説明

架橋性樹脂組成物、およびそれを含む封止剤

【課題】架橋性を有する樹脂組成物(架橋性樹脂組成物)であって、架橋剤である有機過酸化物の使用量を抑制しつつもスコーチが抑制されており、かつ必要な架橋反応を生じさせることができる架橋性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】a)低結晶性エチレン系ランダム共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体100質量部と、b)有機過酸化物 0.05〜3質量部と、c)トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、1,2−ポリブタジエンおよびm−フェニレンジマレイミドからなる群から選ばれる第一の架橋助剤 0.1〜5質量部と、d)ジメタクリレート系化合物からなる第二の架橋助剤 0.05〜5質量部と、を含む架橋性樹脂組成物、およびその押し出し成形フィルムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スコーチを効果的に抑制しつつ、架橋反応を適切に進行させることができる架橋性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機過酸化物を用いて架橋した架橋型樹脂組成物(例えばゴム組成物)は、耐熱老化性および耐圧縮永久歪み性に優れている。架橋型樹脂組成物は、その製造工程において、例えば架橋前の樹脂組成物に有機過酸化物を添加して混練する工程において、スコーチ(早期架橋)を起こしやすいという欠点がある。係るスコーチは、製品外観の不良や寸法安定性の低下などの原因となるため、従来有機過酸化物によるゴムの架橋においてスコーチの発生を防止する方法が検討されてきた。
【0003】
架橋性樹脂組成物のスコーチを抑制するために、テトラアルキルチウラムジスルフィドと、架橋を促進するための多官能アリル化合物とを配合することが提案されている(特許文献1を参照)。しかしながら本発明者の検討に拠れば、チウラムジスルフィド系添加剤を用いると、架橋剤として用いる有機過酸化物を大量に配合する必要があった。
【0004】
一方、太陽電池を封止するための封止剤として、マトリックス樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体と有機過酸化物と架橋助剤とを含む樹脂組成物が知られている。太陽電池封止用の樹脂組成物は、押出成形などの手法によりフィルム状にして用いられる(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−191199号公報
【特許文献2】特開2008−91772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、架橋性を有する樹脂組成物(架橋性樹脂組成物)であって、架橋剤である有機過酸化物の使用量を抑制しつつもスコーチが抑制されており、かつ必要な架橋反応を生じさせることができる架橋性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下に示す架橋性樹脂組成物などに関する。
[1] a)以下の要件a1)〜a3)を満たす低結晶性エチレン系ランダム共重合体である、エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部と、b)有機過酸化物 0.05〜3質量部と、c)トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、1,2−ポリブタジエンおよびm−フェニレンジマレイミドからなる群から選ばれる第一の架橋助剤 0.1〜5質量部と、d)ジメタクリレート系化合物からなる第二の架橋助剤 0.05〜5質量部と、を含む架橋性樹脂組成物。
a1)エチレン単位の含有率が80〜95mol%の範囲であり、α−オレフィン単位の含有率が5〜20mol%の範囲である。
a2)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範囲である。
a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求められる分子量分布がMw/Mn<2.5の範囲である。
[2] 前記[1]に記載の架橋性樹脂組成物からなる押し出し成形フィルム。
[3] 前記[1]に記載の架橋性樹脂組成物からなる太陽電池封止剤。
[4] a)以下の要件a1)〜a3)を満たす低結晶性エチレン系ランダム共重合体である、エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部と、b)有機過酸化物 0.05〜3質量部と、c)トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、1,2−ポリブタジエンおよびm−フェニレンジマレイミドからなる群から選ばれる第一の架橋助剤 0.1〜5質量部と、d)ジメタクリレート系化合物からなる第二の架橋助剤 0.05〜5質量部と、を含む組成物を溶融混練する工程を含む架橋性樹脂組成物の製造方法。
a1)エチレン単位の含有率が80〜95mol%の範囲であり、α−オレフィン単位の含有率が5〜20mol%の範囲である。
a2)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範囲である。
a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求められる分子量分布がMw/Mn<2.5の範囲である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の本発明の架橋性樹脂組成物は、スコーチが抑制されている。このため、例えば溶融混練工程を含む成形手法である押し出し成形を行っても、架橋反応が抑制された未架橋の樹脂成形体が得られる。未架橋の架橋性樹脂組成物は、例えば封止剤として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】太陽電池生産時の、ラミネーターでの架橋温度における樹脂組成物の架橋時間と、樹脂組成物の架橋トルクとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の架橋性樹脂組成物は、a)低結晶性エチレン系ランダム共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体と、b)有機過酸化物と、c)第一の架橋助剤と、d)ジメタクリレート系化合物からなる第二の架橋助剤と、を含む。
【0011】
a)エチレン・α−オレフィン共重合体について
エチレン・α−オレフィン共重合体は、本発明の架橋性樹脂組成物のマトリックス樹脂であって、エチレンと、α−オレフィンとのランダム共重合体である。エチレン・α−オレフィン共重合体は、通常、透明性が高い。このため、特に光透過性が必要な用途、例えば太陽電池などの光学素子を封止するための樹脂として好ましい。
【0012】
エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、炭素原子数が3〜20のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。このエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと、二種類以上のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。エチレンと共重合するα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。なかでも、炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。
【0013】
なお、α−オレフィンの例には、極性基含有オレフィンも包含される。極性基含有オレフィンとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸類、及びこれらのナトリウム塩等の金属塩類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル類;プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の不飽和グリシジル類等を挙げることができる。
【0014】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレン及びα−オレフィン以外の「その他の単量体」が共重合されたものであってもよい。「その他の単量体」の具体例としては、ビニルシクロヘキサン;ジエン類;ポリエン類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、メトキシスチレン、α−メチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;3−フェニルプロピレン;4−フェニルプロピレン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の炭素数が3〜20の環状オレフィン類;等を挙げることができる。
【0015】
エチレン・α−オレフィン共重合体は、以下に示す要件a1)〜a3)を満たすものである。
a1)エチレン単位の含有率が80〜95mol%の範囲であり、α−オレフィン単位の含有率が5〜20mol%の範囲である。
a2)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範囲である。
a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求められる分子量分布がMw/Mn<2.5の範囲である。
【0016】
エチレン・α−オレフィン共重合体におけるエチレン単位の含有率は80〜95mol%であり、好ましくは80〜90mol%である。また、エチレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィン単位の含有率は5〜20mol%であり、好ましくは10〜20mol%である。エチレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィン単位の含有率が20mol%超であると、成形後のブロッキング性が強くなり、成形後に太陽電池に組み立てる工程で不都合を生じる。更には、架橋効率が低下するため、架橋工程後に気泡が生じることがある。このため、製品の歩留まりが低下するといった問題が生ずる。一方、α−オレフィン単位の含有率が5mol%未満であると、シートそのものが硬くなるために、ヒートサイクル試験でセルや配線部が破損したりする問題が生ずることがある。
【0017】
エチレン・α−オレフィン共重合体の、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η](以下、単に「極限粘度[η]」とも記す)は0.5〜3.0dl/gであり、好ましくは0.5〜2.5dl/g、更に好ましくは0.8〜2.5dl/gである。エチレン・α−オレフィン共重合体の極限粘度[η]が上記の数値範囲内であると、押し出し機、又はカレンダ成形機で成形することができる。
【0018】
エチレン・α−オレフィン共重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる分子量分布Mw/Mn(数平均分子量(Mn)に対する、重量平均分子量(Mw)の比の値)は2.5未満であり、好ましくは1.5〜2.5である。エチレン・α−オレフィン共重合体の分子量分布Mw/Mnが上記の数値範囲内であると、成形加工時に「目やに」が生じて加工機を汚染することが少なくなるとともに、メルトフラクチャーにより生産速度及び生産性を損なうことがなくなる。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算によって得られる値である。
【0019】
エチレン・α−オレフィン共重合体のMFR(190℃、2.16kg荷重)は特に限定されないが、0.5〜50g/10分であることが好ましい場合がある。溶融混練するために適した粘度であるからである。
【0020】
b)有機過酸化物について
有機過酸化物は、本発明の架橋性樹脂組成物の架橋剤として作用する。つまり、有機過酸化物はラジカルとなり、架橋助剤またはマトリックス樹脂(エチレン・α−オレフィン共重合体)にラジカル種を発生させて、架橋反応を生じさせる。有機過酸化物の一時間半減期温度は、100〜150℃であることが好ましい。
【0021】
有機過酸化物の例には、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートなどのパーオキシカーボネート;ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ヘキシルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、t−ヘキシルクミルペルオキシド、イソプロピルクミル−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン等の過酸化ジアルキル(ジアルキルペルオキシド);1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、エチル−3,3−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブチレート、6,6,9,9−テトラメチル−3,3−ジメチル−1,2,4,5−テトラオキシシクロノナン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカノン等のペルオキシケタールなどが含まれる。
【0022】
これら有機過酸化物のうち、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン等の過酸化ジアルキル;1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびn−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレートは、架橋効率が高く、かつ揮発性が少ないことからより好ましい。2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートなどが特に好ましい。
【0023】
これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
【0024】
架橋性樹脂組成物に含まれる有機過酸化物の量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部に対して、通常0.01〜5質量部であり、0.05〜3質量部であると好ましく、0.1〜2質量部であるとより好ましい。有機過酸化物の含有量が少なすぎると、架橋性が十分に発現されず架橋が不十分となり、所望の樹脂硬化物が得られない。一方、有機過酸化物の含有量が過剰であると、架橋した樹脂硬化物が硬くなりすぎ、破断点伸びが低下して脆くなる傾向を示す。このように架橋が進み過ぎる組成物は、有機過酸化物の配合量が適度に調整された組成物に比して、耐熱老化性も低下する傾向にある。
【0025】
c)第一の架橋助剤について
第一の架橋助剤は、第二の架橋助剤と比較して反応性が高く、架橋速度が速いことを特徴とする。第一の架橋助剤は、分子内に3以上の架橋反応基を有することが多く、架橋反応基は反応性の高いアクリレート基やアリル基であることが多い。
【0026】
第一の架橋助剤の例には、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、1,2−ポリブタジエンおよびm−フェニレンジマレイミドが含まれる。第一の架橋助剤の好ましい例には、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2−ポリブタジエンが含まれる。
【0027】
架橋性樹脂組成物に含まれる第一の架橋助剤の量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部に対して通常0.01〜5質量部であり、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.1〜4質量部であることが更に好ましく、0.2〜2質量部であることがより好ましい。
【0028】
d)第二の架橋助剤について
第二の架橋助剤は、ジメタクリレート系化合物からなる。第二の架橋助剤は、第一の架橋助剤と比較して反応性が低く、架橋速度が遅いことを特徴とする。すなわち、第二の架橋助剤は、まず、第一の架橋助剤と反応すると考えられる。その後、第一の架橋助剤と第二の架橋助剤との反応物が、マトリックス樹脂であるエチレン・α−オレフィン共重合体を架橋させると考えられる。
【0029】
第二の架橋助剤の例には、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレートなどが含まれる。好ましい第二の架橋助剤の例には、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレートが含まれる。
【0030】
架橋性樹脂組成物に含まれる第二の架橋助剤の量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部に対して0.05〜5質量部であり、0.1〜4質量部であることが更に好ましく、0.1〜2質量部であることが特に好ましい。また、第二の架橋助剤の含有量は、第一の架橋助剤の含有量の0.1〜1倍であることが好ましく、0.1〜0.5倍であることがより好ましい。
【0031】
他の任意成分について
本発明の架橋性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分を含有していてもよい。任意成分の例には、接着性付与剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、難燃化剤、着色剤などが含まれる。これらの任意成分は、架橋性樹脂組成物の用途に応じて適宜選択して配合される。
【0032】
例えば、本発明の架橋樹脂組成物を封止剤として用いる場合には、接着性付与剤を配合することが好ましい。被封止体との密着性を高めて、十分な封止性を得るためである。接着性付与剤は、例えばシランカップリング剤がある。
【0033】
充填剤は、例えば無機充填剤であり;その例には、珪藻土、ケイ石粉末等の天然ケイ酸;無水ケイ酸、含水ケイ酸等の合成ケイ酸(ホワイトカーボン又はシリカ);タルク、ハードクレー、ソフトクレー、焼成クレー、ろう石クレー、セリサイト等の天然ケイ酸塩;重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ジブサイド、バイヤライト、ベーマイト、ジアスボア等の各種金属塩;極微細活性化炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラックなどが含まれる。
【0034】
酸化防止剤の例には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト等のリン系酸化防止剤等が用いられる。しかしながら、酸化防止剤はラジカル架橋を阻害する場合があり、特にフェノール系やヒドロキノン系の酸化防止剤は有機過酸化物による架橋反応を阻害しやすい。従って、酸化防止剤の配合量は必要最小限にとどめることが好ましく、配合しないほうが好ましい。
【0035】
光安定剤の例には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、トリアジン系、シアノアクリレート系など各種タイプのものを挙げることができる。本発明の組成物に配合できる紫外線吸収剤としては具体的には、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアリゾール系;フェニルサルチレート、p−オクチルフェニルサルチレート等のサリチル酸エステル系;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、(2−エチルヘキシル)−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系が含まれる。
【0036】
シランカップリング剤は、太陽電池素子等に対する、封止剤などの保護剤の接着性を向上させるのに有効である。その例としては、ビニル基、アクロイル基、メタクリロキシ基などの不飽和基、アミノ基、エポキシ基などとともに、アルコキシ基などの加水分解可能な基を有する化合物を挙げることができる。シランカップリング剤としては具体的には、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。シランカップリング剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して0.1〜5質量部であると好ましい。
【0037】
可塑剤の例には、ポリエチレングリコール、ポリエステルオリゴマー、ポリエーテル、エステルオリゴマー、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワックス、ミネラルオイル、シリコーンオイルなどが含まれる。
【0038】
滑剤の例には、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、脂肪族アミン系、エステル系、脂肪酸低級アルコールエステル、燐酸エステル系、アルコール系等の化合物又は混合物、金属石鹸等が挙げられる。
【0039】
着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料などが含まれる。
【0040】
難燃化剤の例には、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド等のハロゲン系難燃化剤及びそれらと三酸化アンチモンの併用;トリスクロロエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等のリン酸エステル系難燃化剤;水酸化マグネシウム等の無機系難燃化剤などが含まれる。
【0041】
本発明の架橋性樹脂組成物は、各成分を任意の順序で配合して製造されうる。配合方法は特に限定されず、ミキサー・ロールなどを用いて各成分を溶融混錬して製造すればよい。各成分の混合物をミキサーに供給しても、各成分をミキサーに供給してミキサー内で直接混合および溶融混錬してもよい。本発明の架橋性樹脂組成物を溶融混錬する温度は、通常、マトリックス樹脂であるエチレン・α−オレフィン共重合体の融点を超える温度であり、80〜120℃が好ましい。
【0042】
本発明の架橋性樹脂組成物は、押し出し成形体として用いられうる。押し出し成形とは、樹脂組成物を溶融混練して溶融混練物を得;得られた溶融混練物を、ダイスを通して押し出すことで、所望の成形物を得る手法である。樹脂組成物を溶融混練する場合には、一般的に樹脂組成物の融点以上の温度に加熱するので、樹脂組成物が架橋性を有する場合には、溶融混練をしている間に、意図しない架橋反応が生じて、スコーチが発生するおそれがある。
【0043】
これに対して、本発明の架橋性樹脂組成物は、架橋助剤として、反応性の高い第一の架橋助剤と、反応性の低い第二の架橋助剤とを含有している。そのため、溶融混練において加熱されても、第一の架橋助剤は、まず第二の架橋助剤と反応するため架橋反応を生じさせない。そのため、架橋性樹脂組成物を未架橋のまま、押し出し成形することができる。
【0044】
本発明の架橋性樹脂組成物は、例えばフィルム状に成形される。フィルム状に成形することで、封止用樹脂フィルムとして用いることができる。封止用樹脂フィルムを、例えば被封止体と重ね合わせてラミネートすることで、被封止体を簡便に封止することができる。
【0045】
本発明の架橋性樹脂組成物は、マトリックス樹脂としてエチレンα−オレフィン共重合体を含むので、可視光線に対する透明性が高いという特徴を有する。そのため、光学素子の封止剤、特に太陽電池の封止剤として好適に用いられうる。
【0046】
太陽電池の封止剤とは、表面側透明保護部材上に設けられた太陽電池セルと、裏面側保護部材との間に充填される樹脂封止部材の原料である。本発明の架橋性樹脂組成物を太陽電池の封止剤として用いる場合には、フィルム成形体(太陽電池封止用フィルム)としておくことが好ましい。フィルム成形体としておくことで、表面側透明保護部材上に設けられた太陽電池セルと、本発明の架橋性樹脂組成物のフィルム成形体と、裏面側保護部材と、を重ね合わせてラミネートすることで、太陽電池モジュールを製造することができる。
【0047】
太陽電池封止用フィルムを構成する架橋性樹脂組成物にスコーチが進行していると溶融接合性が損なわれる。太陽電池封止用フィルムの溶融接合性が十分でないと、前記ラミネートをするときに、表面側透明保護部材上に設けられた太陽電池セルとの間に空隙(ギャップ)が形成されて十分な封止ができないことがある。本発明の架橋性樹脂組成物は、スコーチの進行が抑制されているため前記空隙が生じにくい。しかも、第一の架橋助剤と第二の架橋助剤との反応物がラミネート工程(またはその後の加熱硬化工程)において適切な架橋反応を生じさせて、樹脂硬化物を得ることができる。
【0048】
太陽電池封止用フィルムの厚みは、例えば100〜2000μm程度である。太陽電池封止用フィルムは、ラミネート工程(またはその後の加熱硬化工程)におけるクッション性や脱気性を向上させる点で、その表面にエンボス加工が施されていてもよい。
【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらによって、本発明の範囲は限定されない。
【0050】
実施例および比較例で用いた原料および評価方法を以下に示す。
原料
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体:MFR=3.6g/10min、エチレン単位含有率=86mol%、1−ブテン単位含有率=14mol%、極限粘度[η]=1.47dl/g、Mw/Mn=2.1
(2)有機過酸化物:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(商品名「パーブチルE」、日油株式会社製)
(3A)架橋助剤A(第一の架橋助剤):トリアリルイソシアヌレート(商品名 Diak(ダイアック) No.7、デュポン社製)
(3B)架橋助剤B(第二の架橋助剤):1,9−ノナンジオールジメタクリレート(商品名「NOD−N」、新中村化学工業株式会社製)
【0051】
評価方法
(1)最高トルク(S’max)および最低トルク(S’min)
JIS K6300−2に準じて架橋曲線を測定した場合の、最大トルク値と最小トルク値を求めた。
(2)架橋開始時間(tc10)
JIS K6300−2に準じて測定した架橋曲線の、最低トルクと最高トルクとの差の10%と、最低トルクとの和に対応するトルクとなるまでの時間を、架橋開始時間(tc10)とした。
(3)最適架橋時間(tc90)
JIS K6300−2に準じて架橋曲線の、最低トルクと最高トルクとの差の90%と、最低トルクとの和に対応するトルクとなるまでの時間を、最適架橋時間(tc90)とした。
【0052】
[合成例1(エチレン・α−オレフィン共重合体の合成)]
撹拌羽根を備えた内容積50Lの連続重合器の一つの供給口に、共触媒としてメチルアルミノキサンのトルエン溶液を15mmol/hr、主触媒としてビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのヘキサンスラリーを0.03mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.6mmol/hrの割合で供給した。また、触媒溶液と重合溶媒として用いる脱水精製したノルマルヘキサンを、20L/hrの割合で連続的に供給した。同時に重合器の別の供給口に、エチレンを3kg/hr、1−ブテンを15kg/hr、水素を1.5NL/hrの割合で連続供給し、重合温度90℃、全圧3MPaG、滞留時間1.0時間の条件下で連続溶液重合を行った。重合器で生成したエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液は、重合器の底部に設けられた排出口を介して連続的に排出させ、エチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液が150〜190℃となるように、ジャケット部が3〜25kg/cmスチームで加熱された連結パイプに導いた。なお、連結パイプに至る直前には、触媒失活剤であるメタノールが注入される供給口が付設されており、約0.75L/hrの速度でメタノールを注入してエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液に合流させた。スチームジャケット付き連結パイプ内で約190℃に保温されたエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液は、約4.3MPaGを維持するように、連結パイプ終端部に設けられた圧力制御バルブの開度の調整によって連続的にフラッシュ槽に送液された。なお、フラッシュ槽内への移送においては、フラッシュ槽内の圧力が約0.1MPaG、フラッシュ槽内の蒸気部の温度が約180℃を維持するように溶液温度と圧力調整バルブ開度設定が行われた。その後、ダイス温度を180℃に設定した単軸押出機を通し、水槽にてストランドを冷却し、ペレットカッターにてストランドを切断し、ペレットとしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は2.0kg/hrであった。得られたエチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位含有率は86mol%、1−ブテン単位含有率は14mol%、密度は870kg/m、MFRは3.6g/10minであった。
【0053】
[実施例1]
上記したエチレン・α−オレフィン共重合体(2000g)、有機過酸化物(8g)、架橋助剤A(20g)、および架橋助剤B(4g)をガラス瓶に入れて均一に含浸し、組成物を得た。得られた組成物を150℃、30分の条件で処理して架橋曲線を測定し、S’max、S’min、tc10、およびtc90を測定した。結果を表1に示す。また、測定した架橋曲線を図1に示す。なお、図1に示す架橋曲線における「架橋トルク」は、架橋の完了度合いの目安となる。
【0054】
[実施例2]
上記したエチレン・α−オレフィン共重合体(2000g)、有機過酸化物(8g)、架橋助剤A(20g)、および架橋助剤B(10g)をガラス瓶に入れて均一に含浸し、組成物を得た。得られた組成物を150℃、30分の条件で処理して架橋曲線を測定し、S’max、S’min、tc10、およびtc90を測定した。結果を表1に示す。また、測定した架橋曲線を図1に示す。
【0055】
[比較例1]
架橋助剤Bを使用しないで、架橋助剤Aのみを架橋助剤として含浸した以外は、実施例1と同様に組成物を得た。得られた組成物を150℃、30分の条件で処理して架橋曲線を測定し、S’max、S’min、tc10、およびtc90を測定した。結果を表1に示す。また、測定した架橋曲線を図1に示す。
【0056】
[比較例2]
架橋助剤Aを使用しないで、架橋助剤Bのみを架橋助剤として含浸した以外は、実施例1と同様に組成物を得た。得られた組成物を150℃、30分の条件で処理して架橋曲線を測定し、S’max、S’min、tc10、およびtc90を測定した。結果を表1に示す。また、測定した架橋曲線を図1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
図1を参照すると、架橋助剤として架橋助剤Aのみを用いた比較例1では、ラミネート工程時に短時間で架橋トルクが立ち上がっており、架橋反応が進んでいることがわかる。このように、比較例1の架橋性樹脂組成物では、融着よりも先に架橋が進行して(スコーチして)しまい、製品不良が生ずる可能性がある。また、架橋開始時間が短いために、溶融混練中にスコーチが発生する可能性が高い。
【0059】
一方、架橋助剤として架橋助剤Aと架橋助剤Bとを組み合わせた実施例1及び2では、比較例1と比較して架橋トルクの立ち上がりが遅くなっており、架橋反応が抑制されていることがわかる。しかしながら、最終的な架橋トルクは充分なレベルにまで高まっており、所望の架橋反応を達成できることがわかる。なお、架橋助剤として架橋助剤Bのみを用いた比較例2では、架橋トルクの立ち上がりは遅いうえに、最終的な架橋トルクも充分に高まることはなかった。
【0060】
同様の傾向が、表1に示される評価結果からもわかる。架橋助剤としてTAICのみを用いた比較例1と、架橋助剤として架橋助剤Aと架橋助剤Bとを用いた実施例1および2とを参照すると、実施例1および2では架橋開始時間tc10が長くなっていることがわかる。つまり、実施例1および2では、溶融混練をしている間に架橋反応が進行しにくいことがわかる。一方で、最終トルクS’maxは、比較例2を除いていずれも充分なレベルになっている。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の架橋性樹脂組成物は、スコーチが抑制されている一方、所望の架橋反応を生じさせることができる。従って、本発明の架橋性樹脂組成物は、溶融混練工程を含む成形手法によって、未架橋の樹脂成形体とすることができ;しかも、その後の架橋工程によって、所望の硬化物とすることができる。
【0062】
さらに、本発明の架橋性樹脂組成物はエチレン・α−オレフィン共重合体をマトリックス樹脂としているので、透明性が高い。従って、本発明の架橋性樹脂組成物は、透明性が求められる封止剤(光学素子の封止剤など)用の樹脂組成物として好適に用いられうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)以下の要件a1)〜a3)を満たす低結晶性エチレン系ランダム共重合体である、エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部と、
b)有機過酸化物 0.05〜3質量部と、
c)トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、1,2−ポリブタジエンおよびm−フェニレンジマレイミドからなる群から選ばれる第一の架橋助剤 0.1〜5質量部と、
d)ジメタクリレート系化合物からなる第二の架橋助剤 0.05〜5質量部と、
を含む架橋性樹脂組成物。
a1)エチレン単位の含有率が80〜95mol%の範囲であり、α−オレフィン単位の含有率が5〜20mol%の範囲である。
a2)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範囲である。
a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求められる分子量分布がMw/Mn<2.5の範囲である。
【請求項2】
請求項1に記載の架橋性樹脂組成物からなる押し出し成形フィルム。
【請求項3】
請求項1に記載の架橋性樹脂組成物からなる太陽電池封止剤。
【請求項4】
a)以下の要件a1)〜a3)を満たす低結晶性エチレン系ランダム共重合体である、エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部と、
b)有機過酸化物 0.05〜3質量部と、
c)トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、1,2−ポリブタジエンおよびm−フェニレンジマレイミドからなる群から選ばれる第一の架橋助剤 0.1〜5質量部と、
d)ジメタクリレート系化合物からなる第二の架橋助剤 0.05〜5質量部と、
を含む組成物を溶融混練する工程を含む架橋性樹脂組成物の製造方法。
a1)エチレン単位の含有率が80〜95mol%の範囲であり、α−オレフィン単位の含有率が5〜20mol%の範囲である。
a2)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範囲である。
a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって求められる分子量分布がMw/Mn<2.5の範囲である。

【図1】
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【公開番号】特開2012−87260(P2012−87260A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237062(P2010−237062)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】