板状体の反転機構
【課題】一枚あたりの板状体の反転に要する時間を短縮化することができる板状体の反転機構を提供する。
【解決手段】遠隔的に吸引力が作用して板状体を吸脱着可能な一対のチャック4,5を互いの吸着面8,9が対向するように離間して配置したチャック部2と、前記吸着面8,9に平行な回転軸Sを中心として前記チャック部2を回転させる回転部3と、水平姿勢で板状体を保持する板状体保持部分16を有し前記板状体保持部分を前記チャック部2の吸着面8,9の間の位置と、前記回転部3による前記チャック部2の回転に支障がない位置との間で、前記チャック部2に対して相対的に移動可能に構成されている板状体搬送部6と、を備える。
【解決手段】遠隔的に吸引力が作用して板状体を吸脱着可能な一対のチャック4,5を互いの吸着面8,9が対向するように離間して配置したチャック部2と、前記吸着面8,9に平行な回転軸Sを中心として前記チャック部2を回転させる回転部3と、水平姿勢で板状体を保持する板状体保持部分16を有し前記板状体保持部分を前記チャック部2の吸着面8,9の間の位置と、前記回転部3による前記チャック部2の回転に支障がない位置との間で、前記チャック部2に対して相対的に移動可能に構成されている板状体搬送部6と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平姿勢で供給又は搬送されるプリント基板、ガラス基板、金属板などの板状体を反転、移載するための板状体の反転機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント配線基板、ガラス基板、金属板などの板状体を用いて作成される製品が多種提案されていることに伴い、これらの板状体が数多く生産されている。そして、これらの板状体は、生産時及び生産終了時の検査などにおいて、板状体を表裏反転させる工程が必要となる。
【0003】
これらの板状体を反転させる反転機構として、例えば、特許文献1(特開2004−42172号公報)が提案されている。
【0004】
この装置は、搬入位置と搬出位置にまたがって架設されたベースプレートと、ベースプレートにそれぞれ設けられた一対のサーボモータと、搬入位置および搬出位置に臨んでそれぞれベースプレートに回転自在に軸支され、各サーボモータの出力軸に連結された回転テーブルと、各回転テーブルにそれぞれ設けられたシリンダ装置と、各シリンダ装置の可動部にそれぞれ連結されるとともに、真空源に配管接続された吸着パッドを有する吸着部材と、から構成されており、各サーボモータによる回転テーブルの90度の回転および各シリンダ装置による吸着部材の進退を組み合わせて、搬入位置に搬入されたリード付き太陽電池セルが一方の吸着部材に吸着されるとともに、他方の吸着部材に受け渡されて、搬出位置に表裏反転して載置されるようにしたものである。
【特許文献1】特開2004−42172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この装置は、1枚あたりの板状体の反転に要する時間が長くなるという問題があった。すなわち、渡し側の吸着パッドを搬入装置に載置されている板状体に押し付けて板状体を吸着保持し、渡し側及び受け側の2つの吸着パッドを固定する回転テーブルをそれぞれ回転させて、2つの吸着パッドが対向するように配置し、受け側の吸着パッドを板状体に押し付けて板状体を吸着保持させると共に渡し側吸着パッドから解除し、受け側の吸着パッドを回転させて搬出装置に搬出する、という工程が必要となる。すなわち、吸着パッドを用いた2基の回転テーブルで対象物を保持するため、コンベアから回転機構への受け渡し、一方の回転機構からもう一方の回転機構への受け渡し、さらに回転機構からコンベアへの受け渡しと、1枚の板状体の反転につき2度の回転と3度の挟み込み動作が生じるため多くの機構と動作時間が必要であった。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、一枚あたりの板状体の反転に要する時間を短縮化することができる板状体の反転機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の板状体の反転機構を提供する。
【0008】
本発明の第1態様によれば、遠隔的に吸引力が作用して板状体を吸脱着可能な一対のチャックを互いの吸着面が対向するように離間して配置したチャック部と、
前記吸着面に平行な回転軸を中心として前記チャック部を回転させる回転部と、
水平姿勢で板状体を保持する板状体保持部分を有し、前記板状体保持部分を前記チャック部の吸着面の間の位置と、前記回転部による前記チャック部の回転に支障がない位置との間で、前記チャック部に対して相対的に移動可能に構成されている板状体搬送部と、を備えることを特徴とする、板状体の反転機構を提供する。
【0009】
本発明の第2態様によれば、前記チャック部は、互いの吸着面の離間距離を変更可能に構成されていることを特徴とする、第1態様の板状体の反転機構を提供する。
【0010】
本発明の第3態様によれば、前記チャック部に用いられるチャックは、ベルヌーイチャックであることを特徴とする、第1又は第2態様の板状体の反転機構を提供する。
【0011】
本発明の第4態様によれば、チャック部は、前記回転軸に対して対向する2箇所に前記板状体を保持可能に構成されていることを特徴とする、第1から第3態様のいずれか1つの板状体の反転機構を提供する。
【0012】
本発明の第5態様によれば、前記回転部は、前記回転軸が、前記チャックの吸着面の離間距離の中間位置に設けられていることを特徴とする、第1から第4態様のいずれか1つの板状体の反転機構を提供する。
【0013】
本発明の第6態様によれば、前記回転部は、前記回転軸が、前記チャックの吸着面の離間距離の中間位置からずれた位置に設けられており、
前記板状体搬送部は、前記回転部による回転に伴い移動するチャック部の位置に応じて、前記チャック部の吸着面の間の位置を変更可能に構成されていることを特徴とする、第1から第4態様のいずれか1つの板状体の反転機構を提供する。
【0014】
本発明の第7態様によれば、前記板状体搬送部は、2つのコンベアで構成されており、それぞれのコンベアは、前記回転部による回転に伴い移動するチャック部の位置に対応した位置に、それぞれの板状体保持部分を配置可能に構成されていることを特徴とする、第6態様の板状体の反転機構を提供する。
【0015】
本発明の第8態様によれば、前記板状体は、プリント配線基板であって、
第1から第7態様のいずれか1つの板状体の反転機構を搭載したことを特徴とする、基板の検査装置を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、対向配置したチャックの吸着状態を切り換え、板状体の落下を利用して吸着面を入れ替えた後、チャック部を回転させることで板状体の反転を行う。すなわち、板状体のいずれの方向からも板状体を挟み込むことなく吸着保持させることができるので、反転に要する工程を少なくすることができ、一枚の板状体の反転に要する時間を短くすることができる。
【0017】
なお、チャックの間隔は、板状体の落下による姿勢の乱れ及び落下による板状体の損傷が許容される範囲内で自由に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る板状体の反転機構について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1Aは、本発明の実施形態にかかる板状体の反転機構の概略構成を示す側面図であり、図1Bは、図1Aの板状体の反転機構の平面図である。
【0020】
図1A,図1Bに示すように、本実施形態にかかる板状体の反転機構1は、遠隔的に吸引力が作用して板状体100を吸脱着可能な一対のチャック4,5を互いの吸着8,9面が対向するように離間して配置したチャック部2と、吸着面に平行な回転軸Sを中心としてチャック部2を回転させる回転部3と、水平姿勢で板状体100を保持する板状体保持部分16を有し、板状体保持部分16をチャック部1の吸着面8,9の間の位置と、前記回転部によるチャック部2の回転に支障がない位置との間で、チャック部2に対して相対的に移動可能に構成されている板状体搬送部6とを備える。
【0021】
チャック部2は、少なくとも一対のチャック4,5を互いに平行に間隔Aをおいて保持する部材である。チャック4,5の間の間隔Aは、板状体100を保持した状態の板状体搬送部6が挿入可能な距離であって、さらに、板状体搬送部6によって搬送された板状体を遠隔的に吸着できる距離であればよい。具体的には、板状体100の性状や、チャックの吸着性能等に応じて調整できるように構成されていてもよい。
【0022】
チャック部2を構成するチャック4,5はバキュームチャック、ベルヌーイチャックなどの遠隔的に吸引力を作用させることができ、かつ、吸着面を下方向に向けて作用させる吸引力によって板状体100を懸垂状態で保持できるものであればよい。板状体が鋼板などの場合は、電磁石を用いてチャックを構成することができる。
【0023】
また、チャック4,5は、板状体を接触させた状態で保持させる必要はなく、非接触で保持するように構成されていてもよい。板状体を非接触で保持する方法は、例えば、特開昭62−16924号公報などに開示されている。なお、板状体を非接触で保持する場合は、板状体が位置ずれをおこさないように、ズレ防止ガイドなどを設けることが好ましい。
【0024】
チャックの幅寸法B,長さ寸法Cは、それぞれ板状体を確実に保持可能な大きさであれば特に限定はなく、板状体100の幅、長さよりも短くてもよい。
【0025】
回転部3は、サーボモータやステップモータなどの駆動力により、吸着面に対して平行な回転軸Sを中心にチャック部2を反転させる。チャック部2を反転させることにより、一対のチャックの上下関係が入れ替わることとなって、板状体100を反転させることができる。この動作の詳細は、後述する。なお、本実施形態では、回転軸Sは,チャックの吸着面の離間距離の中間位置に設けられており、回転部3による回転の前後でチャック部2の高さ位置が変化しないように構成されている。
【0026】
板状体搬送部6は、載置テーブルなどの板状体を保持するための部材で構成することができる。また、板状体搬送部6は、チャック部2の2枚のチャック4,5の間に出し入れ可能にチャック部2に対して相対的に移動することができる。
【0027】
図2A及び図2Bを用いて、図1Aの反転機構の動作を説明する。図2Aは、図1Aの反転機構の動作を説明するための各工程を示す図であり、図2Bは、図2Aに続く図1Aの反転機構の動作を説明するための各工程を示す図である。
【0028】
まず、本実施形態にかかる反転機構は、チャック部2の一対のチャック4,5の吸着面が、略水平となるように配置される。このとき、チャック4,5の吸引力は共に作用していない。なお、図2A,2Bでは、吸引力が作用している状態をON,作用していない状態をOFFと表示する。図2A(a)に示すように、反転される対象である板状体100が載置された状態の板状体搬送部6が一対のチャック4,5の間に移動する。
【0029】
図2A(b)に示すように、板状体搬送部6が一対のチャック4,5の間に移動した後、上側に位置するチャック4の吸引力を作用させる。これにより、板状体100は、板状体搬送部6からチャック4へ移動し、チャック4の吸着面に懸垂状態で保持される。
【0030】
板状体100が板状体搬送部6からチャック4へ移動すると、図2A(c)に示すように、板状体搬送部6を移動させ、チャック4,5の間から抜き出す。このときの位置は、チャック部2が回転部3により反転する場合に当該反転を阻害しないような位置であればよい。
【0031】
次いで、図2A(d)に示すように、下側のチャック5をONにして、上側のチャック4をOFFとする(図2A(e))。これにより、板状体100は、下側のチャック5上に落下して吸着、保持される。チャック4からチャック5へ落下するとき、板状体100はチャック4によって保持されなかった下側面がチャック5に吸着する。
【0032】
なお、板状体100の落下時に下側のチャック5をONにしているので、落下の衝撃で板状体100がはねることもなく、位置ずれなどの問題が生じることがない。なお、落下の距離は、チャック4,5間の間隔Aで調整することができ、衝撃に弱い板状体の場合は、この間隔Aを狭くすればよい。
【0033】
次に、図2B(f)に示すように、回転部3によってチャック部2を反転させる。この結果、チャック部2の上下のチャックの位置が入れ替わり、チャック5が上側に移動する。このとき、板状体100が反転する。
【0034】
次いで、板状体搬送部6がチャック4,5の間の位置へ挿入するように移動し(図2B(g)参照)たあと、チャック5をOFFにする(図2B(i))。すると、チャック5から板状体搬送部6の面に落下し、板状体搬送部6により支持される(図2B(h))。
【0035】
最後に、板状体搬送部6をチャック4,5の間から移動させ、装置から搬出する(図2B(j))。
【0036】
このように、本実施形態にかかる板状体の反転機構によれば、対向配置された遠隔的に作用するチャックを用いること及び重力落下による板状体のチャック間での受け渡しを共に採用することによって、いずれの方向からも板状体を挟み込むことなく保持、反転することができる。すなわち、反転機構の基本的な動作を、板状体搬送部6の進退動作と、チャック部2の反転動作と少なくすることができ、一枚の板状体100の反転に要する時間を短くすることができる。
【0037】
次に、図1Aにかかる板状体の反転機構の変形例について説明する。図3Aは、変形例に係る板状体の反転機構の概略構成を示す平面図であり、図3Bは、板状体搬送部が挿入された状態での図3Aの反転機構のIIIB-IIIB線での断面構成を示す図である。
【0038】
この変形例にかかる反転機構1aは、チャック部2を構成するチャック4a,4bの大きさが、板状体100に比べて大きく同時に2枚の板状体を保持可能に構成されている点が特徴である。また、同時に板状体搬送部6aの載置ステージも2枚の板状体100を載置可能に構成されている。
【0039】
チャック4a,5aは、回転部3の回転軸に対し対向する2箇所7b,8bに板状体100を保持可能に構成されている。また、板状体搬送部6aも同様に、回転部3の回転軸に対し対向する2箇所7a,8aに板状体100を載置可能に構成される。板状体搬送部6aの板状体100の載置箇所7a,8aは、それぞれ、チャック4a,5aの板状体の保持箇所7b,8bに板状体100を供給、搬出する。
【0040】
本変形例に係る板状体の反転機構は、チャック部2aの反転を利用して、反転前後の板状体の移動を行うことができるため、板状体搬送部6aの構成の自由度を高くすることができる。すなわち、図3Bに示すように、板状体搬送部6aの例えば、載置箇所7aに載置されてチャック部2aに搬送され、チャック4aの保持箇所7bに保持された板状体100−1は、チャック部2aの反転により、保持箇所8bの位置に移動する。したがって、これを板状体搬送部6aによって搬出するときは、板状体搬送部の載置箇所8aによって取り出すことができる。
【0041】
この構成を採用することにより、板状体搬送部6aのチャック部2aからの進退において、板状体を効率よく供給、搬出することができる。すなわち、図4Aに示すように、載置箇所7aに載置された板状体100−1をチャック部の保持箇所7bに供給する。そして、チャック部2aが反転して、保持箇所8bに移動した板状体100−1を取り出すためにチャック部2aに板状体搬送部6aをチャック部2aに挿入するのと同時に、板状体搬送部6aの載置箇所7aに載置されている別の板状体100−2をチャック部2aに保持させることができる。このように、変形例に係る板状体の反転機構1aによれば、板状体搬送部6aが板状体を載置しない状態で進退させる必要がなく、効率よく板状体を供給、搬出することができる。
【0042】
次にさらなる変形例にかかる板状体の反転機構について説明する。図5Aは変形例にかかる板状体の反転機構の概略構成を示す側面図であり、図5Bは、供給コンベア13,搬出コンベア14が非挿入の状態にある図5Aの板状体の反転機構の正面図である。
【0043】
この変形例に掛かる反転機構1bは、チャック部を構成するチャックとして、第1チャック10,第2チャック11、第3チャック12が設けられている。当該3枚のチャック10,11,12の対向面にそれぞれ板状体を吸着する吸着面8,9,18,19が構成されている。すなわち、第2チャック11は、両面が吸着面を構成する。
【0044】
また、供給コンベア13,搬出コンベア14は、それぞれ供給側のコンベア13と搬出側のコンベア14とが設けられている。供給側コンベア13は、板状体100を第1チャック10と第2チャック11の間に挿入され第1チャック10の吸着面8に板状体を受け渡す。一方、搬出側コンベア14は、第2チャック11と第3チャック12との間に挿入され第2チャック11の吸着面19に保持されている板状体100を受け取って搬出する。
【0045】
この変形例にかかる板状体の反転機構では、供給コンベア13,搬出コンベア14は、固定されており、供給コンベア13,搬出コンベア14とチャック部2bとの相対移動は、チャック部2bが、移動することにより行われる。すなわち、図5Bに示すように、供給コンベア13,搬出コンベア14の板状体の搬送方向に対して垂直方向にチャック部2bが移動することによって、供給コンベア13,搬出コンベア14がチャック10,11,12の間に挿入されたり、非挿入の状態になったりする。
【0046】
回転部3bは、第2のチャック11の高さ位置に存在する。したがって、回転部3bにより、チャック部2bが回転することで、第1チャック10と第3チャック12の位置が入れ替わる。
【0047】
この変形例にかかる板状体の反転機構の動作について説明する。まず、供給コンベア13から第1チャック10と第2チャック11との間に送られ、第1チャック10の吸着面8に板状体100が保持される。次いで、チャック部2bが移動して、供給コンベア13,搬出コンベア14が非挿入の状態となった後、第1チャック10をOFFにし、板状体100を第2チャックの吸着面18に保持させる。
【0048】
次いで、チャック部2bを回転させて、チャック部の位置を入れ替える。すなわち、第2チャックに保持されている板状体は、図5Aの吸着面19の位置へ移動することとなる。その後、チャック部2bが移動して、供給コンベア13,搬出コンベア14がチャック10,11,12の間に挿入された後、チャック11をOFFにし、板状体100を搬送部14へ搬出する。
【0049】
この変形例にかかる板状体の反転機構によれば、チャック部の回転を利用して反転前後の板状体の移動が可能であるため、板状体の供給と搬出をそれぞれ独立した搬送部により行うことができる。したがって、搬送部の構成の自由度を高くすることができる。
(実施例)
【0050】
次に、本発明にかかる板状体の反転機構を用いた反転装置について説明する。図6は、本発明の実施例にかかる反転装置の概略構成を示す図である。本実施例に掛かる反転装置は、図12に示すプリント配線基板の検査装置の一部として構成され、板状体の例であるプリント配線基板100を反転させるためのユニットとして機能する。
【0051】
図12に示すようにプリント配線基板は、フレーム102とプリント基板103とのつなぎ目部分に穴101を有する。
【0052】
反転装置20は、搬送ユニット21と反転ユニット22とを備える。搬送ユニット21は、板状体100を載置する載置ステージ25と、載置ステージ25を反転ユニット22に進退可能に移動させるための移動装置23とスライダ24とを備える。
【0053】
反転ユニット22は、本発明にかかる反転機構1のチャック部2とサーボモータで構成された回転部3とが設けられた保持部27が移動装置26にスライド可能に設置されている。本実施形態において、反転機構1のチャック部2と回転部3については、前記した説明は省略する。
【0054】
本実施例にかかる反転装置は、チャック部2を構成するチャック4,5の吸着機構として、ベルヌーイチャックを用いる。
【0055】
チャック4,5は、その1つの主面が吸着面を構成するプレート状のチャック本体30と、チャック本体30を貫通して固定されるノズル31と、チャック本体の吸着面8、9に貼付されるゴム製の支持部32とを備えている。支持部32は、弾性を有するゴムで構成されているので、基板100のチャック間での受け渡し時に基板を落下させる場合に基板が損傷することを防止することができる。
【0056】
チャック本体30は、反転する対象である基板100よりも大きく構成され、主面が矩形の金属板で構成されており、ノズル31を螺合するためのネジ穴が複数(4つ)設けられている。チャック本体30の吸着面8,9は、表面が平らに構成されており、チャック4,5自体の吸着面8,9側の表面形状は、チャック本体30の吸着面8,9からノズル31と支持部32とが突出したような構成を有している。
【0057】
ノズル31は、図9A、図9Bに示すように略円筒形の部材である。ノズルの側壁は、ノズル本体40の上部を除いてネジ45が切られている。ノズル31は、このネジ45によって、その上面42をチャック本体30の吸着面8,9側に突出するように、チャック本体30に設けられたネジ穴に螺合する。ノズル31とチャック本体30との螺合位置はチャック本体30の裏面に設けられた締めつけナット33によって調整することができ、これによって、ノズル31の上面32がチャック本体30の吸着面8,9表面から突出する高さが調整される。
【0058】
また、ノズル31には、その本体40の中央部分に供給口44が設けられており、その側壁にコンプレッサ(図示なし)と連通する導管43と接続するためのネジ46が切られている。供給口44は、導管43に連通しており、コンプレッサ(図示なし)から供給されたガスを導管41aに送り込み、噴出口41から噴出する。噴出口41及び導管41aは、ガスをチャック本体30の吸着面表面8,9に平行に噴出するように、噴出口は、チャック本体の吸着面8,9側に突出した上部の側壁に等角度で8穴設けられている。噴出口41からのガスは、矢印51(図7参照)に示すように、ノズル31から放射状に噴出する。
【0059】
支持部32は、たとえばシリコンゴムなどのゴム板で構成されており、チャック本体30の吸着面8,9上に格子状に配列され、それぞれの中央部分にノズルが位置するように配置されている。格子の一辺は、保持したい基板よりも小さく構成されていることが好ましい。このように、支持部32を分断した小片とすることにより、ノズル31から噴出したガスが、支持部32によって妨げられることがなく、チャック本体30の表面から基板と吸着面8,9との間に形成される隙間を通って、当該隙間の外に容易に流動しやすくなる。よって、ベルヌーイ効果を発揮しやすく、基板の吸着力を高くすることができる。また、ノズル31が複数設けられており、支持部32がそれぞれのノズルの周囲を囲うように設けられていることにより、ベルヌーイチャックの吸着面8,9のどの位置においても基板を保持することができ、保持したい基板の形状や大きさに応じてベルヌーイチャックの吸着面の配置を調整する必要がない。
【0060】
各支持部32は、チャック本体30の吸着面8,9表面からその上面51までの高さが等しく、また、ノズル31の上面42よりも高くなるように構成されている(図8参照)。したがって、図8に示すように、基板100を吸着した場合、各支持部32の上面51に基板が均等圧力で接触し、ノズル31の上面42には接触しない。したがって、ノズルの先端によって、基板を傷つけるという問題が生じない。
【0061】
また、基板100とノズル31とが接触しないことにより、ノズル31から噴出したガスが流動する空間が、チャック本体30の表面8,9と基板100との間に確保され、ノズルから噴出したガスの流動路を制御しやすくなり、吸着力の調整を行いやすくなる。
【0062】
ノズル31から噴出したガスは、上述のように、チャック本体30の吸着面8,9表面と略平行に噴出されるため、ガスは、チャック本体の吸着面に沿って流動する。したがって、図8に示すように、穴101があいた特殊形状の基板100を吸着した場合でも、ガスが、当該穴101から基板100の外側(すなわち、基板100がチャック本体30の吸着面8,9に対向する側の面の裏面側)に漏れ出しにくく、その結果、吸着力の低下が生じにくい。
【0063】
また、基板を吸着する場合において、吸着面8,9が基板100の表面と所定幅以下の間隔を有する場合にガスをノズル31から噴出することにより、支持部32と基板とが完全に接触しない状態においても、基板に対する吸着面への吸引力を発揮させることができ、吸着面を基板に押し当てて初めて吸着力を発揮する従来の吸引式の吸着装置と比較して有利な効果を有する。
【0064】
本実施例においては、搬送ユニット21と反転ユニット22間における基板100の受け渡しとしては、図10Aに示すように、搬送装置21のスライダ24が移動装置23に沿って反転装置22に進退することによって行われる。一方、チャック部2を回転させるために、反転装置は、移動装置26に沿って保持部27が移動することによって、搬送装置21のステージ25がチャック部2のチャック4,5の間から外れ、チャック部2が回転可能な位置へ移動する。
【0065】
すなわち、本実施例の反転装置は、搬送ユニット21に載置された基板100が反転ユニット22のチャック4,5の間に挿入されることによって、基板100が反転ユニットに供給され、その後、反転ユニット22が移動することによって、搬送ユニット21のステージ25がチャック4,5の間から外れる。反転ユニット22は、移動した位置で、回転部3によってチャック部2を反転させて、基板をチャック4,5間で受け渡し、元の位置へ戻る。その後、搬送ユニット21のステージ25へ基板が移動されて、搬送ユニット21がチャック4,5の間から外側へ移動する。
【0066】
図11に、第2実施例にかかる反転装置の概略構成を示す。図11に示す反転装置は、供給用の搬送装置21aと搬出用の搬送装置21bとを備えており、これらは互いに平行となるように配置される。反転ユニット22は、当該搬送装置21a,21bの移動方向に対して垂直方向にチャック部2を移動可能に構成される。2つの搬送装置21a,21bの間隔は、反転ユニット22のチャック部が回転可能な程度離れて配置されており、チャック部2の回転は、当該位置で行われる。この反転装置によれば、2つの搬送装置21a,21bを用いて基板の供給と搬出を行うことができるため、装置の搬送装置の設計の自由度を高くすることができる。
【0067】
以上説明したように、本実施例に掛かる反転装置によれば、基板の受け渡しを容易にすることができ、基板一枚あたりの反転に要する時間を短縮することができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明にかかる板状体の反転機構は、プリント配線基板やガラス基板などの板状体の製造装置又は検査装置に用いられ、これらの板状体を短時間で確実に反転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】本発明の実施形態にかかる板状体の反転機構の概略構成を示す側面図である。
【図1B】図1Aの板状体の反転機構の平面図である。
【図2A】図1Aの反転機構の動作を説明するための各工程を示す図である。
【図2B】図2Aに続く図1Aの反転機構の動作を説明するための各工程を示す図である。
【図3A】変形例に係る板状体の反転機構の概略構成を示す平面図である。
【図3B】板状体搬送部が挿入された状態での図3Aの反転機構のIIIB-IIIB線での断面構成を示す図である。
【図4A】図3Aの反転機構の板状体の受け渡し動作を説明する図である。
【図4B】図4Aに続く図3Aの反転機構の板状体の受け渡し動作を説明する図である。
【図5A】さらなる変形例にかかる板状体の反転機構の概略構成を示す側面図である。
【図5B】板状体搬送部が非挿入の状態にある図5Aの板状体の反転機構の正面図である。
【図6】本発明の実施例にかかる反転装置の概略構成を示す図である。
【図7】図6の基板の反転装置に用いられているチャックの保持面側の構成を示す図である。
【図8】基板を吸着した状態にある図7のチャックの一部断面図である。
【図9A】図6のチャックに用いられるノズルの構成図の構成を示す底面図である。
【図9B】図9Aのノズルの構成を示す一部破断側面図である。
【図10A】図6の反転装置の基板を反転ユニットから取り出す状態を示す図である。
【図10B】図6の反転装置のチャック部を回転させるために対比させた状態を説明する図である。
【図11】変形例にかかる反転装置の概略構成を示す図である。
【図12】検査対象であるプリント配線基板の例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 反転機構
2 チャック部
3 回転部
4、5 チャック
6 板状体搬送部
8、9、18、19 吸着面
10 第1チャック
11 第2チャック
12 第3チャック
13 供給コンベア
14 搬出コンベア
100 板状体(基板)
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平姿勢で供給又は搬送されるプリント基板、ガラス基板、金属板などの板状体を反転、移載するための板状体の反転機構に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント配線基板、ガラス基板、金属板などの板状体を用いて作成される製品が多種提案されていることに伴い、これらの板状体が数多く生産されている。そして、これらの板状体は、生産時及び生産終了時の検査などにおいて、板状体を表裏反転させる工程が必要となる。
【0003】
これらの板状体を反転させる反転機構として、例えば、特許文献1(特開2004−42172号公報)が提案されている。
【0004】
この装置は、搬入位置と搬出位置にまたがって架設されたベースプレートと、ベースプレートにそれぞれ設けられた一対のサーボモータと、搬入位置および搬出位置に臨んでそれぞれベースプレートに回転自在に軸支され、各サーボモータの出力軸に連結された回転テーブルと、各回転テーブルにそれぞれ設けられたシリンダ装置と、各シリンダ装置の可動部にそれぞれ連結されるとともに、真空源に配管接続された吸着パッドを有する吸着部材と、から構成されており、各サーボモータによる回転テーブルの90度の回転および各シリンダ装置による吸着部材の進退を組み合わせて、搬入位置に搬入されたリード付き太陽電池セルが一方の吸着部材に吸着されるとともに、他方の吸着部材に受け渡されて、搬出位置に表裏反転して載置されるようにしたものである。
【特許文献1】特開2004−42172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この装置は、1枚あたりの板状体の反転に要する時間が長くなるという問題があった。すなわち、渡し側の吸着パッドを搬入装置に載置されている板状体に押し付けて板状体を吸着保持し、渡し側及び受け側の2つの吸着パッドを固定する回転テーブルをそれぞれ回転させて、2つの吸着パッドが対向するように配置し、受け側の吸着パッドを板状体に押し付けて板状体を吸着保持させると共に渡し側吸着パッドから解除し、受け側の吸着パッドを回転させて搬出装置に搬出する、という工程が必要となる。すなわち、吸着パッドを用いた2基の回転テーブルで対象物を保持するため、コンベアから回転機構への受け渡し、一方の回転機構からもう一方の回転機構への受け渡し、さらに回転機構からコンベアへの受け渡しと、1枚の板状体の反転につき2度の回転と3度の挟み込み動作が生じるため多くの機構と動作時間が必要であった。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、一枚あたりの板状体の反転に要する時間を短縮化することができる板状体の反転機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の板状体の反転機構を提供する。
【0008】
本発明の第1態様によれば、遠隔的に吸引力が作用して板状体を吸脱着可能な一対のチャックを互いの吸着面が対向するように離間して配置したチャック部と、
前記吸着面に平行な回転軸を中心として前記チャック部を回転させる回転部と、
水平姿勢で板状体を保持する板状体保持部分を有し、前記板状体保持部分を前記チャック部の吸着面の間の位置と、前記回転部による前記チャック部の回転に支障がない位置との間で、前記チャック部に対して相対的に移動可能に構成されている板状体搬送部と、を備えることを特徴とする、板状体の反転機構を提供する。
【0009】
本発明の第2態様によれば、前記チャック部は、互いの吸着面の離間距離を変更可能に構成されていることを特徴とする、第1態様の板状体の反転機構を提供する。
【0010】
本発明の第3態様によれば、前記チャック部に用いられるチャックは、ベルヌーイチャックであることを特徴とする、第1又は第2態様の板状体の反転機構を提供する。
【0011】
本発明の第4態様によれば、チャック部は、前記回転軸に対して対向する2箇所に前記板状体を保持可能に構成されていることを特徴とする、第1から第3態様のいずれか1つの板状体の反転機構を提供する。
【0012】
本発明の第5態様によれば、前記回転部は、前記回転軸が、前記チャックの吸着面の離間距離の中間位置に設けられていることを特徴とする、第1から第4態様のいずれか1つの板状体の反転機構を提供する。
【0013】
本発明の第6態様によれば、前記回転部は、前記回転軸が、前記チャックの吸着面の離間距離の中間位置からずれた位置に設けられており、
前記板状体搬送部は、前記回転部による回転に伴い移動するチャック部の位置に応じて、前記チャック部の吸着面の間の位置を変更可能に構成されていることを特徴とする、第1から第4態様のいずれか1つの板状体の反転機構を提供する。
【0014】
本発明の第7態様によれば、前記板状体搬送部は、2つのコンベアで構成されており、それぞれのコンベアは、前記回転部による回転に伴い移動するチャック部の位置に対応した位置に、それぞれの板状体保持部分を配置可能に構成されていることを特徴とする、第6態様の板状体の反転機構を提供する。
【0015】
本発明の第8態様によれば、前記板状体は、プリント配線基板であって、
第1から第7態様のいずれか1つの板状体の反転機構を搭載したことを特徴とする、基板の検査装置を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、対向配置したチャックの吸着状態を切り換え、板状体の落下を利用して吸着面を入れ替えた後、チャック部を回転させることで板状体の反転を行う。すなわち、板状体のいずれの方向からも板状体を挟み込むことなく吸着保持させることができるので、反転に要する工程を少なくすることができ、一枚の板状体の反転に要する時間を短くすることができる。
【0017】
なお、チャックの間隔は、板状体の落下による姿勢の乱れ及び落下による板状体の損傷が許容される範囲内で自由に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る板状体の反転機構について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1Aは、本発明の実施形態にかかる板状体の反転機構の概略構成を示す側面図であり、図1Bは、図1Aの板状体の反転機構の平面図である。
【0020】
図1A,図1Bに示すように、本実施形態にかかる板状体の反転機構1は、遠隔的に吸引力が作用して板状体100を吸脱着可能な一対のチャック4,5を互いの吸着8,9面が対向するように離間して配置したチャック部2と、吸着面に平行な回転軸Sを中心としてチャック部2を回転させる回転部3と、水平姿勢で板状体100を保持する板状体保持部分16を有し、板状体保持部分16をチャック部1の吸着面8,9の間の位置と、前記回転部によるチャック部2の回転に支障がない位置との間で、チャック部2に対して相対的に移動可能に構成されている板状体搬送部6とを備える。
【0021】
チャック部2は、少なくとも一対のチャック4,5を互いに平行に間隔Aをおいて保持する部材である。チャック4,5の間の間隔Aは、板状体100を保持した状態の板状体搬送部6が挿入可能な距離であって、さらに、板状体搬送部6によって搬送された板状体を遠隔的に吸着できる距離であればよい。具体的には、板状体100の性状や、チャックの吸着性能等に応じて調整できるように構成されていてもよい。
【0022】
チャック部2を構成するチャック4,5はバキュームチャック、ベルヌーイチャックなどの遠隔的に吸引力を作用させることができ、かつ、吸着面を下方向に向けて作用させる吸引力によって板状体100を懸垂状態で保持できるものであればよい。板状体が鋼板などの場合は、電磁石を用いてチャックを構成することができる。
【0023】
また、チャック4,5は、板状体を接触させた状態で保持させる必要はなく、非接触で保持するように構成されていてもよい。板状体を非接触で保持する方法は、例えば、特開昭62−16924号公報などに開示されている。なお、板状体を非接触で保持する場合は、板状体が位置ずれをおこさないように、ズレ防止ガイドなどを設けることが好ましい。
【0024】
チャックの幅寸法B,長さ寸法Cは、それぞれ板状体を確実に保持可能な大きさであれば特に限定はなく、板状体100の幅、長さよりも短くてもよい。
【0025】
回転部3は、サーボモータやステップモータなどの駆動力により、吸着面に対して平行な回転軸Sを中心にチャック部2を反転させる。チャック部2を反転させることにより、一対のチャックの上下関係が入れ替わることとなって、板状体100を反転させることができる。この動作の詳細は、後述する。なお、本実施形態では、回転軸Sは,チャックの吸着面の離間距離の中間位置に設けられており、回転部3による回転の前後でチャック部2の高さ位置が変化しないように構成されている。
【0026】
板状体搬送部6は、載置テーブルなどの板状体を保持するための部材で構成することができる。また、板状体搬送部6は、チャック部2の2枚のチャック4,5の間に出し入れ可能にチャック部2に対して相対的に移動することができる。
【0027】
図2A及び図2Bを用いて、図1Aの反転機構の動作を説明する。図2Aは、図1Aの反転機構の動作を説明するための各工程を示す図であり、図2Bは、図2Aに続く図1Aの反転機構の動作を説明するための各工程を示す図である。
【0028】
まず、本実施形態にかかる反転機構は、チャック部2の一対のチャック4,5の吸着面が、略水平となるように配置される。このとき、チャック4,5の吸引力は共に作用していない。なお、図2A,2Bでは、吸引力が作用している状態をON,作用していない状態をOFFと表示する。図2A(a)に示すように、反転される対象である板状体100が載置された状態の板状体搬送部6が一対のチャック4,5の間に移動する。
【0029】
図2A(b)に示すように、板状体搬送部6が一対のチャック4,5の間に移動した後、上側に位置するチャック4の吸引力を作用させる。これにより、板状体100は、板状体搬送部6からチャック4へ移動し、チャック4の吸着面に懸垂状態で保持される。
【0030】
板状体100が板状体搬送部6からチャック4へ移動すると、図2A(c)に示すように、板状体搬送部6を移動させ、チャック4,5の間から抜き出す。このときの位置は、チャック部2が回転部3により反転する場合に当該反転を阻害しないような位置であればよい。
【0031】
次いで、図2A(d)に示すように、下側のチャック5をONにして、上側のチャック4をOFFとする(図2A(e))。これにより、板状体100は、下側のチャック5上に落下して吸着、保持される。チャック4からチャック5へ落下するとき、板状体100はチャック4によって保持されなかった下側面がチャック5に吸着する。
【0032】
なお、板状体100の落下時に下側のチャック5をONにしているので、落下の衝撃で板状体100がはねることもなく、位置ずれなどの問題が生じることがない。なお、落下の距離は、チャック4,5間の間隔Aで調整することができ、衝撃に弱い板状体の場合は、この間隔Aを狭くすればよい。
【0033】
次に、図2B(f)に示すように、回転部3によってチャック部2を反転させる。この結果、チャック部2の上下のチャックの位置が入れ替わり、チャック5が上側に移動する。このとき、板状体100が反転する。
【0034】
次いで、板状体搬送部6がチャック4,5の間の位置へ挿入するように移動し(図2B(g)参照)たあと、チャック5をOFFにする(図2B(i))。すると、チャック5から板状体搬送部6の面に落下し、板状体搬送部6により支持される(図2B(h))。
【0035】
最後に、板状体搬送部6をチャック4,5の間から移動させ、装置から搬出する(図2B(j))。
【0036】
このように、本実施形態にかかる板状体の反転機構によれば、対向配置された遠隔的に作用するチャックを用いること及び重力落下による板状体のチャック間での受け渡しを共に採用することによって、いずれの方向からも板状体を挟み込むことなく保持、反転することができる。すなわち、反転機構の基本的な動作を、板状体搬送部6の進退動作と、チャック部2の反転動作と少なくすることができ、一枚の板状体100の反転に要する時間を短くすることができる。
【0037】
次に、図1Aにかかる板状体の反転機構の変形例について説明する。図3Aは、変形例に係る板状体の反転機構の概略構成を示す平面図であり、図3Bは、板状体搬送部が挿入された状態での図3Aの反転機構のIIIB-IIIB線での断面構成を示す図である。
【0038】
この変形例にかかる反転機構1aは、チャック部2を構成するチャック4a,4bの大きさが、板状体100に比べて大きく同時に2枚の板状体を保持可能に構成されている点が特徴である。また、同時に板状体搬送部6aの載置ステージも2枚の板状体100を載置可能に構成されている。
【0039】
チャック4a,5aは、回転部3の回転軸に対し対向する2箇所7b,8bに板状体100を保持可能に構成されている。また、板状体搬送部6aも同様に、回転部3の回転軸に対し対向する2箇所7a,8aに板状体100を載置可能に構成される。板状体搬送部6aの板状体100の載置箇所7a,8aは、それぞれ、チャック4a,5aの板状体の保持箇所7b,8bに板状体100を供給、搬出する。
【0040】
本変形例に係る板状体の反転機構は、チャック部2aの反転を利用して、反転前後の板状体の移動を行うことができるため、板状体搬送部6aの構成の自由度を高くすることができる。すなわち、図3Bに示すように、板状体搬送部6aの例えば、載置箇所7aに載置されてチャック部2aに搬送され、チャック4aの保持箇所7bに保持された板状体100−1は、チャック部2aの反転により、保持箇所8bの位置に移動する。したがって、これを板状体搬送部6aによって搬出するときは、板状体搬送部の載置箇所8aによって取り出すことができる。
【0041】
この構成を採用することにより、板状体搬送部6aのチャック部2aからの進退において、板状体を効率よく供給、搬出することができる。すなわち、図4Aに示すように、載置箇所7aに載置された板状体100−1をチャック部の保持箇所7bに供給する。そして、チャック部2aが反転して、保持箇所8bに移動した板状体100−1を取り出すためにチャック部2aに板状体搬送部6aをチャック部2aに挿入するのと同時に、板状体搬送部6aの載置箇所7aに載置されている別の板状体100−2をチャック部2aに保持させることができる。このように、変形例に係る板状体の反転機構1aによれば、板状体搬送部6aが板状体を載置しない状態で進退させる必要がなく、効率よく板状体を供給、搬出することができる。
【0042】
次にさらなる変形例にかかる板状体の反転機構について説明する。図5Aは変形例にかかる板状体の反転機構の概略構成を示す側面図であり、図5Bは、供給コンベア13,搬出コンベア14が非挿入の状態にある図5Aの板状体の反転機構の正面図である。
【0043】
この変形例に掛かる反転機構1bは、チャック部を構成するチャックとして、第1チャック10,第2チャック11、第3チャック12が設けられている。当該3枚のチャック10,11,12の対向面にそれぞれ板状体を吸着する吸着面8,9,18,19が構成されている。すなわち、第2チャック11は、両面が吸着面を構成する。
【0044】
また、供給コンベア13,搬出コンベア14は、それぞれ供給側のコンベア13と搬出側のコンベア14とが設けられている。供給側コンベア13は、板状体100を第1チャック10と第2チャック11の間に挿入され第1チャック10の吸着面8に板状体を受け渡す。一方、搬出側コンベア14は、第2チャック11と第3チャック12との間に挿入され第2チャック11の吸着面19に保持されている板状体100を受け取って搬出する。
【0045】
この変形例にかかる板状体の反転機構では、供給コンベア13,搬出コンベア14は、固定されており、供給コンベア13,搬出コンベア14とチャック部2bとの相対移動は、チャック部2bが、移動することにより行われる。すなわち、図5Bに示すように、供給コンベア13,搬出コンベア14の板状体の搬送方向に対して垂直方向にチャック部2bが移動することによって、供給コンベア13,搬出コンベア14がチャック10,11,12の間に挿入されたり、非挿入の状態になったりする。
【0046】
回転部3bは、第2のチャック11の高さ位置に存在する。したがって、回転部3bにより、チャック部2bが回転することで、第1チャック10と第3チャック12の位置が入れ替わる。
【0047】
この変形例にかかる板状体の反転機構の動作について説明する。まず、供給コンベア13から第1チャック10と第2チャック11との間に送られ、第1チャック10の吸着面8に板状体100が保持される。次いで、チャック部2bが移動して、供給コンベア13,搬出コンベア14が非挿入の状態となった後、第1チャック10をOFFにし、板状体100を第2チャックの吸着面18に保持させる。
【0048】
次いで、チャック部2bを回転させて、チャック部の位置を入れ替える。すなわち、第2チャックに保持されている板状体は、図5Aの吸着面19の位置へ移動することとなる。その後、チャック部2bが移動して、供給コンベア13,搬出コンベア14がチャック10,11,12の間に挿入された後、チャック11をOFFにし、板状体100を搬送部14へ搬出する。
【0049】
この変形例にかかる板状体の反転機構によれば、チャック部の回転を利用して反転前後の板状体の移動が可能であるため、板状体の供給と搬出をそれぞれ独立した搬送部により行うことができる。したがって、搬送部の構成の自由度を高くすることができる。
(実施例)
【0050】
次に、本発明にかかる板状体の反転機構を用いた反転装置について説明する。図6は、本発明の実施例にかかる反転装置の概略構成を示す図である。本実施例に掛かる反転装置は、図12に示すプリント配線基板の検査装置の一部として構成され、板状体の例であるプリント配線基板100を反転させるためのユニットとして機能する。
【0051】
図12に示すようにプリント配線基板は、フレーム102とプリント基板103とのつなぎ目部分に穴101を有する。
【0052】
反転装置20は、搬送ユニット21と反転ユニット22とを備える。搬送ユニット21は、板状体100を載置する載置ステージ25と、載置ステージ25を反転ユニット22に進退可能に移動させるための移動装置23とスライダ24とを備える。
【0053】
反転ユニット22は、本発明にかかる反転機構1のチャック部2とサーボモータで構成された回転部3とが設けられた保持部27が移動装置26にスライド可能に設置されている。本実施形態において、反転機構1のチャック部2と回転部3については、前記した説明は省略する。
【0054】
本実施例にかかる反転装置は、チャック部2を構成するチャック4,5の吸着機構として、ベルヌーイチャックを用いる。
【0055】
チャック4,5は、その1つの主面が吸着面を構成するプレート状のチャック本体30と、チャック本体30を貫通して固定されるノズル31と、チャック本体の吸着面8、9に貼付されるゴム製の支持部32とを備えている。支持部32は、弾性を有するゴムで構成されているので、基板100のチャック間での受け渡し時に基板を落下させる場合に基板が損傷することを防止することができる。
【0056】
チャック本体30は、反転する対象である基板100よりも大きく構成され、主面が矩形の金属板で構成されており、ノズル31を螺合するためのネジ穴が複数(4つ)設けられている。チャック本体30の吸着面8,9は、表面が平らに構成されており、チャック4,5自体の吸着面8,9側の表面形状は、チャック本体30の吸着面8,9からノズル31と支持部32とが突出したような構成を有している。
【0057】
ノズル31は、図9A、図9Bに示すように略円筒形の部材である。ノズルの側壁は、ノズル本体40の上部を除いてネジ45が切られている。ノズル31は、このネジ45によって、その上面42をチャック本体30の吸着面8,9側に突出するように、チャック本体30に設けられたネジ穴に螺合する。ノズル31とチャック本体30との螺合位置はチャック本体30の裏面に設けられた締めつけナット33によって調整することができ、これによって、ノズル31の上面32がチャック本体30の吸着面8,9表面から突出する高さが調整される。
【0058】
また、ノズル31には、その本体40の中央部分に供給口44が設けられており、その側壁にコンプレッサ(図示なし)と連通する導管43と接続するためのネジ46が切られている。供給口44は、導管43に連通しており、コンプレッサ(図示なし)から供給されたガスを導管41aに送り込み、噴出口41から噴出する。噴出口41及び導管41aは、ガスをチャック本体30の吸着面表面8,9に平行に噴出するように、噴出口は、チャック本体の吸着面8,9側に突出した上部の側壁に等角度で8穴設けられている。噴出口41からのガスは、矢印51(図7参照)に示すように、ノズル31から放射状に噴出する。
【0059】
支持部32は、たとえばシリコンゴムなどのゴム板で構成されており、チャック本体30の吸着面8,9上に格子状に配列され、それぞれの中央部分にノズルが位置するように配置されている。格子の一辺は、保持したい基板よりも小さく構成されていることが好ましい。このように、支持部32を分断した小片とすることにより、ノズル31から噴出したガスが、支持部32によって妨げられることがなく、チャック本体30の表面から基板と吸着面8,9との間に形成される隙間を通って、当該隙間の外に容易に流動しやすくなる。よって、ベルヌーイ効果を発揮しやすく、基板の吸着力を高くすることができる。また、ノズル31が複数設けられており、支持部32がそれぞれのノズルの周囲を囲うように設けられていることにより、ベルヌーイチャックの吸着面8,9のどの位置においても基板を保持することができ、保持したい基板の形状や大きさに応じてベルヌーイチャックの吸着面の配置を調整する必要がない。
【0060】
各支持部32は、チャック本体30の吸着面8,9表面からその上面51までの高さが等しく、また、ノズル31の上面42よりも高くなるように構成されている(図8参照)。したがって、図8に示すように、基板100を吸着した場合、各支持部32の上面51に基板が均等圧力で接触し、ノズル31の上面42には接触しない。したがって、ノズルの先端によって、基板を傷つけるという問題が生じない。
【0061】
また、基板100とノズル31とが接触しないことにより、ノズル31から噴出したガスが流動する空間が、チャック本体30の表面8,9と基板100との間に確保され、ノズルから噴出したガスの流動路を制御しやすくなり、吸着力の調整を行いやすくなる。
【0062】
ノズル31から噴出したガスは、上述のように、チャック本体30の吸着面8,9表面と略平行に噴出されるため、ガスは、チャック本体の吸着面に沿って流動する。したがって、図8に示すように、穴101があいた特殊形状の基板100を吸着した場合でも、ガスが、当該穴101から基板100の外側(すなわち、基板100がチャック本体30の吸着面8,9に対向する側の面の裏面側)に漏れ出しにくく、その結果、吸着力の低下が生じにくい。
【0063】
また、基板を吸着する場合において、吸着面8,9が基板100の表面と所定幅以下の間隔を有する場合にガスをノズル31から噴出することにより、支持部32と基板とが完全に接触しない状態においても、基板に対する吸着面への吸引力を発揮させることができ、吸着面を基板に押し当てて初めて吸着力を発揮する従来の吸引式の吸着装置と比較して有利な効果を有する。
【0064】
本実施例においては、搬送ユニット21と反転ユニット22間における基板100の受け渡しとしては、図10Aに示すように、搬送装置21のスライダ24が移動装置23に沿って反転装置22に進退することによって行われる。一方、チャック部2を回転させるために、反転装置は、移動装置26に沿って保持部27が移動することによって、搬送装置21のステージ25がチャック部2のチャック4,5の間から外れ、チャック部2が回転可能な位置へ移動する。
【0065】
すなわち、本実施例の反転装置は、搬送ユニット21に載置された基板100が反転ユニット22のチャック4,5の間に挿入されることによって、基板100が反転ユニットに供給され、その後、反転ユニット22が移動することによって、搬送ユニット21のステージ25がチャック4,5の間から外れる。反転ユニット22は、移動した位置で、回転部3によってチャック部2を反転させて、基板をチャック4,5間で受け渡し、元の位置へ戻る。その後、搬送ユニット21のステージ25へ基板が移動されて、搬送ユニット21がチャック4,5の間から外側へ移動する。
【0066】
図11に、第2実施例にかかる反転装置の概略構成を示す。図11に示す反転装置は、供給用の搬送装置21aと搬出用の搬送装置21bとを備えており、これらは互いに平行となるように配置される。反転ユニット22は、当該搬送装置21a,21bの移動方向に対して垂直方向にチャック部2を移動可能に構成される。2つの搬送装置21a,21bの間隔は、反転ユニット22のチャック部が回転可能な程度離れて配置されており、チャック部2の回転は、当該位置で行われる。この反転装置によれば、2つの搬送装置21a,21bを用いて基板の供給と搬出を行うことができるため、装置の搬送装置の設計の自由度を高くすることができる。
【0067】
以上説明したように、本実施例に掛かる反転装置によれば、基板の受け渡しを容易にすることができ、基板一枚あたりの反転に要する時間を短縮することができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明にかかる板状体の反転機構は、プリント配線基板やガラス基板などの板状体の製造装置又は検査装置に用いられ、これらの板状体を短時間で確実に反転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】本発明の実施形態にかかる板状体の反転機構の概略構成を示す側面図である。
【図1B】図1Aの板状体の反転機構の平面図である。
【図2A】図1Aの反転機構の動作を説明するための各工程を示す図である。
【図2B】図2Aに続く図1Aの反転機構の動作を説明するための各工程を示す図である。
【図3A】変形例に係る板状体の反転機構の概略構成を示す平面図である。
【図3B】板状体搬送部が挿入された状態での図3Aの反転機構のIIIB-IIIB線での断面構成を示す図である。
【図4A】図3Aの反転機構の板状体の受け渡し動作を説明する図である。
【図4B】図4Aに続く図3Aの反転機構の板状体の受け渡し動作を説明する図である。
【図5A】さらなる変形例にかかる板状体の反転機構の概略構成を示す側面図である。
【図5B】板状体搬送部が非挿入の状態にある図5Aの板状体の反転機構の正面図である。
【図6】本発明の実施例にかかる反転装置の概略構成を示す図である。
【図7】図6の基板の反転装置に用いられているチャックの保持面側の構成を示す図である。
【図8】基板を吸着した状態にある図7のチャックの一部断面図である。
【図9A】図6のチャックに用いられるノズルの構成図の構成を示す底面図である。
【図9B】図9Aのノズルの構成を示す一部破断側面図である。
【図10A】図6の反転装置の基板を反転ユニットから取り出す状態を示す図である。
【図10B】図6の反転装置のチャック部を回転させるために対比させた状態を説明する図である。
【図11】変形例にかかる反転装置の概略構成を示す図である。
【図12】検査対象であるプリント配線基板の例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 反転機構
2 チャック部
3 回転部
4、5 チャック
6 板状体搬送部
8、9、18、19 吸着面
10 第1チャック
11 第2チャック
12 第3チャック
13 供給コンベア
14 搬出コンベア
100 板状体(基板)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔的に吸引力が作用して板状体を吸脱着可能な一対のチャックを互いの吸着面が対向するように離間して配置したチャック部と、
前記吸着面に平行な回転軸を中心として前記チャック部を回転させる回転部と、
水平姿勢で板状体を保持する板状体保持部分を有し、前記板状体保持部分を前記チャック部の吸着面の間の位置と、前記回転部による前記チャック部の回転に支障がない位置との間で、前記チャック部に対して相対的に移動可能に構成されている板状体搬送部と、を備えることを特徴とする、板状体の反転機構。
【請求項2】
前記チャック部は、互いの吸着面の離間距離を変更可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の板状体の反転機構。
【請求項3】
前記チャック部に用いられるチャックは、ベルヌーイチャックであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の板状体の反転機構。
【請求項4】
前記チャック部は、前記回転軸に対して対向する2箇所に前記板状体を保持可能に構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の板状体の反転機構。
【請求項5】
前記回転部は、前記回転軸が、前記チャックの吸着面の離間距離の中間位置に設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の板状体の反転機構。
【請求項6】
前記回転部は、前記回転軸が、前記チャックの吸着面の離間距離の中間位置からずれた位置に設けられており、
前記板状体搬送部は、前記回転部による回転に伴い移動するチャック部の位置に応じて、前記チャック部の吸着面の間の位置を変更可能に構成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の板状体の反転機構。
【請求項7】
前記板状体搬送部は、2つのコンベアで構成されており、それぞれのコンベアは、前記回転部による回転に伴い移動するチャック部の位置に対応した位置に、それぞれの板状体保持部分を配置可能に構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の板状体の反転機構。
【請求項8】
前記板状体は、プリント配線基板であって、
請求項1から7のいずれか1つに記載の板状体の反転機構を搭載したことを特徴とする、基板の検査装置。
【請求項1】
遠隔的に吸引力が作用して板状体を吸脱着可能な一対のチャックを互いの吸着面が対向するように離間して配置したチャック部と、
前記吸着面に平行な回転軸を中心として前記チャック部を回転させる回転部と、
水平姿勢で板状体を保持する板状体保持部分を有し、前記板状体保持部分を前記チャック部の吸着面の間の位置と、前記回転部による前記チャック部の回転に支障がない位置との間で、前記チャック部に対して相対的に移動可能に構成されている板状体搬送部と、を備えることを特徴とする、板状体の反転機構。
【請求項2】
前記チャック部は、互いの吸着面の離間距離を変更可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の板状体の反転機構。
【請求項3】
前記チャック部に用いられるチャックは、ベルヌーイチャックであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の板状体の反転機構。
【請求項4】
前記チャック部は、前記回転軸に対して対向する2箇所に前記板状体を保持可能に構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の板状体の反転機構。
【請求項5】
前記回転部は、前記回転軸が、前記チャックの吸着面の離間距離の中間位置に設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の板状体の反転機構。
【請求項6】
前記回転部は、前記回転軸が、前記チャックの吸着面の離間距離の中間位置からずれた位置に設けられており、
前記板状体搬送部は、前記回転部による回転に伴い移動するチャック部の位置に応じて、前記チャック部の吸着面の間の位置を変更可能に構成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の板状体の反転機構。
【請求項7】
前記板状体搬送部は、2つのコンベアで構成されており、それぞれのコンベアは、前記回転部による回転に伴い移動するチャック部の位置に対応した位置に、それぞれの板状体保持部分を配置可能に構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の板状体の反転機構。
【請求項8】
前記板状体は、プリント配線基板であって、
請求項1から7のいずれか1つに記載の板状体の反転機構を搭載したことを特徴とする、基板の検査装置。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−230756(P2008−230756A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72181(P2007−72181)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】
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