説明

板状多孔品の成形方法及び成形装置

【課題】プレス圧力の増大を来たすことなく、ゴムダイを用いて精密形状の板状多孔品を成形することを、可能とする。
【解決手段】(c)に示される第1成形型32を用い、板状素材Wの、開口となるせん断部を成形する部位34に対して、曲げ加工を施すことにより、(a)(b)に示されるように、せん断部を成形する部位24を境界とする凸部36及び凹部38を成形する。凸部及び凹部をつなぎ薄肉化された面が、せん断誘発部となる。続いて、(d)(e)に示される第2成形型40の、金属製の下型22凸部22Bにより、第1成形工程で板状素材Wに成形した凹部38を保持した状態で、ゴムダイ24により、凸部36に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与する。その結果、凸部36及び凹部38をつなぐ面34のせん断を促し、板状素材Wに対しその平面と交差する方向の開口を成形することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池ガス流路形成部材等の板状多孔品の成形方法及び成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、板状素材に、部分的にせん断加工と、曲げ加工又はしぼり加工とを施し、該板状素材の平面と交差する方向の開口を多数成形してなる板状多孔品を精密に成形し、様々な用途部品へと応用することが行われている。
例えば、燃料電池の、セパレータを含む複数のセル構成部材間に配置され、セパレータに隣接するガス流路を形成するための、ガス流路形成部材として、板状多孔品が用いられている。図6に示されるように、この燃料電池は、複数種類のセル構成部材が積層されることによって、セル(単セル)10が構成され、なおかつ、セル10が複数枚積層された燃料電池スタック11を構成することで、必要な電圧が確保されるものである。セル11の構造例としては、図7に示されるように、膜電極接合体12(Membrane Electrode Assembly:以下、「MEA」という。)がセルの厚み方向の中心部に配置され、その両面に、ガス拡散層14(アノード側/カソード側のガス拡散層14A、14C)、ガス流路16(アノード側/カソード側のガス流路16A、16C)、セパレータ18が夫々配置された構造となっている。なお、MEA12とガス拡散層14とが一体となった形態を、膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode &Gas Diffusion Layer Assembly)と称することもある。
【0003】
そして、図7のようにガス流路16がセパレータ18と別体構造をなすセル構造においては、ガス流路16を形成する構造物として、従来からエキスパンドメタル等の板状多孔品が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−224272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、板状多孔品の一例であるエキスパンドメタルは、メッシュ状の開口が、いわゆる千鳥配置された連続構造をなしている。このエキスパンドメタルは、上記特許文献1にも開示されているように、平板を送りながら金型によって一段づつ切れ込みを入れることにより、メッシュが形成されるという、いわゆる逐次成形金型を用いた工法が一般的である。しかしながら、本発明者らは、板状多孔品の製造効率の向上のために、通常の板金部品と同様に、金型の一度の型締め作業によって、板状素材を所望の形状を有する板状多孔品とする技術について、研究を重ねている。
【0006】
例えば、図8に示されるような形状を有する板状多孔品20を、ゴムダイを用いて成形する手法が検討されている。板状多孔品20は、燃料電池のガス流路形成部材であり、表裏両側に、セル状態で隣接するセル構成部材、具体的にはガス拡散層14及びセパレータ18(図7)と面接触する平坦面が規則的に突出し、表側の平坦面20aと裏側の平坦面20bとが、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に対し平行な面20c、20d、20e、20fによって連結されている。又、同一面上に隣接する平坦面20g同士が連結されている。更に、表裏両側に突出する平坦面20a、20bと、表側の平坦面20aと裏側の平坦面20bとを連結する、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に対し平行な面20c、20d、20e、20fとが、各々、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に隣接する同士の位相が一致する態様となるように、形成されたものである。
【0007】
この板状多孔品20は、プレスマシンに、図9に示されるような、金属製の下型22と平坦なゴムダイ24をセットし、金属製の下型22上に板状多孔品20の素となる板状素材W(図11(a)参照)を載置して、平坦なゴムダイ24にて圧力Pを付与する。すると、下型22の凹部22A及び凸部22Bに倣って板状素材W及びゴムダイ24が変形し、板状多孔品20の所定の形状を成形することができる。
ところが、板状多孔品20の開口率を所望の値(例えば60%から90%)を得るためには、図10に示される曲線の如く、ゴムダイ24のストロークSを増加させることにより荷重Pを増大させる必要がある。特に、成形形状の自由度が高い反面、圧力負荷位置を特定することが困難なゴムダイ24は、図11(a)に示される無負荷状態から、図11(b)に示されるように、ゴムダイ24が板状素材Wの前面に密着して、相当なストロークだけ押した時点で、ようやく板状素材Wにせん断Sが生じる。そして、板状多孔品20の所定の形状が成形されることなる。よって、ゴムダイ24の、成形に直接的な必要の無い位置にまで大きな圧力を付与することが必要となり、プレスマシンに要求されるプレス圧力が増大してしまう。又、金属製の下型22の成形面の先端形状を尖らせるなど対策を行うと、下型22の寿命の短縮を招き、成形可能な形状に制約を受ける等の不具合が生じることとなる。
【0008】
一方、図12に示されるように、下型22のみならず上型26も金属製の金型からなる通常の板金金型を用いる場合には、上記の如きゴムダイ24を用いる場合の課題は生じない。しかしながら、図12(b)に示されるように、板状素材Wをせん断するためには、下型22と上型26とのクリアランスAを、板状素材Wの板厚tの20%以下となるよう、正確に下型22と上型26との芯合わせを行う必要があり、下型22と上型26との形状精度や、プレスマシンに対する取付け精度及びプレスマシンの差動精度に、より高精度のものが要求されることとなる。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレス圧力の増大を来たすことなく、ゴムダイを用いて精密形状の板状多孔品を成形することを、可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0011】
(1)板状素材に、部分的にせん断加工と、曲げ加工又はしぼり加工とを施し、該板状素材の平面と交差する方向の開口を多数成形してなる板状多孔品の成形方法であって、
前記板状素材の、前記開口となるせん断部を成形する部位に対して、曲げ加工又はしぼり加工を施し、前記せん断部を成形する部位を境界とする凸部及び凹部を成形する第1成形工程と、前記板状素材に成形された前記凹部を保持した状態で、ゴムダイにより、前記凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与し、前記凸部及び前記凹部の境界部分をせん断する第2成形工程とを含む板状多孔品の成形方法(請求項1)。
【0012】
本項に記載の板状多孔品の成形方法は、板状素材に対してその平面と交差する方向の開口を多数成形するための第1成形工程として、板状素材の、開口となるせん断部を成形する部位に対して、曲げ加工又はしぼり加工を施すことにより、せん断部を成形する部位を境界とする凸部及び凹部を成形する。その結果、板状素材のせん断部を成形する部位は、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化された状態で、凸部及び凹部をつなぐ面を構成することとなる。この、凸部及び凹部をつなぎ薄肉化された面が、第2成形工程における、せん断誘発部となる。すなわち、第1成形工程を換言すれば、板状素材に対する、せん断誘発部の成形工程となる。
続く第2成形工程では、第1成形工程で板状素材に成形した凹部を保持した状態で、ゴムダイにより、凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、第1工程にて、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面のせん断を促し、凸部及び凹部の境界部分をせん断させて、板状素材に対しその平面と交差する方向の開口を成形するものである。
【0013】
(2)上記(1)項において、前記第2成形工程では、前記凸部と前記凹部との凹凸が逆の関係となるまで、前記板状素材の前記凸部に対し、その突出方向と逆方向へとゴムダイにより荷重を付与する板状多孔品の成形方法(請求項2)。
本項に記載の板状多孔品の成形方法は、第2成形工程において、第1成形工程で成形した凸部と凹部との凹凸が逆の関係となるまで、板状素材の凸部に対し、その突出方向と逆方向へとゴムダイにより荷重を付与する。これによって、第1成形工程で成形した凸部と凹部とが、板状素材の平面に対して凹凸関係を逆転させた状態で、板状素材に対してその平面と交差する方向の開口を成形するものである。又、第1成形工程で成形した凸部が、ゴムダイから荷重を受けて、その荷重を板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面へと伝え、薄肉化された面のせん断を促すものとなる。
【0014】
(3)上記(1)、(2)項において、前記第1成形工程では、前記凸部と前記凹部とを、交互に連なる帯状の態様となるように成形する板状多孔品の成形方法(請求項3)。
本項に記載の板状多孔品の成形方法は、第1成形工程において成形する凸部と凹部とを、交互に連なる帯状の態様とすることで、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面についても、交互に連なる凸部と凹部との境界部分に帯状に成形するものである。そして、続く第2成形工程において、第1成形工程で板状素材に成形した凹部を保持した状態で、ゴムダイにより、凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ帯状の面のせん断を促し、凸部及び凹部の境界部分をせん断させて、板状素材に対しその平面と交差する方向の開口を成形するものである。
【0015】
(4)上記(1)、(2)項において、前記第1成形工程では、前記板状素材の平面が広がる二次元方向に一定間隔で、ドット状に突出する態様となるように、前記凸部を成形する板状多孔品の成形方法(請求項4)。
本項に記載の板状多孔品の成形方法は、第1成形工程において、凸部を、板状素材の平面が広がる二次元方向に一定間隔で、ドット状に突出する態様となるように成形することで、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面を、ドット状に突出する凸部の周囲を囲み、その裾の部分が凹部へとつながる態様で成形するものである。この場合には、凸部が形成された部分以外の残余の部分が、相対的に凹部となる。そして、続く第2成形工程において、板状素材の凹部を保持した状態で、ゴムダイにより、凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部の周囲を囲み凹部へとつながる面のせん断を促し、凸部及び凹部の境界部分をせん断させて、板状素材に対しその平面と交差する方向の開口を成形するものである。しかも、凸部がドット状に突出することで、板状素材の平面に平行な二次元方向の位置決め精度を高め、より高い形状精度を得るものとなる。
【0016】
(5)燃料電池のセパレータを含む複数のセル構成部材間に配置され前記セパレータに隣接するガス流路を形成するための、ガス流路形成部材の成形方法であって、メタルプレートを、上記(1)から(4)のいずれか1項記載の板状多孔品の成形方法により、表裏両側に、セル状態で隣接するセル構成部材と面接触する平坦面を規則的に突出させ、表側の平坦面と裏側の平坦面とを、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に対し平行な面によって連結し、かつ、同一面上に隣接する平坦面同士を連結し、前記表裏両側に突出する平坦面と、前記表側の平坦面と裏側の平坦面とを連結する、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に対し平行な面とを、各々、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に隣接する同士の位相が一致する態様へと加工する成形方法(請求項5)。
本項に記載の燃料電池ガス流路形成部材の成形方法は、燃料電池のセパレータを含む複数のセル構成部材間に配置され前記セパレータに隣接するガス流路を形成するための、上記特徴を有するガス流路形成部材を成形する際に、上記(1)から(4)のいずれか1項記載の板状多孔品の成形方法にて得られる所定の作用を奏するものである。
【0017】
(6)板状素材に、部分的にせん断加工と、曲げ加工又はしぼり加工とを施し、該板状素材の平面と交差する方向の開口を多数成形してなる板状多孔品を成形するための成形装置であって、
前記板状素材の、前記開口となるせん断部を成形する部位に対して、曲げ加工又はしぼり加工を施し、前記せん断部を成形する部位を境界とする凸部及び凹部を成形する第1成形型と、該第1成形型により板状素材に成形された前記凹部を保持した状態で、前記凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与し、前記凸部及び前記凹部の境界部分をせん断するゴムダイを含む第2成形型と、前記第1成形型又は前記第2成形型をセットするプレスマシンとを含むことを特徴とする板状多孔品の成形装置(請求項6)。
【0018】
本項に記載の板状多孔品の成形装置は、第1成形型をセットしたプレスマシンを用い、第1成形工程を実施するものである。この第1成形工程では、板状素材の、開口となるせん断部を成形する部位に対して、曲げ加工又はしぼり加工を施すことにより、せん断部を成形する部位を境界とする凸部及び凹部を成形する。その結果、板状素材のせん断部を成形する部位は、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化された状態で、凸部及び凹部をつなぐ面を構成することとなる。この、凸部及び凹部をつなぎ薄肉化された面が、第2成形型を用いて成形する際の、せん断誘発部となる。すなわち、第1成形金型を換言すれば、板状素材に対する、せん断誘発部の成形金型となる。
続いて、第2成形型をセットしたプレスマシンを用い、第2成形工程を実施するものである。この第2成形工程では、第1成形工程で板状素材に成形した凹部を保持した状態で、ゴムダイにより、凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、第1工程にて、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面のせん断を促し、凸部及び凹部の境界部分をせん断させて、板状素材に対しその平面と交差する方向の開口を成形するものである。
【0019】
(7)上記(6)項において、前記第2成形型は、金属製の下型とゴムダイとを含み、前記下型は、前記第1成形型により板状素材に成形された前記凹部を保持する型形状を有し、前記プレスマシンは、前記ゴムダイに対し、前記第1成形型により板状素材に成形された、前記凸部と前記凹部との凹凸が逆の関係となるまで、前記板状素材の前記凸部に対し、その突出方向と逆方向へと荷重を付与するものである板状多孔品の成形装置。(請求項7)。
【0020】
本項に記載の板状多孔品の成形装置は、第2成形型は、金属製の下型とゴムダイとを含み、下型は、第1成形型により板状素材に成形された凹部を保持する型形状を有している。従って、第2成形型をセットしたプレスマシンを用い、第1成形工程で板状素材に成形した凹部を、下型で保持した状態で、ゴムダイにより、凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、第1工程にて、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面のせん断を促し、凸部及び凹部の境界部分をせん断させて、板状素材に対しその平面と交差する方向の開口を成形するものである。
この際、プレスマシンにより、ゴムダイに対し、第1成形型により板状素材に成形された、前記凸部と前記凹部との凹凸が逆の関係となるまで、板状素材の前記凸部に対し、その突出方向と逆方向へと荷重を付与する。これによって、第1成形工程で成形した凸部と凹部とが、板状素材の平面に対して凹凸関係を逆転させた状態で、板状素材に対してその平面と交差する方向の開口を成形するものである。又、第1成形工程で成形した凸部が、ゴムダイから荷重を受けて、その荷重を板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面へと伝え、薄肉化された面のせん断を促すこととなる。
【0021】
(8)上記(6)、(7)項において、前記第1成形型は、前記凸部と前記凹部とを、交互に連なる帯状の態様となるように成形する型形状を有する板状多孔品の成形装置(請求項8)。
本項に記載の板状多孔品の成形装置は、凸部と前記凹部とを、交互に連なる帯状の態様となるように成形する型形状を有する第1成形型により、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面についても、交互に連なる凸部と凹部との境界部分に帯状に成形するものである。そして、続く第2成形型を用いる成形工程において、第1成形工程で板状素材に成形した凹部を保持した状態で、ゴムダイにより、凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ帯状の面のせん断を促し、凸部及び凹部の境界部分をせん断させて、板状素材に対しその平面と交差する方向の開口を成形するものである。
【0022】
(9)上記(6)、(7)項において、前記第1成形型は、前記凸部を、前記板状素材の平面が広がる二次元方向に一定間隔で、ドット状に突出する態様となるように成形する型形状を有する板状多孔品の成形装置(請求項9)。
本項に記載の板状多孔品の成形装置は、凸部を、板状素材の平面が広がる二次元方向に一定間隔で、ドット状に突出する態様となるように成形する型形状を有する第1成形型により、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面を、ドット状に突出する凸部の周囲を囲み、その裾の部分が凹部へとつながる態様で成形するものである。この場合には、凸部を形成する部分以外の残余の部分が、相対的に凹部となる。そして、続く第2成形工程において、板状素材の凹部を保持した状態で、ゴムダイにより、凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、板状素材の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部の周囲を囲み凹部へとつながる面のせん断を促し、凸部及び凹部の境界部分をせん断させて、板状素材に対しその平面と交差する方向の開口を成形するものである。しかも、凸部がドット状を突出させることで、板状素材の平面に平行な二次元方向の位置決め精度を高め、より高い製品形状精度を得るものとなる。
【0023】
(10)上記(6)から(9)項において、第1金型及び第2金型は、ロール成形金型である板状多孔品の成形装置。
本項に記載の板状多孔品の成形装置は、第1金型及び第2金型がロール成形金型であることにより、板状多孔部品をロール成形する際に、上記(6)から(9)のいずれか1項記載の板状多孔品の成形装置にて得られる所定の作用を奏するものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明はこのように構成したので、プレス圧力の増大を来たすことなく、ゴムダイを用いて精密形状の板状多孔品を成形することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る板状多孔品の成形方法における、第1成形工程にて得られる予備成形品の斜視図、(b)は(a)の側面図、(c)は第1成形工程に係る第1成形型及び板状素材を示す断面図、(d)(e)は、本方法の第2成形工程に係る第2成形型及び予備成形品の断面図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態に係る板状多孔品の成形方法の応用例における、第1成形工程にて得られる予備成形品の斜視図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。
【図3】(a)は、図1に係る第1成形型の下型の一部を示す斜視図、(b)は、図2に係る第1成形型の下型の一部を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る板状多孔品の成形方法における第1成形工程にて、板状素材の開口となるせん断部を成形する部位に対して曲げ加工を施し、せん断部を成形する部位を境界とする凸部及び凹部を成形した状態における、当該部分及び型締め状態の第1成形型を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る板状多孔品の成形方法における第2成形工程における、第2成形型及び予備成形品を示す断面図であり、(a)は、予備成形品の凹部を保持した状態を、(b)はゴムダイにより、凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与し、凸部及び凹部の境界部分をせん断した状態を示したものである。
【図6】従来の燃料電池スタックの立体模式図である。
【図7】図6に示される燃料電池スタックを構成するセルの、構成部材を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る板状多孔品の成形方法により成形可能な板状多孔品を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)はC−C線における断面図である。
【図9】図8に示される板状多孔品を成形するための、従来のゴムダイを用いた成形手法において、ゴムダイを含む成形型及び板状素材を示す断面図である。
【図10】図9に示される手法によるゴムダイのストロークと荷重との関係を、板状多孔品の開口率毎に示したグラフであり、比較例として、本願発明に係る当該データを併記したものである。
【図11】図9に示される、従来のゴムダイを用いた成形手法における、ゴムダイを含む成形型及び板状素材を示す断面図であり、(a)は板状素材に荷重を付与する前の状態を、(b)はゴムダイにより荷重を付与した状態を示したものである。
【図12】図8に示される板状多孔品を成形するための、従来の金型を用いた成形手法において、金型及び板状素材を示す断面図であり、(a)は板状素材に荷重を付与する前の状態を、(b)は金型により荷重を付与した状態を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、従来技術と同一部分若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
本発明の実施の形態に係る板状多孔品の成形方法は、板状素材に、部分的にせん断加工と、曲げ加工又はしぼり加工とを施し、該板状素材の平面と交差する方向の開口を多数成形するものであり、図8に示される、燃料電池のガス流路形成部材に使用される板状多孔品20の成形に、適用することが可能となる。なお、以下の説明では、第1成形工程を経た板状素材Wを、予備成形品W’ともいう。
【0027】
本成形方法は、具体的には、図1(a)(b)に示される予備成形品W’を整形する第1成形工程と、予備成形品W’から完成品である板状多孔品20(図8)を成形する第2成形工程とを含むものである。
まず、第1成形工程は、図1(c)に示されるように、金属製の下型28及び金属製の上型30からなる第1成形型32によって、板状素材Wに対して、完成品の状態で開口となるせん断部を成形する部位に対して曲げ加工を施す。そして、図1(a)(b)に示されるように、せん断部を成形する部位34を境界とする、凸部36及び凹部38を形成するものである。図1の例では、凸部36と凹部38とを、交互に連なる帯状の態様となるように成形している。図3(a)には、図1(c)に示される第1成形型32の下型28が部分的に示されているが、帯条の凸部28Aと、帯状の凹部28Bとが、交互に連続する構成となっている。又、図1(c)に示される第1成形型32の上型30についても、同様にして、下型28の凹凸形状と対応する位置に、帯条の凹部30Aと、帯状の凸部30Bとが、交互に連続する構成となっている。又、図1(c)には、下型28の帯条の凸部28Aと、上型30の帯状の凹部30Aとの帯幅の具体的寸法例(帯条の凸部28A:0.3mm、帯状の凹部30A:0.5mm)が示されている。
【0028】
そして、第1成形工程に続く第2成形工程では、図1(d)(e)に示されるように、図9に示される従来技術と同じく金属製の下型28とゴムダイ24とからなる第2成形型40にて、本成形を行うものである。具体的には、予備成形品W’に成形された凹部38を下型22の凸部22Bで保持した状態で、ゴムダイに24より、凸部36に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与し、凸部36及び凹部38の境界部分、すなわち、せん断部を成形する部位34を、せん断するものである。この第2成形工程において、凸部36と凹部38との凹凸が逆の関係となるまで、予備成形品W’の凸部36に対し、その突出方向と逆方向へとゴムダイ24により荷重を付与することで、図8に示される、燃料電池のガス流路形成部材に使用される板状多孔品20が成形されることとなる。
【0029】
ところで、図1(d)は、図8に示される板状多孔品20のB−B断面部分の成形に係るものであり、図1(e)は、同C−C断面部分の成形に係るものである。又、図9の従来例と同様に、図中の符号22Aは下型22の凹部を、22Bは凸部を示すものである。そして、図8に示される板状多孔品20のB−B断面部分は、図1(d)の如く、下型の凸部22Bによって、同一面上に隣接する平坦面20g同士が連結された形状へと、成形されるものである。なお、図9(e)には、下型22の凹部22Aの帯幅の具体的寸法例(0.6mm)が示されている。
【0030】
又、第1成形工程において、図1の例に換えて、図2に示されるように、凸部36を、凹部38に対し、板状素材の平面が広がる二次元方向(前後左右方向)に一定間隔で、ドット状に突出する態様となるように成形した予備成形品W”を成形することとしても良い。この予備成形品W”を成形する場合には、板状素材Wの、開口となるせん断部を成形する部位34に対して、しぼり加工を施すことにより、せん断部を成形する部位34を境界とする凸部36及び凹部38を成形するものである。なお、図2(a)のB−B線、C−C線は、図8のB−B線、C−C線に該当する部位となる。
図3(b)には、図2の応用例に用いられる第1成形型32の下型28が部分的に示されているが、板状素材の平面が広がる二次元方向に一定間隔で、ドット状に突出する態様の凸部28Aと、帯状の凹部28Bとが交互に連続する構成となっている。又、図示は省略するが、本応用例に用いられる第1成形型32の上型30についても、同様にして、下型28の凹凸形状と対応する位置に、ドット状に突出する態様の凹部30A(図1(c)参照)と、帯状の凸部30B(図1(c)参照)とが、交互に連続する構成となっている。
【0031】
又、本発明の実施の形態に係る板状多孔品の成形装置は、上述の第1成形型32及び第2成形型40と、それらをセットするプレスマシンとを含むものである。このプレスマシンについては、従来のプレスマシンを流用することが可能である。又、一台のプレスマシンに対し、第1成形型32及び第2成形型40を段取り換えによって順番にセットすることとしても良く、又、複数台のプレスマシンに第1成形型32又は第2成形型40をセットすることとしても良い。
そして、プレスマシンは、第2成形型40をセットした状態で、ゴムダイ24に対し、第1成形型32により板状素材Wに成形された、凸部36と凹部38との凹凸が逆の関係となるまで、凸部36に対し、その突出方向と逆方向へと荷重を付与するように制御されるものである。
なお、第1成形型32に対する板状素材Wの位置決めと、第2成形型40に対する予備成形品W’の位置決めとは、いずれも、既存の搬送マシンの動作精度により確保することができる。
【0032】
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。
すなわち、板状素材Wに対してその平面と交差する方向の開口を多数成形するための第1成形工程として、第1成形型32を用い、板状素材Wの、開口となるせん断部を成形する部位34に対して、曲げ加工(図1)又はしぼり加工(図2)を施すことにより、せん断部を成形する部位24を境界とする凸部36及び凹部38を成形する。その結果、図4に示されるように、板状素材Wのせん断部を成形する部位34の厚みt34は、凸部36及び凹部38の厚みt36、t38に対して、板状素材Wの平面と交差する方向へと延びて薄肉化された状態で(t34 <t36=t38)、凸部36及び凹部38をつなぐ面を構成することとなる。この、凸部及び凹部をつなぎ薄肉化された面が、第2成形工程における、せん断誘発部となる。すなわち、第1成形工程を換言すれば、板状素材Wに対する、せん断誘発部の成形工程となる。
【0033】
続く第2成形工程では、図5(a)に示されるように、第2成形型40の、金属製の下型22凸部22Bにより、第1成形工程で板状素材Wに成形した凹部38を保持した状態で、ゴムダイ24により、凸部36に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与する。その結果、第1工程にて、板状素材Wの平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部36及び凹部38をつなぐ面34のせん断を促し、図5(b)に示されるように、凸部36及び凹部38の境界部分をせん断させて、板状素材W(予備成形品W’、W”)に対しその平面と交差する方向の開口を成形することが可能となる。
【0034】
又、本発明の実施の形態では、第2成形工程において、第1成形工程で成形した凸部36と凹部38との凹凸が逆の関係となるまで、板状素材W(予備成形品W’、W”)の凸部に対し、その突出方向と逆方向へとゴムダイ24により荷重を付与する。これによって、第1成形工程で成形した凸部36と凹部38とが、板状素材Wの平面に対して凹凸関係を逆転させた状態で、板状素材Wに対してその平面と交差する方向の開口を成形することが可能となる。又、第1成形工程で成形した凸部36が、ゴムダイ24から荷重を受けて、その荷重を板状素材Wの平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ面34へと伝え、薄肉化された面34のせん断を促すことが可能となる。
【0035】
又、図1の例のごとく、第1成形工程において成形する凸部36と凹部38とを、交互に連なる帯状の態様とすることで、板状素材W(予備成形品W’、W”)の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部36及び凹部38をつなぐ面34についても、交互に連なる凸部36と凹部38との境界部分に帯状に成形することが可能となる。そして、続く第2成形工程において、第1成形工程で板状素材に成形した凹部38を保持した状態で、ゴムダイ24により、凸部36に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、板状素材Wの平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部及び凹部をつなぐ帯状の面34のせん断を促し、凸部36及び凹部38の境界部分をせん断させて、板状素材Wに対しその平面と交差する方向の開口を成形することが可能となる。
【0036】
又、図2の例のごとく、第1成形工程において、凸部36を、板状素材W(予備成形品W’、W”)の平面が広がる二次元方向に一定間隔で、ドット状に突出する態様となるように成形することで、板状素材W(予備成形品W’、W”)の平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部36及び凹部38をつなぐ面34を、ドット状に突出する凸部36の周囲を囲み、その裾の部分が凹部38へとつながる態様で成形することができる。この場合には、凸部36が形成された部分以外の残余の部分が、相対的に凹部38となる。そして、続く第2成形工程において、板状素材Wの凹部38を保持した状態で、ゴムダイ24により、凸部36に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与することで、板状素材Wの平面と交差する方向へと延びて薄肉化され、凸部36の周囲を囲み凹部38へとつながる面34のせん断を促し、凸部36及び凹部38の境界部分をせん断させて、板状素材Wに対しその平面と交差する方向の開口を成形することが可能となる。
しかも、凸部36がドット状に突出することで、板状素材Wの平面に平行な二次元方向(前後左右方向)の位置決め精度を高め、より高い形状精度を得ることが可能となる。
【0037】
以上より、図10に示されるように、板状多孔品20の開口率90%を得るために必要となる、ゴムダイ24のストロークSと、それにより生ずる荷重Pは、本願発明に係る曲線Iの方が、従来のゴムダイを用いた成形方法に係る曲線PAと比較して、減少することなる。その結果、ゴムダイ24の、成形に直接的な必要の無い位置にまで大きな圧力を付与することが回避され、プレスマシンに要求されるプレス圧力にの増大を防ぐことができる。又、金属製の下型22の成形面の先端形状を尖らせるなど対策を行う必要もなくなり、下型22の超寿命化を図り、成形可能な形状の自由度を高めることも可能となる。
又、従来(図12)の如く、下型22のみならず上型26も金属製の金型からなる通常の板金金型を用いて、一工程で板状多孔品20を成形する場合のように、下型22と上型26との形状精度や、プレスマシンに対する取付け精度及びプレスマシンの差動精度に、より高精度のものが要求されることもなく、ゴムダイ24を用いることによる利点を十分に発揮することが可能となる。
【0038】
よって、本発明の実施の形態によれば、板状多孔品20のごときガス流路形成部材を成形する際には、上記の板状多孔品の成形方法にて得られる、所定の作用効果を奏するものとなる。
【0039】
又、本発明の実施の形態では、板状多孔品20の具体例として、燃料電池のガス流路形成部材を例示して説明したが、その他の機能性薄板成形部品の製造にも適用することが可能である。例えば、燃料電池のガス流路形成部材と同様に、流体(ガスや液体)との接触面積確保と強度とが必要な部品として、熱交換器への応用が挙げられる。更なる別例として、板状多孔品20の開口を、特定の形状成形が困難な粉末(触媒等を担持したもの)で満たすことにより、触媒作用を持ち、必要な強度を有する部品を構成することも可能となる。
【符号の説明】
【0040】
20:板状多孔品、20a:表側の平坦面、20b:裏側の平坦面、 20c、20d、20e、20f:ガス流路の巨視的なガス流れ方向に対し平行な面、20g:同一面上に隣接する平坦面、22、28:下型、22A:凹部、22B:凸部、24:ゴムダイ、30:上型、32:第1成形型、34:せん断部を成形する部位、36:凸部、38:凹部、40:第2成形型、W:板状素材、 W’、W”:予備成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状素材に、部分的にせん断加工と、曲げ加工又はしぼり加工とを施し、該板状素材の平面と交差する方向の開口を多数成形してなる板状多孔品の成形方法であって、
前記板状素材の、前記開口となるせん断部を成形する部位に対して、曲げ加工又はしぼり加工を施し、前記せん断部を成形する部位を境界とする凸部及び凹部を成形する第1成形工程と、
前記板状素材に成形された前記凹部を保持した状態で、ゴムダイにより、前記凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与し、前記凸部及び前記凹部の境界部分をせん断する第2成形工程とを含むことを特徴とする板状多孔品の成形方法。
【請求項2】
前記第2成形工程において、前記凸部と前記凹部との凹凸が逆の関係となるまで、前記板状素材の前記凸部に対し、その突出方向と逆方向へとゴムダイにより荷重を付与することを特徴とする請求項1記載の板状多孔品の成形方法。
【請求項3】
前記第1成形工程において、前記凸部と前記凹部とを、交互に連なる帯状の態様となるように成形することを特徴とする請求項1又は2記載の板状多孔品の成形方法。
【請求項4】
前記第1成形工程において、前記板状素材の平面が広がる二次元方向に一定間隔で、ドット状に突出する態様となるように、前記凸部を成形することを特徴とする請求項1又は2記載の板状多孔品の成形方法。
【請求項5】
燃料電池のセパレータを含む複数のセル構成部材間に配置され前記セパレータに隣接するガス流路を成形するための、ガス流路形成部材の成形方法であって、メタルプレートを、前記1から4のいずれか1項記載の板状多孔品の成形方法により、
表裏両側に、セル状態で隣接するセル構成部材と面接触する平坦面を規則的に突出させ、表側の平坦面と裏側の平坦面とを、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に対し平行な面によって連結し、かつ、同一面上に隣接する平坦面同士を連結し、
前記表裏両側に突出する平坦面と、前記表側の平坦面と裏側の平坦面とを連結する、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に対し平行な面とを、各々、ガス流路の巨視的なガス流れ方向に隣接する同士の位相が一致する態様へと加工することを特徴とする成形方法。
【請求項6】
板状素材に、部分的にせん断加工と、曲げ加工又はしぼり加工とを施し、該板状素材の平面と交差する方向の開口を多数成形してなる板状多孔品を成形するための成形装置であって、
前記板状素材の、前記開口となるせん断部を成形する部位に対して、曲げ加工又はしぼり加工を施し、前記せん断部を成形する部位を境界とする凸部及び凹部を成形する第1成形型と、
該第1成形型により板状素材に成形された前記凹部を保持した状態で、前記凸部に対しその突出方向と逆方向へと荷重を付与し、前記凸部及び前記凹部の境界部分をせん断するゴムダイを含む第2成形型と、
前記第1成形型又は前記第2成形型をセットするプレスマシンとを含むことを特徴とする板状多孔品の成形装置。
【請求項7】
前記第2成形型は、金属製の下型とゴムダイとを含み、
前記下型は、前記第1成形型により板状素材に成形された前記凹部を保持する型形状を有し、
前記プレスマシンは、前記ゴムダイに対し、前記第1成形型により板状素材に成形された、前記凸部と前記凹部との凹凸が逆の関係となるまで、前記板状素材の前記凸部に対し、その突出方向と逆方向へと荷重を付与するものであることを特徴とする請求項6記載の板状多孔品の成形装置。
【請求項8】
前記第1成形型は、前記凸部と前記凹部とを、交互に連なる帯状の態様となるように成形する型形状を有することを特徴とする請求項6又は7記載の板状多孔品の成形装置。
【請求項9】
前記第1成形型は、前記凸部を、前記板状素材の平面が広がる二次元方向に一定間隔で、ドット状に突出する態様となるように成形する型形状を有することを特徴とする請求項7又は8記載の板状多孔品の成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−78778(P2013−78778A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219245(P2011−219245)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】