説明

架橋ポリマー粉末を含む増粘剤

本発明は、(a)(a)+(b)の全組成物を基準として、10〜50重量%の、架橋された、親水性、水溶性または膨潤性液体分散ポリマーと、(b)(a)+(b)の全組成物を基準として、50〜90重量%の、粉末形態の、不飽和カルボン酸の架橋ポリマーまたはコポリマーとを含む増粘組成物であって、多色ジェット印刷用の印刷ペーストの増粘に特に有用な増粘組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
模様付きパイル床仕上げ材に対する要望が増えてきている。パイルは、普通、ナイロン、ポリエステル、綿布またはアクリル繊維であり、ナイロンが最も広く使用されている。模様を作り出す際の問題に対する1つの解決方法は、ジェット印刷を使用することである。市場には様々なジェット印刷システムが存在し、例えば、ツイマーマシーネンバウ社(Zimmer Maschinenbau GmbH)のクロモジェット(Chromojet)(登録商標)シリーズがある。
【0002】
それらは、カーペット、カーペットタイル、マット等を印刷するために使用される。
【0003】
印刷される材料の上に、ジェットによって染料ペーストを吹き付けるために、空気圧を使用する。ジェットの開きは、コンピユータによって制御され、ジェットは、毎秒400回まで開閉でき、かなり複雑でかつ個々の図柄が印刷できる。短い生産ランは、個々のマットでさえ、経済的に製造できる。
【0004】
必要とされる印刷ペーストの粘度は、通常、例えば、タナプリント(Tanaprint)(登録商標)シリーズの製品(シブロン−タナテックス(Sybron-Tanatex)社製)のような適当な増粘剤の添加によって調整される。
【0005】
理想的な増粘剤は、印刷ペーストの高い流速と高い粘度との間での折衷を提供するものである。ペーストが希釈されすぎて流速が非常に速くなるならば、カーペット上に印刷されるマークの鮮明度が失われる。ジェットによるペーストの流速が遅すぎるならば、カーペットに適用されるペーストが少なくなり、ひいては、カーペット上の染料の量が低くなり、色が弱くなる。ペースト中の染料の濃度を増加させることは可能であるが、このことは、特に濃い色合いの場合、染料を溶解し、増粘剤原液の中に染料溶液を混合することを難しくする。
【0006】
ナイロン(ポリアミド)は、床覆い材用として最も広く使用されている繊維である。ナイロンは、ある種の酸性染料(均染染料、ミリング染料または含金属染料または反応染料で印刷される。染料は、全て、pHが低いほどよく固定される。含金属染料は、かなり高いpH、例えば、約5.5〜6で固定できるが、均染タイプは、より低いpH、理想的にはpH4.5で更によく固定する。染料のエリオファスト(Eriofast)(登録商標)系列は、例外的な湿潤堅牢性を与えるが、特に濃い色合いの場合、十分な固定のためには4.5以下のpHが必要である。
【0007】
タナプリント(Tanaprint)(登録商標)ST160のような、多色印刷方法において使用される市販の増粘剤は、アンモニアで部分的または完全に中和されたポリ(アクリル酸)またはポリ(メタクリ酸)から成る。濃い糊状組成物が水中に掻き混ぜられると、水が増粘して、約pH7.5のペーストを与える。
【0008】
染料は水に溶解され、そして増粘剤原液と混合される。染料はいくらかの電解質を含み、合成増粘剤は電解質に非常に敏感なので、ペーストの粘度は、通常、ある程度まで低下する。次いで、クエン酸溶液が、pHを低減させかつ同時に粘度を低減させるために添加される。クエン酸は、粘度が印刷に適当なものとなるまで、通常は、約1400cP(ブルックフィールド、RV4、20rpm)または300dPa.s(Haake)になるまで添加される。限界は約pH5.2である。全く染料がなければ、中和されたポリ(アクリル酸)を基準として、16g/kgの増粘剤の増粘剤原液は、クエン酸で薄めることができ、pH5.2で、約1400cPの粘度を有することとなる。明らかに、ペースト中に何らかの染料が存在する場合、電解質のために更に粘度を低下させることになる。濃い色合いの場合には、より多くの染料が必要であり、したがって、より多くの電解質が存在し、減粘効果が更に強まる。その場合、1400cPの粘度は、pHをより高く−pH5.5より上または6に保持することによってのみ達成される。
【0009】
ナイロンおよび/またはウール用の酸性および反応染料は、低pH条件において繊維に固定される。pHが低ければ低いほど、一層迅速且つ一層完全に染料は固定される。不十分な固定は、カーペットが洗浄される時に交差汚染(cross-staining)を引き起すことになる。印刷領域からの未固定染料が、印刷されていない(即ち、白く残っている)または別の色で印刷されている隣接領域を汚染するおそれがある。カーペットから洗い落とされる未固定染料は、更なる排水処理工程を必要とさせる。含金属染料および酸性ミリング染料での印刷では、pH5.5での印刷は、より低いpHが濃い色合いにとってより良好ではあっても、さほど問題はない。
【0010】
しかし、酸性均染染料およびエリオファスト系列のような染料にとっては、pHは、pH5未満、好ましくは約pH4.5であるべきである。これは、特に、濃い色合い、更に詳しくは深紅色および黒色の場合に当てはまる。
【0011】
ポリ(アンモニウムアクリレート)をベースとした市販の増粘剤の持つ問題点には次のようなものがある:
【0012】
pH5未満では使用できない。多くの染料に関し、特に濃い色合いにおいては、これは、染料の不完全な固定および、印刷されたカーペット等において隣接領域の汚染を引き起す。
【0013】
元の増粘剤原液が非常に濃く、溶解された染料をその中に掻き混ぜて均質なペーストを得るのが困難である。
【0014】
増粘剤原液がそれほどに濃いので、混合中に不可避的に引き込まれる空気がペースト中に留まる。この気泡が印刷前に除去されなければ、それらは、ジェットによるペーストの流れを阻害し、着色されるはずであった、白または淡い色の斑点または箇所を作る原因になる。
【0015】
ポリ(アンモニウムアクリレート)をベースとした増粘剤で作られたペーストは、非常に容易に発泡する傾向がある。これは、もちろん、攪拌機のタイプ及び使用される攪拌技術に依存するが、ほとんど常に消泡剤を添加することが必要である。
【0016】
今や、驚くべきことに、優れた性質を持つ印刷系が、スクリーン印刷のために一般的に使用されるタイプの液体分散ポリマー(LDP)と、粉末形態の架橋ポリアクリル酸とを一緒に混合することによって作製できることが分かった。
【0017】
架橋ポリアクリル酸をそれ自体で使用することは、粉末の取扱いが難しいので困難である。粉末は多量の粉塵を発生させて、作業環境を非常に不快あるいは危険なものにさえする。粉末は、水に分散させるのに長時間を要する。粉末は水と接触して塊を形成し、その結果、元の粒径は非常に小さくても、粒子どうしが付着し、塊の外側の湿潤ポリマーがゲル化し、水が塊の内側のポリマーに達するのを妨げるのに非常に効果的な障壁を作ることになる。
【0018】
粉末が分散された後でも、ポリマーがペーストを増粘する前に塩基を加えてpHを増加させなければならない。
【0019】
粉末の分散体は利用できるが、それらは、一般的に、20%以下の非常に低い活性物質の含有量を有するので、印刷ペーストを増粘するのに更に多くの量が必要となる。
【0020】
LDPは、それ自体ではpH5.5未満では、非常に弱い増粘剤である。更に、必要とされる剪断減粘性を持つ有効なLDP増粘剤を作ることはできないので、鮮明度が許容できる印刷に十分粘稠である印刷ペーストは、許容できる速度でジェットを通過しない。剪断を減ずる挙動は、例えば、ポリマーにおける架橋の量を変えることによって制御できる。ポリマーの架橋が少なければ少ないほど、剪断減粘は大きくなる。しかし、剪断減粘の必要な程度を得るために必要とされる架橋の程度は非常に低いので、得られるペーストは非常に粘弾性で粘質になる。ジェットが閉じられた時に、ポリマー流はきれいに途切れない。ジェットと印刷された繊維との間にペーストの糸を形成する。これらの糸は数ミリメートルの長さであり、印刷上に許容できない線を生じる。
【0021】
しかし、本発明者等は、粉末増粘剤とLDPとを組み合わせることによって、これらの問題が克服できることを見出した。
【0022】
したがって、本発明は、
(a)(a)+(b)の全組成物を基準として、10〜50重量%の、架橋された、親水性、水溶性または膨潤性液体分散ポリマーと、
(b)(a)+(b)の全組成物を基準として、50〜90重量%の、粉末形態の、不飽和カルボン酸の架橋ポリマーまたはコポリマーとを含む増粘組成物に関する。
【0023】
「液体分散ポリマー」とは、1種以上の水溶性モノマーの水溶液であって、水と相溶性ではない溶剤中にエマルションとして微分散しているモノマー溶液の逆相重合によって作られるポリマーをいう。重合後、水は、別個の工程においてポリマー分散体から除去される。そのような方法は、例えば、米国特許第4,059,552号および第3,284,393号ならびにEP‐A0161038に記載されている。
【0024】
本発明において使用される親水性、水溶性または膨潤性液体分散ポリマーは、アニオン性またはカチオン性のいずれでもよい。前記ポリマーは、ホモポリマーまたはコポリマーであってもよい。それらは、水溶性アニオン性またはカチオン性モノマーである1種以上のモノエチレン性不飽和モノマーから、または、アニオン性およびカチオン性モノマーから成ってよいし、アニオン性および/またはカチオン性モノマーと少量のノニオン性モノマーとの混合物から成ってもよいモノマーの主にアニオン性またはカチオン性ブレンドから形成される。
【0025】
ポリマーは、疎水性液体、即ち、逆相重合において非水相として使用できる、水と十分に低い相溶性を有する液体中で、適当なモノマーの逆相エマルション重合により、0.1〜2ミクロンの範囲にある平均粒径を有する微粒子の形態で都合よく得られてもよい。
【0026】
液体は、溶媒和媒体が逆相エマルション重合にとっては不満足なものであるので、ポリマーが合成されやすい温度範囲(例えば、15〜100℃)全体にわたって、ポリマーに対して、あるいは、そのポリマーが形成されているモノマーに対して実質的に溶媒和作用を持たないものでなければならない。同様に、モノマーまたはモノマーブレンドは、逆相重合の実施を可能とするために水溶性でなければならない。
【0027】
適当なカチオン性モノマーとしては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドのようなジアリルジアルキルモノマーが挙げられるが、好ましくは、カチオン性モノマーは、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたは−アクリルアミドである。ポリマーは、遊離塩基の形態であることができるが、特に、カチオン性アクリルアミドまたはメタクリルアミドである時は、酸付加塩または第四級アンモニウム塩形態であることが好ましい。
【0028】
モノマーが、カチオン性アクリルアミドまたはメタクリルアミドである時は、ジアルキルアミノアルキル基は、一般的に、ジアルキルアミノプロピルまたはジアルキルアミノイソプロピル基である。モノマーが、カチオン性アクリレートまたはメタクリレートである時は、ジアルキルアミノアルキル基は、一般的に、ジアルキルアミノエチル基である。
【0029】
好ましくは、成分(a)はアニオン性ポリマーである。
【0030】
適当なアニオン性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ソルビン酸、イタコン酸、3−アクリルオキシプロピオン酸およびそれらの塩、ナトリウムスチレンカルボキシレート2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)およびそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等のような不飽和カルボン酸が挙げられる。そのようなモノマーの混合物が使用されてもよい。
【0031】
アクリル酸およびメタクリル酸が最も好ましいアニオン性モノマーである。
【0032】
好ましくは、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩、特にアンモニウム塩の形態において、カルボン酸基は少なくとも50%、好ましくは55〜90%、特に60〜70%である。
【0033】
適当なノニオン性モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドンおよび水溶性ヒドロキシ置換アクリル酸またはメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0034】
カチオン性ブレンドが使用される場合は、カチオン性モノマーの量は、好ましくは、ブレンドの50重量%を超え、通常は、ブレンドの少なくとも70%または少なくとも80重量%である。好ましいカチオン性ポリマーは、全体的にカチオン性モノマーから形成される。
【0035】
アニオン性ブレンドが使用される場合は、アニオン性モノマーの量は、好ましくは、ブレンドの60重量%を超え、通常は、ブレンドの少なくとも80重量%である。好ましいアニオン性ポリマーは、全体的にアニオン性モノマーから形成される。
【0036】
液体分散ポリマー組成物は、少量の多官能性ビニル付加モノマーのような適当な架橋剤を重合混合物に配合することによって都合よく架橋される。好ましくは、水溶性架橋剤が使用される。
【0037】
ジ−、トリ−またはテトラエチレン性不飽和物質、例えば、ジビニルベンゼン、アリルアクリレートおよびメタクリレート、グリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,7−オクタジエン、トリアリルシアヌレートまたは−イソシアヌレート、アリルアクリルアミドまたはアリルメタクリルアミド、ジ−、トリ−またはテトラアリル第四級アンモニウム塩、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、ビニルオキシエチルアクリレートまたはメタクリレート、およびポリオールのポリアリルエーテル、例えば、ポリアリルスクロース、ポリアリルペンタエリスリトールおよびジアリルグリコールを含む、モノマーまたはモノマーブレンドに可溶性であるあらゆる種類の通常のポリエチレン性不飽和架橋剤が使用できる。
【0038】
ジエチレン性不飽和化合物、例えば、メチレンビスアクリルアミド、トリアリルメチルアンモニウムクロライド、テトラアリルアンモニウムクロライド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビニルオキシエチルアクリレートまたは−メタクリレート等が好ましい。メチレンビスアクリルアミドが最も好ましい架橋剤である。
【0039】
架橋剤の量は、一般的に、モノマー100万部(乾燥重量)当り、架橋剤10〜10,000重量部の範囲である。最も好ましくは、カチオン性またはアニオン性モノマーに対して、約50〜2000ppm、特に100〜1500ppmである。最適な量は、通例の実験によって決めることができる。
【0040】
成分(a)は、疎水性液体中の分散体の形態において都合よく適用される。
【0041】
粉末増粘剤、即ち、成分(b)は、好ましくは、沈殿重合によって作られる。アクリル酸のようなモノマーが、モノマー用の溶剤であってポリマー用の溶剤ではないものから選ばれる溶剤に溶解される。モノマーの重合が開始されると、ポリマーが、その形成につれて溶液から沈殿し、重合完結後に、溶剤から容易に分離できる。ポリマーは微粉末形態で収集される。
【0042】
成分(b)による粉末形態のポリマーは、当該技術分野において通常使用される不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸および3−アクリルオキシプロピオン酸の架橋ポリマーおよびコポリマーである。コポリマーの場合、これらは、上記に列挙された不飽和酸を少なくとも70重量%含む。使用できるコモノマーは、例えば、上記に列挙された不飽和酸と、1〜30個の炭素原子を含むアルコールまたは、ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化アルコールまたはフェノールとのエステル、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、アルコキシアルキルアクリレートまたはメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドまたはメタクリルアミドおよびそれらのN置換誘導体、ビニルアルコールエステル、ビニルエーテル、エチレン、プロピレン、スチレンおよびブタジエンモノマーである。
【0043】
好ましくは、成分(b)は、架橋ポリ(アクリル酸)または架橋ポリ(メタクリル酸)である。
【0044】
これらのカルボン酸ポリマーは、好ましくは、ポリ不飽和化合物、例えば、ジビニルベンゼン、アリルアクリレートおよびメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,7−オクタジエン、ブタジエン、トリアリルシアヌレートまたはイソシアヌレート、アリルアクリルアミドまたはアリルメタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、およびポリオールのポリアリルエーテル、例えば、ポリアリルスクロース、ポリアリルペンタエリスリトールおよびジアリルグリコールである。
【0045】
架橋剤の量は、一般的に、モノマー100万部(乾燥重量)当り、架橋剤10〜10,000重量部の範囲である。最も好ましくは、カチオン性またはアニオン性モノマーに対して、約50〜2000ppm、特に100〜1500ppmである。最適な量は、通例の実験によって決めることができる。
【0046】
成分(b)によるカルボン酸ポリマーは、沈殿または分散重合方法により、溶剤、例えば、ベンゼン、塩化メチレン、脂肪族および/または芳香族炭化水素、エステル、エーテル、ケトンおよびそれらの混合物から得ることができる。
【0047】
本発明による増粘組成物は、当業者に知られている任意の適当な方法により調製することができる。例えば、組成物の成分、そして適切な場合には更なる添加剤を組み合わせ、適当な混合機またはブレンダーにおいて混合することができる。
【0048】
意図的に、成分(a)と(b)は、疎水性液体中、場合によっては1種以上の湿潤剤または分散剤の存在下で混合される。
【0049】
したがって、本発明の更なる対象は、上で定義されたとおりの成分(a)および(b)ならびに更に疎水性液体(c)を含む組成物である。
【0050】
適当な不活性疎水性液体としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素およびエステル、例えば、2−エチルヘキシルパルミテートおよびトリオレインが挙げられる。
【0051】
好ましい疎水性液体は、鉱油およびパラフィン油である。
【0052】
疎水性液体は、LDP(成分(a))の調製において使用されるものと同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0053】
成分(c)の量は、(a)+(b)+(c)の全組成物を基準として、好ましくは40〜80重量%、特に50〜70重量%である。
【0054】
組成物は、また、場合によっては、その他の成分、例えば、消泡剤、防霜剤(antifrosting agent)、殺生剤、印刷ペーストに必要とされるpHを与えるための酸または塩基、水中で攪拌される時に生成物の分散を改善するための界面活性剤、生成物の貯蔵安定性を改善するための安定剤等を含んでもよい。
【0055】
更に好ましい実施形態においては、本発明による組成物は、安定剤としてヒュームドシリカを含む。
【0056】
ヒュームドシリカの量は、成分(a)+(b)の量の合計量を基準として、好ましくは0.5〜20.0重量%、特に1〜10重量%の範囲である。
【0057】
本発明の更なる対象は、上述の増粘組成物を使用することによって調製される印刷ペーストである。
【0058】
印刷ペーストは、普通、少なくとも1種の染料を含む。しかし、図柄が白色領域を含む時は、この領域において、ブランクペースト、即ち、染料を含まないペーストを印刷することが多くの場合都合がよい。これは、隣接する着色領域から白への染料のブリーディングを防止するための助けとなる。この作用を更に改善するために、ブランクペーストは、いわゆる防染剤(reserving agent)を含んでもよい。防染剤は、染料に対して構造的類似性を持つ無色または実質的に無色の薬品である。それらは、繊維において、特に繊維の表面において利用可能な染料部位をブロックするので、それらの部位が染料のために利用できなくなる。
【0059】
好ましくは、印刷ペーストは少なくとも1種の染料を含む。
【0060】
印刷ペースト中に存在してもよい更なる成分は、例えば、さらなる天然または合成増粘剤、顔料、所望の値にpHを調整するための酸、塩基および/または塩、アニオン、ノニオンまたはカチオン界面活性剤、消泡剤および防霜剤、分散剤、固定剤、ポリヒドロキシ化合物、ヒドロキシル化合物とイソシアネートとの反応生成物、テレフタール酸と1種以上のポリエチレングリコールとの反応により調製されるポリエステルである。これらの成分は、捺染または仕上げのために通常使用または推奨されるものである。
【0061】
好ましくは、ペーストは、また、上述の防染剤および/または塩素の作用に対する保護のための剤で作られてもよい。
【0062】
本発明による印刷ペーストは、従来の方法で、従来の装置を使用して適用できる。
【0063】
しかし、好ましくは、多色ジェット印刷方法は、天然または合成ポリアミド、例えばナイロン、パーロン、シルクまたはウール、ビスコースレーヨンまたは綿布で作られた繊維材料を印刷するために使用されるが、最も好ましくはナイロン、ウールまたはウール/ナイロンブレンドで作られた繊維材料を印刷するために使用される。
【0064】
ツイマーマシーネンバウ社(Zimmer Maschinenbau GmbH)のクロモジェット(Chromojet)(登録商標)装置を使用する多色ジェット印刷方法は、好ましくは、カーペットの印刷に適用されている。クロモジェット印刷は、設計システムによって定められたパターンを創り出すためのバルブおよびノズルによって色をカーペットのパイル中に射出することによって作用する。
【0065】
したがって、本発明の好ましい実施形態は、繊維材料を、染料と上述の増粘組成物を含む水性印刷ペーストで印刷することを特徴とする、繊維材料の多色ジェット印刷方法である。
【0066】
水性印刷ペーストのpHは、好ましくは≦5である。
【0067】
成分(a)と(b)の比率を調整することによって、そしてまた、成分(a)におけるポリマーの中和度を調整することによって、得られるペーストのpHは、約pH3.5(90%粉末)〜pH6の間で任意の値に設定できる。したがって、増粘剤が水中で攪拌されて、約4.4のpHを持つペーストを与える系を調製することができる。これは、均染酸性染料またはエリオファスト染料での印刷にとって理想的である。より高いpHが必要とされる場合は、必要に応じて苛性アルカリが添加できる。これは、pHを増加し、増粘剤を更に経済的にする。LDPは、オイル単独において分散された時に沈降する傾向のある粉末に対して妥当な安定化系を提供する。
【0068】
本発明は、幾つかの技術的利点を提供する。
この印刷方法は、約pH4.5までの低いpHで行うことができる。
作り出すのが容易である。染料は、pH4.5の薄いペーストに添加することができかつ攪拌が容易である。攪拌中に不可避的に取り込まれる空気は簡単に逃がすことができる。所望ならば、次いで、pHを上昇させることができ、ペーストを苛性アルカリでもって必要とされる粘度まで増粘することができる。これは、pH7の濃いペースト中に染料を攪拌し、次いで、クエン酸で減粘することよりも容易である。
更なる消泡剤は、通常必要とされない。
【0069】
以下の非限定的な実施例が本発明を更に詳細に例示する。部およびパーセントは、別段の記載がなければ重量である。実施例においては、以下の成分が適用される:
【0070】
LDP1:液体分散ポリマーであって、メチレンビスアクリルアミドのような架橋性のジエチレン性不飽和モノマー250ppmの存在下で、アクリル酸の逆エマルション重合で調製され、アンモニアで部分的に中和され、かつ共沸蒸留で調製された液体分散ポリマーで、鉱油中の分散体を与える(約35%の遊離酸基と約65%のCOONH−基を持つ約60重量%のポリマー、約36重量%の鉱油、2%の油中水乳化剤および約2%の残留水)。
【0071】
LDP2:液体分散ポリマーであって、鉱油中で、架橋性モノマーと共に、ナトリウムで部分的に中和されたアクリル酸の逆エマルション重合で調製された液体分散ポリマー(約60重量%のポリマー、約36重量%の鉱油、2%の油中水乳化剤および約2%の残留水)。
【0072】
CLPA1:メチレンビスアクリルアミドのような架橋性ジエチレン性不飽和モノマー100ppmの存在下で、有機溶剤において、アクリル酸の沈殿重合により、次いで、溶剤の除去によりポリアクリル酸の乾燥粉末を得ることにより作られた架橋ポリアクリル酸(水中で5g/kg、アンモニアで完全に中和されていて、約30Pa.s(約30000cP)の粘度を与える)。
【0073】
タナプリント(Tanaprint)(登録商標)EP2300:市販の増粘剤。ポリ(アンモニウムアクリレート)の分散体(バイエル社製)。
【0074】
タナプリント(Tanaprint)(登録商標)ST160:市販の増粘剤(バイエル社製)。
【0075】
ソルベントニュートラル(Solvent Neutral)150:溶剤精製パラフィン油。流動点:約−12℃。粘度(@40℃):約3×10−5m2/s(約30cSt)。
【0076】
イソパール(Isopar)(登録商標)L:イソパラフィンの混合物(エクソンモービル社製)。粘度(25℃):1.26mPa.s。
【0077】
エクソル(Exxsol)(登録商標)D100:約235〜270℃の沸点範囲を持つ脂肪族および脂環式炭化水素の混合物。
【0078】
エストール(Estol)(登録商標)1543:2−エチルヘキシルパルミテート(ユニゲマ(Unigema)社製)。
【0079】
ダウファックス(Dowfax)(登録商標)EM51:分散剤。エトキシル化脂肪アルコール(ダウ社製)。
【0080】
タナスパース(Tanasperse)(登録商標)CJ:アニオン性分散剤(バイエル社製)。
【0081】
イルガパドール(Irgapadol)(登録商標)PN New:防霜剤(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0082】
ノフォーム(Nofome)(登録商標):消泡剤(バイエル社製)。
【0083】
アクチサイド(Acticide)(登録商標)45:殺生剤(トール・ケミー(Thor Chemie GmbH)社製)。
【0084】
エアロジル(Aerosil)(登録商標)200:ヒュームドシリカ(デグッサ社製)。
【0085】
エアロジル(Aerosil)(登録商標)380:ヒュームドシリカ(デグッサ社製)。
【0086】
エリオファスト(Eriofast)(登録商標)ブルー 3R:アントラキノン染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0087】
エリオファスト(Eriofast)(登録商標)レッド 2B:アゾ染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0088】
エリオファスト(Eriofast)(登録商標)イエロー R:アゾ染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0089】
テクチロン(Tectilon)(登録商標)レッド 2B 200:アゾ染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0090】
テクチロン(Tectilon)(登録商標)イエロー 3R 200:アゾ染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0091】
テクチロン(Tectilon)(登録商標)ブルー 4R 200:アントラキノン染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0092】
ポーラル(Polar)(登録商標)イエロー 4G:アゾ染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0093】
ラナセット(Lanaset)(登録商標)イエロー 2R:金属錯体染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0094】
ラナセット(Lanaset)(登録商標)グレイ 2R:金属錯体染料(チバ・スペシャルティーケミカル社製)。
【0095】
実施例1
40gのLDP1、108gのソルベントニュートラル150および2gのダウファックス(Dowfax)(登録商標)EM51を、のこ歯ヘッド付攪拌機を備えた250mlのプラスチックビーカー中で一緒に攪拌した。50gのCLPA1を、一度に約5gの割合で添加し、各添加後に攪拌した。最終の添加後に、混合物を約2000rpmで2分間攪拌した。得られた混合物は、20rpm、25℃で、1.2Pa.sのブルックフィールド RVT粘度を持つ安定な分散体であった。
【0096】
実施例2
3.96kgの水を、8.0gのエリオファスト(Eriofast)(登録商標)ブルー 3R、0.80gのエリオファスト(Eriofast)(登録商標)レッド 2Bおよび0.80gのエリオファスト(Eriofast)(登録商標)イエロー Rおよび実施例1の増粘剤44gと共に攪拌した。
【0097】
ハーケ(Haake)による粘度は0.18Pa.s(180cP)であり、pHは4.47であった。粘度は低いので、混合は非常に容易であり、空気はペースト中に取り込まれなかった。
【0098】
0.5mlの50%苛性ソーダを添加して、310cPの印刷粘度およびpH4.80を得た。
【0099】
同じ濃度の染料、9.67g/kgのタナプリント(登録商標)EP2300、1.00g/kgのイルガパドール(Irgapadol)(登録商標)PN New、2.00g/kgのノフォーム(Nofome)(登録商標)および2.00g/kgのタナスパース(Tanasperse)(登録商標)CJで比較対象物を作成した。粘度は、0.38Pa.s(380cP)であり、pHは6.0であった。これを、クエン酸/水(1:2)で0.31Pa.s(310cP)まで減らした。
【0100】
ペーストを、2.4バールで20秒間、クロモジェット MPのジェットによる流速に関して比較した。
【0101】
比較ペースト:125gのペースト。
実施例1のペースト:122gのペースト。供給されるペーストの量においては実質的に相違は存在しなかった。
【0102】
ペーストを、ナイロンパイルの、ゴムで裏打ちされたマットに印刷した。印刷後、マットを、100℃で、100%湿度で、5分間、ワーナー・マチス(Werner-Mathis)スチーマーで蒸気処理し、次いで、水蒸気で洗浄し、約50℃で乾燥した。実施例1のペーストは、比較ペーストよりも僅かによい発色を示した。マットのパイル中へのペーストの浸透および印刷の平坦度はほぼ同じであった。いずれの場合においても、ほとんどあるいは全く霜降り現象はなかった。
【0103】
作り方の容易さ、ペーストに取り込まれてくる空気に伴う問題がないことおよび低pHにおける利益は明らかである。
【0104】
実施例3
タナプリント(登録商標)ST160と実施例1の増粘剤で1400cP(ブルックフィールド RVT、#4、20rpm)まで増粘した、3g/lのエリオファスト(Eriofast)(登録商標)レッド 2Bでペーストを作った。
【0105】
(比較ペースト:pH5.5;本発明のペースト:pH4.9)。
ペーストを、クロモジェットサンプル機でナイロンカーペット上に印刷した。このカーペットを、100℃の飽和水蒸気において5分間蒸気処理した。それを冷水噴霧で洗浄した。全ての染料は、本発明の印刷上に固定された。比較印刷については染料が洗い流されているのが分かった。隣接する白色地は有意に汚染されていた。
【0106】
低pHで印刷できる利点が証明された。低pHは、エリオファスト染料の十分な固定のためには必須のものである。
【0107】
実施例4
160gのLDP2、250gのイソパール(Isopar)(登録商標)L、250gのソルベントニュートラル150および20gのダウファックス(Dowfax)(登録商標)EM51で増粘剤を作った。320gのCLPA1を、約20gの割合で添加し、各添加後に混合物を攪拌して粉末を液体中に混合した。全てのCLPA1が添加された後、混合物を高速攪拌機で20分間攪拌した。
【0108】
得られた分散体は、1200cPの粘度(ブルックフィールド RVT、スピンドル#4、20rpm)と、4.63の、水中(9g/kg)におけるpHを有した。
【0109】
実施例5
10.00gのテクチロン(Tectilon)(登録商標)イエロー 3R 200、10.00gのテクチロン(Tectilon)(登録商標)ブルー 4R 200を沸騰水に溶解し、1000gまで希釈して緑色染料溶液を作った。
【0110】
9.27gの、実施例4の増粘剤を、890.7gの水中に攪拌して滑らかなペーストとし、次いで、100gの染料溶液中に攪拌して印刷ペーストを作った。
【0111】
このペーストは1460cPの粘度(ブルックフィールド RVT、スピンドル#4、20rpm)と4.61のpHを有した。
【0112】
それを、クロモジェットサンプル機で、ナイロン−6,6カットパイルカーペット上に印刷した。このカーペットを100℃の飽和水蒸気で5分間蒸気処理し、次いで、冷水噴霧で洗浄した。全ての染料が固定された(洗浄水における着色は観察されず、隣接する白色の汚染もなかった)。染料のパイル中への浸透および輪郭の鮮明度は、共に優れていた。
【0113】
実施例6
97kgの水を秤量してドラムに入れた。1.25kgの、実施例1の増粘剤を添加し、高速攪拌を開始した。10分後、ペーストは滑らで均質となった。粘度は、750dPa.s(Haake)であった。150gのイルガパドール(Irgapadol)(登録商標)PN Newを添加し、次いで、45gのポーラル(Polar)(登録商標)イエロー G、100gのラナセット(Lanaset)(登録商標)イエロー 2Rおよび26gのラナセット(Lanaset)(登録商標)グレイ Gを1リットルの温水に溶解し、ペーストに添加した。ペーストが低粘度なので、色は簡単に混合し、迅速に、均一に分布した。粘度は220dPa.sであった。
【0114】
それを、2m幅のクロモジェットF機で、1.8バールの圧力と940のヘッド速度で、高撚糸のカットパイルのゴム裏打ちラグ上に印刷した。
【0115】
このラグを、100℃の飽和水蒸気で7分間蒸気処理し、次いで、冷水噴霧で洗浄した。洗浄水において着色は認められず、隣接する白地の汚染もなかった。過剰の水をラグから搾り取り、次いで、タンブル乾燥した。
【0116】
色は鮮やかで、浸透はパイルの底まで達し、霜降り現象はなく、印刷マークの縁は鮮明であった。
【0117】
実施例7
422.4gのLDP2、991.0gのエクソル(Exxsol)(登録商標)D100、991.0gのソルベントニュートラル150、32gのダウファックス(Dowfax)(登録商標)EM51および0.06gのアクチサイド(Acticide)(登録商標)45を一緒に攪拌し、64gのエアロジル(Aerosil)(登録商標)200を添加し、705gのCLPA1を、何回かに分けて添加し、各添加後に混合を行った。
【0118】
粘度は初め低かったが(約2500cP、ブルックフィールド RV5、20rpm)2〜3時間放置すると増粘した。生成物は非常にチキソトロピックになった。粘度は、懸濁物質の沈降を防ぐのに十分であるが、減粘したので、極穏やかな攪拌で簡単に使用することができる。懸濁物質の沈降は、2ヶ月の貯蔵の後でも観察されなかった。
【0119】
2g/kgのテクチロン(Tectilon)(登録商標)レッド 2B200の溶液を、11.17g/kgのこの増粘剤で1400cP(ブルックフィールド RV5、20rpm)まで増粘した。ペーストのpHは4.74であった。
【0120】
それを、クロモジェットサンプル機で、1.8バールの圧力で、ナイロン−6,6カットパイルカーペット上に印刷した。このカーペットを100℃の飽和水蒸気で5分間蒸気処理し、次いで、冷水噴霧で洗浄した。全ての染料が固定された(洗浄水における着色は観察されず、隣接する白色の汚染もなかった)。染料のパイル中への浸透および輪郭の鮮明度は、共に優れていた。
【0121】
実施例8
(担体媒体として、鉱油の代りに生物分解性エステルを使用)
144.1gのLDP2、780.0gのエストール(Estol)(登録商標)1543、12.46gのダウファックス(Dowfax)(登録商標)EM51、0.02gのアクチサイド(Acticide)(登録商標)45を一緒に攪拌し、24.0gのエアロジル(Aerosil)(登録商標)380を添加し、続いて、240gのCLPA1を、何回かに分けて添加し、各添加後に混合を行った。
【0122】
生成物は非常にチキソトロピックであった。懸濁物質の沈降を防ぐのに十分な粘度であったが、極穏やかな攪拌で簡単に使用することができる程度に減粘した。懸濁物質の沈降は、2ヶ月の貯蔵の後でも観察されなかった。
【0123】
2g/kgのテクチロン(Tectilon)(登録商標)レッド 2B200の溶液を、12.63g/kgのこの増粘剤で1400cP(ブルックフィールド RV5、20rpm)まで増粘した。ペーストのpHは4.75であった。
【0124】
それを、クロモジェットサンプル機で、1.8バールの圧力で、ナイロン−6,6カットパイルカーペット上に印刷した。このカーペットを100℃の飽和水蒸気で5分間蒸気処理し、次いで、冷水噴霧で洗浄した。全ての染料が固定された(洗浄水における着色は観察されず、隣接する白色の汚染もなかった)。染料のパイル中への浸透および輪郭の鮮明度は、共に優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増粘組成物であって、
(a)(a)+(b)の全組成物を基準として、10〜50重量%の、架橋された、親水性、水溶性または膨潤性液体分散ポリマーと、
(b)(a)+(b)の全組成物を基準として、50〜90重量%の、粉末形態の、不飽和カルボン酸の架橋ポリマーまたはコポリマーとを含む増粘組成物。
【請求項2】
成分(a)が、アニオン性ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アニオン性ポリマーが、不飽和カルボン酸のポリマーである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
アニオン性ポリマーが、ポリ(アクリル酸)またはポリ(メタクリル酸)である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
55〜90%のカルボン酸基がアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形態である不飽和カルボン酸のポリマーを含む、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
成分(b)が、沈殿重合により作られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
成分(b)が、架橋ポリ(アクリル酸)または架橋ポリ(メタクリル酸)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
疎水性液体(c)を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
成分(c)として、鉱油またはパラフィン油を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
(a)+(b)+(c)の全組成物を基準として、40〜80重量%の成分(c)を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の増粘組成物を使用して調製された印刷ペースト。
【請求項12】
少なくとも1種の染料を含む、請求項11に記載の印刷ペースト。
【請求項13】
少なくとも1種の防染剤を含む、請求項11または12に記載の印刷ペースト。
【請求項14】
塩素の作用に対して印刷を保護するための少なくとも1種の剤を含む、請求項11、12または13に記載の印刷ペースト。
【請求項15】
繊維材料の多色ジェット印刷方法であって、生地を、染料と請求項1に記載の増粘組成物とを含む水性印刷ペーストで印刷することを特徴とする方法。
【請求項16】
水性印刷ペーストのpHが≦5である、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2006−505640(P2006−505640A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548814(P2004−548814)
【出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012062
【国際公開番号】WO2004/041931
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】