説明

架空送電線の腐食、余寿命測定方法およびその装置

【課題】架空送電線の腐食の程度を定量的に測定して評価(寿命予測)できる架空送電線の腐食測定方法、余寿命測定方法、ならびに腐食測定および余寿命測定装置を提供する。
【解決手段】架空送電線にX線を照射して得られたX線撮影データをディジタルデータ記録装置に記録し、前記X線撮影データに、異常箇所の性質に応じて前記X線撮影データが示す傾向に着目したクラスタ分類を施すとともに、前記架空送電線の長手方向に対して垂直方向の上下クラスタ値差の算出を含む処理をして腐食の程度を測定する架空送電線の腐食測定方法。上下クラスタ値差を複数のクラスに分類し、各クラスの相対頻度を入力値とするニューラルネットワークを構築する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線撮影データを画像処理して架空送電線の内部腐食の程度を測定する、架空送電線の腐食測定方法、余寿命測定方法、ならびに、腐食測定および余寿命測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
架空送電線は数十〜数百メートル離れた鉄塔間に架設されるため、通常中心に亜鉛(Zn)めっき鋼線あるいは表面にアルミニウム層を固着したアルミ覆鋼線の細線を撚った芯線部を設け、その外周に導電性が良好かつ密度が小さいアルミニウム製の細線を複数本巻付けて外周線部を設けた構造(鋼芯アルミニウム撚線、ACSR)とされている。これにより、主として芯線部が外力や自重を受持ち、その外周の外周線部が導電を受持つこととなる。なお、外周線部には、アルミニウム線が複数層巻き付けられていることが多い。
【0003】
架空送電線は、一旦架設されると長年厳しい日照や風雨に晒され続けることとなる。特に、海岸線近くでは塩害があり、工場地帯では硫黄分や酸化窒素を含む産業廃棄ガスに晒され易く、また近年では酸性雨にも晒される。このような結果、架空送電線には腐食が発生し易い。特に、芯線部や複数層巻き付けられた外周線部の内、内側の外周線には腐食発生を促す物質が滞留し易く、腐食が発生し易い。また、ACSRの場合、アルミニウムは比較的化学的活性に富むだけでなく、鋼線あるいはZnめっき鋼線という異種の金属に相互に接触しているため、なおさら腐食し易い。
さらに、腐食の進行を放置しておくと、電気抵抗の増加による発熱を原因とする火災、強風や自重に基づく荷重による断線等の事故が生じかねない。このため、保守検査が必要とされている。
【0004】
このような検査を正確に行う方法として、X線装置を用いて架空送電線をX線撮影し、得られたX線撮影データに基づいて架空送電線内部画像を解析することにより、内部腐食状態を把握する方法が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−24803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の方法は、測定データの絶対値(クラスタ値)を色分けするという定性的な測定方法であり、定量的に測定する方法ではなかった。そのため、架空送電線の余寿命を定量的に予測することが困難であるという問題があった。また、クラスタ値そのものを用いた評価方法の場合、X線撮影環境による影響を受け易いという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、架空送電線の腐食の程度を定量的に測定して評価(寿命予測)できる架空送電線の腐食測定方法、余寿命測定方法、ならびに腐食測定および余寿命測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、鋭意検討の結果、架空送電線の長手方向に対して垂直方向の上下クラスタ値の差を算出することにより、上記課題が容易に解決されることを見出し、本発明を完成した。以下、各請求項の発明について説明する。
【0008】
請求項1に記載の発明は、
架空送電線にX線を照射して得られたX線撮影データをディジタルデータ記録装置に記録し、前記X線撮影データに、異常箇所の性質に応じて前記X線撮影データが示す傾向に着目したクラスタ分類を施すとともに、前記架空送電線の長手方向に対して垂直方向の上下クラスタ値差の算出を含む処理をして腐食の程度を測定することを特徴とする架空送電線の腐食測定方法である。
【0009】
本発明においては、腐食が進むにつれて上下クラスタ値差の小さい値の数が増加するという性質を利用して、上下クラスタ値差の算出を含む処理を行うため、架空送電線の腐食の程度を定量的に測定できる。また、上下クラスタ値差を算出する過程において、X線撮影環境による影響分が相殺されるため、X線撮影環境による影響を受けにくい。
【0010】
ここに、「異常箇所」とは、ポーラス状態の腐食が発生している箇所、腐食生成物が付着している箇所、素線の断線、一部断線が発生している箇所等を指す。また、「上下クラスタ値差」とは、送電線の長手方向に対して垂直な方向のX線撮影画像の上下に隣接するピクセルのクラスタ値の差の絶対値を指す。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
前記上下クラスタ値差のヒストグラムを作成することを特徴とする請求項1に記載の架空送電線の腐食測定方法である。
【0012】
本請求項の発明では、上下クラスタ値差のヒストグラムを作成することにより、上下クラスタ値差をグループ化して、上下クラスター値差の大きさ毎の頻度分布を把握することができ、架空送電線の内部腐食の様子を容易に評価できる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、
前記ヒストグラム作成の際、上下クラスタ値差を複数のクラスに分類し、各クラスの相対頻度を算出することを特徴とする請求項2に記載の架空送電線の腐食測定方法である。
【0014】
本請求項の発明では、上下クラスタ値差をクラス分けすることにより、特異データによる影響が小さくなり、測定のばらつきが抑えられ、腐食の程度を確実に把握できる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、
前記各クラスの相対頻度を入力値とするニューラルネットワークを構築することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の架空送電線の腐食測定方法である。
【0016】
本請求項の発明では、非線形最適化手法の一つであるニューラルネットワークを用いて解析するため、腐食の進行に対応して非線形的に変化する上下クラスタ値差の解析には最適である。
【0017】
請求項5に記載の発明は、
測定誤差が最も小さくなるような前記ニューラルネットワークの隠れ層数を決定することを特徴とする請求項4に記載の架空送電線の腐食測定方法である。
【0018】
本請求項の発明では、測定誤差が最も小さくなるようなニューラルネットワークの隠れ層数を採用しているため、腐食の程度を正確に測定できる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、
前記架空送電線は、鋼素線からなる芯線部の外周にアルミニウム素線からなる2層の外周線部を有し、前記ニューラルネットワークの隠れ層数が5層であることを特徴とする請求項5に記載の架空送電線の腐食測定方法である。
【0020】
本請求項の発明では、測定対象が主に原子番号の小さいアルミニウムの腐食であるので、実用的な金属としては比較的X線が透過し易いこともあり、多層の撚り線からなる多少太い電線であってもX線が透過し易く、このため腐食の測定が容易となり、本発明の効果が大きく発揮される。また、隠れ層数を5層にすることにより、腐食の測定誤差を最も小さくできる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、
加速劣化処理した架空送電線にX線を照射して得られたX線撮影データで学習することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の架空送電線の腐食測定方法である。
【0022】
本請求項の発明では、加速劣化月数がはっきりしたX線撮影データを用いて学習することにより、腐食の程度がより正確に把握できる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、
請求項1ないし請求項7のいずれかの架空送電線の腐食測定方法を用いて、架空送電線の余寿命を測定することを特徴とする架空送電線の余寿命測定方法である。
【0024】
本請求項の発明では、架空送電線の腐食の程度が定量的に測定できるため、架空送電線の寿命予測を正確に行うことができ、架空送電線における効率的な設備改修を行うことができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、
請求項1ないし請求項8のいずれかの測定方法を採用していることを特徴とする架空送電線の腐食測定および余寿命測定装置である。
【0026】
本請求項の発明により、架空送電線を切断したり、その被覆を除去したりすることなく内部の金属線の腐食、特にアルミニウム素線の完全な破断、一部破断、腐食生成物の付着の有無、腐食発生位置や程度の定量的な評価(寿命予測)が容易となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明においては、架空送電線にX線を照射して得られたX線撮影データをクラスタ分類した後、上下クラスタ値差の相対頻度を用いてニューラルネットワークのような非線形最適化手法等で解析するため、架空送電線の腐食の程度を定量的に評価(寿命予測)することができる。
【0028】
また、上下クラスタ値差を算出する過程において、X線撮影環境による影響分が相殺されるため、X線撮影環境による影響を受けにくい測定方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0030】
図1は本発明に係る架空送電線の腐食測定方法の一例を示すフローチャートである。腐食測定は、図1のフローチャートに示すように、概略、以下の手順で行う。
(1)送電線のX線撮影をする。
(2)クラスタ解析をする。
(3)上下クラスタ値差を算出する。
(4)上下クラスタ値差のヒストグラムを作成する。
(5)上下クラスタ値差の相対頻度を用いたニューラルネットワークを構築する。
(6)構築したニューラルネットワークにより、測定対象の腐食の程度を定量的に評価(寿命予測)する。
【0031】
さらに、詳細に説明する。まず、架空送電線のX線撮影を行い、X線撮影データを得た。
測定対象は、基本的に中心に鋼素線からなる芯線部を有し、その外周にアルミニウム製細線(アルミニウム素線)を巻付けた外周線部を設けた架空送電線であり、具体的にはアルミニウム素線が2層巻き付けられている横断面積が410mmの電線である。
【0032】
本実施の形態において使用したX線装置は、米国のGOLDEN ENGINEERING.INC社製ポータブルX線撮影装置XR200/XRS−3である。その主な要目は、以下の通りである。
【0033】
X線パルス: 50n(ナノ)秒
パルス数設定: 1〜99
パルス発生周期:15パルス/秒
X線源径: 3.2mm(1/8インチ)
X線出力: 275KVp
X線の透過力: 鋼板で約2.5cm(電子の加速は300KeV)
露光調節: 99段階可能
寸法: 長さ355cm、幅115mm、高さ190mm
重量: 5.5Kg
使用フィルム イメージングプレート(IP)富士フィルム社製
主電源: 14.4Vニッケルカドニウム電池
【0034】
画像分析にクラスタ解析法を適用するためのX線撮影データを、以下の手段で得た。
架空送電線の新品、撤去後保管されていた腐食部分のサンプル、腐食加速劣化試験のため長期に亘って架設していたサンプル等を、前記のX線装置を使用して送電線の長手方向に対して垂直方向からX線撮影した。なお、撮影は、実際に測定で行う場合と同じ条件で、具体的には距離、相対的な位置関係、パルス幅、強度(電源の電圧等)、使用IP等を同じにして行った。
【0035】
次いで、得られた各IPのピクセル毎の露光量を得た。そして、新品の画像データを基準にして、サンプル毎に同じ位置でどの程度露光が相違しているかを調べた。これにより、X線透過量についてのデータが得られる。
【0036】
次に、クラスタ解析を行う。
クラスタ分類の原理を図2に示す。図2の左側は処理手順の概要を示すフローチャートであり、右側は距離計算の原理を示す。なお、図2の右の図では汎用性のため座標をRGBとしているが、他の表色系であっても同様である。
【0037】
基本的には、各ピクセル毎に検査対象の架空送電線と新品の送電線の撮影データの濃淡を同じ位置毎に比較することにより検査がなされることとなる。このため、X線の透過量(X線への露光)を表色値に変換し、クラスタ分類した。
【0038】
学習データが充分にない場合には、Self−Organizing(自己学習)による画像分類を行うこととなる。自己学習の内容は、図2のフローチャートに示すように、以下の手順で行う。
(1)各ピクセルの表色系での座標空間における座標位置を検出する。
(2)各ピクセルの座標位置から座標空間における距離を求める。
(3)各ピクセルの距離と事前に定義した各クラスタ分類の中心距離を比較する。
(4)距離が最小となるクラスタに分類する。
【0039】
その際の閾値の算出手段としては、ユークリッド最短距離法、Bayesian分類法、マハラノビス最短距離法、非線形分類に属するニューラルネットワーク法等の分類法がある。
これら各算出手段は周知であるため、以下その要点のみ簡単に説明する。
【0040】
ユークリッド最短距離法は、分類対象のピクセルと各クラスタ平均とのスペクトル距離を、解析対象の座標の次元における(R、G、Bならば3次元)ユークリッド幾何学の公式に基づいて求める。
Bayesian分類法は、各座標(表色)成分におけるクラス母集団のヒストグラムは正規分布であると仮定し、分類対象のピクセルが特定のクラスに属する確率に基づいて重み距離を算出して求める。
マハラノビス最短距離法は、ユークリッド最短距離法と同様の手法であるが、距離の算出式中に距離計算をしているクラスタのピクセルの分散共分散行列を用いるものである。
ニューラルネットワーク法は、入力層と隠れ層、隠れ層と出力層間で重み付け結合を行い、出力結果を検討して重み付けを修正することを繰返すものである。
【0041】
次に、上下クラスタ値の差を算出する。
一般に、ACSRの腐食状態が進行すると、鋼素線とアルミニウム素線の境界から腐食生成物が送電線の断面外側に増加する。そのため、送電線内部の腐食が進行すると、「アルミニウム素線」と「空隙」からなる送電線のアルミニウム内層部において、「空隙」を腐食生成物が満たしていくとともに、アルミニウム素線が減少する。したがって、送電線の内側から腐食生成物が増加するため、隣り合うピクセルのクラスタ値の差が小さくなり、アルミニウム内層部では、腐食が進行するにつれて、上下クラスタ値差の小さい値の数が増加する。
【0042】
ここでは、図3に示すように、送電線の長手方向に対して垂直な方向のX線撮影画像の上下に隣接するピクセルのクラスタ値の差の絶対値を算出して、上下クラスタ値差を求める。
【0043】
次に、算出した上下クラスタ値差のヒストグラムを作成する。すなわち図4に示すように、上下クラスタ値差を複数のクラス(上下クラスタ値差が0、1〜5、6〜10、11〜15、16〜20、21以上の6個のクラス)に分類し、各クラスの相対頻度を算出する。図4に示すデータは、後述のニューラルネットワークを構築するための学習データであり、腐食加速劣化月数が1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の腐食加速劣化試験をしたサンプル(例えば塩水に入れたもの)を用いてX線撮影して画像解析したものである。
【0044】
なお、クラス分けを行わないで、たとえば上下クラスタ値差が1刻みのヒストグラムを作成すると、特異データによる影響が顕著になる。この結果、腐食度の定量的な測定のばらつきが大きくなり、正確な寿命予測をすることができなくなる場合が生じる。
【0045】
次に、ニューラルネットワークを構築する。一般に、腐食化が進行すると発生する腐食生成物は、発生箇所および生成量にばらつきがあるため、上下クラスタ値差は腐食進行に対応して線形的に変化しない。そのため、処理画像全体の相対分布と腐食進行状態から非線形解析を行って、腐食状態を予測する必要がある。ここでは、上下クラスタ値差のヒストグラムから求められる相対頻度を用いて、非線形最適化手法の1つであり、パターン認識および予測などの認知的な作業を最も得意とするニューラルネットワークを用いて腐食状態の評価をする。
【0046】
すなわち、図5に示すように、各サンプル毎に上下クラスタ値差の相対頻度を入力値とし、加速劣化試験月数を出力値とした、ニューラルネットワークを構築する。なお、図5においては、相対頻度を5クラスとした場合について示した。
【0047】
ここで、ニューラルネットワークは、学習データとして、前述した腐食加速劣化月数が1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の腐食加速劣化試験をしたサンプル、ならびに、新線(腐食加速劣化月数が0ヶ月)のサンプルを用いてX線撮影した画像解析結果を学習データとして構築する。学習は、バックプロパゲーション(誤差逆伝播法)により行い、伝達関数はシグモイド関数とする。また、隠れ層数は、図6よりテスト誤差が最も小さくなるように試行錯誤的方法により決定した。なお、図6は、隠れ層数とテスト誤差の関係を示すグラフである。サンプルを用いて学習した結果、図5に示すように、入力層数が5で、隠れ層数が5の構造となった。
【0048】
次に、こうして構築されたニューラルネットワークを用いて、未学習データによるテストをした。未学習データとして、撤去架空送電線のサンプル(サンプル1、サンプル2)を用い、それらの腐食の程度を測定した。図7は、撤去架空送電線のサンプルの上下クラスタ値差の相対頻度を6クラスとした場合のヒストグラムである。ニューラルネットワークを用いた予測の結果は、以下の通りであった。
サンプル1の予測腐食加速劣化月数: 2.97ヶ月
サンプル2の予測腐食加速劣化月数: 3.06ヶ月
【0049】
すなわち、腐食加速劣化月数は3ヶ月相当と推定された。一方、この撤去架空送電線の素線引張強度試験を行ったところ、素線引張強度性能値は、加速劣化月数が3ヶ月の腐食加速劣化サンプルと同等であり、ニューラルネットワークで推定された腐食加速劣化月数と同様の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る架空送電線の腐食測定方法の一例を示すフローチャートである。
【図2】クラスタ分類の原理の概要を示すフローチャートである。
【図3】上下クラスタ値差を算出する方法を説明するための説明図である。
【図4】加速劣化品の架空送電線の上下クラスタ値差のヒストグラムである。
【図5】ニューラルネットワークの構築を説明するための説明図である。
【図6】隠れ層数と誤差の関係を示すグラフである。
【図7】測定対象の架空送電線の上下クラスタ値差のヒストグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架空送電線にX線を照射して得られたX線撮影データをディジタルデータ記録装置に記録し、前記X線撮影データに、異常箇所の性質に応じて前記X線撮影データが示す傾向に着目したクラスタ分類を施すとともに、前記架空送電線の長手方向に対して垂直方向の上下クラスタ値差の算出を含む処理をして腐食の程度を測定することを特徴とする架空送電線の腐食測定方法。
【請求項2】
前記上下クラスタ値差のヒストグラムを作成することを特徴とする請求項1に記載の架空送電線の腐食測定方法。
【請求項3】
前記ヒストグラム作成の際、上下クラスタ値差を複数のクラスに分類し、各クラスの相対頻度を算出することを特徴とする請求項2に記載の架空送電線の腐食測定方法。
【請求項4】
前記各クラスの相対頻度を入力値とするニューラルネットワークを構築することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の架空送電線の腐食測定方法。
【請求項5】
測定誤差が最も小さくなるような前記ニューラルネットワークの隠れ層数を決定することを特徴とする請求項4に記載の架空送電線の腐食測定方法。
【請求項6】
前記架空送電線は、鋼素線からなる芯線部の外周にアルミニウム素線からなる2層の外周線部を有し、前記ニューラルネットワークの隠れ層数が5層であることを特徴とする請求項5に記載の架空送電線の腐食測定方法。
【請求項7】
加速劣化処理した架空送電線にX線を照射して得られたX線撮影データで学習することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の架空送電線の腐食測定方法。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかの架空送電線の腐食測定方法を用いて、架空送電線の余寿命を測定することを特徴とする架空送電線の余寿命測定方法。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかの測定方法を採用していることを特徴とする架空送電線の腐食測定および余寿命測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−36707(P2009−36707A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202909(P2007−202909)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(501410779)九州電技開発株式会社 (8)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(501304803)株式会社ジェイ・パワーシステムズ (89)
【Fターム(参考)】