説明

板ガラス移送装置

【課題】振動や揺れ等が発生せず不良判別検査が精密に行われる板ガラス移送装置を提供する。
【解決手段】作業台10に移送部20が設けられ板ガラス40を移送する移送機30を含み、移送部20は、上面をクリーンフィルタ21dで覆われ内部に吐出ファン21aを備えるファンハウジング21と、ファンハウジング21上面に載置され底面に貫通孔22aが設けられ内部に空間部22bを有して上面が開放したエアチャンバ22と、エアチャンバ22に密着結合し、表面に上下に貫通した複数の通孔23aを有するベース板23と、ベース板23の各通孔23aを覆うフィルタ24と、フィルタ24上面を覆いベース板23の上面の該当部位にそれぞれ結合され、各表面にベース板23の通孔23aと対応して上下に貫通するエア吐出孔25aが設けられ、互いの離隔隙間が縦及び横方向に沿って空気層緩和溝部25bを形成する複数個の片板25と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板ガラス移送装置に関し、より詳しくは、板ガラスをエア浮上させた状態で移送することにより、移送中の板ガラス上に接触摩擦による振動や揺れ等の動きが全く発生しないようにする板ガラス移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)等に用いられる薄型板ガラスの不良可否を検査する際に検査装置上で板ガラスを検査部側へ移送するために使われる板ガラス移送装置として、板ガラスの底面を支持し移送させるための複数のローラが回転軸上に軸着され、長さ方向に沿って全体的に設けられた移送装置が使われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなローラを用いた板ガラス移送装置では、基本的に、板ガラスとローラの表面とが互いに接触した状態で板ガラスの移送が行われる。これにより、最小限の接触摩擦による揺れや振動等、微細な振動現象を完全には排除できない。このような振動のため、板ガラス検査の際、不良を正確に測定できなくなり、検査の精度が落ちるなどの問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、板ガラスを移送部の上面から所定間隔離隔した状態でエア浮上させて移送することにより、移送中の板ガラスに接触摩擦による振動や揺れ等の発生を防止し、板ガラスの不良判別検査をより精密に行うことを可能にする板ガラス移送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明による板ガラス移送装置は、作業台の上面に移送部が設けられ、該移送部の一側の移送部上面に移された板ガラスを移送させる移送機を含み、この板ガラス移送装置において、前記移送部は、開放された上面をクリーンフィルタで覆われ、その内部に吐出ファンが備えられているファンハウジングと、前記ファンハウジングの上面に載置され、底面の中央に貫通孔が設けられ、内部に空間部を有して上面が開放されたエアチャンバと、前記エアチャンバの開放された上部に覆い被せて密着し、その表面に上下に貫通した複数の通孔を有するベース板と、前記ベース板の各通孔に覆い被せるフィルタと、前記フィルタの上面に覆い被せると共にベース板の上面の該当部位にそれぞれ結合され、それぞれの表面にベース板の通孔に対応した上下に貫通する吐出孔が設けられ、互いの離隔隙間が縦方向及び横方向に沿って空気層緩和溝部を形成する複数個の片板と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明による板ガラス移送装置において、前記ベース板は、検査部が設けられた作業台の中央部に行くほど通孔が密に形成され、これに対応して片板は、検査部の隣接部側に配設されて横方向に長く延長された第1の片板と、前記第1の片板の縦方向の隣接後方に所定距離ずつ離隔配設され、狭幅長方形の板材状を有して横方向に沿ってそれぞれ所定間隔で離隔配設される複数の第2の片板と、前記第2の片板の縦方向の隣接後方に所定距離ずつ離隔配設され、広幅長方形の板材状を有して横方向に沿ってそれぞれ所定間隔で離隔配設される複数の第3の片板と、を備えることが望ましい。
【0007】
また、本発明による板ガラス移送装置において、前記第1の片板の表面全体には長さ方向に沿って凹状の空気層緩和溝部が横方向に所定間隔ずつ離隔して複数個形成されていることが望ましい。
【0008】
また、本発明による板ガラス移送装置において、前記第1の片板の空気層緩和溝部を除いた残り表面の全体にそれぞれ長さ方向に沿って一対の吐出孔が設けられていることが望ましい。
【0009】
また、本発明による板ガラス移送装置において、前記第1の片板の空気層緩和溝部を除いた残り表面のうち、長さ方向に沿って一対の吐出孔が設けられている表面と、一つのエア吐出孔が設けられている表面とが横方向に沿って繰り返して連続配設されていることが望ましい。
【0010】
また、本発明による板ガラス移送装置において、前記第3の片板は、長さ方向に沿って2列に配設されていることが望ましい。
【0011】
また、本発明による板ガラス移送装置において、前記第2の片板及び第3の片板の枠面の下端部にはそれぞれ内側への凹状を有する凹溝部が設けられていることが望ましい。
【0012】
また、本発明による板ガラス移送装置において、前記第3の片板は、それぞれ隣接する第3の片板同士に長さ方向及び横方向に沿って4個のエア吐出孔が設けられている第3の片板と、5個のエア吐出孔が設けられている第3の片板とが交互に混合配設されていることが望ましい。
【0013】
また、本発明の板ガラス移送装置は、作業台の上面に移送部が設けられ、該移送部の一側に移送部上に移された板ガラスを移送させる移送機を含み、この板ガラス移送装置において、前記移送部は、開放された上面がクリーンフィルタで覆われ、内部に吐出ファンが備えられているファンハウジングと、前記ファンハウジングの上面に載置され、底面の中央に貫通孔が設けられ、内部に空間部を有して上面が開放されたエアチャンバと、前記エアチャンバの開放された上部に覆い被せて密着し、表面に上下に貫通した複数の通孔が設けられたベース板と、前記ベース板の各通孔に覆い被せるフィルタと、前記フィルタの上面に覆い被せると共にベース板の上面全体に対応配設され、その表面にベース板の通孔に対応した上下に貫通する複数の吐出孔が設けられ、各吐出孔の隣接部に表面の全体にかけて縦、横方向に沿って所定深さの凹状を有する空気層緩和溝部が備えられている上板と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の板ガラス移送装置は、板ガラスをエア浮上させた状態で移送するので、移送中の板ガラスに接触摩擦による振動や揺れ等の動きが全く発生しなく、板ガラスの不良検査が正確に行われるなどの效果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施の形態の板ガラス移送装置を、添付図面に基づいて詳しく説明する。図1乃至図6は本発明の第1の実施例による板ガラス移送装置を示す。この板ガラス移送装置は、図1に示すように、上面の中央に検査部11が設けられた作業台10と、作業台10の前部、後部の全体にかけて配設されて互いに前後対称に設けられた移送部20と、移送部20の一側面と隣接して作業台10の一側部に設けられた移送機30とを備えている。作業台10は、大型の四角テーブル状であり、該作業台10の上面から所定の高さ離隔した上方には、光源11a及びカメラ装置11bを含む検査部11が横方向の全体にかけて設けられている。なお、斜視図において、例えば、斜め左下方向が後方、斜め右上方向が前方、この前後方向に直交する水平方向が横方向である。
【0016】
前記移送部20は、作業台10の中央部を基準として互いに所定間隔で離隔され、図2に示すように、板ガラス40を浮揚させて検査部11の下方を通過させるために、作業台10の長さ方向の前部、後部の全体にかけて配設されている。移送部20は、互いに対称を成す長方形の板材形状になっている。前記移送機30は、移送部20の一側面と隣接した、作業台10の一側部の上に、長さ方向に沿って摺動可能に設けられている。移送機30は、移送部20上に移された板ガラス40が移送部20の上面に対して所定高さ上方に浮揚された状態において、その板ガラス40の一側面を取付けて、板ガラス40が検査部11の下方を通過するように案内するものである。
【0017】
ここで、前記作業台10、検査部11及び移送機30は、公知の技術をそのまま適用することができるためこれらの詳細な説明は省いて、以下、本願発明の要旨である移送部20に関して詳しく説明する。
【0018】
前記移送部20は、図3、図4に示すように、吐出ファン21aが備えられたファンハウジング21と、該ファンハウジング21の上面に載置されるエアチャンバ22と、該エアチャンバ22の上部に覆い被せるベース板23と、このベース板23の各通孔23aに覆い被せるフィルタ24(図5)と、該フィルタ24の上面に覆い被せると共にベース板23上面の該当の部分にそれぞれ結合される複数個の片板25とを含む構成になっている。
【0019】
前記ファンハウジング21は、開放された上面がクリーンフィルタ21dで覆われ、内部に上方へエア(空気)を吐出させる吐出ファン21aを備えた四角の箱状になっている。そして、前記ファンハウジング21の底面には、開放された上方からクリーンフィルタ21dを通してエアを円滑に排出させるための通孔21bと、吐出ファン21aに電源を供給するための電源ケーブル21c等が通過する通孔21bと、が設けられている。このような通孔21bは、ファンハウジング21の側面にも設けられてもよい。
【0020】
そして、前記ファンハウジング21のクリーンフィルタ21dは、吐出ファン21aから吐出されるエアが直接エアチャンバ22内へ流入されないように、エア中に含まれている微細埃等を取り除く第一次のエア洗浄機能と共に、エアの吐出圧を緩和させるための機能を有する。ここで、前記クリーンフィルタ21dは、ファンハウジング21上に接着剤等を用いて接着固定することができる。
【0021】
前記エアチャンバ22は、吐出ファン21aによって吐出されたエアが満たされ、継続的なエア吐出によってエアを上方へ排出する、四角の箱形状を有する。ファンハウジング21の上面に載置されるエアチャンバ22は、底面の中央部に、ファンハウジング21の開放された上部と連通される貫通孔22aが設けられ、内部にエアが満たされる空間部22bが設けられている。その上面の全体は、ベース板23が密着結合されるように開放されている。
【0022】
すなわち、前記エアチャンバ22では、吐出ファン21aによって吐出されたエアがエアチャンバ22の空間部22b内に一次的に満たされる。続いて、吐出ファン21aによってエアチャンバ22内へ流入されて該エアチャンバ22の空間部22bを満たしていたエアは、上方へ押し出されるようになり、ベース板23の通孔23aを通って上方へ排出される(図6)。
【0023】
前記ベース板23は、エアチャンバ22の開放された上部に覆い被せて密着される四角の板材状であり、その表面には、上述したように、上下方向に貫通した複数の通孔23aが設けられている。ここで、前記ベース板23の通孔23aは、検査部11が設けられている作業台10の中央部に行くほどぎっしりと密に形成されている。
【0024】
前記フィルタ24は、ベース板23の各通孔23aを覆い被せ、エアチャンバ22内のエアをベース板23の通孔23aへ直ちに排出させずに排出圧がある程度緩和されるようにし、結果的に、エアが該フィルタ24を通って滲み出る程度のエア圧で排出されるようにするためのものである。フィルタ24として、主に焼結フィルタを用いる。
【0025】
ここで、前記フィルタ24の大きさは、ベース板23の各通孔23aのみを個別に覆い被せられる程度の大きさにすることもでき、また、本実施例のようにそれぞれの片板25に当たる大きさにすることもできる。例えば、片板25にエア吐出孔25aが5つ設けられた場合には、前記フィルタ24もベース板23の5つの通孔23aを覆い被せて該当片板25の大きさを超えない大きさで形成することが望ましい。
【0026】
前記片板25は、フィルタ24の上面を覆い被せつつベース板23の上面の該当部分にそれぞれ結合され、それぞれの表面にはベース板23の通孔23aに対応して上下に貫通する複数のエア吐出孔25aが設けられている。片板25は、長方形の板材状になっている。さらに、これらが縦横に配置された状態で片板25間の離隔隙間が縦方向(前後方向)及び横方向に沿って空気層緩和溝部25b(図3、図6)を形成する。
【0027】
前記ベース板23上に結合される複数の片板25に関してより詳しく説明する。片板25は、図4に示すように、検査部11に隣接するベース板23の上面に配設されて横方向に長く延長された第1の片板251と、該第1の片板251の縦方向の隣接後方に所定距離で離隔配設された、狭幅長方形の板材状を有し、横方向に沿ってそれぞれ所定間隔ずつ離隔配設される複数の第2の片板252と、該第2の片板252の縦方向の隣接後方に所定距離で離隔配設された、広幅長方形の板材状を有し、横方向に沿ってそれぞれ所定間隔ずつ離隔配設される複数の第3の片板253と、を備えて構成されている。
【0028】
そして、前記第1の片板251の表面全体には、長さ方向(前後方向)に沿って凹状の空気層緩和溝部251aが横方向に所定間隔ずつ離隔されて複数形成されている。すなわち、前記第1の片板251には、第1、第2、及び第3の各片板251,252,253の間に形成されている空気層緩和溝部25bのような機能を行わせる、空気層緩和溝部251aが表面上に直接切削等によって凹状に形成されている。
【0029】
そして、前記第1の片板251には、空気層緩和溝部251aを除いた残り表面の全体に、それぞれ長さ方向に沿って並ぶ一対のエア吐出孔251bが、横方向に沿って繰り返して連続配設形成されている。ここで、前記第1の片板251のエア吐出孔251bに対応してベース板23上にも同一大きさ及び同一配設構造で通孔23aが設けられている。
【0030】
第2の片板252と第3の片板253とは、第2の片板252が、第3の片板253より幅がやや狭く長さがやや短いこと以外は、略同形状である。その違いは、より具体的には、第2の片板252上には4つのエア吐出孔252aが形成されていて、第3の片板253上には5つのエア吐出孔253aが設けられている点である。そして、第2の片板252は、長さ方向に1列に配設されており、第3の片板253は、長さ方向に2列に配設されている。
【0031】
このような構成による本発明の板ガラス移送装置では、図6に示すように、エアが、吐出ファン21aの回転によって上方へ吐出され、一次的にエアチャンバ22の空間部22b内に満たされると共に、継続的な吐出ファン21aのエア吐出によってエアチャンバ22の空間部22bから上方へ押し出されつつエアチャンバ22の上面に結合されているベース板23の通孔23aを通って上方へ排出される。このとき、前記ベース板23の通孔23aを通って上方へ排出されるエアは、フィルタ24によって排出速度が緩和されつつ、フィルタ24を通って滲み出るように片板25のエア吐出孔25aへ排出され、最終的に片板25上において一種の空気層を形成する。
【0032】
すなわち、板ガラス40と片板25間に形成された空気層に、継続的なエアの補充(流れ)が行われ、持続的に空気層が維持できる。これは換言すれば、前記片板25上に形成された空気層が片板25上に載置される板ガラス40を支えると共に、空気層を形成したエアが片板25の上部に形成された空気層緩和溝部251a、及び片板25間に形成された空気層緩和溝部25bを通って移送部20の四方外側へ排出され、空気層は、これらの過程を繰り返しつつ、結果的に板ガラス40を片板25上から所定の高さ離隔させた状態に浮上させる。
【0033】
そして、前記空気層緩和溝部25b、及び空気層緩和溝部251aは、片板25上の全体空気層のボリュームを緩和させる役割を果たし、その結果、板ガラス40の中央部が膨れ上がる、いわゆる張出(バルジング)現象を防止する。例えば、従来のように、空気層緩和溝部25bのない扁平な平板において空気層を形成させる場合、平板中央部の空気より枠側の空気が比較的に外部へ迅速に抜けて行くので、全体として平板の枠側より中央部の空気層が厚く形成され、その結果、板ガラス40の中央部が上方に膨れ上がる張出現象が発生するが、本発明のように、空気層緩和溝部25bを形成させて空気層のエアがこれら空気層緩和溝部25bへ排出されるようにすることにより、空気層のボリュームを一部緩和できるようになり、板ガラス40の張出現象を防止できる。
【0034】
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施例を説明する。第2の実施例は、第1の実施例における移送部20に変えて、図7に示す移送部20を用いるものである。この移送部20の第1の片板251’は、第1の実施例における第1の片板251の吐出孔251b(従って通孔23a)の個数と配置を変えたものであり、第2の実施例の他の構成は第1の実施例と同様である。第1の片板251’は、空気層緩和溝部251a’を除いた残り表面のうち、前後方向に沿って一対のエア吐出孔251b’が設けられている表面と単一吐出孔251c’が設けられている表面とが横方向に沿って繰り返して連続配設されたものである。この実施例は、第1の実施例における吐出孔251bの個数と配置を変えて、空気層の厚みの均一性を確保するものである。
【0035】
次に、図8、図9を参照して、本発明の第3の実施例を説明する。前記板ガラス40の張出現象を防止する方法として、前記第1の実施例における空気層緩和溝部25bの空間を拡張させてエア排出量を増加させる方法を用いることもできる。これを実現する移送部20を用いる例が実施例3である。この実施例における第2の片板252’及び第3の片板253’の枠面の下端部には、それぞれ内側への凹状を有する凹溝部252a’,253a’が形成されている。
【0036】
次に、図10を参照して、本発明の第4の実施例を説明する。前記板ガラス40の張出現象を防止する方法として、エア吐出孔を通る空気漏出量を調節することもできる。これは、図10に示す板ガラス移送装置の第4の実施例のように、それぞれ隣接する第3の片板253’’同士において、長さ方向及び横方向に沿って4個のエア吐出孔253a’’が設けられている第3の片板253’’と、5個のエア吐出孔253a’’が設けられている第3の片板253’’とを交互に混合配設させることによって実現できる。
【0037】
このように、片板25上に空気層が形成された状態で検査対象である板ガラス40が作業台10上の移送部20に移されれば、この時から板ガラス40は空気層によって所定高さ上方に浮上した状態となる。この際、作業台10の移送機30が板ガラス40の一側面を真空吸着して検査部11の方へ摺動移送させつつ板ガラス40の不良検査が行われると共に、この検査部11を通った板ガラス40は移送され続け、その次の段階へ案内される。このように、板ガラス40は不良検査を受ける間、移送部20と接触することなくエア浮上した状態で移送されるので、接触摩擦等いかなる揺れもなく検査が行われる。
【0038】
次に、図11を参照して、本発明の第5の実施例を説明する。この板ガラス移送装置の第5の実施例では、前記片板25の代わりに、フィルタ24の上面を覆い被せつつベース板23の上面全体に対応配設され、さらにその表面にベース板23の通孔23aと対応して上下に貫通された複数のエア吐出孔26aが形成され、各エア吐出孔26aの隣接部には表面全体にかけて縦、横方向に沿って所定深さの凹状の空気層緩和溝部26bが備えられた、上板26を適用している。
【0039】
なお、本発明の板ガラス移送装置は、板ガラス検査装置の外に、その他の物流や他の用途でも使うことができる。
【0040】
以上のように、上記実施の形態を参照して詳細に説明され図示されたが、本発明は、これに限定されるものでなく、このような本発明の基本的な技術的思想を逸脱しない範囲内で、当業界の通常の知識を有する者にとっては、他の多くの変更が可能であろう。また、本発明は、添付の特許請求の範囲により解釈されるべきであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による板ガラス移送装置の第1の実施例を示す概略斜視図。
【図2】同上板ガラス移送装置により板ガラスを移送する状態を示す概略斜視図。
【図3】同上板ガラス移送装置の移送部の要部とその要部の一部を拡大した斜視図。
【図4】同上板ガラス移送装置の移送部の分解斜視図。
【図5】同上板ガラス移送装置の移送部の一部の分解斜視図。
【図6】同上板ガラス移送装置の移送部と浮上した板ガラス及びこれらを一部拡大して示す概略断面図。
【図7】本発明の第2の実施例による板ガラス移送装置の移送部の要部斜視図。
【図8】本発明の第3の実施例による板ガラス移送装置の移送部の要部と第3の片板の斜視図。
【図9】図8に示した第3の片板とその一部拡大部分の横断面図。
【図10】本発明の第4の実施例による板ガラス移送装置の移送部の要部を示す斜視図。
【図11】本発明の第5の実施例による板ガラス移送装置の片板を示す要部斜視図。
【符号の説明】
【0042】
10 作業台
11 検査部
11a 光源
11b カメラ装置
20 移送部
21 ファンハウジング
21a 吐出ファン
21b、23a 通孔
21c 電源ケーブル
21d クリーンフィルタ
22 エアチャンバ
22a 貫通孔
22b 空間部
23 ベース板
24 フィルタ
25 片板
25a,251b,251b’,251c’,252a エア吐出孔
253a,253a’’,26a エア吐出孔
25b,251a,251a’,26b 空気層緩和溝部
251,251’ 第1の片板
252,252’ 第2の片板
253,253’,253’’ 第3の片板
252a’,253a’ 凹溝部
26 上板
30 移送機
40 板ガラス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業台10の上面に移送部20が設けられ、該移送部20の一側の移送部20上面に移された板ガラス40を移送させる移送機30を含む板ガラス移送装置において、
前記移送部20は、
開放された上面がクリーンフィルタ21dで覆われ、内部に吐出ファン21aが備えられているファンハウジング21と、
前記ファンハウジング21の上面に載置され、底面の中央に貫通孔22aが設けられ、内部に空間部22bを有して上面が開放されたエアチャンバ22と、
前記エアチャンバ22の開放された上部に覆い被せて密着し、表面に上下に貫通した複数の通孔23aを有するベース板23と、
前記ベース板23の各通孔23aに覆い被せるフィルタ24と、
前記フィルタ24の上面に覆い被せると共にベース板23の上面の該当部位にそれぞれ結合され、それぞれの表面にベース板23の通孔23aに対応した上下に貫通するエア吐出孔25aが設けられ、互いの離隔隙間が縦方向及び横方向に沿って空気層緩和溝部25bを形成する複数の片板25と、を備えることを特徴とする板ガラス移送装置。
【請求項2】
前記ベース板23は、検査部11が設けられた作業台10の中央部に行くほど通孔23aが密に形成され、これに対応して片板25は、検査部11の隣接部側に配設されて横方向に長く延長された第1の片板251と、
前記第1の片板251の縦方向の隣接後方に所定距離ずつ離隔配設され、狭幅長方形の板材状を有して横方向に沿ってそれぞれ所定間隔で離隔配設される複数の第2の片板252と、
前記第2の片板252の縦方向の隣接後方に所定距離ずつ離隔配設され、広幅長方形の板材状を有して横方向に沿ってそれぞれ所定間隔で離隔配設される複数の第3の片板253と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の板ガラス移送装置。
【請求項3】
前記第1の片板251の表面全体には、長さ方向に沿って凹状の空気層緩和溝部251aが横方向に所定間隔ずつ離隔して複数個形成されていることを特徴とする請求項2に記載の板ガラス移送装置。
【請求項4】
前記第1の片板251の空気層緩和溝部251aを除いた残り表面の全体には、それぞれ長さ方向に沿って一対のエア吐出孔251bが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の板ガラス移送装置。
【請求項5】
前記第1の片板251’の空気層緩和溝部251a’を除いた残り表面のうち、長さ方向に沿って一対のエア吐出孔251b’が設けられている表面と、単一エア吐出孔251c’が設けられている表面と、が横方向に沿って繰り返して連続配設されていることを特徴とする請求項3に記載の板ガラス移送装置。
【請求項6】
前記第3の片板253は、長さ方向に沿って2列に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の板ガラス移送装置。
【請求項7】
前記第2の片板252’及び第3の片板253’の枠面の下端部には、それぞれ内側への凹状を有する凹溝部252a’,253a’が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の板ガラス移送装置。
【請求項8】
前記第3の片板253’’らは、それぞれ隣接する第3の片板253’’同士に長さ方向及び横方向に沿って4個のエア吐出孔253a’’が設けられている第3の片板253’’と、5個のエア吐出孔253a’’が設けられている第3の片板253’’とが交互に混合配設されていることを特徴とする請求項6に記載の板ガラス移送装置。
【請求項9】
作業台10の上面に移送部20が設けられ、該移送部20一側の移送部20上面に移された板ガラス40を移送させる移送機30を含む板ガラス移送装置において、
前記移送部20は、
開放された上面がクリーンフィルタ21dで覆われ、内部に吐出ファン21aが備えられているファンハウジング21と、
前記ファンハウジング21の上面に載置され、底面の中央に貫通孔22aが設けられ、内部に空間部22bを有して上面が開放されたエアチャンバ22と、
前記エアチャンバ22の開放された上部に覆い被せて密着し、表面には上下に貫通した複数の通孔23aが設けられたベース板23と、
前記ベース板23の各通孔23aに覆い被せるフィルタ24と、
前記フィルタ24の上面に覆い被せると共にベース板23の上面全体に対応配設され、その表面にベース板23の通孔23aに対応した上下に貫通する複数のエア吐出孔26aが設けられ、各エア吐出孔26aの隣接部に表面の全体にかけて縦、横方向に沿って所定深さの凹状を有する空気層緩和溝部26bを含む上板26と、を備えることを特徴とする板ガラス移送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−206320(P2006−206320A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−208219(P2005−208219)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(505272412)株式会社 太星技研 (9)
【Fターム(参考)】