説明

栞及び通信方法

【課題】電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を入力する手間を省いた栞及び通信方法を提供する。
【解決手段】予め、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を記録したORコード2を栞1に印刷しておく。携帯電話5は、栞1のQRコード2を読取部5aで読み取り、該QRコード2に記録されている接続先情報を無線部5bに送り、該当する接続先に自動接続する。本発明によれば、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を通信装置に入力する手間が省け、使用者の利便性が格段に向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば書籍の頁と頁との間に挟み込み使用される栞及びこれを用いた通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
元来、本や雑誌等の書籍の頁と頁との間に差し込む栞は、読みかけの状態で一旦閉じるときにその位置を指し示すものであった。近年、この栞の持つ媒体としての機能に注目し、各種の広告やイベントの開催情報などを印刷することが行われつつある(特許文献1参照)。このような栞には、情報提供者の電話番号やメールアドレスなどが印刷されている場合が多い。
【特許文献1】実開平5−85669号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、栞の使用者が情報提供者に連絡しようとすると、印刷されている電話番号やメールアドレスをパソコンや携帯電話などの通信装置に入力しなければならず、操作が面倒であった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑み、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を入力する手間を省き、使用者の利便性を向上できる栞及びこれを用いた通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の栞は、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を記録した2次元コードを印刷したことを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、栞の2次元コードを例えば通信装置の読取部で読み取ることにより、2次元コードに記録されている接続先に通信装置を自動接続させることが可能となる。これにより、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を通信装置に入力する手間が省けるので、使用者の利便性が格段に向上する。
【0007】
2次元コードは、
・QRコードであるのが好ましい
・2次元コードは表面側の下端部に印刷されているのが好ましい
・生地の全部又は大部分が白色又は黄色であり、この生地の上にQRコードが黒色又は青色又は緑色で印刷されていることが好ましい
【0008】
上記課題を解決するための本発明の通信方法は、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を記録した2次元コードを栞に印刷する第1のステップと、栞の2次元コードを通信装置の読取部で読み取り、2次元コードに記録されている接続先に通信装置が自動接続する第2のステップとからなることを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、栞の2次元コードを通信装置の読取部が読み取ると、2次元コードに記録されている接続先に通信装置が自動接続するので、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を通信装置に入力する手間が省け、使用者の利便性が格段に向上する。
【0010】
第2のステップで読み取った接続先情報は、上記通信装置の記憶部に記憶するのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を通信装置に入力する手間が省け、使用者の利便性が格段に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施形態による栞を表す上面図である。
図1において、この栞1の表面には、この例では、各種研究に関する特許出願の情報が印刷されるとともに、その下端部に二次元コードとしてのQRコード2が印刷されている(部分拡大図を図2に示す)。このQRコード2には、情報提供者の電話番号やメールアドレス、インターネットアドレス(URL)などが記憶されている。
図3は、この栞1を作成するためのシステムを表すシステム構成図である。
この図3に示すように、QRコード2は、公知のQRコード生成ソフトをインストールしたパソコン3で作成して、このパソコン3に接続したプリンタ4で印刷すればよい。あるいは、例えばインターネット上の公知のQRコード作成サイト(例えば、http://www.qr.form.jp)にアクセスし、必要な情報(所属、氏名、電話番号、メールアドレス等)を送信することにより、QRコードを作成してもらって電子データを取得し、これをプリンタ4で印刷するようにしてもよい。
図4は、QRコード読取機能を備えた携帯電話の機能的構成を表す機能ブロック図である。
図4において、栞1に印刷されたQRコード2は、通信装置としての携帯電話5の読取部5aで読み取られる。読み取られた情報のうち、電話番号やメールアドレス、インターネットアドレス(URL)などは無線部5bに送られ、該当する接続先に自動接続される。同時に、これらの情報は表示部5cに表示されると共に、電話帳やアドレス帳などの記憶部5dに記録される。
【0013】
つまり、栞1のQRコード2を携帯電話5の読取部5aで読み取るだけで、QRコード2に記録されている接続先に携帯電話5が自動接続するので、電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を入力する手間が省け、使用者の利便性・操作性が格段に向上する。また、一度読み取られた接続先情報は記憶部5dに記憶されているので、次回の接続の際には、栞1を用意する必要はなく、便利である。
【0014】
QRコード化するデータとしては、例えば携帯電話5のメールを作成したり、URLをブックマークしたり、サイトヘリンクさせたり、アドレス帳に記憶させるなどの命令タグに加えて、携帯電話やパソコンなどのインターネットアドレス(URL)、メールアドレス、電話番号、ファクシミリ番号、住所、当選番号、抽選の当落、医療・健康情報、占い情報、芸能情報、地図情報、画像情報、天気情報、食品情報、スポーツ情報、政治情報、経済情報、マニュアル(取り扱い説明)、説明情報などがある。これらの情報は、携帯電話5のキー操作によって、必要なもの選択して表示部5cに表示させたり、記録部5dに記憶させたりすることができる。
【0015】
ところで、QRコードは2次元コードの一種であり、方式としてはマトリックス方式を採用している。バーコードが一方向だけに情報を持っているのに対し、QRコードは、縦横の二方向に情報を持っているので、記録できる情報量を飛躍的に増加させたコードである。
【0016】
このため、QRコードは、数字、英字、漢字、カナ、ひらがな、記号、バイナリ、制御コード等あらゆるデータを扱うことが可能である。データ量は数字のみで7,089文字、英数字で4,296文字、漢字、全角カナで1,817文字である。主な特徴は、大容量、省スペース、高速読取であり、AIM International(国際自動認識工業会、ISS-QR Code)、JIS(JISX0510)、ISO(ISO/IEC18004)などで規格化されている。
【0017】
英数字300文字なら、約2cm×2cmのサイズでQRコード化できる。バーコードと同じ情報量であれぱ、10分の1程度の大きさで表現できる。QRコードの大きさは、セルのサイズと、バージョンで決まり、ここでセルとは、QRコードを構成する黒と白の四角い点である。バージョンはデータの量によって決まるもので、パージョン1のQRコードは、一辺が21個のセルで構成されている。
【0018】
バージョンが1つ上がるたびに、QRコードを構成する1辺のセルが4つ増え、バージョンは40まである。例えば、バージョン2のQRコードは25×25個のセルで構成されているので、1つのセルを0.5mmとすると、12.5mm角(使用時は、この周りに4セル分の空白個所が必要である)のQRコードとなる。QRコードは、QRコードド生成ソフトで作成し、プリンタで印刷する。
【0019】
QRコードリーダーは、現在赤色光によりQRコードを認識しているため、生地も印刷も赤い光を反射(または吸収)してしまう組み合わせの場合、QRコードを認載できず、読み取りができない。つまり、生地が赤色を反射し、印刷が赤色を吸収する組み合わせであれば、読み取りが可能である。例えば、白い生地に赤や緑の生地に青などは読み取りできない。しかし、白や黄色などの生地に、青や緑の印刷なら読み取り可能である。すなわち、基本は白の生地に黒の印刷であり、例えば生地の全部又は大部分が白色又は黄色であり、この生地の上にQRコードが黒色又は青色又は緑色で印刷されていることが好ましいこととなる。生地の材料としては、紙、プラスチックなどが挙げられる。
【0020】
本実施形態では、以上のように狭い領域に大量のデータを記憶できるQRコード2を栞1の表面に印刷しているので、これに電話番号やメールアドレス、インターネットアドレス(URL)などの接続先のデータを記憶しても、QRコード2の大きさは小さくて済み、これを栞1の下端部に配置することができる。つまり、栞1としての必要な面積の確保が可能になる。
【0021】
なお、以上の実施形態では、通信装置として携帯電話5を使用しているが、通信装置は携帯電話5に限定されるものではなく、例えばLモード機能を有する固定電話であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による栞を表す上面図である。
【図2】図1に示した栞の部分拡大図である。
【図3】図1に示した栞を作成するためのシステムを表すシステム構成図である。
【図4】QRコード読取機能を備えた携帯電話の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0023】
1 栞
2 QRコード
5 携帯電話
5a 読取部
5b 無線部
5c 表示部
5d 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を記録した2次元コードを印刷したことを特徴とする栞。
【請求項2】
2次元コードがQRコードである請求項1記載の栞。
【請求項3】
2次元コードが表面側の下端部に印刷されている請求項1または請求項2記載の栞。
【請求項4】
生地の全部又は大部分が白色又は黄色であり、この生地の上にQRコードが黒色又は青色又は緑色で印刷されている請求項2記載の栞。
【請求項5】
電話番号やメールアドレスなどの接続先情報を記録した2次元コードを栞に印刷する第1のステップと、栞の2次元コードを通信装置の読取部で読み取り、2次元コードに記録されている接続先に通信装置を自動接続する第2のステップとを備えることを特徴とする通信方法。
【請求項6】
第2のステップで読み取った接続先情報を通信装置の記憶部に記憶させる請求項5記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−228083(P2006−228083A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−43433(P2005−43433)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】