説明

染毛剤組成物

【課題】染色性や均染性、堅牢性あるいは脱色性に優れ、更には毛髪の損傷を防ぎ、毛髪の補修効果にも優れ、また、つやや手触りなどの感触に優れた染毛剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記一般式(1)で示される分岐型ポリグリセリン変性シリコーン、及び(B)海洋性コラーゲンの加水分解物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする染毛剤組成物。更に、染毛剤組成物には、(c)海洋深層水が含有されることが好ましい。この染毛剤組成物は、毛髪脱色剤、酸化染毛剤、半永久染毛料等として使用することができる。
【化1】


[式中、nは2〜20の整数、x、y、z及びwはそれぞれ分子量に依存した整数を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪を染色あるいは脱色するための染毛剤組成物に関するもので、詳しくは、染色性や均染性、堅牢性あるいは脱色性に優れ、更には毛髪の損傷を防ぎ、毛髪の補修効果にも優れ、またつやや手触りなどの感触に優れた染毛剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、染毛剤としては、酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤よりなる2剤型の酸化染毛剤や、酸性染料等の直接染料を含有する半永久染毛料等が広く利用されている(例えば、非特許文献1参照)。酸化染毛剤は無色の低分子の酸化染料を毛髪中に浸透させ、毛髪の中で酸化重合を行なわせることにより色素を生成させ染着させるものである。これらの酸化染毛剤は要望に応じた様々の色調に毛髪を染色することができる。半永久染毛料は、直接染料を毛髪に吸着させて染毛するものであり、鮮やかな色調を得ることができる。また、シャンプーやスタイリング剤等の頭髪化粧料において、毛髪にコンディショニング効果を付与するために、ポリグリセリン変性シリコーンを用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【非特許文献1】光井武夫編「新化粧品学」、株式会社南山堂、1993年1月12日、p.443−452
【特許文献1】特開平10−316540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の酸化染毛剤を用いると、毛髪が損傷し、毛髪のつやや潤いがなくなってしまう場合があった。例えば、酸化剤により、毛髪の皮質あるいはケラチンが酸化分解されることによる。特に、一度染毛処理を行った後、退色などにより再度染毛処理を行う場合には、既に染毛処理を施されていた毛髪(既染毛)は、更に損傷が著しくなり、一層、毛髪のつやや潤いがなくなってしまうという問題があった。この問題に対し、半永久染毛料を用いて染毛することにより、毛髪損傷を防止することが行われてきたが、半永久染毛料は酸化染毛剤と比べると、染毛力や堅牢性の点で十分なものではなかった。更に、損傷した毛髪に対しては均染性やつやを付与するという効果も十分ではなかった。
【0004】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、染色性や均染性、堅牢性あるいは脱色性に優れ、更には毛髪の損傷を防ぎ、毛髪の補修効果にも優れ、またつやや手触りなどの感触に優れた染毛剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の染毛剤組成物は、(A)下記一般式(1)で示される分岐型ポリグリセリン変性シリコーン、及び(B)海洋性コラーゲンの加水分解物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするものである。
【化2】

[式中、nは2〜20の整数、x、y、z及びwはそれぞれ分子量に依存した整数を表す。]
【0006】
請求項2に記載の発明の染毛剤組成物は、請求項1に記載の発明において、更に、(C)ショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に記載の発明の染毛剤組成物は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、更に、(D)海洋深層水を含有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の発明の染毛剤組成物では、成分(A)及び成分(B)を配合することにより、染色性や均染性、堅牢性あるいは脱色性に優れ、更には毛髪の損傷を防ぎ、毛髪の補修効果にも優れ、またつやや手触りなどの感触に優れた効果が得られる。
【0009】
請求項2に記載の発明の染毛剤組成物では、更に成分(C)を配合することにより、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、毛髪のつや及び感触を向上させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明の染毛剤組成物では、更に成分(D)を配合することにより、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、均染性や堅牢性あるいは均一性、及び毛髪の感触を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の染毛剤組成物の実施形態について詳細に説明する。
成分(A)の分岐型ポリグリセリン変性シリコーンは、上記一般式(1)で示すように、親水性基としてポリグリセリン鎖を有する分岐型のシリコーン化合物である。
【0012】
上記の一般式(1)で示される分岐型ポリグリセリン変性シリコーンの具体例としては、ポリグリセリル−3・ジシロキサン・ジメチコン(Polyglyceryl-3 Disiloxane Dimethicone)、ポリグリセリル−3・ポリジメチルシロキエチル・ジメチコン(Polyglyceryl-3 Polydimethylsiloxyethyl Dimethicone)の名称でCTFA辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)に記載されている化合物等が挙げられる。
【0013】
成分(A)の配合量は、好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.05〜2質量%である。この含有量が0.005質量%未満であると、十分な均染性及び堅牢性が得られず、つや及び感触の効果も十分に得られないおそれがある。一方、10質量%を超えると、毛髪にべたつき感が生じるおそれがある。
【0014】
成分(B)は、海洋性コラーゲンの加水分解物及びその誘導体である。海洋性コラーゲンは、魚類、貝類または海綿類を起源とするコラーゲンである。
【0015】
魚類としては、カツオ、マグロ、カジキ、タラ、アジ、サバ、サケ、マス、サンマ、ウナギ、ティラピア、カワハギ、ハタ、オヒョウ、カレイ、ヒラメ、ニシン、イワシ、サメ、エイ、フグ、ブリ、カサゴ、メバル等が挙げられ、これらの中でもカツオ、マグロ、タラ、ティラピア、オヒョウ、サケが好ましい。これらの魚皮、魚骨及び魚鱗のコラーゲンが原料として用いられる。
【0016】
貝類としては、アコヤガイ、ウグイスガイ、イガイ、ムラサキイガイ、イケチョウガイ、エゾイガイ、ホタテガイ、カキ等が挙げられ、これらの中でもアコヤガイが好ましい。これらの貝殻、貝肉、粘液が原料として用いられる。
【0017】
海綿類としては、石灰海綿綱、六放海綿綱、尋常海綿綱、硬骨海綿綱が挙げられ、これらの中でも尋常海綿綱(角型珪質海綿、淡水性海綿、鉱泉性海綿、亜種レヴァント海綿、ジモッカ海綿、象耳海綿、ウマ海綿)が好ましい。
【0018】
これら海洋性コラーゲンの中でも魚類が好ましい。海洋性コラーゲンの加水分解物は酸、アルカリ又は酵素により加水分解することで得られる。また、それらの誘導体として、アシル化物やシリル化誘導体、4級アンモニウム誘導体、エステル等が挙げられる。これらの海洋性コラーゲンの加水分解物やそれらの誘導体の分子量としては200〜5000が好ましい。分子量200未満では毛髪への吸着性が少なく、5000より多いと水溶性が低下し吸着性が低下する。その配合量としては、組成物全量に対して0.01〜10質量%である。0.01質量%より少ないと、毛髪への吸着量が少なく、充分な染毛効果が得られず、毛髪の補修効果もほとんど期待できない。また、逆に10質量%よりも多い場合は、吸着量が増加せず、それ以上の効果の向上が期待できない。なお、配合量の下限については0.05質量%が好ましく、0.05質量%以上配合することにより十分な染毛効果と毛髪の補修効果が得られる。上限については5質量%が好ましく、5質量%を超えた場合は染毛効果と毛髪の補修効果の上昇は少なくなる。
【0019】
成分(C)のショ糖脂肪酸エステルは、下記一般式(2)で示される。
【化3】

[式中、R、R、Rは、それぞれ飽和もしくは不飽和の炭素数8〜22、好ましくは10〜18のアシル基もしくは水素原子を表し、R〜Rはそれぞれアセチル基もしくは水素原子を表す。ショ糖脂肪酸エステルは一般にR〜Rに関してはモノ、ジ、トリエステルの混合物が用いられる。R〜Rに関してはアセチル化度は任意である。]
【0020】
ショ糖脂肪酸エステルの具体例としては、第一工業製薬(株)から発売されているDKエステルS−160,S−L18Aなどのシリーズ、シュガーワックスS−10EやA−10E、三菱化学フーズ(株)から発売されているリョートーシュガーエステルPOS−135、S−1170、P−1570、LWA−1570などのシリーズ、太陽化学(株)から発売されているサンファクトSE−11などのシリーズ等が挙げられ、これらのショ糖脂肪酸エステルは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0021】
成分(C)の配合量は、組成物全量に対して0.01〜5質量%が好ましく、さらに0.05〜2質量%がより好ましい。0.01質量%未満ではつや及び感触の効果が十分に得られないおそれがある。一方、5質量%を超えると、毛髪にべたつき感が生じるおそれがある。
【0022】
成分(D)の海洋深層水は、表面海水が沈降して層を形成しているもので、低温、清浄で栄養塩に富む固有水であり、その取水深度は200m以深であり、好ましくは300〜400mである。代表的な取水地としては、高知県室戸市沖や、静岡県焼津市、富山県滑川市沖、沖縄県糸満市沖等が挙げられる。
【0023】
本発明の成分(D)は取水深度200m以深より取水され、物理的濾過工程以外の処理を施してない海水である。使用状況によっては、イオン交換樹脂または逆浸透膜により脱塩処理を施した同海水と併用することにより、必要な塩濃度の水を得ることもできる。同様に上水または地下水等を使用した一般的な精製水との併用も可能である。
【0024】
本発明における成分(D)の含有量は、特に限定されないが、好ましくは、0.1〜
98質量%であり、より好ましくは1〜90質量%である。
【0025】
本発明の染毛剤組成物は、毛髪脱色剤、酸化染毛剤、半永久染毛料等のいずれの染毛剤組成物にも適用することができる。
【0026】
毛髪脱色剤は、アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とからなる。 酸化染毛剤は、アルカリ剤及び酸化染料を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とからなる。
【0027】
毛髪脱色剤及び酸化染毛剤の第1剤に含有されるアルカリ剤としては、例えばアンモニア、アルカノールアミン、アンモニウム塩、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。アンモニウム塩の具体例としては、ハロゲン化アンモニウム、無機系アンモニウム塩、有機系アンモニウム塩等が挙げられる。ハロゲン化アンモニウムとしては塩化アンモニウム等、無機系アンモニウム塩としては炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等、有機系アンモニウム塩としては乳酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グリコール酸アンモニウム等が挙げられる。
【0028】
これらのアルカリ剤は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらのアルカリ剤の中でも毛髪の明度が良好となり、染色性あるいは脱色性を十分に発揮させることができることから、少なくともアンモニアを含有させることが好ましい。
【0029】
第1剤中におけるアルカリ剤の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜9.6質量%、さらに好ましくは0.6〜9質量%、最も好ましくは0.7〜8質量%である。この含有量が0.1質量%未満であると、十分な明度が得られないおそれがある。一方、10質量%を超えて配合すると、仕上り後の毛髪において良好な感触を得ることが困難となるおそれがある。
【0030】
酸化染毛剤の第1剤に含有される酸化染料は、酸化剤による酸化重合によって発色可能な化合物を示す。この酸化染料は、主要中間体及びカプラーに分類され、第1剤には少なくとも主要中間体が含有される。 主要中間体としては、フェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン−3,4−ジアミン及びトルエン−2,4−ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6−ジアミノピリジンを除く)、それらの塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
【0031】
カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。
【0032】
これらの酸化染料は単独で配合してもよく、複数を組み合わせて配合してもよい。主要中間体の中でも、染毛力が強いことからパラフェニレンジアミン、パラトルイレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、N−フェニル−パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロパラフェニレンジアミン、N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール、2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェニルスルファミン酸及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【0033】
酸化染毛剤の第1剤中における酸化染料の含有量は、好ましくは0.01〜15.0質量%である。この含有量が0.01質量%未満では十分な染毛力は得られにくい。一方、15.0質量%を超えて配合してもそれ以上の染毛力は得られにくい。
【0034】
更に、酸化染毛剤の第1剤には、酸化染料中間体及びカプラー以外の染料として直接染料を配合してもよい。直接染料を配合した場合には、染毛効果を更に高めることができる。この直接染料としては、例えば、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、1−アミノ−4−メチルアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール及びそれらの塩、並びに、「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた酸性染料や油溶性染料等が挙げられる。尚、前記酸性染料には、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、黒色401号等があり、前記油溶性染料には、赤色215号、赤色218号、赤色225号、だいだい色201号、だいだい色206号、黄色201号、黄色204号、緑色202号、紫色201号、赤色501号、赤色505号、だいだい色403号、黄色404号、黄色405号、青色403号等がある。更には、Basic Blue 3, Basic Blue 6, Basic Blue 7, Basic Blue 9, Basic Blue 26, Basic Blue 41, Basic Blue 47, Basic Blue 99, Basic Brown 4, Basic Brown 16, Basic Brown17, Basic Green 1, Basic Green 4, Basic Orange 1, Basic Orange 2, Basic Orange 31, Basic Red 1, Basic Red 2, Basic Red 22, Basic Red 46, Basic Red 51, Basic Red 76, Basic Red 118, Basic Violet 1, Basic Violet 3, Basic Violet 4, Basic Violet 10, Basic Violet 11:1, Basic Violet 14, Basic Violet 16, Basic Yellow 11, Basic Yellow 28, Basic Yellow 57, Basic Yellow 87, HC Blue No.2, HC Blue No.4, HC Blue No.5, HC Blue No.6, HC Blue No.7, HC Blue No.8, HC Blue No.9, HC Blue No.10, HC Blue No.11, HC Blue No.12, HC Blue No.13, HC Blue No.14, HC Brown No.1, HC Brown No.2, HC Green No.1, HC Orange No.1, HC Orange No.2, HC Orange No.3, HC Orange No.5, HC Red No.1, HC Red No.3, HC Red No.7, HC Red No.8, HC Red No.9, HC Red No.10, HC Red No.11, HC Red No.13, HC Red No.14, HC Violet No.1, HC Violet No.2, HC Yellow No.2, HC Yellow No.4, HC Yellow No.5, HC Yellow No.6, HC Yellow No.7, HC Yellow No.8, HC Yellow No.9, HC Yellow No.10, HC Yellow No.11, HC Yellow No.12, HC Yellow No.13, HC Yellow No.14, HC Yellow No.15, Disperse Black 9, Disperse Blue 1, Disperse Blue 3, Disperse Brown 4, Disperse Orange 3, Disperse Red 11, Disperse Red 15, Disperse Red 17, Disperse Violet 1, Disperse Violet 4, Disperse Violet 15等が挙げられる。これらの直接染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0035】
毛髪脱色剤及び酸化染毛剤の第2剤に含有される酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、臭素酸ナトリウム等が挙げられ、その中でも過酸化水素が好ましい。これらの酸化剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0036】
毛髪脱色剤及び酸化染毛剤は、使用時に第1剤と第2剤を混合して使用される。この際、第1剤と第2剤を質量比で1:3〜2:1の割合で混合するのが好ましく、1:2〜1:1の割合で混合するのがより好ましい。
【0037】
毛髪脱色剤及び酸化染毛剤の第1剤及び第2剤には、更に界面活性剤、油性成分、高分子化合物、溶剤等から選ばれる少なくとも一種を配合することができる。
【0038】
界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0039】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(以下、POEという)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【0040】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【0041】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、POEアルキルエーテル類、POEアルケニルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル類、POE脂肪酸類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも酸やアルカリ剤に強いことからPOEアルキルエーテル類、POEアルケニルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類等が好ましく、POEアルキルエーテル類、POEアルケニルエーテル類がより好ましい。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEイソセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられ、POEアルケニルエーテル類の具体例としては、POEオレイルエーテル等が挙げられる。
【0042】
両性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン等が挙げられる。
【0043】
これらの界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0044】
油性成分の具体例としては、炭化水素、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン誘導体等が挙げられる。
【0045】
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ポリエチレン粉末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0046】
油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
【0047】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
【0048】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【0049】
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0050】
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【0051】
シリコーン誘導体としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が650〜10000の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、成分(A)以外のポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられる。
【0052】
これらの油性成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0053】
高分子化合物としては、カチオン性高分子化合物、両性高分子化合物、アニオン性高分子化合物、非イオン性高分子化合物が挙げられる。
【0054】
カチオン性高分子化合物としては、ポリマー鎖に結合してアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又は少なくともジメチルジアリルアンモニウムハライドを構成単位として含む水溶液のものであり、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジメチルジアリル4級アンモニウム塩重合体、ジメチルジアリル4級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合体及び4級化ポリビニルピロリドン誘導体などが挙げられる。カチオン化セルロース誘導体としては、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが挙げられ、市販品としてはライオン(株)のレオガードG,GP、ユニオンカーバイド社のポリマーJR−125,JR−400,JR−30M,LR−400,LR−30M等が挙げられる。その他のカチオン化セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが挙げられ、市販品としてはナショナルスターチアンドケミカル社のセルコートH−100,L−200等が挙げられる。カチオン化グアーガム誘導体としては、例えば、特公昭58−35640号、特公昭60−46158号及び、特開昭58−53996号公報に記載され、RHONE-POULENC社のジャガーC−13S,同−14S,同−17,同−210,同−162,HI−CARE1000として市販されている。ジメチルジアリル4級アンモニウム塩重合体の市販品としては、オンデオ・ナルコ社のマーコート100等が挙げられる。ジメチルジアリル4級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合体の市販品としては、オンデオ・ナルコ社のマーコート550等が挙げられる。4級化ポリビニルピロリドン誘導体としては、分子量1万〜200万のものが好ましく、市販品としては、アイエスピー・ジャパン(株)のガフコート734,755,755N等が挙げられる。その他、有用な成分としては、チバスペシャルティ・ケミカルズ社のサルケアSC95,96が挙げられる。
【0055】
両性高分子化合物としては、例えば、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウムα−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体(市販名;ユカフォーマーAM−75;三菱化学社製)、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体(市販名;アンフォマー28−4910;ナショナルスターチ社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(市販名;マーコート280,295;オンデオ・ナルコ社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸のターポリマー(市販名;マーコートプラス3330,3331;オンデオ・ナルコ社製)、アクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(市販名;マーコート2001;オンデオ・ナルコ社製)等が挙げられる。
【0056】
アニオン性高分子化合物としては、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体カリウム塩液、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチルアミノエチル、アクリル酸オクチルアミドの共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・プロピオン酸ビニル共重合体、メチルビニルエーテル・マレイン酸モノブチルエステル共重合体等が挙げられる。
【0057】
非イオン性高分子化合物としては、天然系、半合成系および合成系のものが挙げられる。天然系非イオン性高分子化合物としては、セルロース、グアーガム、寒天、デンプン、加水分解デンプン及びデキストリン等が挙げられる。また、半合成系非イオン性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルデキストランおよびカルボキシメチルキチン等が挙げられる。更に、合成系非イオン性高分子化合物としては、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン(以下、POEという)ポリオキシプロピレン(以下、POPという)共重合体、POE・POPブチルエーテル、POE・POPヘキシレングリコールエーテル、POPブチルエーテル、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0058】
その他、有用な成分としては、アラビアガム、カラギーナン、ガラクタン、クインスシードガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、カードラン、ジェランガム、サクシノグルカン、ゼラチン、タマリンドガム、カゼイン等の天然高分子化合物が挙げられる。
【0059】
これらの高分子化合物は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0060】
溶剤としては、水、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、へキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの溶剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0061】
更に、その他の添加成分として、前記(a)成分以外のコラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した加水分解物、及びこれらを4級化したカチオン変性蛋白質等のポリペプタイド;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸等の保湿剤;ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ベンジルオキシエタノール、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の染色助剤;パラベン等の防腐剤;EDTA−Na等のキレート剤;フェナセチン、EDTA、8−オキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸尿酸、タンニン酸、フェノキシエタノール等の安定化剤;リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のpH調整剤;チオグリコール酸、亜硫酸塩等の酸化防止剤;液化石油ガス、ジメチルエーテル、窒素、炭酸ガス等の噴射剤;その他、アミノ酸、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等、また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されているものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。その他の添加成分の配合量は、毛髪脱色剤及び酸化染毛剤の常法に従って決定される。
【0062】
毛髪脱色剤及び酸化染毛剤の剤型としては、液状、乳液状、クリーム状、フォーム状、ゲル状、ペースト状等とすることができる。
【0063】
次に、本発明の染毛剤組成物を半永久染毛料として適用する場合は、前記の直接染料が含有される。
【0064】
また、染着性を高めるために染色助剤を含有させることが好ましい。この染色助剤としては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、シンナミルアルコール、アニスアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、2−ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアルキルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の低級アルキレンカーボネート等が挙げられる。これらの染色助剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0065】
半永久染毛料のpHは、使用する染料の種類により適切に調整される。直接染料として酸性染料を用いる場合には、pH1.5〜5に調整することが好ましい。
【0066】
上記pHの調整には酸を用いることができる。具体例としては、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、ピロリドンカルボン酸、レブリン酸、フマル酸、コハク酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、マンデル酸、アスパラギン酸、アジピン酸、ニコチン酸等の有機酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。また、これらの酸に、その酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等を組み合わせることによって、緩衝能を持たせることもできる。
【0067】
また、その他の直接染料を用いる場合には、その染料の染着力が最も有効に発揮される、例えばpH5〜10に調整される。pHは前記のような酸又は前記のアルカリ剤等により調整される。
【0068】
更に、半永久染毛料には、その他の成分として、前述した界面活性剤、油性成分、高分子化合物、溶剤、及びその他の添加成分として挙げた各成分の中から選ばれる成分を配合することができる。
【0069】
半永久染毛料の剤型としては、液状、乳液状、クリーム状、フォーム状、ゲル状、ペースト状等とすることができる。
【実施例】
【0070】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(実施例1〜4及び比較例1〜3)
二剤式の毛髪脱色剤としての実施例1〜2及び比較例1〜3は、表1に示すように第1剤及び第2剤を調製した。なお、表1における数値は質量%を示す。
【0071】
【表1】

【0072】
表1の各列の毛髪脱色剤について、第1剤と第2剤を質量比1:1で混合した後に毛束に塗布した。この毛束を37℃の恒温層で30分間放置した後、シャンプーでよく洗浄し、タオルで水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥した。10名のパネラーにより、脱色性、均一性、毛髪のつや及び毛髪の感触について、以下に示すように評価した。その評価結果を表1に示す。
【0073】
<脱色性>
優れた明度(4点)、良好な明度(3点)、明度がやや不十分(2点)、明度が不十分(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:△」、1.5点以下を「悪い:×」とし、評価結果とした。
<均一性>
均一によく脱色される(4点)、ほぼ均一に脱色される(3点)、ややムラがある(2点)、ムラがある(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:△」、1.5点以下を「悪い:×」とし、評価結果とした。
<毛髪のつや>
非常につやがある(4点)、ややつやがある(3点)、ややつやがない(2点)、つやがない(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:△」、1.5点以下を「悪い:×」とし、評価結果とした。
<毛髪の感触>
非常に良い(4点)、良い(3点)、やや悪い(2点)、悪い(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:△」、1.5点以下を「悪い:×」とし、評価結果とした。
【0074】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4では、脱色性、均一性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られている。実施例2は、成分(D)を含有しないため、均一性及び毛髪の感触について、実施例2よりも実施例1の方が優れる結果となっている。実施例3は、成分(C)を含有しないため、脱色性及び毛髪のつやについて、実施例3よりも実施例1の方が優れる結果となっている。実施例4は、成分(C)及び成分(D)を含有しないため、脱色性、均一性、毛髪のつや及び毛髪の感触について実施例4よりも実施例1の方が優れる結果となっている。
【0075】
一方、比較例1は成分(A)を含有しないため、脱色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例2は成分(B)を含有しないため、均一性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例3は成分(A)及び成分(B)を含有しないため、脱色性、均一性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。
【0076】
(実施例5〜8及び比較例4〜6)
二剤式の酸化染毛剤としての実施例5〜8及び比較例4〜6は、表2に示すように第1剤及び第2剤を調製した。なお、表2の数値は質量%を示す。
【0077】
【表2】

【0078】
表の各列の酸化染毛剤について、第1剤と第2剤を質量比1:1で混合した後に毛束に塗布した。この毛束を37℃の恒温層で30分間放置した後、シャンプーでよく洗浄し、タオルで水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥した。10名のパネラーにより、毛髪のつや及び毛髪の感触について、前記と同様に評価した。また、染色性、均染性及び堅牢性について、以下に示すように評価した。その評価結果を表2に示す。
【0079】
<染色性>
優れた染色性(4点)、良好な染色性(3点)、染色性がやや悪い(2点)、染色性が悪い(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:△」、1.5点以下を「悪い:×」とし、評価結果とした。
<均染性>
均一によく染まる(4点)、ほぼ均一に染まる(3点)、ややムラがある(2点)、ムラがある(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:△」、1.5点以下を「悪い:×」とし、評価結果とした。
<堅牢性>
染毛した毛束を1日後に50℃の1質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に15分間浸漬し、毛束はその後十分に水洗し、風乾させた。このときの毛束の退色の程度を処理前の毛束と比較した。
退色がほとんどない(4点)、退色が少ない(3点)、退色がやや大きい(2点)、退色が大きい(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:△」、1.5点以下を「悪い:×」とし、評価結果とした。
【0080】
表2の結果から明らかなように、実施例5〜8では、染色性、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られている。実施例6は、成分(D)を含有しないため、均染性、堅牢性及び毛髪の感触について、実施例6よりも実施例5の方が優れる結果となっている。実施例7は、成分(C)を含有しないため、染色性及び毛髪のつやについて、実施例7よりも実施例5の方が優れる結果となっている。実施例8は、成分(C)及び成分(D)を含有しないため、染色性、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について、実施例8よりも実施例1の方が優れる結果となっている。
【0081】
一方、比較例4は成分(A)を含有しないため、染色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例5は成分(B)を含有しないため、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例6は成分(A)及び成分(B)を含有しないため、染色性、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。
【0082】
(実施例9〜12及び比較例7〜9)
半永久染毛料としての実施例9〜12及び比較例7〜9は表3に示すように調製した。表3の各例の半永久染毛料を毛束に塗布し、この毛束を37℃の恒温層で30分間放置した後、シャンプーでよく洗浄し、タオルで水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥した。10名のパネラーにより、染色性、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について、前記と同様に評価した。その評価結果を表3に示す。なお、表3の数値は質量%を示す。
【0083】
【表3】

【0084】
表3の結果から明らかなように、実施例9〜12では、染色性、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られている。実施例10は、成分(D)を含有しないため、均染性、堅牢性及び毛髪の感触について、実施例10よりも実施例9の方が優れる結果となっている。実施例11は、成分(C)を含有しないため、染色性及び毛髪のつやについて、実施例11よりも実施例9の方が優れる結果となっている。実施例12は、成分(C)及び成分(D)を含有しないため、染色性、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について、実施例12よりも実施例9の方が優れる結果となっている。
【0085】
一方、比較例7は成分(A)を含有しないため、染色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例8は成分(B)を含有しないため、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例9は成分(A)及び成分(B)を含有しないため、染色性、均染性、堅牢性、毛髪のつや及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。
【0086】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記実施形態の毛髪脱色剤の第1剤及び第2剤に、更にアルカリ剤、過硫酸塩、油性成分、界面活性剤等を含有する粉末状又はクリーム状の第3剤を加えて、三剤式の毛髪脱色剤に適用してもよい。
・前記実施形態における二剤式の毛髪脱色剤及び上記の三剤式の毛髪脱色剤を、染毛剤等で染められた髪を元の色に戻すための毛髪脱染剤として使用してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で示される分岐型ポリグリセリン変性シリコーン、及び(B)海洋性コラーゲンの加水分解物及びその誘導体から選ればれる少なくとも1種を含有することを特徴とする染毛剤組成物。
【化1】

[式中、nは2〜20の整数、x、y、z及びwはそれぞれ分子量に依存した整数を表す。]
【請求項2】
更に、(C)ショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項1に記載の染毛剤組成物。
【請求項3】
更に、(D)海洋深層水を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の染毛剤組成物。

【公開番号】特開2006−69893(P2006−69893A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−251273(P2004−251273)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)
【Fターム(参考)】