説明

梱包体

【課題】一対のリボンユニットを容易に梱包することができるとともに容易に取り出すことができる梱包体を提供する。
【解決手段】本発明による梱包体1は、外箱11と、この外箱11内に配置され、一対のリボンユニット1を収納するリボン箱20とを備えている。このうちリボン箱20は、底板21と、対向する一対の第1側板22と、各第1側板22の間に配置された一対の第2側板23と、各第1側板22の上部に設けられた一対の取っ手板29とを有している。各第1側板22に、一方のリボンユニット1の繰出コア1bおよび巻取コア1cを支持するための一対の貫通孔28を設けるとともに、他方のリボンユニット1の繰出コア1bおよび巻取コア1cを支持するための一対の貫通孔28を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リボンと、繰出コアを含む繰出ロールと、巻取コアを含む巻取ロールとを有する一対のリボンユニットを梱包する梱包体に係り、とりわけ、一対のリボンユニットを容易に梱包することができるとともに容易に取り出すことができる梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、昇華転写プリンターでは、そのプリンター専用のリボンと印画紙が使用される。このため、印画紙が巻き付けられて円筒状に形成された印画紙ロールと、リボンと、リボンが巻き付けられた繰出ロールと、この繰出ロールから繰り出されたリボンを巻き取る巻取ロールとを有するリボンユニットとが、セットとして流通し、一つの梱包体に梱包されて輸送されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、印画紙ロールとリボンユニットとを梱包する方法として、梱包体内に印画紙ロールが収納される領域と一対のリボンユニットが収納される領域とを区画する仕切り部材を設け、各領域に印画紙ロールと一対のリボンユニットとを収納する方法が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−51541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような方法は、比較的小さなリボンユニットを収納する場合には適している。しかしながら、比較的大きなリボンユニット、例えば、1kg以上の重さを有するリボンユニットを収納すること、およびこの収納されたリボンユニットを取り出すことは困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、一対のリボンユニットを容易に梱包することができるとともに容易に取り出すことができる梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、リボンと、繰出コアを含む繰出ロールと、巻取コアを含む巻取ロールとを有する一対のリボンユニットを梱包する梱包体において、外箱と、この外箱内に配置され、一対のリボンユニットを収納するリボン箱と、を備え、リボン箱は、底板と、対向する一対の第1側板と、各第1側板の間に配置された一対の第2側板と、各第1側板の上部に設けられた一対の取っ手板とを有し、各第1側板に、一方のリボンユニットの繰出コアおよび巻取コアを支持するための一対の貫通孔を設けるとともに、他方のリボンユニットの繰出コアおよび巻取コアを支持するための一対の貫通孔を設けたことを特徴とする梱包体である。
【0008】
本発明は、各インクリボンユニットの繰出コアを支持する貫通孔の中心とリボン箱の底板の上面との間の距離は、当該インクリボンユニットの繰出コアに巻付けられたリボンの巻付半径よりも大きい寸法からなっていることを特徴とする梱包体である。
【0009】
本発明は、各取っ手板は、対応する第1側板に対して折り曲げ自在となっており、第1側板との境界に設けられ、取っ手板の折り曲げ時に外方へ突出する取っ手板突出部を有し、各取っ手板突出部は、外箱の内面に当接することを特徴とする梱包体である。
【0010】
本発明は、底板は、各第1側板との境界に設けられ、外方へ突出する底板突出部を有し、各底板突出部は、外箱の内面に当接することを特徴とする梱包体である。
【0011】
本発明は、各第2側板は、各第1側板との境界に設けられ、外方へ突出する側板突出部を有し、各側板突出部は、外箱の内面に当接することを特徴とする梱包体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リボン箱の第1側板に設けられた各貫通孔に一対のリボンユニットの各繰出コアおよび各巻取コアが支持され、この第1側板の上部に設けられた一対の取っ手板を用いて、一対のリボンユニットが収納されたリボン箱を容易に持ち上げることができる。このことにより、一対のリボンユニットが収納されたリボン箱を外箱内に容易に収納して梱包することができるとともに、外箱内から容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における梱包体の断面構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態において、一対のリボンユニットを示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態における外箱用の外箱ブランク板を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態におけるリボン箱用のリボンブランク板を示す図である。
【図5】図5(a)は、本発明の実施の形態において、リボンブランク板に一対のリボンユニットを載置した状態を示す上面図である。図5(b)は、図5(a)においてX方向から見たX矢視図である。図5(c)は、図5(a)においてY方向から見たY矢視図である。
【図6】図6(a)は、本発明の実施の形態において、各リボンユニットを支持した状態を示す上面図である。図6(b)は、図6(a)においてX方向から見たX矢視図である。図6(c)は、図6(a)においてY方向から見たY矢視図である。
【図7】図7(a)は、本発明の実施の形態において、リボン箱を組み立てた状態を示す図である。図7(b)は、図7(a)においてX方向から見たX矢視図である。図7(c)は、図7(a)においてY方向から見たY矢視図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態において、リボン箱を外箱内に収納した状態を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態において、外箱を組み立てた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1乃至図9は、本発明の実施の形態における梱包体を示す図である。
【0015】
まず、図1により梱包体10の全体構成について説明する。ここで、梱包体10は、リボン1aと、繰出ボビン(繰出コア)1bを含む繰出ロールと、巻取ボビン(巻取コア)1cを含む巻取ロールとを有するリボンユニット1を梱包するためのものである。ここで、各リボンユニット1は、図1および図2に示すように、イエロー、マゼンタ、シアンからなる三色のインクリボンが繰出ロールに巻き付けられた三色インクリボンユニットと、保護フィルムからなる保護リボンが巻き付けられた保護リボンユニットとからなり、樹脂製の保護袋2(図1参照)に収容されている。このうち、三色インクリボンユニットは、例えば、2.5〜4.0kgの重さを有しており、保護リボンユニットは、例えば、1.0〜2.6kgの重さを有している。なお、三色インクリボンユニットの繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1c、並びに保護リボンユニットの繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cは、いずれも略同一の外径を有している。また、繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cの両端部は、巻付けられたリボン1aから突出するようになっている。
【0016】
梱包体10は、外箱11と、この外箱11内に配置され、一対のリボンユニット1を収納するリボン箱20とを備えている。このうち、外箱11は、図1に示すように、底面12と、4つの側面13と、上面14とを有し、直方体状に形成されている。
【0017】
リボン箱20は、底板21と、対向する一対の第1側板22と、各第1側板22の間に配置された一対の第2側板23とを有している。また、リボン箱20は、外箱11内に収納された場合に、各第2側板23が外箱11の内面に当接するように構成されている。
【0018】
図1および図7(a)、(b)、(c)に示すように、底板21は、各第1側板22との境界に設けられ、外方へ突出する底板突出部24を有している。各底板突出部24は、リボン箱20が外箱11内に収納された場合に、外箱11の内面に当接するようになっている(図8参照)。
【0019】
各第2側板23は、各第1側板22との境界に設けられ、外方へ突出する側板突出部25を有している。各側板突出部25は、リボン箱20が外箱11内に収納された場合に、外箱11の内面に当接するようになっている。
【0020】
また、各第2側板23は、矩形状の側板本体23a(図7(c)参照)と、この側板本体23aと各側板突出部25との間に連結された首部26とを有している。一方、各第1側板22は、各第2側板23との境界に設けられ、各第2側板23の首部26が嵌合自在な凹部27を有している。なお、首部26の幅は、側板突出部25の幅よりも小さくなっており、側板本体23aと側板突出部25との間であって首部の両側には、溝26aが形成され、各溝26aに、対応する第1側板22が嵌合されるようになっている。
【0021】
図7(a)、(b)、(c)に示すように、各第1側板22に、一対のリボンユニット1うちの一方のリボンユニット(例えば、三色インクリボンユニット)1の繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cを嵌合(支持)するための一対の貫通孔28が設けられている。また、同様に、他方のリボンユニット(例えば、保護リボンユニット)1の繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cを嵌合(支持)するための一対の貫通孔28が設けられている。各貫通孔28は、繰出ボビン1bに対応する第1貫通孔28aと巻取ボビン1cに対応する第2貫通孔28bとからそれぞれなっている。
【0022】
各貫通孔28は、各リボンユニット1の繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cの外径と略同一の穴径を有している。また、各第1貫通孔28aの中心と底板21の上面との間の距離は、リボンユニット1のリボン1aの巻付半径よりも大きい寸法からなっている。また、外箱11に収納した際に折り曲げられた取っ手板29の下面と各第1貫通孔28aの中心との間の距離も、リボン1aの巻付半径よりも大きい寸法からなっている。このことにより、各貫通孔28に各リボンユニット1を支持した場合に、リボン1aの外周面が底板21および取っ手板29に接することを防止している。さらに、一対の第1側板22の内面間の距離は、各リボンユニット1の幅に対応する寸法を有している。このことにより、各貫通孔28に各リボンユニット1を支持した場合に、各リボンユニット1の両端面を第1側板22の内面に当接させている。このようにして、輸送時に各リボンユニット1に衝撃が与えられることを防止している。
【0023】
図1および図7(a)、(b)、(c)に示すように、各第1側板22の上部に、各々が取っ手穴30を有する一対の取っ手板29が設けられている。各取っ手穴30は、成人男性の手の指4本が挿入可能な大きさを有している。このようにして、リボンユニット1が収納されたリボン箱20を確実に持ち上げることができるようになっている。また、各取っ手板29は、各第1側板22の上部に設けられているため、取っ手板29を容易かつ確実に把持することができるようになっている。
【0024】
各取っ手板29は、対応する第1側板22に対して折り曲げ自在となっている。また、各取っ手板29は、第1側板22との境界に設けられ、取っ手板29の折り曲げ時に外方へ突出する取っ手板突出部31を有している。各取っ手板突出部31は、リボン箱20を外箱11に収納した際、外箱11の内面に当接するようになっている。
【0025】
図3を用いて、外箱11を作製するための外箱ブランク板40について説明する。外箱ブランク板40は、板紙からなり、4つの側面パネル41と、一端側に連結され、組立時に対応する側面パネル41に接着剤等により接合される折返パネル42とを有している。各側面パネル41に、4つの底面フラップ43および4つの上面フラップ44がそれぞれ連結されている。このようにして、外箱11は、一体に形成された外箱ブランク板40から作製されるようになっている。
【0026】
図4を用いて、リボンブランク板50について説明する。リボンブランク板50は、板紙からなり、底板21を形成する矩形状の底板パネル51と、底板パネル51に連結され、一対の第1側板22を形成する一対の第1側板パネル52と、一対の第2側板23を形成する一対の第2側板パネル53とを有している。このうち底板パネル51と各第1側板パネル52との境界に、各第1側板パネル52側へ突出する底板突出部24が設けられている。なお、各底板突出部24は、対応する第1側板パネル52に対してコの字状の切込線54によって区画され、底板パネル51に連結されている。
【0027】
各第2側板パネル53は、側板本体23aを形成する側板本体パネル53aを有している。この側板本体パネル53aの両側縁に、首部26を介して側方へ突出する側板突出部25が連結され、側板本体パネル53aと側板突出部25との間であって首部26の両側に溝26aが形成されている。
【0028】
各第1側板パネル52に、リボンユニット1の繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cを支持するための4つの貫通孔28が形成されている。また、各第1側板パネル52の両側縁に、第2側板23の首部26が嵌合自在な凹部27が形成されている。
【0029】
各第1側板パネル52の先端側に、取っ手穴30を有する取っ手板29が連結されている。各取っ手板29とこれに隣接する第1側板パネル52との境界に、各第1側板パネル52側へ突出する取っ手板突出部31が形成されている。なお、各取っ手板突出部31は、対応する第1側板パネル52に対してコの字状の切込線55によって区画され、取っ手板29に連結されている。
【0030】
このようにして、リボン箱20は、一体に形成されたリボンブランク板50から作製される。
【0031】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0032】
まず、図2に示すような一対のリボンユニット(三色インクリボンユニットおよび保護リボンユニット)1および、図4に示すようなリボンブランク板50を準備する。次に、各リボンユニット1が、リボンブランク板50上、すなわちリボンブランク板50の底板パネル51上に、載置される(図5(a)、(b)、(c)参照)。この場合、各リボンユニット1の繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cが、第1側板パネル52に形成された各貫通孔28に対応する位置となるように載置される。
【0033】
次に、リボンブランク板50の各第1側板パネル52が底板パネル51に対して折り曲げられ、各第1側板パネル52に形成された貫通孔28に、各リボンユニット1の繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cを嵌合する(図6(a)、(b)、(c)参照)。このことにより、各リボンユニット1は、底板パネル51から離れ、各貫通孔28によってのみ支持される。なお、この場合、底板突出部24が外方に突出される。
【0034】
次に、リボンブランク板50の各第2側板パネル53が底板パネル51に対して折り曲げられ、各リボンユニット1を収納したリボン箱20が形成される(図7(a)、(b)、(c)参照)。この場合、各第2側板23の首部26が、対応する第1側板22の凹部27に嵌合するとともに、溝26aに、対応する第1側板22が嵌合する。このことにより、各第1側板22および各第2側板23を強固に連結することができる。なお、この場合、側板突出部25が外方に突出される。
【0035】
次に、図8に示すように、各リボンユニット1を収納したリボン箱20が、外箱11内に収納される。この場合、まず、図3に示すような外箱ブランク板40を準備し、外箱ブランク板40の側面パネル41と折返パネル42とが互いにそれぞれ折り曲げられ、折返パネル42と対応する側面パネル41とが接着剤等により接合される。次に、各底面フラップ43が対応する側面パネル41に対して折り曲げられて閉じられ、接着テープ(図示せず)により底面フラップ43同士が貼り付けられる。このようにして、外箱11の底面12と4つの側面13が形成される。
【0036】
この組み立てられた外箱11内に、各リボンユニット1を収納したリボン箱20が、外箱11内に収納される(図8参照)。この際、取っ手板29を用いることにより、各リボンユニット1を支持したリボン箱20を容易に持ち上げて収納することができる。なお、この場合、リボン箱20の各第1側板22側において、外方へ突出している底板突出部24、および各側板突出部25が、外箱11の内面(側面パネル41の内面)に当接する。また、リボン箱20の各第2側板23側では、各第2側板23が外箱11の内面(側面パネル41の内面)に当接している。このことにより、外箱11内において、リボン箱20が水平方向に動くことを規制することができる。
【0037】
次に、取っ手板29が第1側板22に対して折り曲げられる(図8参照)。この場合、取っ手板突出部31が外方へ突出し、外箱11の内面に当接する。このことにより、外箱11内においてリボン箱20が水平方向に動くことをより一層規制することができる。
【0038】
その後、外箱11の上面フラップ44が折り曲げられて閉じられ、接着テープ3により上面フラップ44同士が貼り付けられる(図9参照)。この場合、リボン箱20の上面、すなわち取っ手板29の上面が、外箱11の内面(上面フラップ44の下面)に当接する(図1参照)。このことにより、外箱11内においてリボン箱20が垂直方向に動くことを規制することができる。このようにして、一対のリボンユニット1が梱包体10に梱包される。
【0039】
ところで、一対のリボンユニット1が梱包された梱包体10から各リボンユニット1を取り出す場合について、以下に述べる。この場合、まず、接着テープ3を剥がして上面フラップ44を開ける(図8参照)。
【0040】
次に、外箱11内から各リボンユニット1が収納されたリボン箱20が取り出される。この場合、まず、折り曲げられていた取っ手板29を垂直方向に延ばし(図7(a)、(b)、(c)参照)、その後、取っ手板29を用いて各リボンユニット1が収納されたリボン箱20が持ち上げられて取り出される。
【0041】
次に、各第2側板23の首部26を各第1側板22の凹部27から取り外すとともに、溝26aから第1側板22を取り外して、折り曲げられていた各第2側板パネル53を開く(図6(a)、(b)、(c)参照)。
【0042】
その後、折り曲げられていた各第1側板パネル52を開く(図5(a)、(b)、(c)参照)。このことにより、各第1側板パネル52の各貫通孔28から各リボンユニット1の繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cが取り外され、各リボンユニット1は、リボンブランク板50の底板パネル51上に載置される。このようにして、各リボンユニット1を外箱11から容易に取り出すことができる。
【0043】
このように、本実施の形態によれば、外箱11内のリボン箱20の第1側板22に設けられた各貫通孔28に一対のリボンユニット1の各繰出ボビン1bおよび各巻取ボビン1cが嵌合されて支持され、この第1側板22の上部に設けられた一対の取っ手板29を用いて、一対のリボンユニット1が収納されたリボン箱20を容易に持ち上げることができる。このことにより、一対のリボンユニット1が収納されたリボン箱20を外箱11内に容易に収納して梱包することができるとともに、外箱11内から容易に取り出すことができる。特に、比較的重い(例えば、1kg以上)リボンユニット1を梱包する場合においても、インクリボンユニットに衝撃が与えられることを防止するとともに、梱包体10から容易に取り出すことができる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、外箱11内のリボン箱20の第1側板22に設けられた各貫通孔28に一対のリボンユニット1の各繰出ボビン1bおよび各巻取ボビン1cが嵌合されて支持される。このことにより、輸送時、リボン箱20内において各リボンユニット1が水平方向へ動くことおよび垂直方向へ動くことが規制され、各リボンユニット1に衝撃が与えられることを防止することができる。
【0045】
なお、本実施の形態においては、三色インクリボンユニットの繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1c、並びに保護リボンユニットの繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cは、いずれも略同一の外径を有し、各貫通孔28がこれらの繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cの外径と略同一の穴径を有している例について述べた。しかしながら、このことに限られることはなく、繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cが互いに異なる外径を有し、各貫通孔28が、対応する繰出ボビン1bまたは巻取ボビン1cの外径に対応する穴径をそれぞれ有するように構成しても良い。
【実施例】
【0046】
上記実施の形態により得られる梱包体10に、2つのインクリボンユニット1(約3.1kgの質量を有する三色リボンユニット、および約1.6kgの質量を有する保護リボンユニット)を梱包して得られた供試品に対して、以下の条件で落下試験を行った。
【表1】

ここで、各試験項目は以下のように定義される。
角落下:供試品の重心と衝撃を受ける角部とを結ぶ線が床に対して垂直な状態から供試品を落下すること。
稜落下:供試品の重心と衝撃を受ける稜とを結ぶ線が床に対して垂直な状態にあり、かつこの衝撃を受ける稜は床に対して平行な状態から供試品を落下すること。
面落下:衝撃を受ける面が床に対して平行な状態から供試品を落下すること。
【0047】
比較例1として、各リボンユニット1の繰出ボビン1bに巻付けられたリボン1aの外周面が、リボン箱20(図7参照)の底板21に当接するように各リボンユニット1を梱包した場合(図示せず)、すなわち、貫通孔28aの中心と底板21の上面との間の距離が、リボンユニット1のリボン1aの巻付半径と略同一の寸法からなっている場合について、同様の落下試験を行った。また、比較例2として、各リボンユニット1を縦置きにした場合(図示せず)、すなわち、各リボンユニット1の繰出ボビン1bおよび巻取ボビン1cの一端を、底板21の上面に当接させて梱包した場合について、同様の落下試験を行った。
【0048】
比較例1においては、落下の衝撃を各リボンユニット1のリボン1aが直接受け、リボン1aのうち底板21に接している部分に打痕が形成されたことが確認された。この打痕が形成されたリボンユニット1を使用して印画を行うと、印画にシワ、印画抜けなどが発生した。
【0049】
また、比較例2においては、落下の衝撃を各リボンユニット1の繰出ボビン1bが直接受け、この繰出ボビン1bに巻付けられていたリボン1aがずれるということが確認された。この巻きずれしたリボンユニット1を使用して印画を行うと、印画にシワが発生した。
【0050】
これに対して本実施の形態による梱包体10に2つのリボンユニット1を梱包した供試品は、上述した落下試験項目のいずれにおいても、各リボンユニット1のリボン1aに打痕が形成されること、リボン1aが巻きずれすること等の異常は確認されなかった。そして、印画を行った場合においても、印画不良が発生することは確認されなかった。このことにより、本実施の形態による梱包体10に2つのリボンユニット1を梱包し、これを誤って床に落下した場合においても、リボンユニット1に損傷を与えることを防止することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 リボンユニット
1a リボン
1b 繰出ボビン
1c 巻取ボビン
2 保護袋
3 接着テープ
10 梱包体
11 外箱
12 底面
13 側面
14 上面
20 リボン箱
21 底板
22 第1側板
23 第2側板
23a 側板本体
24 底板突出部
25 側板突出部
26 首部
26a 溝
27 凹部
28 貫通孔
28a 第1貫通孔
28b 第2貫通孔
29 取っ手板
30 取っ手穴
31 取っ手板突出部
40 外箱ブランク板
41 側面パネル
42 折返パネル
43 底面フラップ
44 上面フラップ
50 リボンブランク板
51 底板パネル
52 第1側板パネル
53 第2側板パネル
53a 側板本体パネル
54 切込線
55 切込線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボンと、繰出コアを含む繰出ロールと、巻取コアを含む巻取ロールとを有する一対のリボンユニットを梱包する梱包体において、
外箱と、
この外箱内に配置され、一対のリボンユニットを収納するリボン箱と、を備え、
リボン箱は、底板と、対向する一対の第1側板と、各第1側板の間に配置された一対の第2側板と、各第1側板の上部に設けられた一対の取っ手板とを有し、
各第1側板に、一方のリボンユニットの繰出コアおよび巻取コアを支持するための一対の貫通孔を設けるとともに、他方のリボンユニットの繰出コアおよび巻取コアを支持するための一対の貫通孔を設けたことを特徴とする梱包体。
【請求項2】
各インクリボンユニットの繰出コアを支持する貫通孔の中心とリボン箱の底板の上面との間の距離は、当該インクリボンユニットの繰出コアに巻付けられたリボンの巻付半径よりも大きい寸法からなっていることを特徴とする請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
各取っ手板は、対応する第1側板に対して折り曲げ自在となっており、第1側板との境界に設けられ、取っ手板の折り曲げ時に外方へ突出する取っ手板突出部を有し、
各取っ手板突出部は、外箱の内面に当接することを特徴とする請求項1または2に記載の梱包体。
【請求項4】
底板は、各第1側板との境界に設けられ、外方へ突出する底板突出部を有し、
各底板突出部は、外箱の内面に当接することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の梱包体。
【請求項5】
各第2側板は、各第1側板との境界に設けられ、外方へ突出する側板突出部を有し、
各側板突出部は、外箱の内面に当接することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−73702(P2011−73702A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225279(P2009−225279)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】