説明

梱包用トレイ

【課題】収納凹部内に収納する付属品の多少にかかわらず、収納凹部自体の形状を変更することなく同じ梱包用トレイを使用できるようにする。
【解決手段】一枚の段ボールシートを複数回折り曲げることにより、外周の側壁間3,4,5,6に上下に複数の平面部7,8,9を形成する。付属品収納凹部20を底面20eと、4つの側面と、第1平面部7に切り欠いた付属品収納凹部用孔7aとで形成する。この付属品収納凹部20を、下辺21aが底面20eに当接し、上辺21bが反対側の付属品収納凹部用孔7a周縁まで延びる、取り外し可能な収納物保持用仕切板21によって仕切る。収納物保持用仕切板21を、一枚の段ボールシート23を上辺21bに表面側に突出し、垂直な方向に延びる突条24が形成されるように折り曲げて形成する。突条24で仕切られた一方に、下辺側から上辺21b側へ切り込まれたスリット27により、舌片28を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
携帯電話機などの電子機器を梱包するための梱包用トレイであって、特にその輸送時の落下や振動対策に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、携帯電話機購入時は、携帯電話機本体、電池蓋、電池パック、ステレオイヤホン、USBケーブル、取扱説明書等が1つの梱包用箱に梱包されている。近年、製品名や同梱物名を印刷した個装ケースに、携帯電話機本体、電池蓋、電池パック、ステレオイヤホン及びUSBケーブルを収納する梱包用トレイと、取扱説明書とを梱包するようになっている。また、梱包用トレイ上においては、収納凹部が2つ設けられ、一方に携帯電話機本体、他方に電池蓋、電池パック、ステレオイヤホン、USBケーブル等が収納されるように分離されている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、包装箱の前板の上縁に蓋受け部、仕切り前部、仕切り底部及び仕切り後部を順次折罫線を介し連接して天面フラップを形成し、包装箱内に電話機本体を収納した後上記天面フラップを各折罫線に沿って内方に折り込むことにより、箱内部を電話機本体が収納される主収納空間と補助収納空間とに区画している。そして、補助収納空間内に電源アダプタや回線コード等の付属品を収納した後、後板の上縁に折罫線を介して連接した天蓋板で補助収納空間の開口を閉塞することにより、天面フラップを利用して箱内部を主収納空間と補助収納空間に区画形成し、別部材としての仕切りを省略している。
【0004】
特許文献2においては、梱包箱の胴体部の底を形成する胴体底に、胴体側壁、胴体上、胴体側壁が設けられ、これを折り込むことで四角柱形上の箱が形成されている。胴体底には、中底、支持壁、底、支持壁、中底が設けられ、底を中央の溝として両側に中底を有する溝構造仕切り板が取り付けられている。胴体側壁には、内蓋の端部に折り込み板が設けられ、これにより形成される箱部と、支持壁を折り込んだ場合に中底に直角に配置される耳部とによって被梱包物が固定されている。電池は切り欠きによって設けられるスペースに収納され、紙を折り曲げ、外箱と共に内部仕切を形成し、小型携帯電子機器等を安全かつ確実に保持することができるようにしている。
【特許文献1】特開平7−237629号公報
【特許文献2】特開平11−236026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、携帯電話機の一部のモデルでは、ステレオイヤホン及びUSBケーブルが同梱されず、希望者にのみ別売とするケースが増えてきている。このような場合、従来の梱包用トレイでは、電池蓋、電池パック、ステレオイヤホン及びUSBケーブルが収納されていた収納凹部は、比較的大きな容積を占めていたステレオイヤホン、USBケーブルがなくなることで、収納凹部内で電池蓋や電池パックががたつかないようにするために、収納凹部を小さく変更しなければばらない。
【0006】
携帯電話機、電池蓋、電池パック、ステレオイヤホン及びUSBケーブルの外形は、モデルによって大きさの差は小さく、大き目の収納凹部に収納しても問題ないため、同一のトレイでカバーできるが、ステレオイヤホン及びUSBケーブルがあるものとないものでは、サイズの差が大きすぎるので、収納凹部を小さくしなければならないという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納凹部内に収納する付属品の多少にかかわらず、収納凹部自体の形状を変更することなく同じ梱包用トレイを使用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、収納凹部を仕切る仕切板を設け、仕切板で収納凹部内のスペースを調整するようにした。
【0009】
具体的には、第1の発明では、
一枚のシートを複数回折り曲げることにより、外周の側壁間に上下に複数の平面部が形成され、
該複数の平面部のうち、下側平面部を底面として上方に開口した収納凹部が形成される梱包用トレイを対象とする。
【0010】
上記収納凹部は、
上記底面と、4つの側面と、上記上側の平面部に切り欠いた収納凹部用孔とで形成され、
下辺が上記底面と1つの側面とで形成された下側隅角部に当接し、上辺が該1つの側面に対向する側面側の上記収納凹部用孔周縁まで延びる、取り外し可能な収納物保持用仕切板によって仕切られ、
上記収納物保持用仕切板は、一枚のシートを表面側に突出し、上記上辺に垂直な方向に延びる突条を形成するように折り曲げられて形成され、
少なくとも上記突条で仕切られた一方には、下辺側から上辺側へ切り込まれたスリットにより、下辺側が表面側に折り曲げられ、さらに上方へ折り曲げられることで舌片が形成されている。
【0011】
上記の構成によると、収納凹部内に収納される収納物が減った場合でも、収納物保持用仕切板を設けることで、収納凹部内のスペースが狭められ、収納凹部内に収納した収納物ががたつかない。収納物保持用仕切板は、突条を形成するように折り曲げることにより、突条部分が弾性変形可能となり、突条に垂直な方向に付勢力を生じさせることができる。このため、上辺を収納凹部用孔周縁に挿入するときに突条部分を弾性変形させることで、その付勢力により、収納物保持用仕切板が外れにくくなる。また、舌片により、収納物を押さえることで収納物ががたつかない。このため、収納凹部内に収納する付属品の多少にかかわらず、収納凹部自体の形状を変更することなく同じ梱包用トレイを使用できる。なお、舌片は、突条で仕切られた一方のみに設けてもよいし、両方に設けてもよい。
【0012】
第2の発明では、第1の発明において、
上記対向側面上端は、上記収納凹部用孔周縁よりも奥まった部分まで延び、
上記収納物保持用仕切板の上辺は、上記収納凹部用孔周縁と該対向側面上端とで形成された上側隅角部に挿入されて保持されている。
【0013】
上記の構成によると、収納物保持用仕切板の上辺が収納凹部用孔周縁と対向側面上端とで形成された上側隅角部に挿入されることにより、確実に保持されるので、収納凹部内に収納した収納物のぐらつきが防止される。そして、収納物保持用仕切板は、突条を形成するように折り曲げることにより、突条部分が弾性変形可能となり、突条に垂直な方向に付勢力を生じさせることができる。このため、上辺を上側隅角部に挿入するときに突条部分を弾性変形させることで、その付勢力により、収納物保持用仕切板が外れにくくなる。
【0014】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記突条は、断面三角形とする。
【0015】
上記の構成によると、簡単で折り曲げやすい構成で、突条の延びる方向に垂直に適度な弾性が発揮される。
【0016】
第4の発明では、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、
上記舌片の裏面には、携帯端末の電池蓋が保持され、
上記舌片と反対側には、電池パックが保持される構成とする。
【0017】
すなわち、携帯端末の付属品を収納する収納凹部は、電池蓋、電池パック、ステレオイヤホン及びUSBケーブル等が収納可能なサイズに設定されているが、上記の構成によると、比較的大きな容積を占めるステレオイヤホン及びUSBケーブル等が同梱されない場合でも、収納物保持用仕切板で仕切ることにより、収納凹部内で電池蓋や電池パックががたつかないため、収納凹部を小さく変更する必要はない。さらに、電池蓋は、切欠に確実に保持される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によると、折り曲げて成形された突条と、スリットにより切り起こされた舌片とを有し、下辺が収納凹部の底面と1つの側面との間に形成される下側隅角部に当接し、上辺が対向する側面の上記収納凹部用孔周縁まで延びる、取り外し可能な収納物保持用仕切板を付属品に合わせ、収納凹部に取り外し又は取り付けることにより、収納凹部内に収納する付属品の多少にかかわらず、収納凹部自体の形状を変更することなく同じ梱包用トレイを使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1及び図2は本発明の実施形態の梱包用トレイ1を示し、図3に折り畳む前の段ボールシート2を示す。
【0021】
梱包用トレイ1は、一枚の段ボールシート2を複数回折り曲げることにより、直方体状に組み立てられる。具体的には、梱包用トレイ1は、外周を囲む第1〜第4側壁3,4,5,6と、上下に並んだ第1〜第3平面部7,8,9とを有する。
【0022】
第1側壁3及び第3側壁5は、梱包用トレイ1の幅方向を塞ぐもので、先端にそれぞれ折り込み用のフラップ部3a,5aを備えている。フラップ部3a,5aは、梱包用トレイ1の幅方向に延びる幅方向折曲線31で折り曲げ可能となっている。第2側壁4は、梱包用トレイ1の底面を構成する第3平面部9に連続し、この第3平面部9は、糊付用のフラップ部9aを備えている。第4側壁6は、第2平面部8に連続している。第2側壁4と第3平面部9、第3平面部9とそのフラップ部9a及び第4側壁6と第2平面部8の間には、それぞれ折り曲げやすいようにH形のスリット30が複数加工されている。スリット30のないところには、長手方向に延びる長手方向折曲線32が形成されている。
【0023】
上記第1〜第3平面部7,8,9のうち、上下中間の第2平面部8を底面として上方に開口した本体収納凹部10が形成されている。この本体収納凹部10には、携帯電話機本体50が収納されるようになっている。つまり、第2平面部8は、携帯電話機本体50が収納状態でぐらつかないように、上げ底になっている。
【0024】
上記本体収納凹部10を形成する第2平面部8には、一対の直線状の差込用孔11が向かい合うように互いに平行に形成されている。
【0025】
上記本体収納凹部10の上縁には、内側に折り込むことにより、本体収納凹部10の側面を構成する一対の仕切板12が形成されている。仕切板12の底辺12aには、保持片15が連続して形成されている。図6に示すように、保持片15は、仕切板12を、底辺12aを折り曲げ線としてさらに内側に折り込むことにより、第2平面部8に重なると共に、先端15aが第1側壁3又は第3側壁5に当接するように構成されている。保持片15の先端15aには、指先を掛けるための半円形の指掛用切欠16が形成されている。
【0026】
保持片15を折り曲げることにより、折り曲げ線の底辺12aから差込突部13が突出するようにコ字状のスリットが設けられている。差込突部13は、差込用孔11の幅よりも若干幅が狭くなっている。このことで、仕切板12を本体収納凹部10上縁の幅方向折曲線31に沿って折り曲げて本体収納凹部10の側面とするときに、差込突部13が差込用孔11に差し込まれて抜け止めされるように構成されている。また、差込突部13を差込用孔11に差し込んだ状態で、仕切板12の底辺12aは、第2平面部8に当接している。
【0027】
第2平面部8に連続する本体収納凹部10の凹部長手方向側壁10aは、下端に起立部10bが切り込まれ、組み立てられたときに、その起立部10b先端が第3平面部9に当接するようになっている。
【0028】
梱包用トレイ1は、本体収納凹部10に並んで、付属部品である電池蓋54、電池パック53、ステレオイヤホン及びUSBケーブル(図示せず)等が梱包される付属品収納凹部20を備えている。付属品収納凹部20は、底面20eと、4つの側面と、第1平面部7に切り欠いた付属品収納凹部用孔7aとで形成されている。上記本体収納凹部10と異なり、この底面20eは、最も低い第3平面部9で構成されている。付属品収納凹部20の収納凹部長手方向側面20aは、糊付部20bを介して凹部長手方向側壁10aに連続し、下端に一対の切込部20cを備えている。この切込部20cには、第1平面部7に連続して付属品収納凹部20の側面を構成する収納凹部幅方向側面20dが幅方向折曲線31で折り曲げられた起立状態で差し込まれるようになっている。
【0029】
図7に示すように、付属品収納凹部20は、下辺21aが付属品収納凹部20の底面20eと第2側壁4とで形成される下側隅角部22に当接し、上辺21bが対向する収納凹部長手方向側面20a側の付属品収納凹部用孔7a周縁まで延びる、取り外し可能な収納物保持用仕切板21によって仕切ることが可能となっている。収納凹部長手方向側面20a上端は、付属品収納凹部用孔7a周縁よりも奥まった部分まで延び、収納物保持用仕切板21の上辺21bは、付属品収納凹部用孔7a周縁と収納凹部長手方向側面20a上端とで形成された上側隅角部29に挿入されて保持されている。
【0030】
図8に示すように、収納物保持用仕切板21は、一枚の略台形型の段ボールシート23を表面側に突出し、上辺21bに垂直な方向に延びる突条24が形成されるように折り曲げられて形成される。段ボールシート23の左右中間部に上辺21bに垂直な3本の折り曲げ線26a,26b,26cを設け、これらの上下を折り曲げ線26a,26b,26cをつなぐ三角形状に切欠25を設け、左右の折り曲げ線26a,26cを谷折りにし、中央の折り曲げ線26bを山折りにすることで、断面三角形の突条24が形成される。このように、突条24を形成するように折り曲げることにより、突条24部分が弾性変形可能となり、突条24に垂直な方向に付勢力を生じさせることができる。この簡単で折り曲げやすい構成で、突条24に適度な弾性が発揮される。
【0031】
また、突条24で仕切られた一方には、下辺側から上辺21b側へ略逆U字状に切り込まれたスリット27により、下辺側が表面側に折り曲げられ、さらに上方へ折り曲げられることで舌片28が形成されている。舌片28の裏面には、携帯端末の電池蓋54が保持され、突条24で仕切られた舌片28と反対側には、電池パック53が保持されるようになっている。
【0032】
−梱包用トレイ1の梱包手順−
次に、本実施形態にかかる梱包用トレイ1の組立手順について説明する。
【0033】
まず、一枚の段ボールシート2を図3に示す展開図のように切り抜き、スリット30及び幅方向折曲線31及び長手方向折曲線32を形成する。このとき、差込用孔11、仕切板12、差込突部13、起立部10b、切込部20c等も切り込み加工しておく。
【0034】
次いで、第4側壁6及び糊付部20bに糊を塗布しておく。
【0035】
次いで、長手方向折曲線32に沿って順次段ボールシート2を折り曲げる。すると、糊を塗布した第4側壁6とフラップ部9aとが貼り付けられ、糊付部20bと第1平面部7裏面とが貼り付けられる。この状態で段ボールシート2は、幅方向に折り畳み可能となり、折り畳んで第1〜第3平面部7,8,9が重なった状態の段ボールシート2を商品梱包場所に運搬すると、かさが減って運搬しやすい。
【0036】
次いで、一対の仕切板12を幅方向折曲線31に沿って内側へ折り曲げる。仕切板12を折り曲げるときには、指掛用切欠16に指先を掛けることで、折り曲げ作業が容易に行われる。まず、仕切板12の底辺12aを折り曲げ、保持片15の先端を第3平面部9に摺接させながら折り込み、底辺12aが第3平面部9に摺接する際には、仕切板12を押さえながら、差込突部13を差込用孔11に差し込む。すると、保持片15が第2平面部8に重なる。
【0037】
最後に第1側壁3のフラップ部3a及び第3側壁5のフラップ部5aを第3平面部9側に差し込んで梱包用トレイ1の組立が完了する。この段階で図6に示すように、第1側壁3及び第3側壁5のそれぞれの内面は、保持片15の先端に当接するので、保持片15がさらに水平に移動することはない。このようにして、仕切板12が堅固に保持され、製品を梱包した状態で落下や振動により外力が加わっても、差込突部13が差込用孔11から容易に外れない。
【0038】
この状態で、図4に示すように、本体収納凹部10に携帯電話機本体50を挿入し、付属品収納凹部20に付属品を収納する。
【0039】
次いで、携帯電話機の付属品として、電池蓋54、電池パック53、ステレオイヤホン及びUSBケーブル(図示せず)を収納する場合には、付属品収納凹部20にこれらを収納する。付属品収納凹部20は、これらの付属品が収納可能なサイズに設定されている。
【0040】
一方、比較的大きな容積を占めるステレオイヤホン及びUSBケーブル等が同梱されない場合には、付属品収納凹部20を収納物保持用仕切板21で仕切る。
【0041】
まず、予め図8に示す一枚の段ボールシート23を突条24及び舌片28を形成するように折り曲げ、収納物保持用仕切板21を形成しておく。
【0042】
そして、図7に示すように、収納物保持用仕切板21の下辺21aを下側隅角部22に当接させた状態で、突条24を変形させながら、収納物保持用仕切板21の上辺21bを上側隅角部29に挿入する。この突条24の付勢力により、左右方向に付勢力が働き、収納物保持用仕切板21が外れにくくなる。
【0043】
次いで、舌片28の裏面側に携帯電話機の電池蓋54を挿入し、反対側に電池パック53を立てるように収納する。この舌片28により、電池蓋54が押さえられる。
【0044】
このように、付属品収納凹部20内に収納される収納物が減った場合でも、収納物保持用仕切板21を設けることで、付属品収納凹部20内のスペースが狭められ、付属品収納凹部20内に収納した電池パック53及び電池蓋54ががたつかない。このため、付属品収納凹部20内に収納する付属品の多少にかかわらず、付属品収納凹部20自体の形状を変更することなく同じ梱包用トレイ1を使用できる。
【0045】
最後に、図5に示すように、梱包用トレイ1を外箱51に挿入し、外箱51の第1フラップ部51aを折り込んだ上で取扱説明書52等が収納され、第2フラップ部51bで蓋をすることで携帯電話機の梱包作業が完成する。外箱51の第1フラップ部51aの裏面により、電池パック53の上端が適度に押さえられるので、電池パック53ががたつくのが防止される。
【0046】
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態にかかる梱包用トレイ1によると、折り曲げて成形された突条24と、スリット27により切り起こされた舌片28とを有し、下辺21aが下側隅角部22に当接し、上辺21bが上側隅角部29に当接する、取り外し可能な収納物保持用仕切板21を付属品に合わせ、付属品収納凹部20に取り外し、又は取り付けることにより、付属品収納凹部20内に収納する付属品の多少にかかわらず、付属品収納凹部20自体の形状を変更することなく同じ梱包用トレイ1を使用できる。
【0047】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0048】
すなわち、上記実施形態では、本体収納凹部10に携帯電話機本体50を挿入したが、これに限定されず、PHS、PDA、PC、モバイルツール、電子辞書、電卓、複写機等幅広い用途がある。また、付属品収納凹部20内にステレオイヤホン及びUSBケーブル等が同梱されない場合に、電池パック53及び電池蓋54を収納物保持用仕切板21,121で保持するようにしたが、これに限定されない。要は、付属品収納凹部20内の収納物が変動する場合に本発明が適用可能である。
【0049】
上記実施形態では、突条24で仕切られた一方側にのみ舌片28を設けたが、他方にも舌片28を設けてもよい。
【0050】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態にかかる梱包用トレイの斜視図である。
【図2】梱包用トレイの平面図である。
【図3】組立前の梱包用トレイの展開図である。
【図4】梱包用トレイを外箱に挿入した様子を示す斜視図である。
【図5】梱包用トレイを挿入後、取扱説明書を挿入する様子を示す斜視図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】収納物保持用仕切板で付属品収納凹部を仕切った様子を示す図1相当図である。
【図8】収納物保持用仕切板の展開図である。
【符号の説明】
【0052】
1 梱包用トレイ
2 段ボールシート(シート)
3 第1側壁
4 第2側壁
5 第3側壁
6 第4側壁
7 第1平面部(上側平面部)
7a 付属品収納凹部用孔
8 第2平面部
20 付属品収納凹部
20a 収納凹部長手方向側面(対向側面)
20d 底面
21 収納物保持用仕切板
21a 下辺
21b 上辺
22 下側隅角部
23 段ボールシート
24 突条
25 切欠
26a〜26c 折り曲げ線
27 スリット
29 上側隅角部
53 電池パック
54 電池蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のシートを複数回折り曲げることにより、外周の側壁間に上下に複数の平面部が形成され、
該複数の平面部のうち、下側平面部を底面として上方に開口した収納凹部が形成される梱包用トレイであって、
上記収納凹部は、
上記底面と、4つの側面と、上記上側の平面部に切り欠いた収納凹部用孔とで形成され、
下辺が上記底面と1つの側面とで形成された下側隅角部に当接し、上辺が該1つの側面に対向する側面側の上記収納凹部用孔周縁まで延びる、取り外し可能な収納物保持用仕切板によって仕切られ、
上記収納物保持用仕切板は、一枚のシートを表面側に突出し、上記上辺に垂直な方向に延びる突条を形成するように折り曲げられて形成され、
少なくとも上記突条で仕切られた一方には、下辺側から上辺側へ切り込まれたスリットにより、下辺側が表面側に折り曲げられ、さらに上方へ折り曲げられることで舌片が形成されている
ことを特徴とする梱包用トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の梱包用トレイであって、
上記対向側面上端は、上記収納凹部用孔周縁よりも奥まった部分まで延び、
上記収納物保持用仕切板の上辺は、上記収納凹部用孔周縁と該対向側面上端とで形成された上側隅角部に挿入されて保持されている
ことを特徴とする梱包用トレイ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の梱包用トレイであって、
上記突条は、断面三角形である
ことを特徴とする梱包用トレイ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の梱包用トレイであって、
上記舌片の裏面には、携帯端末の電池蓋が保持され、
上記舌片の反対側には、電池パックが保持される
ことを特徴とする梱包用トレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−96519(P2009−96519A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−270103(P2007−270103)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】