説明

柔軟洗浄剤組成物

【課題】柔軟化基剤として粘土鉱物を用い、繊維製品等の被洗浄物の洗浄と同時に、優れた柔軟性を付与し得る柔軟洗浄剤組成物、組成物を用いた柔軟洗浄方法及び柔軟効果増強方法を提供する。
【解決手段】(a)粘土鉱物3〜15質量%、(b)水中で過酸化水素を放出する化合物0.5〜20質量%、(c)過酸化水素と反応して有機過酸を生成する過酸前駆体0.1〜10質量%、(d)結晶性アルミノ珪酸塩20〜50質量%(但し、(a)成分と(d)成分の質量比が1/10〜2/5)、並びに(e)界面活性剤(脂肪酸塩を除く)5〜25質量%、を含有する柔軟洗浄剤組成物、該組成物を用いた繊維製品の柔軟洗浄方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟化基剤として粘土鉱物を用いた柔軟洗浄剤組成物、該柔軟洗浄剤組成物を用いた繊維製品の柔軟洗浄方法、及び柔軟効果増強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、洗浄後の繊維製品が、繊維処理剤の脱落や塩類の付着等によって、柔らかさを失い、ごわごわした感触になるのを防止するために、洗浄剤に柔軟化剤を配合することが検討されてきた。繊維表面に沈着して、繊維製品の風合いに柔軟性を付与する柔軟化剤として、従来、スメクタイト等の粘土鉱物(例えば特許文献1参照。)、ジアルキル型第4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤(例えば非特許文献1参照。)、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン(例えば特許文献2参照。)、等が用いられてきた。しかし、十分な柔軟効果を得るには至っていなかった。
【0003】
近年、配合の容易性、環境対応等の点から、粘土鉱物の柔軟効果増強方法の検討がなされている。例えば、ベントナイトとペンタエリトリトール化合物との併用(例えば特許文献3参照。)、粘土鉱物と凝集剤との併用(例えば特許文献4参照。)、ベントナイトと可溶性カリウム塩との併用(例えば特許文献5、非特許文献1参照。)等が知られている。しかし、未だに洗浄工程の中で十分な柔軟性を付与するには至っていない。
【特許文献1】特開昭49−85102号公報
【特許文献2】特開2002−249799号公報
【特許文献3】特開平5−140869号公報
【特許文献4】特表2002−541342号公報
【特許文献5】特表平8−506843号公報
【非特許文献1】周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)、特許庁公報、平成10(1998).3.26 発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、柔軟化基剤として粘土鉱物を用い、繊維製品等の被洗浄物の洗浄と同時に、洗浄物に優れた柔軟性を付与し得る柔軟洗浄剤組成物、該柔軟洗浄剤組成物を用いた繊維製品の柔軟洗浄方法及び柔軟効果増強方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 (a)粘土鉱物3〜15質量%、
(b)水中で過酸化水素を放出する化合物0.5〜20質量%、
(c)過酸化水素と反応して有機過酸を生成する過酸前駆体0.1〜10質量%、
(d)結晶性アルミノ珪酸塩20〜50質量%(但し、(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕が1/10〜2/5である)、並びに
(e)界面活性剤(脂肪酸塩を除く)5〜25質量%、
を含有する、
柔軟洗浄剤組成物、
〔2〕 前記〔1〕記載の柔軟洗浄剤組成物で被洗浄物を洗浄する工程を有する繊維製品の柔軟洗浄方法、
〔3〕 (a)粘土鉱物、
(b)水中で過酸化水素を放出する化合物、
(c)過酸化水素と反応して有機過酸を生成する過酸前駆体、
(d)結晶性アルミノ珪酸塩、並びに
(e)界面活性剤(脂肪酸塩を除く)を、
(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕が1/10〜2/5、
(a)成分と(c)成分の質量比〔(a)成分/(c)成分〕が1/1〜20/1、
(d)成分と(e)成分の質量比〔(d)成分/(e)成分〕が8/1〜1/1、
の質量比率で繊維製品に適用する、粘土鉱物の繊維製品に対する柔軟効果の増強方法、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の柔軟洗浄剤組成物を用いることにより、柔軟性に優れた繊維製品等の洗浄を行うことができるという効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
1.柔軟洗浄剤組成物
(a)粘土鉱物3〜15質量%、
(b)水中で過酸化水素を放出する化合物0.5〜20質量%、
(c)過酸化水素と反応して有機過酸を生成する過酸前駆体0.1〜10質量%、
(d)結晶性アルミノ珪酸塩20〜50質量%(但し、(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕が1/10〜2/5である)、並びに
(e)界面活性剤(脂肪酸塩を除く)5〜25質量%、
を含有することを特徴とする。
【0008】
本発明においては、かかる特徴を有することにより、柔軟性に優れた繊維製品等の被洗浄物の洗浄を行うことができるという効果が発現される。
なお、本発明において、柔軟性とは、衣類に触れた際に感じる柔らかさ・滑らかさを意味し、繊維製品の例としてはタオル、バスタオル、Tシャツ、トレーナー等が挙げられる。
【0009】
以下、本発明の柔軟洗浄剤組成物についてさらに詳しく説明する。
<(a)成分>
本発明の柔軟洗浄剤組成物は(a)成分として粘土鉱物を3〜15質量%含有する。柔軟性能、洗浄性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(a)成分の含有量は、4〜13質量%が好ましく、5〜12質量%がより好ましく、6〜10質量%が更に好ましく、7〜9質量%が特に好ましい。
【0010】
(a)成分としては、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト等)、脆雲母(クリントナイト、マーガライト等)、スーライト、蛇紋石鉱物(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト等)、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等)等が挙げられる。中でも、柔軟性能の点で、タルク、スメクタイト、膨潤性雲母、バーミキュライト、クリソタイル、カオリン鉱物等が好ましく、スメクタイトがより好ましく、モンモリロナイトが更に好ましい。これらは単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0011】
また、(a)成分としては、耐ケーキング性、仕上がり感の点で、以下の一般式(1):
[Si(MgAl)O20(OH)X−・Me (1)
(0<a≦6、0<b≦4、x=12−2a−3b、Me:Na、K、Li、Ca1/2、Mg1/2およびNHの少なくとも1種)
で表される粘土鉱物が好ましい。かかる一般式(1)で表される粘土鉱物の例としては、ズード・ケミ社製の「ラウンドロジルDGA212」、「ラウンドロジルPR414」、「ラウンドロジルDGAパウダー」、ラヴィオッサ社製の「デタソフトGIS」、「デタソフトGIB」、「デタソフトGISW」等が挙げられる。なお、かぎ括弧内の用語は、商品名を示す。
【0012】
これらの(a)成分は、天然品でも、合成品でもよい。
【0013】
<(b)成分>
本発明の柔軟洗浄剤組成物は、(b)成分として水中で過酸化水素を放出する化合物を0.5〜20質量%含有する。柔軟性能、洗浄性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(b)成分の含有量は、1〜20質量%が好ましく、1.5〜16質量%がより好ましく、2〜13質量%が更に好ましく、2.5〜10質量%が更に好ましく、3〜8質量%が更に好ましい。
【0014】
(b)成分としては、炭酸塩・過酸化水素付加物、硼酸塩・過酸化水素付加物、トリポリリン酸塩・過酸化水素付加物、ピロリン酸塩・過酸化水素付加物、尿素・過酸化水素付加物等が挙げられる。この中でも、炭酸塩・過酸化水素付加物、硼酸塩・過酸化水素付加物が好ましく、炭酸ナトリウム・過酸化水素付加物、硼酸ナトリウム・過酸化水素付加物がより好ましい。高温での洗浄性能の点で硼酸ナトリウム・過酸化水素付加物が更に好ましく、低温での洗浄性能の点で炭酸ナトリウム・過酸化水素付加物が更に好ましい。
【0015】
また、(b)成分は、無機化合物や有機化合物等で被覆されることが貯蔵安定性の点で好ましい。無機化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、珪酸ナトリウム等が挙げられ、有機化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。中でも、少なくともホウ酸又はホウ酸塩を用いて被覆することが好ましい。ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等が挙げられ、その塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が挙げられる。
【0016】
前記無機化合物又は有機化合物を用いた(b)成分の被覆は、例えば、特開昭59−196399号公報記載の方法により行うことができる。(b)成分の量としては、(b)成分を含む粒子中、50〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。被覆に用いられる前記無機化合物又は有機化合物の量は、(b)成分が(b)成分を含む粒子として用いられる場合、該粒子中、安定性、溶解性の点で、0. 5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。また、従来より知られている安定化剤、溶解促進剤、キレート剤等を前記粒子に含有させても良い。中でも塩化物、尿素、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が溶解性の点で好ましく、それらの比率は、それぞれ、前記粒子中0.1〜5質量%が好ましい。
【0017】
<(c)成分>
(c)成分は、水中で過酸化水素(具体的には、(b)成分から放出される過酸化水素)と反応し有機過酸を発生する化合物である。本発明の柔軟洗浄剤組成物においては、かかる(c)成分を含有することで、(a)成分単独の場合に比べ、柔軟効果が向上するという利点がある。
本発明の柔軟洗浄剤組成物は、(c)成分として過酸化水素と反応して有機過酸を生成する過酸前駆体を0.1〜10質量%含有する。柔軟性能、洗浄性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(c)成分は、0. 4〜8質量%が好ましく、0. 6〜7質量%が好ましく、0. 8〜6質量%がより好ましく、1〜5質量%がさらに好ましく、1.5〜4質量%が特に好ましい。
(c)成分としては、グルコースペンタアセテート、トリアセチン、N,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン、テトラアセチルグリコリルウリル等の漂白活性化剤を使用することができるが、効果の点で、以下に示す一般式(2)〜(5)で表される化合物が好ましく、一般式(2)〜(3)で表される化合物が特に好ましい。
【0018】
【化1】

【0019】
〔式中、Rは炭素数4〜18の炭化水素基、例えばアルキル基やアルケニル基、Rは炭素数5〜18の炭化水素基、例えばアルキル基やアルケニル基、Mは水素原子又はアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム若しくはアルカノールアミンを示し、Mがアルカリ土類金属原子の場合、nは2、Mがアルカリ金属原子、アンモニウム若しくはアルカノールアミンの場合、nは1である。〕
【0020】
【化2】

【0021】
〔式中、R、R、R、R、R、R、R10は、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基)又はヒドロキシアルキル基(好ましくはヒドロキシエチル基)であり、Rは炭素数2〜10のアルキレン基であり、Xは陰イオン(好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン)を示す。〕
【0022】
前記一般式(2)及び(3)中、R及びRとしては、洗浄性能の点で、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは10〜13のアルキル基又はアルケニル基(より好ましくはアルキル基)が好ましい。また、Mとしては、アルカリ金属原子が好ましく、中でもナトリウム、カリウムが好ましく、特にナトリウムが好ましい。
なお、有機過酸とは、(c)成分と、(b)成分由来の過酸化水素とが反応して生じる過酸化物をいう。
【0023】
(c)成分を柔軟洗浄剤組成物中に配合する場合、安定性の点で(c)成分を含む粒子として配合することが好ましい。(c)成分を含む粒子中の(c)成分の量は好ましくは1〜80質量%、より好ましくは20〜80質量%、特に好ましくは30〜75質量%である。また、(c)成分を含む粒子には(c)成分の洗濯浴中での溶解性を改善するためにポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル硫酸塩及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を(c)成分を含む粒子中に0〜50質量%配合するのが好ましく、より好ましくは1〜45質量%、更に好ましくは2〜40質量%である。
【0024】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドがブロック状に付加したものが好ましく、エチレンオキシド平均付加モル数は3〜20が好ましく、4〜15が更に好ましく、プロピレンオキシド平均付加モル数は1〜10が好ましく、2〜7が更に好ましい。アルキル基の炭素数は10〜18が好ましく、12〜16が更に好ましい。
【0025】
アルキル硫酸塩としては、炭素数10〜18で、ナトリウム塩が好ましく、ラウリル硫酸ナトリウム又はミリスチル硫酸ナトリウムが更に好ましい。
【0026】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましく、またナトリウム塩が良好である。ここでポリオキシエチレン基の平均重合度(以下EOp)は1〜10、更に1〜5が良好であり、更にポリオキシエチレン(EOp=2〜5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(EOp=2〜5)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウムが良好である。
【0027】
(c)成分を含む粒子は、上記成分を、ポリオキシエチレン及び脂肪酸から選ばれるバインダー物質を用いて製剤化したものでもよい。
【0028】
ポリオキシエチレンとしては平均分子量2000〜20000、更に4000〜15000、更に4000〜10000のものが良好である。また、脂肪酸としては炭素数8〜20、更に10〜18、更に12〜18のものが好ましく、これらはナトリウムあるいはカリウム石鹸の状態であってもよい。
【0029】
バインダー物質は(c)成分を含む粒子中に0.5〜30質量%、更に1〜20質量%、更に5〜20質量%使用するのが好ましい。
【0030】
(c)成分を含む粒子には、上記組成物を上記比率で配合することが、安定性の点で好ましい。
【0031】
また、本発明では、(c)成分を含む粒子の安定性をさらに向上させる目的で所望により(c)成分を含む粒子中に酸性物質を配合してもよい。酸性物質としては有機カルボン酸類が好ましく、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、クエン酸、グリコール酸及びp−ヒドロキシ安息香酸から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。このような酸性物質の配合量は、(c)成分を含む粒子中に0〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは1〜10質量%が好適である。
【0032】
(c)成分を含む粒子は、上記成分を任意の方法で混合して得ることができるが、更に(c)成分と前記界面活性剤の一部もしくはすべてを先に混合し、その後、残りの界面活性剤、バインダー物質、酸性物質等を添加する方法が好ましい。
【0033】
また、バインダー物質は予め融解して添加することが好ましい。バインダー物質は40〜100℃、更に50〜100℃、更に50〜90℃で融解させて添加するのが好ましい。
【0034】
上記のようにして得られた混合物は、均一になるまで攪拌混合された後、通常の造粒機により製剤化される。
【0035】
好ましい造粒法として押し出し造粒を挙げることができ、平均粒径が500μm〜5000μm、更に500〜3000μm、特に500〜1500μmの造粒物にすることが好ましい。また、その他の造粒法としてはブリケット機による錠剤形状にすることも好ましい造粒法として挙げることができる。
【0036】
<(d)成分>
本発明の柔軟洗浄剤組成物は(d)成分として結晶性アルミノ珪酸塩を20〜50質量%含有する。柔軟性能、洗浄性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(d)成分の含有量は、23〜46質量%が好ましく、26〜44質量%がより好ましく、30〜42質量%が更に好ましく、35〜40質量%が更に好ましい。
【0037】
結晶性アルミノ珪酸塩としては、具体的には次式で示される結晶性アルミノ珪酸塩が挙げられる。 x'(M2O)・Al2O3・y'(SiO2)・w'(H2O)(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x',y',w'は各成分のモル数を表わし、一般的には、0.7≦x'≦1.5、0.8≦y'≦6、w'は任意の定数である。)これらの中で、更に次の一般式で示されるものが好ましい。Na2O・Al2O3・ySiO2・wH2O(式中、yは1.8〜3.0、wは1〜6の数を表わす。)更に、結晶性アルミノ珪酸塩(ゼオライト)としては、A型、X型ゼオライトに代表される平均一次平均粒子径0.1〜10μmであり、平均粒子径が15μm以下の合成ゼオライトが好適に使用される。
【0038】
<(e)成分>
本発明の柔軟洗浄剤組成物は(e)成分として界面活性剤(脂肪酸塩を除く)を5〜25質量%含有する。柔軟性能、洗浄性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(e)成分の含有量は、7〜24質量%が好ましく、8〜23質量%がより好ましく、9〜22質量%が更に好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。
【0039】
(e)成分としては、(e1)陰イオン界面活性剤、(e2)非イオン界面活性剤、(e3)陽イオン界面活性剤、(e4)両性界面活性剤を挙げることができる。
【0040】
中でも、洗浄性能、柔軟性能の点で、(e1)陰イオン界面活性剤を含有することが好ましく、(e)成分中70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が更に好ましく、98質量%以上が更に好ましい。
【0041】
(e1)成分としては、炭素数10〜18のアルコールの硫酸エステル塩、炭素数8〜20のアルコールのアルコキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩が好ましい。本発明では特に、アルキル鎖の炭素数が10〜14の、より好ましくは12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を含有することが好ましく、対イオンとしては、アルカリ金属塩やアミン類が好ましく、更にナトリウム及び/又はカリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンが好ましい。
また、アルキル硫酸塩との混合系がより好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸塩/アルキル硫酸塩の質量比が30/1〜1/1が更に好ましく、5/1〜6/5が更に好ましい。さらに、柔軟性の観点より、アルキル硫酸塩のアルキル基の分岐鎖/直鎖の比率は10/90〜99/1が好ましく、20/80〜97/3がより好ましく、30/70〜95/5が更に好ましく、40/60〜90/10が特に好ましい。
【0042】
(e2)としては、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)エーテル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸(脂肪酸残基の炭素数7〜21)エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸(脂肪酸残基の炭素数7〜21)エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーが好ましい。特に、炭素数10〜18のアルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを平均で4〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。非イオン性界面活性剤は、HLB値(グリフィン法で算出)が10. 5〜15. 0、更に11. 0〜14. 5のものが好ましい。
【0043】
(e3)としては、モノ(又はジ)長鎖アルキル型第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0044】
(e4)としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミノプロピルベタイン等が挙げられる。
【0045】
<(f)成分>
また、本発明の柔軟洗浄剤組成物は、柔軟性、溶解性の点で、(f)成分として多価アルコールを0.1〜10質量%含有することが好ましく、0.2〜6質量%がより好ましく、0.4〜4質量%が更に好ましく、0.6〜3質量%が特に好ましい。
【0046】
(f)成分は、分子内に水酸基を2個以上有する化合物である。(f)成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、カテコール、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、レゾルシン、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールオクタン、ヘキサントリオール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、テトラグリセリン、ポリエチレングリコール、グリセロール、マンニトール、グルコース、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等が挙げられる。
【0047】
(f)成分の多価アルコールは、融点40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましく、20℃以下のものが更に好ましい。なお、この融点は、JIS K0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」の目視による方法に従って測定することができる。
【0048】
(f)成分としては、グリセリン及び/又はポリエチレングリコールが好ましく、グリセリン及びポリエチレングリコールが更に好ましい。
【0049】
<水分>
また、柔軟洗浄剤組成物は、安定性、生産性の点で、水(JIS K 3362:1998記載の過熱減量法による水分)を0. 1〜10質量%含有することが好ましく、0. 2〜6質量%がより好ましく、0. 5〜4質量%が更に好ましく、0. 5〜3質量%が特に好ましい。
【0050】
<表面改質剤>
本発明の柔軟洗浄剤組成物は、流動性及び耐ケーキング性の点で、表面改質剤を用いて表面改質されてもよい。表面改質剤としては、例えば、アルミノケイ酸塩、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、非晶質シリカ誘導体、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物、金属石鹸、粉末の界面活性剤等の微粉体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩等のポリカルボン酸塩等の水溶性ポリマー、脂肪酸が挙げられる。より好ましくはアルミノ珪酸塩、結晶性シリケート化合物であり、更に好ましくはアルミノ珪酸塩である。表面改質剤の含量は保存安定性の点で、本発明の柔軟洗浄剤組成物中の20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。また、表面改質の点で、本発明の柔軟洗浄剤組成物の1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。また、(a)成分の粘土鉱物の一部を表面改質剤として用いてもよい。
【0051】
<その他成分>
本発明の柔軟洗浄剤組成物は、衣料用洗浄剤の分野で公知のビルダー(非晶質アルミノ珪酸塩、結晶性珪酸塩、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、炭酸塩及び珪酸塩、有機系ビルダーとしては、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、シクロカルボン酸塩、エーテルカルボン酸塩及び有機カルボン酸(塩)ポリマー等)、再汚染防止剤(ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース等)、その他の柔軟化剤、蛍光染料、抑泡剤(石鹸、シリコーン等)、酵素(プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等)、酵素安定化剤、着色剤、香料等を含有させることができる。
【0052】
<成分比率>
本発明の柔軟洗浄剤組成物において、(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕は1/10〜2/5である。この質量比は、柔軟性能の点で、1/8〜1/3が好ましく、1/7〜2/7がより好ましく、1/6〜1/4が更に好ましい。
【0053】
また、柔軟洗浄剤組成物中の(a)成分と(d)成分の合計量は、30〜60質量%が好ましく、35〜55質量%がより好ましく、40〜50質量%が更に好ましい。
【0054】
また、柔軟性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(a)成分と(c)成分の質量比〔(a)成分/(c)成分〕が1/1〜20/1が好ましく、5/4〜10/1がより好ましく、5/3〜20/3が更に好ましく、5/2〜5/1が更に好ましい。
【0055】
また、洗浄性能、柔軟性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(d)成分と(e)成分の質量比〔(d)成分/(e)成分〕が8/1〜1/1が好ましく、7/1〜5/4がより好ましく、6/1〜5/3が更に好ましく、5/1〜2/1が更に好ましく、4/1〜5/2が更に好ましい。
【0056】
また、柔軟性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(b)成分と(c)成分の質量比〔(b)成分/(c)成分〕が10/1〜1/2が好ましく、9/1〜4/5がより好ましく、8/1〜1/1が更に好ましく、7/1〜4/3が更に好ましく、5/1〜2/1が更に好ましい。
また、柔軟洗浄剤組成物中の(b)成分と(c)成分の合計量は、2〜25質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましく、4〜14質量%が更に好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。
【0057】
また、柔軟性能の点で、柔軟洗浄剤組成物中の(a)成分と(f)成分の質量比〔(a)成分/(f)成分〕が5/3〜100/1が好ましく、2/1〜50/1がより好ましく、5/2〜100/3が更に好ましく、10/3〜25/1が更に好ましく、5/1〜20/1が更に好ましい。
【0058】
本発明の柔軟洗浄剤組成物は、洗浄性能、柔軟性能の点で、(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕が1/10〜2/5、(a)成分と(c)成分の質量比〔(a)成分/(c)成分〕が1/1〜20/1、(d)成分と(e)成分の質量比〔(d)成分/(e)成分〕が8/1〜1/1、の質量比率であることが特に好ましく、更に(b)成分と(c)成分の質量比〔(b)成分/(c)成分〕が10/1〜1/2であることがより好ましく、更に(a)成分と(f)成分の質量比〔(a)成分/(f)成分〕が5/3〜100/1であることがより好ましい。
【0059】
以上のような組成を有する本発明の柔軟洗浄剤組成物は、前記各成分を公知の方法で混合することによって製造することができる。
【0060】
2.柔軟洗浄剤組成物の物性
本発明の柔軟洗浄剤組成物は、安定性の点で、粉末や錠剤形態であることが好ましく、粉末形態がより好ましい。低温溶解性、安定性の点で、JIS K 3362:1998記載のふるい分け機械によるふるい分け方法によって測定される粒度から求められる平均粒径は200〜1000μmが好ましく、より好ましくは250〜900μm、更に好ましくは300〜800μmである。低温溶解性、安定性の点で、JIS K 3362:1998に記載の方法によって測定される見かけ密度は300〜1200g/Lが好ましく、400〜1100g/Lがより好ましく、600〜1000g/Lが更に好ましく、700〜980g/Lが特に好ましい。
【0061】
洗浄性能、柔軟性能、損傷性の点で、柔軟洗浄剤組成物のJIS K3362:1998記載の20℃で測定する0.05質量%の水溶液のpHは8〜12が好ましく、9〜11.5がより好ましく、9.5〜11が更に好ましく、10〜11が特に好ましい。
【0062】
洗浄性能、柔軟性能の点で、柔軟洗浄剤組成物の下記測定方法によるカルシウム捕捉量は、20〜300CaCOmg/gが好ましく、50〜200CaCOmg/gがより好ましく、100〜150CaCOmg/gが更に好ましい。
【0063】
(カルシウム捕捉量の測定方法)
カルシウム捕捉量(Ca捕捉量)は、特開平3−277696号公報3頁右下欄6行目から4頁左上欄6 行目記載の方法(但し、陰イオン性界面活性剤を柔軟洗浄剤組成物と読み替える)により求める。
【0064】
3.繊維製品の柔軟洗浄方法
本発明の繊維製品の柔軟洗浄方法は、前記柔軟洗浄剤組成物で被洗浄物を洗浄する工程を有する。
【0065】
ここで、被洗浄物としては、綿、麻、毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル等の合成繊維等を原料とする繊維製品が挙げられる。
【0066】
また、前記柔軟効果増強方法における洗浄方法としては、通常の繊維製品の洗浄に用いられる公知の方法であればよく、温度、洗浄装置等の洗浄条件については特に限定はない。
【0067】
4.粘土鉱物の繊維製品に対する柔軟効果の増強方法
本発明の粘土鉱物の繊維製品に対する柔軟効果の増強方法(以下、柔軟効果増強方法ともいう)は、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、並びに(e)成分を
(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕が1/10〜2/5、
(a)成分と(c)成分の質量比〔(a)成分/(c)成分〕が1/1〜20/1、
(d)成分と(e)成分の質量比〔(d)成分/(e)成分〕が8/1〜1/1
の質量比率で繊維製品に適用することを特徴とするものである。
かかる特徴を有することで、(a)成分である粘土鉱物の繊維製品に対する柔軟効果が増強される。
【0068】
更に(b)成分と(c)成分の質量比〔(b)成分/(c)成分〕が1/2〜10/1であることが好ましく、更に(a)成分と(f)成分の質量比〔(a)成分/(f)成分〕が5/3〜100/1であることが好ましい。
【0069】
(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕が1/10〜2/5である。この質量比は、柔軟性能の点で、1/8〜1/3が好ましく、1/7〜2/7がより好ましく、1/6〜1/4が更に好ましい。
【0070】
(a)成分と(c)成分の質量比〔(a)成分/(c)成分〕が1/1〜20/1である。この質量比は、柔軟性能の点で、5/4〜10/1がより好ましく、5/3〜20/3が更に好ましく、5/2〜5/1が更に好ましい。
【0071】
(d)成分と(e)成分の質量比〔(d)成分/(e)成分〕が8/1〜1/1である。この質量比は、柔軟性能の点で、7/1〜5/4がより好ましく、6/1〜5/3が更に好ましく、5/1〜2/1が更に好ましく、4/1〜5/2が更に好ましい。
【0072】
(b)成分と(c)成分の質量比〔(b)成分/(c)成分〕が10/1〜1/2が好ましく、9/1〜4/5がより好ましく、8/1〜1/1が更に好ましく、7/1〜4/3が更に好ましく、5/1〜2/1が更に好ましい。
【0073】
(a)成分と(f)成分の質量比〔(a)成分/(f)成分〕が5/3〜100/1が好ましく、2/1〜50/1がより好ましく、5/2〜100/3が更に好ましく、10/3〜25/1が更に好ましく、5/1〜20/1が更に好ましい。
【0074】
なお、前記各成分の質量比率は、柔軟効果増強方法において使用される各成分の最終的な質量から算出される比率である。
【0075】
本発明の柔軟効果増強方法の具体的な態様としては、洗浄浴中に、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)成分を上記比率で投入すればよく、これらの5成分を含む組成物を一度に投入しても、(a)成分及び(b)、(c)、(d)、(e)成分の組成物を別々に投入してもよい。簡便性の点から、前者の方法が好ましい。
【0076】
また、(f)成分をさらに用いる場合、これらの6成分を含む組成物を一度に投入しても、(a)、(d)成分及び(b)、(c)、(d)、(e)、(f)成分の組成物を別々に投入してもよい。簡便性の点から前者の方が好ましい。
【実施例】
【0077】
粘土鉱物、漂白剤粒子、漂白活性化剤粒子、酵素、香料、および表面改質用ゼオライト3質量%を除いた成分で、洗浄剤ベースを得た。これに、粘土鉱物、漂白剤粒子、漂白活性化剤粒子、酵素、香料、および表面改質用ゼオライト3質量%を混合して柔軟洗浄剤組成物1〜21を得た。柔軟洗浄剤組成物の組成を表1、2に示す。
【0078】
得られた柔軟洗浄剤組成物は、全て、JIS K3362:1998記載の20℃で測定する0.05質量%の水溶液のpHは10〜11の範囲、カルシウム捕捉量は50CaCOmg/g〜200CaCOmg/gの範囲、平均粒径は300〜800μmの範囲、見かけ密度は700〜980g/Lの範囲であった。
【0079】
なお、得られた柔軟洗浄剤組成物の洗浄力及び柔軟性を以下の方法に従って評価した。これらの結果を表1、2に示す。
【0080】
(襟あか布の調製)
JIS K3362:1998記載の襟あか布を調製した。
【0081】
(洗浄力評価方法)
JIS K 3362:1998記載の衣料用合成洗剤の洗浄力評価方法に準じ、表1、2の柔軟洗浄剤組成物と洗浄力判定用指標洗剤の洗浄力を比較した。表1、2の柔軟洗浄剤組成物の使用濃度を1.0g/Lとした。
評価基準 ○:指標洗剤より勝る
△:指標洗剤と同等
×:指標洗剤より劣る
【0082】
(評価用タオルの調製)
市販の綿タオル(綿100%)をミニ洗濯機(National Panasonic Matsushita Electric製「N−BK2」)を用いて前処理し、また、その際の前処理剤には非イオン界面活性剤(炭素数12の1級アルコールにエチレンオキサイドを平均6モル付加させたもの)、結晶性シリケート(プリフィード顆粒品)、炭酸ナトリウムを1:1:3(重量比)で混合したものを0.5g/Lで使用した。水温20℃で7分洗浄後、遠心脱水、3分ためすすぎ、脱水、3分ためすすぎ、脱水を合計5回繰り返し、前処理剤を除去したものを評価用タオルとして使用した。
【0083】
(柔軟性評価方法)
20℃の水5Lに表1、2の柔軟洗浄剤組成物1.0gを溶解し、綿タオル0.3kg(70cm×30cmで4枚)を投入し、7分間洗った。脱水後、水5Lで3分ためすすぎ、脱水、3分ためすすぎ、脱水して風乾した。
柔軟洗浄剤組成物で洗った綿タオル(洗浄タオル)と前処理タオル(評価用タオル)とを一対として5人の判定者が手触りの柔らかさを官能評価した。差がない場合及び洗浄タオルの方が前処理タオルより硬くなる場合を0点、わずかに柔らかくなる場合を1点、少し柔らかくなる場合を2点、明らかに柔らかくなる場合を3点とし、5人の合計点を以下のように示した。
評価基準
◎:合計10点以上
○:合計5点以上10点未満
×:合計5点未満
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
表1、2の結果より、(a)、(b)、(c)成分を所定濃度・比率で配合することにより、洗浄力に優れ、柔軟効果が増強された柔軟洗浄剤組成物1〜16が得られることがわかる。
【0087】
なお、実施例中、各成分としては、以下のものを用いた。
・粘土鉱物:「ラウンドロジルDGA212」(ズード・ケミ社製、ベントナイト)
・漂白剤粒子1:炭酸ナトリウム・過酸化水素付加物(過炭酸ナトリウム);特開2000−256699号公報の段落0019に記載の漂白剤粒子)
・漂白剤粒子2:硼酸ナトリウム・過酸化水素付加物
・ 漂白活性化剤粒子1:ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム造粒物(特開2000−256699号公報の段落0018記載の漂白剤粒子)
・漂白活性化剤粒子2:ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムにかえて、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用し、漂白活性化剤粒子2と同様の調整法にて漂白活性化剤粒子2を得た。
・ 漂白活性化剤粒子3:N−シアノメチル、N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド
・ 漂白活性化剤粒子4:N,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン
・ゼオライト:「ゼオビルダー」(ゼオビルダー社製、メジアン径:3.0μm)
・LAS−Na:アルキル基の炭素数12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・ AS−Na:アルキル基の炭素数12〜16のアルキル硫酸エステルナトリウム
・ 分岐AS−Na:アルキル基の炭素数12〜16、分岐鎖/直鎖=50/50の1級アルコールを硫酸化剤と反応させて得られる分岐アルキル硫酸エステルナトリウム
・非イオン界面活性剤1:炭素数10〜14の1級アルコールにEOを平均6モル付加させたもの
・非イオン界面活性剤2:炭素数12〜14の2級アルコールにEOを平均9モル、POを平均1モルの順にブロック付加させたもの
・ PEG:ポリエチレングリコール(平均重量分子量 10000)
・ グリセリン:「日本薬局方濃グリセリン」(花王社製)
・結晶性シリケート:プリフィード顆粒品(株式会社トクヤマシルテック製)
・AAポリマー:ポリアクリル酸(平均分子量1.5万;GPCによる測定、ポリエチレングリコール換算)
・AA/MAポリマー:アクリル酸−マレイン酸コポリマー(ナトリウム塩(70モル%中和)であり、モノマー比はアクリル酸/マレイン酸=3/7(モル比)、平均分子量70000)
・蛍光染料:「チノパールCBS−X」(チバガイギー社製)
・酵素:「セルラーゼK」(特開昭63−264699号公報記載)、「カンナーゼ24TK」(ノボ社製)、「サビナーゼ6.0T」(ノボ社製)を3:1:2 の質量比で使用
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の柔軟洗浄剤組成物は、例えば、綿製のタオル、バスタオルやTシャツ、トレーナーに代表される衣類等の繊維製品の柔軟洗浄剤として好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)粘土鉱物3〜15質量%、
(b)水中で過酸化水素を放出する化合物0.5〜20質量%、
(c)過酸化水素と反応して有機過酸を生成する過酸前駆体0.1〜10質量%、
(d)結晶性アルミノ珪酸塩20〜50質量%(但し、(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕が1/10〜2/5である)、並びに
(e)界面活性剤(脂肪酸塩を除く)5〜25質量%、
を含有する、
柔軟洗浄剤組成物。
【請求項2】
更に、(a)成分と(c)成分の質量比〔(a)成分/(c)成分〕が1/1〜20/1である、請求項1記載の柔軟洗浄剤組成物。
【請求項3】
更に、(d)成分と(e)成分の質量比〔(d)成分/(e)成分〕が8/1〜1/1である、請求項1又は2記載の柔軟洗浄剤組成物。
【請求項4】
更に、(b)成分と(c)成分の質量比〔(b)成分/(c)成分〕が1/2〜10/1である、請求項1〜3何れか記載の柔軟洗浄剤組成物。
【請求項5】
更に、(f)多価アルコール0.1〜10質量%含有する請求項1〜4何れか記載の柔軟洗浄剤組成物。
【請求項6】
(e)界面活性剤(脂肪酸塩を除く)中、(e1)陰イオン界面活性剤が70質量%以上である請求項1〜5何れか記載の柔軟洗浄剤組成物。
【請求項7】
請求項1〜6何れか記載の柔軟洗浄剤組成物で被洗浄物を洗浄する工程を有する繊維製品の柔軟洗浄方法。
【請求項8】
(a)粘土鉱物、
(b)水中で過酸化水素を放出する化合物、
(c)過酸化水素と反応して有機過酸を生成する過酸前駆体、
(d)結晶性アルミノ珪酸塩、並びに
(e)界面活性剤(脂肪酸塩を除く)を、
(a)成分と(d)成分の質量比〔(a)成分/(d)成分〕が1/10〜2/5、
(a)成分と(c)成分の質量比〔(a)成分/(c)成分〕が1/1〜20/1、
(d)成分と(e)成分の質量比〔(d)成分/(e)成分〕が8/1〜1/1、
の質量比率で繊維製品に適用する、粘土鉱物の繊維製品に対する柔軟効果の増強方法。

【公開番号】特開2006−160889(P2006−160889A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354538(P2004−354538)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】