説明

柔軟ワークのワーク誘導装置

【課題】生地製品などの柔軟ワークWを包装する場合に、柔軟ワークWの折り姿の大きさや包装材の形状、或いはそれらの向きなどを種々に変更することに対応でき、しかもそれらの対応が簡単に行えるようにする。
【解決手段】動作のオンオフ切替に基づいて柔軟ワークWを支持した状態での水平旋回によるターンの可否を選択できるターンテーブル3と、このターンテーブル3上の柔軟ワークWを後押しして包装工程へ押し込むプッシャー4と、ターンテーブル3から包装工程へ向けて押し込まれる柔軟ワークWの左右両側及び上部を規制するガイド5とを有し、ターンテーブル3の上方にはターン中の柔軟ワークWの略中央部に押下ピン27を押しつけ可能にした位置保持手段6が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生地製品などの柔軟ワークを包装する場合に、この包装工程へ向けて柔軟ワークを誘導するうえで好適に採用可能となる柔軟ワークのワーク誘導装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生地製品などの柔軟ワークを包装する場合、柔軟ワークをコンパクトな折り姿にしたうえで、これをケースや袋等の包装材へ押し込むようにすることがある(例えば特許文献1等参照)。
なお、包装材に袋を用いる場合の袋入れ装置の一例として、柔軟ワークと袋とを別々に搬送して1箇所で合流させ、柔軟ワークを所定の折り姿にすると共に、袋の口を吸着パッドで相反する方向へ開き、そこへ柔軟ワークをプッシャで後押ししながら押し込むようにする装置が知られている(例えば、特許文献2等参照)。
【特許文献1】特開2002−332083号公報
【特許文献2】実公平8−8973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近の柔軟ワークには低価格商品の多様化や品質向上に伴ってその包装方法にもコスト削減のための見直しが迫られてきており、また省資源化や商品の差別化といったことにも対応して様々な包装方法が試されるようになってきている。そのため柔軟ワークの折り姿は、柔軟ワークの大きさや形態、折り方法等によって平面視した状態を縦長にしたり横広にしたりすることが考えられ、また包装材の方も短辺側が開口する縦長タイプや長辺側が開口する横広タイプを種々、検討するようになってきた。
【0004】
ところが従来公知の袋入れ装置等では、柔軟ワークの折り姿の大きさや包装材の形状、或いはそれらの向きといったものは一義的に設定してあり、例えば柔軟ワークを包装材へ押し込むときの柔軟ワークの向きを変更することには簡単に対応できなかった。
すなわち、柔軟ワークの折り姿の大きさや包装材の形状、或いはそれらの向きなどに応じて、その都度、装置の改造や新造が必要となっていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、生地製品などの柔軟ワークを包装する場合に、柔軟ワークの折り姿の大きさや包装材の形状、或いはそれらの向きなどを種々に変更することに対応でき、しかもそれらの対応が簡単に行えるようにしたワーク誘導装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係るワーク誘導装置は、包装工程へ向けて柔軟ワークを搬送するワーク搬入路に対して設けられるものであって、動作のオンオフ切替に基づいて柔軟ワークを支持した状態での水平旋回によるターンの可否を選択できるターンテーブルと、このターンテーブル上の柔軟ワークを後押しして包装工程へ押し込むプッシャーと、ターンテーブルから包装工程へ向けて押し込まれる柔軟ワークの左右両側及び上部を規制するガイドとを有し、上記ターンテーブルの上方にはターン中の柔軟ワークの略中央部に押下ピンを押しつけ可能にした位置保持手段が設けられている。
【0007】
このようにターンテーブルを具備しており、且つこのターンテーブルは必要に応じて動作のオンオフ切替が可能な構成としてあるので、柔軟ワークをプッシャーにより包装工程(待機させた包装材)へ向けて押し込むときの柔軟ワークの向きを、必要な向きに合わせることが簡単にできる。
しかも、ターンテーブルの上方に位置保持手段を設けた構成としてあるため、ターンテーブルを動作させて柔軟ワークの向き替えを行うときに、柔軟ワークが位置ズレを起こすおそれはない。また柔軟ワークがプッシャーにより後押しされてゆく過程でも、柔軟ワークはガイドによる位置規制を受けるようにしてあるので、柔軟ワークが位置ズレすることはない。
【0008】
のみならず、柔軟ワークに対し、向き替えを原因とした位置ズレが万が一生じたとしても、柔軟ワークはガイドにより位置矯正がなされることになる。このように、柔軟ワークの向き替えを可能にしたものであり、向き替えに伴う位置ズレの発生防止にも対処したものであるので、実用性大である。
結果として、生地製品などの柔軟ワークを包装する場合に本発明に係るワーク誘導装置を採用することにより、柔軟ワークの折り姿の大きさや包装材の形状、或いはそれらの向きなどを種々に変更することに対応でき、しかもそれらの対応が簡単に行えることになる。
【0009】
位置保持手段は、エアシリンダによって押下ピンを押下動させる構造とするのが好適であり、しかもこの場合、押下ピンの下限位置をターンテーブルに未当接高さに設定するのが好適である。
このようにすることで、ターンテーブルに対する柔軟ワークの押し付け力を適度な範囲に抑制できることになり、ターンテーブルの動作で柔軟ワークを確実に向き替えできる(空転させることがない)。またエアシリンダを用いることで、万が一、押下ピンの下端に過大な押し返し力が作用した場合も、作動圧(エア圧)の圧縮により、柔軟ワークにダメージを与えることなく回避できる利点がある。
【0010】
ガイドは、柔軟ワークの左面に対向する左ガイド部材と、柔軟ワークの右面に対向する右ガイド部材と、柔軟ワークの上面に対向する上ガイド部材とを有し、左右のガイド部材のうち少なくとも一方が柔軟ワークに対して近接離反方向に移動可能に設けられたものとするのが好適である。
このようにすることで、柔軟ワークに対する位置規制作用として汎用性を持たせられることになり、ターンテーブルを動作させる場合(柔軟ワークの向き替えを行う場合)に、柔軟ワークの幅寸法に迅速且つ簡単に対応できることになる。
【0011】
なお、この構造は柔軟ワークのサイズ違いにも簡単に対応できることを意味する。また向きやサイズが同じ柔軟ワークに対しても、位置規制作用としてある程度の自由度を持たせられるので、柔軟ワークの移動円滑性やガタツキ度等の調整が自在にできる利点もある。
ターンテーブルは、ガイドにより柔軟ワークの規制を受ける領域をワーク差出位置として、このワーク差出位置とそれより上流側に設定されるワーク受入位置との間を往復動可能に設けるのが好適である。
【0012】
このようにすることで、ターンテーブルとガイドとの構造的な干渉を緩和できることになり、構造の複雑化、煩雑化、大型化等を抑制できることになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るワーク誘導装置は、生地製品などの柔軟ワークを包装する場合に、柔軟ワークの折り姿の大きさや包装材の形状、或いはそれらの向きなどを種々に変更することに対応でき、しかもそれらの対応が簡単に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図5は本発明に係るワーク誘導装置1の一実施形態を示しており、図7乃至図11はその動作状況を示している。このワーク誘導装置1は、包装工程(図示は省略するが図1乃至図4のそれぞれ左端側に設けられるものとする)へ向けて柔軟ワークWを搬送するワーク搬入路2に設けられるものであって、ターンテーブル3と、プッシャー4と、ガイド5と、位置保持手段6とを有している。
【0015】
なお、ワーク搬入路2は、包装工程(要するに袋Pなどの包装材を待機させておく場所)へ向けた柔軟ワークWの移動過程を言うものであって、自ら搬送機能を有しているか否かを問うものではない。
本発明に係るワーク誘導装置1は、このワーク搬入路2の移動過程内に含まれる状態で設けられることになる。図例では、ワーク誘導装置1の上流側に帯ベルトを使ったコンベア7が接続された状態として示してあるが、このコンベア7を帯ベルト以外の方式としたり単なるテーブル(シュート)としてもよい。
【0016】
ターンテーブル3は、ワーク搬送路2の上面レベルに合わせて設けられたテラス10に対してその中央部に円形開口が設けられ、この円形開口内に円盤形のワーク台11が嵌められた構造となっており、このワーク台11が下部に設けられた旋回駆動具12(図3参照)によって回転(水平旋回)可能に設けられた構造となっている。
旋回駆動具12は90°回転と停止とを1サイクル動として動作するもので、パルスモータやサーボモータなどの回転角を制御可能なモータを採用するのが好適であるが、それほど高精度の角度制御も必要ないため、一般型モータ、回転型ソレノイド、回転型流体圧アクチュエータなどを採用してもよい。
【0017】
従って、ワーク台11によって柔軟ワークWを支持した状態で旋回駆動具12を1サイクル動させれば、柔軟ワークWを水平旋回させることができ、これによってワーク搬入路2上での搬送向きを90°ターンさせることができる。勿論、旋回駆動具12を作動させなければ、ワーク搬入路2上での柔軟ワークWの搬送向きを一定に保持させることになる。なお、旋回駆動具12の1サイクル回転動作角は90°に限定されるものではない。
【0018】
テラス10には柔軟ワークWを送り出す方の端部に、通路幅を狭めつつ突き出すようになった出口通路15が設けられており、この出口通路15の両脇には、その進路を徐々に湾曲させながら絞り込む規制壁16が立設されている。この規制壁16は、出口通路15への導入領域を除き、ワーク台11を取り囲む周囲には設けられておらず、後述のガイド5(左ガイド部材32及び右ガイド部材33)との接触干渉を避けてある。
【0019】
このような規制壁16が設けられているため、ワーク台11上から出口通路15へ向かう柔軟ワークWは、その左右両面が規制壁16に触れながら出口通路15内へと確実に導かれ、出口通路15内では所定の向きに整えられる。
本実施形態において、ワーク搬送路2のうちでコンベア7が占める領域は上流域の一部とされ、ターンテーブル3は、コンベア7が及ばない領域内で往復動するようになっている。そのため、テラス10の下部には走行基台18が設けられ、この走行基台18がロッドレスシリンダ等のリニア駆動具19によって走行駆動されるようになっている。
【0020】
ターンテーブル3が往復動する領域のうち、テラス10がコンベア7に最も接近した位置がワーク受入位置(図4(A)参照)になり、出口通路15の先端が包装工程へ達する位置がワーク差出位置(図4(B)参照)になる。
プッシャー4は、ターンテーブル3上の柔軟ワークWを後押しして包装工程へ押し込むためのもので、柔軟ワークWにその背後から当接する押し部材23と、この押し部材23を包装工程へ向けて移動させる移動駆動部24とを有している。またこのプッシャー4は、柔軟ワークWを押し込み移動させる経路に対して押し部材23を進入させたり退出させたりするための出退駆動部25を有している。
【0021】
押し部材23は、柔軟ワークWに対して可及的に幅広く当接できるように平面視T字状に形成された当接部23aと、この当接部23aを支持すべく上方から下向きに側面視J字状を呈して形成された支持ステー23bとを有しており、当接部23a裏面の幅方向中心部に支持ステー23bの下部先端が連結されている。
移動駆動部24は、ターンテーブル3がワーク受入位置とワーク差出位置との間で往復動することに関し、そのストローク全長にわたらせるように設ける必要はなく、少なくとも、ターンテーブル3がワーク差出位置にあるときにワーク台11上の柔軟ワークWに対する背後側へ押し部材23を位置付け、そこから包装工程までの間で押し部材23を移動できるものであればよい。
【0022】
また出退駆動部25は、押し部材23を柔軟ワークWに当接させた状態で押し込み移動させる経路に対し、経路内(柔軟ワークWに当接し得る高さ)とその上方(柔軟ワークWに非当接となる高さ)との間で上下動させる方向で使用してもよいし(図例はこの方式)、或いは経路内とその左方又は右方との間で使用してもよい(図示略)。
なお、この出退駆動部25は、押し部材23と共に移動駆動部24によって移動するものとして設けてもよいし(図例はこの方式)、或いは押し部材23を含んだ移動駆動部24の全体として、出退動作させるように設けてもよい(図示略)。
【0023】
移動駆動部24や出退駆動部25には、ロッドレスシリンダや一般的なエアシリンダ、或いは各種の巻掛け駆動手段やラックとピニオンとの噛合手段をモータ駆動するといった適宜方式を採用できる(図例はいずれもロッドレスシリンダとしてある)。
位置保持手段6は、ターンテーブル3がワーク受入位置にあるときに、ターンテーブル3の上方に位置して設けられている。この位置保持手段6は、ターンテーブル3のワーク台11が回転して柔軟ワークWを向き替えするときに、ターン中の柔軟ワークWの略中央部(ワーク台11の回転中心部)に押下ピン27を押しつけるようになっている。
【0024】
この押下ピン27は下端部が半球状に面取りされており、柔軟ワークWへの当接やその後の柔軟ワークWの回転時に柔軟ワークWとの摩擦を軽減させてある。そのため柔軟ワークWの回転が円滑に行え、また柔軟ワークWにダメージを与えることがない。
この押下ピン27の押下動はエアシリンダ28によって行うようにしてあり、押下ピン27を押下動したとき、その下限位置は押下ピン27の下端がターンテーブル3に未当接となる高さに設定されている。本実施形態ではワーク台11と押下ピン27との上下間に8mmのギャップが生じるようにした。
【0025】
そのため、ターンテーブル3のワーク台11に対する柔軟ワークWの押し付け力を適度な範囲に抑制できることになり、ターンテーブル3の動作で柔軟ワークWを確実に向き替えできる(空転させることがない)。またエアシリンダを用いることで、万が一、押下ピンの下端に過大な押し返し力が作用した場合も、作動圧(エア圧)の圧縮により、柔軟ワークWにダメージを与えることなく回避できる利点がある。
【0026】
ガイド5は、ターンテーブル3がワーク差出位置へ移動した状態で、その上部の柔軟ワークWに対して位置規制を行うように設けられている。このガイド5は、柔軟ワークWの左面に対向する左ガイド部材32と、柔軟ワークWの右面に対向する右ガイド部材33と、柔軟ワークWの上面に対向する上ガイド部材34とを有しており、ターンテーブル3から包装工程へ向けて押し込まれる柔軟ワークWの左右両側及び上部を規制するようになっている。
【0027】
左ガイド部材32には柔軟ワークWに対して近接離反方向に移動可能にする駆動部36が設けられ、右ガイド部材33には柔軟ワークWに対して近接離反方向に移動可能にする駆動部37が設けられている。
また上ガイド部材34についても、柔軟ワークWに対して近接離反方向に移動可能にする駆動部38が設けられている。なお、この上ガイド部材34は、プッシャー4の押し部材23が柔軟ワークWを後押しするときの接触干渉を逃げるため、断面L字型をした左右一対のガイド片39a,39bに分離されており、これら両ガイド片39a,39bの相互間に押し部材23の支持ステー23bを通すための隙間が形成されるようになっている。
【0028】
これらの移動部36,37,38は、ロッドレスシリンダや一般的なエアシリンダ、或いは各種の巻掛け駆動手段やラックとピニオンとの噛合手段をモータ駆動するといった適宜方式を採用できる(図例はいずれもロッドレスシリンダとしてある)。
このように左ガイド部材32、右ガイド部材33、上ガイド部材34を可動にしているため、柔軟ワークWに対する位置規制作用として汎用性を持たせられることになり、ターンテーブル3を動作させる場合(柔軟ワークWの向き替えを行う場合)に、柔軟ワークWの幅寸法に迅速且つ簡単に対応できることになる。
【0029】
なお、この構造は柔軟ワークWのサイズ違いにも簡単に対応できることを意味する。また向きやサイズが同じ柔軟ワークWに対しても、位置規制作用としてある程度の自由度を持たせられるので、柔軟ワークWの移動円滑性やガタツキ度等の調整が自在にできる利点もある。
本実施形態では、包装工程で用いる包装材に軟質性を有した樹脂製の袋Pであってその中へ柔軟ワークWを入れることを想定してある。そのため、袋Pに対して柔軟ワークWを入れる前に、予め袋Pの口を大きく開かせておく必要がある。そこで上記ガイド5の上ガイド部材34に前進用の差込駆動部40を設け、駆動部38がガイド片39a,39bを下降させた後にこの差込駆動部40を作動させることにより、両ガイド片39a,39bの先端を包装工程にて待機する袋Pの口内へ差し込めるようにしてある。
【0030】
差込駆動部40には、ロッドレスシリンダや一般的なエアシリンダ、或いは各種の巻掛け駆動手段やラックとピニオンとの噛合手段をモータ駆動するといった適宜方式を採用できる
次に、このワーク誘導装置1の動作状況を説明する。
まず、図3に示すようにワーク搬送路2の搬入位置(コンベア7上)に柔軟ワークWが供給された状態となり、この柔軟ワークWが、図6(A)に示すように平面視した状態で長辺の長手方向を幅方向(左右方向)へ向けているとする。またターンテーブル3はワーク受取位置にて停止し、コンベア7にて柔軟ワークWが搬入されるのを待ち受けているとする。
【0031】
これに対して包装工程では、袋Pを、長辺の長手方向を幅方向(左右方向)へ向けた状態で待機させるものとおく。すなわち、コンベア7上の柔軟ワークWをそのまま向きを変えずに、真っ直ぐ包装工程で待機する袋Pへ押し込めば袋入れができることになる。
コンベア7による搬送後、このコンベア7上からターンテーブル3のワーク台11上へ柔軟ワークWを移載するには、補助的な移載手段(図示略)による補助移動力を使えばよい。
【0032】
上記したように柔軟ワークWの向きと袋Pの向きとが一致しているので、この段階ではワーク台11を回転させる必要はなく、従って位置保持手段6は、ワーク台11が回転したときの柔軟ワークWの位置ズレを防止させることだけを目的としての動作(押下ピン27の上下動)は不要である。
すなわち、図3の状態(ワーク受入位置)から、図7に示す過程を経ないで一気に図8の状態(ワーク差出位置)までターンテーブル3の移動及び停止を行わせればよい。そして図9に示すようにプッシャー4において出退駆動部25を作動させ、押し部材23を下降させる。
【0033】
次に図4(A)に示す状態から図4(B)に示す状態となるように、ガイド5において左ガイド部材32の駆動部36及び右ガイド部材33の駆動部37を作動させ、これら左ガイド部材32及び右ガイド部材33の相対近接移動によって柔軟ワークWの左右両面を位置規制させる。また引き続き、図10に示すようにガイド5の上ガイド部材34の駆動部38を作動させ、上ガイド部材34の下降によって柔軟ワークWの上面を位置規制させる。
【0034】
このとき、上ガイド部材34の差込駆動部40を作動させて両ガイド片39a,39bを前進させ、それらの先端を包装工程にて待機する袋Pの口内へ差し込ませ、袋Pの口を大きく開かせておく。
その後、図11に示すように、プッシャー4において移動駆動部24を作動させ、押し部材23で柔軟ワークWを後押しして袋P内へ押し込み移動させる。
【0035】
一方、図6(B)に示すように、包装工程において使う袋Pを変更し、その短辺の長手方向が幅方向(左右方向)に向くように態様を変更するものとする。
この場合は、人為的スイッチ操作又はロットごとに設定されたプログラムに応じて、ターンテーブル3のワーク台11に回転動作を実行させ、また位置保持手段6に押下ピン27の上下動を実行させる動作モードを選択する。
【0036】
この動作モードでは、図3の状態(ワーク受入位置)からコンベア7による搬送後、ターンテーブル3のワーク台11上へ柔軟ワークWが移載されると、図7に示すように位置保持手段6が押下ピン27を下降させ、ワーク台11が回転したときの柔軟ワークWの位置ズレを防止できる状態におく。
そしてターンテーブル3がワーク台11を90°回転(水平旋回)させ、柔軟ワークWの向き替えを行う。
【0037】
その後、位置保持手段6が押下ピン27を上昇させ、ターンテーブル3を図8の状態(ワーク差出位置)まで移動させて停止させる。その後は上記と同様であり、図9に示すようにプッシャー4による押し部材23の下降、ガイド5による左ガイド部材32及び右ガイド部材33の相対近接移動(図4(B)参照)、上ガイド部材34の下降及び両ガイド片39a,39bの前進(図10参照)、プッシャー4の押し部材23による柔軟ワークWの後押し(図11参照)が、これらの順番で実行され、柔軟ワークWを袋P内へ押し込む。
【0038】
このようにして、柔軟ワークWの折り姿の大きさや包装材(袋P)の形状、或いはそれらの向きなどを種々に変更することに対応でき、しかもそれらの対応が簡単に行えることになる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【0039】
例えば、ターンテーブル3において、テラス10に設けられる出口通路15は上記実施形態ではその通路中心とワーク台11の旋回中心とがズレた位置付けとしたが、通路中心をワーク台11の旋回中心とを一致させるようにしてもよい。
また、ターンテーブル3とガイド5との関係においても、左右のガイド部材32,33が相対近接したときのセンター位置をワーク台11の旋回中心に一致させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るワーク誘導装置の一実施形態を示した斜視図である。
【図2】図1に対応する平面図である。
【図3】図2に対応する正面図である。
【図4】図2の一部(ターンテーブル周辺)を拡大してその動作状況を説明した図である。
【図5】ターンテーブルを示す斜視図である。
【図6】柔軟ワークと袋(包装材)との関係を説明した図である。
【図7】動作説明図の(その1)である。
【図8】動作説明図の(その2)である。
【図9】動作説明図の(その3)である。
【図10】動作説明図の(その4)である。
【図11】動作説明図の(その5)である。
【符号の説明】
【0041】
1 ワーク誘導装置
2 ワーク搬送路
3 ターンテーブル
4 プッシャー
5 ガイド
6 位置保持手段
27 押下ピン
28 押下ピン駆動用のエアシリンダ
32 左ガイド部材
33 右ガイド部材
34 上ガイド部材
W 柔軟ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装工程へ向けて柔軟ワーク(W)を搬送するワーク搬送路(2)に対して設けられるワーク誘導装置において、
動作のオンオフ切替に基づいて柔軟ワーク(W)を支持した状態での水平旋回によるターンの可否を選択できるターンテーブル(3)と、このターンテーブル(3)上の柔軟ワーク(W)を後押しして包装工程へ押し込むプッシャー(4)と、ターンテーブル(3)から包装工程へ向けて押し込まれる柔軟ワーク(W)の左右両側及び上部を規制するガイド(5)とを有し、
上記ターンテーブル(3)の上方にはターン中の柔軟ワーク(W)の略中央部に押下ピン(27)を押しつけ可能にした位置保持手段(6)が設けられていることを特徴とする柔軟ワークのワーク誘導装置。
【請求項2】
前記位置保持手段(6)は、エアシリンダ(28)により押下ピン(27)を押下動可能とされており且つ押下ピン(27)の下限位置をターンテーブル(3)に未当接高さに設定してあることを特徴とする請求項1記載の柔軟ワークのワーク誘導装置。
【請求項3】
前記ガイド(5)は、柔軟ワーク(W)の左面に対向する左ガイド部材(32)と、柔軟ワーク(W)の右面に対向する右ガイド部材(33)と、柔軟ワーク(W)の上面に対向する上ガイド部材(34)とを有し、左右のガイド部材(32,33)のうち少なくとも一方が柔軟ワーク(W)に対して近接離反方向に移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の柔軟ワークのワーク誘導装置。
【請求項4】
前記ターンテーブル(3)は、ガイド(5)により柔軟ワーク(W)の規制を受ける領域をワーク差出位置としてこのワーク差出位置とそれより上流側に設定されるワーク受入位置との間を往復動可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の柔軟ワークのワーク誘導装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−246094(P2007−246094A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67838(P2006−67838)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】