを用いるものである。
【0013】
請求項6に記載された発明は、杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に結合筋収納空間を有する杭施工治具を被嵌して一体化し、この杭施工治具を介して昇降操作体により杭体を布設する杭施工方法である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載された発明によれば、杭頭結合筋が露出された杭体を、その杭頭上に被嵌される結合筋収納空間を有する杭施工治具を介して、昇降操作体により少なくとも昇降操作するので、杭頭結合筋が露出されたままの杭体を布設することができ、杭頭結合筋をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0015】
請求項2に記載された発明によれば、治具本体の下部に、その回転方向により杭体の上端部側面に突出された突起部に対し嵌脱自在の嵌合溝部を設けたので、昇降操作体により治具本体を回転させる方向によって、杭施工治具の嵌合溝部と杭体の突起部とを簡単に脱着できる。
【0016】
請求項3に記載された発明によれば、杭施工治具の治具本体は、外筒部の内側に杭体の内径面と連続的な内筒部を設け、この内筒部の上端にスクリュー挿入口を開口し、このスクリュー挿入口上に昇降操作体のスクリュー挿入筒部を連続的に設けたので、これらの内筒部、スクリュー挿入口およびスクリュー挿入筒部を通して、掘削用のオーガスクリューを挿入する中掘り工法にこの杭施工装置を適用でき、中掘り工法においても、杭頭結合筋が露出されたままの杭体を布設することができ、杭頭結合筋をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0017】
請求項4に記載された発明によれば、杭体内を上昇したプレボーリング孔内充填材を、杭施工治具に設けられた排出穴から外部へ排出できるので、充填材が投入された掘削穴に杭体を挿入するプレボーリング工法にこの杭施工装置を適用でき、プレボーリング工法においても、杭頭結合筋が露出されたままの杭体を布設することができ、杭頭結合筋をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0018】
請求項5に記載された発明によれば、必要な長さのヤットコにより、杭体の杭頭および杭頭結合筋をグランドレベルから任意の深さのレベルに布設できる。
【0019】
請求項6に記載された発明によれば、杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に被嵌された杭施工治具を介して、昇降操作体により杭体を布設する杭施工方法であるので、杭頭結合筋をはつり出すカットオフ作業を不要にでき、カットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を、図1乃至図3に示された第1実施の形態、図4および図5に示された第2実施の形態、図6に示された第3実施の形態、図7に示された第4実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1乃至図3に示された第1実施の形態を説明する。
【0022】
図1に示される杭体11は、杭頭の上端プレート12から杭頭結合筋13が杭成形時から突出された鋼管コンクリート杭(いわゆるSC杭)である。この種の杭体11は、杭本体11aから露出した鉄筋である杭頭結合筋13の防錆対策として、例えば、セメントペーストが充填された袋等で杭頭結合筋13の露出部分を覆うか、あるいは、ポリエステルフィルムなどを杭頭結合筋13の露出部分に巻き付けるなどの方法を採用することで、杭体11を施工する前に露出した杭頭結合筋13が錆びないように保護する。
【0023】
この杭体11の上側に設けられた杭施工装置14は、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に被嵌される結合筋収納空間15を有する杭施工治具16と、この杭施工治具16を介して杭体11を少なくとも昇降操作する昇降操作体17とを具備したものである。
【0024】
杭施工治具16は、図1に示されるように円筒状に形成された治具本体21の下部に、図2に示されるように治具本体21の回転方向により杭体11の上端部側面に突出された複数の突起部22に対し嵌脱自在の複数の嵌合溝部23が設けられている。
【0025】
複数の突起部22は、鋼管24または鋼製のバンドに溶接され、複数の嵌合溝部23は、図2に示されるように治具本体21の下端から上方へ切込形成された縦溝25と、この縦溝25の上端から横方向に切込形成された横溝26とがL字状に設けられたものである。
【0026】
図1および図3に示されるように、杭施工治具16の治具本体21は、嵌合溝部23を備えた外筒部21aと、この外筒部21aの内側に同心状に設けられた内筒部21bとを備えている。この内筒部21bは、中空に形成された杭体11の内径面と連続的に設けられた内径面を有し、その内部には、スクリュー挿入空間27が設けられている。
【0027】
図1および図3に示されるように、外筒部21aと内筒部21bとの下部間には、杭体11の上端プレート12に係合されるリング状の係止プレート28が溶接され、この係止プレート28には、図3に示されるように複数の杭頭結合筋13をそれぞれ挿通するための円弧状の結合筋挿通穴29が穿設されており、さらに、各結合筋挿通穴29,29間には、外筒部21aと内筒部21bとの間に放射状に溶接された複数の補強リブ30が配置されている。
【0028】
図1に示されるように、杭施工治具16の治具本体21は、内筒部21bの上端に開口されて掘削用のオーガスクリューSが挿入されるスクリュー挿入口31を備えている。一方、昇降操作体17は、杭施工治具16のスクリュー挿入口31上に連続するスクリュー挿入筒部32を備えている。
【0029】
この昇降操作体17としては、ヤットコを用いる。このヤットコは、杭頭布設レベルが深い場合を想定して、種々のサイズのものを、ボルト33により杭施工治具16の上端プレート部34と脱着可能に連結できる構造とする。すなわち、このヤットコは、オーガスクリューSを挿入するためのスクリュー挿入筒部32の下端部に杭施工治具16の上端プレート部34と連結されるフランジ状プレート35が溶接され、このフランジ状プレート35上に複数の補強リブ36が放射状に配置されて溶接され、各補強リブ36間に上記ボルト33が配置されている。
【0030】
次に、この第1実施の形態の作用効果を説明する。
【0031】
杭体11内に掘削用のオーガスクリューSを挿入する中掘り工法において、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に結合筋収納空間15を有する杭施工治具16を被嵌して一体的に係着する。その係着は、杭体11の上端部側面に突出された突起部22に杭施工治具16の嵌合溝部23の縦溝25を位置合わせして、昇降操作体17により杭施工治具16を下げることで、相対的に縦溝25内に突起部22を挿入し、さらに、昇降操作体17により杭施工治具16を回動することで、相対的に横溝26内に突起部22を挿入する。杭施工治具16を反対方向へ回動することで、突起部22を嵌合溝部23内から外すことができる。
【0032】
このようにして杭体11の上部に係着された杭施工治具16を介して、昇降操作体17により杭体11をオーガスクリューSとともに下降させ布設する。このとき、オーガスクリューSにより杭体11内を上昇された土砂などは、杭施工治具16のスクリュー挿入空間27および昇降操作体17のスクリュー挿入筒部32を経て、外部へ排出される。
【0033】
この実施の形態によれば、杭頭結合筋13が露出された杭体11を、その杭頭上に被嵌された結合筋収納空間15を有する杭施工治具16を介して、昇降操作体17により昇降操作するので、杭頭結合筋13が露出されたままの杭体11を布設することができ、杭頭結合筋13をはつり出すカットオフ作業が不要となり、このカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0034】
すなわち、杭頭結合筋13の埋め込み部分での杭材コストの削減、カットオフが不要となるためにカット費用の削減、カットオフにより生ずるスクラップ処理費の削減に伴うコスト縮減を図れるとともに、下部工事における工期が大きく短縮される効果が顕著となる。また、カットオフでのエネルギー削減とスクラップ化される鋼材およびコンクリートの資源環境対策効果も大きい。
【0035】
また、治具本体21の下部に、その回転方向により杭体11の上端部側面に突出された突起部22に対し嵌脱自在の嵌合溝部23を設けたので、昇降操作体17により治具本体21を回転させる方向によって、杭施工治具16の嵌合溝部23と杭体11の突起部22とを簡単に脱着できる。
【0036】
杭施工治具16の治具本体21は、外筒部21aの内側に杭体11の内径面と連続的な内筒部21bを設け、この内筒部21bの上端にスクリュー挿入口31を開口し、このスクリュー挿入口31上に昇降操作体17のスクリュー挿入筒部32を連続的に設けたので、これらの内筒部21b、スクリュー挿入口31およびスクリュー挿入筒部32を通して、オーガスクリューSを挿入する中掘り工法にこの杭施工装置14を適用でき、中掘り工法においても、杭頭結合筋13が露出されたままの杭体11を布設することができ、杭頭結合筋13をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0037】
昇降操作体17として、必要な長さのヤットコを用いることで、杭体11の杭頭および杭頭結合筋13をグランドレベルから任意の深さのレベルに布設できる。
【0038】
次に、図4および図5に示された第2実施の形態を説明する。
【0039】
この第2実施の形態の杭施工装置14は、図4に示されるように外筒部21aの上部と内筒部21bの上部との間に複数の補強リブ30aが、放射状に溶接されているとともに、図5に示されるように複数の杭頭結合筋13を挿通するための結合筋挿通穴29aが、外筒部21aに溶接されたリング状の係止プレート28aと、内筒部21bに溶接されたリング状の係止プレート28bとの間に、連続的に形成されている。他の構成および作用効果は、第1実施の形態と同様であるから、その説明を省略する。
【0040】
次に、図6に示された第3実施の形態を説明する。
【0041】
図6に示された杭施工装置14は、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に被嵌される結合筋収納空間15を有する杭施工治具16と、この杭施工治具16を介して杭体11を昇降操作する昇降操作体17とを具備した点で、第1実施の形態と同様である。
【0042】
杭施工治具16は、円筒状に形成された治具本体21と、この治具本体21の下部に設けられ治具本体21の回転方向により杭体11の上端部側面に突出された突起部22に対し嵌脱自在の嵌合溝部23とを具備した点でも、第1実施の形態と同様である。
【0043】
さらに、この杭施工装置14における杭施工治具16の上端プレート部34は、閉じられた閉塞型であるので、治具本体21の側面部に、中空に形成された杭体11の内部を経て上昇するプレボーリング孔内充填材排出用の排出穴38を備えている。すなわち、プレボーリング孔内での杭体11の下降に伴なって、プレボーリング孔内に投入されているセメントミルクなどの充填材が杭体11内で上昇するので、この充填材を排出穴38より外部へ排出する。
【0044】
また、昇降操作体17としては、杭施工治具16の上端プレート部34の中央部にヤットコ連結部材39aが溶接され、このヤットコ連結部材39aの上端凸部39bに中空ロッド状のヤットコ39cを嵌着してこれらのピン穴に挿入された連結ピン39dにより、ヤットコ連結部材39aとヤットコ39cとを脱着可能に連結させたものであり、必要な長さのヤットコ39cを用いることにより、杭体11の杭頭および杭頭結合筋13をグランドレベルから任意の深さのレベルに布設できる。
【0045】
そして、セメントミルクなどの充填材が充填されたプレボーリング孔内に杭体11を挿入するプレボーリング工法において、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に結合筋収納空間15を有する杭施工治具16を被嵌して一体化し、この杭施工治具16を介して昇降操作体17により杭体11を布設する。
【0046】
この第3実施の形態によれば、充填材が充填された掘削穴に杭体11を挿入するプレボーリング工法においても、杭体内を上昇したプレボーリング孔内充填材を、杭施工治具16に設けられた排出穴38から外部へ排出できるので、この杭施工治具16を介して、杭頭結合筋13が露出されたままの杭体11を布設することができ、杭頭結合筋13をはつり出すカットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0047】
次に、図7は、第4実施の形態を示し、図6に示された実施の形態の昇降操作体17として、図1に示されたヤットコを用いたものであり、必要な長さのヤットコを用いることにより、杭体11の杭頭および杭頭結合筋13をグランドレベルから任意の深さのレベルに布設できる。他の構成および作用効果は、図6に示されたものと同様である。
【0048】
以上のように、中掘り工法においても、プレボーリング工法においても、杭頭結合筋13が露出された杭体11の杭頭上に被嵌された杭施工治具16を介して、昇降操作体17により杭体11を布設する杭施工方法を採用し、杭頭結合筋13をはつり出すカットオフ作業を不要にでき、カットオフ作業を行なう場合の問題点を解消できる。
【0049】
すなわち、杭頭結合筋13が露出した杭体11を製造して、杭施工治具16により、この杭頭結合筋13が露出した状態でグランドレベルより低い所定のレベル位置に杭頭部を揃えて布設するので、杭頭結合筋13の長さを最初から短くして余長部分を削除でき、また、鉄筋はつり出しカットオフ作業を不要にできるので、工費を削減できるとともに工期を短縮でき、さらに、杭頭結合筋のはつり出しカットオフ作業に伴うスクラップの発生がなくなり、廃棄物を削減でき、経済的である。
【0050】
なお、杭施工治具の嵌合溝部は、治具本体の下端から切込状に形成した例を示したが、治具本体の下端から内面に凹溝を付けるように形成しても良い。また、杭体11として鋼管コンクリート杭(SC杭)の例を示したが、突起部22を設けた鋼管24を杭体11の全長より短くしたコンクリート杭(いわゆるPC杭またはPRC杭)でも良い。
【0051】
本発明は、プレボーリング工法または中掘り工法などにより、所定深度に杭体を布設する際に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る杭施工装置の第1実施の形態を示す断面図である。
【図2】同上杭施工装置の正面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】同上杭施工装置の第2実施の形態を示す断面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】同上杭施工装置の第3実施の形態を示す断面図である。
【図7】同上杭施工装置の第4実施の形態を示す断面図である。
【図8】杭頭結合筋の施工例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
11 杭体
13 杭頭結合筋
14 杭施工装置
15 結合筋収納空間
16 杭施工治具
17 昇降操作体
21 治具本体
21a 外筒部
21b 内筒部
22 突起部
23 嵌合溝部
31 スクリュー挿入口
32 スクリュー挿入筒部
38 排出穴
S オーガスクリュー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に被嵌される結合筋収納空間を有する杭施工治具と、
この杭施工治具を介して杭体を少なくとも昇降操作する昇降操作体と
を具備したことを特徴とする杭施工装置。
【請求項2】
杭施工治具は、
円筒状に形成された治具本体と、
この治具本体の下部に設けられ治具本体の回転方向により杭体の上端部側面に突出された突起部に対し嵌脱自在の嵌合溝部と
を具備したことを特徴とする請求項1記載の杭施工装置。
【請求項3】
杭施工治具の治具本体は、
嵌合溝部を備えた外筒部と、
この外筒部の内側に同心状に設けられ中空に形成された杭体の内径面と連続的に設けられた内径面を有する内筒部と、
この内筒部の上端に開口されて掘削用のオーガスクリューが挿入されるスクリュー挿入口とを備え、
昇降操作体は、
杭施工治具のスクリュー挿入口上に連続するスクリュー挿入筒部を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載の杭施工装置。
【請求項4】
杭施工治具は、中空に形成された杭体の内部を経て上昇するプレボーリング孔内充填材排出用の排出穴を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載の杭施工装置。
【請求項5】
昇降操作体として、ヤットコを用いる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の杭施工装置。
【請求項6】
杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に結合筋収納空間を有する杭施工治具を被嵌して一体化し、
この杭施工治具を介して昇降操作体により杭体を布設する
ことを特徴とする杭施工方法。
【請求項1】
杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に被嵌される結合筋収納空間を有する杭施工治具と、
この杭施工治具を介して杭体を少なくとも昇降操作する昇降操作体と
を具備したことを特徴とする杭施工装置。
【請求項2】
杭施工治具は、
円筒状に形成された治具本体と、
この治具本体の下部に設けられ治具本体の回転方向により杭体の上端部側面に突出された突起部に対し嵌脱自在の嵌合溝部と
を具備したことを特徴とする請求項1記載の杭施工装置。
【請求項3】
杭施工治具の治具本体は、
嵌合溝部を備えた外筒部と、
この外筒部の内側に同心状に設けられ中空に形成された杭体の内径面と連続的に設けられた内径面を有する内筒部と、
この内筒部の上端に開口されて掘削用のオーガスクリューが挿入されるスクリュー挿入口とを備え、
昇降操作体は、
杭施工治具のスクリュー挿入口上に連続するスクリュー挿入筒部を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載の杭施工装置。
【請求項4】
杭施工治具は、中空に形成された杭体の内部を経て上昇するプレボーリング孔内充填材排出用の排出穴を備えた
ことを特徴とする請求項1または2記載の杭施工装置。
【請求項5】
昇降操作体として、ヤットコを用いる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の杭施工装置。
【請求項6】
杭頭結合筋が露出された杭体の杭頭上に結合筋収納空間を有する杭施工治具を被嵌して一体化し、
この杭施工治具を介して昇降操作体により杭体を布設する
ことを特徴とする杭施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−43471(P2010−43471A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208305(P2008−208305)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【出願人】(000228660)日本コンクリート工業株式会社 (50)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【出願人】(000228660)日本コンクリート工業株式会社 (50)
【Fターム(参考)】
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