説明

柔軟な有機及び堅い無機部分を含む化合物の前駆体及びその製造法

【課題】 柔軟な有機及び堅い無機部分を含む多成分網状構造を与える化合物、その製造法の提供。
【解決手段】 式 X(SiQの化合物から式 X(SiO1.5−)の基を有する化合物を製造する。式中、Xは例えば、


なる環構造の基であり、Qはアルコキシ、アシロキシ又はハロゲンであり、nは2以上の整数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟な有機及び堅い無機部分を含む多成分網状構造から本質的に成る化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
無機網状物質例えばガラス及びセラミックの生成及び利用の両方に関する重大な制限は、それらの脆性に関係する。ゾル−ゲル技術を使用して室温でガラスを製造する時には(非特許文献1)、乾燥応力が、厚さが約0.5ミクロンよりも厚いフィルムの破局的な破壊の原因となる(十分に密なシリカに関して)。もっと大きな単一結晶構造は、低い乾燥速度によってだけ可能である。無機ガラスのための応用は、かなりの量のエネルギー吸収又は散逸(即ち、靭性)を必要としない応用に限定される。
【0003】
もっと応用範囲の広いガラス網状構造を作るための先行する試みは、シリコン原子あたりの網状結合の数を制限することを含んできた(例えば、テトラアルコキシシランの代わりにアルキル(トリアルコキシ)シランを使用して)。ガラス及び柔軟な有機物質の両方を組み込む無機/有機混成物質に関しては、増大する興味が存在する。一つの手法は、有機ポリマーをシリカガラス中に組み込むことであった。
【0004】
非特許文献2は、ビス−トリエトキシシリルアリール及びビス−トリクロロシリルアリールモノマーのゾル−ゲル処理によって製造された、有機的に改質されたシリケートを開示している。用いられた3つのモノマーは、フェニレン(−C−)、ビフェニレン(−C−C−)、及びトリフェニレン(−C−C−C−)としてモノマーのアリール部分を有していた。脆く多孔性でありそしてシリコン原子の間に単一の堅い有機連鎖を含む堅い網状構造が製造される。
【非特許文献1】Brinker,C.J.,et al.,Sol Gel Science,Academic Press,San Diego,CA(1990)
【非特許文献2】K.J.Shea et al.,Chemistry of Materials,1,572(1989)
【発明の開示】
【0005】
本発明は、従来のゾル−ゲル技術によって製造されるガラスの欠点に苦しむことの無い、ガラス及び柔軟な有機物質の両方を組み込む、新しい種類の網状物質から成る。本発明は、化学的に結合された無機網状部分及び有機網状部分を有する、ある種の化合物に関する。これらの2つの部分は、単一の前駆体分子から又は複数の前駆体分子の混合物から誘導することができ、そしてこれらの前駆体分子は、無機及び有機の両方の部分の要素、又は要素への前駆体を含む。化合物の有機及び無機の両方の部分が、同じ前駆体分子から又は複数のこのような前駆体分子の混合物から誘導されるので、これらの部分は、化学結合の破壊無しで分離することはできない。
【0006】
発明の要約
本発明は、式(II):
X(SiO1.5−) (II)
[式中、
nは、2以上の整数であり、そして
Xは、
(a)RSiY4−m
(b)環構造の基
【0007】
【化1】

(c)RSi(OSi(CHY)4−m
(d)RSi(OY)4−m
(e)CHSiY−O−SiYCH
(f)Y(CHSi−C−Si(CHY、
(g)O[−C−Si(CHY]
(h)O[Si(CHY]
(i)Y(CHSiCH−CHSi(CHY、
(j)pが6である時にはYはエチレン基以外であるという条件下で、Y(CFY、
(k)YSiOSiY
(l)YSi(CHSiY、並びに
(m)YSiCSiY
(n)(i)C(SiZ3−a
(ii)C(SiZ3−a
(iii)CH(SiZ3−a、及び
(iv)C(SiZ3−a
から成る群から選ばれた、すべての異性体を含む置換されたベンゼンの基、並びに
(o)(i)1,2−C10(Y)、1,3−C10(Y)、1,4−C
10(Y)
(ii)1,2,4−C(Y)、1,2,3−C(Y)、1,
3,5−C(Y)
(iii)1,2,3,4−C(Y)、1,2,4,5−C(Y
、1,2,3,5−C(Y)
(iv)1,2,3,4,5−C(Y)及び
(v)C(Y)
から成る群から選ばれた、すべての立体異性体を含む置換されたシクロヘキサンの基
(ここで、これらの式中、
Zは、1〜4の炭素原子のアルキル基、3,3,3−トルフルオロプロピル、アラルキル、又はアリールであり、
Yは、(CRCRCR(CR−であり、
は、1〜約8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
〜Rは、R〜Rの少なくとも一つが水素であるという条件下で、各々独立に、水素、1〜約8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
mは、0、1又は2であり、
k及びhは、k又はhの少なくとも一つがゼロであるという条件下で、各々独立に、0〜10の整数であり、
aは、1、2又は3であり、
pは、4〜10の偶数の整数であり、そして
bは、1〜10の整数である)
の(a)〜(o)から成る群から選ばれた少なくとも一種の柔軟な有機連鎖である]
の基を有する柔軟な有機及び堅い無機部分を含む化合物(以下においては無機/有機化合物という)から成る。
【0008】
本発明はまた、式(I):
X(SiQ (I)
[式中、
Qは、1〜約8の炭素原子のアルコキシ、1〜約8の炭素原子のアシロキシ、又はハロゲンであり、
nは、2以上の整数であり、そして
Xは、
(a)RSiY4−m
(b)Xが
【0009】
【化2】

である時にはZはメチル以外でありかつYはエチレン基以外であるという、そしてXが
【0010】
【化3】

である時にはZはメチル以外でありかつYはエチレン基又はプロピレン基以外であるという条件下で、環構造の基
【0011】
【化4】

(c)RSi(OSi(CHY)4−m
(d)RSi(OY)4−m
(e)CHSiY−O−SiYCH
(f)Qがエトキシである時には、以下に定義されるようなYの定義においてh又はkのどちらかはゼロよりも大きいという条件下で、
Y(CHSi−C−Si(CHY、
(g)O[−C−Si(CHY]
(h)Qがエトキシである時には、以下に定義されるようなYの定義においてh又はkのどちらかはゼロよりも大きいという条件下で、
O[Si(CHY]
(i)Y(CHSiCH−CHSi(CHY、
(j)Yはエチレン基以外であるという条件下で、Y(CFY、
(k)YSiOSiY
(l)YSi(CHSiY
(m)YSiCSiY
(n)(i)C(SiZ3−a
(ii)C(SiZ3−a
(iii)CH(SiZ3−a、及び
(iv)C(SiZ3−a
から成る群から選ばれた、すべての異性体を含む置換されたベンゼンの基、並びに
(o)(i)1,2−C10(Y)、1,3−C10(Y)、1,4−C
10(Y)
(ii)1,2,4−C(Y)、1,2,3−C(Y)、1,
3,5−C(Y)
(iii)1,2,3,4−C(Y)、1,2,4,5−C(Y
、1,2,3,5−C(Y)
(iv)1,2,3,4,5−C(Y)及び
(v)C(Y)
から成る群から選ばれた、すべての立体異性体を含む置換されたシクロヘキサンの基
(ここで、これらの式中、
Zは、1〜4の炭素原子のアルキル基、3,3,3−トルフルオロプロピル、アラルキル、又はアリールであり、
Yは、(CRCRCR(CR−であり、
は、1〜約8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
〜Rは、R〜Rの少なくとも一つが水素であるという条件下で、各々独立に、水素、1〜約8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
mは、0、1又は2であり、
k及びhは、k又はhの少なくとも一つがゼロであるという条件下で、各々独立に、0〜10の整数であり、
aは、1、2又は3であり、
pは、4〜10の偶数の整数であり、そして
bは、1〜10の整数である)
の(a)〜(o)から成る群から選ばれた少なくとも一種の柔軟な有機連鎖である]
の化合物から成る。
【0012】
本発明は更に、式III(j)’:
(SiQCHCH(CFCHCH(SiQ
III(j)’[式中、
Qは、1〜約8の炭素原子のアルコキシ、1〜約8の炭素原子のアシロキシ、又はハロゲンであり、
nは、2以上の整数であり、そして
pは、4〜10の偶数の整数である]
の化合物から成る。
【0013】
本発明は更に、遷移金属触媒例えば白金、又はフリーラジカル開始剤の存在下で、Si−H基を含む化合物をオレフィン性又はアルキニル結合を含む化合物と反応させることを含んで成る、上で定義されたような式(I)、X(SiQの化合物の製造のための方法から成る。
【0014】
本発明は更に、
(a)式(III)、X(SiQ
[式中、
Qは、1〜約8の炭素原子のアルコキシ、1〜約8の炭素原子のアシロキシ、又はハロゲンであり、
nは、2以上の整数であり、そして
Xは、
(a)RSiY4−m
(b)環構造の基
【0015】
【化5】

(c)RSi(OSi(CHY)4−m
(d)RSi(OY)4−m
(e)CHSiY−O−SiYCH
(f)Y(CHSi−C−Si(CHY、
(g)O[−C−Si(CHY]
(h)O[Si(CHY]
(i)Y(CHSiCH−CHSi(CHY、
(j)Y(CFY、
(k)YSiOSiY
(l)YSi(CHSiY、並びに
(m)YSiCSiY
(n)(i)C(SiZ3−a
(ii)C(SiZ3−a
(iii)CH(SiZ3−a、及び
(iv)C(SiZ3−a
から成る群から選ばれた、すべての異性体を含む置換されたベンゼンの基、並びに
(o)(i)1,2−C10(Y)、1,3−C10(Y)、1,4−C
10(Y)
(ii)1,2,4−C(Y)、1,2,3−C(Y)、1,
3,5−C(Y)
(iii)1,2,3,4−C(Y)、1,2,4,5−C(Y
、1,2,3,5−C(Y)
(iv)1,2,3,4,5−C(Y)及び
(v)C(Y)
から成る群から選ばれた、すべての立体異性体を含む置換されたシクロヘキサンの基
(ここで、これらの式中、
Zは、1〜4の炭素原子のアルキル基、3,3,3−トルフルオロプロピル、アラルキル、又はアリールであり、
Yは、(CRCRCR(CR−であり、
は、1〜約8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
〜Rは、R〜Rの少なくとも一つが水素であるという条件下で、各々独立に、水素、1〜約8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
mは、0、1又は2であり、
k及びhは、k又はhの少なくとも一つがゼロであるという条件下で、各々独立に、0〜10の整数であり、
aは、1、2又は3であり、
pは、4〜10の偶数の整数であり、そして
bは、1〜10の整数である)
の(a)〜(o)から成る群から選ばれた少なくとも一種の柔軟な有機連鎖である]
のスター型構造のゲル前駆体化合物(以下においてはスターゲル前駆体又は単にスターという)を金属アルコキシドゾル−ゲル前駆体と合わせること、
(b)溶媒及び触媒を含む水の中にか、又は必要に応じて溶媒の存在下でカルボン酸の中に混合させること、並びに
(c)乾燥させること
を含んで成る、ゾル−ゲルガラスを改質するための方法から成る。
【0016】
生成する改質されたゾル−ゲルガラスは、対応する未改質のゾル−ゲルガラスと比較して、増加した乾燥速度に耐えることができそしてより低い脆性を示す。
【0017】
本発明は更に、
(a)上で定義されたような式(I)又は式(III)の少なくとも一種の化合物を、溶媒及び触媒の存在下で水と、又は約4.0の最大のpKa値を有しそして0〜20モル%の水を含む少なくとも一種の強いカルボン酸と混合させること、
(b)ステップ(a)から生成する混合物を約0〜100℃の範囲内の温度で維持する
こと、並びに
(c)生成する式(II)の基を有する無機/有機化合物を単離すること
を含んで成る、上で定義されたような式(II)の基を有する化合物の製造のための方法から成る。
【0018】
本発明は更に、上で定義されたような、式(III)のスターゲル前駆体を、溶媒及び触媒の存在下で水と、又は必要に応じて溶媒の存在下で強いカルボン酸と反応させること、生成する混合物中に基体を浸漬させること、被覆された基体を混合物から取り出すこと、並びに被膜を乾燥させて上で定義されたような、式(II)の基を有する化合物によって被覆された基体を生成させることを含んで成る、基体を被覆するための方法から成る。
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は、無機網状部分及び有機網状部分を含んで成る、ある種の無機/有機化合物を提供する。これらの2つの部分は、単一の前駆体分子から、又は複数の前駆体分子の混合物から誘導することができ、そしてこれらの前駆体分子は、無機及び有機の両方の部分の要素、又は要素への前駆体を含む。化合物の有機及び無機の両方の部分が、同じ前駆体分子から又は複数のこのような前駆体分子の混合物から誘導されるので、この化合物は、化学結合の破壊無しで分離することはできない。
【0020】
本発明は更に、式(I)又は式(III)の本発明のスターゲル前駆体を、テトラアルコキシシラン又はその他の金属アルコキシドを基にした従来のゾル−ゲルシステムと合わせること;溶媒及び触媒を含む水の中に、又は必要に応じて溶媒の存在下でカルボン酸の中に混合させること;並びに乾燥させることを含んで成る、従来のゾル−ゲルガラスを改質して乾燥速度を増加させそして脆性を低下させるための方法に関する。
【0021】
ゲル又はガラスの形をとることができる本発明の無機/有機網状化合物は、上で定義されたような式(II):
X(SiO1.5−) (II)
の基を含むものであり、そして式中Xは、一種以上の柔軟な有機連鎖であり、かつ同時に、nが2以上の整数である場合にn個のシリコン原子を相互接続する。シリコン原子の各々は、酸素を通っての他のシリコン原子への結合による網状構造の構成要素であろう。例えば、X(SiO1.5−)の基を有する化合物が、請求の範囲1においてXが(a)でありmがゼロでありYが−CHCH−であるスター型構造の化合物(スター1)である場合に生成される無機/有機ゲルは、Si−O−Si橋かけ結合のSiを標準的な文字で示しそしてXのSiをイタリック体で示すと、以下のように表すことができるであろう:
【0022】
【化6】

加水分解によってSi−OCからSi−O−Si橋かけ結合を生成させる縮合は、100%完全には進まない。これは、残留の橋かけされていないSiOC又はSiOH基によって上のように示される。理想化された式は、100%橋かけに対応する。上で示されたようなスター1から誘導される無機/有機ゲルの理想化された実験式はSi(CHCHSiO1.5であろうが、ここで2つの半円内の単位は酸素原子を二分する。
【0023】
SiO1.5基の数は、式(I)、(II)又は(III)中で定義されたようなYの数に依存する。平均では、各々のSiに伴われる1.5の酸素が存在する。例えば、2つのYが存在する時には、2つのSiが存在する。すべてのYはSiに結合している。不満足な(unsatisfied)原子価は存在しない。他の組成物中の成分と反応するために、網状構造の周辺の上に、望ましい橋かけされていない−OR又は−OH基が存在するであろう。
【0024】
これらの組成物は、式(I)又は式(III)の本発明の一種以上のスターゲル前駆体の加水分解によって製造される。スターゲル前駆体は、少なくとも2つの加水分解可能な置換基を有するシリコン原子で終結する多数のアームに結合された中心原子、リング又は短い線状部分から成る柔軟な有機又は無機コアから成る分子である。本発明のスターゲル前駆体は、式(I)
X(SiQ (I)
[式中、
Xは、以下で定義されるような、少なくとも一種の柔軟な有機連鎖であり、
nは、2以上の整数であり、そして
Qは、加水分解可能な基例えば1〜約8の炭素原子を含むアルコキシ、1〜約8の炭素原子のアシロキシ、又はハロゲンである]
の化合物を含む。
【0025】
一般に、式(I)に関しては、Xは、シリコン原子で終結する多数のアームを有する中心原子、リング又は短い線状部分から成る。特に、Xは、
(a)RSiY4−m
(b)Xが
【0026】
【化7】

である時にはZはメチル以外でありかつYはエチレン基以外であるという、そしてXが
【0027】
【化8】

である時にはZはメチル以外でありかつYはエチレン基又はプロピレン基以外であるという条件下で、環構造の基
【0028】
【化9】

(c)RSi(OSi(CHY)4−m
(d)RSi(OY)4−m
(e)CHSiY−O−SiYCH
(f)Qがエトキシである時には、以下に定義されるようなYの定義においてh又はkのどちらかはゼロよりも大きいという条件下で、
Y(CHSi−C−Si(CHY、
(g)O[−C−Si(CHY]
(h)Qがエトキシである時には、以下に定義されるようなYの定義においてh又はk
のどちらかはゼロよりも大きいという条件下で、
O[Si(CHY]
(i)Y(CHSiCH−CHSi(CHY、
(j)Yはエチレン以外であるという条件下で、Y(CFY、
(k)YSiOSiY
(l)YSi(CHSiY
(m)YSiCSiY
(n)(i)C(SiZ3−a
(ii)C(SiZ3−a
(iii)CH(SiZ3−a、及び
(iv)C(SiZ3−a
から成る群から選ばれた、すべての異性体を含む置換されたベンゼンの基、並びに
(o)(i)1,2−C10(Y)、1,3−C10(Y)、1,4−C
10(Y)
(ii)1,2,4−C(Y)、1,2,3−C(Y)、1,
3,5−C(Y)
(iii)1,2,3,4−C(Y)、1,2,4,5−C(Y
、1,2,3,5−C(Y)
(iv)1,2,3,4,5−C(Y)及び
(v)C(Y)
から成る群から選ばれた、すべての立体異性体を含む置換されたシクロヘキサンの基
(ここで、これらの式中、
Zは、1〜4の炭素原子のアルキル基、3,3,3−トルフルオロプロピル、アラルキル、又はアリールであり、
Yは、(CRCRCR(CR−であり、
は、1〜約8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
〜Rは、R〜Rの少なくとも一つが水素であるという条件下で、各々独立に、水素、1〜約8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
mは、0、1又は2であり、
k及びhは、k又はhの少なくとも一つがゼロであるという条件下で、各々独立に、0〜10の整数であり、
aは、1、2又は3であり、
pは、4〜10の偶数の整数であり、そして
bは、1〜10の整数である)
の(a)〜(o)から成る群から選ばれた一種以上の柔軟な有機連鎖から成る。
【0029】
式(I)、(II)及び(III)に関しては、最も好ましい柔軟な有機連鎖、Xは、mが0であり、kが0又は1であり、hが0又は1であり、そしてR〜Rのすべてが水素であるものである。好ましいQは、1〜約3の炭素原子のアルコキシである。最も好ましいQはエトキシである。最も好ましいハロゲンはクロロである。好ましいアラルキルはベンジルである。好ましいアリールはフェニルである。
【0030】
好ましい式IIIのスターゲル前駆体は、以下の表I中にリストされたものを含む。
【0031】

表I
スターゲル前駆体(スターと略称する)
スター1:Si(CHCHSi(OC
スター2:
【0032】
【化10】

スター3:Si[OSi(CHCHCHSi(OC
スター4:Si(OCHCHCHSi(OC
スター5:
【0033】
【化11】

スター6:
【0034】
【化12】

スター7:
【0035】
【化13】

スター8:
【0036】
【化14】

スター9:
【0037】
【化15】

スター10:
【0038】
【化16】

スター11:Si(CHCHCHSi(OC
スター12:
【0039】
【化17】

スター13:
【0040】
【化18】

スター14:Si[OSi(CHCHCHCHSi(OC
スター15:
【0041】
【化19】

スター16:(CO)SiCHCH(CFCHCHSi(OC

スター17:CHSi[OSi(CHCHCHSi(OC
スター18:Si[CHCHSi(OCH
スター19:
【0042】
【化20】

スター20:
【0043】
【化21】

スター21:(CO)Si(CH(CF10(CHSi(O

スター22:
【0044】
【化22】

好ましい式Iのスターゲル前駆体は、表I中に示されたような、スター1、3、4、5、7、9、11、13、14、15、17、18、19、20、21、及び22を含む。
【0045】
本発明はまた、式III(j)’:
(SiQCHCH(CFCHCH(SiQ
III(j)’[式中、
Qは、1〜約8の炭素原子のアルコキシ、1〜約8の炭素原子のアシロキシ、又はハロゲンであり、
nは、2以上の整数であり、そして
pは、4〜10の偶数の整数である]
の化合物から成る。Qは好ましくはエトキシ又はClである。pは好ましくは6又は10である。
【0046】
本発明は更に、上で定義されたような式Iのスターゲル前駆体の製造のための方法から成る。
【0047】
スターゲル前駆体の合成は、ヒドロシリル化反応、即ち触媒又はフリーラジカル開始剤の存在下での、Si−H基を含む化合物と脂肪族不飽和(C=C又は−C≡C−)を含む化合物との間の付加反応からもたらされる。−CH=CH基を含む前駆体部分が、末端Si−H結合を含む他の前駆体部分と反応する。これらの前駆体部分に関しては、表1中に示したように、多数の異なる柔軟なスターゲル前駆体が構成され得る。
【0048】
どちらの前駆体部分も、ビニル、又はSi−H付加のできるその他の不飽和基を含んで良い。例えば、Si(CH=CHはHSi(OCと反応してスターゲル前駆体1、Si[CHCHSi(OCを生成させ、そしてシクロ[(CH)HSiO]はCH=CH−Si(OCと反応してスターゲル前駆体10、シクロ[OSi(CH)CHCHSi(OCを生成させる。
【0049】
以下の式のすべてが、式7B及び7Cを除いて、Xの種々の定義に関して、炭素−炭素二重結合を横切るシランの付加による式Iの化合物の製造を与える:
(a)XがRSi[Y]4−mである時に:
【0050】
【化23】

(b)Xが、(SiO)(YSiQと略記することができる[ここで、式中、Iaに関してはu=3であり、Ibに関してはu=4であり、そしてIcに関してはu=5である]前に定義されたようなタイプIa、Ib又はIcの環構造である時に:
【0051】
【化24】

(c)XがRSi[OSi(CHY]4−mである時に、
【0052】
【化25】

(d)XがRSi[OY]4−mである時に、
【0053】
【化26】

(e)XがCHSiY−O−SiYCHである時に、
【0054】
【化27】

Xが、
(f)Y(CHSi−C−Si(CHY、
(g)O[−C−Si(CHY]
(h)O[Si(CHY]、又は
(i)Y(CHSiCHCHSi(CH
である時には、式Iは一般にD(YSiQと書くことができ、ここで式中、Yは前に定義したようでありそしてDは
【0055】
【化28】

から選ばれた結合基である。そしてこのような時には、生成物D(YSiQは、以
下の反応によって生成される:
【0056】
【化29】

(j)XがY(CFYである時に、
【0057】
【化30】

又は、
k=0;p=4、6若しくは8;すべてのR=Hに関して、
【0058】
【化31】

は、標準的な有機技術によって、例えば、ヨウ化サマリウムを使用して
【0059】
【化32】

に転換することができる。
【0060】
(k)XがY−Si−O−Si−Yである時に、
【0061】
【化33】

(l)XがY−Si−(CH−Si−Yである時に、
【0062】
【化34】

(m)XがY−Si−C−Si−Yである時に、
【0063】
【化35】

(n)Xが、C6−w(SiZ3−aと略記することができる、前に定義されたような、タイプの置換されたベンゼン構造である時に、
【0064】
【化36】

(o)Xが、C12−w(Y)[式中、wは置換基の数である]と略記することができる、前に定義されたような、タイプの置換されたシクロヘキサン構造である時に、
【0065】
【化37】

便宜上、上のA又はBで示された式の反応は、出発試薬の商業的入手性に依存して選ばれる。A及びBが表される式の各々の組においては、式Aにおいてh=0でありそして式Bにおいてk=0である。(d)においては、k≧1でありそしてh=0である。反応物の特定のソースは、本明細書中で後で実施例のすぐ手前でリストする。ヒドロシリル化反応の完結を確実にするために、SiQ基を含む前駆体を10〜50%のモル過剰で用いるような比で反応物を用いる。遷移金属触媒例えば白金、又はフリーラジカル開始剤を、効果的な量で用いる。適切なフリーラジカル開始剤の例は、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから入手できるVAZO(R)化合物を含む。
【0066】
これらの反応は、約25℃〜約100℃の温度で行うことができる。好ましくは、この方法は、約80℃〜約100℃で行う。用いられる圧力は、典型的には周囲圧力、約1atm(1.01x10Pa)である。これらの反応は不活性ガス雰囲気下で実施されるが、空気雰囲気の使用も除外されない。反応時間は典型的には約4時間〜約24時間である。
【0067】
これらの反応においては、溶媒の使用は必要としない。用いることができる適切な溶媒は、反応物を溶かすことができそして反応に干渉したり又は不必要な副生成物を発生させないものである。所望の生成物は、当業者には知られた任意の手段によって単離することができる。好ましくは、所望の生成物は、減圧下での揮発物の除去によって単離される。
【0068】
NMR及びKIDS質量分析法が、生成物純度を特性決定するために使用されてきた。典型的には、完全に反応した物質の収率は85%を越え、そして主な不純物は逆(マルコウニコフ)ヒドロシリル化か又は未反応−CH=CH基を含む不完全に置換された物質かのどちらかである。触媒は、シリカゲル又は活性炭を通して濾過することによって除去することができる。
【0069】
X=Y(CFYであるスターゲル前駆体の合成はまた、α−ωジヨードアルキルペルフルオロアルカンの間のメタレーション反応、例えば、式7B中で上に示したように、tert.−ブチルリチウムとの接触と、それに引き続くSi(OEt)との反応から供給することもできる。その代わりに、式7C中に示したように、不飽和トリアルコキシシラン又はトリハロシランをI(CFIのC−I結合中に挿入し、引き続いて標準的な有機還元試薬を使用してC−IをC−Hに還元することもできる。適切な試薬の例は、亜鉛金属、水素化トリ−n−ブチルスズ又はヨウ化サマリウムである。
【0070】
本発明のスターゲル前駆体の可能な用途は、他のゾル−ゲル又はポリマーシステムのための多官能橋かけ剤、及び超臨界流体媒体によって乾燥される時の非常に高い表面積の物質、即ち、エーロゲルとしてである。構造体例えばスターゲル前駆体1、Si[CHCHSi(OCの開放性は、生成するガラスが開かれた多孔性及び非常に高い表面積を有するであろうことを示唆するけれども、網状構造が非孔質の塗膜又は材料を導くのに十分に柔軟である時には、単純な溶媒蒸発による乾燥の間に細孔崩壊が起きる可能性がある。
【0071】
本発明は、更に、式(II)の基を有する無機/有機化合物の製造のための方法から成る。上で定義されたような本発明の式(II)の基を有する化合物を生成させるためには、前に定義されたような式(I)又は式(III)のスターゲル前駆体のアルコキシシラ
ン、アシロキシシラン又はハロシラン基を、溶媒及び触媒の存在下で水によって、又は必要に応じて溶媒の存在下で一種以上の強いカルボン酸、好ましくはギ酸によってかのどちらかで加水分解し、そして縮合させてシリコン−酸素結合の連続的な網状構造を生成させる。加水分解された基を有するシリコン原子は、酸素を通しての他のシリコン原子への結合による無限の網状構造の構成要素であろう。この方法における使用のための式(I)又は式(III)の好ましいスターゲル前駆体は、表I中にリストされたものを含む。
【0072】
本発明はまた更に、式(I)又は式(III)の本発明の二種以上のスターゲル前駆体をお互いに合わせることによって式(II)の基を有する化合物を製造するための方法から成る。上で定義されたような式(I)又は式(III)の一種よりも多い化合物を混合する場合には、スターゲル前駆体は、X’(SiQ’+X”(SiQ”+...[式中、X’及びX”はXの異なる定義であり、そしてn’及びn”はそれぞれX’及びX”の定義に対応する]として表すことができる。上で定義されたような、生成する無機/有機化合物は、X(SiO1.5−)[式中、X=%X’+%X”+...であり、そしてn=(%n’+%n”+...)の平均である]の基を有するであろう。スター誘導されたガラスはまた、染料例えばローダミンGの存在下で製造して、光学的に有用な材料を生成させることができる。
【0073】
本発明の方法は、最初に反応物に水を添加する必要がないこと及び反応の間の定常状態水濃度が極めて小さくあり得ることという望ましい特徴を有する。この特徴の利点の一つは、均一な媒体を得るために水混和性溶媒を使用する必要性なしで、透明なゲルを容易に作ることができることである。水は加水分解のために必要であるけれども、強いカルボン酸と、加水分解によってそしてメタセシス反応:
HCOOH+−SiOR⇔−SiOOCH+ROH
によって製造されるアルコールとの反応によって十分な量が生成される。
【0074】
また、強いカルボン酸中に希釈剤として存在して良い水は、加水分解に寄与し得る。本発明の方法のためには、精々20モル%の水を含む強いカルボン酸が好ましい。カルボン酸は、約4.0よりも高くないpk値を持ちそして0〜20モル%の水を含むべきである。本発明において効果的な強いカルボン酸の例は、ギ酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸及びヒドロキシ酢酸を含む。ギ酸が好ましいカルボン酸である。スターゲル前駆体を、溶媒及び触媒の存在下で水と、又は必要に応じて溶媒の存在下で強いカルボン酸と混合した後で、混合物を周囲圧力で約0〜100℃の範囲内の温度で維持する。スターゲルは、最後に、液体副生成物及び未反応出発物質の除去によって単離されてガラスを生成させる。
【0075】
式(I)若しくは式(III)のスターゲル前駆体を、溶媒及び触媒の存在下で水によって加水分解する時には、適切な溶媒は、水及び、式(I)若しくは式(III)のスターゲル前駆体のための補助溶媒から成るか、又は式(I)若しくは式(III)のスターゲル前駆体との親和力を有して水と混和性であり、例えばアルコール、テトラヒドロフラン、及びアセトニトリルである。適切な触媒は、ブレンステッド酸又はpH<9である弱塩基、例えば、フッ化水素、フッ化ナトリウム、硫酸、酢酸及び水酸化アンモニウムを含む。
【0076】
式(II)[式中、X成分は線状又は環状シロキサンに対応する]のゲルを乾燥させることによって製造される式(II)のガラスは、最大の柔軟性を示す。この柔軟性は、一層迎合的な(compliant)網状構造を与える。網状構造中に組み込まれたコンプライアンスは、より速い乾燥速度を可能にしそして式(II)のゲルから製造された、生成するガラスに粘り強さを賦与する。
【0077】
表1中のスターゲル前駆体1、Si[CHCHSi(OC、スターゲル前駆体2、
【0078】
【化38】

及びスターゲル前駆体3、Si[OSi(CHCHCHSi(OCは、テトラヒドロフラン及び、この溶媒と水又はギ酸との混合物中に容易に可溶性である。後者、ギ酸は、テトラアルコキシシランのための高度に効果的な加水分解及び縮合剤として開発された。数種のスターゲル前駆体、例えば、3は、ギ酸に直接に添加して、分子が反応し始めそしてシラノール基が生成されるにつれて急速に澄む分散液を与えることができる。ギ酸によるゲル化速度は、溶媒の非存在下で極端に速い可能性がある。スターゲル前駆体3、Si[OSi(CHCHCHSi(OCは、6分で、20モル倍過剰のHCOOHとゲルを生成させる。水素結合受容体例えばテトラヒドロフランの使用は、ゲル化速度を数次数の大きさまで遅くする。反応性がより少ない溶媒例えば塩化メチレンは、水素結合溶媒よりももっと急速なゲル化速度を与えるであろう。純粋なスターゲル前駆体は長い貯蔵寿命を有する。水を使用する場合には、加水分解試薬及び必要に応じた溶媒及び触媒を、反応を開始するために添加する。あり得る残留触媒によって賦与される着色以外はゲルは透明である。それらは、同じ寸法の従来のゲルの破砕を導く速度の少なくとも5倍の速度で一体式のガラス状固体に乾燥することができる。これらのガラスの厚いフィルムは、乾燥に際して何ら観察されるクラッキング無しで容易に乾燥することができる。このやり方においては、ゾル−ゲルシリカから誘導されるものよりも5倍厚いフィルムをクラック無しで作ることができる。
【0079】
上で定義されたようなそして表I中のスターゲル前駆体1、2及び3から誘導される式(II)のガラスの乾燥されたサンプルは、水の下に沈められる時に開かれた多孔性の証拠を示さない。77°Kで窒素を使用する吸着等温測定はまた、スターゲル前駆体1、Si[CHCHSi(OCから誘導されたガラスのサンプルに関して検出可能な表面接続された多孔性を示さなかった。
【0080】
匹敵するサイズのスター誘導されたそして従来のゾル−ゲルガラスの片の上に種々の高さから150gの乳棒を落とすことによって耐衝撃性を検査した。スターガラスは、それらの従来の等価物を必ず破壊した衝撃に耐えることができた。
【0081】
上で引用したものに加えて、新しい種類の式(II)の基を有する化合物は、耐摩耗性材料、耐衝撃性ガラス、微孔性ガラス、電子装置のための層間絶縁体、ガラス及びその他の材料のための接着剤、並びに遮断層被膜として有用である。式(I)のスターゲル前駆体は、幾つかの官能化された有機ポリマーのための橋かけ剤、カップリング剤、又はアルコキシシラン誘導されたゾル−ゲルガラス、他の金属アルコキシド誘導されたゾル−ゲルガラス、及び他のスター−ゲルガラスのための改質剤として有用である。
【0082】
本発明は、更に、式(I)の又は式(III)の本発明の前駆体をテトラアルコキシシラン又はその他の金属アルコキシドを基にした従来のゾル−ゲルシステムと合わせること
;溶媒及び触媒を含む水、又は必要に応じて溶媒の存在下でカルボン酸、好ましくはギ酸の中に混合させること;並びに乾燥することを含んで成る、Brinker,C.J.,et al.,Sol Gel Science,Academic Press,San Diego,CA(1990)中に規定されたような従来のゾル−ゲルガラスを改質して乾燥速度を増加させそして脆性を低下させるための方法から成る。既知のテトラアルコキシシラン又はその他の金属アルコキシドを、本発明のスターゲル前駆体、好ましくは表I中に見い出されるものを含むスターゲル前駆体と合わせて、均一な溶液を生成させる。これらの成分は、任意の割合、例えば、0.1:99.9〜99.9:0.1において混和性かつ使用可能である。溶媒及び触媒を含む水か、又は必要に応じて溶媒の存在下でのカルボン酸、好ましくはギ酸を、次に、周囲温度及び圧力で撹拌しながら添加してゲル化を誘発させる。次に、生成するゲルを乾燥する。典型的な乾燥は、周囲圧力においてそして約20℃〜150℃の温度においてである。10−5トールまでの真空を用いても良い。ギ酸によるSi(OCのゲル化速度は、小量の式(I)又は式(III)のスターゲル前駆体の添加によって深く影響される可能性がある。1:3のモル比でのSi(OC及びHCOOHの混合物は、通常はゲル化するのに18時間を要求する。Si(OCの10モル%のスターゲル前駆体1、Si[CHCHSi(OCによる置換は、匹敵する条件下で8分のゲル化時間を導いた。無機アルコキシド、例えばAl、Zr、V、B、Ti、Nb、Ge、Sn、Ga、In、Cu及びPbのアルコキシドからのその他のゾル−ゲルガラスも、類似の様式で改質することができる。
【0083】
好ましくは表I中のものを含む式(I)又は式(III)のスターゲル前駆体を、溶媒及び触媒の存在下で水と、又は必要に応じて溶媒例えばテトラヒドロフランの存在下でカルボン酸例えばギ酸と反応させること、生成する混合物中に基体を浸漬させること、被覆された基体を混合物から取り出すこと並びに被膜を乾燥することを含んで成る、基体を被覆する方法もまた、本発明によって提供される。かくして、基体は、ゲル化に先立ってスターゲル前駆体を含む混合物中に浸漬され、そしてゲル化及び乾燥の後で、基体は、式(II)の基を有する無機/有機化合物で被覆される。式(I)若しくは式(III)のスターゲル前駆体又は式(II)の基を有する無機/有機化合物はまた、基体を被覆しそしてそのトップの上にもう一つの基体を置きそして圧力をかけ、必要に応じて熱を伴って又は引き続いて熱をかけることによって接着剤として使用することもできる。適切な基体は、ガラス、金属及びプラスチックを含む。
【0084】
後に続く実施例においては、すべてのスター番号は、表I中にリストされたスターゲル前駆体を指す。すべての反応は、窒素下のVacuum Atmospheres Co.のドライボックス中で実施した。
【0085】
後に続く実施例においては、すべてのスター番号は、表I中にリストされたスターゲル前駆体を指す。すべての反応は、窒素下のVacuum Atmospheres Co.のドライボックス中で実施した。市販の試薬は、使用に先立って蒸留した。トリエトキシシラン、テトラビニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシラン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシラン、1,1,3,3−テトラビニルジメチルジシロキサン、テトラアリロキシシラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、ビス[p−ジメチルシリル)フェニル]−エーテル、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,4,4−テトラメチルジシルエチレン、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン、クロロジメチルビニルシラン、テトラエトキシシラン及びトリクロロシランは、Huls America Inc.,Piscataway,NJから購入した。アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、1,3,5−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン及びtert.−ブチルリチウム(ペンタン中の1.7M)は、Aldrich Chemical Col.,Milwaukee,W
Iから購入した。テトラエトキシシランは、Eastman Kodak,Rochester,NYから購入した。白金ジビニルシロキサン錯体(キシレン中の3〜3.5%Pt濃度、Huls PC072)は、Huls America Inc.,から得られそして使用に先立って体積で5:1(トルエン、Pt錯体)に希釈された。コバルトカルボニル及びP(OCHは、E.I.du Pont de Nemours and Companyから得られた。トルエンは試薬級であり、そして使用に先立って水素化アルミニウムリチウムから蒸留によって精製された。テトラアリルシランは、公開された手順(J.Organomet.Chem.,84(1975)、199〜299頁)の変法によって合成した。1,3,5−(CH=CH(CHSi)は、Si(OCの代わりにCH=CHCHSiClを使用して公開された手順(Macromolecules,24(1991)、6863〜6866頁)の変法によって合成した。クロロシラン(Si−Cl)及びアルコールからのアルコキシド(Si−OR)の製造は、既知の手順(Organo−silicon Compounds,C.Earborn,Academic Press Inc.,NY,1960、288〜311頁)に従って達成された。ビニルポリフルオロアルカン CH=CH(CFCH=CH(p=6,10)、CH=CH(CH(CF10(CHCH=CH、及びICHCH(CFCHCHIは、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから純粋な形で得られた。スターゲル前駆体の通常の精製は、特記しない限り、溶離液としてヘキサンを使用するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーを含んでいた。シリカゲルカラムは、スターゲル前駆体の添加の前にSi(OCHによって処理した。KIDS質量分析法実験は、Finnigan 4615B GC/MS四重極質量分析計(San Jose,CA)で行った。200℃及び1.0x10−6トールで運転する電子衝撃ソース形状(configuration)を使用した。質量分析計は、約1000ダルトン/秒の速度で走査した。すべてのKIDS質量スペクトルピークを、イオン+カリウム(M+39)の和として記録する。プロトン及び炭素NMRを、重水素ベンゼン溶媒中でGEモデルQE−300機器で測定した。元素分析は、Oneida Research Services Inc.,One Halsey
Road,Whitesboro,NYによって行われた。
【実施例】
【0086】
実施例1
スター1、Si[CHCHSi(OCの合成及び特性決定
55.596g(0.338モル)のトリエトキシシラン及び10滴(約0.3ml)のPt触媒の混合物に、5.219g(0.038モル)のテトラビニルシランを1時間の期間にわたって滴加した。反応混合物の温度は、35℃を越えないように制御した。添加の後で、溶液を6時間90℃に加熱し、次に冷却しそして室温で18時間撹拌した。過剰のトリエトキシシランを真空中で60℃で除去した。生成物のプロトンNMRは、幾らかの残留ビニル基を示した。追加の11.842g(0.0720モル)のトリエトキシシラン及び4滴のPt触媒を、粗製混合物に添加しそして90℃に6時間加熱した。室温への冷却及び上で述べたような後処理は、殆どSi[CHCHSi(OCであると測定された26.75g(88%)の透明な液体を与えた。純度は、KIDS質量分析法によって91%そして超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって>75%であることが見い出された。KIDS MS(m/e)831(M+39、100%)、667(HC=CH)Si[CHCHSi(OC+39、8.6%)。13C NMR(C)3.57(SiCH)、4.05(SiCH)、19.0(CH)、59.0(SiOCH)。マルコウニコフ(又は逆ヒドロシリル化)付加による小量の−SiCH(CH)Si(OC基(1.0、9.0ppm)が観察された。元素分析:C3276Si12についての計算値:C,48.45;H,9.65;Si,17.70。測定値:C,47.72;H,9.
59;Si,17.37。
【0087】
実施例2
スター2、((CH(CO)SiCHCH(SiO)
合成及び特性決定
2.85g(0.0083モル)の((CH)(CH=CH)SiO)及び8.15g(0.0496モル)のトリエトキシシランの撹拌された混合物に、14滴(約0.4ml)のPt触媒を添加した。生成した溶液を100℃に2.5時間加熱し、冷却し、そして室温で18時間撹拌した。過剰のHSi(OCを真空中で除去し、そして前に述べたような後処理をすると、((CH)(CO)SiCHCH)(SiO)として同定される透明な液体が得られた。不純物は、KIDS MSによって認められるように主に二−及び三−置換生成物であった。13C NMR(C)−0.901((CH)Si)、2.98(SiCH)、9.30(SiCH)、19.01(CH)、58.99(SiOCH)。KIDS MS(m/e)1039(M+39、100%)、875(3−アーム生成物+39、52%)、711(2−アーム生成物+39、3%)。元素分析:C3688Si16についての計算値:C,43.16;H,8.85。測定値:C,42.12;H,8.65。
【0088】
実施例3
スター3、Si(OSi(CHCHCHSi(OC
合成及び特性決定
3.039g(0.0092モル)のSi(OSi(CHH)及び10.024g(0.05278モル)のビニルトリエトキシシランの撹拌された混合物に、14滴(約0.4ml)のPt触媒を添加した。生成した溶液を2時間撹拌し、90℃に4時間加熱し、冷却し、そして室温で18時間撹拌した。過剰の(CH=CH)Si(OCを真空中で除去し、そして前に述べたような後処理をすると、Si(OSi(CHCHCHSi(OCとして同定される透明な液体が得られた。不純物レベルは、5%以下の程度であった。13C NMR(C)−0.43((CH)Si)、3.19(SiCH)、10.17(SiCH)、19.09(CH)、58.86(SiOCH)。KIDS MS(m/e)1128(M+39、100%)。元素分析:C40100Si16についての計算値:C,44.08;H,9.25;Si,23.19。測定値:C,44.66;H,9.31;Si,22.46。
【0089】
実施例4
スター4、Si(OCHCHCHSi(OCの合成及び特性決定
3.12g(0.0118モル)のSi(OCHCH=CH、11.028g(0.0671モル)のHSi(OC及び14滴のPt触媒の混合物を、25℃で2時間撹拌し、そして次に90℃に4時間加熱した。この溶液を冷却し、そして揮発物を真空中で除去した。上で述べたような後処理をすると、Si(OCHCHCHSi(OCとして同定される6.49gの透明な液体が得られた。13
NMR(C)7.39(SiCH)、18.97(CH)、26.93(CH)、58.89(SiOCHCH)、66.55(SiCH)。KIDS MS(m/e)952(M+39、100%)。元素分析:C3684Si16についての計算値:C,47.37;H,9.27;Si,15.37。測定値:C,46.32;H,9.10;Si,16.06。
【0090】
実施例5
スター5、((CO)SiCHCH(CH)SiOSi
(CH)(CHCHSi(OCの合成及び特性決定
2.12g(0.01018モル)の((CH=CH)(CH)Si)O及び14滴のPt触媒の撹拌された溶液に、7.93g(0.0483モル)のHSi(OCをシリンジを経由して1時間の期間にわたって添加した。この混合物を90℃に4時間加熱し、次に室温に冷却した。揮発物を真空中で除去し、そして反応生成物を上で述べたように後処理すると、((CO)SiCHCH(CH)SiOSi(CH)(CHCHSi(OCとして同定される3.80gの液体が得られた。三置換生成物に対応する小量の不純物(<5%)がNMRにおいて認められた。13C NMR(C)−2.01(CHSi)、3.27(SiCH)、8.32(SiCH)、19.02(CH)、58.92(SiOCH)。KIDS MS(m/e)905(M+39、100%)、743(3−アーム生成物+39、25%)。元素分析:C3482Si13についての計算値:C,47.07;H,9.53;Si,19.43。測定値:C,45.69;H,9.40;Si,19.40。
【0091】
実施例6
スター6、(CO)SiCHCH(CHSiCSi
(CHCHCHSi(OCの合成及び特性決定
2.91g(0.0150モル)のH(CH(CHH、10.13g(0.0527モル)の(CH=CH)Si(OC及び14滴のPt触媒の混合物を、25℃で2時間撹拌し、そして次に90℃に4時間加熱した。溶液を冷却し、そして揮発物を真空中で除去した。上で述べたように後処理すると、スター6として同定される11.6gの液体が得られた。13C NMR(C)−3.11(SiCH)、3.85(SiCH)、19.0(CH)、26.93(CH)、58.9(SiOCHCH)、133.7、136.6、140.2(芳香族)。KIDS MS(m/e)614(M+39、100%)。元素分析:C2654Siについての計算値:C,54.31;H,9.46。測定値:C,53.53;H,9.40。
【0092】
実施例7
スター7、(CO)SiCHCH(CHSiCOC
Si(CHCHCHSi(OCの合成及び特性決定
4.32g(0.0151モル)の(H(CHO、10.02g(0.0526モル)の(CH=CH)Si(OC及び14滴のPt触媒の混合物を、25℃で2時間撹拌し、そして次に90℃に4時間加熱した。溶液を冷却し、そして揮発物を真空中で除去した。生成した茶色の液体を活性炭の上で撹拌しそして濾過すると、スター7として同定される3.59gの透明な液体が得られた。13C NMR(C)−2.93(SiCH)、3.89(SiCH)、7.99(SiCH)、19.06(CH)、58.94(SiOCHCH)、119.2、133.8、136.0、158.9(芳香族)。元素分析:C3258Siについての計算値:C,57.61;H,8.76。測定値:C,57.03;H,8.77。
【0093】
実施例8
スター8、(CO)SiCHCH(CHSiOSi(CH
CHCHSi(OCの合成及び特性決定
2.01g(0.0150モル)の(H(CHSi)O、10.01g(0.0526モル)の(CH=CH)Si(OC及び14滴のPt触媒から成る溶液を、25℃で2時間撹拌し、そして次に90℃に4時間加熱した。溶液を冷却し、そして揮発物を真空中で除去した。上で述べたような後処理をすると、スター8として同定される10.67gの透明な液体が得られた。NMRスペクトル中に、小量の不純物(約5%)が認められた。13C NMR(C)0.22(SiCH)、3.24(
SiCH)、10.41(SiCH)、18.88(CH)、58.95(SiOCHCH)。KIDS MS(m/e)553(M+39、45%)。
【0094】
実施例9
スター9、(CO)SiCHCH(CHSiCHCH
Si(CHCHCHSi(OCの合成及び特性決定
10.52g(0.0552モル)の(CH=CH)Si(OC及び14滴のPt触媒から成る混合物に、3.72g(0.0254モル)の(H(CHSiCHを30分の期間にわたって添加した。この添加の間は、温度を約35℃で保持した。次に、この混合物を90℃に6時間加熱した。冷却後、揮発物を真空中で除去すると、スター9として同定される10.39gの透明な液体が得られた。NMRスペクトル中に、幾らかの小量の不純物が認められた。13C NMR(C)−3.89(SiCH)、3.82(SiCH)、6.71(SiCH)、7.46(SiCH)、19.07(CH)、58.95(SiOCHCH)。KIDS MS(m/e)565(M+39、100%)。元素分析:C2254Siについての計算値:C,50.14;H,10.33。測定値:C,50.10;H,10.35。
【0095】
10.03g(0.0527モル)の(CH=CH)Si(OC、2.89g(0.0096モル)の((CH)(H)SiO)及び14滴のPt触媒を使用して、スター9と類似のやり方で反応を行った。後処理すると、スター10として同定される8.66gの透明な液体が得られた。13C NMR(C)−0.75(SiCH)、3.12(SiCH)、9.48(SiCH)、19.05(CH)、58.95(SiOCHCH)。KIDS MS(m/e)1290(M+39、100%)。元素分析:C45110Si1020についての計算値:C,43.16;H,8.85。測定値:C,43.15;H,8.79。
【0096】
実施例11
スター12、((CH(CO)SiCHCHCH
(SiO)の合成及び特性決定
10.04g(0.0491モル)の(CH=CHCH)Si(OC、2.32g(0.0097モル)の((CH)(H)SiO)及び14滴のPt触媒を使用して、スター9と類似のやり方で反応を行った。後処理すると、スター12として同定される7.74gの液体が得られた。13C NMR(C)0.131(SiCH)、15.57(SiCH)、17.64(SiCH)、19.03(CH)、22.07(CH)、58.79(SiOCHCH)。KIDS MS(m/e)1095(M+39、100%)。元素分析:C4096Si16についての計算値:C,45.42;H,9.15。測定値:C,46.35;H,9.26。
【0097】
実施例12
スター13、((CH(CO)SiCHCHCH
SiO)の合成及び特性決定
8.49g(0.0416モル)の(CH=CHCH)Si(OC、2.45g(0.0082モル)の((CH)(H)SiO) び14滴のPt触媒を使用して、スター9と類似のやり方で反応を行った。後処理すると、スター12として同定される5.94gの液体が得られた。13C NMR(C)0.269(SiCH)、15.74(SiCH)、17.79(SiCH)、19.04(CH)、22.40(CH)、58.83(SiOCHCH)。KIDS MS(m/e)1359(M+39、100%)。元素分析:C50120Si1020についての計算値:C,45.42;H,9.15。測定値:C,46.41;H,9.23。
【0098】
実施例13
スター14、Si(OSi(CHCHCHCHSi(OC
の合成及び特性決定
10.04g(0.0491モル)のアリルトリエトキシシラン及び14滴(約0.4ml)のPt触媒の撹拌された混合物に、3.17g(0.0096モル)のSi(OSi(CHH)を1時間の期間にわたって添加した。生成した溶液を90℃に4時間加熱し、冷却し、そして室温で18時間撹拌した。過剰の(CH=CHCH)Si(OCを真空中で除去し、そして前に述べたように後処理すると、Si(OSi(CHCHCHCHSi(OCとして同定される8.84gの液体が得られた。13C NMR(C)−0.14((CH)Si)、15.04(SiCH)、16.74(SiCH)、17.80(CH)、22.13(−CH−)、58.86(SiOCH)。KIDS MS(m/e)1183(M+39、100%)。元素分析:C44108Si16についての計算値:C,46.11;H,5.50。測定値:C,46.28;H,9.55。
【0099】
実施例14
スター15、(CO)SiCHCHCH(CHSiC
Si(CHCHCHCHSi(OCの合成及び特性決定
9.56g(0.0468モル)のアリルトリエトキシシラン及び14滴(約0.4ml)のPt触媒の撹拌された混合物に、2.94g(0.0151モル)のH(CHSiCSi(CHHを30分の期間にわたって添加した。生成した溶液を90℃に4時間加熱し、冷却し、そして室温で18時間撹拌した。過剰の(CH=CHCH)Si(OCを真空中で除去し、そして前に述べたように後処理すると、スター15として同定される9.63gの液体が得られた。13C NMR(C)−2.43((CH)Si)、15.96(SiCH)、18.53(SiCH)、19.00(CH)、20.42(−CH−)、58.82(SiOCH)。KIDS MS(m/e)641(M+39、100%)。
【0100】
実施例15
スター17、(CH)Si(OSi(CHCHCHSi(OC
の合成及び特性決定
10.01g(0.0609モル)のトリエトキシシラン、14滴(約0.4ml)のPt触媒及び3.35g(0.0123モル)の(CH)Si(OSi(CHCH=CHの撹拌された混合物を、25℃で2時間撹拌し、そして次に90℃に4時間加熱し、冷却し、そして室温で18時間撹拌した。過剰のHSi(OCを真空中で除去すると、(CH)Si(OSi(CHCHCHSi(OCとして同定される15.46gの透明な液体が得られた。13C NMR(C)0.11((CH)Si)、3.16(SiCH)、10.30(SiCH)、18.82(CH)、58.76(SiOCH)。元素分析:C3178Si12についての計算値:C,44.35;H,9.36。測定値:C,44.99;H,9.46。
【0101】
実施例16
スター18、Si(CHCHSi(OCHの合成及び特性決定
2.21g(0.0162モル)のテトラビニルシラン及び7滴(約0.4ml)のPt触媒の撹拌された混合物に、12.016g(0.0096モル)のトリメトキシシランを1時間の期間にわたって添加した。生成した溶液を90℃に4時間加熱し、冷却し、そして室温で18時間撹拌した。過剰のHSi[O(CH)]を真空中で除去すると、Si(CHCHSi(OCHとして同定される9.78gの液体が得られた。スター1において観察されたものと類似の幾らかのマルコウニコフ付加生成物もま
た、NMR中に見られた。13C NMR(C)2.69(SiCH)、3.34(SiCH)、50.8(SiOCH)。KIDS MS(m/e)663(M+39、90%)、617((CHO+39、100%)。
【0102】
実施例17
水/エタノールによるスター1からのゲル
1.868gのスター1を2.42gの無水エタノール中に溶かして均一な溶液を生成させた。0.040gの0.1NのHClを含む0.510gの水を、中程度に撹拌しながら2分の期間にわたってこの溶液に添加した。水対Si(OR)基の比は1.00であった。この溶液は透明に留まりそして23時間後に透明なゲルを生成させた。湿ったゲルを、最初は室温及び周囲圧力で、次に120℃の温度及び10−5トールの圧力で乾燥させた。乾いたゲルを、粉末化しそして、ASTM標準C1096−86に従って−196℃で窒素を使用するBET法吸着分析による細孔サイズ分析にかけた。サンプルは、4時間後にも窒素吸着による有意の重量増加を示さなかった。乾燥されたゲルの小さな片を水の中に沈めそして顕微鏡の下で観察した。破砕又はガス遊離の証拠は観察されなかった。一緒にすると、これらの観察は、サンプルが開いた多孔性を持っていなかったことを示す。
【0103】
実施例18
HCOOHによるスター3からのゲル
1.562gのスター3を、撹拌しながら1.86gの96%ギ酸に添加した。この混合物は、数秒後に透明な溶液を生成させた。酸対Si(OR)基の比は2.26であった。この溶液をポリエチレンバイアル中に移しそして室温で放置せしめた。サンプルは13分後に透明なゲルを生成させた。バイアルの内容物を、ゲルの液体成分の遅い蒸発によって乾燥せしめた。この物質は2週間後には完全に乾燥していてそして半透明であるそのままの滑らかな直円柱を生成させていた。乾燥されたゲルは、2〜3cmの高さから落とした150gの乳棒からの衝撃の後でそのままに留まった。従来のゾル−ゲルガラスの匹敵するサイズの片は、同じ衝撃にさらすと一様に破壊された。
【0104】
実施例19
テトラヒドロフランによるスター3に関するゲル化速度の減衰
1.183gのスター3を3.20gのテトラヒドロフラン(THF)中に溶かした。0.526gの96%ギ酸を撹拌しながら上の溶液に添加した。酸対Si(OR)基の比は0.842であった。この溶液をフルオロポリマーバイアル中に移しそして室温で放置せしめた。サンプルは19日後に透明なゲルを生成させた。
【0105】
実施例20
スター1からの浸漬及び流れ被膜
HCOOH/テトラヒドロフラン
3.36gのスター1を、実施例4に従って12.37gのテトラヒドロフラン及び2.35gのギ酸と合わせた。酸対Si(OR)基の比は0.96であった。この溶液(4時間でゲル化した)を使用して、浸漬及び流れ被覆技術によってガラススライドの上に被膜を製造した。反応物を混合した3時間後に作られた被膜は透明でクラックがなかった。流れ被膜は、表面プロフィロメトリー(profilometry)によって厚さが2.5マイクロメートルであることが示された。浸漬被膜は厚さが0.5マイクロメートルであった。
【0106】
実施例21
HCOOH中のテトラエトキシシランによるスター1からのゲル、ゲル速度増進
0.865のスター1を2.04gのテトラエトキシシランと合わせて均一な溶液を生
成させ、これを撹拌しながら1.53gのHCOOHに添加した。生成した溶液は8.3分でゲル化した。スターは存在する全シランの10モル%であった。酸対シランの比は2.93であった。HCOOH/シランの同じモル比では、純粋なテトラエトキシシランはゲル化のために約18時間を要求する。
【0107】
実施例22
テトラエトキシシランによるスター1からの高表面積ゲル
1.064gのスター1を2.492gのテトラエトキシシランと合わせて均一な溶液を生成させ、これを撹拌しながら3.161gのHCOOHに添加した。生成した溶液は1.5分でゲル化した。スターは存在する全シランの10モル%であった。HCOOH/シランの同じモル比(4.96)では、純粋なテトラエトキシシランはゲル化のために約2時間を要求する。湿ったゲルを、その製造の何分か以内に60℃で真空下で、次に120℃の温度及び10−5トールの圧力で乾燥させた。次に、乾いたゲルを実施例17中の手順に従って多孔性分析にかけた。表面積は、約2.0ナノメートルの平均細孔サイズを有して、629m/gであると測定された。この表面積値は、スターゲル前駆体なしでテトラエトキシシランから作られたゲルに関してこの手順によって観察された値よりも高い。
【0108】
実施例23
HCOOH/塩化メチレンによるスター10からのゲル
1.92gのスターゲル前駆体10を4.05gの試薬級塩化メチレン中に溶かして均一な溶液を生成させた。0.785gの96%ギ酸を、中程度の撹拌をしながら1分の期間にわたってこの溶液に滴加した。酸対Si(OR)基の比は0.71であった。生成した溶液は透明に留まり、そして後で一晩放置した際に透明なゲルを生成させた。数滴の溶液を2枚の25x75mmのガラス顕微鏡スライドの間に入れて、スライドの間に薄い連続的な層を生成させた。数時間後に、スライドは一緒にしっかりと接合されていて、そして中程度の力によってお互いに相対的に分離したり又は動かすことはできなかったが、これはゲルの接着剤性質を示す。
【0109】
実施例24
スター11、Si(CHCHCHSi(OCの合成及び特性決定
{(a);m=0;k=0;h=0;すべてのR=H}
5.28g(0.0321モル)のHSi(OC、及び20mLのヘキサン中のPt触媒溶液5滴の撹拌された溶液に、0.626g(0.0033モル)のSi(CHCH=CHを2分の期間にわたって添加した。この混合物を1時間還流させそして25℃で60時間撹拌した。未反応揮発物を真空中で除去し、そして粗製混合物を前に述べたように後処理すると、1.78g(64%)のSi(CHCHCHSi(OCが得られた。13C NMR(C)16.46、17.89、18.65(SiCH)、19.05(CH)、58.83(SiOCHCH)。KIDS MS(m/e)(M+39、100%)。
【0110】
実施例25
スター16、(CO)SiCHCH(CFCHCHSi
(OCの合成及び特性決定
{(j);p=6;k=0;h=0;すべてのR=H}
0.041g(0.120ミリモル)のCo(CO)、1mLのトルエン中の0.029g(0.234ミリモル)のP(OCHの撹拌された混合物に、2.48g(6.503ミリモル)のCH=CH(CFCH=CH及び5.34g(32.5ミリモル)のHSi(OCを添加した。この混合物を室温で4日間撹拌し、そして反応の完結を確実にするために余分の3.22gのHSi(OCを添
加した。11日間撹拌した後で、溶液を60℃で6時間加熱し、そしてNMR中に残りのビニル基が観察されなくなるまで更に7日間室温で撹拌した。標準的な後処理は5.19gのダークブラウンの溶液を与えた。この残りの色を活性炭の添加によって除去した。生成物混合物中のCH=CH(CFCHCHSi(OC対(CO)SiCHCH(CFCHCHSi(OCの比は、74%対26%であることが見い出された。KIDS MS(m/e)557(一置換された、M+39、100%)、721(M+39、65%)。GC/MS(CI−イソブタン)C1622SiF12+Hに関する正確な質量、計算値m/e 519.1225、測定値m/e 519.1263、C2238Si12+Hに関する正確な質量、計算値m/e 683.2093、測定値m/e 683.2144。
【0111】
実施例26
ClSiCHCH(CFCHCHSiCl(n=6,10)
の合成及び特性決定
{(j);p=6,10;k=0;h=0;すべてのR=H;Q=Cl}
10mLの圧力容器に、1.28g(3.36ミリモル)のCH=CH(CFCH=CH、1.32mL(13.08ミリモル)のHSiCl及び1滴のPt触媒を添加した。反応容器を密封しそして100℃で48時間加熱した。容器を冷却し、そして過剰のHSiClを真空中で除去すると、1.622g(77%収率)の白い固体が残った。GC分析は、この固体が単一の化合物であることを示した。1H NMR(C)1.05(m,2H,SiCH)、1.98(m,2H,SiCH)。ClSiCHCH(CF10CHCHSiClの製造は、3.66g(6.66ミリモル)のCH=CH(CFCH=CH、2.71g(20.02ミリモル)のHSiClを使用して類似のやり方で行った。完全な反応を確保するためには、48時間の120℃の温度が必要であった。後処理すると、1.63g(30%)のClSiCHCH(CF10CHCHSiClがただ一つの生成物として得られた。1H NMR(C)1.02(m,2H,SiCH)、1.91(m,2H,SiCH)。ClSiCHCH(CFCHCHSiClの(CO)SiCHCH(CFCHCHSi(OCへの転換は、エタノールを使用して既知の文献の方法によって達成することができる。
【0112】
実施例27
スター16、(CO)SiCHCH(CFCHCHSi
(OCの合成及び特性決定
{(j);p=6;k=0;h=0;すべてのR=H}
10mLのエーテル中に溶かされた0.259g(0.424ミリモル)の[ICHCH(CFを含む撹拌された溶液を−78℃に冷却した。これに、1.01mL(1.71ミリモル)のtert.−ブチルリチウムを添加した。生成した混合物を1.5時間撹拌し、そして1.90mL(8.518ミリモル)のSi(OCを添加した。この混合物を室温に加温しそして90時間撹拌した。揮発物を真空中で除去すると、0.054g(18%)の茶色の残渣が得られた。GC/MS(CI−イソブタン)は、この残渣が主に(CO)SiCHCH(CFCHCHSi(OCであることを示す(計算値m/e/683.2156、測定値(CO)SiCHCH(CFCHCHSi(OC(ブタン(But))。
【0113】
実施例28
スター21、(CO)(CH(CF10(CHSi
(OCの合成及び特性決定
{(j);p=10;k=4;h=0;すべてのR=H}
5.00g(7.51ミリモル)の[CH=CH(CH(CF、5.55g(33.8ミリモル)のHSi(OC、20mLのトルエン中のPt触媒の10滴から成る溶液を90℃で6時間加熱し、そして室温で10時間撹拌した。揮発物を真空中で除去し、そして通常の後処理をすると、灰色がかった白色のワックス状固体として6.45g(86%)の(CO)Si(CH(CF10(CHSi(OCが得られた。13C NMR(C)11.50、20.71、23.53、29.27、33.12(CH)、31.58(t,CHCF,2J(C−F)=22hz)、18.99(SiOCHCH)、58.91(SiOCHCH)。KIDS MS(m/e)1033(M+39、100%)。
【0114】
実施例29
スター19、1,3,5−((CO)SiCHCH(CH
Si)の合成及び特性決定
{Z=CH;k=0;h=0;すべてのR=H}
3.01g(9.12ミリモル)の1,3,5−((CO)SiCHCH(CHSi)及び8滴のPt触媒に、5.54g(33.7ミリモル)のHSi(OCを添加した。生成した混合物を6時間90℃に加熱し、そして室温で16時間撹拌した。標準的な後処理をすると、単一の生成物として5.83g(78%)の1,3,5−((CO)SiCHCH(CHSi)が得られた。13C NMR(C)−2.91(CHSi)、4.05(CH)、7.99(CH)、19.03(SiOCHCH)、58.97(SiOCHCH)、137.96、140.32(芳香族)。KIDS MS(m/e)861(M+39、100%)。
【0115】
実施例30
スター20、1,2,4−((CO)SiCHCH
の合成及び特性決定
{k=0;h=0;すべてのR=H}
3.206g(0.0198モル)の1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、26.32g(0.160モル)のHSi(OC及び10滴のPt触媒を含む混合物を室温で撹拌した。この溶液を通して5分間酸素を泡立て、そして次に溶液を7時間還流に加熱し、冷却しそして室温で16時間撹拌した。標準的な後処理をすると、透明な液体として11.68g(90%)の1,2,4−((CO)SiCHCHが得られた。13C NMR(C)5.98〜42.72(多くのピーク、CH、CH)、18.18(SiOCHCH)、17.97(二置換、SiOCHCH)、58.17(SiOCHCH)、58.15(二置換、SiOCHCH)。KIDS MS(m/e)639(M+39、100%)。小量の二置換生成物、(CH=CH)((CO)SiCHCHもまた観察された(M+39、26%)。
【0116】
実施例31
非常に低い表面エネルギーのガラスの生成
約0.35g(0.35ミリモル)のスター21、(CO)Si(CH(CF10(CHSi(OCを1.00gの試薬級テトラヒドロフラン中に溶かして、均一な溶液を生成させた。約0.25g(5.43ミリモル)の96%ギ酸を、中程度に撹拌しながら1分の期間にわたってこの溶液に滴加した。生成した溶液は透明に留まり、そして一晩放置すると透明な黄色のゲルを生成させた。この黄色の色は、スターの合成からの残留白金触媒に起因すると信じられる。このゲルを室温で数日の過程にわたって乾燥させて0.278gの重さの透明な黄色のガラス状ディスクとした。このガラスにおける開かれた多孔性に関する証拠は、表面を十分に濡らす流体中にそれを
沈めた時に得られなかった。
【0117】
ガラスの表面エネルギーを、セシル(sessile)落下方法(A.W.Anderson,Physical Chemistry of Surfaces,4th ed.,Wiley−Interscience,NY,1982,341〜342頁)によって数種の異なる液体に関して接触角を測定することによって評価した。これらの測定の後で、サンプルを、シリル化剤であるビストリメチルシリルアセトアミド(アセトニトリル中の10重量%溶液)に室温で15分間さらして、残留する高エネルギーシラノール(Si−OH)表面基をSi−O−SiMe基に転換させた。次に、接触角測定を繰り返した。水及びヨウ化メチレンに関する非常に高い接触角は、殊にシリル化反応の後の、高度に疎水性の低いエネルギーの表面を示す。表面エネルギーは、15.2mN/メートルであると計算されたが、これは、ポリ(テトラフルオロエチレン)[テフロン(R)]に関するものよりも実質的に小さい。表面エネルギーは、式
cosθ=−1+2(γγ1/2/δ
[式中、上付きのdは、液体又は固体自由エネルギーgの分散成分を指し、そして表II中にリストされている]
に従って計算した。ポリマーの上の極性及び無極性液体の両方の接触角を予言するのに極めて正確であるこの式は、接着の可逆的働きはその分散成分によって概算することができるという仮定、そして固体/蒸気自由エネルギーは無視できるという仮定を基にしている。詳細に関しては、B.Sauer,J.Adhesion Sci.Tech.,6,955(1992)を参照せよ。
【0118】

表II
フルオロガラスサンプルの表面エネルギーデータ
生成したまま シリル化後 PTFE*
接触角、水(前進する) 90° 123° 110°
接触角、CH 測定しなかった 90° 83°
接触角、n−ヘキサデカン 0 11° 40°
表面エネルギー 約30 15.2 23.9
mN/メートル

* ポリ(テトラフルオロエチレン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
X(SiQ (I)
[式中、
Qは、1〜8の炭素原子のアルコキシ、1〜8の炭素原子のアシロキシ、又はハロゲンであり、
nは、2以上の整数であり、そして
Xは、
(a)RSiY4−m
(b)Xが
【化1】

である時にはZはメチル以外でありかつYはエチレン基以外であるという、そしてXが
【化2】

である時にはZはメチル以外でありかつYはエチレン基又はプロピレン基以外であるという条件下で、環構造の基
【化3】

(c)RSi(OSi(CHY)4−m
(d)RSi(OY)4−m
(e)CHSiY−O−SiYCH
(f)Qがメトキシ又はエトキシである時には、以下に定義されるようなYの定義においてh又はkのどちらかはゼロよりも大きいという条件下で、
Y(CHSi−C−Si(CHY、
(g)O[−C−Si(CHY]
(h)以下に定義されるようなYの定義において、Qがエトキシである時にはh又はkのどちらかはゼロよりも大きくそしてQがメトキシである時にはh+kは1よりも大きいという条件下で、
O[Si(CHY]
(i)Y(CHSiCH−CHSi(CHY、
(j)Yはエチレン基以外であるという条件下で、Y(CFY、
(k)YSiOSiY
(l)YSi(CHSiY
(m)YSiCSiY
(n)(i)C(SiZ3−a
(ii)C(SiZ3−a
(iii)CH(SiZ3−a、及び
(iv)C(SiZ3−a
から成る群から選ばれた置換されたベンゼンの基、並びに
(o)(i)1,2−C10(Y)、1,3−C10(Y)、1,4−C
10(Y)
(ii)1,2,4−C(Y)、1,2,3−C(Y)、1,
3,5−C(Y)
(iii)1,2,3,4−C(Y)、1,2,4,5−C(Y
、1,2,3,5−C(Y)
(iv)1,2,3,4,5−C(Y)及び
(v)C(Y)
から成る群から選ばれた置換されたシクロヘキサンの基
(ここで、これらの式中、
Zは、1〜4の炭素原子のアルキル基、3,3,3−トルフルオロプロピル、アラルキル、又はアリールであり、
Yは、(CRCRCR(CR−であり、
は、1〜8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
〜Rは、R〜Rの少なくとも一つが水素であるという条件下で、各々独立に
、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
mは、0、1又は2であり、
k及びhは、k又はhの少なくとも一つがゼロであるという条件下で、各々独立に、0〜10の整数であり、
aは、1、2又は3であり、
pは、4〜10の偶数の整数であり、そして
bは、1〜10の整数である)
の(a)〜(o)から成る群から選ばれた少なくとも一種の柔軟な有機連鎖である]
の化合物。
【請求項2】
スター型構造のゲル前駆体化合物1:Si(CHCHSi(OC
スター型構造のゲル前駆体化合物3:Si[OSi(CHCHCHSi(OC
スター型構造のゲル前駆体化合物4:Si(OCHCHCHSi(OC
スター型構造のゲル前駆体化合物5:
【化4】

スター型構造のゲル前駆体化合物7:
【化5】

スター型構造のゲル前駆体化合物9:
【化6】

スター型構造のゲル前駆体化合物11:Si(CHCHCHSi(OC
スター型構造のゲル前駆体化合物13:
【化7】

スター型構造のゲル前駆体化合物14:Si[OSi(CHCHCHCHSi(OC
スター型構造のゲル前駆体化合物15:
【化8】

スター型構造のゲル前駆体化合物17:CHSi[OSi(CHCHCHSi(OC
スター型構造のゲル前駆体化合物18:Si[CHCHSi(OCH
スター型構造のゲル前駆体化合物19:
【化9】

スター型構造のゲル前駆体化合物20:
【化10】

スター型構造のゲル前駆体化合物21:(CO)Si(CH(CF10(CHSi(OC、及び
スター型構造のゲル前駆体化合物22:
【化11】

から成る群から選ばれた、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式III(j)’:
SiQCHCH(CFCHCHSiQ III(j)’
[式中、
Qは、1〜8の炭素原子のアルコキシ、又は1〜8の炭素原子のアシロキシであり、そして
pは、4〜10の偶数の整数である]
の化合物。
【請求項4】
遷移金属触媒又はフリーラジカル開始剤の存在下で、Si−H基を含む化合物をオレフィン性又はアルキニル結合を含む化合物と反応させることを含んで成る、式(I):
X(SiQ (I)
[式中、
Qは、1〜8の炭素原子のアルコキシ、1〜8の炭素原子のアシロキシ、又はハロゲンであり、
nは、2以上の整数であり、そして
Xは、
(a)RSiY4−m
(b)Xが
【化12】

である時にはZはメチル以外でありかつYはエチレン基又はプロピレン基以外であるという、そしてXが
【化13】

である時にはZはメチル以外でありかつYはエチレン基又はプロピレン基以外であるという条件下で、環構造の基
【化14】

(c)RSi(OSi(CHY)4−m
(d)RSi(OY)4−m
(e)CHSiY−O−SiYCH
(f)Qがエトキシである時にはh又はkのどちらかはゼロよりも大きいという条件下で、
Y(CHSi−C−Si(CHY、
(g)O[−C−Si(CHY]
(h)Qがエトキシである時にはh又はkのどちらかはゼロよりも大きいという条件下で、
O[Si(CHY]
(i)Y(CHSiCH−CHSi(CHY、
(j)Yはエチレン以外であるという条件下で、Y(CFY、
(k)YSiOSiY
(l)YSi(CHSiY
(m)YSiCSiY
(n)(i)C(SiZ3−a
(ii)C(SiZ3−a
(iii)CH(SiZ3−a、及び
(iv)C(SiZ3−a
から成る群から選ばれた置換されたベンゼンの基、並びに
(o)(i)1,2−C10(Y)、1,3−C10(Y)、1,4−C
10(Y)
(ii)1,2,4−C(Y)、1,2,3−C(Y)、1,
3,5−C(Y)
(iii)1,2,3,4−C(Y)、1,2,4,5−C(Y
、1,2,3,5−C(Y)
(iv)1,2,3,4,5−C(Y)及び
(v)C(Y)
から成る群から選ばれた置換されたシクロヘキサンの基
(ここで、これらの式中、
Zは、1〜4の炭素原子のアルキル基、3,3,3−トルフルオロプロピル、アラルキル、又はアリールであり、
Yは、(CRCRCR−であり、
は、1〜8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
〜Rは、R〜Rの少なくとも一つが水素であるという条件下で、各々独立に、水素、1〜8の炭素原子のアルキル、又はアリールであり、
mは、0、1又は2であり、
k及びhは、k又はhの少なくとも一つがゼロであるという条件下で、各々独立に、0〜10の整数であり、
aは、1、2又は3であり、
pは、4〜10の偶数の整数であり、そして
bは、1〜10の整数である)
の(a)〜(o)から成る群から選ばれた少なくとも一種の柔軟な有機連鎖である]
の化合物の製造のための方法。

【公開番号】特開2007−51152(P2007−51152A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285380(P2006−285380)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【分割の表示】特願平6−508262の分割
【原出願日】平成5年9月15日(1993.9.15)
【出願人】(500002766)シーケイ・ウイトコ・コーポレーシヨン (1)
【Fターム(参考)】