説明

梱包構造体、梱包方法および搬送方法

【課題】隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔を小さくした場合にも、フレームレス太陽電池モジュールの搬送時にフレームレス太陽電池モジュールが接触して破損するのを抑制することが可能な梱包構造体を提供する。
【解決手段】梱包構造体1は、フレームレス太陽電池モジュール50を支持する支持部材2と、支持部材2に支持されるフレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bに配置される緩衝部材3とを備える。緩衝部材3は、袋体31と、袋体31に充填された気体32とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端部にフレームが設けられていないフレームレス太陽電池モジュールを梱包する梱包構造体、梱包方法および搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレームレス太陽電池モジュールを水平な状態で積み重ねて梱包する梱包構造体が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、フレームレス太陽電池モジュールの角部を支持するカバーと、カバーとフレームレス太陽電池モジュールとの間に配置される吸着部材とを備える保護部材が開示されている。
【0004】
保護部材は、フレームレス太陽電池モジュールの4つの角部に設けられている。そして、4つの保護部材により、1枚のフレームレス太陽電池モジュールが支持されている。また、保護部材は垂直方向に積み重ねられており、積み重ねられる保護部材によりフレームレス太陽電池モジュールが支持されている。
【0005】
これにより、フレームレス太陽電池モジュールが水平な状態で垂直方向に間隔を隔てて積み重ねられている。ここで、隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔は、輸送の振動によりフレームレス太陽電池モジュールが撓む距離以上にされている。したがって、輸送の振動によりフレームレス太陽電池モジュールが接触して破損することが抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−246017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された従来の保護部材では、フレームレス太陽電池モジュールが接触して破損することを抑制することが可能であるが、隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔をフレームレス太陽電池モジュールが撓む距離以上にする必要があるので、隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔を小さくすることが困難であるという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔を小さくした場合にも、フレームレス太陽電池モジュールの搬送時にフレームレス太陽電池モジュールが接触して破損するのを抑制することが可能な梱包構造体、梱包方法および搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る梱包構造体は、端部にフレームが設けられていないフレームレス太陽電池モジュールを梱包する梱包構造体であって、前記フレームレス太陽電池モジュールを支持する支持部材と、前記支持部材により支持される前記フレームレス太陽電池モジュールの受光面または前記受光面とは反対側の裏面に配置される緩衝部材とを備え、前記緩衝部材は、袋体と、前記袋体に充填された気体とを含むことを特徴とする。
【0010】
この構成によって、フレームレス太陽電池モジュールの搬送時に、緩衝部材により、フレームレス太陽電池モジュールが撓むのを抑制することができる。このため、隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔を小さくした場合にも、隣接するフレームレス太陽電池モジュールが接触して破損することを抑制することができる。また、袋体と、袋体に充填された気体とを含む緩衝部材を用いることによって、緩衝部材の軽量化および低コスト化を図ることができる。
【0011】
本発明に係る梱包構造体では、前記緩衝部材の前記袋体は、複数に分割されていることを特徴とする。
【0012】
この構成により、袋体に穴が形成された場合に、袋体に充填された気体が全て抜けるのを抑制することができるので、緩衝部材の緩衝機能が失われるのを抑制することができる。
【0013】
本発明に係る梱包構造体では、前記緩衝部材の端部に取り付けられた係合部を備え、前記係合部は、前記フレームレス太陽電池モジュールの端部と係合する構成とされていることを特徴とする。
【0014】
この構成により、緩衝部材をフレームレス太陽電池モジュールに取り付けることができる。
【0015】
本発明に係る梱包構造体では、前記緩衝部材を前記フレームレス太陽電池モジュールに貼り付ける接着剤を備えることを特徴とする。
【0016】
この構成により、緩衝部材をフレームレス太陽電池モジュールに取り付けることができる。
【0017】
本発明に係る梱包構造体では、前記緩衝部材には、凹部が形成され、前記緩衝部材の前記凹部には、前記支持部材により支持される前記フレームレス太陽電池モジュールの凸部が配置されることを特徴とする。
【0018】
この構成により、フレームレス太陽電池モジュールが撓んだ場合に、フレームレス太陽電池モジュールの凸部に局所的に力が加わるのを抑制することができる。
【0019】
本発明に係る梱包構造体では、前記フレームレス太陽電池モジュールの前記凸部は、前記フレームレス太陽電池モジュールの前記裏面に設けられた端子ボックスであることを特徴とする。
【0020】
この構成により、フレームレス太陽電池モジュールが撓んだ場合に、フレームレス太陽電池モジュールの端子ボックスに局所的に力が加わるのを抑制することができる。
【0021】
本発明に係る梱包方法は、端部にフレームが設けられていないフレームレス太陽電池モジュールを梱包する梱包方法であって、袋体と前記袋体に充填された気体とを含む緩衝部材を、前記フレームレス太陽電池モジュールの受光面または前記受光面とは反対側の裏面に取り付ける工程と、前記緩衝部材が取り付けられた前記フレームレス太陽電池モジュールを支持部材により支持させる工程とを備えることを特徴とする。
【0022】
この構成によって、梱包されたフレームレス太陽電池モジュールの搬送時に、緩衝部材により、フレームレス太陽電池モジュールが撓むのを抑制することができる。このため、隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔を小さくした場合にも、隣接するフレームレス太陽電池モジュールが接触して破損することを抑制することができる。また、袋体と、袋体に充填された気体とを含む緩衝部材を用いることによって、緩衝部材の軽量化および低コスト化を図ることができる。
【0023】
本発明に係る搬送方法は、上記のいずれか一つに記載の梱包構造体を用いてフレームレス太陽電池モジュールを梱包して搬送することを特徴とする。
【0024】
この構成によって、梱包されたフレームレス太陽電池モジュールの搬送時に、緩衝部材により、フレームレス太陽電池モジュールが撓むのを抑制することができる。このため、隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔を小さくした場合にも、隣接するフレームレス太陽電池モジュールが接触して破損することを抑制することができる。また、袋体と、袋体に充填された気体とを含む緩衝部材を用いることによって、緩衝部材の軽量化および低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る梱包構造体、梱包方法および搬送方法によれば、隣接するフレームレス太陽電池モジュールの間隔を小さくした場合にも、フレームレス太陽電池モジュールの搬送時にフレームレス太陽電池モジュールが接触して破損することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いてフレームレス太陽電池モジュールを梱包した状態を示した斜視図である。
【図2】図1に示した梱包構造体により支持されるフレームレス太陽電池モジュールを裏面側から見た斜視図である。
【図3A】図1に示した梱包構造体の支持部材を斜め上方から見た斜視図である。
【図3B】図1に示した梱包構造体の支持部材を斜め下方から見た斜視図である。
【図4】図1に示した梱包構造体の緩衝部材を示した斜視図である。
【図5】図1のA−A断面図である。
【図6】図1に示した梱包構造体の第2袋部近傍を示した断面図である。
【図7A】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、フレームレス太陽電池モジュールに緩衝部材が取り付けられた状態を示した斜視図である。
【図7B】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、緩衝部材が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュールに支持部材が取り付けられた状態を示した斜視図である。
【図7C】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、1枚目のフレームレス太陽電池モジュールがパレット上に位置合わせされた状態を示した斜視図である。
【図7D】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、1枚目のフレームレス太陽電池モジュールを支持する1段目の支持部材がパレット上に取り付けられた状態を示した斜視図である。
【図7E】本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、2枚目のフレームレス太陽電池モジュールがパレット上に位置合わせされた状態を示した斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態1の変形例1に係る緩衝部材を示した斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態1の変形例2に係る緩衝部材を示した斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る梱包構造体を示した斜視図である。
【図11】図10に示した梱包構造体の底面図である。
【図12】図10のB−B断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る梱包構造体を用いてフレームレス太陽電池モジュールを梱包した状態を示した斜視図である。
【図14】図13に示した梱包構造体の部分拡大図である。
【図15A】本発明の実施の形態3に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、1枚目のフレームレス太陽電池モジュールが挿入される際の状態を示した斜視図である。
【図15B】本発明の実施の形態3に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、1枚目のフレームレス太陽電池モジュールが支持部材により支持された状態を示した斜視図である。
【図15C】本発明の実施の形態3に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、2枚目のフレームレス太陽電池モジュールが挿入される際の状態を示した斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態4に係る梱包構造体を用いてフレームレス太陽電池モジュールを梱包した状態を示した斜視図である。
【図17】図16に示した梱包構造体の部分拡大図である。
【図18A】本発明の実施の形態4に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、1枚目のフレームレス太陽電池モジュールが挿入される際の状態を示した斜視図である。
【図18B】本発明の実施の形態4に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、1枚目のフレームレス太陽電池モジュールが支持部材により支持された状態を示した斜視図である。
【図18C】本発明の実施の形態4に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図であって、2枚目のフレームレス太陽電池モジュールが挿入される際の状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いてフレームレス太陽電池モジュールを梱包した状態を示した斜視図である。図1を参照して、実施の形態1に係る梱包構造体1の概略について説明する。
【0029】
梱包構造体1は、端部にフレームが設けられていないフレームレス太陽電池モジュール50を支持する支持部材2と、フレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aとは反対側の裏面50bに配置される緩衝部材3とを備えている。梱包構造体1は、フレームレス太陽電池モジュール50を水平な状態で積み重ねて梱包するように構成されている。
【0030】
支持部材2は、パレット60の表面に4個取り付けられている。この4個の支持部材2は、パレット60に対して位置決めされている。そして、4個の支持部材2は、それぞれ、矩形状のフレームレス太陽電池モジュール50の4つの角部を支持している。
【0031】
また、パレット60の表面に取り付けられた4個の支持部材2には、垂直方向Zに複数(図1の例では、9個)の支持部材2が積み重ねられている。そして、各段の4個の支持部材2により、1枚のフレームレス太陽電池モジュール50が支持されている。すなわち、図1の例では、パレット60上に、10枚のフレームレス太陽電池モジュール50が水平な状態で積み重ねられている。
【0032】
緩衝部材3は、隣接するフレームレス太陽電池モジュール50の間に配置されている。
【0033】
図2は、図1に示した梱包構造体により支持されるフレームレス太陽電池モジュールを裏面側から見た斜視図である。図2を参照して、実施の形態1に係る梱包構造体1により支持されるフレームレス太陽電池モジュール50について説明する。
【0034】
フレームレス太陽電池モジュール50は、平面的に見て矩形状に形成されている。フレームレス太陽電池モジュール50では、裏面側のガラス板の上に光起電力素子(セル)が設けられ、光起電力素子の上に表面(受光面)側のガラス板が設けられている。
【0035】
フレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bには、光起電力素子で発電した電力を取り出すための端子ボックス51が設けられている。なお、端子ボックス51は、本発明の「凸部」に対応する。
【0036】
図3Aは、図1に示した梱包構造体の支持部材を斜め上方から見た斜視図であり、図3Bは、図1に示した梱包構造体の支持部材を斜め下方から見た斜視図である。図3Aおよび図3Bを参照して、実施の形態1に係る梱包構造体1の支持部材2の構造について説明する。
【0037】
支持部材2は、基体部21と、支持部22と、押さえ部23と、嵌合凸部24(図3A参照)と、嵌合凹部25(図3B参照)とを含んでいる。支持部材2は、たとえば、PP(ポリプロピレン)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)などの樹脂により一体的に形成されている。
【0038】
基体部21は、垂直方向Zに積み重ねられるように構成されている。基体部21は、平面的に見てL字状に形成されている。基体部21は、梱包されるフレームレス太陽電池モジュール50の角部の外側に配置されるように構成されている。
【0039】
支持部22は、基体部21の側面から水平方向に突出するように形成されている。具体的には、支持部22は、L字状の基体部21の内側面に形成されており、梱包されるフレームレス太陽電池モジュール50を水平な状態で支持するように構成されている。
【0040】
押さえ部23は、フレームレス太陽電池モジュール50を支持部22と挟持するために支持部22の上方に形成されている。押さえ部23は、L字状の基体部21の内側面から水平方向に突出するように形成されている。
【0041】
支持部22および押さえ部23は、基体部21の垂直方向Zにおける中央部に設けられている。支持部22および押さえ部23は、平面的に見て矩形状に形成されている。なお、支持部22および押さえ部23は、平面的に見て、三角形状に形成されていてもよいし、円弧状に形成されていてもよい。また、支持部22および押さえ部23の平面視の形状が異なっていてもよい。
【0042】
嵌合凸部24は、基体部21の上端面に複数(図3Aでは、2個)設けられている。嵌合凸部24は、隣接する1つ上の支持部材2の嵌合凹部25と嵌合するように構成されている。
【0043】
嵌合凹部25は、基体部21の下端面に複数(図3Bでは、2個)設けられている。嵌合凹部25は、隣接する1つ下の支持部材2の嵌合凸部24と嵌合するように構成されている。
【0044】
すなわち、嵌合凸部24および嵌合凹部25は、支持部材2が垂直方向Zに積み重ねられるときに、隣接する支持部材2同士を取り付けるために設けられている。
【0045】
図4は、図1に示した梱包構造体の緩衝部材を示した斜視図である。図4を参照して、実施の形態1に係る梱包構造体1の緩衝部材3の構造について説明する。
【0046】
緩衝部材3は、複数に分割された袋体31と、袋体31の内部に充填された気体32とを含んでいる。すなわち、緩衝部材3は、エアバッグである。
【0047】
袋体31は、平面的に見てマトリクス状(行列状)に分割されている。具体的には、袋体31は、複数の第1袋部33と、1個の第2袋部34とを含んでいる。第1袋部33は、厚み(垂直方向Zの長さ)T1(図5参照)を有し、第2袋部34は、厚みT1よりも小さい厚みT2(図6参照)を有する。第2袋部34は、支持部材2により支持されるフレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51(図2参照)と対応する領域に配置されている。これにより、緩衝部材3には、支持部材2により支持されるフレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51と対応する領域に凹部35が形成されている。
【0048】
第1袋部33および第2袋部34には、それぞれ、独立して気体32が充填されている。したがって、たとえば、第1袋部33のいずれかに穴が形成され、その穴が形成された第1袋部33の気体32が抜けた場合にも、その他の第1袋部33および第2袋部34の気体32が抜けないので、緩衝部材3の緩衝機能が失われるのを抑制することができる。
【0049】
第1袋部33および第2袋部34は、それぞれ、実質的に同じ空気圧に設定されている。袋体31は、たとえば、ポリエチレン、軟質ポリ塩化ビニル、または、ポリ塩化ビニリデンなどからなるフィルムにより形成されている。気体32は、たとえば、空気である。
【0050】
図5は、図1のA−A断面図である。図6は、図1に示した梱包構造体の第2袋部近傍を示した断面図である。図5および図6を参照して、実施の形態1に係る梱包構造体1の構造について説明する。
【0051】
梱包構造体1では、支持部材2が垂直方向Zに積み重ねられている。なお、隣接する支持部材2同士は、嵌合凸部24に嵌合凹部25が嵌合されることにより取り付けられている。
【0052】
支持部材2の支持部22により、フレームレス太陽電池モジュール50の角部が支持されている。なお、フレームレス太陽電池モジュール50は、受光面50aが上を向く状態で支持部材2に支持されている。したがって、フレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bが支持部材2の支持部22と接触している。
【0053】
また、フレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bには、接着剤4により緩衝部材3が取り付けられている。接着剤4は、たとえば、不織布からなる基材の両面にアクリル系粘着剤が塗布された両面テープである。
【0054】
緩衝部材3の第1袋部33の厚みT1は、ほぼ隣接するフレームレス太陽電池モジュール50の間隔である。このため、緩衝部材3の第1袋部33は、1つ下のフレームレス太陽電池モジュール50にほぼ負荷を与えることなく、1つ下のフレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aに接触している。
【0055】
また、緩衝部材3の凹部35(図6参照)には、フレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51(図6参照)が配置されている。これにより、フレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51に局所的に力が加わるのを抑制することができる。
【0056】
緩衝部材3の第2袋部34(図6参照)の厚みT2は、端子ボックス51の下端面と、1つ下のフレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aとの間の距離とほぼ同じである。このため、緩衝部材3の第2袋部34は、1つ下のフレームレス太陽電池モジュール50にほぼ負荷を与えることなく、1つ下のフレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aに接触している。
【0057】
図7A〜図7Eは、本発明の実施の形態1に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図である。図7A〜図7Eを参照して、実施の形態1に係る梱包構造体1を用いたフレームレス太陽電池モジュール50の梱包方法について説明する。
【0058】
まず、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50(図7A参照)に緩衝部材3(図7A参照)が接着剤4(図5参照)を用いて取り付けられる。このとき、フレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51(図2参照)が緩衝部材3の凹部35(図4参照)に配置される。
【0059】
そして、緩衝部材3が取り付けられた1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の4つの角部に1段目の支持部材2(図7B参照)が取り付けられる。具体的には、支持部材2の支持部22および押さえ部23(図3Aおよび図3B参照)の間が、フレームレス太陽電池モジュール50の角部に嵌め合わされる。
【0060】
次に、緩衝部材3および支持部材2が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50(図7C参照)が、パレット60の上方において所定の位置に位置合わせされる。なお、所定の位置とは、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられた1段目の支持部材2の嵌合凹部25(図3B参照)が、パレット60に設けられた凸部61と対応する領域に配置される位置である。
【0061】
そして、緩衝部材3および支持部材2が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50が下方向に移動される。このため、1段目の支持部材2がパレット60(図7D参照)の表面に載置される。
【0062】
このとき、1段目の支持部材2の嵌合凹部25がパレット60の凸部61に嵌め合わされることにより、1段目の支持部材2がパレット60に取り付けられる。また、1段目の4個の支持部材2により1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50が支持され、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50とパレット60の表面との間に緩衝部材3が配置される。
【0063】
なお、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられる緩衝部材3の厚みは、2枚目以降のフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられる緩衝部材3の厚みの約半分である。すなわち、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられる緩衝部材3の厚みは、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bとパレット60の表面との間の距離とほぼ同じである。
【0064】
次に、2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50に緩衝部材3が接着剤4を用いて取り付けられる。このとき、フレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51が緩衝部材3の凹部35に配置される。
【0065】
そして、緩衝部材3が取り付けられた2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の4つの角部に2段目の支持部材2が取り付けられる。
【0066】
次に、緩衝部材3および支持部材2が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50(図7E参照)が、パレット60の上方において所定の位置に位置合わせされる。なお、所定の位置とは、2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられた2段目の支持部材2の嵌合凹部25が、1段目の支持部材2の嵌合凸部24と対応する領域に配置される位置である。
【0067】
そして、緩衝部材3および支持部材2が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50が下方向に移動される。このため、2段目の支持部材2が1段目の支持部材2に積み重ねられる。
【0068】
このとき、2段目の支持部材2の嵌合凹部25が1段目の支持部材2の嵌合凸部24に嵌め合わされることにより、2段目の支持部材2が1段目の支持部材2に取り付けられる。また、2段目の4個の支持部材2により2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50が支持され、2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bと1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aとの間に緩衝部材3が配置される。
【0069】
その後、同様の作業が繰り返し行われることにより、複数段の支持部材2が積み重ねられ、各段の4個の支持部材2により1枚のフレームレス太陽電池モジュール50(図1参照)が支持される。そして、隣接するフレームレス太陽電池モジュール50の間に緩衝部材3が配置される。その後、梱包構造体1を用いて梱包されたフレームレス太陽電池モジュール50が搬送される。
【0070】
実施の形態1では、上記のように、支持部材2に支持されるフレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bに緩衝部材3を取り付け、緩衝部材3は、袋体31と、袋体31に充填された気体32とを含んでいる。
【0071】
このように構成することによって、フレームレス太陽電池モジュール50の搬送時に、緩衝部材3により、フレームレス太陽電池モジュール50が撓むのを抑制することができる。このため、隣接するフレームレス太陽電池モジュール50の間隔を小さくした場合にも、隣接するフレームレス太陽電池モジュール50が接触して破損するのを抑制することができる。その結果、隣接するフレームレス太陽電池モジュール50が接触して破損するのを抑制しながら、隣接するフレームレス太陽電池モジュール50の間隔を小さくして、フレームレス太陽電池モジュール50の搬送効率の向上を図ることができる。また、袋体31と、袋体31に充填された気体32とを含む緩衝部材3を用いることによって、緩衝部材3の軽量化および低コスト化を図ることができる。また、フレームレス太陽電池モジュール50の運送後においては、袋体31に充填された気体32を抜くことにより、梱包構造体1の体積を低減することができる。
【0072】
実施の形態1では、第1袋部33および第2袋部34は、それぞれ、実質的に同じ空気圧に設定される例を示したが、これに限らず、フレームレス太陽電池モジュール50の撓み量に応じて、第1袋部33および第2袋部34の空気圧を調整するようにしてもよい。たとえば、緩衝部材3の縁部に位置する第1袋部33から、緩衝部材3の中央部に位置する第1袋部33に向けて、第1袋部33および第2袋部34の空気圧が順に小さくなるようにしてもよい。このように構成すれば、フレームレス太陽電池モジュール50が撓んだときに、フレームレス太陽電池モジュール50から加えられる力を緩衝部材3の全体で受けることができる。
【0073】
また、実施の形態1では、支持部材2に2個の嵌合凸部24および嵌合凹部25が形成される例を示したが、これに限らず、嵌合凸部24および嵌合凹部25の数はいくつであってもよい。また、隣接する支持部材2同士を取り付け可能に構成すれば、嵌合凸部24および嵌合凹部25が形成されていなくてもよい。
【0074】
また、実施の形態1では、フレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bに取り付けられた緩衝部材3が1つ下のフレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aと接触する例を示したが、これに限らず、フレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bに取り付けられた緩衝部材3が1つ下のフレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aと離間するようにしてもよい。
【0075】
また、実施の形態1では、フレームレス太陽電池モジュール50に緩衝部材3を取り付けた後に、フレームレス太陽電池モジュール50に支持部材2を取り付ける例を示したが、これに限らず、フレームレス太陽電池モジュール50に支持部材2を取り付けた後に、フレームレス太陽電池モジュール50に緩衝部材3を取り付けるようにしてもよい。
【0076】
図8は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る緩衝部材を示した斜視図である。図8を参照して、実施の形態1の変形例1に係る緩衝部材3aについて説明する。
【0077】
緩衝部材3aは、複数に分割された袋体31aと、袋体31aの内部に充填された気体32aとを含んでいる。
【0078】
袋体31aは、平面的に見てストライプ状(縞状)に分割されている。具体的には、袋体31aは、複数の第1袋部33aと、1個の第2袋部34aとを含んでいる。第2袋部34aには、支持部材2により支持されるフレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51(図2参照)と対応する領域に凹部35aが形成されている。
【0079】
なお、緩衝部材3aのその他の構成は、上記した緩衝部材3と同様である。
【0080】
図9は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る緩衝部材を示した斜視図である。図9を参照して、実施の形態1の変形例2に係る緩衝部材3bについて説明する。
【0081】
緩衝部材3bは、分割されていない袋体31bと、袋体31bの内部に充填された気体32bとを含んでいる。
【0082】
緩衝部材3bには、支持部材2により支持されるフレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51と対応する領域に凹部35bが形成されている。なお、緩衝部材3bのその他の構成は、上記した緩衝部材3と同様である。
【0083】
<実施の形態2>
図10は、本発明の実施の形態2に係る梱包構造体を示した斜視図である。図11は、図10に示した梱包構造体の底面図である。図12は、図10のB−B断面図である。図10〜図12を参照して、実施の形態2に係る梱包構造体1cの構造について説明する。なお、以下では、実施の形態1に係る梱包構造体1と同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。また、図10〜図12では、説明を簡略化するために、積み重ねられるフレームレス太陽電池モジュール50のうち1枚のフレームレス太陽電池モジュール50を抜き出して示した。
【0084】
梱包構造体1cは、支持部材2および緩衝部材3bと、フレームレス太陽電池モジュール50の端部と係合する係合部5aおよび係合部5bとを備えている。係合部5aおよび係合部5bは、たとえば、断面U字状の発泡スチロールである。
【0085】
係合部5aは、2個設けられており、緩衝部材3bの長手方向の両端部にそれぞれ取り付けられている。そして、一対の係合部5aは、緩衝部材3bの長手方向において対向配置されている。これにより、緩衝部材3bに取り付けられる一対の係合部5aがフレームレス太陽電池モジュール50を挟持するように構成されている。
【0086】
係合部5bは、2個設けられており、緩衝部材3bの短手方向の両端部にそれぞれ取り付けられている。そして、一対の係合部5bは、緩衝部材3bの短手方向において対向配置されている。これにより、緩衝部材3bに取り付けられる一対の係合部5bがフレームレス太陽電池モジュール50を挟持するように構成されている。
【0087】
係合部5aおよび係合部5bは、緩衝部材3bをフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けるために設けられている。なお、図12に示すように、緩衝部材3bをフレームレス太陽電池モジュール50に対して取り付ける接着剤4(図5参照)が設けられていない。
【0088】
なお、実施の形態2による梱包構造体1cのその他の構造および効果は、実施の形態1による梱包構造体1と同様である。
【0089】
実施の形態2では、係合部5aおよび係合部5bが発泡スチロールにより形成される例を示したが、これに限らず、係合部5aおよび係合部5bがエアバッグや段ボールにより形成されていてもよい。
【0090】
また、実施の形態2では、緩衝部材3bに係合部5aおよび係合部5bが取り付けられる例を示したが、これに限らず、緩衝部材3bに係合部5aおよび係合部5bのいずれか一方のみが取り付けられていてもよい。
【0091】
また、実施の形態2において、緩衝部材3bをフレームレス太陽電池モジュール50に対して取り付ける接着剤が設けられていてもよい。
【0092】
<実施の形態3>
図13は、本発明の実施の形態3に係る梱包構造体を用いてフレームレス太陽電池モジュールを梱包した状態を示した斜視図である。図14は、図13に示した梱包構造体の部分拡大図である。図13および図14を参照して、実施の形態3に係る梱包構造体1dの構造について説明する。なお、以下では、実施の形態1に係る梱包構造体1と同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0093】
梱包構造体1dは、フレームレス太陽電池モジュール50を支持する支持部材2dと、フレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bに配置される緩衝部材3とを備えている。梱包構造体1dは、フレームレス太陽電池モジュール50を水平な状態で積み重ねて梱包するように構成されている。
【0094】
支持部材2dは、2個設けられており、水平な状態のフレームレス太陽電池モジュール50の短手方向の両端部をそれぞれ支持するように構成されている。すなわち、支持部材2dは、フレームレス太陽電池モジュール50の対向する2辺を支持するように構成されている。また、支持部材2dは、水平な状態のフレームレス太陽電池モジュール50を横方向から挟み込むように配置されている。
【0095】
支持部材2dは、たとえば、PPやABSなどの樹脂により一体的に形成されている。支持部材2dは、フレームレス太陽電池モジュール50の長手方向の全長を支持するように構成されている。支持部材2dにより支持されるフレームレス太陽電池モジュール50は、段ボール6により包まれている。
【0096】
支持部材2d(図14参照)は、垂直方向Zに延びる基体部21dと、基体部21dから水平方向に延びる支持部22dとを有する。支持部22dは、垂直方向Zに所定の間隔を隔てて複数設けられている。すなわち、支持部材2dは、正面から見て櫛状に形成されている。
【0097】
なお、実施の形態3による梱包構造体1dのその他の構造は、実施の形態1による梱包構造体1と同様である。
【0098】
図15A〜図15Cは、本発明の実施の形態3に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図である。図15A〜図15Cを参照して、実施の形態3に係る梱包構造体1dを用いたフレームレス太陽電池モジュール50の梱包方法について説明する。
【0099】
まず、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50(図15A参照)に緩衝部材3が接着剤4(図14参照)を用いて取り付けられる。このとき、フレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51(図2参照)が緩衝部材3の凹部35(図4参照)に配置される。
【0100】
そして、緩衝部材3が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50が一対の支持部材2dの間に挿入される。具体的には、緩衝部材3が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50は、1段目の支持部22dと2段目の支持部22dとの間に挿入される。これにより、図15Bに示すように、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の短手方向の両端部がそれぞれ支持部材2dの1段目の支持部22dに支持される。
【0101】
なお、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられる緩衝部材3の厚みは、2枚目以降のフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられる緩衝部材3の厚みの約半分である。
【0102】
次に、2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50(図15C参照)に緩衝部材3が接着剤4を用いて取り付けられる。このとき、フレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51が緩衝部材3の凹部35に配置される。
【0103】
そして、緩衝部材3が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50が一対の支持部材2dの間に挿入される。具体的には、緩衝部材3が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50は、2段目の支持部22dと3段目の支持部22dとの間に挿入される。これにより、2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の短手方向の両端部がそれぞれ支持部材2dの2段目の支持部22dに支持される。
【0104】
その後、同様の作業が繰り返し行われることにより、支持部材2dの各段の支持部22dにより1枚のフレームレス太陽電池モジュール50(図13参照)が支持される。そして、支持部材2dにより支持されるフレームレス太陽電池モジュール50が段ボール6により包まれる。その後、梱包構造体1dを用いて梱包されたフレームレス太陽電池モジュール50が搬送される。
【0105】
なお、実施の形態3による梱包構造体1dの効果は、実施の形態1による梱包構造体1と同様である。
【0106】
実施の形態3では、フレームレス太陽電池モジュール50の長手方向の全長を支持部材2dが支持する例を示したが、これに限らず、フレームレス太陽電池モジュール50の長手方向の一部を支持部材が支持するようにしてもよい。
【0107】
また、実施の形態3では、フレームレス太陽電池モジュール50の1辺に1個の支持部材2dが配置される例を示したが、これに限らず、フレームレス太陽電池モジュール50の1辺に複数の支持部材が配置されていてもよい。
【0108】
また、実施の形態3では、支持部材2dがフレームレス太陽電池モジュール50の短手方向の両端部を支持する例を示したが、これに限らず、支持部材がフレームレス太陽電池モジュール50の長手方向の両端部を支持するようにしてもよい。
【0109】
また、実施の形態3では、フレームレス太陽電池モジュール50の対向する2辺が支持部材2dにより支持される例を示したが、これに限らず、フレームレス太陽電池モジュール50の3辺が支持部材により支持されるようにしてもよいし、フレームレス太陽電池モジュール50の4辺が支持部材により支持されるようにしてもよい。
【0110】
また、実施の形態3において、支持部材2dの一番上の支持部22dに支持されるフレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aに緩衝部材3が取り付けられていてもよい。
【0111】
<実施の形態4>
図16は、本発明の実施の形態4に係る梱包構造体を用いてフレームレス太陽電池モジュールを梱包した状態を示した斜視図である。図17は、図16に示した梱包構造体の部分拡大図である。図16および図17を参照して、実施の形態4に係る梱包構造体1eの構造について説明する。なお、以下では、実施の形態1に係る梱包構造体1と同一部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0112】
梱包構造体1eは、フレームレス太陽電池モジュール50を支持する支持部材2eと、フレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bに配置される緩衝部材3とを備えている。梱包構造体1eは、フレームレス太陽電池モジュール50を垂直な状態で梱包するように構成されている。
【0113】
支持部材2eは、2個設けられており、垂直な状態のフレームレス太陽電池モジュール50の短手方向の両端部をそれぞれ支持するように構成されている。また、支持部材2eは、垂直な状態のフレームレス太陽電池モジュール50を縦方向から挟み込むように配置されている。
【0114】
支持部材2eは、たとえば、PPやABSなどの樹脂により一体的に形成されている。支持部材2eは、フレームレス太陽電池モジュール50の長手方向の全長にわたって配置されている。支持部材2eにより支持されるフレームレス太陽電池モジュール50は、段ボール6により包まれている。
【0115】
支持部材2e(図17参照)は、板状の基体部21eと、垂直方向に延びる凸部22eとを有する。凸部22eは所定の間隔を隔てて複数設けられており、隣接する一対の凸部22eにより溝状部23eが形成されている。
【0116】
支持部材2eは、フレームレス太陽電池モジュール50の短手方向の端部が溝状部23eに挿入されることにより、フレームレス太陽電池モジュール50を支持するように構成されている。
【0117】
なお、実施の形態4による梱包構造体1eのその他の構造は、実施の形態1による梱包構造体1と同様である。
【0118】
図18A〜図18Cは、本発明の実施の形態4に係る梱包構造体を用いたフレームレス太陽電池モジュールの梱包方法を説明するための図である。図18A〜図18Cを参照して、実施の形態4に係る梱包構造体1eを用いたフレームレス太陽電池モジュール50の梱包方法について説明する。
【0119】
まず、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50(図18A参照)に緩衝部材3が接着剤4(図17参照)を用いて取り付けられる。このとき、フレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51(図2参照)が緩衝部材3の凹部35(図4参照)に配置される。
【0120】
そして、緩衝部材3が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50が支持部材2eの溝状部23eに挿入される。これにより、図18Bに示すように、1枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の短手方向の端部が支持部材2eにより支持される。
【0121】
次に、2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50(図18C参照)に緩衝部材3が接着剤4を用いて取り付けられる。このとき、フレームレス太陽電池モジュール50の端子ボックス51が緩衝部材3の凹部35に配置される。
【0122】
そして、緩衝部材3が取り付けられたフレームレス太陽電池モジュール50が支持部材2eの溝状部23eに挿入される。これにより、2枚目のフレームレス太陽電池モジュール50の短手方向の端部が支持部材2eにより支持される。
【0123】
その後、同様の作業が繰り返し行われることにより、支持部材2eの各溝状部23eにフレームレス太陽電池モジュール50(図16参照)が挿入される。そして、フレームレス太陽電池モジュール50の上方に支持部材2eが配置され、支持部材2eにより支持されるフレームレス太陽電池モジュール50が段ボール6(図16参照)により包まれる。その後、梱包構造体1eを用いて梱包されたフレームレス太陽電池モジュール50が搬送される。
【0124】
なお、実施の形態4による梱包構造体1eの効果は、実施の形態1による梱包構造体1と同様である。
【0125】
実施の形態4では、フレームレス太陽電池モジュール50の長手方向の全長にわたって支持部材2eが配置される例を示したが、これに限らず、フレームレス太陽電池モジュール50の長手方向の一部に支持部材が配置されるようにしてもよい。
【0126】
また、実施の形態4において、フレームレス太陽電池モジュール50と段ボール6との間に緩衝部材3が設けられていてもよい。
【0127】
また、実施の形態4では、上側の支持部材2eが最後に配置される例を示したが、これに限らず、一対の支持部材2eの間にフレームレス太陽電池モジュール50が挿入されるようにしてもよい。
【0128】
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0129】
たとえば、実施の形態1〜実施の形態4では、緩衝部材に凹部が形成される例を示したが、これに限らず、緩衝部材に凹部が形成されていなくてもよい。
【0130】
また、実施の形態1〜実施の形態4では、フレームレス太陽電池モジュール50の裏面50bに緩衝部材が取り付けられる例を示したが、これに限らず、フレームレス太陽電池モジュール50の受光面50aに緩衝部材が取り付けられていてもよい。
【0131】
また、実施の形態1〜実施の形態4では、接着剤または係合部により、緩衝部材がフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられる例を示したが、これに限らず、緩衝部材がフレームレス太陽電池モジュール50に取り付けられていなくてもよい。この場合には、フレームレス太陽電池モジュール50が支持部材に支持された後に、フレームレス太陽電池モジュール50の間に緩衝部材を挿入するようにしてもよい。
【0132】
また、実施の形態1〜実施の形態4において、緩衝部材を再利用可能に構成してもよい。具体的には、袋体に対して気体の充填・排出を繰り返し行えるように緩衝部材を構成してもよい。
【0133】
また、実施の形態2では、緩衝部材3bが設けられる例を示したが、これに限らず、緩衝部材3または緩衝部材3aが設けられていてもよい。同様に、実施の形態3および実施の形態4では、緩衝部材3が設けられる例を示したが、これに限らず、緩衝部材3aまたは緩衝部材3bが設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1、1c、1d、1e 梱包構造体
2、2d、2e 支持部材
3、3a、3b 緩衝部材
4 接着剤
5a、5b 係合部
31、31a、31b 袋体
32、32a、32b 気体
35、35a、35b 凹部
50 フレームレス太陽電池モジュール
50a 受光面
50b 裏面
51 端子ボックス(凸部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部にフレームが設けられていないフレームレス太陽電池モジュールを梱包する梱包構造体であって、
前記フレームレス太陽電池モジュールを支持する支持部材と、
前記支持部材により支持される前記フレームレス太陽電池モジュールの受光面または前記受光面とは反対側の裏面に配置される緩衝部材とを備え、
前記緩衝部材は、袋体と、前記袋体に充填された気体とを含むこと
を特徴とする梱包構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の梱包構造体であって、
前記緩衝部材の前記袋体は、複数に分割されていること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の梱包構造体であって、
前記緩衝部材の端部に取り付けられた係合部を備え、
前記係合部は、前記フレームレス太陽電池モジュールの端部と係合する構成とされていること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の梱包構造体であって、
前記緩衝部材を前記フレームレス太陽電池モジュールに貼り付ける接着剤を備えること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の梱包構造体であって、
前記緩衝部材には、凹部が形成され、
前記緩衝部材の前記凹部には、前記支持部材により支持される前記フレームレス太陽電池モジュールの凸部が配置されること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項6】
請求項5に記載の梱包構造体であって、
前記フレームレス太陽電池モジュールの前記凸部は、前記フレームレス太陽電池モジュールの前記裏面に設けられた端子ボックスであること
を特徴とする梱包構造体。
【請求項7】
端部にフレームが設けられていないフレームレス太陽電池モジュールを梱包する梱包方法であって、
袋体と前記袋体に充填された気体とを含む緩衝部材を、前記フレームレス太陽電池モジュールの受光面または前記受光面とは反対側の裏面に取り付ける工程と、
前記緩衝部材が取り付けられた前記フレームレス太陽電池モジュールを支持部材により支持させる工程とを備えること
を特徴とする梱包方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれか一つに記載の梱包構造体を用いてフレームレス太陽電池モジュールを梱包して搬送すること
を特徴とする搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【公開番号】特開2012−236635(P2012−236635A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107296(P2011−107296)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】